ストリート系レディース|大人はゆるさを上か下の1か所に置く

あなたがストリート系に寄せたいなら、余らせるのは上か下のどちらか1か所だけにしてください。上を余らせるなら下は脚に沿う細身に、下を余らせるなら上は肩が合ったコンパクトなものにします。この1か所の決め方で、同じ服でも「こなれて見える」か「借りてきた服を着ているように見える」かが分かれます。
どちらから寄せるかは、手持ちの服の寸法で決まります。いちばんよく着ているトップスを着て、鏡の前で肩の縫い目を見てください。肩の先の骨から3cm以上下に落ちているなら、あなたは上から寄せる人です。落ちていない、あるいは1cm前後なら、パンツの裾幅で下から寄せるほうが、手持ちの服で組みやすくなります。
この記事では、ストリート系を1文で言い切ったうえで、余りの量を測る場所、手持ちの服で寄せる組み方、靴と小物の数、どちらとも取れるときの決め方、職場に着ていけるかの境目、年代と秋冬での調整までを順に書きます。
ストリート系を1文で言うと
ストリート系は、服のサイズに余りを残し、それを隠さずに見せる系統です。
もともとは、街で動き回るための服や、スポーツの練習着から広がった着方です。体を締めつけず、しゃがんでも走っても邪魔にならない。その動きやすさが見た目の特徴になり、肩が落ちる、袖が長い、裾幅が広い、といった「余り」が系統の目印になりました。
ほかの系統と並べると、違いがはっきりします。きれいめ系は、服を体に合わせて線をそろえます。モード系は、服の形そのもので体から離します。ストリート系は、形ではなく量で体から離します。同じように体から離れて見えても、モード系は肩や裾に角や切り替えがあり、ストリート系は丸く、やわらかく余ります。
大人のカジュアルとの境目も、この余りの扱い方で引けます。大人のカジュアルは、ゆるい服を着ても肩線や袖丈を合わせ、余りが目立たないように整えます。ストリート系は、余りを整えずに形として残します。つまり、同じスウェットを着ても、肩が合って袖をまくっていればカジュアル、肩が落ちて袖が手の甲にかかっていればストリートに寄ります。
この系統には、ほかに「底の厚い靴」「キャップやニット帽」「ナイロンや裏毛などの機能的な素材」といった目印もあります。ただ、これらは後から足せるものです。最初に決めるべきなのは余りの置き場所で、ここが決まっていれば、靴や小物は1つ2つ足すだけで系統が立ちます。
系統の名前は、売り場や雑誌でさまざまに呼ばれます。スポーツミックス、ストリートカジュアル、韓国ファッションの一部といった呼び方も、ほとんどはこの「余りを見せる」着方を含んでいます。呼び方が違っても、肩線が落ちているか、裾幅が広いか、という服の寸法を見れば、手持ちのどれが使えるかを判断できます。名前で探すより、寸法で探すほうが、手持ちの服を活かせます。
あなたは上から寄せるか、下から寄せるか
ストリート系に寄せるとき、最初に決めるのは「どこを余らせるか」です。上から寄せる人と下から寄せる人では、買い足すもの、手持ちで使える服、合わせる靴がすべて変わります。
決め方は、手持ちのいちばんよく着ているトップスで見ます。新しく買う服ではなく、いま実際に着ている服で見るのがポイントです。着る回数が多い服は、あなたが無意識に「楽だ」「しっくりくる」と感じている寸法を表しています。
- いちばんよく着ているトップスを着て、正面から鏡に立つ
- 肩の縫い目が、肩の先の骨から何cm下にあるかを見る(指の幅1本がおよそ1.5〜2cm)
- 同じ服で、袖口が手首の骨より上か、手の甲にかかっているかを見る
肩線が3cm以上落ちていて、袖口が手の甲にかかっているなら、あなたの手持ちは「上で余る」服が中心です。上から寄せてください。トップスはそのまま使えるので、足すのは脚に沿うパンツか、細身のスカートだけで済みます。
肩線が肩の先とほぼ同じ位置(1cm前後)で、袖口が手首の骨の上にあるなら、手持ちは「体に合う」服が中心です。この場合は下から寄せてください。ワイドパンツやカーゴパンツなど、裾幅のある下を1本用意すれば、手持ちのトップスがそのまま合わせる側になります。
肩線の落ちが1〜3cmのあいだにある人は、どちらからでも寄せられます。この場合の決め方は、後の「どちらとも取れるとき」の節で書きます。
