雨の日の服装 寒い日|冷える分は、外を歩く分数と中の素材で足す

**予報の気温から3度引いた日の服で、家を出てください。**外を歩く時間が合計15分を超える日と、傘が風で何度も傾く日は、5度引きます。
雨の日は、同じ気温でも晴れの日より寒く感じます。冷たさの元は気温そのものではなく、服が湿ることと、風が体の熱を持っていくことです。だから枚数を足すだけでは追いつきません。どこが濡れて、どこが冷えるかを分けて、それぞれに合った1枚を置くと、同じ枚数でも寒さが変わります。
この記事では、引く度数の決め方から、内側・真ん中・外側の3枚をどう選ぶか、迷ったときにどちらに寄せるかまでを順に書きます。雨具そのものの選び方はレインコートの選び方 冬に、雨の日に避けたい素材は雨の日に着ない方がいい服にまとめています。ここでは、寒さの側から服を組みます。
結論:冷たい雨の日は「引く度数」を先に決めてから服を選ぶ
朝、天気予報を見て服を選ぶとき、多くの人は表示された気温だけを見ます。晴れの日はそれで足ります。雨の日は、そこから何度か引いた数字で服を選ぶ必要があります。
引く度数は、次の2つでほぼ決まります。
- 外を歩く時間の合計(家から駅、駅から職場、昼に外へ出るなら、それも足す)
- 風の強さ(傘が何度も傾くか、まっすぐさしていられるか)
| 外を歩く合計 | 風が弱い日 | 傘が傾く日 |
|---|---|---|
| 10分未満 | 2度引く | 3度引く |
| 10〜15分 | 3度引く | 4度引く |
| 15分を超える | 4度引く | 5度引く |
表は目安です。たとえば予報が14度で、駅まで歩いて12分、風は弱い日なら、11度の日の服を選びます。同じ14度でも、歩く時間が20分で傘が傾く日なら、9度の日の服になります。
引いた数字が出たら、その気温で晴れの日に着ている服を思い出してください。それが今日の土台です。そこから先は、濡れる場所と冷える場所に合わせて、中身を入れ替えていきます。
3人の朝で考えてみる
数字だけだとつかみにくいので、同じ予報の朝を3通りで考えてみます。予報は最高気温が15度、朝の気温が11度、一日雨という日です。
1人目は、家から駅まで5分、駅から職場まで3分の人です。外を歩くのは合計8分で、風は弱い予報です。引くのは2度なので、朝の11度から引いて9度の日の服を選びます。晴れの日なら薄手のコートで出られる気温ですが、この日は首まで閉じるコートに替えると、帰り道まで寒さを感じにくくなります。
2人目は、駅まで12分歩き、乗り換えで地上を5分歩く人です。合計17分で、風は弱い予報です。引くのは4度なので、7度の日の服になります。肌に触れる1枚をウール混に替え、外側は撥水の1枚にして、首元をマフラーで埋めます。
3人目は、歩くのは10分ほどですが、海や川の近くで風の強い道を通る人です。傘が何度も傾くので、10〜15分の欄の「傘が傾く日」で4度引き、7度の日の服を選びます。歩く時間は1人目とそれほど変わらなくても、風があるだけで選ぶ服は2人目と同じになります。
同じ予報でも、3人の服はこれだけ違います。天気予報の数字をそのまま信じず、自分の道のりで引き直すのが、寒い雨の日に失敗しないいちばんの近道です。
冷える理由は3つ|濡れる・風に当たる・湿ったまま乾かない
雨の日に体が冷えるのは、3つのことが同時に起きるからです。
ひとつ目は、服の表面が濡れることです。傘をさしていても、肩の端、袖口、裾、背中の下のほうは濡れます。濡れた生地は、乾こうとするときに熱を持っていきます。外側の1枚が濡れたまま歩くと、その内側までじわじわと冷たくなります。
