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大人可愛い服 50代コーデ|秋冬は甘さを形でなく素材と色で出す

メグラシ編集部//読了 13分
秋の並木道を歩く50代の女性。淡いピンクベージュの起毛ニットに、まっすぐなグレーのパンツと茶色の靴を合わせている

**50代で大人可愛い服を着たいなら、あなたが変えるのは甘さの「量」ではなく「出どころ」です。**フリルやリボンのような形で甘さを出すのをやめて、起毛やふくらみのある素材と、温かみのある淡い色に甘さを預ける。秋冬は、その素材と色がいちばん選びやすい季節です。

可愛い服が好きな50代の方から、「若いころと同じ服を着ると、なんとなく落ち着かない」「でも、急に地味な服にするのもさみしい」という声をよく聞きます。

このとき、可愛さを手放す必要はありません。気になっているのは、多くの場合、甘さの量ではなく、甘さがどこから出ているかです。フリル・リボン・丸い襟・パフスリーブのような形の甘さは、服の輪郭そのものを変えるので、遠くからでもよく目立ちます。一方で、起毛した素材のやわらかな表面や、淡くて温かみのある色の甘さは、近くで見たときにじんわり伝わります。

50代の大人可愛いは、この後者、つまり素材と色の甘さを中心に組むと、無理なく続きます。この記事では、大人可愛いという系統を1文で言い切ったうえで、形の甘さと素材・色の甘さの違い、甘さの点数の数え方、手持ちの服で寄せる組み方、そして「可愛すぎるかどうか」迷ったときの決め方を書いていきます。

40代の大人可愛いについては大人可愛い服40代の秋コーデ|甘さの出どころと、反対側に置く1枚で、甘さの出どころと反対側に置く服の考え方をまとめています。この記事は、その次の年代として、甘さそのものを形から素材へ移していく考え方を扱います。

結論:50代の大人可愛いは、甘さを素材と色に預ける

先に全体の考え方を置いておきます。

大人可愛いは、全体は落ち着いた大人の服のまま、一か所にだけ柔らかさや愛らしさを残す系統です。甘さは全身に散らさず、場所を絞ります。

50代でこの系統を着るときは、甘さの出どころを次のように移します。

  • 形の甘さ(フリル・リボン・丸い襟・パフスリーブ・ギャザーの多いスカート)は、1コーデに1点まで
  • 素材の甘さ(起毛・毛足・ふくらみ・やわらかな光沢)を、甘さの中心にする
  • 色の甘さ(ピンク・ラベンダー・ミルクティーのような淡く温かい色)を、顔に近い場所か、面積の小さい場所に置く

形の甘さを減らしても、素材と色の甘さを足せば、柔らかい印象はそのまま残ります。そして、素材と色の甘さは、年齢を重ねた肌や髪の質感となじみやすく、服だけが浮いて見えにくいという良さがあります。

大人可愛いを1文で言うと

服の系統の名前は、人によって指すものが少しずつ違います。この記事では、大人可愛いを次の1文で考えます。

「落ち着いた形と色の服を土台にして、どこか一か所だけ、触りたくなるような柔らかさを残した装い」

ここで大事なのは、「土台が落ち着いている」ことと、「柔らかさが一か所に絞られている」ことの2つです。土台まで甘くなるとガーリーに近づき、柔らかさが全身の揺れや曲線として出るとフェミニンに近づきます。大人可愛いは、その中間で、甘さの量が少なく、場所が限られている系統です。

近い系統との違いを並べておきます。

系統甘さの量甘さの場所甘さの出どころ
ガーリー多い全身形・柄・色
フェミニン中くらい全身の揺れや曲線形・素材の揺れ
大人可愛い少ない一か所素材・色(形は控えめ)

表は、系統の違いを見るための目安です。実際の服は、この境目をまたぐことも多いので、自分の手持ちがどこに寄っているかを見るために使ってください。ガーリーを大人向けに着る考え方は大人のガーリーファッションにまとめています。

