濡れた折りたたみ傘の持ち歩き|秋冬は水切りの回数と袋で服を守る

**さっき閉じた折りたたみ傘を、閉じる前に何回振りましたか。**1回か2回、あるいは振らずにそのまま巻いた人が多いはずです。
折りたたみ傘は、さしている間よりも、閉じたあとのほうが服を濡らします。バッグの中で袋の底に水がたまり、電車で足元に置けばコートの裾に触れ、店に入れば置き場所がなくて手に持ったまましずくが袖口へ落ちる。秋冬はここに、乾きにくいウールのコートと、水じみの残りやすい革のバッグが加わります。
**しまう場所は、傘に残った水の量で決めてください。**水の量は、降り方とさしていた分数でほぼ読めます。量が分かれば、バッグの中に入れるか、外ポケットか、手に持つかが決まります。
傘そのものの選び方は折りたたみ傘の選び方|秋冬は親骨の長さとバッグの内寸で決めるにあります。この記事は、閉じてから家に着くまでの間の話です。
結論:しまう場所は、傘に残った水の量で3段に分ける
まず、閉じた直後の傘にどれくらい水が残っているかを、3段に分けます。
| 水の量 | 目安 | しまう場所 |
|---|---|---|
| 少ない | 小雨・霧雨の中を10分以内 | 口の閉まる袋に入れて、バッグの中 |
| 中くらい | 普通の雨を10〜15分、または小雨を20分以上 | 吸水の袋に入れて、バッグの外ポケットか、中なら立てて |
| 多い | 本降りを15分以上、または風で横から当たった | 袋を二重にして手に持つ。バッグの中には入れない |
判断に使うのは「降り方」と「さしていた分数」の2つだけです。傘の大きさや布の種類でも残る水の量は変わりますが、外にいる間にそこまで考えるのは無理があります。降り方と分数なら、駅に着いた瞬間に分かります。
迷ったときは、1段上の扱いにしてください。少ないか中くらいか迷ったら中くらい、中くらいか多いか迷ったら多い。下の段で扱って困ることはあっても、上の段で扱って困ることはほとんどありません。
さしていた分数は、家や職場を出た時刻と、駅に着いた時刻から引き算すれば出ます。毎日同じ道を歩く人なら、自分の通勤で傘をさす区間が何分かを一度だけ確かめておくと、雨の日はその数字を思い出すだけで段が決まります。駅まで8分、駅から職場まで6分といった具合です。乗り換えで外を歩く区間があるなら、それも足しておきます。
風の強い日は、分数にかかわらず多い段として扱ってください。横から吹きつける雨は、傘の内側の骨や、手元の柄にまで水を運びます。閉じた傘の内側まで濡れているので、振っても外側の水しか落ちません。秋の終わりから冬の立ち上がりは、低気圧が通るたびに風の強い雨の日があります。天気予報で風の強さを見ておくと、朝のうちに袋を二重にしておけます。
水の量は、閉じる前の振り方で半分になる
傘に残る水の量は、閉じる前にどれだけ落としたかで大きく変わります。開いたまま振るのと、閉じてから振るのとでは、落ちる量がまるで違います。
閉じてから振ると、骨と骨の間に挟まった布が水を抱えたままになります。外側の水は飛びますが、布の重なりの内側に入り込んだ水は残ります。開いたまま振ると、布が張っているので水の逃げ道があり、骨の先からまとまって落ちていきます。
**開いたまま、屋根の下で5回振る。**手首だけで小さく振るのではなく、ひじから先を下へ向けて短く振り下ろすと、骨の先にたまった水が切れます。5回というのは、それ以上振っても落ちる量がほとんど増えなくなる回数の目安です。
振る場所は、屋根の端の真下ではなく、屋根の内側に一歩入ったところにしてください。端の真下は雨だれが落ちてくる場所なので、振っている間にまた濡れます。駅や建物の入り口では、後ろから来る人の邪魔にならないよう、壁に向いて振ると周りに水が飛びません。
