妊婦の礼服|秋冬の法事は、本堂・墓前・会食の3か所で選ぶ

**妊娠中に秋冬の法事へ出る日の礼服は、その日に回る3つの場所で決めてください。**寺の本堂、墓前、会食の席です。法事の1日は、本堂で読経を聞き、墓へ移動してお参りをし、そのあと会食をする、という流れになることが多く、場所が変わるたびに服の条件も変わります。
本堂では畳に座るか椅子に座るか、墓前では砂利の上に立って風に当たるか、会食では座敷に座るかテーブルに着くか。**3つのうち、いちばん長くいる場所を先に決めて、そこに服を合わせてください。**残りの2つは、上着と小物で寄せれば足ります。
急な知らせで手持ちの黒が着られるかを確かめたい場合は妊婦の喪服・マタニティ喪服、出番の数で1着を用意するかを決めたい場合はマタニティ礼服|慶弔どちらにも着る1着を、出番の数で決めるに分けてあります。この記事は、日付が先に分かっている秋冬の法要の話です。
結論:3か所のうち、いちばん長くいる場所に合わせる
| 場所 | いる時間の目安 | 服で先に決めること |
|---|---|---|
| 本堂 | 30分〜1時間 | 座ってお腹の前に余裕が残る丈、正座か椅子か |
| 墓前 | 15〜30分 | 着たままでいられる上着、かかとの低い靴 |
| 会食 | 1〜2時間 | 座敷なら長く座れる丈、テーブルなら上半身 |
| 移動 | 合わせて30分〜1時間 | 車の乗り降り、上着の出し入れ |
**いちばん長いのは、たいてい会食です。**会食が座敷なら、本堂と同じく床に座る時間が2回あることになります。この場合は、座る時間に合わせた丈を軸にしてください。会食がない法要や、テーブル席の会食なら、本堂の座り方を軸にします。
先に聞いておくこと|案内に書いていない4つ
法事の案内には、日時と場所は書いてあっても、服を決めるのに要ることが書いていないことがよくあります。施主か、施主に近い家族に、次の4つを先に聞いてください。
| 聞くこと | 答えで決まること |
|---|---|
| 本堂は畳か、椅子席か | 丈と、正座を前提にするか |
| 法要のあと、墓へ行くか | 屋外用の上着と靴が要るか |
| 会食は座敷か、テーブルか | 長く座る丈が要るか |
| 移動は車か、歩きか | 歩く距離と、上着の出し入れの回数 |
**妊娠中だと伝えておくと、椅子を用意してもらえたり、会食の席を出入りしやすい端にしてもらえたりします。**遠慮して黙っているより、先に一言伝えておくほうが、当日の施主の手間も減ります。聞く相手が施主本人で言い出しにくいなら、施主の家族や、一緒に出る自分の家族に頼んで聞いてもらってください。4つの答えは、スマートフォンのメモに1行ずつ書いておくと、前の晩に服を並べるときにそのまま見比べられます。答えが「分からない」のままの項目は、重いほう、つまり畳に座る・墓前へ行く・座敷の会食、の側で準備しておけば外れません。
秋冬の法要の1日|時間割を書き出す
秋冬の法要は、10月から12月にかけて、一周忌や三回忌、七回忌などが重なりやすい時期です。年末が近づくと、年内に済ませたいという家も増えます。1日の流れを書き出すと、服が困る境目が見えます。
| 時間 | すること | 服で困りやすいこと |
|---|---|---|
| 朝 | 家を出る、車や電車で移動 | 上着を着たまま座ると、お腹の前が窮屈 |
| 法要の前 | 受付、控室で待つ | 上着を脱ぐ場所 |
| 読経 | 本堂で座る、焼香に立つ | 座る姿勢、立ち上がる動き |
| 法要のあと | 墓へ移動、お参り | 屋外の寒さ、砂利、石段 |
| 会食 | 座敷かテーブルで食事 | 長く座る、食べこぼし |
| 帰り | 引き出物を持って帰る | 荷物の量、両手がふさがる |
**境目は、本堂から墓前へ出るところと、墓前から会食へ移るところの2つです。**この2か所で、上着を着るか脱ぐか、靴をどうするかが変わります。書き出したら、それぞれの境目で何を着て何を持っているかを、1行ずつ書いておいてください。
本堂|畳に座る日の服
