パーソナルカラーと骨格で素材が食い違う|冬の艶と起毛は上下で分ける

結論:顔に近い所はパーソナルカラーの素材、胴から下は骨格の素材
パーソナルカラーの診断で「艶のある素材が似合う」と言われた。骨格の診断では「ふんわりした起毛やモヘアが似合う」と言われた。冬の服を選ぼうとすると、どちらに従えばいいのか分からなくなる。そう感じているなら、答えは上下で分けることです。
顔のすぐ近く、あごから手のひら2枚分くらいまでは、パーソナルカラーの素材で選びます。そこから下、胴や腰や脚は、骨格の素材で選びます。こうすると、二つの診断は食い違わず、両方の答えを1つの装いの中で生かせます。
なぜこれでうまくいくのかというと、二つの診断はそもそも、別のものを見ているからです。パーソナルカラーは顔のまわりの光の返り方を、骨格は体の線への布の沿い方を見ています。見ている場所が違うのだから、答えが違って当然です。
この記事では、素材の食い違いが起きる理由、境目の測り方、食い違いやすい組み合わせごとの分け方、上下がつながる服の扱い方を順に書いていきます。
先に一つだけ、この考え方が向いていない場面にも触れておきます。結婚式やお祝いの席のように、服の格が素材で決まる場面では、診断の答えより、場にふさわしい素材が優先されます。この記事の分け方は、毎日の装いや、仕事や休日の服を選ぶときの考え方として使ってください。
なぜ冬になると、素材の食い違いが目立つのか
夏のあいだは、素材の食い違いにあまり気づきません。夏の服は薄手で、表面の違いが小さいからです。綿のカットソーも、薄いブラウスも、表面はおおむね平らで、艶や毛足の差がそれほど大きくありません。
冬の服は違います。艶の強いサテン、毛足の長いモヘア、ざっくり編んだ太いニット、平らに詰まったウール、起毛したフランネル。同じ「冬の服」の中に、表面の性格がまったく違う素材が並んでいます。そのため、素材の選び方が、夏よりはるかに見た目を左右します。
診断で言われた素材の話が、夏には大きな問題にならなかったのに、冬になって急に「どちらに従えばいいのか分からない」という悩みになるのは、このためです。
もう一つ、冬は重ね着の枚数が増えることも関係しています。夏はトップス一枚とボトムス一枚で済むことが多いので、素材の選択は二つだけです。冬は、インナー、ニット、羽織り、コート、マフラーと、顔の近くから体の外側まで、何枚もの素材が重なります。重なる枚数が多いほど、どの一枚をどちらの診断で選ぶかを決めないと、組み立てが崩れやすくなります。逆に言えば、枚数が多い冬は、上下で分けるという考え方がいちばん生かしやすい季節でもあります。
二つの診断が言っている「素材」は、それぞれ何を見ているのか
パーソナルカラーの診断で素材の話が出るのは、素材によって、顔に返ってくる光が変わるからです。
艶のある素材は、光を強く跳ね返します。顔のそばにあると、肌に明るい光が当たって、表情がくっきり見えます。この強い光が合うのは、もともと顔の中にはっきりした明暗がある人です。マットな素材や起毛した素材は、光を柔らかく散らします。顔のそばにあると、肌に穏やかな光が当たって、柔らかい印象になります。こちらが合うのは、顔の印象がもともと柔らかい人です。
骨格の診断で素材の話が出るのは、素材によって、体の線への沿い方が変わるからです。
ハリのある素材は、体の線から少し離れて、まっすぐに落ちます。体に厚みのある人は、この落ち方で厚みが整って見えます。柔らかく薄い素材は、体の線に沿って落ちます。体が薄く、骨が華奢な人は、この沿い方で体の線がきれいに見えます。ざっくりした素材や毛足のある素材は、表面に厚みがあるので、骨が太めでしっかりした人の体の線となじみます。
