オフィスカジュアル レディース|リュック通勤は肩と背中の跡で服を選ぶ

**今朝の荷物を、いちど体重計に載せてみてください。**ノートパソコン、充電器、水筒、お弁当、折りたたみ傘。合わせて3kgを超えていたら、あなたがリュックで通勤するのは自然な選択です。
ただ、リュックの日に困るのは、背負っているあいだではありません。職場に着いてリュックを下ろした、その瞬間の姿です。肩ひもの跡でブラウスの肩がつぶれている、背中だけ横じわが寄っている、カーディガンの裾が片側だけめくれ上がっている。本人は鏡の前に立つまで気づかず、周りの人は先に気づきます。
この記事の答えは1つです。リュックの日は、服を「肩・背中・裾」の3か所で選び分けます。どれを外すかは、荷物の重さと背負っている分数で決まります。
オフィスカジュアルの線引きそのもの(どこまでがきちんとして見えるか)はオフィスカジュアルの基本に分けてあります。ここでは、その線の内側にある服のうち、リュックの日に何を選ぶかだけを扱います。
結論:リュックの日に見るのは「肩・背中・裾」の3か所
リュックが服に触れる場所は決まっています。肩ひもが乗る肩、背面が当たる背中、本体の底が当たる腰から裾。この3か所に「跡が残るもの」「つぶれるもの」「引き上げられるもの」を置かなければ、下ろしたあとも朝の姿のまま一日を始められます。
| 見る場所 | リュックの日に避けるもの | 選ぶもの |
|---|---|---|
| 肩 | 肩先の縫い目が肩ひもの真下に来る服、肩の飾り・パフ・肩パッド | 縫い目が肩から外れて落ちている服、飾りのない肩 |
| 背中 | 10秒押して跡が残る布、毛足の長いニット | 押しても30秒で戻る布、目の詰まったニット |
| 裾 | 背負うと後ろだけ4cm以上上がる丈、出したままの短い裾 | 腰骨より下まである丈、ボトムに入れた裾 |
この表で全部を避ける必要はありません。どこまで外すかは、次の2つの数字で変わります。
まず測る|荷物の重さと、背負っている分数
同じリュックでも、軽い荷物で10分歩くのと、重い荷物で満員電車に40分立つのとでは、服に残る跡がまったく違います。先に自分の通勤を2つの数字で書き出してください。
1つ目は荷物の重さです。リュックに入れたまま体重計に載り、自分の体重を引けば分かります。2つ目は背負っている分数です。家を出てから職場の席に着くまでのうち、リュックを背中に載せている時間を片道で数えます。電車の中で前に抱えている時間や、網棚に載せている時間は引いてください。
| 荷物の重さ / 背負う分数 | 片道15分未満 | 15〜40分 | 40分以上 |
|---|---|---|---|
| 3kg未満 | 3か所とも気にしなくてよい | 肩だけ見る | 肩と背中を見る |
| 3〜5kg | 肩だけ見る | 肩と背中を見る | 3か所とも見る |
| 5kg以上 | 肩と背中を見る | 3か所とも見る | 3か所とも見る+羽織りを職場に置く |
いちばん多いのは、3〜5kgで15〜40分のまんなかの帯です。この帯の人は、肩と背中だけ気にすれば、裾は好きなものを着て大丈夫です。
数字を出すのが面倒なら、目安は「パソコンが入っているかどうか」です。仕事用のノートパソコンは、充電器と合わせて1.5〜2.5kgあります。これにお弁当と水筒が加わると、ほぼ3kgを超えます。
荷物を500g減らすと、表の1段上に移れる
表を見て「3か所とも見る」側に入った人は、服を選び分ける前に、荷物を減らせないかを一度考えてみてください。重さの段が1つ下がるだけで、着られる服がかなり増えます。
減らしやすいのは、毎日持ち歩いているけれど使わない日のほうが多いものです。パソコンの充電器は、職場に1つ置いておけば持ち歩く必要がなくなり、それだけで300〜500gほど軽くなります。水筒は、満杯の500mlで700g前後あります。職場で飲み物を補える環境なら、小さめの水筒に替えるだけで200〜300g減ります。
