40代 ファッション 秋冬|去年の服が合わない日は首元の開きで直す

**去年の秋に着ていたニットを、いま1枚出して鏡の前で着てみてください。**顔がなんとなく沈んで見える、首まわりが窮屈に見える、どこか野暮ったい。そう感じたなら、直す場所はたいてい服全体ではなく、顔のすぐ下の数センチです。
40代の秋冬の装いで最初に見直すのは、首元の開きです。鎖骨のくぼみから襟ぐりまでが指2本より詰まっているなら、そこから直してください。肩線と顔の下の色はその次で、3か所のうちずれているのが1か所だけなら、服を買い替えなくても手持ちのまま着られます。
この記事では、鏡と自分の指だけで3か所を測る方法と、どちらとも取れるときの決め方を順に書いていきます。年代ごとの考え方は60代の秋冬は上着の重さで選び直すや20代の秋冬は色を3つに絞るでも扱っていますが、40代は「重さ」でも「色の数」でもなく、首元から始めるのがいちばん早く効きます。
結論:40代の秋冬は、顔から手のひら1枚ぶん下だけを見直す
40代になって服が合わなくなったと感じたとき、多くの人はまず服の形や流行を疑います。けれども実際に鏡の前で見比べてみると、腰から下は去年と同じでも違和感はほとんど出ません。違和感が集まっているのは、顔のすぐ下から胸元までの範囲です。
目安は、あごの下に手のひらを横にして当てたとき、その手のひら1枚ぶん下までの範囲です。ここには首元の開き、肩の縫い目、顔のすぐ下に来る布の色と毛足がすべて入っています。人と向かい合ったとき、相手の目がいちばん長く止まるのもこの範囲です。
秋冬は、この範囲に布が集まる季節です。ニットは厚くなり、襟は高くなり、コートやストールまで重なります。夏のあいだは気にならなかった首元の詰まりが、気温が下がった途端に一気に目立つのはそのためです。
だから、40代の秋冬は全身を見直す必要はありません。顔から手のひら1枚ぶん下の範囲で、ずれている場所を1つ見つけて直す。それだけで、去年の服の大半はまだ着られます。
まず測る:鏡の前で指を当てる3か所
測るのは3か所だけです。明るい窓辺か、昼白色の照明の下で、正面から鏡に向かって立ってください。服はいつも着ているニットかカットソーで、上着はまだ着ません。
1か所めは首元の開きです。鎖骨の内側の端、首の付け根にある小さなくぼみに人差し指を置きます。そこから下に向かって指を何本並べると襟ぐりの縁に届くかを数えます。指が1本も入らない、つまり襟ぐりがくぼみを覆っているなら「詰まっている」側です。
2か所めは肩線です。肩のいちばん外側の骨の出っ張り、いわゆる肩先を指で探してください。そこから服の肩の縫い目がどれだけ外側、または内側にあるかを見ます。肩先とほぼ同じ位置なら標準で、外に2センチを超えて落ちているなら「落ちている」側です。
3か所めは顔のすぐ下の色です。鏡から1歩離れて、顔と、顔のすぐ下にある布の色を同時に見ます。布の色が顔の肌より明らかに暗いか、明らかに明るいか、近いかの3つで判断します。
この3か所を紙に書き出しておくと、あとで直す順番が決めやすくなります。3か所すべてが標準に収まっているのに違和感があるなら、原因はこの範囲の外、たとえば丈や靴にある可能性が高いと考えてください。
首元の開き:指2本より詰まっていたら、まずそこを疑う
3か所のなかで、いちばん先に疑うのは首元です。鎖骨のくぼみから襟ぐりまでの開きが指2本より少ないと、顔から胸元までがひと続きの面に見えやすくなります。顔の下に余白がなくなるぶん、顔そのものが大きく、重く見えるのです。
指2本から3本の開きがあると、首の付け根がわずかに見えて、顔と服の境目がはっきりします。仕事の日の装いとしても違和感がなく、40代の秋冬でいちばん使いやすい幅です。
指4本以上になると、鎖骨の線がしっかり見えてきます。休みの日や、華やかさを足したい日には向いていますが、秋冬は寒さが気になって中に何かを重ねたくなる開きでもあります。重ねるなら、襟ぐりから見えるインナーの色を顔に近い明るさにしておくと、開きの効果が残ります。
