服迷子|好きな服・着ている服・似合う服のずれを冬の3着で測る

**あなたの服迷子は、3つの円のうちどれか1つが離れているだけの可能性が高いです。**好きな服、実際に着ている服、人に似合うと言われた服。この3つが同じところに重なっていれば、服選びで迷うことはほとんどありません。迷子になるのは、そのうちのどれかが、ほかの2つから離れたときです。
この記事では、冬の上着・ニット・靴の3着だけで3つの円を書き、自分がいまどこにいるかを測ります。測り終えたら、ずれの形ごとに最初の一手を1つだけ決めます。新しい服を買いに行くのは、その後で十分です。
結論:迷子は「どの円が離れたか」で抜け方が違う
服迷子という言葉はひとつですが、中身は少なくとも4つの形に分かれます。好きな服だけが離れている人、着ている服だけが離れている人、似合う服だけが離れている人、3つともばらばらな人です。
同じ「迷子」でも、好きな服が離れている人に「似合う服を探しましょう」と言っても役に立ちません。逆に、似合う服だけが離れている人に「好きな服を着ればいい」と言っても、鏡の前で違和感が残ります。迷子の抜け方は、離れた円によって違うのです。
| 離れている円 | よく出る言葉 | 最初の一手 |
|---|---|---|
| 好きな服 | 「何が好きだったか思い出せない」 | 着ている服の中から、手が伸びる理由を言葉にする |
| 着ている服 | 「好きな服はあるのに、結局いつもの服を着ている」 | 好きな服を着られない場面を1つ特定する |
| 似合う服 | 「前は似合っていたのに、最近しっくりこない」 | 好きな形はそのまま、色と厚みを1段動かす |
| 3つとも | 「何を着てもしっくりこない」 | 着ている服を基準にして、ほかの2つを1つずつ寄せる |
表は、どこを見ればいいかの軸を示すためのものです。自分がどの行に当たるかは、次の手順で実際に書き出してみないとわかりません。
服迷子になりやすいのは、秋の終わりから冬の入り口
服迷子は一年中起こりますが、とくに強く感じるのが、秋の終わりから冬の入り口です。理由は3つあります。
ひとつは、上に重ねる服が増えて、決めることが増えるからです。夏は上と下と靴の3つで済んでいたのが、冬は上着、中に着るニットやシャツ、首まわり、ボトム、靴、手袋と、決める場所が倍近くになります。決める場所が増えると、それぞれの場所で好きな服と似合う服がずれていても、気づかないまま組み合わせることになります。
2つ目は、冬の服は単価が高く、迷ったまま買うと長く残るからです。夏のシャツなら合わなかったと思っても次の季節で入れ替わりますが、コートやニットは数年着るつもりで買います。迷子のまま買ったコートが、次の冬もその次の冬も、毎朝の迷いを増やします。
3つ目は、去年の冬から1年たって、体と気持ちと生活が少しずつ動いているからです。1年前に似合っていたコートが、今年は少し重く感じる。去年はよく着ていたニットに、今年は手が伸びない。この小さなずれが、冬服を出した瞬間にまとめて表に出ます。それが「急に迷子になった」という感覚の正体です。
準備:冬の3品目を決める
3つの円を書くために、品目を3つに絞ります。冬服すべてを並べると数が多すぎて、どれが好きでどれが似合うのか、判断が途中で止まってしまいます。
おすすめは、上着・ニット・靴の3品目です。上着は人にいちばん長く見られる服で、ニットは顔のすぐ下に来る服、靴は体のいちばん遠い端です。顔に近いもの、全体を覆うもの、顔から遠いもの、と位置が分かれているので、どの位置でずれているのかもあわせてわかります。
上着を持っていない人や、冬に上着をほとんど着ない地域の人は、上着の代わりにいちばん外側に着る服で構いません。ニットを着ない人は、首元に来るいちばん上の服にしてください。靴は外に出るときに履く靴です。家の中の履物は入れません。
手順1〜3|好きな服・着ている服・似合う服を書く
書き出しは、好きな服、着ている服、似合うと言われた服の順に進めます。順番には理由があります。最初に好きな服を書くのは、ほかの2つを先に書くと、好きな服の欄がその2つに引っぱられてしまうからです。着ている服を見たあとで好きな服を思い出そうとすると、いつも着ている服を「好きなはず」と書きたくなります。
好きな服を書く
最初に、3品目それぞれについて、好きな服を1着ずつ書きます。ここでの「好き」は、似合うかどうか、着ているかどうかを考えずに、見ていて気分が上がるもの、手元にあってうれしいものです。