ほかにも、折りたたみ傘を軽いものに替える、化粧ポーチの中身を職場用と持ち歩き用に分ける、紙の資料を職場の引き出しに置いておく、といった小さな見直しが積み重なります。合わせて500gから1kg減らせると、表で1段上に移れる人は少なくありません。
秋冬は、手袋やマフラー、薄手のカーディガンなど、脱いだものをリュックにしまう日が増えて、夏より荷物が重くなりがちです。季節が変わったら、一度体重計に載せ直してください。
肩|肩ひもが乗る位置に、縫い目と飾りを置かない
リュックの肩ひもは、首の付け根と肩先のちょうど中間あたりに乗ります。鎖骨の外側の端から指2本ぶん内側、と覚えておくと位置が分かりやすいです。
ここに縫い目が来る服は、リュックの日に向きません。縫い目は布が二重、三重に重なっていて厚みがあるので、肩ひもに押されると段差がそのまま跡になります。とくに肩先から内側に縫い目が入っている、いわゆる肩幅が狭めの服は、ちょうど肩ひもの真下に縫い目が来ることが多いです。
反対に、縫い目が肩から外れて二の腕側に落ちている服は、肩ひもが乗る場所が平らな一枚の布なので、跡が残りにくくなります。袖付けの線が肩先より3cm以上外側にあるかどうかを、鏡で見て確かめてください。
肩の飾りも外します。パフスリーブの膨らみ、肩のタック、肩に入ったフリルやボタン飾りは、肩ひもに押されると形が戻りません。午前中の会議で肩だけしぼんでいる、という状態になります。
肩パッドの入ったブラウスとジャケット
肩パッドが入った服は、もっと分かりやすくつぶれます。パッドそのものが押されて片側に寄り、下ろしたあとも左右で肩の高さが違って見えることがあります。リュックの日は、パッドの入っていない服を選ぶのがいちばん確実です。
どうしても着たい日は、肩パッドが取り外せるタイプなら外して出かけ、職場で付け直すという手もあります。ただ毎回やるのは手間なので、リュックの日の服から最初から外しておくほうが続きます。
背中|跡が残る布と、残らない布を家で分ける
背中は、リュックの背面がいちばん広く当たる場所です。しかも体温で温まり、汗で少し湿るので、布にとっては押し付けられながら蒸される状態になります。跡が残るかどうかは、布によって大きく違います。
見分け方は簡単です。服をハンガーにかけたまま、背中の部分を手のひらで10秒、しっかり押さえて離します。そのまま30秒待って、手の跡が消えるかどうかを見てください。
- 30秒で消える:リュックの日に着てよい
- 跡が薄く残る:片道15分未満の日なら着てよい
- 跡がはっきり残る:リュックの日には着ない
布の種類でいえば、ポリエステルを中心にしたとろみのある布、ジャージー、目の詰まったハイゲージのニットは戻りやすい側です。綿のブロード、麻、レーヨンの薄い布は跡が残りやすい側に入ります。ただ同じ綿でも、伸びる糸が少し入っているだけで戻り方が変わるので、表示より手のひらの試し方を信じてください。
毛足のあるニットは、跡より擦れを見る
秋冬に増えるのが、毛足のあるニットです。モヘアやアンゴラ混、起毛した柔らかいニットは、押しても跡はあまり残りません。代わりに、リュックの背面と擦れて毛が寝たり、毛玉ができたりします。
一日で目に見えて変わるわけではないので気づきにくいのですが、週に3回リュックで通っていると、ひと月で背中の真ん中だけ毛並みが違ってきます。毛足のあるニットは、リュックを使わない日のために残しておいてください。
裾|背負うと後ろの裾が何cm上がるか
リュックの本体の底は、ちょうど腰のあたりに当たります。背負ったまま歩いたり、つり革をつかんで腕を上げたりすると、本体の底が上着の裾を少しずつ持ち上げます。
家を出る前に、鏡に背中を向けて確かめてみてください。リュックを背負った状態と下ろした状態で、後ろの裾の位置がどれだけ違うか。差が4cmを超える服は、職場に着いたときに裾が片側だけめくれている、ブラウスの裾がボトムから出ている、という状態になりやすくなります。
裾が上がりやすいのは、次のような服です。