お寺の本堂は、畳に座布団を並べて座る形と、椅子席を並べる形があります。畳の日は、座っているあいだにお腹の前に余裕が残るかを先に確かめてください。
| 見るところ | 選ぶ形 | 困りやすい形 |
|---|---|---|
| 丈 | 座ってふくらはぎの中ほどまで | 座ると膝が出る丈 |
| お腹の前 | 胸の下で切り替えて、下にゆとりがある | 腰で締める形 |
| スカートの広がり | 横に広がって、膝を包める | 細い形で、座ると引っ張られる |
| 上 | 前かがみでも首元が開かない | 深いVや、大きく開く首元 |
| 袖 | 肘まで隠れる長さ | 腕を前に出すと肘が出る長さ |
**家で、床に座って立ち上がる動きを3回くり返してみてください。**座ったときに膝が出ないか、立ち上がるときに裾を踏まないか、お腹の前が突っ張らないかを見ます。焼香では、座ったまま前に回ってくる香炉に手を伸ばすか、立って前へ進むかのどちらかになります。前に手を伸ばしたとき、袖が上がって肘が出ないかも確かめておきます。
正座がつらいとき|椅子を頼む・足を崩す
妊娠中は、時期によっては正座が続けられないことがあります。無理に正座を続けるより、先に椅子を頼むほうが、周りも安心します。
| 方法 | 頼み方・座り方 | 服の条件 |
|---|---|---|
| 椅子を用意してもらう | 法要の前に施主かお寺に伝える | 椅子に座っても膝が隠れる丈 |
| 列の端に座る | 出入りしやすい場所を頼む | 立ち上がるときに裾を踏まない |
| 横座り | 座布団の上で、足を片側へ流す | 横に流しても膝が出ない、広がる丈 |
| 足を前に崩す | 座布団の上で、足を前に出す | 足先まで隠れる長さか、ひざ掛け |
| 途中で姿勢を変える | 読経の切れ目で座り直す | 座り直しても形が崩れない生地 |
最近は、本堂に椅子席を設けているお寺も増えています。**椅子に座る日は、座ったときの丈と、お腹の前の余裕だけを見れば足ります。**横座りや足を崩す座り方は、法要の場で失礼にはあたりません。ただ、膝やすねが出ると気になるので、広がって膝を包めるスカートか、黒のひざ掛けを1枚持っていくと、どの座り方にも寄せられます。
本堂の寒さ|暖房の届かない広い部屋
秋冬の本堂は、天井が高く、暖房が全体に回りにくい部屋です。足元から冷えることが多いので、本堂で上着を脱ぐかどうかを先に考えておきます。
| 本堂の様子 | 上着 | 中に重ねるもの |
|---|---|---|
| 暖房が効いている | 控室で脱いでおく | 薄手のカーディガン |
| 暖房が弱い、広い | 脱がずに膝の上か、肩に掛ける | 黒の薄手のニットを1枚 |
| 扉が開いている | 脱がずにいてよいか、施主に聞く | 首元を覆う黒のストール |
| 床が冷たい | 上着は脱いでも、ひざ掛けを使う | 厚手の黒のタイツ |
**本堂で上着を脱ぐのが決まりになっているお寺もあれば、寒い日は着たままでよいとするお寺もあります。**分からないときは、周りの人が控室で脱いでいるかを見て合わせてください。脱ぐ場合に備えて、礼服の中に黒の薄手のニットやカーディガンを1枚重ねておくと、上着を脱いでも寒さで落ち着かなくなることが減ります。
墓前|屋外の砂利と石段
法要のあと、墓地へ移動してお参りをする家も多くあります。墓地は屋外で、足元が砂利や石段、土であることがほとんどです。
| 見るところ | 選ぶ形 | 困りやすい形 |
|---|---|---|
| 靴 | かかとが低く、面で支える黒の靴 | 細く高いかかと |
| 靴底 | すべりにくい底 | 底が薄く、なめらかな靴 |
| 裾 | 足首より上で止まる長さ | 地面に近い長さ(泥や水がつく) |
| 両手 | 片手が空く持ち方 | 両手がふさがるバッグと花 |
| 歩く距離 | 駐車場から墓まで、事前に確かめる | 長い石段を、手すりなしで上る |