手持ちの中から選んでください。手持ちに好きなものがない品目は、空欄で構いません。空欄があること自体が、ひとつの手がかりになります。
書くときは、服の名前ではなく、その服の特徴を3つ書いてください。たとえば上着なら「膝が隠れる長さ」「明るい灰色」「えりが大きい」のように、形・色・素材や細部を1つずつ。名前で書くと、あとで比べるときに比べようがなくなります。
好きな服が手持ちに1着もない品目があったら、店で見かけて心が動いた服や、街で人が着ていて目で追った服を思い出して、同じように特徴を3つ書いてください。手持ちでないものは、横に印をつけておきます。
この2週間でいちばん着た服を書く
次に、この2週間でいちばん多く着た服を、3品目それぞれについて書きます。記憶があいまいなら、写真フォルダや、洗濯した回数で数えてください。洗濯かごに入った回数が多いものが、いちばん着た服です。
ここで大事なのは、気に入っているかどうかを考えないことです。好きではないけれど、寒いから仕方なく着ている服でも、いちばん着ていればそれを書きます。着ている服の円は、気持ちではなく行動の記録です。
同じように、特徴を3つずつ書きます。好きな服と同じ順番、つまり形・色・素材や細部の順で書くと、あとで比べやすくなります。
似合うと言われた服を書く
3つ目は、人に似合うと言われた服です。家族、友人、同僚、店の人、だれでも構いません。言われたのが去年でも構いませんが、3年より前のものは外してください。3年たつと、似合う側の条件が動いていることがあるからです。
似合うと言われた服が思い出せない品目は、写真で代わりにします。この1年で撮った写真のうち、自分が写っていて、消さずに残しているものを見てください。消さずに残した写真は、自分の目で見て悪くないと感じたものです。そこで着ている服を書きます。
ここも同じく、特徴を3つずつ書きます。言われた言葉も一緒に書いておくと役に立ちます。「顔が明るく見える」「すっきりして見える」「やさしそうに見える」など、どんな言葉で褒められたかに、似合う理由が入っていることが多いからです。
手順4|3つの円を重ねて、ずれを数える
3品目について、好きな服・着ている服・似合う服の特徴が3つずつ、合計27個の言葉が並んだはずです。ここから、ずれを数えます。
品目ごとに、3つの服を横に並べてください。形・色・素材や細部の3つの軸で、同じか近いものに丸をつけます。たとえば上着の色が、好きな服は明るい灰色、着ている服は黒、似合う服は明るい灰色なら、好きな服と似合う服が重なっていて、着ている服だけが離れています。
| 軸 | 好きな服 | 着ている服 | 似合う服 | 離れているもの |
|---|---|---|---|---|
| 形 | 膝が隠れる長さ | 腰までの短い丈 | 膝が隠れる長さ | 着ている服 |
| 色 | 明るい灰色 | 黒 | 明るい灰色 | 着ている服 |
| 素材 | 毛足の短い起毛 | 化繊の中わた | 起毛 | 着ている服 |
この例なら、上着については「着ている服だけが離れている」形です。好きな服と似合う服は同じ方向を向いているのに、毎日着ているのは別の服になっている。迷子の原因は、好みでも似合い方でもなく、生活の中で好きな上着を着られない理由のほうにあります。
これを3品目すべてでやり、いちばん多く離れている円を数えてください。9つの軸のうち、5つ以上でひとつの円だけが離れていれば、その円が迷子の中心です。
書き出しの例|出社と在宅が半々の人の場合
ひとつ例を挙げます。週の半分は出社し、残りは家で仕事をしている人が、3品目を書き出したとします。
上着は、好きな服が「膝が隠れる長さ・明るい灰色・毛足の短い起毛」、着ている服が「腰までの丈・黒・化繊の中わた」、似合うと言われた服が「膝が隠れる長さ・明るい灰色・起毛」でした。ここでは着ている服だけが3つの軸すべてで離れています。
ニットは、好きな服が「ざっくりした太い編み目・生成り・丸首」、着ている服が「細い編み目・紺・丸首」、似合うと言われた服が「細い編み目・紺・高めの首元」でした。ここでは、形と色で好きな服だけが離れていて、首元は着ている服と好きな服が重なっています。
靴は、好きな服が「つま先の丸いショートブーツ・こげ茶・表革」、着ている服が「平たい運動靴・白・布」、似合うと言われた服は思い出せず、残していた写真では「つま先の丸いショートブーツ・こげ茶」でした。ここでは着ている服だけが離れています。