- 腰骨の上あたりで終わる短い丈のカーディガン
- 裾をボトムに入れずに出して着る、腰までの長さのブラウス
- 裾にゴムや切り替えのある、ふんわりしたトップス
反対に、裾をボトムにしっかり入れて着る服や、腰骨より下まで丈のあるトップスは、リュックの底に持ち上げられても形が崩れにくくなります。
ボトムに入れた裾が出てくるとき
ブラウスをボトムに入れていても、背負っているうちに後ろだけ少しずつ引き出されてくることがあります。入れる長さが短いと起きやすいので、ボトムのウエストから下に、少なくとも8cmは裾が入っている状態にしてください。
入れ方そのものは服をズボンに入れるで裾の形ごとに分けてありますが、リュックの日は「後ろを深めに入れる」と覚えておけば足ります。
自転車で通勤する日は、裾の上がり方が倍になる
自転車で通勤する人は、歩いて通う人より裾に気をつけてください。自転車に乗ると上半身が前に傾くので、背中側の布が引っ張られて、後ろの裾がもともと上がりやすくなります。そこにリュックの底が当たると、歩いているときの倍ほど、6〜8cm上がることも珍しくありません。
自転車の日は、トップスの裾をボトムに入れて着るか、腰骨より5cm以上長い丈のものを選んでください。腰の後ろが出てしまうと、秋冬は冷えるうえに、職場に着いてから直す手間も増えます。
もう1つ、自転車の日はスカートの扱いにも気をつけます。リュックを背負った状態でサドルにまたがると、リュックの底がスカートの後ろを押さえて、裾が持ち上がったまま走ることになります。膝下まであるフレアスカートや、脚の動きを妨げないワイドパンツのほうが、自転車とリュックの組み合わせには向いています。
自転車の日は、背中に汗をかきやすい点も頭に置いておいてください。背中の汗はリュックの背面との間にこもって、布の跡を深くします。背面にメッシュの入ったリュックを選ぶか、職場に着いたらすぐにリュックを下ろして背中に風を通すと、跡が残りにくくなります。
羽織り|リュックの下に着るか、職場に置いておくか
秋になると、ブラウスやニットの上にカーディガンやジャケットを1枚羽織る日が増えます。リュックの日は、この羽織りの扱いで迷います。
肩に芯の入ったジャケットは、リュックの下に着ると肩ひもで肩先がつぶれます。下ろしたあと手で形を整えても、芯が一度曲がると戻りきらないことがあります。リュックの日に羽織りを着ていきたいなら、芯のない柔らかいジャケットかカーディガンを選んでください。
もう1つの方法は、ジャケットを職場に置いておくことです。ロッカーや椅子の背にかけておける1着を決めておき、リュックの日は中の服だけで通勤して、着いてから羽織ります。これなら肩も背中も気にしなくてよくなります。
羽織りを脱いだときに中の服だけでどう見えるかは、羽織りを脱いだ姿で考えるで確かめ方をまとめています。リュックの日は「羽織りなしで通勤する時間がある」ので、この確かめ方がそのまま使えます。
冬のコート|リュックとコートの間で起きること
冬の立ち上がりになると、コートの上からリュックを背負う日が来ます。ここでは、服ではなくコートのほうに跡と擦れが出ます。
ウールのコートは、肩ひもと背面が擦れる場所に毛羽が出やすくなります。表面に毛足のあるコートほど目立ちます。リュックの日によく着るコートは、表面がつるっとした織りのものにしておくと、ひと冬たっても肩と背中がきれいなまま残ります。
ダウンや中綿のコートは、背負っているあいだ背中の綿がつぶれます。下ろせば少しずつ戻りますが、背中だけ薄く見える時間が10分ほど続きます。職場の入口でコートを脱ぐなら気にしなくて大丈夫です。
もう1つ見落としやすいのが、コートの下にリュックを背負う人と、上に背負う人で、肩ひもの長さが変わることです。コートの上から背負うと、肩ひもが短くなって本体の位置が上がり、腰ではなく背中の上のほうに当たるようになります。秋に合わせた肩ひもの長さを、コートを着始めたら一度伸ばし直してください。本体の底が腰骨の高さに来るのが目安です。
