雨の日に着ない方がいい服|素材・色・丈を、乾くまでの時間で分ける

**今日の雨の中、外を歩くのは合わせて何分ですか。**そして、着いた先で何時間座っていますか。
雨の日に着ない方がいい服は、「濡れる服」ではありません。傘を差していても、肩・袖口・裾はどうしても濡れます。困るのは、濡れたあと、着いた先で乾くまでに半日かかる服です。乾かないまま会議に出る、冷たい裾が脚に貼りついたまま電車に乗る。雨の日の後悔は、ほとんどがこの形でやってきます。
だから、決めるための数字は2つだけです。外を歩く合計の分数と、着いてから座っている時間。この2つが分かれば、ウールのニットも、綿のパンツも、レーヨンのブラウスも、着る日と着ない日に分けられます。
足元の靴は雨の日の靴 女性|秋雨の通勤は、濡れて歩く分数と職場の床で選ぶに、バッグは雨の日のバッグの選び方に分けてあります。ここでは服の素材・色・丈を扱います。
結論:着ない方がいいのは、着いた先で乾くまでに半日かかる服
先に答えを置きます。雨の日に外すのは、次の3つにひとつでも当てはまる服です。
- 綿の厚手で、裾や袖口が濡れる位置にある服(デニム、チノ、厚手のスウェット)
- 濡れたところだけ縮む、あるいは跡が残る素材の服(レーヨン、キュプラ、絹、麻の一部)
- 裾が地面から20cm以内にあり、色が白や明るいベージュの服
反対に、雨の日に困らないのは、ポリエステルやナイロンなどの化繊で、裾が地面から20cm以上離れていて、色が中間の濃さの服です。
ただし、これは「外を合わせて10分以上歩き、着いてから4時間以上座っている日」の答えです。歩くのが3分で、着いたらすぐ着替えられる日なら、ほとんどの服は着て構いません。どこで線を引くかは、次の2つの数字で決まります。
まず2つの数字を出す|外を歩く分数と、着いてから座る時間
家を出る前に、今日の予定を2つの数字に直してください。
ひとつ目は、外を歩く合計の分数です。家から駅まで、乗り換えの地上部分、駅から目的地まで。屋根のない区間だけを足します。地下でつながっている区間は数えません。
ふたつ目は、着いてから座っている時間です。職場に着いて昼まで机にいるなら4時間、打ち合わせで移動を繰り返すなら1時間ずつ、のように数えます。座っている間、濡れた服は乾くのを待つしかありません。
| 外を歩く合計 | 着いてから座る時間 | 外す服 |
|---|---|---|
| 5分以内 | 何時間でも | ほぼ外さなくてよい。白い裾と起毛の靴だけ避ける |
| 5〜10分 | 2時間以内 | 綿の厚手の裾と、レーヨン・絹の袖口を避ける |
| 5〜10分 | 4時間以上 | 綿の厚手・レーヨン・絹・明るい裾を外す |
| 10分を超える | 何時間でも | 化繊を中心に組む。ウールは上だけにする |
この表は比較の軸を示すためのものです。実際の線は、次の素材ごとの性質で少し動きます。
なお、雨の強さは分数を伸ばす方向に数えてください。傘が役に立たないほどの横なぐりの雨なら、5分の道でも10分歩いたのと同じくらい濡れます。風の強い日は1.5倍、横から吹き込む日は2倍を目安にすると、判断がずれにくくなります。
素材①|綿は、乾くのがいちばん遅い
雨の日にいちばん後悔しやすいのが綿です。デニム、チノパンツ、綿のシャツ、厚手のスウェット。普段いちばんよく着ている素材だからこそ、雨の日も何も考えずに手に取ってしまいます。
綿は水をよく吸い、一度吸った水をなかなか手放しません。デニムの裾が5cm濡れると、吸い上げた水がじわじわと上がり、着いた頃には裾から10cmほどが濃い色に変わっています。職場の室温で、厚手のデニムの裾が乾くまでには半日近くかかります。
