胸がある人に似合う服|頂点の高さと厚みを鏡で測って、襟と丈を決める

**鏡の前で、まっすぐ立ってみてください。**胸の頂点は、肩先と肘のちょうど真ん中より上にありますか、下にありますか。そして横を向いたとき、胸の頂点はみぞおちより指何本ぶん前に出ていますか。
胸がある人に似合う服は、この2つで4つに分かれます。「胸が大きい人はVネック」と一括りにされがちですが、同じVネックでも、頂点が高い人と低い人では、似合う襟の深さが指3本ぶん違います。**高さで襟の深さを決め、厚みで素材と切り替えの位置を決める。**この記事はその測り方と、測ったあとの選び方の話です。
体のラインを細く見せる工夫は胸が大きいと太って見える服装に、下着の線が服に出る悩みは下着の縁が服に出るに分けてあります。ここでは「似合う」の側だけを扱います。
結論:あなたの服は、頂点の高さと厚みの組み合わせで4つに分かれる
先に答えを置きます。測り方は次の章で説明するので、だいたいの見当でかまいません。
| 組み合わせ | 襟の深さの目安 | 切り替え・丈 | 素材 |
|---|---|---|---|
| 高い × 厚め | Vの底は頂点より指3本上 | ウエストで締める・腰骨丈 | とろみ・薄手のニット |
| 高い × 薄め | クルーからVまで広く使える | 切り替えは自由・短め丈も可 | 張りのある素材も可 |
| 低い × 厚め | U・スクエアで鎖骨を見せる | ウエストより指2本上 | 落ち感のある素材 |
| 低い × 薄め | 詰まった首元が合いやすい | 胸下切り替えは避ける | 素材は広く選べる |
高い・低いは、胸の頂点が二の腕の中点より上か下か。厚め・薄めは、横から見て頂点がみぞおちより指3本以上出ているか、2本以内か。この2つを測れば、売り場で迷う範囲がぐっと狭くなります。
どちらかの物差しで境目ちょうどになった人は、後半の「どちらとも取れるとき」の章を先に読んでください。そこがいちばん迷いやすく、検索しても答えが出てこないところです。
測り方①頂点の高さ ── 二の腕の中点より上か下か
いちばん長く着けている下着をつけて、薄手の服を1枚着た状態で、全身が映る鏡の前に立ちます。腕は体の横に自然に下ろします。
- 肩の骨のいちばん外側の出っ張り(肩先)に、反対の手の指を当てる
- 腕を下ろしたまま、肘の曲がり目の位置を確かめる
- 肩先と肘の曲がり目のちょうど真ん中を、二の腕の上で見当をつける
- その高さで、鏡に向かって水平な線を引いたつもりで、胸の頂点がその線より上か下かを見る
中点の線より上なら「高い」、下なら「低い」です。線との差が指1本ぶん(約1.5cm)以内なら、境目です。境目の人は、後の章で扱います。
この測り方の良いところは、身長や腕の長さに関係なく、自分の体の中の比率で測れることです。身長が高い人は頂点の位置もcmでは下になりますが、腕も長いので、比率で見れば同じ物差しで比べられます。メジャーで「鎖骨から何cm」と測るより、ずれが出にくい方法です。
二の腕の中点が分かりにくいときは、腕を体の横で直角に曲げ、肘の曲がり目に反対の手の指を当てたまま腕を下ろすと、位置を見失わずに済みます。肩先と肘の曲がり目に、肌に貼れる小さな付箋を1枚ずつ貼って、そのあいだの真ん中を鏡で見る方法も、慣れないうちは確実です。
鏡を正面から見るときは、少しだけあごを引いて、目線を胸の高さに下ろさずにまっすぐ前を見たまま、鏡越しに確かめてください。下を向くと肩が前に入り、頂点が実際より低く見えます。
測り方②厚み ── 横向きで、みぞおちとの差を指で数える
次は横向きです。鏡に対して体を90度回し、顔だけ鏡のほうへ向けます。
- 下敷きや薄い本など、まっすぐな板を1枚用意する
- 板を床に対して垂直に立て、胸のいちばん前に出ている点に軽く当てる
- 板とみぞおち(胸のすぐ下のくぼんだところ)のあいだに、指を横にして重ねて差し込む
- 何本入るかを数える
指2本以内なら「薄め」、3本以上なら「厚め」です。2本と3本のあいだで、2本だと緩く3本だときつい、という人は境目として扱います。