つまり、パーソナルカラーは顔の光、骨格は体の線。同じ「素材」という言葉を使っていても、見ている理由がまったく違います。
もう少し具体的に言うと、パーソナルカラーの診断で素材の話をされるとき、実際に比べているのは、肌の色、目の色、髪の色の明暗の強さです。明暗が強い人ほど強い光に負けず、穏やかな人ほど柔らかい光が合います。骨格の診断で素材の話をされるときに比べているのは、首の長さ、肩の厚み、鎖骨や手首の骨の出方です。こうして並べると、二つの診断が見ている体の場所は、ほとんど重なっていないことが分かります。
重なっていない以上、二つの答えはどちらかを捨てる必要がありません。それぞれが見ている場所で、それぞれの答えを使えばいいのです。食い違いに見えていたものは、実は二つの診断が、それぞれ別の場所について正しいことを言っていた、というだけのことです。
境目を測る:あごから手のひら2枚分
では、どこまでが顔の光の範囲で、どこからが体の線の範囲なのか。目安は、あごの先から手のひら2枚分です。
手のひらを横にして、指をそろえた状態の幅を1枚分とします。人によって違いますが、だいたい8センチから10センチほどです。あごの先に1枚目の手のひらの上の端を当て、その下に2枚目を重ねます。2枚目の下の端が、境目です。多くの人で、鎖骨のあたりか、鎖骨より少し下になります。
この範囲の布は、顔のすぐ下にあるので、顔への光の返り方に直接影響します。ここはパーソナルカラーの素材で選ぶ範囲です。
境目より下、胸から下の布は、顔への光の影響は小さくなり、代わりに体の線への沿い方がよく見えるようになります。ここは骨格の素材で選ぶ範囲です。
自分の手で測るのは、体の大きさと手の大きさがだいたい比例しているからです。メジャーで20センチと決めるより、自分の手で測るほうが、自分の顔と体の比率に合った境目になります。
首の長さによっても、境目の感じ方は少し変わります。首が長めの人は、あごから鎖骨までの距離が長いので、手のひら2枚分の境目が鎖骨より上に来ることがあります。この場合、鎖骨のあたりまでは骨格の素材が見えてもかまいません。首が短めの人は、境目が鎖骨より下に来るので、胸元の上のほうまでパーソナルカラーの素材で整えると、顔映りが安定します。肩幅が広い人は、肩の上の布も顔の横の面になるので、肩のあたりまで含めて顔の範囲と考えると、迷いにくくなります。
食い違いやすい組み合わせを比べる
パーソナルカラーと骨格の組み合わせの中で、素材の答えが食い違いやすいものを並べておきます。ここに無い組み合わせでも、考え方は同じです。
| 組み合わせ | パーソナルカラーの素材 | 骨格の素材 | 分け方 |
|---|---|---|---|
| ブルベ冬×ウェーブ | 艶・ハリ | 柔らか・起毛 | 首元に艶、胴から下に起毛 |
| イエベ秋×ストレート | マット・起毛 | ハリ・平滑 | 起毛は毛足の短い平らなもの |
| ブルベ夏×ナチュラル | 柔らか・薄い艶 | ざっくり・厚手 | ざっくりは胸から下 |
| イエベ春×ナチュラル | 軽い艶 | ざっくり・ラフ | 首元に軽い艶、下にラフ |
| ブルベ冬×ナチュラル | 艶・ハリ | ざっくり・ラフ | 首元に艶、ラフは羽織りで |
| イエベ秋×ウェーブ | マット・起毛 | 柔らか・薄手 | 薄手の起毛を首元に |
表は、比べる軸を示すためのものです。自分の組み合わせで実際にどう分けるかは、このあとの章で具体的に書きます。
ブルベ冬×骨格ウェーブ:艶を首元に、起毛を胴から下に
ブルベ冬は、はっきりした明暗と、艶のある素材が似合いやすいタイプです。顔の中にもともと強い明暗があるので、艶のある布の強い光に負けません。骨格ウェーブは、体が薄く柔らかい線を持っているので、柔らかく、ふんわりした素材がなじみやすいタイプです。