9つの軸で数えると、着ている服だけが離れているのが7つ、好きな服だけが離れているのが2つです。この人の迷子の中心は「着ている服」で、形2に当たります。好きな服も似合う服もわかっているのに、出社の日の電車と、家での動きやすさに合わせて、いつも同じ上着と運動靴を選んでいる、ということが見えてきます。
ニットだけは好きな服が離れていますが、ニットは顔に近い品目なので、後で説明するとおり似合う側を優先して構いません。この人が最初に動かすのは、出社の日の上着と靴の1か所だけです。
形1|好きな服だけが離れているとき
好きな服だけが離れている人は、着ている服と似合う服が重なっています。人から見れば、迷子どころか、似合うものを毎日着ている人です。それなのに本人は「何が好きかわからない」「自分らしくない気がする」と感じています。
この形でよくあるのは、好きな服の欄が空欄になっている、または手持ちでないものばかりが並んでいるパターンです。似合うものを着続けているうちに、好きという気持ちを確かめる機会がなくなって、言葉にできなくなっています。
最初の一手は、着ている服の中から、手が伸びる理由を言葉にすることです。いちばん着ている3着について、「なぜ今朝これを選んだか」を3日続けて書いてください。「暖かいから」「何にでも合うから」といった理由が並ぶはずですが、その中に1つか2つ、「この色を見ると落ち着くから」「この手ざわりが好きだから」という、気持ちの理由が混ざります。それが、いまの自分の「好き」の入り口です。
ここで新しい服を探しに行くと、また似合う側に引っぱられて、同じことを繰り返します。好きな服の円を取り戻すのは、手持ちの中で気持ちの理由を見つけてからにしてください。
形2|着ている服だけが離れているとき
着ている服だけが離れている人は、好きな服も似合う服もわかっています。それなのに、毎日着ているのは別の服です。「好きな服はクローゼットにあるのに、結局いつもの服を着てしまう」という悩みは、ほとんどこの形です。
この場合、迷子なのは服の好みではなく、生活と服の間です。好きな服が着られない理由が、どこかの場面にあります。
最初の一手は、好きな服を着られない場面を1つ特定することです。好きな上着を着ようとして、やめた日のことを思い出してください。自転車に乗る日だった、雨の予報だった、子どもを抱っこする日だった、職場で浮く気がした。やめた理由は、たいてい2つか3つの場面に集まっています。
場面が特定できたら、その場面だけ別の服にして、それ以外の日は好きな服を着る、と決めます。たとえば「自転車の日だけは短い丈の上着、それ以外は好きな長い上着」のように分けると、好きな服を着る日が週に2日から4日に増えます。全部の日を好きな服にしようとすると、いちばん着られない場面に引っぱられて、結局いつもの服に戻ってしまいます。
冬は場面による制約が強い季節です。寒さ、雨、電車の混雑、室内の暖房。好きな服が負けているのは、好みが弱いからではなく、場面の条件が厳しいからだと考えると、自分を責めずに済みます。
形3|似合う服だけが離れているとき
似合う服だけが離れている人は、好きな服を着ています。気持ちと行動は一致しているのに、鏡を見るとしっくりこない、写真に写った自分に違和感がある、という状態です。「前は似合っていたのに」という言葉がよく出ます。
この形の多くは、似合う側の条件が少し動いたことで起こります。体型、肌の明るさ、髪の長さや色、生活のリズム。どれかが少し動くと、前と同じ服でも見え方が変わります。好きな服は変わっていないので、ずれに気づきにくいのです。
最初の一手は、好きな形はそのままにして、色と厚みを1段だけ動かすことです。好きなのが黒のタートルネックなら、形はタートルネックのまま、色を濃い灰色や紺に1段明るくしてみる。好きなのが厚手のざっくりしたニットなら、形はそのまま、編み目を1段細かくしてみる。
1段だけ、というのが大事です。一度に大きく変えると、好きな服の円から離れてしまい、今度は好きな服が迷子になります。1段動かして鏡を見て、しっくりくる側に寄ったら、そこで止めてください。
形4|3つともばらばらなとき
9つの軸のうち、3つの円がどれもほかと重ならないものが半分以上あるなら、3つともばらばらな形です。「何を着てもしっくりこない」「自分が何を着たいのかもわからない」と感じている人は、この形であることが多いです。