**墓前で困るのは、細いかかとが砂利に沈むことと、両手がふさがることです。**石段がある墓地では、手すりにつかまれるように、片手を空けておいてください。花や手桶は家族に持ってもらい、自分は数珠とバッグだけにすると、足元に気を配れます。靴は、本堂でも墓前でも同じものをはくので、かかとが低く面で支える黒の靴を1足用意しておくと、どちらにも合います。
墓前の風と寒さ|コートを着たままでいいか
秋冬の墓地は、建物の陰がなく、風が通ることがよくあります。墓前ではコートを着たままでかまわないとされることが多くなっています。
| 天気 | 上着 | 小物 |
|---|---|---|
| 晴れて風がない | お参りのあいだだけ脱いでもよい | なし |
| 晴れて風がある | 着たまま | 黒の手袋(焼香とお参りのときは外す) |
| 曇り・寒い | 着たまま、前を閉じる | 黒のストール |
| 雨 | 着たまま | 黒か紺の傘、すべりにくい靴 |
| 雪がちらつく | 着たまま、丈の長いもの | 足首を覆う丈、厚手のタイツ |
妊娠中は、着たり脱いだりの回数が少ないほうが楽です。墓前で脱がずにいられる黒か濃い色のコートを1枚決めておくと、天気がどう変わっても迷いません。お腹が大きくなって前が閉まらない時期は、無理に閉めずに、黒のストールを首から前に垂らして、開いた前を覆う形にしておくと落ち着いて見えます。
会食|座敷とテーブル席
法要のあとの会食は、お寺の広間、料理店の座敷、ホテルのテーブル席などで開かれます。会食はいちばん長く座る場所なので、ここの席の形で丈を決めてください。
| 席の形 | 座る時間 | 服の条件 |
|---|---|---|
| 座敷(座布団) | 1〜2時間 | 座ってふくらはぎの中ほどまで残る丈 |
| 座敷(座椅子) | 1〜2時間 | 背もたれに寄りかかってもお腹の前に余裕 |
| 掘りごたつ | 1〜2時間 | 足を下ろすので、ふつうの丈でよい |
| テーブル席 | 1〜2時間 | 上半身が整っていればよい |
| お寺の広間(長机) | 1時間前後 | 立ったり座ったりが多い |
**座敷の会食は、本堂で座ったあとにもう一度床に座ることになります。**本堂で疲れていると、会食のあいだに姿勢を崩したくなります。座敷の席では、壁際や端の席を頼んでおくと、背中を壁に寄せたり、足を崩したりしやすくなります。食事のあいだは前かがみになるので、首元の開きと、胸の前の生地に食べこぼしが目立たないかも見ておいてください。黒の生地は、白っぽい汁がつくと目立ちます。膝の上に大きめのハンカチを広げておくと安心です。
自宅に僧侶を招く法要
お寺ではなく、施主の自宅に僧侶を招いて法要をすることもあります。自宅の法要は、家の中で座る時間と、台所や玄関で手伝う時間が混ざります。
| 場面 | 起きること | 服の条件 |
|---|---|---|
| 仏間で読経を聞く | 畳に座る、椅子のこともある | 座って膝が隠れる丈 |
| お茶を出す、片付ける | 立ったり座ったり、前かがみ | 袖口がじゃまにならない長さ |
| 玄関で迎える・見送る | 靴を脱いだまま立つ | ストッキングかタイツの伝線がない |
| 家族だけで食事 | 自宅の食卓か座卓 | 長く座れる丈 |
自宅の法要で施主の家族側に入る日は、手伝う時間が長くなります。礼服の上に重ねる黒のカーディガンを、袖をまくれる薄手のものにしておくと、お茶を出すときに袖口が湯のみに当たりません。家族だけの法事でどこまで段を下げていいかは、法事の服装 家族のみにまとめてあります。
移動|車の乗り降りと、座ったままの時間
お寺から墓地へ、墓地から会食の店へと、法事の日は車で移る回数が多くなります。郊外のお寺では、駐車場から本堂まで少し歩くこともあります。車の中は、お腹の前がいちばん窮屈になる場所です。
| 場面 | 起きること | 服と持ち方 |
|---|---|---|
| 乗るとき | 腰を落として体をひねる | 裾を踏まない丈、広がるスカート |
| 座っているあいだ | ベルトがお腹の上下を通る | 上着は脱いで膝の上に置く |