この組み合わせでは、首元に艶、胴から下に柔らかさを置きます。たとえば、首元に艶のある薄手のハイネックのブラウスを着て、その上から柔らかいモヘアのカーディガンを羽織る。カーディガンの前を開けて、首元のブラウスが見えるようにすると、顔の近くには艶が、胴から下には柔らかさが来ます。
ニットを一枚で着たい日は、首元だけ艶のある素材で切り替えたニットや、ハイゲージで表面にわずかな光沢のあるニットを選びます。表面に光沢がありながら、薄くて柔らかく体に沿うので、ブルベ冬の艶と骨格ウェーブの柔らかさの両方を一枚で満たせます。下は柔らかく落ちるスカートか、起毛した薄手のパンツにすると、胴から下も骨格ウェーブの答えに沿います。
コートなら、首元に艶のあるマフラーやストールを巻き、コート本体は柔らかい起毛のものを選びます。コートの襟が顔のすぐ下に来る形なら、襟だけが艶のある素材で切り替えてあるものを探すのも一つの方法です。
イエベ秋×骨格ストレート:起毛は、毛足の短い平らなものを選ぶ
イエベ秋は、深く温かい色と、マットな素材、起毛した素材が似合いやすいタイプです。強い艶の光は、顔の柔らかい温かさを飛ばしてしまいやすいです。骨格ストレートは、体に厚みがあり、ハリのある平らな素材がなじみやすいタイプです。毛足の長い起毛は、厚みを足してしまいやすいとされます。
この組み合わせは、分けるより、重なる場所を探すほうが早いです。重なる場所は、毛足の短い、平らな起毛です。表面を手のひらでなでて、毛が寝ていて、平らに感じるもの。フランネルや、目の詰まったウールの起毛がこれに当たります。マットで温かい表面はイエベ秋の答えに合い、平らで厚みが出にくい点は骨格ストレートの答えに合います。
どうしても毛足の長いものを着たいときは、首元だけにします。毛足の長いマフラーやスヌードを首に巻き、体は平らなウールのニットやコートで整える。毛足を顔の近くだけに限れば、体の厚みには影響しません。
ボトムスは、骨格ストレートの答えをそのまま使います。ハリのある平らなウールのパンツや、目の詰まったタイトスカートです。色はイエベ秋らしい深い茶色やカーキにすると、首元の起毛とのつながりが自然になります。
ブルベ夏×骨格ナチュラル:ざっくりは胸から下で
ブルベ夏は、柔らかい明るさと、穏やかな艶、薄手の素材が似合いやすいタイプです。強い凹凸や、ざっくりした粗い表面は、顔の柔らかさを乱しやすいです。骨格ナチュラルは、骨がしっかりしていて、ざっくりしたラフな素材や厚手の素材がなじみやすいタイプです。薄く柔らかすぎる素材は、骨の存在感に負けて頼りなく見えやすいとされます。
この組み合わせでは、ざっくりした素材を胸から下に置きます。たとえば、首元は平らに編まれた、柔らかい色の薄手のタートルネック。その上に、ざっくりした太い編みのベストやカーディガンを重ねる。首元は穏やかに、体はしっかりと、という分け方です。
ざっくりしたニットを一枚で着たいときは、首元の編み方を見てください。本体はざっくりしていても、首まわりだけ平らなゴム編みになっているものなら、顔の近くには粗い表面が来ません。
コートなら、ざっくりしたツイードや厚手のウールを本体に選びます。骨格ナチュラルの体には、こうした表面の粗さがよくなじみます。首元には、薄手で柔らかい素材のマフラーを巻き、灰みのある穏やかな色を選ぶと、ブルベ夏の顔映りが保たれます。
イエベ春×骨格ナチュラル:首元に軽い艶、下にラフ
イエベ春は、明るく軽やかな色と、軽い艶のある素材が似合いやすいタイプです。重い素材や、粗い表面は、軽やかさを沈めてしまいやすいです。骨格ナチュラルは、先ほど書いたとおり、ざっくりした素材がなじみやすいタイプです。