振り終えたら、傘を半分だけすぼめて、もう2回振ります。半分すぼめると布にひだができ、そのひだにたまった水がもう一度落ちます。ここまでで、閉じたあとに袋へ入る水は、何もしないときのおよそ半分になります。
巻くのはゆるく、留め具は1周だけ
振り終えた傘を、乾いているときと同じようにきっちり巻くと、布の重なりの内側に水を閉じ込めることになります。濡れた傘は、ゆるく巻いてください。
ゆるく巻くとは、骨をそろえて布を軽くまとめ、留め具を1周だけ回して止める状態です。きっちり巻くと、外側は乾いて見えても、内側の布が重なったまま湿り続けます。そのまま袋に入れれば、袋の中で水がにじみ出てきて、底にたまります。
ゆるく巻いたほうが、袋の中で傘が少し太くなります。付属の袋に入らないこともあります。その場合は無理に入れず、ひと回り大きい袋を使ってください。袋に入れるためにきつく巻き直すと、せっかく振って落とした水を、布の内側に押し込んでしまいます。
巻くときに、手元を濡らしたくないなら、布の外側には触れず、骨の根元のあたりを持ってまとめます。布の外側は一番濡れている面なので、そこを手のひらで包むように巻くと、手がびしょびしょになり、その手でバッグを開けることになります。
袋は3種類。付属の袋・吸水の袋・口の閉まる袋
濡れた傘を入れる袋には、大きく分けて3つの種類があります。それぞれ、役目が違います。
付属の袋は、傘を買ったときに付いてくる細い筒です。もともと乾いた傘を収めるためのもので、水を吸いませんし、口も閉まりません。濡れた傘を入れると、水は袋の底にたまり、傘を傾けると口から戻ってきます。濡れた日の持ち歩きには、あまり向いていません。
吸水の袋は、内側に水を吸う布が張られている袋です。マイクロファイバーのような細かい繊維で、傘の外側に残った水を吸い取ります。小雨から中くらいの雨のあとなら、これ1枚で底に水がたまるのを防げます。ただし、吸える量には限りがあります。本降りのあとの傘を入れると、数分で布が飽和して、外側まで湿ってきます。
口の閉まる袋は、ファスナーやチャックで口が閉まる、水を通さない袋です。水を吸わない代わりに、外へ出しません。袋の中に水がたまっていても、口さえ閉まっていれば、バッグの中は濡れません。
秋冬の通勤で崩れにくいのは、吸水の袋の外側に、口の閉まる袋をもう1枚重ねる組み合わせです。吸水の袋が水を抱え、抱えきれなかった分を外の袋が止めます。どちらか1枚しか持たないなら、普段は口の閉まる袋のほうが失敗が少ないはずです。
バッグのどこに入れるか|中・外ポケット・外に下げる
袋に入れた傘を、バッグのどこに入れるかも、水の量で変わります。
水が少ないときは、バッグの中に入れて構いません。ただし、立てて入れてください。横に寝かせると、袋の口が下を向いたり横を向いたりして、閉まっていても口のすき間から水が出てくることがあります。立てて入れれば、水は袋の底にとどまります。立てられないほどバッグが浅いなら、そのバッグの日は外ポケットか、手に持つほうを選びます。
中に入れるときは、書類やノートパソコンと同じ仕切りに入れないでください。紙と電子機器から離した仕切りか、仕切りがないバッグなら、底に何か1枚敷いて、傘の袋をその上に立てます。ハンカチやたたんだ手ぬぐいで十分です。
水が中くらいのときは、外ポケットが向いています。外ポケットは、濡れても中身に影響しない場所だからです。傘が半分はみ出しても構いません。ただ、外ポケットがバッグの体側にある場合は、そこに入れるとコートの脇腹のあたりに袋が当たり続けます。体の外側のポケットを選ぶか、体側しかないならバッグを反対の肩に掛け替えてください。
