長傘の選び方|秋冬の雨は、肩幅と荷物で親骨の長さを決める

**秋冬の通勤で長傘を選ぶなら、あなたに合うのはおそらく親骨60cm前後です。**手ぶらに近い日が多い人は58〜60cm、肩にトートを掛ける人は60〜65cm、リュックや大きな荷物を体の前後に持つ人は65cm以上。この数字は、肩幅と荷物の張り出しを測るとほぼ決まります。
長傘選びで迷う人の多くは、柄や色、持ち手のデザインから見始めます。けれど、雨の日に困ることは「肩が濡れる」「バッグが濡れる」「足元が濡れる」のどれかで、どれも傘の大きさ、つまり親骨の長さで決まります。この記事では、親骨の長さを自分の体と荷物から決める方法を先に置き、そのあとで持ち手・骨の本数・開き方・生地の色を、秋冬の暮らしに合わせて選ぶ順番で書いていきます。
カバンに入れて持ち歩く傘については折りたたみ傘の選び方|秋冬は親骨の長さとバッグの内寸で決めるに、雨の日の上着についてはレインコートの選び方 冬|中に着る1枚と、蒸れの抜け道で選ぶにまとめています。ここでは、毎日の通勤や外出で使う長い傘だけを扱います。
結論:親骨の長さは「肩幅+荷物の張り出し+60cm」で決める
長傘を選ぶときに最初に決めるのは、親骨の長さです。親骨とは、傘の中心から先端に向かって伸びている骨のことで、傘の大きさを表す数字として売り場の札や箱に書かれています。
開いたときの直径は、親骨のおよそ1.75倍が目安です。親骨55cmならおよそ96cm、60cmならおよそ105cm、65cmならおよそ114cm、70cmならおよそ122cmになります。メーカーや骨の曲がり方で多少ずれますが、選ぶときの目安としてはこの数字で十分です。
欲しい直径は、次の式で出します。
肩幅+荷物が体の横にはみ出す幅+60cm
最後の60cmは、左右それぞれ30cmずつの余白です。雨は真上から落ちてくるとは限らず、少しでも風があれば斜めに入ってきます。また、歩いているあいだは傘の中心と体の中心がずれます。その二つを吸収するのに、左右それぞれ30cmほどの余白があると、肩とバッグの端が濡れにくくなります。
たとえば肩幅38cmで、バッグは小さく体の横にほとんど出ない人なら、38+0+60で98cm。親骨は56cm前後で足ります。同じ人が肩に厚手のトートを掛けて、体の横に15cm出るなら、38+15+60で113cm。親骨はおよそ65cmが合います。
| 親骨の長さ | 開いた直径の目安 | 合いやすい持ち方 |
|---|---|---|
| 55cm | 約96cm | 小さなバッグを体の前で持つ |
| 58〜60cm | 約101〜105cm | 手ぶらに近い・斜め掛けの小さなバッグ |
| 63〜65cm | 約110〜114cm | 肩掛けのトート・書類の入るバッグ |
| 68〜70cm | 約119〜122cm | リュック・大きな荷物・子どもと並んで歩く |
表の右側は、あくまで目安です。自分の数字を入れて計算した結果と、表の数字がずれるときは、計算したほうを優先してください。
まず測る2つ:肩幅と、荷物の張り出し
式に入れる数字は、家で5分あれば測れます。
肩幅は、鏡の前で両腕を下ろして立ち、肩の一番外側から反対側の一番外側までを測ります。ひとりで測りにくいときは、壁に背中をつけて立ち、両肩の外側の位置に付箋を貼ってから、付箋のあいだをメジャーで測ってください。
ここで大事なのは、秋冬にいちばんよく着る上着を着た状態で測ることです。薄手のブラウスで測った数字と、ウールのコートを着て測った数字では、多くの人で4〜6cmほど差が出ます。肩パッドの入ったコートや、厚手のダウンなら、さらに広がります。傘の下に入るのは、上着を着た自分の体です。