開きの形も見ておきましょう。丸首でも、首に沿ってぴったり詰まった丸首と、少し横に広がった丸首では、同じ指の本数でも印象が違います。横に広がっているほうが、同じ開きでも顔の下の余白が広く見えます。開きの形の名前や違いはネックラインの形にまとめてありますが、ここで大事なのは名前より、指で測った深さと横幅です。
去年まで気にならなかったのに今年は詰まって見える、という場合もよくあります。ニットは洗うたびに首まわりが少しずつ縮み、編み地が詰まっていきます。購入したときは指2本あった開きが、何度か洗ううちに指1本になっていることは珍しくありません。
反対に、首まわりのリブが伸びて開きが広がりすぎていることもあります。襟ぐりの縁が波打っていたり、前かがみになると胸元が大きく浮いたりするなら、伸びている側です。この場合は開きの深さより、縁の形が崩れていることのほうが目立つので、中にインナーを重ねて縁の内側を埋めると落ち着きます。
測った開きは、ニット1枚ごとに覚えておく必要はありません。手持ちのなかでいちばん気に入っている1枚の開きを基準にして、ほかの服はそれより深いか浅いかだけを見れば十分です。基準の1枚が指2本半なら、それより浅い服はインナーで調整する、それより深い服はそのまま着る、と分けていけます。
首の詰まったニットを着たいとき:タートルとハイネック
秋冬に首元を詰める服を避ける必要はありません。寒さを考えれば、タートルやハイネックは手放しにくい形です。問題になるのは、首に沿う部分の高さと厚みが、顔の下の余白を食いすぎているときだけです。
首に沿う部分を、あごの下から指で測ってください。折り返したあとの高さが指3本を超えると、あごのすぐ下まで布が来て、顔と服のあいだに余白がほとんどなくなります。指2本くらいまでなら、首の一部が隠れるだけで顔の下に少し空間が残ります。
高さが指3本を超えるタートルを着るときは、3つの方法のどれかで調整します。1つめは、折り返しを1回増やして高さを下げることです。2つめは、首に沿う部分の色を顔の肌に近い明るさにすることで、色の境目があごから離れて見えます。3つめは、髪をまとめて耳の下から首までを見せ、縦の余白をつくることです。
厚みも見ておきましょう。指でつまんだとき、首に沿う部分の布が1センチを超えるような厚手だと、高さが同じでも首まわりが太く見えます。厚手のタートルを着たい日は、首に沿う部分が薄手で、身頃だけが厚い形を選ぶと、首元の詰まりは目立ちにくくなります。
肩線:肩先から外へ2センチを超えると、上半身が大きく見える
2か所めの肩線は、秋冬のニットで特にずれやすい場所です。ゆったりしたニットは肩の縫い目が肩先より外に落ちる作りが多く、着たときに上半身が横に広がって見えます。
肩先から外へ2センチまでなら、ほとんど違和感はありません。2センチを超えて4センチくらいまで落ちると、上半身がひとまわり大きく見え始めます。4センチを超えると、肩から腕にかけての線がなだらかになり、全体が丸い印象に寄っていきます。
この丸い印象を「やわらかくていい」と感じるか「もたついている」と感じるかは、首元の開きとの組み合わせで決まります。肩線が落ちていても首元が指2本以上開いていれば、顔の下に余白があるので上半身は大きく見えにくくなります。逆に肩線が落ちていて首元も詰まっていると、顔の下から肩までがひとつの大きな面になってしまいます。
つまり、肩線が落ちたニットを着るなら、首元の開きで釣り合いを取ればよいのです。肩線を直すのは手間がかかりますが、首元はインナーや巻き物でいくらでも調整できます。
反対に、肩線が肩先より内側にある服もあります。肩の縫い目が肩先から内へ1センチ以上入っていると、腕を動かすたびに縫い目が引っ張られ、肩まわりが窮屈に見えます。秋冬は厚手のインナーを重ねる日が多いので、夏には問題なかったカットソーでも、中に1枚重ねただけで肩線が内側に寄ってしまうことがあります。
肩線を測るときは、腕を下ろした状態だけでなく、前に腕を伸ばした状態でも見てください。腕を伸ばしたときに背中の布が突っ張り、肩の縫い目が肩先より内側へ引き込まれるなら、その服は中に重ねる枚数を減らすか、ひとまわりゆとりのある服の中に着る側に回すほうが楽に過ごせます。