形の甘さと、素材・色の甘さの違い

甘さには、大きく分けて3つの出どころがあります。形・素材・色です。

形の甘さ

形の甘さは、服の輪郭を変えることで出る甘さです。フリル、リボン、丸い襟、パフスリーブ、ギャザーやティアードの多いスカート、レースの縁取りなどがここに入ります。

形の甘さは、遠くからでもよく目立ちます。服の輪郭そのものが曲線や装飾になるので、数歩離れた人にも「可愛い服を着ている」と伝わります。そのぶん、重ねると甘さが一気に増えます。

素材の甘さ

素材の甘さは、服の表面の質感で出る甘さです。起毛したウール、毛足の長いニット、ふくらみのある編み地、やわらかなボア、しっとりした光沢のある生地などがここに入ります。

素材の甘さは、近づいたときに伝わる甘さです。遠くからは落ち着いた服に見え、近づくと「やわらかそう」「温かそう」と感じさせます。服の輪郭は変えないので、重ねても全体が甘くなりすぎません。

色の甘さ

色の甘さは、淡く、温かみのある色で出る甘さです。ピンク、ラベンダー、ミルクティーのような薄い茶色、クリーム色、淡い水色などがここに入ります。

色の甘さは、面積と場所で効き方が変わります。面積が大きいと遠くからも目立ち、顔の近くに置くと表情を柔らかく見せます。

50代で素材と色を中心にする理由

形の甘さは、着る人の顔立ちや雰囲気よりも、服のほうが先に目に入ります。若いころは、服の甘さと顔立ちの柔らかさが同じ方向を向いていたので、形の甘さも自然になじみました。年齢を重ねて顔立ちに落ち着きや深みが出てくると、形の甘さだけが前に出て、服と人が別々に見えやすくなります。

素材と色の甘さは、服の輪郭を変えずに、表面と色味で柔らかさを出します。そのため、落ち着いた顔立ちと並んでも、服だけが浮かずに、人と服がひとつの柔らかさとして見えます。これが、50代の大人可愛いで素材と色を中心にする理由です。

秋冬に甘さを出せる素材

秋冬は、甘さを預けられる素材がいちばん多い季節です。代表的なものを、甘さの強さの順に並べます。

起毛したウール

表面をやわらかく起こしたウールは、遠目には落ち着いた生地に見え、近づくと表面に光がやわらかく回ります。カーディガンや、やわらかいジャケット、スカートなどに多い素材です。甘さはいちばん控えめで、仕事の日にも使えます。

ふくらみのある編み地

ぽこぽこと立体的に編まれたニットや、厚みのあるケーブル編みは、表面に陰影ができて、やわらかさが目に見えます。セーターやベストに多い素材です。甘さは中くらいで、顔の近くに置くと表情が柔らかく見えます。

毛足のあるニット

表面に細かい毛足が立ったニットは、光を受けるとふんわりと輪郭がにじみます。甘さは強めです。顔の近くに大きな面積で着ると、甘さが前に出るので、ベストや小さめのカーディガン、マフラーなど、面積を絞って使うと大人可愛いに収まります。

ボア・ファー調の素材

ボアやファー調の素材は、甘さがいちばん強く出ます。上着の襟や、バッグ、帽子など、小さい面積で取り入れるのが向いています。全身を覆うボアの上着は、甘さよりもカジュアルさが前に出やすいので、大人可愛いを目指すなら、上着は落ち着いた素材にして、ボアは小物に回してください。

しっとりした光沢

ベロアや、とろみのある光沢の生地は、甘さと同時に華やかさも出ます。ブラウスやスカートに多い素材です。光沢がある生地は、色が淡いほど甘く、濃いほど大人っぽくなります。