余りを測る3か所
肩線だけでなく、身幅と裾幅も測っておくと、手持ちの服を「余る側」と「沿う側」に分けられます。クローゼットの服を1枚ずつこの表に当てて、どちらの列に近いかで仕分けてください。
| 測る場所 | 体に沿う側(合わせる側に回す) | 余りがある側(ストリートの1か所にする) |
|---|---|---|
| 肩線の落ち | 肩の先から0〜1cm | 肩の先から3cm以上下 |
| 身幅の余り(脇の下で前身頃をつまむ) | 片側2cm以内 | 片側5cm以上 |
| 袖丈 | 手首の骨が見える | 手の甲に半分ほどかかる |
| パンツの裾幅(平置きで測る) | 18cm前後まで | 24cm以上 |
| トップスの着丈 | 腰骨にかかる程度 | 腰骨を越えて太ももの付け根近く |
数字は目安です。背の高さや手足の長さで、同じ寸法でも見え方は変わります。大事なのは、手持ちの服を2つの山に分けることです。余る側の山から1枚、沿う側の山から1枚を取れば、それがそのまま1つのコーデになります。
仕分けたときに、余る側の山がトップスばかりなら上から寄せる人、パンツばかりなら下から寄せる人です。両方の山がほぼ同じ量なら、その日の靴で決めて構いません。
上から寄せる組み方
上を余らせる組み方は、手持ちのスウェットやパーカー、大きめのTシャツを主役にします。合わせる下は、脚に沿う細身のパンツか、ひざ下丈の細身のスカートです。
上から寄せるときに気をつけたいのは、着丈です。大きめのトップスは着丈も長くなりやすく、太ももの付け根を越えると、下に何を履いているかが見えにくくなります。そうすると、余りが上だけでなく全身に広がって見えます。着丈が太ももの付け根を越えるなら、前だけ少し裾を入れるか、横の裾を軽く結んで、脚の線が腰の下から見えるようにしてください。
下の丈は、足首が少し見えるくらいが目安です。上で量を出しているぶん、足首という細い場所が見えると、全身の輪郭に締まりが出ます。足首を見せたくない日は、パンツの裾を靴の甲に軽く乗る長さにして、裾がたまらないようにします。裾がくしゅっと溜まると、そこにもう1か所余りが生まれてしまうからです。
色は、上を明るく下を暗くすると余りが前に出て、ストリートらしさが強まります。逆に上を暗くすると、余りの量が目立ちにくくなり、街歩きにも買い物にも使いやすい落ち着いた形になります。最初の1回は、上を灰色、下を黒にするのがいちばん失敗しにくい組み方です。
上から寄せる組み方を、手持ちの服で3通り挙げておきます。
1つ目は、灰色の大きめのスウェットに、黒の細身のパンツ、白い厚底のスニーカー。いちばん基本の形で、休日の買い物から子どもの送り迎えまで、場面を選ばずに着られます。
2つ目は、生成りの大きめのパーカーに、紺のひざ下丈の細身スカート、黒のショートブーツ。スカートでも、裾が脚に沿って落ちるものなら、上の余りとの対比がはっきりします。パーカーの着丈がスカートの腰の位置を大きく越えるなら、前だけ入れてください。
3つ目は、黒の大きめのTシャツに、濃い色の細身のデニム、黒の厚底スニーカー。全身を暗い色でまとめると、余りの量があっても、街なかで落ち着いて見えます。秋口なら、この上に薄手のシャツを羽織っても、外の1枚がゆるくなければ余りは1か所のままです。
3通りに共通しているのは、下がすべて脚の線を見せる形だということです。上の余りが大きいほど、下は細く、色は暗く、と覚えておくと、手持ちのどのトップスでも組めます。
下から寄せる組み方
下を余らせる組み方は、ワイドパンツ、カーゴパンツ、太めのデニムを主役にします。合わせる上は、肩が合ったTシャツ、短めの丈のニット、リブのカットソーなど、体に沿うものです。
下から寄せるときの境目は、上の着丈です。上の裾がウエストの位置にあるか、パンツに入っていると、腰から下の量感がそのまま見えて、余りが1か所にまとまります。上の裾が腰骨より下まで下がると、パンツの上半分が隠れて、足が短く重く見えやすくなります。手持ちのトップスが長いなら、前だけ入れるか、全部入れてベルトを見せてください。
裾の長さは、靴の甲に半分ほど乗るくらいが目安です。床に引きずる長さだと歩くたびに汚れますし、写真に撮ると裾の溜まりが目立ちます。逆に足首まで見える短さにすると、太い筒が途中で切れたように見えるので、ワイドなパンツほど長めに取ってください。