肩線のずれは、横から見るとさらにわかりやすくなります。鏡に対して体を横に向け、肩の縫い目が腕の付け根のどこに来ているかを見てください。前に寄っているなら、肩が前に入って見え、背中が丸く見えやすくなります。この場合も、首元を開けて縦の余白をつくると、横から見たときの印象がすっきりします。
肩線のずれは、コートを重ねたときにも問題になります。ニットの肩が落ちていると、コートの袖の付け根にニットの布がたまり、腕が動かしにくくなります。袖の形とコートの関係は袖の名前は付け根と一番太い場所で覚えるでくわしく扱っています。
色:顔のすぐ下に来る色の明るさをそろえる
3か所めは、顔のすぐ下に来る色です。ここで見るのは色味より、明るさです。顔の肌の明るさと、顔の下にある布の明るさがどれくらい離れているかを見てください。
秋冬は、黒、こげ茶、濃いグレー、深い緑のような暗い色が増える季節です。暗い色そのものが悪いわけではありません。ただ、顔のすぐ下に大きな面で暗い色が来ると、あごの下に影が落ちたように見え、顔の色が沈んで見えやすくなります。
確かめ方は簡単です。鏡から1歩離れて、目を細めてください。顔と服の境目がくっきりしすぎていて、服の暗さに目が引っ張られるなら、明るさが離れすぎています。境目がぼやけて顔と服が溶け合って見えるなら、明るさが近すぎます。境目は見えるけれど、目が自然に顔のほうへ戻ってくるのがちょうどよい距離です。
暗い色のニットをそのまま着たいときは、首元に明るい色を1枚はさみます。白やアイボリーのインナーを襟ぐりから指1本ぶん見せるだけで、顔の下に明るい線ができ、影が切れます。この方法は、首元が詰まっている服には使えないので、ここでも首元の開きが先に効いてきます。
色の選び方をもっと詳しく知りたい場合は、パーソナルカラーの考え方も参考になりますが、明るさの距離だけなら、鏡と目を細める方法で十分に判断できます。
明るい色の側にも注意があります。真っ白や、蛍光がかったような明るいニットを顔のすぐ下に大きな面で持ってくると、今度は布のほうが光を跳ね返しすぎて、顔の色が相対的に暗く見えることがあります。白を着たいときは、真っ白より少し黄みやグレーの入った白、たとえば生成りやオフホワイトを選ぶと、顔との明るさの距離が近づきます。
柄物も同じ考え方で見られます。細かいボーダーやチェックが顔のすぐ下にある場合は、柄の中でいちばん多く使われている色の明るさで判断してください。柄が大きく、明るい部分と暗い部分がはっきり分かれているなら、襟ぐりのすぐ下に来るのがどちらの色かで見え方が変わります。鏡の前で、襟ぐりの位置に来る柄を左右にずらしてみると違いがわかります。
素材の毛足:起毛の面が顔に近いほど影が増える
色と並んで、秋冬に見落としやすいのが毛足です。モヘアやアンゴラのような毛足の長いニット、起毛したフランネルやボア、フリースの面は、表面に細かい影ができます。
この影は、顔から遠い場所にあれば立体感として働きます。ところが首元や胸元のように顔のすぐ下にあると、細かい影が顔の下に集まり、くすんだ印象をつくります。
確かめ方は、ニットの表面に指を当てて、毛がどれくらい立ち上がっているかを見ることです。指の腹に毛先が触れるくらい、目安として5ミリを超える毛足があるなら、顔の近くでは影が出やすい素材だと考えてください。
毛足の長いニットを着たいときは、首元だけ毛足の少ない布がくるように重ねます。たとえば薄手のなめらかなカットソーを中に着て、襟ぐりから指1本ぶんだけ見せると、顔のすぐ下は影の少ない面になります。あるいは毛足の長いニットはカーディガンにして、首元は中の服に任せる方法もあります。
どちらとも取れるとき① 首元を開けたいけれど、寒い
ここからは、測った結果がどちらとも取れるときの決め方です。いちばん多いのは、首元は開けたほうがいいとわかっていても、寒くて開けられないという場合です。
まず、寒さを感じているのが首そのものなのか、胸元なのかを分けて考えてください。首の付け根が冷えるなら、首に沿う薄手のインナーを1枚重ね、その上に開いたニットを着ます。インナーの首元は顔に近い明るさにして、高さは指2本までにとどめます。こうすると首は温かく、見た目には開きが残ります。
