オフィスカジュアル レディース|秋冬の雨の日は裾の濡れる高さで選ぶ

**秋冬の雨の朝、オフィスカジュアルで先に決めるのは上ではなく、膝から下です。**傘で守れるのは肩から腰まで。膝から下は、歩くたびに足元からはね上がる水と、横から吹きつける雨にさらされます。席に着いてから一日中気になるのは、たいていこの部分です。
この記事では、手持ちのオフィスカジュアルを雨の日に回すとき、どの服を選べば席で困らないかを、自分の歩き方と一日の予定から決める方法をまとめます。通勤のコートの選び方は通勤コートは職場の置き場所で選ぶに、平日5日の組み方は秋冬の5日間は上と下の枚数から組むに分けてあります。ここでは雨の日の、裾と生地の話だけをします。
結論:裾が「はねの高さ」の上か下かで、その日の服が決まる
先に答えを書いておきます。
あなたが雨の日に選ぶべき下の服は、裾が自分のはねの高さより上で終わるか、靴の甲を覆うほど長いかのどちらかです。はねの高さちょうどに裾が来る丈は、雨の日には回さない。これだけで、席に着いてからの困りごとは大きく減ります。
はねの高さとは、濡れた路面を歩いたときに、靴のかかとが跳ね上げた水や泥が届く、地面からの高さのことです。多くの人で15〜25cmのあいだに収まりますが、歩幅や靴の形、歩く速さで変わります。だから一度、自分の高さを測っておく。そうすれば、毎回の雨の朝に迷う時間がなくなります。
上半身はどうするのかというと、雨の日だからといって特別なものを選ぶ必要はあまりありません。傘を差していれば、肩のどちらか片側と、バッグを持つ側の腕が少し濡れる程度です。気をつけるのはそこだけで、詳しくは後半で書きます。
自分のはねの高さを、一度だけ測っておく
はねの高さは、人によって思っているより違います。同じ道を同じ靴で歩いても、かかとから着地して蹴り出す歩き方の人は高く、足の裏全体でそっと置く歩き方の人は低くなります。
測り方は簡単です。
雨が上がった日の帰り道、くるぶし丈以上の長さの、濃すぎない色のパンツで帰ってきてください。家に着いたら脱いで、裏返さずにふくらはぎの後ろ側を見ます。乾いた泥の小さな点が、裾からどこまで上に散っているか。その一番上の点の高さを、床から定規で測ります。
これがあなたのはねの高さです。たとえば裾から上に8cm、床から裾までが4cmなら、はねの高さは12cm前後です。点がふくらはぎの真ん中まで散っているなら、20cmを超えています。
もう一つの測り方は、靴を見ることです。雨の日に履いた靴の後ろ側、かかとの上の部分に、どのくらいの高さまで水の跡が残っているか。靴の跡がかかとの縁まで届いているなら、はねは高い側だと考えてください。
この高さは、一度測れば季節が変わってもほとんど変わりません。ただし靴を替えたときだけは変わります。底の厚い靴やかかとの高い靴は、はねを低く抑えます。底が薄く柔らかい靴は、かかとが路面の水を蹴りやすいので高くなります。よく履く通勤靴が2足あるなら、2足ぶん測っておくと確かです。
裾の位置で、手持ちの下の服を3つに分ける
はねの高さが分かったら、手持ちのパンツとスカートを、裾の位置で3つに分けます。
| 裾の位置 | 雨の日の濡れ方 | 席に着いてから | 雨の日に回すか |
|---|---|---|---|
| はねの高さより10cm以上上 | ほぼ濡れない | 気にならない | 回す |
| はねの高さの上下5cm以内 | 裾の内側と後ろが濡れる | 一日気になる | 回さない |
| 靴の甲を覆う長さ | 裾の表が濡れるが、肌は濡れない | 乾くまで待てば済む | 生地しだい |
この表で見てほしいのは、真ん中の行です。
はねの高さちょうどに裾があると、はねた水が裾の内側に入ります。裾の表は濡れていないように見えても、内側が湿って、足首に冷たく貼りつく。座っていると、それがずっと続きます。秋冬はそれが体の冷えにもつながるので、雨の日にはこの丈を避けてください。