この組み合わせでは、首元に軽い艶、胴から下にラフな素材を置きます。軽い艶とは、とろみのある薄手のブラウスや、光沢の控えめなシャツのことです。強い光沢ではなく、少し光を返す程度の艶です。首元にこの艶を置き、その上や下に、ざっくりしたニットや厚手のパンツを組み合わせます。
冬はアウターが重くなりやすいので、コートは厚手でラフな素材でもかまいませんが、首元にだけは軽い艶のあるマフラーやストールを入れてください。
ブルベ冬×骨格ナチュラル
ブルベ冬の艶とハリ、骨格ナチュラルのざっくりしたラフな素材は、表面の性格が正反対です。この組み合わせでは、ラフな素材を羽織りに回すのがいちばん楽です。首元には艶のあるハイネックのカットソーや、ハリのあるシャツを置きます。その上から、ざっくりしたツイードのジャケットや、太い編みのロングカーディガンを羽織ります。羽織りは前を開けて着ることが多いので、顔の近くには艶のある面が残り、体の外側にはラフな面が来ます。
コートなら、厚手のツイードや太い織りのウールのコートを本体に選び、首元には艶のある黒やはっきりした色のマフラーを巻きます。ブルベ冬は色の明暗もはっきりしたほうが映えるので、マフラーは素材の艶と色の強さの両方で、顔の近くを引き締める役になります。
イエベ秋×骨格ウェーブ
イエベ秋のマットと起毛、骨格ウェーブの柔らかい薄手の素材は、表面の性格としては近いものの、厚みで食い違います。イエベ秋らしい深い起毛は厚くなりやすく、骨格ウェーブの薄い体には重く見えることがあるからです。この組み合わせでは、薄手の起毛を首元に置きます。薄手の起毛とは、ブラッシングした薄いウールのタートルネックや、細い糸で編んだアンゴラ混のニットのようなものです。顔の近くにはイエベ秋の温かいマットな表面が来て、体には薄さが残ります。
下は、柔らかく落ちるウールのスカートや、とろみのあるパンツにします。厚い起毛を全身に重ねると、体が重く見えやすいので、起毛は上半身の一枚だけにとどめるのが目安です。
ほかの組み合わせで迷ったとき
骨格ストレート×ブルベ夏のように、パーソナルカラーは柔らかく穏やかな素材、骨格はハリのある平らな素材、という組み合わせもあります。この場合は、ハリはあるけれど艶の控えめな素材が重なる場所です。目の詰まった薄手のウールや、ハイゲージのニットがこれに当たります。表にない組み合わせでも、まず二つの答えが重なる素材を探し、重ならない部分だけを上下で分ける、という順番で考えれば、ほとんどの場合に答えが出ます。
どちらとも取れるとき:コートやワンピースのように上下がつながる服
ここまでの考え方は、トップスとボトムス、インナーとアウターのように、上下を別の服で組むときにはそのまま使えます。困るのは、コートやワンピースのように、上から下まで一つの素材でできている服です。境目をまたいで同じ素材が続くので、上下で分けることができません。
こういう服は、顔の近くに来る面積が広いほうの診断を優先します。
首が詰まっていて、布があごのすぐ下まで来る服は、顔の近くに来る面積が広い服です。タートルネックのニットワンピース、スタンドカラーのコートなどがこれに当たります。この場合は、パーソナルカラーの素材を優先します。骨格の素材は、ベルトの位置や丈で補います。
首元が大きく開いていて、布が鎖骨より下から始まる服は、顔の近くに来る面積が狭い服です。Vネックのワンピース、襟の無い前開きのコートなどがこれに当たります。この場合は、骨格の素材を優先します。パーソナルカラーの素材は、首元に入れるインナーやマフラー、ネックレスで足します。
どちらとも言えない、中くらいの開きの服もあります。クルーネックのワンピース、テーラードの襟のコートなどです。こういう服で迷ったら、その服を着て過ごす時間の多くを、人と向かい合って過ごすかどうかで決めてください。仕事で人と話す時間が長い服なら、顔映りが大事なのでパーソナルカラーを優先します。移動や外出が多く、遠目に全身を見られる時間が長い服なら、体の線が大事なので骨格を優先します。