下から寄せる組み方は、上が普段のきれいめの服でも成立するので、手持ちを活かしやすいのが利点です。いつも着ているハイゲージのニットを、ワイドパンツと底の厚いスニーカーに合わせるだけで、ストリート寄りの形になります。
下から寄せる組み方も、3通り挙げておきます。
1つ目は、カーキのカーゴパンツに、白の肩が合ったTシャツ、黒の厚底スニーカー。カーゴパンツは脇のポケットに量感があるので、上はなるべく無地で、着丈をウエストで止めてください。
2つ目は、灰色の太めのスウェットパンツに、黒のリブのカットソー、白の厚底スニーカー。スウェットパンツは部屋着に寄りやすいので、上を体に沿う黒にして、色の区切りで外の服に見せます。裾は靴の甲に半分乗る長さが目安です。
3つ目は、濃い色の太めのデニムに、灰色のハイゲージニット、黒のワークブーツ。ニットを前だけ入れて、ベルトを見せると、腰から下の量感がそのまま形として残ります。
どれも、上は1枚で完結する、体に沿う服です。下の余りが大きいほど、上の着丈を短くする、と覚えておくと迷いません。
靴で決まる半分|底の厚さと甲の見え方
ストリート系の印象は、余りの置き場所で半分、靴で残りの半分が決まります。服がそのままでも、靴を替えるだけで系統が動きます。
見るのは、靴底の厚さです。目安は底の厚さが3cm以上あるかどうか。底の薄いキャンバスのスニーカーやフラットな靴だと、余りのある服を支えきれず、部屋着や寝間着のように見えることがあります。底に厚みがあると、足元に量感が出て、上や下の余りと釣り合います。
上から寄せる人は、靴にもある程度のボリュームが要ります。上が大きく足元が小さいと、逆三角形の輪郭が強くなりすぎるからです。厚底のスニーカーや、ワークブーツのように甲が高い靴を選ぶと、上の量と足元の量がつながります。
下から寄せる人は、裾が靴の甲に乗るので、甲の形より底の厚さが効きます。底が厚いと、裾が地面から離れて汚れにくく、歩いたときに裾が揺れる余地も残ります。つま先が細い靴は、太い裾から急に細く出て見えるので、丸いつま先を選んでください。
靴の色は、パンツと同じ色か、全体のなかでいちばん明るい色にします。白い厚底は足元に視線を集め、黒い厚底は全身を引き締めます。迷ったら、パンツと同じ色にしておけば、脚から靴までが1本につながって見えます。
靴下も、足元の量感に関わります。厚底のスニーカーに、くるぶしの上まで見える厚手の靴下を合わせると、靴と靴下で足元の量感が上に伸びて、上から寄せた形の下端が安定します。下から寄せる日は、裾が靴下を隠すので、靴下の色は靴かパンツに合わせて、境目を目立たせないほうがまとまります。
小物と色は1つずつ
ストリート系の小物は、キャップ、ニット帽、ボディバッグ、リュック、太めのベルト、見せる靴下などがあります。どれも系統の目印になりますが、大人が着るときは小物は1つだけにしてください。2つ目を足すなら、片方は手のひらに収まるくらい小さいものにします。
小物が3つ以上になると、それぞれが主張して、どこを見ればいいかわからない全身になります。余りを1か所に絞ったのと同じ考え方で、小物も1つに絞ると、余りの1か所と小物の1つが、互いに引き立て合います。
色は、黒・灰・紺・生成り・カーキの中から2色を選んで全体の8割を作り、残りに1点だけ差し色を置くと収まります。差し色は、オレンジ、明るい緑、青など、季節を問わず使える色が向いています。置く場所は小物か靴下が扱いやすく、服で差し色を入れるなら、余りのない側の服にします。余りのある服に強い色を乗せると、量と色が重なって、そこだけが浮くからです。
大きな文字やグラフィックが入った服も、ストリート系の目印です。使うなら全身で1枚、柄の面積は胸の幅に収まるくらいまでにしておくと、大人の服装として落ち着きます。
どちらとも取れるとき① 肩の落ちが1〜3cmのあいだ
手持ちのトップスの肩線が、肩の先から1〜3cmのあいだに落ちている人は多いはずです。最近の服は、もともと少し肩を落として作られているものが多いからです。この場合、上から寄せても下から寄せても組めますが、決めずに着ると余りが中途半端に散ります。