上の行の服、つまり裾が十分に高い服は、雨の日にいちばん安心して回せます。膝丈のスカートや、くるぶしより上で終わる短めのパンツがこれにあたります。ただし、裾が高いということは、その下の脚が出るということです。秋冬は脚に何を重ねるかで、また話が変わります。これは次の項で書きます。
下の行の服、靴の甲を覆うほど長いパンツや、くるぶしより下まで落ちるスカートは、裾の表が濡れます。濡れても肌に触れるのは乾いた裏側なので、思ったほど不快ではありません。問題は乾くまでの時間で、それは生地で決まります。
パンツの日は、裾の長さと幅を見る
パンツで雨の日に出るなら、見るところは裾の長さと、裾まわりの幅の2つです。
長さについては、前の項の3つの分け方がそのまま使えます。はねの高さより十分上で終わる短めの丈か、靴の甲にしっかりかかる長めの丈か。どちらかに寄せてください。くるぶしちょうどで終わる丈は、雨の日にはいちばん濡れやすい位置にあります。
次に幅です。裾まわりが広いパンツは、歩くたびに裾が前後に揺れて、路面の水をすくい上げます。一方、裾が足首に沿う細めのパンツは、揺れが小さいぶん、はねを拾いにくい。同じ長さなら、雨の日は裾が細いほうが濡れません。
自分のパンツの裾幅を確かめるには、床に平らに置いて、裾の端から端までを測ります。片側で20cmを超えるあたりから、揺れて水をすくう動きがはっきり出てきます。18cm前後までなら、ほとんど気になりません。
それでは裾の広いパンツは雨の日に回せないのかというと、回し方があります。
通勤のあいだだけ、裾を一度だけ外側に折り上げて歩く。折り幅は3〜4cmで十分です。席に着いたら戻す。折り目がつきにくい生地なら、これで裾の濡れはかなり防げます。ただ、薄い生地や折り目が残りやすい生地では、戻したあとに線が出ます。その場合は、次の項で書く「置いておく1本」に頼るほうが確かです。
もう一つ、パンツの日に見落としやすいのが、ふくらはぎの後ろ側です。裾が無事でも、はねの高い人はふくらはぎの後ろに点々と泥が散ります。濃い色のパンツなら目立ちませんが、明るいベージュや灰色だと、席を立ったときに後ろの人から見えます。はねの高さが20cmを超える人は、雨の日のパンツを濃い側に寄せておくと安心です。
スカートの日は、丈と脚に重ねるものを見る
スカートで雨の日に出るなら、見るところは丈と、脚に何を重ねるかです。
丈については、パンツと同じ考え方です。膝丈か、それより少し長い程度のスカートは、はねの高さよりずっと上で終わるので、裾そのものはほとんど濡れません。気になるのは、ふくらはぎの真ん中あたりで終わるスカートです。ちょうど裾がはねの届く高さに近く、しかも裾が広がっているぶん、パンツよりも水をすくいやすい。この丈のスカートは、雨の日には回さないのが無難です。
くるぶしまで届く長いスカートは、裾の表が濡れます。生地が厚くて重いものなら、濡れた裾が脚にまとわりついて歩きにくくなります。薄くて軽いものなら、濡れてもすぐに乾く方向に働きます。長いスカートを雨の日に回すなら、軽い側を選んでください。
次に脚に重ねるものです。膝丈のスカートで出ると、膝から下は脚に重ねたタイツやストッキングが直接はねを受けます。秋冬はタイツを履く人が多いと思いますが、厚手のタイツは一度濡れると乾くまで時間がかかり、冷たさが長く残ります。
ここでの判断は、はねの高さと、職場に着いてからの過ごし方で決まります。
はねが低い人、靴の跡がかかとの縁まで届かない人は、厚手のタイツのままで構いません。濡れるのは靴の中に近い部分だけで、席に着けば靴を脱がなくても乾いていきます。