| 降りるとき | 足を先に出して立ち上がる | かかとの低い靴、片手を空ける |
| 車で待つ | 墓前に出ず、車内で待つこともある | ひざ掛け、脱いだ上着を掛ける |
| 乗り合わせる | 後ろの席に3人で座る | 前を開けた上着、薄手の羽織り |
**車に乗る前に上着を脱いで、膝の上に置いてください。**厚手のコートを着たままベルトを締めると、お腹の前で生地が寄って、降りたときにしわが残ります。墓地が遠い、坂が多い、という日は、墓前に出ずに車の中で待つ形を家族と決めておいてもかまいません。その場合も、墓前に出る家族が戻るまでの時間を、ひざ掛けと脱いだ上着で過ごせるようにしておきます。
礼服のどこを見るか|お腹の前・丈・袖・前の開き
妊娠中に法事で着る礼服は、ふだんの礼服と比べて、見るところが4つ増えます。
| 見るところ | 確かめ方 | 目安 |
|---|---|---|
| お腹の前 | 座って前かがみになる | 生地が突っ張らず、こぶし1つ分の余裕 |
| 丈 | 床に座って膝の位置を見る | 座ってふくらはぎの中ほどまで残る |
| 袖 | 腕を前に伸ばす | 肘が隠れたまま |
| 前の開き | 授乳期にも着るかで決める | 着るなら前開き、着ないならどちらでも |
| 首元 | 前かがみになる | 鎖骨より下が見えない |
| 生地 | 窓の光に当てる | 光沢が控えめで、透けない |
**お腹の前は、立っているときより、座って前かがみになったときに足りなくなります。**試着は立った姿だけで決めずに、床か低い椅子に座って、前にある物を取る動きまでしてください。産後の授乳期にも法要の予定があるなら、前開きの形を選んでおくと、同じ1着をもう一度使えます。
黒の深さ|手持ちのマタニティ服で足りる段
法事の礼服は、黒の深さと光沢の少なさで段が決まります。手持ちの黒のマタニティ服が、どの段まで使えるかを見ておきます。
| 手持ちの黒 | 使える段 | 足すもの |
|---|---|---|
| 深い黒、光沢なし、無地 | 一周忌まで含めて使える | 黒のジャケットかカーディガン |
| やや明るい黒、光沢少し | 三回忌より後の法要 | 黒の羽織りで面を締める |
| 濃い紺・濃い灰の無地 | 七回忌より後の法要、平服の案内 | 黒の小物でそろえる |
| 黒に細かい柄 | 法要には向かない | 別の1着を用意する |
| 黒のニットのワンピース | 家族だけの法要 | 黒のジャケット |
**手持ちの服を窓辺に持っていき、礼服用の黒と並べてみてください。**並べて色の差が分かるなら、それは「やや明るい黒」です。三回忌より後の法要なら、黒の羽織りを上に重ねれば十分に使えます。一周忌までの法要で施主側に入るなら、深い黒の1着を用意するほうが落ち着きます。
年忌で変わる段|一周忌・三回忌・七回忌
法要は、回を重ねるごとに服の段を下げてよいとされるのが一般的です。家や地域によって考え方が違うので、迷ったら施主に合わせてください。
| 法要 | 服の段の目安 | 妊娠中に選びやすい形 |
|---|---|---|
| 四十九日・一周忌 | 喪服(準喪服) | 深い黒のマタニティ礼服か、黒の羽織りを重ねる |
| 三回忌 | 喪服か、略喪服 | 黒の無地のマタニティワンピース+黒の羽織り |
| 七回忌 | 略喪服 | 黒・濃い紺・濃い灰の無地 |
| 十三回忌より後 | 略喪服か、地味な平服 | 落ち着いた色の無地のワンピース |
| 納骨のみ | 法要に合わせる | 屋外が長いので、上着と靴を優先 |
三回忌の服を喪服のままにするか下げるかの考え方は三回忌の服装は喪服のままでいいかに分けてあります。**妊娠中は、迷ったら1段重いほうに寄せてください。**羽織りを1枚重ねるだけで段が上がるので、重いほうに寄せても、服を買い足す必要はほとんどありません。
上着|黒か濃い色のコートと、脱ぐ場所
秋冬の法事では、本堂の前、墓前、会食の入口と、上着を出し入れする場所が3回あります。
| 場所 | 上着の扱い | 合うコート |