ふたつ目は、風です。雨の日は風を伴うことが多く、傘の外に出ている体の部分に、湿った風が当たります。首元、手首、足首のように、肌が出ている場所や服のすき間から、温まった空気が逃げていきます。
みっつ目は、内側の湿気が抜けないことです。雨の日は外の空気が湿っているので、歩いてかいた汗や、体から出る湿気が服の中にこもりやすくなります。肌に触れる1枚がそれを吸って湿ったままだと、立ち止まった瞬間から冷えはじめます。駅のホームで電車を待っているときに急に寒くなるのは、このためです。
この3つは、それぞれ止める場所が違います。濡れと風は外側の1枚で止め、湿気は内側の1枚で逃がします。真ん中の1枚は、そのあいだで空気をためる役です。
内側の1枚|肌に触れる服から、綿を外す
いちばん効くのに、いちばん見落とされるのが、肌に触れる1枚です。
綿は肌ざわりがよく、普段の肌着として向いています。ただ、湿気を吸ったまま乾きにくいので、寒い雨の日には不利になります。駅まで歩いて少し汗ばみ、電車の中で暖まり、降りてまた冷たい雨の中を歩く。この繰り返しのあいだ、綿の肌着はずっと湿った状態で肌に張りついています。
替える先は2つです。
- ウールが混ざった薄手の肌着:湿気を吸っても冷たく感じにくく、においもこもりにくい。チクチクが気になる人は、肌に触れる面が細い糸のものを選ぶ
- 化繊の肌着:湿気を吸ってすぐ外へ逃がす。乾くのが速いので、汗をかきやすい人や、電車の中が暑い路線を使う人に向く
選び方の境目は、着いた先で汗をかくかどうかです。満員の電車に20分以上乗る、着いてすぐ階段をのぼる、という日は化繊のほうが合います。歩く時間が長く、着いた先では座っていることが多い日は、ウールの混ざったほうが冷えにくく感じます。
肌着を替えるだけで、上に着る服はそのままでも、帰り道の寒さが変わります。足す前に、まずここを見てください。
袖の長さと首の開きも見る
肌着は素材だけでなく、形でも暖かさが変わります。袖が半袖なら、腕を上げて傘を持ったときに、ひじから先の内側が真ん中の1枚に直接触れます。真ん中がニットなら問題は少ないですが、薄いシャツやブラウスだと、その部分だけ冷えを感じやすくなります。引いた度数が4度を超える日は、八分袖か長袖の肌着にすると、腕の冷えが減ります。
首の開きは、真ん中に着る服の首の開きより、少しだけ狭いものを選びます。肌着の首が広すぎると、首元から入った冷たい空気が胸のあたりまで下りてきます。逆に、真ん中の服より肌着の首が詰まりすぎていると、首元から肌着がのぞいて見た目が気になる人もいます。真ん中の服を着て鏡を見たときに、肌着が見えずに首の付け根を覆えている高さが、いちばん使いやすい形です。
薄い肌着を2枚にするか、厚い1枚にするか
とても冷える日は、肌着を2枚重ねる人もいます。薄いものを2枚重ねると、あいだに空気の層ができるので暖かく感じます。ただし、2枚とも綿だと湿気が抜けにくくなり、かえって冷えます。重ねるなら、肌に触れる1枚目を化繊かウール混にして、2枚目は好きな素材にしてください。1枚目さえ湿らなければ、2枚目が綿でも冷えにくくなります。
真ん中の1枚|厚さは、指でつまんで決める
真ん中に着るのは、ニット、スウェット、薄手のフリース、カーディガンなどです。ここは空気をためる場所なので、厚さよりも、中にどれだけ空気を含んでいるかで選びます。
測り方は簡単です。生地を親指と人さし指でつまんで、軽く押してみてください。
- 押すとふわっと沈んで、指を離すとゆっくり戻る:空気をためる生地。真ん中に向く