はねが高い人は、厚手のタイツが濡れて冷える可能性があります。この場合は、薄手のストッキングにして、職場に着いたら履き替えられるよう1組持っておく方法があります。あるいは、雨の日だけは膝丈スカートの日を避けて、長めのパンツに回す。どちらを選ぶかは、着替える場所があるかどうかで決めてください。更衣室や個室のトイレがあるなら履き替えは難しくありません。席の近くに着替える場所がないなら、最初からパンツに回すほうが楽です。
生地は「乾くまでの時間」と「人と会う時刻」で選ぶ
裾が濡れたあと、どのくらいで乾くかは生地でほとんど決まります。ここで役に立つのは、生地の名前を覚えることではなく、手持ちの服で一度試しておくことです。
試し方を書いておきます。
裾の内側、目立たない縫い代のあたりに、指先で水を1滴だけ落とします。そして10秒数えます。
10秒たっても水が玉のまま残っていたら、その服は水をはじく側です。表面が濡れても中まで入りにくく、乾くのも早い。雨の日に回しやすい服です。
10秒以内に水が布に吸い込まれて、輪じみが広がったら、その服は水を吸う側です。濡れると色が濃く変わり、乾くまでに時間がかかります。目安として、裾が5cmほど濡れたときに、席に座ったまま乾くまで2〜3時間かかることがあります。
その中間、10秒たって半分くらい吸い込まれた服は、雨の日にどちらに転ぶか読みにくい側です。
この結果を、その日の予定と並べます。
たとえば朝9時に職場に着いて、午前は自分の席で作業、午後2時から人と会う予定があるとします。水を吸う側の服でも、午後2時までには5時間あるので乾きます。逆に、朝10時から会議や来客がある日に水を吸う側の服を着ていると、乾かないまま人前に出ることになります。
つまり、雨の日の生地選びは「その日に最初に人と会う時刻」から逆算すればいいのです。会うまでの時間が短い日ほど、水をはじく側の服を選ぶ。会うまでに時間がある日は、吸う側の服でも間に合う。
手持ちの服を一度この方法で分けておくと、雨の朝に迷うのは「今日は何時に人と会うか」だけになります。
上半身は、傘からはみ出る肩とバッグの側だけ見ればいい
上半身については、膝から下ほど神経を使う必要はありません。傘を差していれば、濡れるのはだいたい次の2か所です。
一つは、傘を持つ手と反対側の肩です。人は傘を自分の体の中心よりも、持つ手の側に寄せて差しがちなので、反対の肩が少し外に出ます。風があると、ここが濡れます。
もう一つは、バッグを持つ側の腕と、バッグが当たる腰のあたりです。肩にかけるバッグなら、バッグそのものが傘からはみ出して、その下の服に雨が伝います。
この2か所は、コートを着ていればコートが受けます。席に着いてコートを脱げば、中の服はほぼ乾いています。気をつけるのは、コートを着ない日、ジャケットやカーディガンだけで出る日です。秋の初めや、晴れの予報だったのに雨が降ってきた日がこれにあたります。
その場合、肩が濡れても目立たない色と生地の上着を選んでおくと、席で困りません。目立つのは、明るい色の薄いブラウスやシャツです。濡れると肌に貼りついて、下に着ているものが透けて見えることがあります。雨の予報がある日は、上半身にこの種類の服を選ぶなら、上に1枚羽織るものを必ず重ねてください。
コートを脱いだあとの1枚が、雨の日の印象を決める
雨の日、職場に着いてコートを脱いだ瞬間に、まわりの人が目にするのは中の服です。ここで印象を左右するのは、服の種類よりも「湿っているように見えるかどうか」です。
ニットは雨の日に意外と強い服です。表面に細かい毛羽があるので、少しの雨粒なら表面にとどまって、払えば落ちます。コートの襟元や袖口から雨が入っても、ニットの編み目が水を広げずに受け止めます。
逆に弱いのは、表面がつるっとした薄い生地のブラウスです。少し濡れただけで色が変わり、その形が乾くまで残ります。
だから雨の日には、コートの下に、ニットか、表面に少し起毛のある生地のものを1枚入れておく。これが、席に着いてからの見え方をいちばん安定させます。ブラウスを着たい日は、その上にカーディガンを重ねて出て、席に着いたあともしばらくは脱がないでおく。乾いたのを確かめてから脱げば、問題はありません。