ここで見ているのは、カップの大きさではありません。服から見ると大事なのは、布が胸の頂点からどれだけ前に押し出されて、どこで体に戻ってくるかです。同じ下着のサイズでも、胸が横に広がって出ている人は前への厚みが小さく、正面に寄って出ている人は大きくなります。服の形が変わるのは、前への厚みのほうです。
板がないときは、手のひらを縦に伸ばして当てても測れます。ただ手のひらは少し丸まりやすいので、板のほうが1本ぶんの差が出にくくなります。
測るときによくある間違いは3つあります。1つ目は、息を吸い込んだまま測ること。胸を張ると頂点が前に出て、指1本ぶん厚く出ます。ふつうに息を吐いたところで止めて測ってください。2つ目は、板を胸に押しつけること。押しつけると胸のふくらみが平らになり、指半分ほど薄く出ます。板は触れるか触れないかの強さで当てます。3つ目は、厚手のニットの上から測ること。服の厚みがそのまま足されるので、測るときは体に沿う薄手のカットソー1枚にしてください。
測った結果は、スマートフォンのメモに「高い・厚め(指3本)」のように、物差しの数字ごと残しておくのがおすすめです。次に測り直したときに、どちらの物差しがどれだけ動いたかが比べられます。
高い × 厚め:Vの底は頂点より指3本上、切り替えはウエストで
頂点が高く、前への厚みもある人は、鎖骨から頂点までの距離が短く、そこから下に布が大きく落ちる形です。首の詰まった服を着ると、首から胸の頂点までがひとつの面になり、上半身の上のほうに重さが集まって見えます。
**襟はVやカシュクールのように、縦に開くものが合います。**深さの目安は、Vの底が胸の頂点より指3本ぶん上で止まること。それより浅いと首元が詰まって見え、深いと胸のふくらみの始まりに布の端がかかって、Vの線が左右に開いてしまいます。
切り替えや締める位置は、ウエストの細いところです。胸のすぐ下で切り替えると、頂点から切り替えまでの距離が短すぎて、布が胸の下で横に張ります。ウエストまで落としてから締めると、頂点から下の布にゆとりが生まれて、縦に流れます。
素材は、とろみのある布や、薄手で体に沿うニットが向いています。張りのある素材は頂点から下がまっすぐ落ちて、裾まで体から離れたままになりやすいからです。張りのあるシャツを着たい日は、前を少し開けてVの形を作るか、裾を前だけ入れて、布が体に戻る場所を作ってください。
丈は腰骨にかかるくらいが扱いやすく、短すぎる丈は頂点から裾までの落ちが目立ちます。
秋冬に1枚足すなら、薄手のハイゲージのVネックニットです。目の細かい編み地は胸の丸みに沿って落ち、みぞおちのあたりで体に戻ります。編み地が粗くて厚いローゲージを着たい日は、Vの深さを指1本ぶん深めにして、首元から胸までの面に開きを作っておくと、厚みが重なって見えにくくなります。前を開けたカーディガンを羽織る着方も、この組み合わせの人にはよく働きます。
高い × 薄め:首元の選択肢がいちばん広い組み合わせ
頂点が高く、前への厚みが小さい人は、胸の存在感が横の広がりで出ていることが多い形です。正面から見るとボリュームがあるのに、横から見るとそれほど出ていない、という人がここに入ります。
この組み合わせは、襟の選択肢がいちばん広くなります。クルーネックもボートネックも、首の詰まったタートルも着られます。前への厚みが小さいので、首元を詰めても布が前に押し出されず、ひとつの面になりにくいからです。
気をつけたいのは、横への広がりを強める服です。肩から胸にかけて横線が入る服、たとえば胸の高さに横縞や切り替えが来る服は、正面から見た横幅をさらに広げます。横線を使うなら、頂点より指4本以上上か、ウエストより下に置いてください。
切り替えの位置は比較的自由です。胸下切り替えも、厚みが小さいぶん布が横に張りにくく、着られる範囲が広くなります。素材も、張りのあるシャツやハリのあるコットンが似合いやすい組み合わせです。短めの丈も、頂点から裾までの落ちが少ないので、浮いて見えにくくなります。
秋冬に1枚足すなら、首元が少し離れたモックネックや、張りのある素材のシャツです。この組み合わせの人は、ほかの組み合わせの人が避けがちな、かっちりした布を着こなせる幅があります。ただし、肩から胸にかけて横に広がる大きな襟や、胸の高さに来るポケットのフラップは、横幅をさらに広げます。襟は小さめ、ポケットは頂点より指4本以上上にあるものを選ぶと、首元を詰めた着方でも上半身がまとまります。