- 押しても沈まず、硬くて平たい:空気が少ない生地。厚くても、思ったほど暖かくない
- 指のあいだから向こうが透けて見える:薄すぎる。引いた度数が3度以上なら、もう1枚足すか、厚いものに替える
もうひとつ見てほしいのが、着いた先で脱げるかどうかです。真ん中の1枚は、職場や店の中でも着たままになることが多い服です。ここを厚くしすぎると、暖房の効いた室内で汗をかき、その汗が帰り道で冷えます。
寒い雨の日ほど、真ん中は「室内で着ていて暑くない厚さ」にとどめて、足りない分は外側で補う。そのほうが、行きも帰りも冷えにくくなります。
素材ごとの向き不向き
真ん中に着る服を、素材で分けて見てみます。
ウールのニットは、雨の日の真ん中にいちばん向いています。湿気を含んでも冷たく感じにくく、空気をためる力もあります。編み目が詰まったものは風を通しにくく、ざっくりした編み目のものはふくらみがあって暖かい代わりに、外側の1枚で風を止める必要があります。
アクリルや化繊のニットは、軽くて乾きやすいのが長所です。ウールほどの暖かさはありませんが、濡れたときに乾くのが速いので、外側が薄い日や、着いた先で真ん中まで湿ってしまいそうな日に向きます。
綿のニットやスウェットは、普段は着心地がよいのですが、寒い雨の日の真ん中には少し不利です。肌着と同じで、湿気を吸ったまま乾きにくいからです。どうしても着たい日は、肌に触れる1枚を化繊にして、真ん中まで湿気が届かないようにしてください。
フリースは、軽くて暖かく、濡れても乾きが速い素材です。ただ、風を通しやすいので、外側に風を止める1枚が必要です。見た目がカジュアルに寄るので、職場に着ていく日は、カーディガンの形のものを選ぶと使いやすくなります。
起毛した生地のシャツやワンピースは、表面の毛のあいだに空気をためるので、見た目より暖かく感じます。薄手でも暖かいので、室内で暑くなりにくい真ん中として重宝します。
外側の1枚|濡れと風を止める場所は、肩と襟元と袖口
外側の1枚は、濡れと風を止める役です。ここで見るのは3か所です。
表地が水をはじくか
撥水かどうかは、表地に水を1滴たらしてみるとわかります。玉になって転がれば、雨の日の外側に向きます。すぐ染みこんで色が濃くなるなら、その1枚は濡れるたびに冷たくなります。ウールのコートは、濡れても冷たさを感じにくい素材ですが、水を吸うと重くなります。歩く時間が長い日は、撥水した1枚のほうが楽です。
襟元が閉じられるか
首元は、風がいちばん入りやすい場所です。前を閉めたときに、首の付け根まで生地が届くかを見てください。襟を立てられるコート、首まで閉まるファスナーのブルゾン、フードの付いた1枚は、首から逃げる熱を止めます。開いた襟のコートなら、マフラーやストールで埋めます。マフラーが濡れたときの扱いは雨の日のマフラーと手袋に詳しく書いています。
袖口がしぼれるか
傘を持つ手は、腕を上げた姿勢になります。袖口が広いと、そこから雨と風が入って、腕の内側まで冷えます。袖口にベルトやボタンがある1枚、ニットのリブが中に付いた1枚は、手首を閉じられます。閉じられない場合は、真ん中のニットの袖を手首まで下ろして、外側の袖口の内側に入れておくと、すき間が埋まります。
丈は、傘の影から出る長さで決める
外側の丈は、傘をさしたときに、傘の影からどれだけ体が出るかで考えます。一般的な大きさの傘を普通にさすと、ひざから下は傘の外に出ます。風があると、腰のあたりから下が濡れはじめます。
- 腰丈のブルゾンやジャケット:お尻から下が濡れる。歩く時間が短い日、パンツの日に向く
- ひざ上の丈のコート:太ももの上のほうまで覆える。いちばん合わせやすく、スカートの日も使える