決め方は3つの順で見ます。
1つ目は袖丈です。袖口が手の甲にかかるなら上から、手首の骨が見えるなら下から寄せてください。肩の落ちが同じでも、袖が長いと上の量感が強く出ます。
2つ目は身幅です。脇の下で前身頃をつまんで、片側5cm以上つまめるなら上から寄せられます。3cm前後しかつまめないなら、そのトップスは「沿う側」に回して、下で余りを作るほうが形が決まります。
3つ目は、手持ちのパンツの本数です。ワイドやカーゴなど裾幅のあるパンツを持っているなら、下から寄せるほうが買い足しが少なく済みます。持っていないなら、上から寄せて、細身のパンツと合わせてください。
3つを見ても決まらないときは、両方の組み方を一度ずつ着て、スマートフォンで全身を撮ってください。撮った写真を小さく縮めて見たときに、輪郭がひとつの形(逆三角か、台形か)に読めるほうが、あなたに合う寄せ方です。輪郭がぼやけて、何の形にも見えないほうは、余りが散っています。
どちらとも取れるとき② 上も下もゆるい服しかない
手持ちが上も下もゆるい服ばかりで、沿う側に回せる服が無いという人もいます。この場合、新しく買う前に、着方で片方を締めてみてください。
下を締めるほうが、手持ちで足りることが多いです。ワイドパンツの裾を一度だけ折って、足首を見せる。それだけで、パンツの量感は下端で切れて、余りが上に集まって見えます。裾を折るのが難しい生地なら、靴下を見せて足首に色の区切りを作るだけでも、同じ働きをします。
上を締める場合は、トップスの前だけ裾を入れるか、ウエストにベルトを巻いて、上の量感を胸から上にまとめます。袖を肘までたくし上げると、腕の細い部分が見えて、上半身の余りが軽くなります。
それでも全身がゆるく見えるときは、靴を細いものではなく、底の厚いものに替えてください。意外に思えるかもしれませんが、全身がゆるいときに細い靴を履くと、足元だけが頼りなく見えて、ゆるさがかえって強調されます。底の厚い靴は全身の重心を下げ、ゆるい服を「わざとの形」に見せます。
着方で締めても余りが2か所に見えるなら、そのときに初めて1枚を買い足します。買うのは「沿う側」の服です。上から寄せるなら細身のパンツ、下から寄せるなら肩の合った短めのトップス。余る側の服を増やしても、組める数は増えません。
どちらとも取れるとき③ きれいめの服が多くて寄せきれない
手持ちの多くがきれいめの服で、余りのある服がほとんど無い人もいます。この場合は、無理に全身をストリート系にせず、「ストリート寄りのカジュアル」で止めるのがいちばん自然です。
やり方は、靴と小物で2割だけ寄せることです。いつものきれいめのパンツとニットに、底の厚いスニーカーを合わせ、キャップかニット帽を1つ足します。服の余りはゼロのままでも、足元と頭に系統の目印が入ると、全身がカジュアルの側に振れます。
もう1歩寄せたいなら、全身を同じ色でそろえてください。上下を灰色や黒でつなげると、きれいめの服でも、色のかたまりとしての量感が出ます。そこに厚底を合わせると、余りのない服でもストリートの輪郭に近づきます。
この方法で何度か着てみて「もっと寄せたい」と思えたら、次に買う1枚は、余りのある側の服にします。上から寄せるなら肩の落ちたスウェット、下から寄せるならワイドパンツ。きれいめの服は、そのまま沿う側に回せるので、手持ちはむだになりません。
職場や行事に着ていけるかの境目
ストリート系の服を、職場や子どもの学校行事などに着ていけるかどうかは、余りの1か所を上着1枚で隠せるかで決まります。
パーカーやスウェットで上から寄せている場合は、その上にジャケットを羽織って、フードと身幅が隠れるかを見てください。前を閉めたときにフードが首元で小さく収まり、身幅がジャケットの中に収まるなら、通勤着として通る職場は多いです。フードの紐は抜いておくと、さらに落ち着きます。
ワイドパンツで下から寄せている場合は、上が肩の合ったニットやシャツなら、上着がなくてもそのまま通ることが多い組み方です。裾は靴の甲に半分乗る長さにして、床に引きずらないようにしてください。
迷いやすいのは、大きな文字やグラフィックの入った服です。職場に着ていくなら、柄の面積は手のひらより小さいものまで、と決めておくと迷いません。それより大きい柄は、休日の側に回します。