困るのは濡れることそのものより、濡れた裾が脚に貼りつくことです。座っていると、冷たい布がずっとふくらはぎに当たっている状態になります。秋の雨でも、夕方には足首から冷えてきます。
綿のなかでも、薄手のシャツやブラウスは比較的早く乾きます。上に着る綿は、袖口が少し濡れても2〜3時間で戻ります。外すべきなのは、下に着る厚手の綿です。デニムとチノパンツ、厚手のスウェットパンツは、外を10分以上歩く日には別のものに替えてください。
どうしても綿のパンツをはきたい日は、裾を2回折って地面から20cm以上あけ、靴は甲が深いものを合わせます。裾が水はねの高さから外れれば、濡れる量は半分以下になります。
素材②|レーヨン・キュプラ・絹は、濡れた形のまま跡が残る
レーヨンやキュプラ、絹は、濡れると別の困り方をします。乾くのは綿より早いのですが、濡れたところだけが縮んだり、輪じみの跡が残ったりします。
とろみのあるブラウス、落ち感のあるワンピース、裏地にキュプラを使ったスカートやジャケット。きれいめの服に多い素材です。雨粒がひとつ落ちただけで、その部分だけ色が濃くなり、乾いたあとも輪の形が残ることがあります。
レーヨンは濡れると生地が弱くなり、乾くときに縮みやすい素材です。袖口が濡れたまま机に腕を置いていると、その部分だけ袖が短くなったように見えることがあります。絹は水じみがそのまま残りやすく、自宅で戻すのは難しくなります。
洗濯表示を見て、水洗いができない印が付いている服は、雨の日には外すのが安全です。どうしても着るなら、袖口と裾が外に出ない組み方にします。ブラウスなら上に化繊のジャケットを羽織り、袖口を少しだけ長くかぶせる。ワンピースなら、裾がひざ上で止まる丈のものを選び、上からコートで覆います。
裏地にキュプラが使われているスカートは、表地が化繊でも、裏地が濡れると縮んで表地を引きつれさせることがあります。裾からのぞく裏地が濡れていないか、帰ってから確かめてください。
素材③|ウールは、濡れても冷たくなりにくいが、重くなる
ウールは、雨の日に着てもいい素材と着ない方がいい素材の、ちょうど境目にあります。
ウールには、表面で水をはじく性質が少しあります。小雨なら、水滴はしばらく表面に乗ったまま、すぐには染み込みません。そして、繊維の中に水分を取り込んでも、表面がしっとり冷たく感じにくいのが特徴です。秋冬の冷たい雨の日、綿のパーカーより、ウールのニットの方が体は冷えにくいと言えます。
困るのは、本降りの日に水を含みきったときです。ウールのニットやコートは、水を吸うと重くなり、肩と裾の形が下に落ちます。ざっくり編みのニットなら、伸びた形のまま乾いてしまうこともあります。
だからウールは、外を合わせて15分以内の小雨の日なら着て構いません。本降りで、外を15分以上歩く日は、ニットの上に化繊の上着を重ねて、ウールが直接雨に当たらないようにします。コートなら、ウールのコートを休ませて、撥水の化繊のコートに替えてください。
濡れたウールを乾かすときは、厚みのあるハンガーに掛けて、暖房の風が直接当たらない場所に置きます。早く乾かそうとしてドライヤーを近づけると、表面の毛羽が寝たまま固まり、そこだけ光って見えるようになります。
素材④|ポリエステルとナイロンは、雨の日の基本になる
雨の日に困らない素材の筆頭は、ポリエステルとナイロンです。水を吸いにくく、表面に付いた水は手で払えば落ちます。室内なら1〜2時間で乾き、シワも残りにくい。座っている時間が長い日でも、形が崩れません。