- ひざ下の丈のコート:脚の大半を覆えるが、裾が濡れやすく、濡れた裾が脚に当たって冷たく感じることがある
寒い雨の日に迷ったら、ひざ上の丈を選んでください。脚を覆う範囲と、裾が濡れにくいことの釣り合いがいちばんとれる長さです。
フードは、帽子の代わりになるか
フード付きの外側は、頭と首を一度に覆えます。傘が風で傾いたとき、頭が濡れると体全体が冷えたように感じるので、フードがあると安心です。ただし、フードをかぶると横が見えにくくなるので、自転車や車の多い道を歩くときは、かぶらずに首の後ろの風よけとして使うだけでも役に立ちます。
下半身|裾から上がる冷えは、足首の3cmで止める
雨の日の寒さは、上半身より先に足元から来ることが多いです。裾が濡れ、靴の中が湿り、足首のすき間から冷たい空気が上がってきます。
止める場所は、足首の骨の上、3cmほどの帯です。ここに肌が出ているか、生地が重なっているかで、体全体の冷え方が変わります。
- パンツの裾とくるぶしのあいだに肌が見えるなら、靴下を長めのものに替えるか、タイツを中に履く
- スカートの日は、厚手のタイツか、タイツの上に短い靴下を重ねる
- 裾が地面から5cm以内まで下がるパンツは、はねで濡れて、その濡れが脚を冷やす。丈の目安は雨の日のパンツを見てください
靴は、甲が覆われて底が厚めのものにします。薄い底の靴は、濡れた地面の冷たさがそのまま足裏に伝わります。レインブーツを履く日は、中に履く靴下で冷えが変わるので、レインブーツが寒いも参考にしてください。
タイツの厚さは、引いたあとの気温で決める
スカートやワンピースの日は、タイツの厚さで脚の冷え方が変わります。目安は、引いたあとの気温です。12度前後なら、肌がうっすら透ける厚さで足ります。9度前後なら、肌が透けない厚さに替えます。6度以下なら、裏起毛のタイツか、タイツの上にひざ下までの靴下を重ねてください。
パンツの日も、中に薄いタイツを履くと、裾から入る風を止められます。パンツの生地が薄い日や、裾幅の広いパンツの日は、脚のまわりに空気が入りやすいので、特に効きます。
スカートかパンツか、寒い雨の日に迷ったら
寒さだけで比べると、脚を布で覆えるパンツのほうが有利です。ただ、裾が長いパンツは濡れやすく、濡れた裾が脚に張りつくと、かえって冷たく感じます。スカートは裾が濡れにくい代わりに、脚が風にさらされます。
迷ったら、外を歩く時間で決めてください。15分を超える日は、くるぶしの上で止まる丈のパンツに、長めの靴下を合わせます。10分未満の日は、ひざ下の丈のスカートに厚めのタイツでも、寒さは感じにくくなります。
枚数の決め方|引いたあとの気温で、3枚の中身を入れ替える
引いた度数を出したあと、3枚の中身をどう組むかの目安です。
| 引いたあとの気温 | 内側 | 真ん中 | 外側 |
|---|---|---|---|
| 15度前後 | 化繊の薄い肌着 | 薄手のカットソーかシャツ | 撥水の薄手のコート |
| 12度前後 | ウール混の肌着 | 薄手のニット | 撥水コートかトレンチ |
| 9度前後 | ウール混の肌着 | ふくらみのあるニット | 首まで閉じるコート+マフラー |
| 6度以下 | ウール混の厚手の肌着 | ニット+薄いベスト | ダウンの上に撥水の1枚、または撥水ダウン |
この表で答えを決めきらないでください。見てほしいのは、気温が下がるほど、まず内側と外側が変わり、真ん中はあとから足すという順番です。寒いからといって、真ん中のニットをいきなり厚くすると、室内で脱げなくなります。
