雨の日にウールコートは着ていいか|降る量と外を歩く分数で分ける

**今朝の予報で、1時間に降る量は何mmでしたか。**そして今日、傘を差して外を歩くのは合計で何分ですか。ウールコートを着て出てよいかは、この2つの掛け算で分かれます。
1時間1mm前後の小雨で、外を歩く合計が15分以内なら、**目の詰まった厚手のウールはそのまま着て出てかまいません。**1時間3mm以上か、外が20分を超える日は、ウールは家に置いて、表が化繊のものかはっ水加工のあるコートに替えます。
ただし同じウールでも、毛足の長い起毛やカシミヤ混は、短い雨でも跡が残ります。この記事では、自分のコートがどちら側かを水1滴で確かめる方法と、どちらとも取れる日の決め方を書きます。濡れたあとの乾かし方は雨に濡れたコートの乾かし方に分けてあります。
結論|降る量と外を歩く分数で、4つに分ける
| 降る量(1時間) | 外が15分以内 | 外が15〜20分 | 外が20分超 |
|---|---|---|---|
| 1mm前後の小雨 | 着て出てよい | 傘と肩の守り方しだい | 替える |
| 2mm前後 | 傘と肩の守り方しだい | 替える | 替える |
| 3mm以上 | 替える | 替える | 替える |
「傘と肩の守り方しだい」の欄に入った日が、いちばん迷う日です。この日の決め方は、後ろの「どちらとも取れる日」の章に書きます。
外を歩く分数は、家から駅、駅から目的地、昼に外へ出る分、帰りの同じ道をすべて足します。行きだけで数えると、帰りに降りが強くなったときに読み違えます。
水を1滴落とせば、自分のコートが雨に強いか分かる
ウールと書いてあっても、雨への強さはコートごとに違います。確かめるには、裏の縫い代や裾の折り返しの内側など、目立たない所に水を1滴落とします。

- 30秒たっても丸い粒のまま乗っている:雨に強い側。小雨の短い移動なら着て出てよい
- 10〜30秒で平たくなり、じわっと広がる:中間。外15分以内の小雨まで
- 10秒以内に吸い込まれて色が濃くなる:雨に弱い側。小雨でも避ける
試したあとは、乾いたタオルで押さえて水を取っておきます。こすらなければ跡は残りません。
目の詰まった厚手のウールは、小雨なら出てよい
メルトンや縮絨と呼ばれる、表面がフェルトのように詰まった厚手の生地は、雨粒が繊維のすきまに入りにくい作りです。小雨で外を歩く時間が短ければ、雨粒は表で止まり、着いてから払えば済みます。
このタイプは、多少濡れても形が崩れにくく、乾いたあとの見た目も戻りやすい生地です。雨の日に1枚だけウールを着るなら、手持ちの中でいちばん目の詰まったものを選んでください。
毛足の長い起毛やカシミヤ混は、短い雨でも避ける
表面に長い毛が立っている起毛の生地や、カシミヤを混ぜた柔らかい生地は、雨に弱い側です。雨粒が当たった所だけ毛が寝て、乾いたあとに丸い跡や筋として残ります。
とくに、毛の流れが一方向にそろっている生地は、傘からの水が伝った筋がそのまま光って見えます。外が5分でも、降っている日はこのタイプを避けてください。どうしても着たい日は、行き先が屋根続きで、駅から建物まで濡れずに入れる日に限ります。
薄手のウール混は、濡れより重さと形に出る
ウールに化繊を混ぜた薄手のコートは、水をはじく力は中間ですが、濡れたときに困るのは見た目より重さと形です。薄い生地は水を吸うと重くなり、肩の縫い目から下へ引っ張られます。
このタイプで外20分を超えると、着いたときに肩の線が下がり、裾が脚にまとわりつきます。小雨で外15分以内なら問題ありません。それを超える日は、ほかのコートと同じく替える側に回します。
濡れるのは、肩・背中の上・バッグ側の脇・裾の4か所
傘を差していても、ウールコートが濡れる場所はほぼ決まっています。肩の外側、背中の上のほう、バッグを持つ側の脇、そして裾です。

肩と背中の上は、傘の骨の先から落ちる水と、前から吹き込む雨が当たる場所です。バッグ側の脇は、バッグを傘の外に出したときに、バッグを伝った水が染みてきます。裾は、地面からのはねを拾います。