雨の日の服を組むときは、まず下にはくものを化繊にしてください。パンツでもスカートでも構いません。上半身は傘で守られますが、下半身は傘の外に出ます。化繊のパンツを1本持っておくと、雨の日の朝の迷いがほとんどなくなります。
ただし、化繊にも気を付ける点がふたつあります。
ひとつ目は、薄手で明るい色の化繊です。濡れると肌に貼りつき、透けやすくなります。白やベージュの薄いブラウスは、雨で肩が濡れると下着の線が見えることがあります。選ぶときは、指でつまんで光にかざし、指の形が透けて見えないかを確かめてください。
ふたつ目は、静電気です。秋冬の乾いた室内では、化繊は脚にまとわりつきやすくなります。濡れているうちは起きませんが、乾いてから起こります。下にはく化繊のスカートは、裏地付きのものか、タイツと合わせても滑りのいいものを選ぶと落ち着きます。
混ざった素材は、多い方で数えて、綿が半分を超えたら綿として扱う
洗濯表示の素材の欄に、2つ以上の素材が並んでいることがあります。綿60%・ポリエステル40%、ウール70%・ナイロン30%、のような書き方です。
混ざった素材は、割合の多い方の性質が強く出ます。綿が半分を超えていれば、乾く速さは綿に近くなり、濡れた裾は脚に貼りつきます。ポリエステルが半分を超えていれば、水を吸う量が減り、乾くのも早くなります。
迷うのは、ちょうど半分ずつのときです。この場合は、綿やレーヨンのように「乾くのが遅い」「跡が残る」側の素材を基準にしてください。雨の日の判断は、困る側に合わせておく方が外れません。
ウールにナイロンが混ざったコートやニットは、ウールだけのものより形が崩れにくく、濡れても重さで下がる量が少なくなります。雨の多い季節にウールの羽織りを選ぶなら、化繊が2〜3割混ざったものの方が扱いやすいと覚えておくと便利です。
素材⑤|スエード・起毛・ベロアは、水の形がそのまま残る
スエードの靴、起毛したスカート、ベロアのパンツ、毛足のあるニット帽。表面に毛のある素材は、水の跡がそのまま残ります。
起毛は、毛の向きで色の見え方が変わる素材です。雨粒が当たると、その部分だけ毛が寝て、乾いたあとも濃い点や筋になって残ります。ブラシをかければ戻ることもありますが、戻らないことも多い素材です。
靴なら、スエードは雨の日に避けるのがいちばん確実です。撥水スプレーをかけていても、水たまりを踏めば染み込みます。起毛のスカートやパンツは、裾が水はねの高さに入るなら外し、上半身だけに使う形にしてください。
起毛のなかでも、合成の起毛素材は比較的強いものがあります。洗濯表示で水洗いができるものなら、跡が付いても家で戻せることがあります。表示を見て、水洗いができない印のものは雨の日に出さない、と決めておくと迷いません。
色|泥はねが目立つのは、白より明るいベージュ
雨の日の色は、どれだけ濡れるかではなく、乾いたあとに何が残るかで選びます。残るのは、泥はねの点と、水じみの輪です。
泥はねは、乾くと明るい茶色から灰色の点になります。この点がいちばん目立つのは、白、明るいベージュ、淡いグレー、パステルの色です。とくに明るいベージュは、点の色と地の色が近いぶん、近くで見ると汚れのように見えます。
逆に、黒もじつは泥はねが目立つ色です。乾いた泥は明るい灰色の点になるので、黒い裾には白っぽい点が浮きます。
雨の日にいちばん点が目立たないのは、中間の濃さの色です。濃紺、チャコールグレー、カーキ、焦げ茶、くすんだ緑。これらは、濡れたときの色の変化も目立ちにくく、乾いたあとの点も地の色に紛れます。
水じみの輪は、濡れると色が濃くなる素材ほど目立ちます。明るい色の綿やレーヨンは、濡れた部分だけ1〜2段濃く見えます。雨の日に明るい色を着るなら、濡れても色が変わりにくい化繊を選ぶと、乾く前でも目立ちません。