靴は、底の厚いスニーカーのままで構わない職場もあれば、そうでない職場もあります。判断に迷うなら、底の厚さは残したまま、色を黒か濃い茶色にしてください。白い厚底より、ずっと目立ちにくくなります。
子どもの学校行事や親族の集まりなど、職場とは違うきちんと感が求められる場では、もう一段控えめにします。余りの1か所は残したまま、靴を革の厚底かブーツに替え、小物はゼロにしてください。系統の目印が余りだけになると、ストリートの楽さを残しつつ、場に合った落ち着きが出ます。
年代での調整
ストリート系は、年齢で着られなくなる系統ではありません。変わるのは、余りの量そのものではなく、余らせる服の素材と色、そして余りの置き場所です。
20代後半から30代は、余りを大きく取っても収まります。肩線が5cm以上落ちるトップスや、裾幅の広いカーゴパンツも、差し色やグラフィックを足して遊べます。小物を2つにしても、片方が小さければ散りません。
40代からは、余りの1か所はそのままに、生地を選ぶと形が整います。同じスウェットでも、裏毛のふっくらしたものや、表面に起毛のあるものは、薄い生地よりも落ち着いて見えます。色は、黒・灰・紺・生成りの中で組むと、余りの量が多くても全身がまとまります。差し色は、服ではなく靴下や小物に置いてください。
50代からは、余りを下に置く組み方が扱いやすくなります。上を肩の合ったニットやシャツにすると、首まわりや肩の線がきれいに出て、全身に整った印象が残ります。そのうえでワイドパンツや太めのデニムを合わせると、動きやすさも、系統らしさも両方残ります。靴は、底の厚さは残しつつ、革や起毛など表面に質感のあるものを選ぶと、全身の素材感がそろいます。
どの年代でも、余りの1か所と、小物の1つ、差し色の1点。この「1」の数を守れば、系統の印象は崩れません。
年代が上がるにつれて、体の線が変わったと感じる人もいます。そのときは、余りの1か所を、気になる場所を覆う側に置いてください。腰まわりが気になるなら上から寄せて、トップスの着丈で腰を覆う。二の腕や肩まわりが気になるなら下から寄せて、上は肩の合った長袖で腕の線を整える。余りの置き場所を、隠したい場所ではなく覆いたい場所に合わせると、ストリートの楽さがそのまま着心地の良さになります。
秋冬の調整|重ねると余りが2か所になる
秋冬は、ストリート系の組み方がいちばん崩れやすい季節です。理由は単純で、重ね着をすると、余りが2か所、3か所に増えていくからです。
よくあるのは、大きめのパーカーの上に、さらに大きめのコートを重ねる形です。中も外も余っていると、上半身だけが膨らんで、どこが体の線なのかがわからなくなります。そこにワイドパンツを合わせると、全身が余りで覆われて、輪郭が消えます。
秋冬に守りたいのは、余りは外側の1枚に移すことです。外に大きめのブルゾンやダウンを着るなら、中は薄手のニットやカットソーなど、体に沿うものにします。中に大きめのパーカーを着たいなら、外は肩の合った短めの上着にして、パーカーのフードと裾を外に出します。
下は、上着の丈で決めます。腰までの短い上着なら、下はワイドでも細身でも組めます。太ももを覆う長さの上着なら、下は細身にして、上着の裾から脚がまっすぐ出るようにしてください。ひざ下まであるロングコートなら、中も下も細くまとめて、コートそのものを余りの1か所にします。
ニット帽は、秋冬のストリート系にいちばん取り入れやすい小物です。ただし、上着にフードがあるときは、ニット帽とフードが首まわりで重なるので、どちらか1つにしてください。
似合っているかの見分け方
組んでみたストリートの服装が自分に似合っているかは、鏡の前で3秒で確かめられます。
全身が映る鏡の前に立って、最初に目が行く場所を見てください。顔に目が行くなら、服の余りがあなたの輪郭を引き立てています。服の余りや靴に先に目が行って、顔があとから見えるなら、余りの量が多すぎるか、置き場所が2か所に散っています。
目が服に行ったときは、余りを1段階減らします。上から寄せているなら袖を少したくし上げる、下から寄せているなら裾を一度折る。それでも服に目が行くなら、小物を1つ外してください。