どちらとも取れるとき① 行きは降っていて、帰りは止む予報
朝は雨、夕方から曇り、という予報の日は、行きと帰りで寒さの質が変わります。
行きは濡れと風で冷え、帰りは雨が止んでも気温が下がって冷えます。どちらに合わせるか迷ったら、帰りの時間の気温を見てください。
- 帰りの時間の気温が、朝より3度以上低い:帰りに合わせて組む。行きは外側の撥水で濡れを止め、帰りは同じ外側で寒さを止める
- 朝とほとんど変わらない:行きに合わせて組む。帰りは傘が要らないぶん、手がふさがらず、袖口や首元を閉じやすい
止んだあとの夜道は、地面が濡れていて足元から冷えます。靴と靴下は、行きの雨に合わせたまま帰ることになるので、足元だけは帰りの寒さまで見越しておくと楽です。
逆に、朝は曇りで、帰りの時間から降り出す予報の日もあります。この場合は、行きは引く度数を小さく、帰りは大きく見ます。出かけるときに暖かすぎると、昼のあいだ外側を持ち歩くことになりますが、帰りに寒いよりはずっと楽です。外側を手に持って歩くのが面倒なら、薄手の撥水の1枚を小さくたたんでかばんに入れ、帰りに真ん中の上から重ねる、という組み方もできます。
降り出しの時間が読めない日は、予報の降水確率より、降り出したときに自分がどこにいるかで考えてください。屋根のある駅から屋根のある職場まで、ほとんど外を歩かない人は、降り出しが読めなくても大きく困りません。駅から10分以上歩く人は、降るかもしれない側に合わせて組んでおく方が、帰り道の寒さを避けられます。
どちらとも取れるとき② 着いた先が、暖房の強い室内
職場、学校、病院、商業施設のように、着いた先が暖かい場所だと、厚く着るほど室内で困ります。
ここで決めるのは、脱ぐのは外側の1枚だけ、ということです。
- 真ん中は、室内で一日着ていても暑くない厚さにする
- 外側に、寒さの調整をすべて持たせる。寒い日は厚い外側、そうでもない日は薄い外側
- 外側を脱いだときに濡れているなら、椅子の背にかけずにハンガーで吊るす。吊るせないなら、たたんで袋に入れ、内側の生地に濡れが移らないようにする
どうしても真ん中を厚くしたい日は、前が開くカーディガンにします。かぶりのニットより、室内での温度調整がしやすくなります。
どちらとも取れるとき③ 荷物が多くて、傘で片手がふさがる
傘を持つと片手がふさがり、もう片方に荷物を持つと、両手とも服の調整ができなくなります。この状態で寒さを感じても、マフラーを巻き直したり、袖口を直したりはできません。
こういう日は、家を出る前に閉じられるところを全部閉じておくと決めてください。
- 首元は、マフラーを巻くより、首まで閉じるファスナーの1枚かタートルネックで閉じる
- 袖口は、外側の袖口ベルトを締めるか、手袋で覆う
- 荷物は、肩にかけるか背負える形にして、片手を空ける
両手が使えない日に向くのは、途中で直さなくても崩れない組み方です。巻き物やボタンの多い服より、ファスナーとリブで閉じる服のほうが、寒い雨の日には扱いやすくなります。
どちらとも取れるとき④ 寒がりで、表の度数を引いてもまだ寒い
表の目安どおりに引いても寒い、という人もいます。体の感じ方には差があるので、表の数字にこだわらず、自分の感じ方で引く度数を足してください。
足し方は、1度ずつです。いきなり3度足すと、今度は室内で暑くなります。
- 前回の雨の日に「少し寒かった」なら、次は1度多く引く
- 「かなり寒かった」なら2度多く引き、内側の1枚をウール混に替える
- 「手足だけが冷えた」なら、度数は変えずに、手首と足首の3cmを閉じる