この4か所のうち、自分がどこを濡らしやすいかを知っておくと、守り方が決まります。肩が濡れやすい人は傘を大きく、脇が濡れやすい人はバッグを前に抱えて傘の内側に入れます。
傘の大きさで、肩が濡れる幅が変わる
ウールコートで出る日は、傘の大きさが効きます。骨の長さが60cm前後の長傘なら、肩幅の広いコートでも両肩が傘の内側に収まります。骨の短い折りたたみ傘だと、肩の外側が傘からはみ出します。
コートの肩は、中に着るものがかさばるぶん、普段の服より左右に広がっています。折りたたみ傘しか持てない日は、それだけで「着て出てよい」側から1段下げて考えてください。折りたたみ傘の大きさの選び方は折りたたみ傘の選び方の記事も参考になります。
自転車やバス待ちのある日は、分数の数え方を変える
表の「外を歩く分数」は、傘を差して歩いている時間を前提にしています。同じ分数でも、自転車に乗る日と、屋根のない停留所でバスを待つ日は、数え方を変えてください。
自転車は、傘が差せないうえに、前から雨を受けて走ります。肩と胸、太ももの前が、歩くときの何倍も濡れます。自転車に乗る分数は2倍にして表に当てはめてください。10分乗るなら20分として数えるので、小雨でもウールは替える側に入ります。
屋根のない停留所での待ち時間は、歩くより濡れ方はゆるやかですが、同じ場所に雨が当たり続けます。肩の外側と傘の縁から落ちる水が当たる所が、決まった場所だけ濡れていきます。待つ分数は、そのまま歩く分数に足してください。
明るい色と濃い色で、残る跡の見え方が違う
同じ生地でも、コートの色によって、雨のあとに目立つ跡の種類が変わります。
キャメルやベージュ、明るいグレーのような明るい色は、水が染みた所の縁が輪になって残りやすい色です。乾いたあとも、輪の内側と外側で色の濃さが少しずれて見えます。明るい色のウールで出るなら、表で「着て出てよい」の欄に入る日だけにしてください。
黒や濃紺、濃いグレーは、水の輪は目立ちません。そのかわり、濡れた所の毛が寝て、光の当たり方で筋のように光って見えます。濃い色は「傘と肩の守り方しだい」の欄まで出てよい側ですが、乾いたあとにブラシで毛の向きを戻す手間は残ります。
迷ったら、手持ちのウールのうち、色が濃くて目の詰まったものから選んでください。この2つがそろうと、雨のあとの跡がいちばん残りにくくなります。
丈で分ける|膝下のロングは裾がはねを拾う
同じウールでも、丈によって濡れ方が変わります。腰や太ももまでの丈は、裾が地面から遠いので、はねはほとんど届きません。膝下まで届くロング丈は、歩くたびに裾がはねを拾います。
ロング丈のウールで出る日は、歩幅を少し小さくすると、はねの量が減ります。足元は、甲の深い靴にして、はね上がりを抑えてください。裾が濡れる高さとボトムスの合わせ方は雨の日のパンツの裾の高さにも書いています。
ウールを避ける日に着る上着
替える側に入った日は、表が化繊の上着か、はっ水加工のあるコートに替えます。形として雨の日に向いているのは、トレンチコートやステンカラーコートのように、表が平らで目の詰まった生地のものです。
寒さが心配なら、上着を雨に強いものに替え、中のニットを1枚厚くしてください。外側だけを守れば、ウールの暖かさは中の1枚で補えます。雨の日のニットの選び方は雨の日のニット、冬のレインコートの重ね方はレインコートの選び方 冬にまとめてあります。
どちらとも取れる日|予報が帰りの時間に雨を出している
いちばん迷うのは、朝は曇りか小雨で、帰りの時間に雨が強まる予報の日です。表の「傘と肩の守り方しだい」の欄に入る日もここに含まれます。
この日は、3つを順に確かめてください。
- **職場や行き先に、コートを掛ける場所があるか。**ハンガーに掛けて室温で乾かせるなら、行きに少し濡れても帰りまでに戻ります。椅子の背に掛けるしかないなら、肩の形が崩れるので、替える側に倒します
- **帰りに、屋根続きの道を選べるか。**駅まで地下や屋根のある道を通れるなら、帰りの雨が強くても外の分数が減ります
- **折りたたみ傘ではなく長傘を持てるか。**長傘を持てるなら1段上げて、着て出てよい側に寄せます