荷物の張り出しは、いつも持っているバッグを、いつもの持ち方で持って測ります。肩に掛けるなら肩に掛けて、手に提げるなら手に提げて、鏡の正面に立ちます。そのとき、体の外側の線からバッグの外側の端までが何cm出ているかを測ってください。
リュックの場合は、横にはほとんど出ませんが、背中の後ろに大きく出ます。後ろに出た荷物は、傘を少し後ろに傾けないと覆えないので、横に出る荷物と同じくらいの余白がいります。リュックの厚み(背中から一番外側まで)の半分を、張り出しの数字として足すと目安になります。
秋冬は、薄着の季節より一段長い親骨がいる
同じ人でも、薄着の季節と秋冬では、合う傘の大きさが変わります。理由は三つあります。
一つ目は、上着の厚みです。先ほど書いたとおり、コートを着ると肩幅が数cm広がります。肩幅が広がった分、左右の余白が減るので、薄着の季節にちょうどよかった傘では、肩の端が濡れやすくなります。
二つ目は、荷物の量です。秋冬は、脱いだ手袋やマフラー、替えの靴下、温かい飲み物の入った水筒などで、バッグがふくらみやすくなります。ふくらんだバッグは、体の横に出る幅が増えます。
三つ目は、雨の性質です。秋の長雨や冬の冷たい雨は、風を伴う日が多く、雨が斜めに入ってきます。斜めの雨は、傘の縁の外から肩やバッグに当たるので、余白が多いほど濡れにくくなります。
夏の夕立に合わせて選んだ55cmの傘を、そのまま秋冬も使っている人は、一度コートを着て、いつものバッグを持って、傘を差して鏡の前に立ってみてください。傘の縁が、肩の外側から20cm以上外に出ていなければ、秋冬の雨では肩が濡れやすい大きさです。
60cmと65cmで迷う人へ:どちらとも取れる場合の決め方
計算してみると、多くの人が60cmと65cmのあいだに入ります。たとえば欲しい直径が108cmなら、親骨62cm前後。売り場にはちょうどその長さが無いことも多く、60cmと65cmのどちらにするかで迷います。
この迷いは、雨をどれだけ防げるかではなく、傘を閉じている時間がどれだけ長いかで決めてください。傘は、開いている時間より閉じて持っている時間のほうが長い道具です。
乗り物の中で立っている時間が20分以上なら、60cm
電車やバスで立って傘を持つ時間が長い人は、閉じた傘の長さと重さが毎日の負担になります。親骨が5cm長くなると、閉じた長さもおよそ5cm伸びます。混んだ車内で、先が隣の人の足元に当たらないように持つには、短いほうが楽です。
60cmにして濡れる分は、傘の傾け方で補えます。斜めの雨が来る方向に、傘を少しだけ倒してください。それでもバッグが濡れるなら、バッグを体の前に回して持つと、張り出しが減って、60cmでも覆いやすくなります。
歩く時間が15分以上ある、または片手がふさがる日が週に3日以上あるなら、65cm
駅から職場まで歩く時間が長い人、子どもの送り迎えや買い物で片手に荷物を持つ日が多い人は、65cmのほうが向きます。片手がふさがると、傘を細かく傾けて雨を避けることができません。傘を傾けずに済む大きさにしておくほうが、結果として濡れません。
どちらにも当てはまるときは、持ち手で調整する
乗り物の時間も長く、歩く時間も長い人は、65cmを選んで、持ち手を軽いものにしてください。持ち手の素材が木から樹脂に変わるだけで、手に感じる重さはかなり変わります。また、持ち手が曲がった形なら、車内では腕に掛けておけるので、閉じた長さが少し長くても負担になりにくくなります。
逆に、駅の改札やエレベーターなど、人とすれ違う狭い場所を毎日通る人は、60cmを選んで、骨の本数を増やして風に強くするほうが向いています。骨の本数については、後の節で書きます。
荷物が日によって大きく変わる人は、大きい日に合わせる