例を一つ挙げます。ブルベ冬で骨格ウェーブの人が、クルーネックのニットワンピースを選ぶ場合です。ブルベ冬の答えはハリと艶、骨格ウェーブの答えは柔らかさです。仕事で着ることが多いなら、ハイゲージで表面に少し艶のある、薄手のニットワンピースを選びます。艶は顔の近くでブルベ冬の答えを満たし、薄さは骨格ウェーブの体になじみます。休みの日に着ることが多いなら、柔らかいモヘア混のワンピースを選び、首元に艶のあるスカーフを結んで、顔の近くだけをブルベ冬の素材にします。
それでも決まらないときは、外れたときに直しやすいほうを選ぶのが安全です。パーソナルカラーの素材は、インナーやマフラーで後から足しやすい。骨格の素材は、服そのものの落ち方なので、後から直しにくい。ですから、迷ったら服本体は骨格の素材で選び、パーソナルカラーの素材は小物で足す、という順番にしておくと、失敗が小さくて済みます。
境目をまたぐ服の直し方:インナー・マフラー・襟
すでに持っている服が、どちらかの診断に合っていない場合でも、境目の考え方を使えば直せることが多いです。
顔の近くの素材がパーソナルカラーに合っていないときは、インナーで直します。首元に、パーソナルカラーに合う素材のインナーを1枚入れると、顔のすぐ下の面が入れ替わります。艶が合う人は艶のある薄手のインナー、マットが合う人はマットなコットンや起毛した薄手のインナーです。首の付け根から3センチほど見えるだけでも、顔への光の返り方は変わります。
冬の外出では、マフラーがいちばん効きます。マフラーは、顔のすぐ下の面を大きく覆うので、コートの素材に関係なく、顔映りをマフラーの素材で決められます。
襟のある服なら、襟を立てるか寝かせるかでも変えられます。襟を立てると、襟の素材が顔に近づきます。寝かせると、襟の内側の肌や、下のインナーが顔の近くに来ます。
胴から下の素材が骨格に合っていないときは、羽織りで直します。上から骨格に合う素材のカーディガンやベストを重ねると、体の線への沿い方が羽織りの素材で決まります。
冬のコート選びにあてはめる
冬のいちばん大きな買い物であるコートに、この考え方をあてはめてみます。
コートは、外から見える面積の大半を占めるので、本体の素材は骨格で選ぶのが基本です。体の線への沿い方が、全身の印象を大きく左右するからです。骨格ストレートならハリのある平らなウール、骨格ウェーブなら柔らかく軽い素材、骨格ナチュラルならざっくりしたツイードや厚手のウールが、それぞれの出発点になります。
たとえば、イエベ春で骨格ストレートの人なら、本体はハリのある平らなウールのコートで、色はイエベ春らしい明るいベージュやキャメルにします。首元には、軽い艶のある明るい色のストールを巻きます。ブルベ夏で骨格ナチュラルの人なら、本体はざっくりしたツイードや太い織りのコートで、色は灰みのある柔らかい色にします。首元には、薄手で柔らかい素材のマフラーを巻いて、ツイードの粗い表面が顔のすぐ下に来ないようにします。
そのうえで、顔の近くの素材をパーソナルカラーに合わせます。コートの襟が顔の近くまで来る形なら、襟の素材や、襟元に巻くマフラーで調整します。
コートそのものが似合わないと感じる場合の考え方は、コートが似合わないときでも書いています。ボアや起毛の素材を骨格とパーソナルカラーでどう選ぶかは、ボアの選び方やコーデュロイの選び方が参考になります。
売り場での確かめ方
売り場で冬の服を選ぶときは、次の順番で確かめると、二つの診断の両方を満たす服が見つけやすくなります。