コート自体については、丈が雨の日の裾の濡れにも関わります。コートの裾が膝より下まで届く長さなら、その下のスカートやパンツの上の部分は守られます。けれど、コートの裾から出ている部分は、むしろコートから落ちる雨のしずくを受けることになります。長いコートの日は、その下で出ている脚の部分が、思っているより濡れることを覚えておいてください。
職場に「置いておく1本」を決めておく
雨の日の困りごとをいちばん確実に減らすのは、職場に下の服を1本置いておくことです。
上下一式を置く必要はありません。濡れるのは膝から下なので、下の服だけ替えられれば十分です。何を置くかは、次の3つの条件で決めてください。
1つめは、手持ちのトップスのどれと合わせても浮かない色であること。濃い紺、濃い灰色、黒に近い茶色など、上を選ばない色にします。
2つめは、しわになりにくい生地であること。ロッカーや引き出しに畳んで入れておいても、取り出してすぐ履ける。先の水滴の試し方で、水をはじく側に入る生地なら、乾きも早く安心です。
3つめは、自分のはねの高さより十分上で終わるか、靴の甲を覆う長さであること。置いておく1本が中途半端な丈だと、帰りにまた濡れてしまいます。
この1本と、薄手の靴下かストッキングを1組、袋に入れて置いておく。これだけで、朝の雨を一日引きずることはほぼなくなります。
置いておく場所がない職場もあると思います。その場合は、雨の予報がある日だけ、たたんだ1本を通勤のバッグに入れて持っていく方法があります。薄い生地のパンツなら、丸めて筒状にすれば、バッグの底に収まります。
どちらとも取れる日は、こう決める
ここまでは、雨が降ると分かっている朝の話でした。実際に迷うのは、雨かどうか、濡れるかどうかが読めない日です。よくある場面ごとに、判断の仕方を書いておきます。
朝は降っていないが、午後から降る予報の日
この日は、行きは濡れず、帰りだけ濡れる日です。帰りに濡れるなら、職場で人と会う時間には関係がありません。
だから、この日は晴れの日と同じ服で出て構いません。裾がはねの高さにかかる丈でも、帰りに濡れて家で乾かせばいいだけです。ただし、帰りに寄り道の予定がある日、たとえば仕事のあとに食事に行く日は、帰りの道がそのまま人と会う時間になります。この場合は、朝から雨の日と同じ選び方をしてください。
降るかどうか五分五分の日
予報が曖昧な日は、「降ったときに困る服」を避けて、「降らなくても浮かない服」を選びます。
具体的には、はねの高さちょうどの丈は避ける。そのうえで、はねの高さより上で終わる丈か、靴の甲を覆う丈から選ぶ。この2つは、晴れの日に着ても何の違和感もありません。雨の日専用の服を着ていくわけではないので、降らなかったときに損をしません。
生地は、水をはじく側と吸う側の中間の服までなら許容範囲です。吸う側の服は、降ったときに困る可能性が高いので、五分五分の日には回さないほうが安心です。
来客や会議がある雨の日
人前に出る予定がある雨の日は、「その時刻までに乾くか」で決めます。
朝一番に人と会うなら、裾が濡れないことを最優先にします。はねの高さより十分上で終わる丈か、置いておく1本に着替える前提で出るか、どちらかです。生地は水をはじく側から選びます。
午後に人と会うなら、少し余裕があります。濡れても乾く時間があるので、生地は中間までなら選べます。ただ、明るい色の服は、乾いたあとにも輪じみが残ることがあります。人前に出る日は、雨の朝には濃い色に寄せておくと、乾いたあとの心配もいりません。
自転車やバスで通う日
歩く距離が短い通勤なら、ここまでの話の多くは当てはまらないと思うかもしれません。けれど、自転車とバスにはそれぞれ別の濡れ方があります。