週に何日かは小さなバッグ、残りの日は書類やパソコンの入る大きなバッグ、というように、曜日で荷物が変わる人もいます。この場合は、荷物が大きい日の数字で親骨を決めてください。
小さな荷物の日に大きな傘を持つのは、少し重いだけで済みます。けれど、大きな荷物の日に小さな傘を持つと、バッグの中の書類や機械が濡れます。濡れて困るものを運ぶ日に合わせておくほうが、取り返しのつかない困りごとを避けられます。
大きい日に合わせると親骨が65cmを超えてしまい、乗り物で持て余しそうなら、荷物の大きい日だけはバッグを体の前に抱える持ち方にして、張り出しを減らしてください。前に抱えると、張り出しの数字が半分ほどになり、60〜65cmの傘でも覆いやすくなります。
子どもや家族と並んで歩く日が多い人は、65cm以上
子どもの送り迎えや、家族と並んで歩く日が多い人は、自分の肩幅と荷物の数字だけでは足りないことがあります。小さな子どもは、自分で傘を差していても、傘の高さが低く、横から入る雨に弱いからです。並んで歩くと、自分の傘を少し子どもの側に傾けて、肩口を覆ってあげる場面が多くなります。
傾けた分だけ、自分の反対側の肩が傘の外に出ます。その分を見込んで、並んで歩く日が週に何度もある人は、計算した数字より一段長い親骨を選んでください。計算で60cmが出た人なら65cm、65cmが出た人なら70cmが目安です。
ただし、子どもを抱っこしたり、手を引いたりしながら差す場合は、片手で長い傘を支えることになり、重さが手首にかかります。並んで歩く日が多い人ほど、長さを取るぶん、持ち手と骨は軽いものを選ぶと、帰り道まで疲れにくくなります。
どうしても決められないときは、1週間だけ記録をつける
自分の暮らしがどちら寄りか分からないときは、雨の日に限らず1週間、通勤や外出で「乗り物で立っていた分数」と「外を歩いた分数」と「片手がふさがっていた回数」をメモしてください。乗り物の分数が歩く分数より多ければ60cm、少なければ65cmです。数字にすると、迷っていた理由がはっきりします。
持ち手の形は、手袋と荷物の持ち方で選ぶ
長さが決まったら、次は持ち手です。秋冬に考えるべきなのは、手袋をしたまま握れるか、そして閉じたときにどこに掛けておけるか、の二つです。
曲がった持ち手:腕や手すりに掛けておける
いちばん多い、先が丸く曲がった持ち手は、閉じたときに腕に掛けたり、机の端に掛けたりできます。乗り物の中で両手を使いたい人、買い物で財布を出す回数が多い人に向きます。
秋冬に気をつけたいのは、曲がりの内側の幅です。厚手の手袋をしたまま握ると、内側の幅が狭い持ち手では指が窮屈になります。売り場で、普段の手袋をしたつもりで、指を4本そろえて曲がりの内側に入れてみてください。指の第二関節まで余裕をもって入れば、手袋をしていても握りやすい幅です。
まっすぐな持ち手:狭い場所で引っかからない
まっすぐな棒状の持ち手は、混んだ場所でほかの人の荷物や服に引っかかりにくいのが長所です。ただし、腕に掛けておくことはできないので、閉じているあいだは手で持つか、バッグに立てかけることになります。
手袋をした手は、素手よりすべりやすくなります。まっすぐな持ち手を選ぶなら、表面に少し凹凸があるもの、または手首に通せるひもが付いているものを選ぶと、落としにくくなります。
持ち手の素材:冷たさと重さ
持ち手の素材は、冬の朝にいちばん差が出ます。金属や表面の硬い樹脂は、寒い朝に触ると冷たく、素手では長く握っていられません。木や、やわらかい樹脂、革を巻いたものは、冷たさが伝わりにくくなります。
ただし、木の持ち手は、樹脂よりも重くなりがちです。先ほどの「乗り物で立っている時間が長い人」は、木の持ち手を選ぶと手首が疲れやすくなります。冷たさと重さのどちらがつらいかで決めてください。手袋をする日が多い人は、冷たさは手袋で防げるので、軽さを優先してかまいません。