素材の甘さを見分ける触り方と見方

手持ちの服のどれが「素材の甘さ」に入るのか分からないときは、触り方と見方で確かめてください。

まず、服の表面を手のひらで軽くなでます。手のひらに、ふわっとした感触や、表面の起伏を感じるものは、素材の甘さがある服です。つるっとした、あるいはさらっとした感触しかないものは、素材としては落ち着いた側に入ります。

次に、服を窓の近くに持っていき、光の当たる側と影になる側の境目を見ます。境目がふんわりとにじんで見えるものは、表面に毛足や起伏があり、素材の甘さが伝わる服です。境目がくっきりしているものは、表面がなめらかで、落ち着いた印象になります。

この二つで、手持ちの服を「素材の甘さあり」と「なし」に分けておくと、甘さの点数を数えるときに迷いません。

色の甘さ:淡さと温かさ

色で甘さを出すときは、「淡さ」と「温かさ」の2つを見ます。

淡さは、色の薄さです。同じピンクでも、濃い色は華やかさや強さが前に出て、淡い色はやさしさや愛らしさが前に出ます。大人可愛いで使うのは、淡いほうです。

温かさは、色の中に黄みや赤みがどのくらい含まれているかです。同じ淡いピンクでも、少し黄みを含んだピンクベージュは温かく、少し青みを含んだピンクは涼しげに見えます。秋冬は、温かい色のほうが季節の空気になじみやすく、甘さもやわらかく伝わります。

色を置く場所

色の甘さは、置く場所で効き方が変わります。顔に近い場所、つまりトップスや襟元、マフラーに置くと、表情が柔らかく見えます。顔から遠い場所、つまりスカートやパンツ、靴に置くと、全体の印象をやわらげつつ、甘さは控えめに見えます。

淡い色を大きな面積で着るときは、ほかの服を落ち着いた色にそろえてください。淡いピンクのニットなら、パンツはグレーやネイビー、靴は黒や濃い茶色。土台を落ち着かせると、淡い色の甘さが一か所に絞られて、大人可愛いに収まります。

淡い色を着ることに抵抗があるとき

長く落ち着いた色の服を着てきた人の中には、淡いピンクやラベンダーを着ることに抵抗がある人も多いと思います。そういうときは、いきなり淡い色の服を着るのではなく、灰色や茶色が少し混ざった淡い色から始めてください。

たとえば、ピンクならグレーが混ざったようなくすんだピンク、ラベンダーなら灰色がかった薄紫、水色ならグレーに近い淡い青です。灰色や茶色が混ざった色は、淡くても落ち着いて見えるので、普段の服の中に入れても浮きません。慣れてきたら、少しずつ混ざる灰色を減らして、澄んだ淡い色へ移していけます。

もう一つの方法は、面積の小さい場所から始めることです。マフラーや手袋、バッグの持ち手など、淡い色の面積が手のひら程度の場所から取り入れると、色の甘さに自分の目が慣れていきます。

甘さの点数の数え方:1コーデ3点まで

甘さを形から素材と色に移すとき、目安になるのが「甘さの点数」です。1コーデの中の甘さを、次のように数えます。

  • 形の甘さ(フリル・リボン・丸い襟・パフスリーブ・ギャザーの多いスカートなど)は、1つにつき2点
  • 素材の甘さ(起毛・ふくらみのある編み地・毛足・ボア・やわらかな光沢)は、1つにつき1点
  • 色の甘さ(淡く温かい色)は、1つにつき1点

1コーデの合計を、3点までにするのが50代の大人可愛いの目安です。

たとえば、淡いピンクベージュの起毛ニット(色1点+素材1点)に、グレーのまっすぐなパンツ、黒のローファーを合わせると、合計2点です。これで十分に大人可愛く見え、もう1点分の余白があります。余白には、ふくらみのある編み地のマフラーを足す、または小さなリボンの付いたバッグを持つ(形2点なので、このときはマフラーを外して合計4点を避ける)、という使い方ができます。