自転車は、前輪がはね上げた水が、膝から下の前側にかかります。歩きのはねは後ろ側に散りますが、自転車は前側です。しかも膝が上下に動くので、スカートの日は膝の上まで濡れることがあります。自転車の日は、前側が守れる長めのパンツを選び、スカートは避けたほうが無難です。
バスは、乗り降りのときに足元が濡れ、車内では濡れた傘が足に当たります。混んでいる車内では、他の人の傘の先から落ちるしずくが、自分のふくらはぎにかかることもあります。バスの日は、ふくらはぎの部分が多少濡れても目立たない、濃い色の下を選んでおくと気が楽です。
足元をブーツにしたい日
秋冬の雨の日には、足首より上まで覆うブーツを履きたくなる人も多いと思います。ブーツは足首を守ってくれるので、はねの高さの問題をかなり和らげます。
ただ、ブーツを履く日は、裾との関係で選び方が変わります。パンツの裾をブーツの中に入れるなら、裾は濡れません。その代わり、職場に着いてブーツから室内用の靴に履き替えると、裾にブーツの跡が残ったり、しわが寄ったりします。裾をブーツの上にかぶせるなら、裾の外側は雨にさらされますが、履き替えたあとも自然に見えます。
スカートにブーツを合わせる日は、スカートの裾とブーツの履き口のあいだに、どのくらい脚が出るかを見てください。そのすき間がはねの高さより上なら、濡れるのはブーツだけで済みます。すき間がちょうどはねの高さにかかるなら、そこに重ねたタイツが濡れます。ブーツの履き口がふくらはぎの真ん中より上まであるなら、ほとんどの人ではねの高さを超えるので、安心して合わせられます。
雨のあとに冷え込む夕方
秋の終わりから冬にかけては、朝の雨が上がったあと、夕方に一気に冷え込む日があります。朝に濡れた裾が乾ききらないまま、冷たい風の中を帰ることになります。
この日に困るのは、朝に湿った生地が、夕方の冷えで冷たく感じることです。とくに水を吸う側の生地は、乾いたように見えても中に湿り気が残っていることがあります。帰る前に裾の内側を手で触って、ひんやりしているようなら、置いておく1本に替えて帰るか、脚に重ねるものを1枚足して帰ってください。
天気予報で、雨のあとに気温が下がると出ている日は、朝の時点で水をはじく側の生地を選んでおくと、夕方の冷えまで含めて楽になります。
職場の床と座る椅子が気になる日
濡れた裾で気になるのは、座ったときです。とくに布張りの椅子に座る職場では、濡れたスカートの裾やパンツのお尻の部分が椅子に触れて、自分も椅子も湿ります。
雨の日に、コートの裾から雨が伝ってスカートのお尻のあたりまで湿ったときは、座る前にハンカチを1枚敷く。それだけで、椅子にしみを残さずに済みます。床が濡れやすい入口の近くの席なら、足元に乾いたタオルを1枚置いておくと、靴の中の湿りが早く引きます。
席に着いてから最初の10分でやること
濡れてしまった日も、席に着いてからの最初の10分で、その後の一日はかなり変わります。
まず、コートを脱いだら、すぐに掛けずに、肩と袖を軽く払います。表面に残っている雨粒を落としておくと、掛けたあとで中まで染みこむのを防げます。
次に、裾を確かめます。パンツなら、裾の内側を手で触って、湿っているかを見ます。湿っているなら、裾を一度外側に折り返して、乾いた空気に触れる面を増やしておく。席に座るときは、裾が床や椅子の脚に触れないように、足を少し前に出して座ります。
スカートなら、裾を軽く持ち上げて、生地同士がくっついていないかを見ます。濡れた生地が重なっていると、そこだけ乾くのが遅れます。手で一度ふわっと広げておくだけで、乾き方が変わります。
脚に重ねたタイツやストッキングが濡れているなら、履き替えられるならすぐに替える。替えがないなら、膝掛けを1枚かけておくと、冷えが和らぎます。
最後に、靴の中です。靴の中まで濡れているなら、新聞紙やティッシュを丸めて入れておくと、帰りまでに湿りが少し引きます。席で靴を脱げる職場なら、置いておく室内用の靴に履き替えるのがいちばんです。