胸元が冷えるなら、首元は開けたまま、胸から下に厚みを持たせます。中に薄手の保温インナーを着る、ニットの上にベストを重ねるなど、首から手のひら1枚ぶん下の範囲には布を増やさないのがコツです。
屋外では、巻き物で調整します。ストールやマフラーは外で巻き、室内に入ったら外すと決めておくと、日中のほとんどの時間は首元が開いた状態になります。室内で外す前提なら、巻き物の色は顔に近い明るさでなくてもかまいません。
迷ったときは、その日いちばん長くいる場所で決めてください。屋外で過ごす時間が長いなら首に布を足し、室内が長いなら開きを優先する。オフィスカジュアルは席と外の温度差で重ねるでも同じ考え方を書いていますが、40代の秋冬は「一日のうちどこにいる時間が長いか」で首元を決めると、迷いが少なくなります。
どちらとも取れるとき② 首が短いのか長いのか、自分ではわからない
首元を考えるとき、「自分は首が短いから詰まった服は避けたほうがいい」「首が長いからタートルが合う」という話をよく聞きます。けれども、自分の首がどちらなのかは、鏡を見てもなかなか判断がつきません。
ここでは首の長さを決めつける必要はありません。代わりに、あごの下から鎖骨のくぼみまでの距離を、指を横に並べて数えてください。指4本前後なら、多くの人が収まる中間の幅です。この場合は、ここまで書いてきた指2本の目安がそのまま使えます。
指5本以上あるなら、首元が詰まった服でも顔の下に余白が残りやすいので、タートルやハイネックを選んでも窮屈には見えにくくなります。指3本以下なら、首に沿う布が少し高いだけで余白がなくなるので、開きの目安を指3本に上げると落ち着きます。
ただし、この数字はあくまで目安です。同じ距離でも、肩の傾きや髪の長さで見え方は変わります。髪を下ろしている日は首のまわりに髪がかかるぶん余白が減るので、まとめている日より開きを1本ぶん多めにしてください。
それでも決められないときは、同じ服を、髪を下ろした状態とまとめた状態で2回着て、写真に撮って見比べてください。鏡より写真のほうが、首元の詰まりははっきり見えます。
写真を撮るときは、スマートフォンを顔の高さに構え、腕を伸ばした自撮りではなく、棚や台に置いて1メートル半ほど離れた位置から撮ってください。近くから撮ると、レンズに近い顔が大きく写り、首元の余白が実際より狭く見えてしまいます。離れた位置から、正面と斜め前の2枚を撮れば、人と向かい合ったときに近い見え方になります。
撮った写真は、その場で見比べるより、少し時間をおいてから見るほうが判断しやすくなります。着た直後は服の着心地や気分に引っ張られますが、時間をおくと、首元の詰まりや色の沈みだけを落ち着いて見られます。2枚の写真を並べて、目が自然に顔へ向かうほうを、その服のいつもの着方にしてください。
同じ方法は、インナーの色を比べるときにも使えます。白、生成り、薄いグレーなど、手持ちのインナーを1枚ずつ重ねて同じ位置から撮れば、顔の下に来る色の明るさの違いが写真の上ではっきり並びます。
どちらとも取れるとき③ 3か所のうち2か所がずれている
3か所を測った結果、首元と肩線、あるいは首元と色のように、2か所がずれていることもあります。この場合、直す順番を決めておかないと、あれこれ重ねすぎて余計にもたつきます。
順番は、首元、色、肩線の順です。首元はインナーや巻き物ですぐに直せ、効き目も大きいので最初に手をつけます。色は首元が開けば、襟ぐりから明るい布を見せることで調整できます。肩線は服そのものの作りなので、ほかの2か所で釣り合いを取ってから、それでも気になるときだけ考えます。
首元と色を直しても、まだ上半身が大きく見えるなら、そのニットは肩線のずれが大きすぎる可能性があります。肩先から4センチ以上落ちているなら、ニットを単体で着る日は減らし、ジャケットやコートの中に着る日に回すと、肩の落ちが外から見えなくなります。
3か所すべてがずれているなら、そのニットは手放す候補です。ただし、すぐに処分するより、ひとシーズン、家の中や近所に出かける日に着てみてください。気にならないなら残し、毎回気になるなら手放す。それで十分です。