雨の日は、濡れた肩ひもが服に色を移す
秋は雨の日も多くなります。雨の日のリュックで見落としやすいのが、濡れた肩ひもです。レインカバーをかけても、肩ひもは外に出ているので濡れます。濡れた肩ひもが薄い色のニットやブラウスに長く触れていると、肩ひもの色がうっすら移ったり、雨水の輪じみが残ったりすることがあります。
雨の日は、薄い色のトップスの上に、濃い色のカーディガンや羽織りを1枚重ねてからリュックを背負ってください。羽織りがあれば、濡れた肩ひもが直接トップスに触れません。職場に着いたら、羽織りを脱いで乾かしておけば、帰りにはまた着られます。
もう1つ、レインカバーをつけたまま背負うと、カバーのナイロンが背中の服と擦れて、静電気が起きやすくなります。職場に着いたらカバーはすぐに外して、リュックの外側の水気をハンカチで拭いてから置いてください。濡れたままのリュックを椅子の背にかけると、今度は椅子に座ったときに背中が濡れます。
職場に着いてから|下ろしたあとの3分で直す場所
どれだけ選んでも、背負えば多少の跡は残ります。職場に着いたら、席に座る前の3分で次の順に直してください。
- 肩:両手で肩先を軽く外側になでて、縫い目と布を元の位置に戻す
- 背中:手のひらで背中の真ん中を上から下になでる。届かなければ、羽織りを着る前に一度服の裾を下に引く
- 裾:ボトムに入れている裾は、後ろだけ入れ直す。出している裾は、左右の高さをそろえる
- 羽織り:職場に置いているジャケットやカーディガンを、ここで着る
この3分を取りやすくするために、リュックを下ろす場所を決めておくと楽です。自分の席に着いてから下ろすと、そのまま座ってしまいがちです。ロッカーや入口の近くで下ろす習慣にすると、直す時間が自然に生まれます。
リュックそのものの選び方は、服から逆算する
ここまでの話は、リュックはそのままで服を選び分ける方法でした。新しくリュックを選ぶなら、服に跡を残しにくい形から選ぶと、選び分けが少なくて済みます。
肩ひもは、幅が5cm以上あり、内側にクッションが入っているものを選んでください。幅の細い肩ひもは、重さが狭い面に集まるので、服に線のような跡が残ります。
背面は、体に当たる面が布張りで、金具やファスナーが出ていないものにします。背面にファスナーのある防犯用のリュックは便利ですが、ファスナーの線がニットに跡を残したり、毛を引っかけたりすることがあります。
本体の大きさは、仕事の荷物がちょうど入る大きさにとどめます。大きすぎるリュックは、中身が少ないと底が下がって腰の下に当たり、裾を持ち上げる力が強くなります。A4の書類とノートパソコンが入って、厚みが12cm前後のものが、オフィスカジュアルの服とも釣り合いが取りやすい大きさです。
色は、手持ちのコートとそろえる必要はありません。黒、紺、濃いグレーのどれかにしておけば、秋冬のどのコートの上に背負っても浮きません。
どちらとも取れる日|外の人に会う日、会議がある日
ここからが、いちばん迷うところです。社内だけで過ごす日はリュックで問題なくても、外の人に会う日、大事な会議がある日は「今日はリュックをやめたほうがいいのか」と迷います。
判断の分かれ目は、リュックを相手の前に持っていくかどうかです。
リュックを席やロッカーに置いていける日
来客を自分の職場で迎える日、社内の会議室で打ち合わせをする日は、リュックは席に置いたまま会議室に入れます。この場合、相手が見るのはリュックではなく、下ろしたあとのあなたの姿です。
つまり問題になるのは、リュックそのものではなく、肩と背中と裾に残った跡のほうです。この日は、荷物と分数の表で「3か所とも見る」側に1段上げて服を選んでください。普段は肩だけ見ている人も、来客の日は背中と裾まで見ておくと安心です。
リュックを持って相手を訪ねる日
外回りで相手先を訪ねる日、受付を通って応接室に通される日は、リュックを背負ったまま相手の前に立つ時間があります。この日は、服より先に持ち方を変えるほうが効きます。