まず、服を体に当てる前に、首元から手のひら2枚分の範囲にどんな素材が来るかを見ます。ここがパーソナルカラーに合う素材かどうかを確かめます。合っていなくても、インナーやマフラーで直せる形かどうかも見ておきます。
次に、その下の範囲の素材を見ます。ここは骨格に合う素材かどうかです。手のひらで表面をなでて、ハリがあるか、柔らかいか、ざっくりしているかを確かめます。
最後に、服を着て、鏡から1メートル離れて顔を見ます。顔がくっきり見えるか、柔らかく見えるか。次に、2メートル離れて全身を見ます。体の線がすっきり見えるか。1メートルの距離ではパーソナルカラー、2メートルの距離では骨格の答えが見えます。
二つの距離で見て、両方とも違和感が無ければ、その服は二つの診断の両方を満たしています。1メートルと2メートルの距離は、売り場の通路で十分に取れます。試着室の鏡が近すぎるときは、試着室から出て、通路の鏡で確かめてください。片方だけに違和感があれば、その側を小物で直せるかどうかを考えてから、買うかどうかを決めてください。
通販で選ぶときは、モデルが着ている写真で、首元から手のひら2枚分の範囲にどんな表面が来ているかを見ます。素材の欄も確かめて、ポリエステルのサテンやシルクなら艶、ウールのフランネルや起毛なら起毛、と見当をつけます。体の線への沿い方は、モデルの横向きの写真があれば、布が体から離れているか、沿っているかで分かります。届いたら、1メートルと2メートルの距離で鏡を見る方法で確かめてください。
自分の診断結果に自信がないとき
診断を受けてから時間がたっていたり、自分で診断したりして、結果に自信がないこともあると思います。そういうときは、素材の食い違いが、どちらの結果が怪しいかを教えてくれることがあります。
まず、二つの診断が同じ答えを出している素材から試してください。たとえば、ブルベ夏で骨格ウェーブなら、どちらの診断でも柔らかく薄手の素材が合うと出やすいので、そこが確実な出発点です。
次に、食い違う素材を、この記事の境目の考え方で上下に分けて試します。顔の近くにパーソナルカラーの素材を置いても顔がしっくりこない、あるいは胴から下に骨格の素材を置いても体の線がしっくりこない、と感じる側があれば、その診断の結果が、今の自分とずれている可能性があります。
体型は年齢や生活で少しずつ変わりますし、髪の色や化粧の変化で、パーソナルカラーの印象も変わります。しっくりこない側の診断だけを、受け直すか、別の方法で確かめてみるとよいでしょう。
受け直すまでのあいだは、自信のある側の診断の素材を服本体に使い、自信のない側の素材は小物だけに使う、という分け方にしておくと安全です。小物なら、合っていなかったときにすぐ外せるからです。
よくあるつまずき
素材の食い違いを解こうとして、よく起こるつまずきをいくつか挙げておきます。
一つ目は、どちらか一方の診断を全身に当てはめてしまうことです。パーソナルカラーで艶と言われたから、コートもパンツも艶のある素材にする。そうすると、骨格に合わない体の線が出てしまうことがあります。艶は顔の近くだけで十分です。
二つ目は、両方を混ぜて、どちらでもない素材を選んでしまうことです。艶と起毛のちょうど中間のような、どっちつかずの素材を選ぶと、どちらの診断の良さも出ません。混ぜるのではなく、場所で分けてください。
三つ目は、境目を意識せずにマフラーを選ぶことです。マフラーは顔の近くに来る、パーソナルカラーの範囲の小物です。骨格に合わせてざっくりしたマフラーを選ぶと、顔映りが崩れることがあります。マフラーはパーソナルカラーの素材で選んでください。
四つ目は、素材の話と色の話を一緒に考えてしまうことです。パーソナルカラーの診断では、色と素材の両方について言われることが多いので、どちらがどちらの答えなのかが混ざりやすくなります。この記事で扱っているのは素材だけです。色はパーソナルカラーの答えをそのまま全身に使ってかまいません。素材だけを、顔の近くと胴から下で分けて考えてください。