3つのうち2つ以上が「はい」なら、目の詰まった厚手のウールで出てかまいません。1つ以下なら、雨に強い上着に替えたほうが、帰りに慌てずに済みます。
毛足の長い起毛やカシミヤ混は、この3つがすべて「はい」でも替える側です。帰りの予報が外れて強く降ったとき、跡が残るのを止める手段がないからです。
傘を閉じたあと、電車の中で濡れる所
外で濡れなかったのに、着いたら裾の横だけ湿っている。これは、閉じた傘がコートに触れていたときに起きます。満員の電車やエレベーターで、濡れた長傘を体の横に立てて持つと、傘の布がちょうど膝の横からふくらはぎの所に当たり続けます。
ウールで出る日は、傘を閉じたら1度軽く振って水を落とし、留め具を巻いてから、体の前ではなく足の外側に離して持ってください。折りたたみ傘なら、閉じてすぐ袋に入れます。袋に入れた傘をコートのポケットに入れると、袋の外側についた水が内側へ染みるので、バッグの外ポケットか手に持つほうにします。
みぞれや雪まじりの日は、雨より1段厳しく見る
冬の雨は、途中でみぞれや雪まじりに変わることがあります。みぞれは粒が重く、肩に当たってから溶けて染みるので、同じ量の雨より生地の奥まで水が入ります。
予報にみぞれや雪の文字がある日は、表の判断を1段厳しく見てください。外15分以内の小雨でも、「傘と肩の守り方しだい」の欄として扱います。
着いてから最初の5分にすること
ウールコートで出て濡れてしまったら、着いてすぐの5分で差が出ます。脱いだら、まず肩と背中の上の水滴を、乾いたハンカチかタオルで押さえて取ります。こすると毛が寝て跡になるので、押さえるだけにしてください。
次に、ハンガーに掛けて、ほかの上着と離して吊るします。ぎゅうぎゅうのロッカーに押し込むと、濡れた所に折り目がついたまま乾きます。暖房の吹き出し口の前は避け、室温で乾かしてください。帰ってからの手入れは雨に濡れたコートの乾かし方の記事で続きを書いています。
まとめ
雨の日にウールコートで出てよいかは、1時間に降る量と、外を歩く分数の合計で決めます。
- 1時間1mm前後の小雨で外15分以内なら、目の詰まった厚手のウールで出てよい
- 1時間3mm以上か外20分超なら、表が化繊かはっ水のある上着に替える
- 毛足の長い起毛やカシミヤ混は、短い雨でも替える側
- 迷う日は、掛ける場所・屋根続きの道・長傘の3つで決める
自分のコートがどちら側かは、裏の縫い代に水を1滴落として、30秒丸いまま残るかで確かめてください。
よくある問い
- Q. ウールコートは雨に濡れたらだめになりますか
- 小雨で表面が少し湿る程度なら、だめにはなりません。ウールの繊維は表面に水をはじく性質があり、目の詰まった厚手の生地なら、短い時間なら雨粒は表で止まります。困るのは、中まで染みた状態でこすったり、濡れたまま暖房の前で乾かしたりしたときです。毛が寝て筋になったり、縮んで形が崩れたりします。濡れたら、こすらずに乾いたタオルで押さえて水を取り、肩幅の合う太いハンガーで室温のまま乾かしてください。
- Q. カシミヤのコートで雨の日に出かけてしまいました。どうすればいいですか
- 着いたらまず、水滴をタオルで押さえて取ってください。こすると毛が寝て、その部分だけ光って見える筋が残ります。押さえたあとは、毛の流れに沿って、柔らかいブラシか手のひらで軽くなでて毛の向きをそろえます。乾いてから毛が寝たままの所があれば、少し離した位置から蒸気を当てて、毛が起きるのを待ちます。直接アイロンを当てるのは避けてください。
- Q. 雨の日の通勤で、コートはどれを着るのがいいですか
- 外を歩く合計の分数で決めてください。駅まで10分、駅から職場まで5分のように、合計が15分以内で小雨なら、目の詰まった厚手のウールで出てよい日です。合計が20分を超える日や、1時間3mm以上の予報の日は、表が化繊の上着か、はっ水加工のあるコートに替えます。寒さが心配なら、中のニットを1枚厚くして、外側だけ雨に強いものにするほうが、ウールを守りながら暖かく過ごせます。
— メグラシ編集部