方法は3つあります。1つは、手で持つ取っ手がついたリュックを選び、建物に入る前に下ろして手提げのように持つこと。2つ目は、パソコンなど重いものだけリュックに入れて職場に置いていき、訪問先には小さめの手提げで向かうこと。3つ目は、その日だけ手提げの通勤バッグにして、荷物を減らすことです。
どれを選ぶかは、訪問先までの移動の長さで決めてください。職場から30分以内で、パソコンがいらない訪問なら2つ目が楽です。1日に何件も回る日や、移動が長い日は1つ目がいちばん体の負担が少なくなります。
午後だけ来客がある日
朝はリュックで出て、午後に外の人に会う日もあります。この日は、来客の30分前にもう一度「下ろしたあとの3分」をやり直してください。朝の通勤の跡は、午前中に座って仕事をしているあいだにも、背もたれに押されて残り続けます。
職場で、リュックがどう見られているか分からない
転職したばかり、異動したばかりで、周りがリュックをどう見ているか分からないこともあります。この場合は、最初の1週間、同じフロアの人の通勤バッグを数えてみてください。
10人のうち3人以上がリュックなら、その職場ではリュックが普通に受け入れられています。1人もいないなら、最初の1か月は手提げで通い、慣れてから切り替えるほうが無難です。1〜2人というまんなかの場合は、その人たちの役職や仕事の内容を見てください。外の人に会うことが多い人もリュックで来ているなら、気にしなくて大丈夫です。
荷物がまんなかの帯の人は、3か所のうち2か所を守る
荷物の表で、3〜5kgで15〜40分のまんなかの帯に入る人は多いはずです。この帯で「全部避ける」とすると、着られる服が少なくなりすぎます。
この帯の人は、肩・背中・裾のうち2か所を守れば足ります。たとえば、肩の縫い目が外に落ちていて、背中が押しても戻る布なら、裾が短めのカーディガンでも構いません。裾が上がるのは、職場に着いて引き下ろせば直るからです。
反対に、肩と裾を守って背中が跡の残る綿のシャツ、という組み合わせは避けてください。背中の跡だけは、手でなでても消えないからです。3か所のうち、背中は直しにくい、肩と裾は直しやすいと覚えておくと、どの2か所を守るか選びやすくなります。
手持ちの服を「リュックの日用」に分ける手順
毎朝3か所を確かめるのは手間です。週末に一度だけ、手持ちのオフィス用の服を「リュックの日に着る服」と「リュックを使わない日の服」に分けておくと、平日の朝は選ぶだけで済みます。
- オフィスに着ていくトップスを全部出す
- 1枚ずつ、肩の縫い目の位置を見る。肩ひもの真下に来るものと、肩の飾りがあるものを横に分ける
- 残ったものの背中を、手のひらで10秒押して30秒待つ。跡が残るものを横に分ける
- 最後に残ったものが「リュックの日の服」
秋冬のオフィス用トップスが10枚あるとして、リュックの日の服が4枚以上残っていれば、週に3回リュックで通っても回せます。3枚以下なら、次に服を足すときは「肩の縫い目が外に落ちていて、背中が戻る布」を条件に選んでください。
横に分けた服は、捨てる必要はありません。荷物が少なくて手提げで行ける日、在宅から出社する日など、リュックを使わない日のために残しておきます。
片方の肩にかける日、トートに替える日
リュックを片方の肩だけにかけて歩く人もいます。この場合、跡は片側の肩に集中し、背中の跡は少なくなります。ただ、重さが片側にかかるので服が斜めに引っ張られ、下ろしたあと前身頃の打ち合わせがずれていることがあります。
トートバッグに替えると、肩の跡は肩にかける側だけ、背中の跡はなくなります。代わりに、腕と脇の下でバッグを挟むので、袖と脇の縫い目にしわが出ます。重さが3kgを超える日にトートを使うと、肩に食い込んで布が寄る跡が、リュックより細く深く残ることがあります。
どの持ち方でも、跡はどこかに残ります。リュックは肩と背中に広く浅く、トートは片側の肩に狭く深く、と考えると、その日の服に合わせて持ち方を選べるようになります。
よくある困りごとと、その日の直し方