重ね着全体がごちゃついて見えるときの考え方は、重ね着がごちゃつくときでも書いています。
手持ちで組む順番
最後に、手持ちの服で試す順番をまとめておきます。
- 自分のパーソナルカラーと骨格で、それぞれ似合うとされる素材を書き出します
- 二つが同じ答えを出している素材と、食い違っている素材に分けます
- 自分の手で、あごから手のひら2枚分の境目を測り、だいたい鎖骨のどのあたりかを覚えておきます
- 手持ちのインナーとマフラーの中から、パーソナルカラーの素材に合うものを選びます
- 手持ちのニットやコート、ボトムスの中から、骨格の素材に合うものを選びます
- 首元にパーソナルカラーの素材、その下に骨格の素材が来るように組んで、1メートルと2メートルの距離で鏡を見ます
- しっくりこない側があれば、インナーかマフラー、あるいは羽織りで直します
二つの診断の結果が素材で食い違うのは、どちらかが間違っているからではありません。顔と体という、別の場所を見ているからです。境目を一つ決めておけば、冬の素材選びで迷う時間はぐっと短くなり、二つの診断の良いところを、1つの装いの中で両方生かせるようになります。
よくある問い
- Q. パーソナルカラーと骨格で、似合う素材が反対に出ました。どちらが正しいのですか
- どちらも正しく、見ているものが違うだけです。パーソナルカラーの診断は、顔のそばに布を当てたとき、肌や目にどう光が返るかを見ています。骨格の診断は、体の厚みや骨の出方に、布がどう沿うか、どう落ちるかを見ています。ですから、顔の近くではパーソナルカラーの答え、胴から下では骨格の答えを使えば、二つは食い違いません。境目の目安は、あごから手のひら2枚分です。そこまでの範囲は顔映りの話、そこから下は体の線の話と分けて考えてください。
- Q. ニットワンピースのように、上から下まで同じ素材の服はどうすればいいですか
- 上から下まで一つの素材でできている服は、どちらかの診断を優先するしかありません。目安は、顔の近くに来る面積です。首が詰まっていて顔のすぐ下まで布がある服なら、パーソナルカラーの素材を優先します。首元が大きく開いていて、布が鎖骨より下から始まる服なら、骨格の素材を優先します。優先しなかった側は、インナーやマフラー、ベルトなどの小物で足してください。首元が開いたワンピースなら、骨格に合う素材を選び、首元にパーソナルカラーに合う艶のあるインナーやネックレスを足す、といった具合です。
- Q. 自分の診断結果に自信がありません。素材をどう選べばいいですか
- 診断結果に自信がないときは、両方の診断が同じ答えを出している素材から始めてください。たとえば、ブルベ夏で骨格ウェーブなら、どちらの診断でも柔らかく薄手のものが合うと出やすいので、そこが確実な出発点です。食い違う部分については、この記事の境目の考え方を使って、顔の近くと胴から下に分けて試してみてください。試してしっくりこなかった側が、結果に自信がない側です。そちらの診断だけ、受け直すか、別の方法で確かめるとよいでしょう。
- Q. 骨格ストレートで、起毛の素材が似合わないと言われました。冬のコートはどうすればいいですか
- 骨格ストレートが避けたいとされる起毛は、毛足が長くて体の厚みを足してしまうものです。冬のコートでも、表面を短く整えた起毛や、目の詰まった平らな起毛なら、体の線を拾いすぎず、厚みも出にくくなります。表面を手のひらでなでて、毛が寝ていて平らに感じるものを選んでください。パーソナルカラーがイエベ秋のように起毛が似合う結果なら、この平らな起毛がちょうど両方の答えの重なる場所になります。
— メグラシ編集部