柄は、点を紛らわせる
無地より柄の方が、泥はねは目立ちません。細かいチェック、小さな千鳥格子、霜降りのように色が混ざった生地。地の色にもともと濃淡があるので、乾いた泥の点がその濃淡に紛れます。
柄を選ぶなら、柄の大きさが1cm以下の細かいものが向いています。大きな柄は、柄と柄の間に無地の面が広く残るので、そこに付いた点は無地と同じように見えます。
雨の日に明るい色のボトムをはきたいときは、無地のベージュより、ベージュに細かいチェックが入ったものを選ぶと、同じ明るさでも点が目立ちません。
濡れて色が変わるかは、裏の縫い代に水を1滴落として確かめる
手持ちの服が、濡れたときにどれくらい色が変わり、跡が残るかは、家で前もって確かめられます。
裾の裏側の縫い代や、脇の内側など、外から見えない場所に、指先で水を1滴だけ落としてください。そのまま5分ほど置いて、乾いたあとを見ます。
- 水が玉のまま乗っている:表面で水をはじく。雨の日に向いている
- すぐに染み込み、濃くなったが、乾いたら元に戻った:濡れると目立つが、跡は残らない
- 染み込んだまま、乾いたあとに輪の形が残った:雨の日には外す側
この確かめ方は、洗濯表示だけでは分からない、表面の加工や織り方の違いまで分かります。同じ綿でも、目の詰まった生地は水をはじき、ざっくりした生地はすぐ吸います。雨の季節の前に、よく着る服を数枚だけ試しておくと、朝の判断に迷わなくなります。
丈|歩いたときの水はねは、地面から20cm前後まで上がる
雨の日に濡れる高さは、ほぼ決まっています。歩いたときに靴が跳ね上げる水は、地面から20cm前後まで届きます。急いで歩いたり、水たまりを踏んだりすれば30cm近くまで上がることもあります。
自分の服の裾が、地面から何cmにあるかを測ってください。靴を履いて立ち、床から裾までをメジャーで測るだけです。
- 地面から10cm以内:くるぶし丈のワイドパンツ、フルレングスのパンツ、マキシ丈のスカート。ほぼ確実に濡れる
- 地面から10〜20cm:アンクル丈のパンツ、くるぶしが見えるロングスカート。水はねの高さの中にある
- 地面から20〜30cm:ふくらはぎの真ん中くらいのスカート、裾を折ったパンツ。急ぐと届く
- 地面から30cm以上:ひざ下丈のスカート、ひざ丈のスカート、ショートパンツ。ほぼ届かない
素材より先に、丈で外す服があります。地面から10cm以内の裾は、素材が化繊でも裾が濡れて重くなり、靴の中にまで水を運びます。外を10分以上歩く日は、裾の位置を20cm以上に上げるか、裾を靴の中に入れる形にしてください。
スカートの場合は、ふくらはぎの真ん中より上で止まる丈がいちばん濡れにくい、と覚えておくと便利です。ひざ下丈は、上半身と同じように傘で守られる範囲に入ります。
足元と裾の組み合わせ|裾を靴の外に出すか、中に入れるか
丈の次に効くのは、裾と靴の関係です。裾が靴の外にかぶさっていると、靴が跳ね上げた水がそのまま裾に当たります。裾が靴の中に入っていれば、水は靴の表面で止まります。
ショートブーツやレインブーツを履く日は、細めのパンツの裾を筒の中に入れてしまうのがいちばん濡れません。ワイドパンツで中に入れられないなら、裾を2回折って筒の上端より5cm以上高くし、筒と裾の間をあけます。裾が筒の口にかぶさると、裾を伝った水が筒の中に落ちるからです。
レインブーツとの合わせ方はレインブーツが寒いの記事にも書いていますが、秋冬は冷えも一緒に考える必要があります。筒の中に入れるなら、パンツの下にタイツを1枚はいておくと、濡れた裾が直接肌に当たりません。