コートを着た状態でもう一度見る
ニット単体で整えたら、上にコートを着た状態でもう一度鏡を見てください。秋冬は、外にいるあいだの見た目のほとんどがコートの襟元で決まります。
コートの襟の形によって、中のニットの首元がどう見えるかが変わります。テーラードの襟やノーカラーのように、胸元がV字や丸く開くコートなら、中のニットの首元がそのまま見えます。スタンドカラーやフードつきのように首まわりを覆うコートなら、中のニットの首元はほとんど見えず、コートの襟が首元の役割を担います。
ここで多いのが、首元の詰まったニットに、首まわりを覆うコートを重ねてしまう組み合わせです。首から胸元まで布が二重三重になり、顔の下の余白がまったくなくなります。首まわりを覆うコートを着る日は、中のニットを開いた首元にして、布の層を1枚減らしてください。
コートの丈や、ジャケットとの重ね方についてはジャケットの丈はコートの中に収まるかで決めるにも書いています。首元の考え方は、ジャケットを中に着る日にもそのまま使えます。
仕事の日と休みの日で、開きを変えてよい
首元の開きは、毎日同じである必要はありません。仕事の日と休みの日で目安を変えておくと、服を選ぶ時間が短くなります。
仕事の日は、指2本から3本の開きを基準にします。この幅なら、会議で人と向かい合っても、きちんとした印象を保ちながら顔の下に余白が残ります。開きが深い服を着たい日は、中に薄手のカットソーを重ねて、見える開きを指3本までに抑えてください。
休みの日は、指4本以上の開きや、横に広いボートネックも選べます。家族や友人と会う日は、少し開きを広げるだけで、同じニットでも雰囲気が軽くなります。
人前で話す日や、写真を撮る予定がある日は、首元の開きと色を特に丁寧に確かめてください。離れた場所から見られる日は、首元の余白が顔の印象を大きく左右します。前日の夜に、着る予定の服を着て、2メートルほど離れた鏡で見ておくと安心です。
手持ちの服で1週間試してから、買い足しを決める
3か所の測り方がわかったら、すぐに買いに行く前に、手持ちの服で1週間だけ試してください。月曜から金曜までの5日間、毎朝出かける前に鏡の前で首元・肩線・色の3か所を確かめ、その日の組み合わせをメモしておきます。
メモに残すのは、着たニットやカットソー、中に重ねたインナー、首元の開きが指何本だったか、そして一日を過ごして気になったかどうかだけです。夜に「今日は首まわりが気にならなかった」「午後になって顔が沈んで見えた」と一言添えておくと、あとで見返したときに傾向がはっきりします。
5日分のメモを並べると、気にならなかった日に共通する条件が見えてきます。たとえば、指2本以上開いていた日はすべて気にならなかった、白いインナーを指1本ぶん見せた日は顔が明るく見えた、というようにです。逆に、気になった日に共通する条件もわかります。
この1週間で、手持ちのインナーや巻き物だけで直せる服と、どうしても直せない服が分かれます。直せない服が2枚以上あり、しかも同じ理由、たとえば首に沿う部分が高すぎるといった理由で外れているなら、その条件を避けた1枚を買い足せばよいということになります。
買い足すものが決まっていると、売り場で迷う時間はぐっと短くなります。なんとなく似合いそうな服を探すのではなく、「指3本開いていて、肩線が肩先から2センチ以内で、明るい色のニット」と条件を持って探せるからです。
売り場で新しく買うときに見る順番
手持ちの服を直しても足りないときは、新しく買い足すことになります。そのときも、売り場で見る順番を決めておくと、迷う時間が減ります。
最初に見るのは、首元の開きです。試着室に入ったら、まず鎖骨のくぼみに指を当てて、襟ぐりまで何本入るかを数えます。仕事で着るなら指2本から3本、休みの日用なら指4本以上が目安です。
次に肩線を見ます。肩先から外へ2センチ以内に縫い目が来ているかを、指で確かめてください。ゆったりした形を選ぶなら、首元が開いているものを優先します。
最後に、顔のすぐ下の色と毛足です。試着室の照明は売り場の照明より暖かい色のことが多いので、可能なら売り場の明るい場所に出て、鏡から1歩離れて見てください。毛足の長い素材なら、首元に毛足の少ないインナーを重ねる前提で選ぶか、カーディガンの形を選びます。