この形でいちばんやってはいけないのが、新しい服を買って解決しようとすることです。3つの円がばらばらなまま新しい服を足すと、4つ目の円ができるだけです。
最初の一手は、着ている服を基準にすることです。3つの円のうち、着ている服の円だけは、迷いではなく事実でできています。実際に毎日着ているという事実は、少なくとも生活の条件には合っているということです。
着ている服を基準にしたら、次に似合う服の円を1つだけ寄せます。いちばん着ている上着について、似合うと言われた服の特徴のうち1つだけを取り入れる。色だけ、または丈だけ、です。それが落ち着いたら、次に好きな服の円を1つだけ寄せます。1つずつ寄せていくと、ひと冬かけて3つの円がゆっくり重なっていきます。
どちらとも取れるときは、顔からの距離で分ける
ここまでの手順で数えても、どの形とも言い切れないことがあります。上着では着ている服が離れているのに、ニットでは似合う服が離れている。品目によって形が違う、という場合です。実際には、このどちらとも取れる人がいちばん多いと感じます。
このときは、顔からの距離で分けて考えてください。顔に近い品目、つまりニットや首元のずれは、似合う側を優先します。顔のすぐ下は、人と話すときにいちばん目に入る場所で、ここが似合っていないと、ほかがどれだけ好きな服でも全体がしっくりこないからです。
顔から遠い品目、つまり靴やボトムのずれは、好きな側を優先します。顔から離れた場所は、似合うかどうかの影響が小さく、そのぶん好きな服を置いたときの気分の上がり方が大きいからです。
上着は、その中間です。上着は顔のまわりも覆いますが、大部分は体の上にあります。上着がずれているときは、えりと首まわりの色は似合う側に、丈と形は好きな側に、と半分ずつ分けて考えてください。
| 品目 | 顔からの距離 | ずれているときに優先する円 |
|---|---|---|
| ニット・首元 | 近い | 似合う服 |
| 上着 | 中間 | えりまわりは似合う服、丈と形は好きな服 |
| 靴・ボトム | 遠い | 好きな服 |
もうひとつ、どちらとも取れるときの手がかりがあります。3つの円のうち、自分が「どうでもいい」と感じる円がどれかを考えることです。似合うと言われても別にうれしくない人もいれば、好きな服を着られなくても気にならない人もいます。どうでもいいと感じる円は、ずれていても困らない円です。そこは動かさず、困っている円だけを動かしてください。
似合うと言われた言葉を、色と形に戻す
手順3で書いた「似合うと言われた言葉」は、そのままでは使いにくいことがあります。「明るく見える」「すっきりして見える」と言われても、どの服を選べばいいのかまではわかりません。そこで、言葉を色と形に戻します。
「明るく見える」「顔色がいい」と言われたなら、たいていは色の明るさが効いています。その服の色を、白い紙の上に置いて、紙との差を見てください。差が小さい、つまり明るい色だったなら、顔の近くには明るい色を置くと似合う側に寄ります。
「すっきりして見える」「きれいに見える」と言われたなら、形が効いていることが多いです。その服の首元の開き方、肩の線、丈の位置を見てください。首元が開いていた、肩の線がぴったりだった、丈が腰骨の上で止まっていた、など、具体的な位置がわかると、ほかの服を選ぶときの基準になります。
「やさしそう」「やわらかい雰囲気」と言われたなら、素材が効いていることが多いです。毛足のある起毛、ふんわりした編み地、光を吸う生地など、表面が手ざわりで見える素材だったのではないでしょうか。冬は素材の選択肢が多い季節なので、この言葉をもらった人は、素材から似合う側に寄るのがいちばん楽です。
好きな服の特徴を、着られる形に分ける
好きな服の円を取り戻したあと、その服をそのまま着られるとは限りません。好きな服が、生活の場面や体の条件に合わないこともあります。そのときは、好きな服の特徴を分けて、着られる部分だけを取り出します。
手順1で書いた特徴3つを、もう一度見てください。形・色・素材や細部のうち、どれがいちばん「好き」の中心かを考えます。3つを比べて、1つだけ残すならどれか、と自分に聞いてみると答えが出やすいです。
中心がわかったら、それ以外の2つは、場面や似合う側に合わせて変えて構いません。たとえば、好きな上着の中心が「明るい灰色」だったなら、丈や形が生活に合わなくても、明るい灰色の短い上着にすれば好きな気持ちは残ります。中心が「えりが大きい」だったなら、色は似合う側に合わせても、えりの大きさは残せます。