パンプスやローファーのように甲が浅い靴の日は、裾を地面から20cm以上にしておくのが基本です。甲の浅い靴は、つま先で跳ねた水がそのまま足の甲と裾に向かいます。
どちらとも取れるとき①|歩くのは5〜10分で、乾かす場所があるか分からない
いちばん迷うのは、外を歩く時間が5〜10分の、ちょうど境目の日です。そして、着いた先でコートを掛けておける場所があるのか、暖房が効いているのか、行ってみないと分からない日。
この場合は、外す服を「下半身だけ」に絞ってください。上半身は傘でほぼ守られるので、ウールのニットでも綿のシャツでも、肩と袖口が少し濡れる程度で済みます。外すのは、地面から20cm以内にある綿の厚手の裾と、レーヨンや絹のスカートだけです。
迷ったときの線の引き方を、もう少し細かく置いておきます。
- 乾かす場所がありそうで、座る時間が2時間以内 → 普段どおりでよい。白い裾だけ避ける
- 乾かす場所がありそうで、座る時間が4時間以上 → 下を化繊に替える
- 乾かす場所がなさそう → 時間にかかわらず、下を化繊に替え、上は化繊の羽織りを足す
乾かす場所が分からないときは、ない方に寄せてください。ある前提で出かけて、なかったときの後悔の方が大きいからです。
もうひとつの手は、替えを1点持っていくことです。薄手の化繊のスカートや、たためるパンツなら、バッグの底に入ります。濡れたら着替えればいい、と分かっているだけで、朝の判断がずっと軽くなります。
どちらとも取れるとき②|予定があって、着たい服が「着ない方」にある
大事な打ち合わせ、会食、久しぶりに会う人との約束。着ていきたい服が、とろみのあるレーヨンのブラウスだったり、明るいベージュのロングスカートだったりする日があります。
この場合は、着る服を変えるのではなく、「移動の間だけ覆う」形にします。
上がレーヨンや絹のブラウスなら、化繊のジャケットかトレンチを羽織り、袖口を1〜2cm長くかぶせます。袖口さえ守れれば、肩はジャケットの下で濡れません。着いたら羽織りを脱げば、ブラウスはそのまま見せられます。
下が明るいロングスカートなら、移動の間だけ裾を短くする方法があります。ウエストのところで2〜3回折り返して、裾を地面から30cm以上に上げ、上からロング丈のコートで覆う。着いたら折り返しを戻します。裏地がない薄手のスカートなら、折り返してもほとんど跡は残りません。
どうしても覆えない服、たとえばスエードの靴や、裾が床につくほど長いスカートは、着替えを持っていく形にしてください。移動は化繊のパンツとレインブーツ、着いたら履き替える。少し手間ですが、雨の日に大事な服を守る方法としては、いちばん確実です。
どちらとも取れるとき③|朝は止んでいて、降り出しの時間が読めない
朝、外を見ると雨は止んでいる。でも予報では、午後から降ると言っている。帰りの時間に降っているかどうかは、出かける時点では分かりません。
この日は、帰りの移動を基準に決めてください。行きは乾いた道を歩けても、帰りに本降りなら、帰りの10分で裾も袖口も濡れます。濡れたまま家に帰るだけなら、着いた先で乾かす必要はありません。ここが行きとの違いです。
帰りに濡れるだけなら、外すのは「濡れたら跡が残る服」だけで足ります。綿の厚手は、帰りに濡れても家で乾かせばいいので、着ていって構いません。外すのは、レーヨンや絹、起毛の素材、スエードの靴です。濡れた形のまま乾いて跡が残るのは、家に着いてからでは戻せないからです。
帰りが遅い時間になるなら、冷えも考えます。秋の夕方の雨は、昼より気温が3〜5度下がっていることが多く、濡れた服は体温を奪います。羽織りを1枚バッグに入れておくか、首に巻けるストールを持っておくと、帰りの濡れた体を守れます。