|---|---|---|
| 本堂の前 | 控室で脱ぐか、着たまま入るか、周りに合わせる | 黒か濃い色、装飾の少ないもの |
| 墓前 | 着たままでよいことが多い | 前が閉まらなくても形が落ち着くもの |
| 会食の入口 | 脱いでたたむか、預ける | たたんでもしわが残りにくい薄手 |
| 車の中 | 脱いで膝の上に置く | 軽く、座ってもお腹を締めないもの |
**妊娠中のコートは、前が閉まるかどうかより、開いたまま着ても落ち着いて見えるかで選んでください。**前を開けて着る前提なら、ふだんのサイズのコートでも使えることがあります。毛皮や動物の革が目立つもの、大きな金具が付いたものは法事では避けるのが無難です。黒がなければ、濃い紺や濃い灰でも、墓前と移動のあいだなら十分です。
足元|タイツの厚み、靴の高さ
秋冬の法事は、本堂の床と墓前の地面の両方から冷えます。足元は、法事の段と寒さの両方で決めてください。
| 見るところ | 法事の段 | 秋冬の寒さへの寄せ方 |
|---|---|---|
| ストッキング | 黒の薄手が基本 | 黒の薄手の下に、肌色の薄手を重ねる |
| タイツ | 家族だけの法事なら受け入れられやすい | 厚すぎない黒で、透け感が少しあるもの |
| 靴 | 黒、飾りのない、かかとの低い靴 | すべりにくい底 |
| 靴の脱ぎはき | 本堂と座敷で脱ぐ | 手を使わずに脱ぎはきしやすい形 |
| 替えの1足 | 伝線したとき用 | バッグに薄手の黒を1足 |
黒のストッキングの厚みの考え方は礼服のストッキングは何デニールにまとめてあります。**厚手のタイツをどこまで受け入れるかは、家や地域で分かれます。**迷ったら、一周忌までの法要は黒の薄手、家族だけの法事は透け感の少しある黒のタイツ、という分け方にしておくと、多くの場で落ち着きます。お腹が大きくなると、前かがみで靴をはくのが難しくなるので、手を使わずに脱ぎはきできる靴を選んでおいてください。
小物|数珠・バッグ・ハンカチと両手
法事の小物は、数珠、黒のバッグ、白か黒のハンカチ、袱紗に包んだ香典などです。妊娠中は、両手がふさがらない持ち方を先に決めておきます。
| 小物 | 持ち方 | 妊娠中に気をつけること |
|---|---|---|
| 数珠 | 左手に持つか、バッグに入れる | 焼香のときだけ出す |
| 黒のバッグ | 腕に掛けられる持ち手 | 肩掛けの紐がお腹の上を通らない |
| 引き出物の袋 | 帰りに家族に持ってもらう | 重いものを1人で持たない |
| ハンカチ | 大きめを1枚 | 会食で膝の上に広げる |
| ひざ掛け | 黒か濃い色を1枚 | 本堂と会食で使う |
**ひざ掛けは、法事の場で使っても失礼にはあたりません。**黒か濃い色の無地を、小さくたたんでバッグに入れておいてください。本堂で足を崩すとき、会食の座敷で長く座るとき、墓前で風が強いときと、1日に3回使う場面があります。
施主側か、参列側か
妊娠中に、自分の親や義理の親の法要で、施主の家族側に入ることもあります。施主側に入る日は、参列側より1段重い服と、動ける服の両方が要ります。
| 立場 | 服の段 | 動き |
|---|---|---|
| 施主の家族(自分の親など) | 参列者と同じか、1段重い | 受付、お茶出し、席の案内 |
| 施主の家族(義理の親など) | 施主の家族に合わせる | 手伝いを頼まれることがある |
| 親族として参列 | 案内に合わせる | 座って参列する |
| 知人として参列 | 案内に合わせる | 座って参列する |
施主側で手伝いを頼まれそうな日は、妊娠中なので立ち仕事は控えたい、と先に伝えておくほうが、当日に断るより周りも動きやすくなります。受付で座って記帳を受ける、香典を預かる、といった座ってできる役なら引き受けやすいはずです。服は、座ってできる役に合わせて、座ったときの丈とお腹の前の余裕を優先してください。
妊娠の時期で変わること