水が多いときは、バッグに入れずに手に持つか、バッグの持ち手に袋の紐を掛けて下げます。下げるときは、袋の底がコートの裾より下に来ないように長さを調整します。底が裾の高さにあると、歩くたびに袋が裾に当たり、そこだけ色が変わります。
電車の中では、混み具合で置き場所を分ける
電車の中は、傘を持つ場所がいちばん少ない場面です。混み具合によって、置き場所を分けてください。
空いているときは、座席に座るなら、傘は足の間に立てて、柄を手で軽く押さえます。座席の横に立てかけると、隣の人の脚に触れることがありますし、電車が揺れたときに倒れます。立っているときは、手すりやつり革を持たない側の手で、柄を持って下げます。袋の底が床に触れない高さで持つと、床の水を拾いません。
混んでいるときは、傘を体の前に、縦に持ってください。体の横に持つと、隣の人のコートやズボンに袋が当たります。前に持てば、当たるのは自分の脚だけです。自分の脚にも当てたくないなら、袋を二重にしておくことです。混んだ電車に乗る日は、駅に着く前に、袋を二重にしておくと慌てずに済みます。
座っているときに膝の上にのせるのは、水が少ないときだけにしてください。水が中くらい以上のときに膝にのせると、スカートやパンツの前面に袋の湿り気が移ります。秋冬の厚手の生地は乾きにくく、降りたあとも膝の形に湿りが残ります。
網棚にのせる人もいますが、のせた傘は忘れやすく、降りるときに水が上から落ちてくることもあります。のせるなら、袋の口が閉まっていて、自分の真上だけにしてください。
店に入るとき|傘立てのある店と、ない店
店の入り口に傘立てがあるなら、折りたたみ傘も遠慮なく使ってください。長傘用の傘立てでも、折りたたみ傘は立てられます。ただ、細い折りたたみ傘は長傘の間に埋もれて、出るときに見つけにくくなります。柄に目印を付けておくか、傘立ての端に立てると見失いません。
入り口に傘袋が置いてある店もあります。この袋は、長傘を細い筒状の袋に入れるためのものですが、折りたたみ傘にも使えます。自分の袋が濡れて重くなっているときは、入り口の傘袋を1枚もらって、自分の袋ごとその中に入れると、店内で水が落ちません。
傘立ても傘袋もない店では、袋に入れた傘を手に持つか、バッグの外ポケットに差したまま入ります。服を試着する店では、試着室に傘を持ち込むことになります。試着室の床に置くと、試着する服の裾が袋に触れることがあるので、壁のフックにバッグごと掛けるか、足元でも試着する服から離れた隅に立ててください。
飲食店では、椅子の背もたれに傘を掛けるのは避けたほうが無難です。掛けた傘のしずくが床に落ち、自分の足元だけでなく、後ろを通る人の足元も濡らします。テーブルの下の自分の足元に立てるか、店の人に預ける場所があるか尋ねてください。
職場に着いたら|開いて干せない日はゆるめて立てる
職場に着いて、傘を開いて干す場所があるなら、半分だけ開いて干してください。全開にすると、布がぴんと張って骨に負担がかかり、乾くのにも時間がかかります。半分開くと、布にゆとりができて風が通り、乾きやすくなります。
干す場所がない職場は少なくありません。その場合は、留め具を外して布をゆるめ、口の開いた袋の中に立てておくのがいちばん乾きます。巻いたまま袋の口を閉じておくと、夕方まで湿ったままで、帰り道に開いた瞬間に、たまっていたしずくがまとめて袖へ落ちます。
足元に置くなら、紙を1枚敷いてその上に立ててください。床に直接置くと、袋の底から水がにじんで床が濡れ、机の下でつま先がその水を踏みます。秋冬は靴の中が冷えやすいので、つま先を湿った床に置き続けるのは避けたいところです。
机の引き出しやロッカーの中に入れるのは、閉じた空間なので夕方まで乾きません。ロッカーしか置き場所がないなら、ロッカーの扉を閉める前に、傘を袋から出して、ロッカーの中で留め具をゆるめた状態にしておきます。袋に入れたまま閉じ込めるよりは、乾き方がずっと早くなります。