秋冬の雨で変わること|濡れた服は、気温より体を冷やす
夏の雨なら、濡れても体はそれほど冷えません。秋冬の雨は違います。同じだけ濡れても、気温が低い日は、濡れた服が体温をどんどん奪っていきます。冬の冷たい雨の日の組み方は冬の雨の日の服装に分けてありますが、秋の雨でも考え方は同じです。
秋冬の雨の日に、とくに外したいのは2つです。
ひとつ目は、濡れた綿が肌に直接当たる組み方です。綿のパンツを素足ではく、綿のTシャツ1枚の上にコートを羽織る。綿は濡れると冷たさを長く保つので、肌に直接触れていると、着いてからもずっと冷えが続きます。
ふたつ目は、足首とすねが出る丈です。アンクル丈のパンツやくるぶし丈の靴下は、雨の日にはいちばん冷える場所を外に出すことになります。秋冬の雨の日は、タイツか厚手の靴下で、足首からすねまでを覆ってください。
逆に、秋冬の雨の日に頼りになるのは、ウールを内側、化繊を外側に置く重ね方です。ウールのニットの上に、撥水の化繊のコートを重ねる。ウールは濡れても冷たく感じにくく、化繊は表面で雨を止めます。この順番なら、外を15分以上歩く日でも、着いてから体が冷えません。
50代の方の秋雨の組み方は雨の日コーデ 50代にもまとめてあります。
自転車や子どもの送り迎えの日は、上下とも化繊にする
自転車に乗る日、子どもを送り迎えする日は、歩くだけの日とは濡れ方が違います。自転車では、太ももの前と、ひざから下が正面から雨を受けます。子どもの手を引いて歩く日は、片手がふさがるので、傘が体の片側にしか届きません。
この日は、外を歩く時間が短くても、上下とも化繊にしてください。ウールのニットは、自転車の前傾姿勢で背中の裾がずり上がり、腰まわりが濡れます。上に化繊の羽織りを着て、腰まで覆う丈のものを選ぶと、背中から雨が入りません。
レインコートを上に着る日は、中の服の素材はそれほど問わなくなります。ただし、レインコートの裾から出る部分、つまりひざから下は濡れます。下は化繊のパンツにするか、レインコートの丈をひざ下まであるものにしてください。送り迎えの日の組み方は雨の日の自転車送迎にまとめてあります。
濡れてしまったら|着いた先での応急
どれだけ考えても、濡れる日はあります。着いた先でできることを、素材ごとに置いておきます。
綿のパンツの裾が濡れたら、ハンカチやタオルで上から押さえて、水分を移してください。こすると繊維が毛羽立ちます。押さえたあと、裾を1回折り上げて脚から離しておくと、乾くのが少し早くなり、冷えも和らぎます。
レーヨンや絹が濡れたら、乾いた布で水分を吸い取るだけにして、そのまま触らないでください。濡れているうちに伸ばしたり、こすったりすると、輪じみが広がります。帰ってから、洗濯表示に合わせて手入れをします。
ウールのコートやニットが濡れたら、厚みのあるハンガーに掛けて、形を整えてから乾かします。椅子の背に掛けると、肩の形がそのまま椅子の形に崩れます。
泥はねが付いたら、濡れているうちには触らず、乾いてからブラシで払ってください。濡れた泥をこすると、繊維の奥に入り込んで落ちにくくなります。乾いた泥は表面に乗っているだけなので、ブラシで払えばほとんど落ちます。
朝の判定を30秒で|3つの質問
最後に、雨の日の朝に服を選ぶ手順を、3つの質問にまとめます。
- 外を歩く合計は10分を超えるか。超えるなら、下にはくものを化繊にする
- 着いてから4時間以上座るか、乾かす場所がなさそうか。どちらかなら、綿の厚手とレーヨン・絹を外す
- 裾は地面から20cm以上あるか。ないなら、丈を上げるか、裾を靴の中に入れる