逆に、フリルの襟のブラウス(形2点)に、淡いラベンダーのカーディガン(色1点)、ギャザーの多いスカート(形2点)を合わせると、合計5点になります。この組み合わせは、可愛い服が好きな人には楽しい組み合わせですが、50代では服の甘さが先に目に入りやすくなります。スカートをまっすぐな形に替えるだけで3点に収まります。

点数が少なすぎるとき

点数が0点や1点のコーデは、落ち着いてはいますが、大人可愛いとしては物足りなく見えることがあります。好きな系統を楽しみたいのに、地味に感じるときは、点数を数えて、2点以上になるように素材か色を1つ足してください。

手持ちの服で寄せる3つの組み方

新しく服を買わなくても、手持ちの服の組み合わせで大人可愛いに寄せることができます。秋冬に使いやすい3つの組み方を書きます。

組み方1:やわらかいトップス+まっすぐなボトム

いちばん取り入れやすいのが、上に素材と色の甘さを置いて、下をまっすぐな形でまとめる組み方です。淡い色の起毛ニットやふくらみのあるセーターに、まっすぐなパンツか、広がりの少ないスカートを合わせます。

上に甘さを置くと、顔のまわりが柔らかく見えます。下をまっすぐにすると、全体の輪郭は大人の服のまま保たれます。甘さの点数は、トップスの素材と色で2点前後。足元は、黒や茶色の、底がしっかりした靴で引き締めてください。

組み方2:落ち着いたトップス+やわらかい素材のスカート

上を落ち着いた色と形にして、下に素材の甘さを置く組み方です。グレーやネイビーのタートルネックやシャツに、起毛したウールのスカートや、しっとりした光沢のスカートを合わせます。

スカートの形は、広がりすぎないものを選んでください。広がったスカートは形の甘さになるので、素材の甘さと重なって点数が増えます。落ち感のあるまっすぐなスカートか、ゆるやかに広がる程度のものが向いています。

この組み方は、仕事の日や、人と会う日にも使いやすく、甘さは歩いたときの素材の揺れでほんのり伝わります。

組み方3:大人の服一式+小物で甘さを1つ

いちばん甘さが控えめなのが、服は全部落ち着いた大人の服にして、小物で甘さを1つだけ足す組み方です。ネイビーのジャケットにグレーのパンツ、白いシャツ、という組み合わせに、淡いピンクのマフラー、毛足のある小さなバッグ、ふくらみのある編み地の手袋などを1つ足します。

この組み方は、甘さの点数が1〜2点に収まるので、大人可愛いに慣れていない人でも取り入れやすい形です。小物は面積が小さいので、少し甘さの強い素材や色でも、全体の印象を崩しません。

形の甘い服を持っているときの扱い

フリルのブラウスや、リボンの付いたワンピースなど、形の甘い服がクローゼットにたくさんある人もいると思います。それらを手放す必要はありません。扱い方を変えれば、50代の大人可愛いにも十分使えます。

形の甘さは、見える面積を絞る

形の甘い服は、上に直線的な服を重ねて、甘さが見える面積を絞ります。フリルのブラウスなら、上に直線的なカーディガンやジャケットを重ねて、フリルが見えるのを襟元か袖口のどちらか一か所にします。リボンの付いたブラウスなら、リボンを結ばずに長く垂らすと、形の甘さが縦の線に変わって、甘さがやわらぎます。

形の甘い服の日は、ほかを全部直線にする

形の甘い服を着る日は、それ以外の服と小物を、全部直線的な形と落ち着いた色にそろえてください。フリルのブラウスの日は、まっすぐなパンツ、角のあるバッグ、甲の浅いシンプルな靴。こうすると、甘さの点数は形の2点だけになり、大人可愛いの範囲に収まります。

素材と色で甘さを置き換える

形の甘い服が着づらくなってきたと感じたら、同じ甘さを素材と色で置き換えた服に、少しずつ入れ替えていく方法もあります。フリルのブラウスをよく着ていたなら、次に選ぶのは、淡い色のふくらみのあるニット。ギャザーの多いスカートをよく着ていたなら、次に選ぶのは、起毛したウールの落ち感のあるスカート。好きな雰囲気はそのままに、甘さの出どころだけを移していけます。