妊娠中のどの時期に法事があるかで、服で困るところが変わります。体調はその日にならないと分からないので、服の準備だけは、法事の2週間前に一度試しておくと安心です。
| 時期 | 服で困りやすいこと | 選び方 |
|---|---|---|
| 初期 | お腹は目立たないが、締め付けがつらい | ふだんの礼服のウエストを緩めて着る、上に羽織りを重ねる |
| 中期 | お腹がふくらみ始め、手持ちの礼服が閉まらない | マタニティ用か、切り替えの高いワンピース |
| 後期 | 座る・立つ・前かがみが難しい | 前開きの形、椅子席を頼む |
| 予定日が近い | 長時間の外出が難しいこともある | 出るか出ないかを家族と相談しておく |
法事の日付は、たいてい1〜2か月前に決まります。**日付が決まったら、その日の自分のお腹の大きさを、いまの服で確かめておいてください。**2か月先なら、いまの服が窮屈に感じる場所は、当日はもっと窮屈になっていると考えて準備します。
産後・授乳期の法要
出産後、授乳期のうちに法要が入ることもあります。授乳期の法要は、前が開けられるかどうかで服が決まります。
| 見るところ | 授乳期に選ぶ形 |
|---|---|
| 前の開き | 前開きか、脇に授乳口のある形 |
| 上着 | 黒のカーディガンかジャケットで、前を覆える |
| 会場 | 授乳できる部屋があるかを、先に施主に聞く |
| 赤ちゃん | 預けるか、連れていくかを決めておく |
赤ちゃんを連れて法要に出る場合は、本堂の中で泣き出したときにすぐ出られる、出入り口に近い席を頼んでおくと気持ちが楽です。妊娠中に用意する1着を、前開きの形にしておけば、産後の法要でもそのまま使えます。
どちらとも取れるとき①|「平服で」と案内された
七回忌より後の法要では、案内に「平服でお越しください」と書かれていることがあります。法事の平服は、普段着という意味ではなく、喪服でなくてよい、という意味で使われることが多い言葉です。
| 案内の言葉 | 選ぶ服 | 妊娠中の寄せ方 |
|---|---|---|
| 平服で | 黒・濃い紺・濃い灰の無地 | 手持ちの濃い色のマタニティワンピース |
| 喪服でなくてよい | 落ち着いた色の無地 | 黒の羽織りを重ねると迷わない |
| 特に書いていない | 喪服か略喪服 | 黒の無地のマタニティ服に黒の羽織り |
**平服と言われても、迷ったら黒の羽織りを1枚重ねてください。**周りが喪服で来ていた場合でも、羽織りが黒なら段の差が目立ちません。周りが平服で来ていた場合は、羽織りを脱げば合わせられます。
どちらとも取れるとき②|予定日の近くに法要がある
出産予定日の前後に法要が重なることもあります。**出るか出ないかは、服より先に家族と決めてください。**出る場合は、服の条件を最も少なくします。
| 決めること | 選び方 |
|---|---|
| 出席するか | 家族と相談し、短時間だけ出る形も含めて決める |
| どこまで出るか | 本堂だけ、会食は欠席、という形もある |
| 服 | 前開きで、お腹の前に余裕のある黒の1着 |
| 靴 | 手を使わずにはける、かかとの低い黒の靴 |
| 移動 | 車で、会場の近くまで送ってもらう |
**本堂の法要だけ出て、墓前と会食は欠席する、という出方もあります。**その場合は、本堂で座ることだけを考えて服を選べば足ります。欠席する場合は、施主に早めに伝えて、香典やお供えを家族に託してください。
どちらとも取れるとき③|買うか、手持ちで済ませるか
法事のために、妊娠中の礼服を新しく用意するかどうかで迷うことがあります。
| 条件 | 選び方 |
|---|---|
| 妊娠中から授乳期に、黒を着る予定が2回以上 | マタニティ用か、前開きの1着を用意する |
| 予定が1回で、一周忌より後 | 手持ちの黒のマタニティ服+黒の羽織り |
| 予定が1回で、四十九日か一周忌 | 深い黒の1着を用意するか、借りる |
| 施主側に入る | 深い黒の1着を用意する |
| 慶事の予定も重なっている | 慶弔どちらにも使える黒の1着 |