寒さの感じ方は、体のどこが冷えたかで直し方が変わります。全身が寒かったのか、手足だけだったのか、背中だったのか。雨の日の帰り道に、それを覚えておくと、次の雨の日の服が決まりやすくなります。
濡れてしまったときの順番|外して、拭いて、閉じ直す
着いた先で服が濡れていたら、次の順番で手当てします。
- 外側の1枚を脱ぐ:濡れた外側を着たままだと、内側まで冷たさが移る。脱いだら、内側の生地に触れないように吊るす
- 首と手首を拭く:肌に残った水分を、ハンカチかタオルで押さえて取る。こすらずに押さえる
- 真ん中の1枚を確かめる:肩や袖口が湿っていたら、そこだけ乾いた布で押さえる。全体が湿っているなら、カーディガンなど替えの1枚があれば着替える
- 足元を替える:靴下が湿っていたら、替えの靴下に履き替える。替えがないなら、靴を脱げる場所で足を乾かす時間をとる
濡れた服を無理に乾かそうとして暖房の吹き出し口に近づけると、生地が縮んだり、形が崩れたりします。吊るして空気に当てるだけにしてください。
帰り道は、行きより1枚多く感じる
着いた先で外側が乾ききらないまま帰る日は、行きより寒く感じます。外側が湿っているうえに、夕方は気温も下がっているからです。帰る前に、外側の内側の生地を手で触ってみてください。湿っているなら、真ん中のカーディガンを着たまま外側を重ねるか、首元をマフラーで多めに覆ってから外に出ます。
職場や学校に置いておける人は、薄手のカーディガンかストールを1枚置いておくと、寒い雨の日の帰り道に役立ちます。行きに濡れて冷えた日でも、帰りに1枚足せると、家に着くまでの寒さがずいぶん変わります。
行き先で変わる組み方|職場・学校・休日の外出
同じ寒い雨の日でも、行き先によって組み方の重心が変わります。
職場に行く日は、着いてから脱ぐ外側が濡れていても困らないように、真ん中の1枚だけで見た目が整う服にします。カーディガンを羽織った姿や、ニット1枚の姿で一日過ごせるかを、家を出る前に鏡で確かめてください。外側を脱いだときに、肌着が透けたり、しわが目立ったりしないかも見ておきます。
学校や習いごとの送り迎えの日は、外で待つ時間が長くなりがちです。歩く時間が短くても、立って待つ時間は風と雨にさらされるので、待つ時間も外を歩く時間に足して、引く度数を決めてください。
休日に買い物や食事に出る日は、店の中と外を何度も行き来します。外側は脱ぎ着しやすい前開きのものにして、真ん中は店の中で着ていて暑くない厚さにとどめます。荷物が増える日は、傘と荷物で両手がふさがるので、首元と袖口は家を出る前に閉じておきます。
旅行や遠出の日は、着いた先の気温と天気が読みにくいので、外側を撥水の薄手の1枚にして、寒さは真ん中の重ね方で調整します。替えの靴下と、薄いカーディガンを1枚かばんに入れておくと、雨で冷えたときに立て直せます。
年代や暮らし方で変わること
寒さへの備え方は、毎日の動き方で変わります。
- 車や送迎が中心の人:外を歩く時間は短いが、乗り降りで何度も濡れる。外側は脱ぎ着しやすい丈の短い1枚にして、真ん中を少し厚めにする
- 歩く時間が長い通勤の人:外側の撥水と、肌に触れる1枚の素材を最優先にする
- 冷えを感じやすい人:首・手首・足首の3か所を、まず閉じる。枚数を足すより、すき間を埋めるほうが効く
- 子どもと一緒に出かける人:自分の服を直す余裕がないことが多いので、家を出る前に全部閉じておく
どの暮らし方でも、変わらないのは「濡れる外側」と「冷える内側」を分けて考えることです。どちらか一方だけを厚くしても、寒さは止まりません。
秋の雨と、冬の立ち上がりの雨は違う
同じ冷たい雨でも、秋の半ばの雨と、冬に入りかけの雨では、寒さの質が違います。