この10分の手当てをしておけば、午前中のうちに裾はほぼ乾きます。乾かないまま昼を迎えることは、ほとんどなくなります。
雨の日に回さない服を、先に決めておく
ここまでの話を、手持ちの服で使える形にまとめます。
いちばん効くのは、雨の日に回さない服を先に決めておくことです。毎朝「今日はどれにしよう」と考えるのではなく、「この服は雨の日には着ない」と決めた服をクローゼットの中で分けておく。
雨の日に回さない服の候補は、次のような服です。
はねの高さの上下5cm以内に裾が来るパンツやスカート。水滴の試し方で、10秒以内に吸い込んだ生地の服。明るい色で、濡れると色が変わって見える服。
このどれかに当てはまる服は、晴れの日に回します。逆に、それ以外の服は、雨の日でも普通に着ていけます。
手持ちのパンツとスカートを全部並べて、この基準で分けてみると、意外と雨の日に着ていける服が多いことに気づくかもしれません。あるいは、雨の日に着られる服がほとんどないことに気づくかもしれません。後者の場合は、次に何を買い足すかの答えにもなります。はねの高さより十分上で終わる丈か、靴の甲を覆う丈で、水をはじく側の濃い色の1本。それが、雨の日のオフィスカジュアルをいちばん楽にする1本です。
手持ちの服で組む、雨の朝の3つの例
考え方だけでは決めにくいので、よくある手持ちの組み合わせで、雨の朝にどう選ぶかを3つ書いておきます。どれも、特別な雨の日用の服を足さずに組めるものです。
はねが低く、午前中は自分の席で作業する日
はねの高さが15cm前後で、靴の跡がかかとの縁まで届かない人の例です。この日は、最初に人と会うのが午後の遅い時間だとします。
この条件なら、選べる幅はかなり広くなります。膝丈より少し長いスカートに厚手のタイツ、上はニット、その上にいつものコート。スカートの裾が、はねの届く高さよりずっと上にあるので濡れず、タイツも足首のあたりが少し湿る程度です。席に着いて10分の手当てをすれば、昼までには気にならなくなります。
この人がもし、くるぶしちょうどの丈のパンツを着たいと思ったら、その日は見送ってください。はねの高さが低くても、くるぶしの丈はその高さの中に入ります。
はねが高く、朝一番に会議がある日
はねの高さが20cmを超え、ふくらはぎの後ろに泥の点が散りやすい人の例です。この日は、朝一番に人前に出る予定があります。
この条件では、選べる幅はかなり狭くなります。下は、靴の甲を覆う長さの、濃い色のパンツ。水滴の試し方で水をはじく側に入った生地のものを選びます。裾幅が広いなら、通勤のあいだだけ裾を一度折り上げて歩き、職場の入口で戻します。上は、少しの雨粒なら払えば落ちるニット。コートは膝が隠れる長さのものを選んで、パンツの上のほうを守ります。
それでも裾が心配なら、置いておく1本に着替える前提で出てしまうのがいちばん確かです。会議の前に着替える時間を5分だけ取っておけば、濡れた裾のまま人前に出ることはありません。
雨か晴れか読めず、夕方に食事の予定がある日
予報が曖昧で、仕事のあとに人と食事に行く予定がある日の例です。帰りの道がそのまま人と会う時間になります。
この日は、晴れても雨でも浮かない服を選びます。下は、はねの高さより十分上で終わる短めのパンツか、膝丈のスカート。どちらも晴れの日に着ていて違和感がなく、降っても裾が濡れません。脚に重ねるものは薄手にして、替えを1組バッグに入れておきます。上は、食事の場でも少しきちんと見えるニットかブラウスに、羽織りを1枚。夕方に雨が降ってきたら、職場を出る前に替えの1組と靴の中を確かめてから出ます。
3つの例に共通しているのは、決めている順番です。はねの高さ、人と会う時刻、裾の位置、生地。この4つを順に見れば、雨の朝の服は自然に絞られていきます。
秋と冬で、気をつけることが少し変わる