秋冬に濡らして困るのは、コートの裾と革のバッグの底
夏の雨なら、多少濡れてもすぐに乾きます。秋冬の雨は、気温が低く湿気が多いので、濡れたものが乾くまでに時間がかかります。そして、秋冬に持ち歩くもののなかには、濡れると跡が残るものがあります。
いちばん気をつけたいのは、ウールのコートの裾です。ウールは水をはじく性質がありますが、繰り返し同じ場所に水が触れると、そこだけ毛足が寝て、光の当たり方が変わります。傘の袋が歩くたびにコートの裾に当たると、裾の一か所に湿った帯ができ、乾いたあとも跡が残ることがあります。
次に気をつけたいのは、革のバッグの底です。革は水がしみると、乾いたあとに輪の形の跡が残りやすい素材です。濡れた傘を革のバッグの中に寝かせて入れると、内側から底の革に水がしみることがあります。外ポケットに入れた場合も、袋の湿り気が外側の革に触れ続けます。革のバッグの日は、袋を二重にするか、手に持つほうを選んでください。
順番としては、傘を閉じたらまず、コートの裾とバッグの底から傘を離す。そのあとで、どこにしまうかを考える。この順にしておけば、秋冬にいちばん困る跡は残りません。
濡れてしまったコートの乾かし方は雨に濡れたコートの乾かし方|素材と濡れた範囲で、掛ける場所を決める、雨の日に持つバッグの選び方は雨の日のバッグの選び方|濡れるのは底と口、持ち方と開ける回数で選ぶに分けて書いています。
どちらとも取れるとき①|小雨で、さすか迷った程度の日
傘をさしたものの、さすほどでもなかったかもしれない、という日があります。霧のような雨で、傘の表面にうっすら水滴がついている程度。このときは、少ない段の扱いで構いません。
ただ、霧雨は意外なところで水が残ります。布の表面ではなく、骨の内側や、たたんだときに重なる布の内側です。霧雨は細かい粒が布に吸い込まれるようにつくので、表面を振っても、内側の湿り気は残ります。
迷う日は、**閉じたあと、傘の内側を一度のぞいてください。**骨の内側に水滴が並んでいたら、中くらいの段に上げて扱います。内側が乾いていたら、少ない段のまま、口の閉まる袋に入れてバッグの中へ。のぞくのに数秒かかりますが、そのあと一日バッグの中が湿るのに比べれば、安いものです。
もうひとつの判断の材料は、手で触った感触です。閉じたあと、布の外側を指で軽くなでて、指先が濡れるようなら中くらい、しっとりする程度なら少ないと見てください。
どちらとも取れるとき②|荷物が多くて、手に持ちたくない日
水が多い段なのに、両手がふさがっていて、傘を手に持てない日があります。買い物の袋を下げている、子どもの手を引いている、資料の入った紙袋を持っている。こういう日は、手に持つという選択肢がありません。
このときは、袋を二重にして、バッグの中に立てて入れるのが次の手です。外側の袋は口の閉まるものにして、内側の袋の口が上を向くように入れます。バッグの中のほかのものは、傘から離れた側に寄せてください。書類や電子機器は、傘と同じ空間に入れないで、別の袋か、外ポケットに移します。
バッグの中にも入らないときは、買い物の袋の中に入れるのも一つの方法です。買った品物が水に強いものなら、袋の端に立てて入れれば、手に持つ数は増えません。ただ、紙の袋に入れると、底が湿って破れることがあるので、紙袋のときは避けてください。
どうしても置き場所がない日は、閉じずに、さしたまま次の屋根の下まで歩くほうが、結果的に服を濡らさないこともあります。閉じてからどこにも置けずに困るくらいなら、閉じるのは置き場所のある場所に着いてからで十分です。
どちらとも取れるとき③|一日に何度も開け閉めする日
外回りの仕事や、店をはしごする買い物の日は、一日に何度も傘を開けたり閉めたりします。このとき、閉じるたびに袋に入れていると、袋の中に水がたまり続け、どこかで溢れます。