置き忘れにくい持ち手
長傘は、雨が上がった帰り道に置き忘れやすい道具です。置き忘れが多い人は、持ち手の色を、コートやバッグと違う色にしておくと、手元から離れたときに目に入りやすくなります。黒いコートに黒い持ち手だと、電車の手すりに掛けたまま降りても気づきにくいからです。
また、曲がった持ち手を手すりや椅子の背に掛ける癖がある人は、掛けた瞬間に「掛けた」と一度だけ心の中で言う、という簡単な方法も効きます。持ち手の形と一緒に、どこに掛けるかを決めておくと、置き忘れがぐっと減ります。
骨の本数と素材:風の強い日をどこまで想定するか
秋冬の雨は、風を伴うことが多くなります。強い風で傘がひっくり返ったり、骨が折れたりするのは、多くの場合、骨の本数と素材が関係しています。
骨の本数
一般的な長傘は骨が8本です。これより多い、10本・12本・16本の傘もあります。骨が多いほど、生地が細かく区切られて張りが均一になり、風を受けたときに一か所に力がかかりにくくなります。
ただし、骨が増えるほど重くなります。8本で軽さを取るか、12本以上で風への強さを取るかは、通勤路に、ビルのあいだや橋の上など、風の通り道があるかどうかで決めてください。風の通り道を毎日通る人は12本以上、住宅街を歩くことが多い人は8本で足ります。
骨の素材
骨の素材は、金属のものと、グラスファイバーなどのしなる素材のものがあります。金属の骨は、まっすぐな張りが出て形がきれいに保たれますが、限界を超える風を受けると曲がったまま戻りません。しなる素材の骨は、風を受けたときに一度大きく反り返っても、元の形に戻りやすい性質があります。
風の強い日に外を歩くことが多い人は、しなる素材の骨を選ぶと、傘を買い替える回数が減ります。売り場で確かめるときは、骨の材質の表示を見てください。
骨の本数と親骨の長さの組み合わせ
親骨が長いほど、風を受ける面積が大きくなります。65cm以上の傘を選ぶ人は、8本骨では風にあおられやすくなるので、10本以上を目安にしてください。逆に、58cm前後の小さめの長傘なら、8本骨でも風の影響を受けにくく、軽さを取りやすくなります。
開き方:ジャンプ式か手開きか
長傘の開き方は、持ち手のボタンを押すと自動で開くジャンプ式と、手で押し上げて開く手開きの二つに分かれます。
ジャンプ式が向く人
手袋をしている日が多い人、片手に荷物を持ったまま傘を開くことが多い人は、ジャンプ式が向きます。手開きは、留め具を外して、生地を整えて、上はじきを押し上げる、という手順がいるので、手袋をしていると指先がもたつきます。
手開きが向く人
玄関先、駅の出口、店の入り口など、人のすぐ近くで傘を開くことが多い人は、手開きのほうが落ち着いて開けます。ジャンプ式は勢いよく開くので、近くに人がいると気を使います。また、ジャンプ式は仕組みの分だけ重くなりやすいので、軽さを優先したい人にも手開きが向きます。
閉じるときのことも考える
開き方は売り場で試しますが、閉じて留め具を留めるところまで試してください。秋冬は手袋をしたまま閉じることが多く、留め具が小さなボタン式だと留めにくくなります。マジックテープ式や、輪に通すだけの留め具は、手袋をしたままでも扱いやすい形です。
生地の色と、冬の夕方の暗さ
長さ・持ち手・骨・開き方が決まったら、最後に生地の色を選びます。色は好みで選んでよいのですが、秋冬ならではの見方が一つあります。
秋冬は日が短く、帰り道が暗くなります。暗い色の傘は、夕方から夜にかけて、車や自転車から見えにくくなります。帰りが暗くなる時間帯に外を歩くことが多い人は、明るい色、または縁に光を返す加工がある傘を選ぶと、周りから見つけてもらいやすくなります。