同じ雨の日でも、秋と冬では気をつけることが少し違います。
秋の雨は、気温がまだ高いぶん、濡れても冷えは強くありません。むしろ困るのは、濡れた服が乾かないうちに、湿気でまとわりつく感じです。秋の雨の日は、通気のいい生地を選んで、乾くまでの時間を短くすることを優先してください。
冬の雨は、濡れると一気に体が冷えます。膝から下が冷えると、席に座っている間ずっと寒さが抜けません。冬の雨の日は、乾きやすさよりも、まず濡れないこと、そして濡れたときにすぐ替えられることを優先します。置いておく1本と替えの靴下やストッキングが、冬の雨の日にいちばん働きます。
冬の初めには、雨が雪や雪混じりの雨に変わる日もあります。雪の日は路面に積もった雪が靴でかき上げられて、雨の日よりも高い位置まで濡れることがあります。雪の予報がある日は、はねの高さを普段より10cmほど高く見積もって、裾を選んでください。
迷ったら、この順で決める
雨の朝に迷ったときの決め方を、順番に並べておきます。
1つめに、今日は何時に人と会うかを確かめる。朝一番なら濡れないことが最優先、午後なら少し余裕がある。
2つめに、裾がはねの高さの上下5cm以内に来る服を外す。残った服の中から選ぶ。
3つめに、残った服の中で、水をはじく側の生地を優先する。人と会う時刻が遅いほど、中間の生地まで広げてよい。
4つめに、上半身は、肩が濡れても透けない服を選び、薄いブラウスの日は1枚羽織る。
5つめに、迷いが残るなら、置いておく1本を頼りにして、普段の服で出る。
この順番で決めれば、雨の朝に服の前で立ち止まる時間は、ほとんどなくなります。服の色の選び方を秋冬全体で考えたいときは、秋のオフィスカジュアルの色の選び方も合わせて読んでみてください。雨の日の濃い色の1本を選ぶときにも、同じ考え方が使えます。
よくある問い
- Q. 雨の日のオフィスカジュアルは、パンツとスカートのどちらがいいですか
- はねが上がる高さより裾が上にあるなら、どちらでも構いません。迷うのは裾がちょうどはねの高さにかかる丈を持っているときです。くるぶしまでのパンツや、ふくらはぎの真ん中で終わるスカートがそれにあたります。この丈の服は、雨の日には裾がいちばん濡れやすい位置にあるので、晴れの日に回して、雨の日はもっと短いか、靴の甲にかかるほど長いかのどちらかに振ってください。中途半端な丈がいちばん濡れます。
- Q. 職場に着替えを置いておくのは、やりすぎでしょうか
- やりすぎではありません。ただ、上下一式を置く必要はなく、多くの場合は下だけで足ります。濡れるのは膝から下なので、膝丈より少し長いスカートか、乾きやすい生地のパンツを1本、ロッカーか引き出しに入れておく。それと薄手の靴下かストッキングを1組。この2点があれば、朝の雨で一日を引きずることはほぼなくなります。置いておく服は、手持ちのトップスのどれと合わせても浮かない色を選んでください。
- Q. 来客がある日に雨が降ったら、どうすればいいですか
- 来客の時刻までに乾くかどうかで決めます。朝に濡れて、昼過ぎに人と会うなら、乾きやすい生地なら間に合いますし、厚手のウールなら間に合わないことがあります。間に合わない側の服しかないなら、通勤の間だけ裾を守る工夫に回してください。パンツなら裾を一度だけ折り上げて歩き、席で戻す。スカートなら丈の長いコートで裾を覆う。それでも心配なら、置いておく1本に着替えるのがいちばん確かです。
- Q. 撥水の加工がある服を買えば解決しますか
- 裾の濡れについては、半分くらいしか解決しません。撥水の加工は表面で水をはじきますが、はねた泥の粒は布の目に入りますし、何度か洗うと効きが落ちてきます。買うなら、加工よりも先に裾の位置と生地の厚みを見てください。はねの高さより上で終わる裾なら、加工がなくても困りません。加工はその上に重ねる保険と考えるのがちょうどいいです。
— メグラシ編集部