開け閉めの多い日は、**袋に入れるのは最後に一度だけにしてください。**それまでは、閉じたら手に持つか、バッグの持ち手に柄を掛けておきます。柄を掛けるときは、傘の先が下を向いて、しずくが自分のコートではなく地面に落ちる向きにします。
それでも袋に入れたいなら、吸水の袋は使わないほうがいい日です。吸水の袋は、一度飽和すると、そのあとは何も吸いません。開け閉めを繰り返す日に吸水の袋を使うと、2回目か3回目で飽和して、それからはずっと湿った布で傘を包み続けることになります。口の閉まる袋のほうが、途中で中の水を捨てられる分、扱いやすくなります。
移動の合間に、袋の中の水を捨てる場所を見つけておくのも大事です。駅のトイレや、建物の入り口の排水溝の近くで、袋を逆さにして水を落とします。袋の中がたまったままだと、次に傘を入れたときに、乾いていた部分までまた濡れてしまいます。
帰り道に開く前に、たまった水を一度落とす
一日の終わりに、職場や店から傘を取り出して帰るとき、開く前に一度、たまった水を落としてください。
日中ずっと袋の中にあった傘は、布の重なりの内側に水がとどまっています。そのまま開くと、骨の先や布のひだにたまっていた水が、開いた瞬間にまとめて落ちてきます。落ちる先は、傘を持つ手と、その袖口です。
**開く前に、屋根の下で傘を下向きにして、柄を軽く2回たたいてください。**留め具を外してから、たたむときと逆の向きに布をほぐし、そのあとで開きます。開いた直後も、すぐに頭の上に持ち上げずに、一度体の前で下向きに振ってから差すと、袖口に水が入りません。
秋冬の夕方は、気温が朝より下がっていることが多く、袖口から入った水が手首を冷やします。帰り道の最初の数秒の手間で、手首の冷たさが変わります。
家に着いたら|乾かすのは開ききらずに、玄関の外気から離して
家に着いたら、傘を袋から出して、半分だけ開いて乾かしてください。職場と同じで、全開にするより、半分開いたほうが布にゆとりができて乾きます。
置く場所は、玄関の土間よりも、部屋の入り口に近い床の上のほうが乾きやすいことがあります。秋冬の玄関は外気に近く、湿気がこもりやすいからです。床に置くなら、新聞紙やタオルを1枚敷いて、その上に開いた傘を伏せて置きます。
袋も一緒に乾かしてください。とくに吸水の袋は、内側の布が水を抱えたままになっているので、裏返して干します。裏返さずにおくと、翌朝まで湿ったままで、次の雨の日に乾いた傘を入れても、袋の湿り気が傘に移ります。
乾いたら、きっちり巻いて、付属の袋に戻します。付属の袋は、乾いた傘を持ち歩くためのものなので、ここでやっと本来の使い方に戻ります。
濡れた傘のために、普段のバッグに入れておく3つ
ここまでの手順を、雨の日にだけ思い出すのは難しいものです。普段のバッグに、3つのものを入れておくと、急な雨の日でも同じ手順で動けます。
**1つ目は、口の閉まる袋です。**折りたたみ傘が入るくらいの大きさで、たたむと手のひらに収まるものを1枚。これがあれば、水が少ない日も、中くらいの日も、多い日も対応できます。
**2つ目は、薄いハンカチか手ぬぐいです。**バッグの底に敷く、手を拭く、コートの裾を押さえる。1枚で3つの役目をします。秋冬はタオル地のハンカチを持つ人が多いですが、濡れた傘のためには、薄くてすぐ乾く布のほうが扱いやすくなります。
**3つ目は、小さなフックか、紐です。**バッグの持ち手に傘を掛けたいときに、柄が太くて掛からないことがあります。小さなフックや紐が1本あれば、袋の口に結んで持ち手に下げられます。
この3つで、バッグの中のものを濡らさずに、秋冬の雨の日を通せます。
傘の大きさで、水の量の見立てを1段ずらす