もう1つの見分け方は、写真です。全身を撮って、小さく縮めて見ます。縮めた写真で、輪郭がはっきりした1つの形に読めるかどうか。上から寄せた形なら逆三角形、下から寄せた形なら台形に読めれば、余りが1か所にまとまっています。輪郭がぼんやりして形が読めないなら、どこかで余りが重なっているので、沿う側の服を1枚だけ細いものに替えてみてください。
鏡や写真で確かめるのは、家を出る前の1回で十分です。毎回の組み方を写真に残しておくと、似合った日の組み方が手元に集まっていきます。数枚たまったところで見比べると、自分が上から寄せた日と下から寄せた日のどちらが多いか、どの靴の日に顔に目が行くかがわかります。それが、あなたにとってのストリート系の型です。型が1つ決まれば、季節が変わっても、余りの置き場所と靴の厚さを同じにして、服の生地だけを替えていけば組めます。
買い足すなら1枚目と2枚目
手持ちで寄せてみて、もっとストリート系の服装を増やしたいと思ったら、買い足す順番を決めておくと、むだな買い物が減ります。
1枚目は、余りの1か所になる服です。上から寄せる人なら、肩線が3cm以上落ちるスウェットかパーカー。下から寄せる人なら、裾幅が24cm以上あるワイドパンツかカーゴパンツ。色は灰色か黒、生成りのどれかにしておくと、手持ちの服のほとんどと組めます。
2枚目は、靴です。底の厚さが3cm以上あるスニーカーか、甲の高いブーツ。服を1枚足すより、靴を1足足すほうが、組める服装の数は多く増えます。手持ちのきれいめの服も、靴を替えるだけでストリート寄りに回せるからです。
3枚目から先は、沿う側の服を見直します。手持ちの細身のパンツや肩の合ったトップスで足りているなら、無理に増やす必要はありません。足りないと感じたら、余りのある服ではなく、沿う側の服を1枚ずつ足してください。余りのある服が増えると、組み合わせるたびに余りが2か所に散りやすくなるからです。
売り場で試着するときは、この記事の表の寸法を、そのまま当てて確かめます。肩線の落ち、身幅のつまめる幅、裾幅。数字で見ておけば、その場の雰囲気で大きすぎる服や、余りの足りない服を選ばずに済みます。
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よくある問い
- Q. ストリート系は何歳まで着られますか
- 年齢で区切る必要はありません。変わるのは余りの量ではなく、余らせる服の素材と色です。20代後半から30代は余りを大きく取って、差し色やグラフィックで遊んでも収まります。40代からは、余りの1か所はそのままに、生地にハリや起毛のあるものを選び、色を黒・灰・紺・生成りに寄せると、同じ形でも落ち着いて見えます。50代以降は余りを下(パンツ)に置き、上は肩の合ったものにすると、動きやすさを残したまま整って見えます。
- Q. 大きいサイズの服を買わないと、ストリート系にはできませんか
- 買わなくても寄せられます。まず、手持ちのいちばんゆるいトップスかパンツを1枚選び、それを余りの1か所にします。次に、残りを体に沿う服でそろえます。上も下もゆるい服しかない場合は、前だけ裾を入れる、パンツの裾を一度折って足首を見せる、などの着方で片方を締めます。それでも足りないと感じたら、靴を底の厚いスニーカーかブーツに替えてください。靴を替えるだけで、手持ちの服の2割ほどがストリート寄りに見えます。
- Q. ストリート系とカジュアルの違いがわかりません
- 体と服のあいだの余りを、隠すか見せるかの違いです。大人のカジュアルは、ゆるい服でも肩や袖丈を合わせて余りを目立たせない方向に整えます。ストリート系は、肩が落ちる、袖が手の甲にかかる、裾幅が広いといった余りを、そのまま形として見せます。同じスウェットでも、肩が合っていて袖をまくっていればカジュアル、肩が落ちて袖が手の甲にかかっていればストリートに寄ります。
- Q. 職場にストリート系の服で行っても大丈夫ですか
- 余りの1か所を、上着1枚で隠せるかどうかで決めてください。パーカーやスウェットの上にジャケットを羽織ってフードや身幅が隠れるなら、通勤服として収まる職場は多いです。ワイドパンツに肩の合ったニットを合わせる組み方は、上着が無くても通りやすい形です。大きな文字やグラフィックは手のひらより小さい面積まで、フードの紐は抜いておく、と決めておくと迷いません。
— メグラシ編集部