低い × 厚め:U・スクエアで鎖骨を見せ、締める位置はウエストより少し上
頂点が二の腕の中点より下にあり、前への厚みもある人は、鎖骨から頂点までの距離が長く、そこから下に布が落ちる形です。鎖骨の下に広い面があるので、ここをどう扱うかで印象が変わります。
深いVは避けて、Uネックやスクエアネックで鎖骨まわりを見せると収まりやすくなります。深いVは、底が胸のふくらみの途中に来やすく、布の端が胸の丸みに沿って外へ流れます。Vを選ぶなら、底が頂点より指4本上で止まる浅めのものにしてください。
締める位置は、ウエストの細いところより指2本ぶん上が目安です。頂点が低いぶん、ウエストまでの距離が短く、ウエストで締めると胸の下の布が足りずに、頂点の下で横じわが出ます。少しだけ上で締めると、胸から下の布が無理なく落ちます。
素材は落ち感のあるものが合います。厚手でかさのあるニットは、頂点から下に重さがかかって、全体が下に沈んで見えやすいので、厚手を着るなら目の詰まった薄めの編み地を選び、上にもう1枚重ねて暖かさを足すほうが形が保てます。
秋冬に1枚足すなら、スクエアネックかUネックの薄手のニットに、前を開けたジャケットかカーディガンを重ねる組み方です。鎖骨のまわりに開きがあり、その外側に縦の線が2本入るので、鎖骨から頂点までの長い面が、開きと縦線で分けられます。丈は腰骨より少し下までのものを選ぶと、頂点から落ちた布が裾までにゆっくり体へ戻り、裾が前だけ浮くことが少なくなります。
低い × 薄め:詰まった首元が鎖骨下の面を埋めてくれる
頂点が低く、前への厚みが小さい人は、鎖骨の下に広い面があり、布はそれほど前に押し出されない形です。
この組み合わせでは、首の詰まった服がよく合います。クルーネック、ハイネック、タートル、襟の小さなシャツ。鎖骨の下の広い面を布で埋めることで、上半身の重心が上がって見えます。逆に深いVは、底が頂点の近くまで下がり、首元から胸までの面が間延びして見えることがあります。
胸ポケットや胸元の飾りも、この組み合わせではうまく働きます。視線を頂点より上に集められるからです。ポケットや飾りの位置は、鎖骨から指4〜5本下あたりに来るものが目安です。
避けたいのは、胸のすぐ下で切り替える服です。頂点が低いため、切り替えの線が胸のふくらみの途中に来てしまい、線が胸の丸みで持ち上がります。切り替えのある服を選ぶなら、ウエストの位置か、それより下のものにしてください。
秋冬に1枚足すなら、タートルネックか、襟の小さなシャツの上に重ねるクルーネックのニットです。この組み合わせの人は、首元を重ねるほど上半身の重心が上がるので、シャツの襟をニットの外に出す着方もよく似合います。ほかの組み合わせの人が避けたほうがいい着方が、ここでは味方になります。胸の存在感をあえて出したい日だけ、浅いVを選んでください。
どちらとも取れるとき①高さが中点ちょうど
二の腕の中点との差が指1本以内だった人は、高さで決めずに、厚みのほうを先に決めてください。
厚めだった人は「高い × 厚め」の選び方を基準にします。理由は、厚みのある人は首元を詰めたときの失敗が目立ちやすく、Vで開けたときの失敗は目立ちにくいからです。迷ったら、失敗したときに目立たないほうへ寄せておきます。
薄めだった人は「低い × 薄め」の選び方を基準にします。厚みが小さいなら、首元を詰めても布は前に押し出されないので、詰まった首元で失敗することはまずありません。
そのうえで、高さの迷いは襟の深さで吸収します。Vの底を頂点から指3本上と4本上のあいだに置けば、高い側の目安と低い側の目安のどちらにも外れません。売り場で迷ったときは、Vの底に指を当てて、頂点まで何本あるかを数えてみてください。3本半くらいなら、あなたにはちょうどいい深さです。
高さが境目の人は、言い換えると、高い側の服も低い側の服も、少し手を加えれば着られる人です。首元の詰まった服を着る日は前を開けた羽織りを足し、深いVの日は首元にインナーを1枚足す。どちらか一方に決めてしまうより、手持ちの服をどちら側の手直しで着るかを、1枚ずつ決めておくほうが、服の数を増やさずに済みます。