最初の表では、降り方とさしていた分数だけで水の量を決めました。ただ、手持ちの傘の大きさによっては、見立てを1段ずらしたほうが実際に合います。
**親骨の長い大きめの折りたたみ傘は、同じ降り方でも布の面積が広いぶん、残る水が多くなります。**通勤用に肩までしっかり覆う大きさを選んでいる人は、表の段を1つ上に読んでください。小雨を10分なら、少ない段ではなく中くらいの段として扱います。
反対に、バッグの小さなポケットに入る軽い傘は、布の面積が小さく、残る水も少なめです。ただし、小さい傘は骨が細く、布のひだが細かく折りたたまれるので、ひだの内側に水が残りやすい形です。振ったあとに半分すぼめて、もう2回振る手順を、小さい傘ほど省かないでください。
布の表面の撥水が弱っている傘も、1段上に読みます。撥水が効いている布は、水が玉になって転がり落ちますが、弱った布は水が布の目に入り込み、振っても落ちません。閉じたときに布の色が濃く変わって見えるなら、撥水が弱っているしるしです。
自転車・バス・車、乗り物ごとの置き場所
電車のほかにも、秋冬の雨の日に乗る乗り物はあります。乗り物ごとに、傘の置き場所の考え方を分けておくと迷いません。
バスは、電車より通路が狭く、座席の間隔も詰まっています。座ったら、傘は足の間に立てて、柄を膝で軽く挟みます。立っているときは、電車と同じく体の前に縦に持ちますが、バスは揺れが大きいので、柄の先を床につけず、手すりと一緒に柄を握るほうが安定します。
自転車に乗る日は、そもそも傘をさして走らない前提で、レインコートを使う人が多いはずです。それでも、目的地に着いてから折りたたみ傘を使う日はあります。自転車の前かごに濡れた傘を入れると、走っている間に水が跳ねて、膝やコートの前面が濡れます。前かごに入れるなら、口の閉まる袋に入れて、かごの底に寝かせ、上に何か1枚かぶせてください。
車に乗るときは、乗り込む前に傘をたたむまでの数秒で、座席とコートが濡れます。ドアを開けて、まず体を座席に入れ、最後に傘を車の外に向けたまま閉じて、すぐ足元のマットの上に置きます。足元に置くときは、袋に入れなくても構いませんが、マットが布なら1枚敷くと、降りるときに靴の裏が湿りません。
子どもの送り迎えで、傘が2本になる日
子どもの送り迎えがある日は、自分の傘に加えて、子どもの傘も持つことになります。濡れた傘が2本になると、ここまでの手順のどこかが崩れます。
**2本ある日は、袋を1つにまとめずに、1本ずつ分けて入れてください。**2本を1つの袋に入れると、水の量が倍になり、袋の容量を超えて口から戻ってきます。子どもの傘は長傘であることが多く、折りたたみ傘より水が多く残るので、子どもの傘のほうを先に、袋を二重にしてしまいます。
送り届けたあと、子どもの傘を園や学校に置いていけるなら、自分の傘だけを持てば済みます。置いていけない場合は、子どもの傘をバッグに入れず、手に持つか、バッグの持ち手に掛けて下げます。長傘を持ち手に掛けると、傘の先が地面に近くなるので、先を後ろに向けて、歩いているときに自分の脚に当たらない角度にします。
自転車で送り迎えをする日は、子どもの傘を後ろの座席のかごに入れるか、前のかごに入れます。どちらにしても、自分の膝に跳ねる位置には置かないことです。
みぞれや冷たい雨の日は、手袋を先に外さない
冬の立ち上がりには、雨が冷たくなり、みぞれまじりになる日があります。このときは、傘を閉じる手順に、手袋の扱いが加わります。
**手袋をしたまま、傘を閉じて振るところまで済ませてください。**手袋を外してから傘を閉じると、冷たい水が素手に直接触れ、指先がかじかんで、留め具を止めるのに手間取ります。留め具を止めるところだけ、片方の手袋を外し、止め終わったらすぐにはめ直します。
濡れた傘に触れた手袋は、指先が湿ります。毛糸の手袋は水を吸いやすいので、みぞれの日は、表面が革か化繊の手袋のほうが扱いやすくなります。毛糸の手袋しかないときは、傘を閉じる手だけ、手袋の上から薄い手袋をもう1枚重ねる方法もあります。