大人可愛いが自分に合うかの見分け方

大人可愛いは、誰でも取り入れられる系統ですが、自分に合う甘さの量は人によって違います。合うかどうかは、鏡の前で次の2つを試すと分かります。

試し方1:淡い色を顔の下に当てる

淡いピンクやクリーム色のニット、またはマフラーを、顔のすぐ下に当てて鏡を見ます。そのとき、まず自分の顔に目が行くなら、淡い色の甘さがあなたになじんでいます。まず服の色に目が行くなら、その色はあなたには少し甘さが強いので、顔から離れた場所に置くか、もう少し落ち着いた色を選んでください。

淡い色を当てるときの光

この試し方は、部屋の明かりではなく、昼間の窓辺の自然な光の下で行ってください。部屋の明かりは色味が偏っていることが多く、淡い色が実際より黄色っぽく、あるいは青っぽく見えて、なじんでいるかどうかの判断がぶれます。

窓辺に立ち、窓に対して斜めに顔を向けて、顔の片側に光が当たる状態で鏡を見ると、肌と淡い色の境目がよく分かります。光の当たる側で、肌と淡い色がなめらかにつながって見えるなら、その色はあなたになじんでいます。境目がくっきり分かれて見えるなら、その色は顔から少し離した場所に置くほうが向いています。

試し方2:やわらかい素材と硬い素材を比べる

起毛したニットと、表面のなめらかなシャツを、交互に着て鏡を見ます。起毛したニットを着たときのほうが表情が穏やかに見えるなら、素材の甘さがあなたに合っています。なめらかなシャツのほうがすっきり見えるなら、素材の甘さは小物で取り入れ、服は表面のなめらかなものにするほうが向いています。

どちらの試し方でも、答えは「合う・合わない」の二択ではありません。甘さを置く場所と量の目安として使ってください。

可愛すぎるか迷ったときの決め方

大人可愛いを着ていると、出かける前に「今日は可愛すぎるかもしれない」と迷う日があります。この迷いは、点数を数えるだけでは決めきれないことがあるので、もう一つの見方を書いておきます。

甘さのある場所と、顔との距離を測る

迷ったときは、甘さのある場所が、顔からどのくらい離れているかを見てください。目安は、顔から30cm以内に、甘さが2つ以上あるかどうかです。

顔から30cmというのは、おおよそ胸のあたりまでの範囲です。この範囲には、襟、トップスの上半分、マフラー、イヤリングなどが入ります。この範囲に甘さが2つ以上あると、顔のまわりに甘さが集まって、可愛さが前に出すぎます。1つなら、表情を柔らかく見せる程度に収まります。

たとえば、淡いピンクのニット(色の甘さ)に、毛足のあるマフラー(素材の甘さ)を巻くと、顔から30cm以内に甘さが2つあります。点数では2点でも、場所が集まっているので、可愛すぎると感じやすい組み合わせです。このときは、マフラーをグレーやネイビーの落ち着いた色に替えるか、ニットを落ち着いた色にして、マフラーで甘さを出すかのどちらかにしてください。

点数と距離が食い違うとき

点数は3点以内なのに顔のまわりに甘さが集まっている、または点数は4点あるのに甘さが全身に散っている、という食い違いが起きることがあります。

この場合は、距離のほうを優先してください。顔のまわりに甘さが集まると、人と話すときに必ず目に入るので、印象を強く左右します。全身に散った甘さは、近づいて話すときには目に入りにくく、遠くから見たときの全体の雰囲気として伝わるだけです。

ただ、点数が5点を超えるような日は、距離にかかわらず、どこか1つを外すほうが落ち着きます。その日の行き先が、親しい友人との食事のような気軽な場なら4点まで、仕事の打ち合わせや改まった場なら2点まで、というように、行き先で上限を上下させても構いません。