どちらとも取れるとき②厚みが指2本と3本のあいだ
厚みが境目だった人は、素材で決めると迷いが減ります。
試着のときに、布の落ち方を横から見てください。頂点から真下に落ちた布が、みぞおちの高さで体に触れていれば、その素材は「薄め」の選び方で着られます。触れずに裾まで離れたままなら、その素材に対してあなたは「厚め」です。
同じ人でも、素材によって答えが変わるということです。とろみのある布なら薄め側で着られるけれど、張りのあるシャツだと厚め側になる。これは、測り間違いではありません。布の重さと硬さで、胸の頂点から下にどれだけ落ちるかが変わるからです。
境目の人がシャツを選ぶときは、前立ての上から2番目のボタンが、胸の頂点より上か下かを見てください。上にあれば、開けたときにVの底が頂点より上で止まるので、厚め側の着方がそのままできます。下にあると、開けると深すぎ、閉めると前立てが引っぱられます。ボタンの位置は売り場で一目で分かるので、境目の人にはいちばん使いやすい目印です。
ニットの場合は、編み地の細かさで判断します。袖口や裾ではなく、胸の前の編み地を指でつまんで、目が透けるくらい細かいか、指の腹に凹凸を感じるくらい粗いかを見てください。細かいものは薄め側、粗いものは厚め側の選び方で着ると外れません。同じ店の同じ形のニットでも、編み地の違いで答えが変わるので、境目の人は形より先に編み地を見る癖をつけると、試着の回数が減ります。
どちらとも取れるとき③下着で日によって変わる
ワイヤーのある下着とない下着、スポーツ用のもの、季節で替える厚手のもの。下着が変わると、頂点の高さは指1本ぶんほど、厚みも指半分ほど動くことがあります。
基準は、いちばん長く着けている下着で測った結果にしてください。週に5日着ける下着で「高い × 厚め」なら、それがあなたの基準です。休日だけ違う下着を着けて「低い × 厚め」寄りになるなら、休日の服は襟を少し浅めにする、という読み替えで足ります。
服を買うときは、その服を着る日の下着で試着するのが確実です。仕事の日に着るブラウスを、休日の下着で試着すると、襟の深さが指1本ぶんずれて見えます。
冬は下着の上に重ねる肌着が厚くなるので、厚みの測り直しをすすめます。厚手の肌着を1枚足すだけで、指半分ほど厚く出ることがあり、境目にいた人は厚め側に移ります。秋の衣替えのときに一度、冬の肌着を着た状態で板を当ててみてください。
どちらとも取れるとき④左右で高さが違う、季節で体が変わった
左右で頂点の高さが違うことは、珍しくありません。差が指1本以内なら、高いほうを基準にしてください。襟の深さは高い側で合わせると、低い側では少し浅く見えるだけで済みます。低い側で合わせると、高い側ではVの底が頂点に近づいて、片側だけ布の端が開きます。
差が指1本を超える場合は、左右で襟の形が変わらない服、たとえばUネックやスクエアネックを選ぶと、左右の差が襟の線に出にくくなります。Vは左右の辺がまっすぐなので、差が線のずれとして見えやすい形です。
体重の増減や生活の変化で、胸の形が変わることもあります。半年前に測った結果が今も同じとは限りません。季節の変わり目に1回、同じ下着・同じ鏡・同じ板で測り直すと、前回との差が数字で分かります。差が出ていたら、それに合わせて襟の深さを指1本ぶん動かすだけで、手持ちの服の選び方はほとんど変えずに済みます。
秋冬の重ね着でずれるもの ── ニット・シャツ・コート
秋冬は服を重ねるので、1枚目で合わせた襟が、2枚目・3枚目で隠れたり、ずれたりします。
ニットの下にシャツを着るときは、シャツの襟がニットの襟より上に出ます。厚めの人は、シャツの襟をニットの外に出すと首元の層が増えて、首から胸がひとつの面に見えやすくなります。シャツの襟はニットの内側に収めるか、襟のないシャツを下に着てください。
カーディガンは、前を開けて着ると、左右の前端が縦の線を2本作ります。厚めの人には、この縦線がVネックと同じ働きをするので、下に詰まった首元のニットを着ても、全体ではVに近い印象になります。高い × 厚めの人が首の詰まったニットを着たい日には、前を開けたカーディガンを重ねると収まります。