3つとも「いいえ」なら、普段どおりの服で出かけて構いません。ひとつでも「はい」があれば、その質問の答えに合わせて1か所だけ替えます。全部を替える必要はありません。
雨の日の服は、新しく買い足すより、手持ちの中で「雨の日に出す1本」を決めておく方が楽になります。化繊のパンツを1本、撥水の羽織りを1枚。この2つが決まっていれば、雨の朝に迷うのは上半身だけになります。
雨の日に出す服を、手持ちの中から先に決めておく
雨の日の朝に迷う時間を減らすには、手持ちの中から「雨の日に出す服」を先に決めておくのがいちばんです。新しく買う必要はありません。
クローゼットを開けて、次の3つを1つずつ選んでください。
- 下にはく化繊のもの:パンツでもスカートでもよい。地面から20cm以上の裾で、中間の濃さの色
- 上に羽織る化繊のもの:腰まで覆う丈で、袖口が手首までかぶさるもの
- 足元:甲が深く、水を跳ね上げにくい靴
この3つを決めたら、クローゼットの同じ場所にまとめておきます。雨の朝は、そこから3つを取り出して、上半身だけ選べば済みます。
手持ちに化繊のボトムが1本もないなら、それが雨の日のためにいちばん先に足す1本です。色は濃紺かチャコールグレー、形は自分がいちばんよくはく形と同じものにしてください。いつもと同じ形なら、雨の日だけ違う服を着ている感じがしません。
関連記事
よくある問い
- Q. 雨の日にデニムをはくのはやめた方がいいですか
- 外を歩くのが合わせて10分を超える日、または着いてから乾かす場所がない日はやめた方が楽です。綿の厚手は水を吸うと重くなり、裾から10cmほど濃く変わったまま、職場の室温でも乾くまでに半日近くかかります。逆に、駅まで5分で電車の中が長い日なら、裾を2回折って地面から20cm以上あけておけば、はいて出ても困りません。濡れた裾は脚に貼りつくので、秋冬はとくに冷えます。迷う日は、同じ形の化繊のパンツに替えるのがいちばん確実です。
- Q. ウールのコートは雨の日に着てもいいですか
- 小雨で、外にいるのが合わせて15分以内なら着て構いません。ウールは表面で水をはじく力が少しあり、濡れても冷たく感じにくい素材です。困るのは本降りの日で、水を含んで重くなり、肩と裾の形が下がります。着いたら厚みのあるハンガーに掛け、暖房の風が直接当たらない場所で乾かしてください。乾く前にブラシをかけたり、ドライヤーを近づけたりすると表面の毛羽が寝たまま固まります。本降りの日が続く季節は、撥水の化繊のコートを1枚持っておくと、ウールを休ませられます。
- Q. 雨の日に白い服を着たいときはどうすればいいですか
- 白そのものより、白い裾が地面から20cm以内にあるかを先に見てください。上が白いシャツやニットで、下が地面から離れた濃い色なら、泥はねはほとんど上まで届きません。白いパンツや白いロングスカートは、裾に茶色い点が残るので、外を歩く日は避けた方が無難です。どうしても下に白を持ってくるなら、くるぶしより上の丈にして、靴は甲が深く水を跳ね上げにくいものを選びます。帰ってから点が残っていたら、乾いてからブラシで払うと落ちやすいです。濡れているうちにこすると広がります。
- Q. 雨の日に着ていく素材で、いちばん困らないのは何ですか
- ポリエステルとナイロンです。水を吸いにくく、表面に付いた水は払えば落ち、室内で1〜2時間あれば乾きます。シワも残りにくいので、座っている時間が長い日でも形が崩れません。気を付けるのは、薄くて明るい色の化繊です。濡れると肌に貼りついて透けやすく、白やベージュの薄手のブラウスでは下着の線が出ることがあります。化繊を選ぶときは、指でつまんで光にかざし、指の形が透けて見えないかを確かめてください。
— メグラシ編集部