家族や友人の「若いね」をどう受け取るか

大人可愛いを着ていると、家族や友人から「若いね」「可愛いね」と言われることがあります。この言葉を、ほめ言葉として受け取ってよいのか、それとも可愛すぎるという合図なのか、迷う人もいると思います。

目安になるのは、言われたときに相手の視線がどこにあったかです。相手があなたの顔を見ながら言ったなら、服の甘さがあなたになじんで、表情が明るく見えているということです。相手が服を見ながら言ったなら、服の甘さが先に目に入っているので、次は顔の近くの甘さを1つ減らしてみてください。

どちらか分からなかったときは、同じ組み合わせで、顔の近くの甘さだけを1つ減らした日を作って、反応を比べてみるのも一つの方法です。言われる言葉が「似合うね」「柔らかい感じだね」に変わったら、その量があなたにとってちょうどよい甘さです。

鏡ではなく、写真で確かめる

最後にもう一つ。迷ったときは、鏡ではなく、全身を写真に撮って確かめてください。鏡は近い距離で自分を見るので、顔まわりの細かな甘さがよく見え、可愛すぎるように感じやすくなります。写真は、少し離れた人から見た印象に近く、甘さの全体量が分かります。写真を見て、まず顔に目が行くなら、その日の甘さはちょうどよい量です。

仕事の日と休日で、甘さの点数を変える

大人可愛いは、休日だけの系統ではありません。仕事の日にも取り入れられますが、行き先によって甘さの点数の上限を変えると、どの場にもなじみます。

仕事の日、特に人前に出る日や打ち合わせのある日は、甘さを2点までにしてください。目安は、素材の甘さ1点と色の甘さ1点の組み合わせです。たとえば、ネイビーのジャケットの中に、淡いピンクベージュの起毛ニットを着る。ジャケットを着ているあいだは中のニットが少し見えるだけで、甘さは控えめに伝わります。ジャケットを脱いだ休憩時間には、ニットの柔らかさが前に出ます。

形の甘さは、仕事の日には小さな面積にとどめてください。袖口に小さなフリルがあるブラウスなら、上着の袖からのぞく程度。襟にリボンがあるブラウスなら、リボンを結ばずに垂らして、縦の線として見せる。形の甘さを2点のまま使うより、見える面積を絞るほうが、仕事の場では落ち着いて見えます。

休日は、3点まで、気軽な集まりなら4点まで使ってかまいません。休日は、遠くから見たときの全体の雰囲気より、近くで話す相手との距離が近くなる場面が多いので、素材の甘さがよく伝わります。友人との食事なら、ふくらみのある淡い色のニットに、起毛したスカート、毛足のある小さなバッグ、というように、素材の甘さを重ねて楽しめます。

冠婚葬祭のような改まった場では、甘さは1点までにしてください。光沢のある生地の質感だけ、あるいは淡い色の小物を1つだけ、という控えめな取り入れ方が、場の雰囲気を壊さずに自分らしさを残せます。

秋から冬へ:気温で素材を入れ替える

大人可愛いの素材の甘さは、季節が進むにつれて入れ替えると、ずっと季節に合った柔らかさを保てます。

秋のはじめ、まだ暖かい日が多いころは、薄手の起毛やしっとりした光沢の生地が向いています。重ね着が少ない時期なので、トップス一枚で素材の甘さを出し、色は淡いベージュやミルクティーのような落ち着いた温かい色を中心にします。

秋が深まって、朝晩が冷えるようになったら、ふくらみのある編み地のニットや、起毛したウールのスカートが出番です。重ね着が増えるので、甘さをどこに置くかを決めて、ほかは落ち着いた素材でまとめます。

冬の立ち上がり、コートが必要になるころは、上着が落ち着いた素材になりやすいので、甘さはマフラーや手袋、帽子などの小物に移していきます。毛足のあるマフラーや、ボアの付いた手袋は、冬ならではの甘さの出し方です。コートを脱いだ室内では、中のニットで素材の甘さを見せる、という二段構えにすると、外と中でそれぞれの柔らかさが楽しめます。