コートは、前を閉めたときのVゾーンの深さを見ます。テーラードの襟なら、いちばん上のボタンの位置が胸の頂点より上か下かで判断します。厚めの人は、ボタンが頂点より下にあるコートのほうが、閉めたときに布が胸の前で引っぱられません。襟のないコートは、首まわりの開きが鎖骨の端まであるかを確かめてください。
マフラーやストールは、巻いた結び目の位置が胸の頂点と重なると、厚みが二重になります。結び目は頂点より指3本以上上か、片側に寄せて垂らすほうが、胸の前が重くなりません。
手持ちの服を、測った結果で3つに仕分ける
測った結果が出たら、新しく買う前に、手持ちのトップスを並べてみてください。似合う服を探すより先に、すでに持っている服の中で、どれが自分の組み合わせに合っているかが分かります。
- 秋冬に着るトップスを、ニット・シャツ・カットソーの区別なく全部出す
- 1枚ずつ、襟の底が鎖骨のくぼみから指何本下にあるかを、床に置いた状態で測る
- 自分の組み合わせの「Vの底の目安」と比べて、合う・浅い・深いの3つに分ける
床に置いて測った襟の深さは、着たときとほぼ同じです。たとえば高い × 厚めの人で、頂点が鎖骨のくぼみから指7本下にあるなら、Vの底は指4本下が目安になります。指4本前後の服は「合う」、指2本以下は「浅い」、指6本以上は「深い」の山に入れます。
「浅い」の山は、前を開けたカーディガンやジャケットと組むと使えます。縦の線が2本足されて、首元の詰まりが和らぐからです。「深い」の山は、下に首元の詰まったインナーを1枚入れて、Vの底を上げて着ます。インナーの襟が見える高さが、ちょうど自分の目安の深さになるように選んでください。どちらの山にも入れられず、着た日に何度も鏡を見直していた服があれば、それは襟ではなく素材か丈が合っていない服です。
この仕分けをしておくと、売り場で迷ったときにも「いま持っている合う山の服と、襟の深さが同じか」で比べられるようになります。自分の目安を、手持ちの1枚で覚えておけるということです。
ワンピースとシャツワンピースは、切り替えの位置を頂点から測る
ワンピースは、上下がつながっているぶん、トップスより切り替えの位置で印象が大きく変わります。売り場では、肩のいちばん高いところから切り替えの線までを、ハンガーにかけた状態で見てください。
自分の体で、肩のいちばん高いところから胸の頂点までが何cmか、ウエストの細いところまでが何cmかを一度測っておきます。メジャーがなければ、手のひらの幅(親指を除いた4本の指をそろえた幅)で数えてもかまいません。手のひら何枚ぶんかで覚えておけば、売り場で自分の手を当てて比べられます。
高い × 厚めの人は、切り替えがウエストの細いところに来るものか、ベルトで締める位置を自分で選べるものが合います。低い × 厚めの人は、ウエストより指2本上に切り替えがあるものが目安です。高い × 薄めの人は、胸下切り替えも含めて広く着られます。低い × 薄めの人は、胸下切り替えだけは線が胸のふくらみの途中に来るので外してください。
シャツワンピースは、前立てのボタンが胸の前で引っぱられないかを、試着のときに横から見ます。ボタンとボタンのあいだに横向きのすき間が開くなら、胸の厚みに対して身幅が足りていません。ひとつ上のサイズにするか、胸の位置にボタンのない、かぶって着る形を選ぶと、前が引っぱられずに済みます。秋冬は上にカーディガンやコートを重ねることが多いので、前を開けて羽織ったときに、切り替えの線がどの高さに見えるかも確かめておくと安心です。
試着室で30秒で確かめる手順
売り場では、全部を測り直す時間はありません。試着室の鏡の前で、次の3つだけを順に見てください。
- 正面で、襟の底から胸の頂点まで指が何本入るか。高い × 厚めなら3本、低い × 厚めなら4本、薄めの人は2本以上あれば十分
- 横向きで、頂点から落ちた布がどこで体に触れるか。みぞおちの高さで触れれば合格。裾まで離れたままなら、素材か締める位置が合っていない