秋の半ばの雨は、気温そのものはまだ高めで、湿気が多いのが特徴です。歩くと汗ばみ、立ち止まると冷える、という行き来が激しくなります。この時期は、肌に触れる1枚を化繊にして湿気を逃がすことを優先し、真ん中は薄めにします。外側は撥水の薄手のコートで足りることが多いです。
冬の立ち上がりの雨は、気温が低く、風も冷たくなります。汗をかくことは減るので、肌に触れる1枚はウール混にして、冷えを止めることを優先します。真ん中にふくらみのあるニットを入れ、外側は首まで閉じられる1枚にします。手袋とマフラーも、この時期から出しておくと安心です。
季節の切り替わりの時期は、朝と夕方の気温差が大きくなります。朝の気温で組むと昼に暑く、昼の気温で組むと夕方に寒くなります。迷ったら、一日のうちでいちばん長く外にいる時間帯の気温で組んでください。通勤や通学なら、朝と夕方のうち寒い方です。
手持ちの服で足りないときの考え方
ここまで読んで、撥水の外側やウール混の肌着を持っていない、という人もいるはずです。その場合は、新しく買う前に、手持ちの服で次の順に置き換えてみてください。
まず、肌に触れる1枚は、運動用の化繊のシャツで代わりになります。体にぴったり沿う形なら、真ん中の服の下に着ても目立ちません。次に、外側に撥水の1枚がなければ、目の詰まったウールのコートを選びます。濡れると重くなりますが、冷たさは感じにくい素材です。最後に、首と手首と足首のすき間を、マフラー、手袋、長めの靴下で埋めます。
買い足すなら、順番は肌着、外側、真ん中です。肌着はいちばん安く手に入り、いちばん効きます。外側は長く使えるので、寒い雨の日に何度か困ってから選んでも遅くありません。
家を出る前の確認|玄関で見る3か所
最後に、玄関で靴を履く前に、次の3か所だけ見てください。
- 首元:前を閉めたとき、首の付け根まで生地が届いているか。届かないなら、マフラーかタートルネックで埋める
- 手首:腕を上げて傘を持つ姿勢をとったとき、袖口から手首の肌が見えるか。見えるなら、中のニットの袖を下ろすか、手袋をする
- 足首:一歩踏み出して、裾とくるぶしのあいだに肌が見えるか。見えるなら、靴下を替える
この3か所が閉じていれば、引いた度数どおりの服で、寒い雨の日も過ごしやすくなります。
関連記事
よくある問い
- Q. 雨の日は何度くらい寒く感じますか
- 目安として、予報の気温から3度引いてください。外を歩く時間が合計で15分を超える日、または傘が風で何度も傾く日は5度引きます。晴れの日の15度の服で出ると、冷たい雨の日には11度前後の服が必要だった、という感じ方になる人が多いです。
- Q. 寒い雨の日に、肌着は何を着ればいいですか
- 肌に直接触れる1枚から綿を外すのが先です。綿は汗や湿気を吸ったまま乾きにくく、濡れた状態で体温を奪います。ウールが混ざった薄手の肌着か、化繊の肌着に替えると、同じ上着のままでも冷え方が変わります。
- Q. ダウンを雨の日に着ても大丈夫ですか
- 表地が撥水していて、歩くのが10分前後までなら大きな問題は出にくいです。中綿が濡れるとふくらみが戻るまで時間がかかるので、長く歩く日や横殴りの雨の日は、ダウンを真ん中にしてその上に撥水の1枚を重ねる方が安心です。
- Q. 厚着をすると、電車や職場で暑くなってしまいます
- 脱ぐのは外側の1枚だけ、と決めて組んでください。真ん中の1枚を厚くすると、着いた先で脱げずに汗をかき、帰り道でその汗が冷えます。真ん中は薄くして空気をためる素材にし、外側で暖かさの調整をします。
— メグラシ編集部