中心の特徴が2つ以上あって、どうしても1つに絞れないときは、その服を着た日の自分を思い出してください。人に会った日、写真を撮った日、なんとなく気分がよかった日。その日にいちばん目に入っていたのが、袖口だったのか、色だったのか、えりだったのか。目に入っていた場所が、気持ちを支えていた特徴です。
好きという気持ちは、服全体ではなく、その中の1つの特徴に宿っていることがほとんどです。その1つを残せれば、ほかの部分を変えても「自分らしい」と感じられます。
服迷子のまま買い物に行かない
3つの円を書き終える前に、冬の服を新しく買いに行くのは、できれば避けてください。とくに上着とニットです。
迷子のときに買い物に行くと、店では「似合いますよ」と言われた服か、その場で好きだと感じた服のどちらかを選ぶことになります。どちらも1つの円だけで選んでいるので、家に帰ってからほかの円とずれて、着ない服が1着増えます。冬服は単価が高いので、着ない1着の重さも大きくなります。
どうしても買う必要があるときは、3つの円のうち2つに重なるものだけを選んでください。好きで、しかも生活の場面で着られるもの。似合って、しかも好きなもの。1つの円だけに当てはまる服は、迷子が終わるまで待ってください。
店の鏡の前で迷ったら、手順4で書いた表を思い出して、その服がどの円に入るかを考えます。2つの円に丸がつく服なら、それは迷子から抜け出す方向に向いている服です。
買い物の前に、手持ちの服で試せることもあります。似合う服の円に近い色の服を手持ちから1着探して、好きな形の服と組み合わせてみる。着ている服の円にある上着に、好きな服の円にある首元の小物を足してみる。手持ちの組み合わせで2つの円が重なる場所が見つかれば、買い足すものは、その組み合わせに足りない1点だけになります。迷子のときほど、手持ちの中にまだ試していない重なりが残っているものです。
ひと冬で3つの円を重ねる進め方
3つの円を一度に重ねる必要はありません。むしろ、一度に重ねようとすると、また迷子になります。冬の数か月を使って、1つずつ進めるのがいちばん確実です。
最初の2週間は、書き出しと観察だけにします。手順1から手順4までを済ませて、自分がどの形かを決めます。服は1着も買いません。
次の2週間は、最初の一手を1つだけ試します。好きな服だけが離れている形なら、手が伸びる理由を書く。着ている服だけが離れている形なら、着られない場面を特定する。似合う服だけが離れている形なら、色か厚みを1段動かす。3つともばらばらなら、着ている服に似合う側の特徴を1つ足す。
その次の2週間で、もう一度3品目を書き出します。最初に書いたものと比べて、丸がいくつ増えたかを数えてください。丸が増えていれば、方向は合っています。増えていなければ、別の円を動かしてみてください。
冬の終わりまでに、上着・ニット・靴のうち2品目で、3つの円が2つ以上重なるようになっていれば、迷子はかなり抜けています。3品目すべてで重ならなくても構いません。2品目重なれば、毎朝の迷いは目に見えて減ります。
途中で迷いが戻ってきたとき
ひと冬かけて進めていると、途中で「やっぱりわからない」と感じる日が必ず来ます。新しい服を見て気持ちが揺れた日、人の服装を見て自分の服が急に色あせて見えた日、鏡の前で何を着てもしっくりこない日です。
そういう日は、最初に書き出した紙をもう一度見てください。迷いが戻ってきたように感じても、紙の上の3つの円は、その日の気分で動いたりしません。動いたのは気分のほうです。紙を見て、自分がどの形だったか、いまどの一手を試している途中かを確かめるだけで、迷いはその日のうちに落ち着くことが多いです。
それでも気持ちが収まらないときは、その日に気になった服の特徴を3つ、紙の端に書き足しておいてください。2週間後の見直しのときに、その特徴がまだ気になっていれば、好きな服の円が少し動いたということです。気にならなくなっていれば、その日だけの揺れだったということです。どちらであっても、書き足しておけば判断を先送りできるので、その場で服を買う必要がなくなります。
気持ちが疲れているときの服迷子
最後に、服迷子が服の問題ではないこともある、という話をしておきます。
仕事が忙しい時期、家族のことで手がいっぱいの時期、環境が変わったばかりの時期。こういうときは、服を選ぶ気力そのものが減っていて、3つの円を書き出す余裕もないことがあります。何を着ても同じに見える、どうでもいいと感じる、という状態です。