- 腕を前に伸ばして、背中が引っぱられないか。胸の前で布が足りないと、腕を伸ばしたときに背中の布が突っ張る。突っ張るなら、ひとつ上のサイズか、伸びる素材を選ぶ
3つともそろえば、その服はあなたの形に合っています。1つだけ外れたときは、外れた項目で手直しできるかを考えます。襟の深さはインナーで調整でき、布の落ち方は裾を前だけ入れて変えられます。腕を伸ばして背中が引っぱられるのだけは、着方では直らないので、そこで外れたら見送ってください。
似合っているかを最後に判定する3つの目印
服を着て鏡を見たとき、「なんとなく違う」で終わらせないために、最後の目印を3つ置いておきます。
1つ目は、首から胸の頂点までの面です。この面が布で埋まりすぎていないか、開きすぎていないか。高い人は少し開け、低い人は少し埋める。これがそろっていると、上半身の重心が自然な高さに見えます。
2つ目は、頂点から下の布の流れです。横から見たとき、頂点から落ちた布が体に戻ってくる場所があるか。戻る場所があれば、その服はあなたの厚みに合っています。
3つ目は、動いたときの襟の位置です。腕を上げる、前にかがむ、座る。このときに襟が大きくずれたり、Vの底が下がって頂点に近づいたりしないか。立って鏡を見ているときだけ合っていても、1日を過ごすと崩れる服は、結局着なくなります。
この3つ目は、家で一度だけ試しておくと便利です。手持ちの服を着て、椅子に座り、机に向かって前かがみになって、腕を伸ばしてみる。そのとき襟が後ろに引かれて前が上がるなら身幅が足りず、前が下がるなら襟ぐりが自分の目安より深い服です。どちらに動くかが分かれば、売り場で同じ形の服を見たときに、試着しなくても見当がつくようになります。
この3つは、どの組み合わせの人にも同じように使えます。服を選ぶ物差しを、ほかの人の正解ではなく、自分の体の中の数字に置き換えておくと、似合う服を探す時間はずっと短くなります。似合う服を写真から探したい人はどんな服が似合うか診断も合わせてどうぞ。自己診断と人に見てもらった結果が違ったときは自己診断とプロの結果が違ったに整理の手順を置いています。
よくある問い
- Q. 胸がある人は、ハイネックやタートルネックを着てはいけませんか
- 着てはいけない服はありません。合いやすさが変わるのは、頂点の高さと厚みの組み合わせによります。頂点が二の腕の中点より下にあり、厚みが指2本以内なら、首の詰まった服は鎖骨の下の広い面をちょうどよく埋めてくれます。頂点が高く、厚みが指3本以上ある場合は、首から胸までがひとつの面になりやすいので、首元がゆるく折り返るタートルや、薄手で体に沿う編み地を選ぶと収まります。首の詰まった服を着たい日は、首まわりの布の厚さを先に見てください。
- Q. 測るたびに結果が少し変わります。どれを信じればいいですか
- いちばん長く着ている下着をつけて、朝、服を着る前に測った結果を基準にしてください。下着が変わると頂点の高さは指1本ぶんほど動くことがあります。基準を1つ決めておけば、ほかの日の結果は「今日は基準より高い」「低い」と読み替えられます。毎回違う結果を並べて迷うより、基準1つと、そこからのずれで考えるほうが服は選びやすくなります。
- Q. 胸がある人に似合う服は、骨格診断のタイプとは違うのですか
- 見ている場所が違います。骨格診断は体全体の質感と重心を見ますが、この記事が見ているのは胸の頂点の位置と、横から見た前への出方だけです。同じ骨格タイプでも頂点の高さは人によって違いますし、骨格の判定がはっきりしない人でも、高さと厚みは鏡で測れます。骨格の結果があるなら、素材の選び方はそちらを優先し、襟の深さと切り替えの位置はこの記事の測り方で決める、という分け方がしやすいです。
- Q. 似合っているかどうかを、自分で判断する方法はありますか
- 横向きで鏡を見て、胸の頂点から下の布がどこで体に戻ってくるかを見てください。頂点から真下に落ちて、みぞおちのあたりで体に触れていれば、布はあなたの形に沿っています。頂点からまっすぐ裾まで離れたままなら、布が胸の高さで止まっています。前から見たときは、襟の底と胸の頂点の距離を見ます。どちらも数字で確かめられるので、気分ではなく形で判断できます。
— メグラシ編集部