一方で、暗い色の傘は、汚れや水じみが目立ちにくいという良さがあります。駅から職場まで明るい道を歩くだけの人は、暗い色でも困りません。
服との合わせ方で見るなら、コートの色と傘の色を「同じ明るさ」にそろえると、全体が落ち着いて見えます。黒やネイビーのコートなら暗い色の傘、ベージュやグレーのコートなら中間の明るさの傘、という組み方です。逆に、コートが暗い色で、傘を明るい色にすると、雨の日の装いに明るさが一か所加わり、顔まわりが沈みにくくなります。
柄を選ぶなら、遠くから見える大きさで
柄のある傘を選ぶときは、売り場で閉じた状態ではなく、開いて少し離れたところから見てください。閉じた傘では細かい柄が詰まって見えますが、開くと柄が大きく広がり、印象が変わります。細かい柄は、開くと遠くからは無地に近く見え、大きな柄は、開くと遠くからもはっきり目に入ります。
雨の日の装いを落ち着かせたいなら、開いたときに無地に近く見える細かい柄を、雨の日に明るさを足したいなら、開いたときに柄がはっきり見える大きめの柄を選ぶと、思っていた印象と実際の見え方がずれません。
内側の色も見る
傘の内側の色は、外からは見えませんが、差している本人の顔まわりの明るさに影響します。内側が暗い色だと、雨の日の曇り空の下で顔が暗く見えやすく、内側が明るい色だと、顔まわりに光が回ります。外側と内側の色が違う傘もあるので、売り場で開いて、内側をのぞき込んでみてください。
長さと重さ:通勤の電車で持て余さないか
ここまでで傘の形はほぼ決まりますが、もう一度だけ、毎日持ち歩けるかを確かめます。長傘は、開いている時間よりも、閉じて持っている時間のほうが長い道具だからです。
確かめ方は簡単です。売り場で傘を閉じたまま、持ち手を片手で持って、手首を少し返し、先を床から10cmほど浮かせて10秒止めてください。手首が震えたり、先が下がってきたりするなら、乗り物の中で長く持つには重い傘です。
もう一つは、閉じた長さです。持ち手を手で持って体の横に下ろしたとき、先が床に着いてしまう長さなら、歩くたびに先を床に当てることになります。持ち手を持った手を自然に下ろした位置で、先が床から5cm以上浮いていれば、持ち歩きやすい長さです。身長に対して長すぎる傘は、親骨を一段短くするか、持ち手が短めの形を選んでください。
長傘と折りたたみ傘、どちらを持つ日か
長傘を一本決めたら、折りたたみ傘との使い分けも決めておくと、朝に迷いません。
使い分けの基準は、家を出る時点で雨が降っているかどうかです。降っている日、または降る見込みが高い日は長傘。降るかどうか分からない日、帰りだけ降るかもしれない日は、折りたたみ傘をバッグに入れておきます。
秋冬は、この基準を少し長傘寄りにしてください。冷たい雨で肩や足元が濡れると、一日じゅう体が冷えたままになります。折りたたみ傘は、長傘より一回り小さいものが多く、親骨の長さを長傘と同じにすると、今度はバッグに入らなくなります。風が強い日や、雨脚が強い予報の日は、長傘を持って出るほうが体を守れます。
一方、旅行や出張で荷物が多い日は、長傘を持つと両手がふさがります。そういう日は、親骨の長い折りたたみ傘とレインコートを組み合わせて、傘で覆いきれない分をレインコートに任せる考え方もあります。
雨の日の服との合わせ:裾と袖口がどこで濡れるか
傘の大きさが合っていても、濡れる場所は残ります。それが裾と袖口です。傘は上からの雨を防ぎますが、地面からのはね返りと、傘を持つ腕の袖口は、どんな大きさの傘でも守りきれません。
裾については、パンツなら床からの高さ、スカートなら丈と歩幅で濡れ方が変わります。詳しくは雨の日のパンツ|裾が濡れる人は、床からの高さと裾幅で丈を選ぶや雨の日の靴 女性|秋雨の通勤は、濡れて歩く分数と職場の床で選ぶを見てください。