最後に、リュックの日によく聞く困りごとと、その場での直し方をまとめておきます。
**職場に着いたらブラウスの肩だけしぼんでいた。**肩の飾りやパフが押された状態です。手で膨らみを内側から押し戻し、5分ほど羽織りを着ずにおくと少し戻ります。次からは、肩に飾りのないものをリュックの日に回してください。
**ニットの背中に、リュックの背面の四角い跡がついた。**目の粗いニットで起きやすいものです。手のひらで編み目を縦方向に軽く引いて整えます。完全には戻らないので、その日は羽織りで隠し、家に帰ったらスチームを当ててください。
**カーディガンの裾が後ろだけ上がったまま戻らない。**裾にリブ編みのあるカーディガンは、引き上げられた状態でリブが縮んで止まることがあります。両手で裾を下に引いて、5秒ほどそのまま押さえておくと落ち着きます。
**静電気でスカートが脚にまとわりつく。**秋冬の乾いた日に、リュックの背面とニットが擦れて起きます。リュックの背面が化繊なら、ニットも化繊同士にすると起きにくくなります。脚にまとわりつくときは、スカートの裏地を軽く手で払ってから座ってください。
秋冬の通勤服とあわせて読む
リュックの日の服選びは、ほかの日の決め方と組み合わせて使えます。朝の気温と席の空調で重ね方を決める方法は朝の気温と席の空調で重ねる、秋のブーツで出社する日の丈の見方は秋のブーツ出社を丈と音で見分けるにまとめてあります。
職場に置いておく1着のジャケットを選ぶなら、肩の縫い目と丈の位置を見るオフィスカジュアルのジャケットが参考になります。リュックの日は、その1着を背負わずに済むので、肩に芯の入ったきちんとした形を選んでも大丈夫です。
まとめ
リュックで通勤する日は、服を「肩・背中・裾」の3か所で選び分けます。どこまで避けるかは、荷物の重さと背負っている分数で決まります。3kg未満で15分未満なら気にしなくてよく、まんなかの帯なら3か所のうち2か所を守れば足ります。
迷ったら、背中を優先してください。肩と裾は職場で手で直せますが、背中の跡は直せません。週末に一度、手持ちの服の背中を手のひらで押してみるところから始めると、平日の朝はもう迷わずに済みます。
よくある問い
- Q. オフィスカジュアルでリュック通勤は失礼ですか
- 社内だけで過ごす日なら、多くの職場で問題になりません。迷うのは外の人に会う日です。その場合も、リュックを机やロッカーに置いて手ぶらか小さな手提げで会議室に入れるなら、服の選び方はいつもと変えなくて大丈夫です。リュックを背負ったまま受付に立つ、相手先を訪ねるという日だけ、手提げに持ち替えるか、手で持てる形のものにしてください。
- Q. リュックを背負うとブラウスの背中がしわになります。何を選べばいいですか
- 手のひらで背中側の布を10秒押さえて離し、30秒たってもしわが残るかを家で試してください。残るものはリュックの日に向きません。ポリエステル系のとろみのある布や、編み目の細かいニットは戻りやすく、綿のブロードや麻は跡が残りやすい傾向があります。中の服を替えられない日は、背中に薄手のカーディガンを1枚はさむと跡が服に届きにくくなります。
- Q. ジャケットの上からリュックを背負っても大丈夫ですか
- 肩に芯や肩パッドが入ったジャケットは、肩ひもで肩先がつぶれて、下ろしたあとも形が戻りにくくなります。リュックの日は芯のない柔らかいジャケットかカーディガンにするか、ジャケットは職場に置いておき、着いてから羽織るほうが形を保てます。
- Q. 冬のコートの上からリュックを背負うと、コートが毛羽立ちます
- ウールのコートは肩ひもと背中の当たる面が擦れて、毛羽や毛玉が出やすくなります。表面がつるっとした織りのコートか、背負う面がナイロンのリュックを避けて背面に布張りのものを選ぶと擦れが減ります。片道の背負う時間が長い人は、コートを2着持っているなら、リュックの日用の1着を決めておくと、もう1着がきれいなまま残ります。
— メグラシ編集部