みぞれの日は、傘の布の上に、溶けかけの氷の粒が残ります。この粒は、振っても落ちにくく、袋の中で溶けて水になります。閉じる前に、開いたまま布の表面を軽く手で払って、粒を落としてから振ってください。
持つ手を決めておくと、コートの同じ側だけで済む
濡れた傘をどちらの手で持つかを決めておくと、濡れる場所が毎回同じ側に限られます。
利き手と反対の手で傘を持ち、利き手側にバッグを掛けるのが基本です。利き手は、改札を通る、スマートフォンを出す、ドアを開けるといった動作に使います。利き手で傘を持っていると、そのたびに傘を持ち替えることになり、持ち替えるたびに、しずくがコートの前面に落ちます。
持つ手を決めておくと、濡れる可能性があるのは、コートのその側の袖口と脇腹だけになります。その側の袖口には、撥水のスプレーをしておく、袖口を少しだけ折り返して手首から離す、といった手当てが前もってできます。
バッグと傘を同じ側にしないことも大事です。同じ側にすると、袋に入れた傘とバッグが歩くたびにぶつかり、バッグの側面に湿り気が移ります。反対の側に分けておけば、傘の水はバッグに届きません。
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よくある問い
- Q. 濡れた折りたたみ傘を、そのままバッグに入れても大丈夫ですか
- 小雨の中を10分以内さしていた程度なら、閉じる前に5回振って、口の閉まる袋に入れれば、バッグの中に入れても困ることはほとんどありません。困るのは、本降りの中を15分以上さしていたときです。この場合は、袋に入れても袋の口から水が戻ってきますし、袋の外側が結露のように湿ってバッグの内布に移ります。本降りのあとは、バッグの中ではなく外ポケットか、手に持つほうを選んでください。中に入れるしかないときは、袋を二重にして、口を上に向けて立てて入れます。
- Q. 吸水する袋は、付属の袋と何が違いますか
- 付属の袋は、乾いた傘を収めるための筒です。水を吸わないので、濡れた傘を入れると、水は袋の底にたまります。吸水の袋は、内側の布が水を抱えるので、底にたまる量が減ります。ただし、抱えられる量には限りがあり、本降りのあとの傘を入れると数分で飽和して、外側までしみてきます。小雨から中くらいの雨には吸水の袋、本降りのあとは吸水の袋の外にもう1枚、口の閉まる袋を重ねる。これが秋冬の通勤で一番崩れにくい組み合わせです。
- Q. 職場に傘を干す場所がありません。どうすればいいですか
- 干せないときは、開かずに、留め具を外してゆるめたまま、口の開いた袋の中で立てておいてください。巻いたまま袋の口を閉じておくと、夕方に出すときにも布が湿ったままで、帰り道に開いた瞬間にしずくが袖へ落ちます。足元に置くなら、紙を1枚敷いた上に、柄を上にして立てかけます。机の引き出しやロッカーの中に入れるのは、夕方まで乾かない置き方なので避けたほうが無難です。
- Q. ウールのコートに傘の水がついてしまいました
- こすらずに、乾いたタオルで上から押さえて水を吸わせてください。こすると表面の毛が寝て、そこだけ光って見えることがあります。押さえたあとは、ハンガーに掛けて風の通る場所に置き、暖房の風を直接当てないようにします。水が輪のように残りそうなときは、輪の外側に向かって少し広めに湿らせてから押さえると、境目がぼやけて目立ちにくくなります。帰宅後のコートの乾かし方は、別の記事で素材ごとに分けて書いています。
— メグラシ編集部