袖口は、傘を持つ腕が外に出るので、特に利き手側が濡れやすくなります。秋冬のコートは袖口が広いものが多く、雨が袖の中に入り込みやすいので、傘を持つ腕は、手首を少し内側に向けて、袖口を体の側に寄せて持ってください。
バッグは、傘の大きさを決めるときに張り出しを測ったとおり、体の横に出るほど濡れます。雨の日だけでも、体の前に回して持つと濡れる面が減ります。雨の日のバッグそのものの選び方は雨の日のバッグの選び方にまとめています。
長傘を長く使うための扱い方
せっかく選んだ傘を長く使うために、秋冬に特に気をつけたい扱いを三つだけ書いておきます。
一つ目は、濡れたまま巻かないことです。濡れた生地を巻いて留め具で留めると、骨のさびや生地のにおいの原因になります。職場や家に着いたら、留め具を外して、生地をゆるめた状態で立てかけてください。開いて干すのは、生地がある程度乾いてからで十分です。開いたまま長時間干すと、生地が伸びて張りが弱くなることがあります。
二つ目は、暖房の風を直接当てないことです。早く乾かしたくて暖房の吹き出し口の近くに置くと、生地や持ち手が傷みやすくなります。玄関や廊下など、風通しのよい場所で自然に乾かしてください。
三つ目は、撥水の効き目を確かめることです。生地の上で水が玉になって転がらず、しみ込むようになってきたら、撥水が落ちてきた合図です。撥水が落ちると、生地が水を含んで重くなり、乾くのにも時間がかかります。撥水の戻し方は、レインコートと同じ考え方で扱えます。
差したときの高さ:傘の縁が目の高さに来ているか
親骨の長さが合っていても、差す高さが合っていないと、肩や背中が濡れます。傘は高く差すほど覆える範囲が狭くなり、低く差すほど広くなるからです。
確かめ方は、傘を差した状態で、正面を見たときに傘の縁がどこに見えるかです。縁が眉のあたりに来ていれば、覆える範囲と前の見やすさの釣り合いがとれています。縁が視界の上の端より高くにあるなら、傘を差す位置が高すぎて、横からの雨が肩に届きやすくなっています。
背が高い人ほど、傘を高く差しがちです。人とすれ違うときに傘を上げる癖があると、そのまま高い位置で歩き続けてしまいます。すれ違うときは、上げるよりも、傘を外側に少し傾けてかわすほうが、自分も相手も濡れません。
持ち手の長さも、差す高さに関係します。持ち手が長い傘は、握る位置が下がるので、同じ腕の高さでも傘の縁が低くなります。腕を高く上げるのがつらい人、肩がこりやすい人は、持ち手がやや長い傘を選ぶと、腕を下げたまま傘を低く保てます。
冷たい雨と雪がまじる日と、家族で共有する傘
冬の立ち上がりには、雨に雪がまじる日があります。雨と雪がまじると、傘の上に重さがかかり、骨の弱い傘はしなりやすくなります。
そういう日は、骨の本数の多い傘のほうが、重さが分散されて形を保ちやすくなります。また、生地の上に雪が積もりかけたら、ときどき傘を軽く傾けて落としてください。乗せたまま歩くと、重さで手首が疲れ、傘も傷みます。
雪まじりの日は、傘よりも足元のほうが大事になります。濡れた路面と雪で、靴底がすべりやすくなるからです。傘を持つ手は、転びそうになったときに手をつけないので、傘を差していない側の手は、できるだけ空けておいてください。バッグを肩に掛けるか、リュックにして、片手を自由にしておくと安心です。
また、雪の日は、傘の先が地面に触れて凍った泥が付くことがあります。家に着いたら、先端と石突きの部分だけでも、乾いた布で拭いてから立てかけてください。そのままにすると、先端の金具がさびやすくなります。
家族で1本を共有するとき
玄関に置いた長傘を家族で共有している家庭は多いと思います。共有する傘は、いちばん肩幅が広い人と、いちばん荷物が多い人に合わせて選んでください。小さい人が大きい傘を使う分には、重さが少し負担になるだけで、濡れることはありません。逆に、大きい人が小さい傘を使うと、毎回肩が濡れます。