年代ごとの甘さの出し方の違い

大人可愛いは、年代によって甘さの出し方が少しずつ移っていきます。

30代から40代は、形の甘さを1つ残しながら、それを反対側の服で引き締める組み方がよく合います。40代の大人可愛いについて書いた記事で扱っているのは、この「甘さの出どころを決めて、反対側に1枚置く」考え方です。

50代になると、形の甘さを残すより、甘さそのものを素材と色に移していくほうが、顔立ちとのなじみがよくなります。甘さの量は大きく変えなくても、出どころを移すだけで、服と人がひとつの柔らかさとして見えます。

60代以降は、さらに素材の甘さが中心になり、色はより落ち着いた温かい色へ、甘さは小物や質感の重なりで表すことが多くなります。どの年代でも共通しているのは、甘さを全身に散らさず、場所を絞ることです。

50代の装い全般について、ヒールをやめた足元から裾の丈を組み直す考え方は50代 ファッション 秋でも書いています。

まとめ

50代で大人可愛い服を着たいときは、甘さの量を減らすのではなく、甘さの出どころを形から素材と色へ移します。

大人可愛いは、落ち着いた形と色の服を土台にして、一か所だけ柔らかさを残す系統です。形の甘さ(フリル・リボン・丸い襟など)は1コーデに1点までにして、起毛・ふくらみ・毛足のある素材と、淡く温かい色を甘さの中心にします。

甘さは、形を2点、素材と色を1点として、1コーデで3点までを目安に数えます。手持ちの服なら、やわらかいトップスとまっすぐなボトム、落ち着いたトップスとやわらかい素材のスカート、大人の服一式と小物の甘さ1つ、の3つの組み方で寄せられます。

可愛すぎるか迷ったら、顔から30cm以内に甘さが2つ以上ないかを見ます。点数と距離が食い違うときは距離を優先し、最後は写真で、まず顔に目が行くかを確かめてください。

秋冬は、甘さを預けられる素材がいちばん多い季節です。好きな可愛さを手放さずに、今の自分に合った出し方を見つけてください。

よくある問い

Q. 50代で大人可愛い服を着ても大丈夫ですか
大丈夫です。大人可愛いは年齢で着られなくなる系統ではありません。ただ、フリルやリボン、丸い襟のような形の甘さを重ねると、服だけが目立ちやすくなります。甘さを起毛や毛足のある素材、温かみのある淡い色に預けると、年齢を重ねた顔立ちとなじんで、自然に柔らかい印象になります。
Q. フリルやリボンの服を持っていますが、もう着ないほうがいいですか
着てかまいません。形の甘い服は、1コーデに1点だけにして、ほかの服を直線的な形にそろえてください。フリルのブラウスなら、上に直線的なジャケットやカーディガンを重ねて、フリルが見える面積を襟元か袖口のどちらかに絞ると、甘さがちょうどよく収まります。
Q. 甘さの点数はどう数えればいいですか
フリル・リボン・丸い襟・パフスリーブのような形の甘さは2点、起毛・毛足・ふくらみのある素材や、ピンクやラベンダーのような淡い色は1点として数えます。1コーデで3点までを目安にしてください。たとえば、淡いピンクの起毛ニット(色1点+素材1点)に、まっすぐなパンツを合わせれば2点で、もう1点分の余白があります。
Q. 大人可愛いと、フェミニンやガーリーとはどう違いますか
ガーリーは少女らしさを前に出す系統、フェミニンは女性らしい曲線や揺れを前に出す系統です。大人可愛いは、全体は落ち着いた大人の服のまま、どこか一か所に柔らかさや愛らしさを残す系統だと考えると分かりやすいです。甘さの量が少なく、場所が限られているのが特徴です。

— メグラシ編集部

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