通販で買う場合は、商品ページの寸法表に「首まわり」や「襟ぐり」の数値があれば、手持ちのちょうどよい服と比べてください。数値がない場合は、着用画像で鎖骨がどれくらい見えているかを確かめると、おおよその開きがわかります。
30代までの服から、40代の秋冬で変えるところ
30代までに選んでいた秋冬服と比べて、40代で変えるところは多くありません。変えるのは、顔から手のひら1枚ぶん下の範囲の3か所だけで、腰から下や靴、バッグまで一度に変える必要はありません。
30代までは、首元の詰まったニットやタートルを単体で着ても気にならなかった人が多いはずです。40代になると、同じ服でも首元の詰まりを感じやすくなります。だからといってタートルを手放すのではなく、高さを指2本までに下げる、首に沿う部分の色を明るくする、といった小さな調整で十分に着続けられます。
肩線の落ちた大きめのニットも、30代までは気軽に着られた形かもしれません。40代でも着られますが、首元を開ける、ジャケットの中に着るといった釣り合いの取り方を覚えておくと、もたついた印象を避けられます。
50代、60代と年齢を重ねても、この3か所の考え方は変わりません。変わるのは、重さや体の動かしやすさといった別の軸が加わることです。60代の装いでは上着の重さを軸に考えますが、40代はまだ、首元から整えるのがいちばん早く効く年代です。
まとめ
去年の服が合わないと感じた40代の秋冬は、全部を買い替える前に、顔から手のひら1枚ぶん下の範囲だけを見直してください。
測るのは3か所です。鎖骨のくぼみから襟ぐりまでの開きが指2本より詰まっていないか。肩の縫い目が肩先から外へ2センチを超えて落ちていないか。顔のすぐ下に来る色の明るさが、顔と離れすぎたり近すぎたりしていないか。
ずれているのが1か所なら、その1か所だけを直します。2か所なら、首元、色、肩線の順に手をつけます。3か所すべてずれているときに、初めて手放す候補にします。
首元はインナーや巻き物ですぐに調整できる場所です。寒い日でも、首に沿う薄手のインナーを使えば開きは残せます。仕事の日は指2本から3本、休みの日は指4本以上と決めておけば、毎朝の迷いも減ります。
まずは明日の朝、いちばん着る予定のニットを1枚選んで、鎖骨のくぼみに指を当ててみてください。そこから、今年の秋冬の装いの直し方が見えてきます。
よくある問い
- Q. 40代になって、去年まで似合っていたニットが急に似合わなくなりました。捨てたほうがいいですか
- 捨てる前に、鏡の前で3か所を測ってください。鎖骨のくぼみから襟ぐりまでの距離、肩の縫い目が肩先からどれだけ外に落ちているか、顔のすぐ下に来る色の明るさです。ずれているのが1か所だけなら、インナーや巻き物でその1か所を直せば、そのニットはまだ着られます。2か所以上ずれているときに、初めて手放す候補にしてください。
- Q. 首元を開けると寒くて、秋冬は結局タートルばかりになります
- タートルをやめる必要はありません。首に沿う高さが指3本以上ある厚手のタートルなら、顔の下の色を明るめにするか、襟を折り返して高さを指2本ぶんまで下げると、首元の詰まりが和らぎます。寒い日は開いた襟ぐりのニットの下に薄手のタートルを重ね、顔のすぐ下の色だけを明るくする方法もあります。
- Q. アラフォーで、若い頃の服とどこから変えればいいのかわかりません
- 全部を変えようとすると、手持ちの服のほとんどが候補から外れてしまいます。まずは顔から手のひら1枚ぶん下までの範囲、つまり首元・肩・胸元だけを見直してください。腰から下は去年と同じでも、上の範囲が整うと全体の印象が変わります。
- Q. 仕事の日と休みの日で、首元の開きを変えたほうがいいですか
- 変えてかまいません。仕事の日は指2本から3本の開きにして、きちんとした印象を保ちます。休みの日は指4本以上の開きや、ボートネックのような横に広い形も選べます。同じニットでも、中に重ねるものを変えるだけで開きの見え方は調整できます。
— メグラシ編集部