ただ、共有の傘を大きくしすぎると、子どもや背の低い家族が持て余します。共有用は65cm前後を1本、各自が通勤や通学で毎日持つ傘はそれぞれの数字に合わせて1本、と分けておくと、どちらの困りごとも減ります。
売り場で確かめる順番
最後に、売り場で長傘を選ぶときの順番をまとめておきます。比較のための目安なので、実際には自分の数字を優先してください。
| 順番 | 確かめること | 決まるもの |
|---|---|---|
| 1 | 肩幅(上着を着て)+荷物の張り出し+60cm | 親骨の長さ |
| 2 | 乗り物で立つ分数と歩く分数 | 60cmか65cmか |
| 3 | 手袋のまま指4本が曲がりに入るか | 持ち手の形 |
| 4 | 通勤路に風の通り道があるか | 骨の本数と素材 |
| 5 | 手袋のまま開いて留め具まで留められるか | 開き方 |
| 6 | 閉じて片手で先を浮かせて10秒持てるか | 重さの最終確認 |
色や柄は、この6つが決まってから選んでください。先に色や柄から入ると、気に入った柄の傘が小さすぎたり重すぎたりして、結局使わなくなることがあります。
まとめ:まず長さ、次に持ち方、最後に色
長傘の選び方は、次の順番で考えると迷いません。
まず、上着を着た肩幅と、荷物の張り出しを測り、60cmを足して、欲しい直径を出します。親骨の長さは、その直径をおよそ1.75で割った数字です。秋冬は上着と荷物の分だけ、薄着の季節より一段長い傘が合いやすくなります。
60cmと65cmで迷ったら、乗り物で立っている時間が長いなら60cm、歩く時間が長い、または片手がふさがる日が多いなら65cm。どちらにも当てはまるなら、65cmを選んで持ち手を軽くします。
持ち手は手袋のまま握れるか、骨は通勤路の風の強さ、開き方は手袋のまま開いて閉じられるかで決めます。色は最後に、帰り道の暗さとコートの明るさで選んでください。
傘は毎日使う道具なのに、柄で選んで大きさは売り場にあるもので済ませてしまいがちです。一度自分の数字を出しておくと、次に買い替えるときにも、その数字だけ持って売り場に行けば迷わずに済みます。
よくある問い
- Q. 長傘の親骨は何cmを選べばいいですか
- 肩幅に、荷物が体の横にはみ出す幅を足し、さらに60cmを足してください。それが開いたときに欲しい直径の目安です。親骨の長さはその直径をおよそ1.75で割った数字になります。手ぶらに近い通勤なら58〜60cm、肩掛けのトートを持つなら60〜65cm、リュックや大きな荷物を前後に持つなら65cm以上が目安です。
- Q. 大きい傘は持ち歩くのが大変ではありませんか
- 親骨が5cm長くなると、閉じたときの長さもおよそ5cm伸び、重さも少し増えます。乗り物の中で立って持つ時間が長い人は、長さより先に重さを確かめてください。片手で持って手首を返したときに、先が床から浮いたまま止められるかが、持て余さないかどうかの境目です。
- Q. ジャンプ式と手開き、秋冬はどちらがいいですか
- 手袋をしたまま開くことが多いなら、ジャンプ式のほうが楽です。ただし玄関先や駅の入り口など、人の近くで急に開く場面が多い人は、手開きのほうが周りに気を使わずに済みます。どちらでもよい人は、閉じるときに手袋のまま留め具を留められるかで決めてください。
- Q. 長傘と折りたたみ傘、どちらを持つべきですか
- 朝の時点で降っている日、または降水の予報が高い日は長傘、降るかどうか分からない日は折りたたみ傘が向きます。秋冬は雨に風が加わる日が多く、折りたたみ傘では荷物と足元まで覆いきれないことがあるので、出かける時点で降っているなら長傘を選んでください。
— メグラシ編集部