このときは、無理に円を重ねようとしなくて大丈夫です。代わりに、着ている服の円だけを守ってください。いちばん着ている上着とニットと靴を、毎朝そのまま着る。迷う場所を減らして、服に使う気持ちを休ませます。
気持ちが少し戻ってきたら、そのときに好きな服の欄を1つだけ書いてみてください。空欄だった欄に1つ言葉が入るだけで、迷子の地図は少し描き直されます。服迷子は、無理に急いで抜けるものではなく、自分の現在地がわかったところから、少しずつ戻っていくものです。
服を選ぶこと自体に疲れている人は、服選びに疲れた|疲れる場面を3つに分けて、1つだけ減らすも参考にしてください。似合う側の手がかりを顔から探したいときは顔タイプがわからない|褒められた服3着から、自分の顔を逆算するが、着ていない服の扱いに迷ったときは服の断捨離がもったいない|着た回数で行き先を5つに分けるが役に立ちます。
よくある質問
3品目では足りない気がします
足りないと感じたら、ボトムを4品目目として足してください。ただし最初は3品目だけで一度書き終えることをおすすめします。品目が増えるほど、書く途中で疲れて止まりやすくなるからです。3品目で形がわかれば、4品目目は答え合わせとして使えます。
書き出しても、どの形か決められません
どの形とも言い切れないときは、顔からの距離で分ける方法を使ってください。ニットのずれは似合う側、靴のずれは好きな側を優先します。それでも決まらないときは、いちばん困っている品目を1つ選び、その品目だけで形を決めて構いません。
似合うと言われた服が、自分ではまったく好きになれません
好きになれない服を無理に着る必要はありません。その服が似合うと言われた理由を、色・形・素材のどれかに戻してみてください。理由が色なら、好きな形の服でその色を選べばいい、というように、好きな服の中に似合う理由を1つだけ移すことができます。
家族や友人に「似合う」と言われた服がばらばらです
言われた服がばらばらに見えるときは、服そのものではなく、言われた言葉を並べてみてください。「明るく見える」「やさしそう」など、言葉のほうは意外と同じものが繰り返されていることがあります。服の種類が違っても、言葉が同じなら、似合う理由は同じところにあります。その言葉を色・形・素材のどれかに戻して、似合う服の円の中心にしてください。
服迷子は、何歳ごろに起こりやすいですか
年齢で決まるものではありません。生活が変わったとき、体や髪や肌の条件が少し動いたとき、気持ちが疲れているとき、どの年代でも起こります。冬服を出したときに強く感じやすいのは、1年ぶりに手に取る服が多く、そのあいだの変化がまとめて見えるからです。
迷子になったと感じたら、それは自分の地図を描き直すきっかけです。好きな服、着ている服、似合う服。3つの円のどこが離れたのかを見つければ、戻る道はそこから自然に見えてきます。
よくある問い
- Q. 服迷子から抜け出すために、まず何をすればいいですか
- 新しい服を見に行く前に、冬の上着・ニット・靴の3つの品目について、好きな1着・この2週間でいちばん着た1着・人に似合うと言われた1着を書き出してください。3つの答えが同じ服か、違う服かで、ずれている場所がわかります。ずれている場所がわかれば、最初に動かすのは1か所で足ります。
- Q. 人に似合うと言われた服が思い出せません
- 思い出せないときは、写真で代わりにします。この1年で撮った写真のうち、自分が写っていて消さずに残しているものを5枚選び、そこで着ている服を書き出してください。消さずに残した写真は、自分の目で見て悪くないと感じたものなので、似合う側の手がかりになります。
- Q. 好きな服と似合う服が違うときは、どちらを優先すべきですか
- どちらかを捨てる必要はありません。顔から遠い場所、たとえば靴やバッグやボトムに好きな服を置き、顔のすぐ下には似合う服を置く、という分け方ができます。どうしても1着で両方を満たしたいときは、形は好きなほうに、色と素材は似合うほうに合わせると、ずれが小さくなります。
- Q. 年齢が変わって服迷子になった気がします
- 年齢で変わるのは、多くの場合、似合う側の円だけです。好きな服と着ている服は前のままなので、似合う側だけが離れていきます。この場合は、好きな服の形はそのままに、生地の厚みと色の明るさを1段ずつ動かすと、3つの円がまた重なりはじめます。
— メグラシ編集部