慶事と弔事の両方に出る予定がある場合の選び方は、マタニティ礼服にまとめてあります。**上の子の七五三と法事が同じ秋に重なる家庭も少なくありません。**七五三の付き添いで着るフォーマルについては妊婦フォーマル|七五三に付き添う日に分けてあります。
秋のうちに確かめておくこと|年末までの予定
10月から12月は、法要と慶事が重なりやすい時期です。秋のうちに、年末までの予定を一度並べてください。
| 時期 | すること |
|---|---|
| 10月 | 年末までの法要・行事の予定を家族に聞いて並べる |
| 10月 | 手持ちの黒を出して、座る・立つ・前かがみを試す |
| 11月 | 足りない場所があれば、羽織りか1着を用意する |
| 法要の2週間前 | お腹の大きさに合わせて、もう一度着てみる |
| 法要の前日 | 靴、替えのストッキング、ひざ掛け、数珠をまとめる |
**法要の2週間前に一度着ておくと、窮屈な場所があっても間に合います。**妊娠中はお腹の大きさが週ごとに変わるので、10月に試した服が12月には閉まらないこともあります。2回試す、と決めておくのがいちばん確かです。
よくある行き違い
**「妊娠中だから、法事は普段着でいい」。**妊娠中でも、法要は法要です。手持ちの黒の無地のマタニティ服に、黒の羽織りを1枚重ねるだけで、多くの法要に合う段になります。
**「正座ができないなら、出席しないほうがいい」。**椅子を頼む、横座りにする、足を崩す、という形で出られます。先に施主かお寺に伝えておけば、椅子を用意してもらえることも多くあります。
**「墓前ではコートを脱がなければならない」。**寒い季節の墓前では、着たままでよいとされることが多くなっています。気になるなら、お参りのあいだだけ脱いで腕に掛けてください。
**「マタニティ用の礼服を買わないと出られない」。**一周忌より後の法要なら、手持ちの黒の無地の服で足りることが多くあります。買うかどうかは、妊娠中から授乳期までの黒の出番の数で決めてください。
まとめ
妊娠中の秋冬の法事は、本堂・墓前・会食の3か所で服を決めます。
- 3か所のうち、いちばん長くいる場所に服を合わせる
- 本堂と座敷では、座ってふくらはぎの中ほどまで残る丈と、お腹の前の余裕を見る
- 正座がつらいなら、先に椅子を頼む
- 墓前は、着たままでいられる黒か濃い色のコートと、かかとの低い靴
- 迷ったら、黒の羽織りを1枚重ねて1段重いほうに寄せる
**法事の案内が届いたら、施主に4つのこと(本堂の席・墓前へ行くか・会食の席・移動)を聞いてください。**その答えで、服の半分が決まります。
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よくある問い
- Q. 妊娠中の法事に、黒のマタニティワンピースで出てもいいですか
- 一周忌より後の法要なら、多くの場合は黒の無地のマタニティワンピースで出られます。光沢が控えめで、袖が肘まで、座って膝が隠れる丈であれば、法要の場で浮くことはほとんどありません。一周忌までの法要や、施主側に入る日は、上に黒のジャケットかカーディガンを重ねると段がそろいます。首元が深く開く形や、透ける生地だけは避けてください。
- Q. 本堂で正座ができそうにありません。どうすればいいですか
- 法要の前に、施主かお寺に、椅子を1脚用意してもらえるかを聞いてください。最近は本堂に椅子席を設けているお寺も増えていて、妊娠中だと伝えれば、たいてい快く用意してもらえます。椅子がない場合は、座布団の上で横座りにする、足を崩して座る、という形でも失礼にはなりません。服は、横座りしても膝が出ない、ふくらはぎの中ほどまでの丈にしておくと安心です。
- Q. 墓前でコートを脱ぐべきですか
- 寒い季節の墓前では、コートを着たままでかまわないとされることが多くなっています。気になる場合は、焼香やお参りのあいだだけ脱いで腕に掛ける、という形でも十分です。妊娠中は、着たり脱いだりする回数が少ないほうが楽なので、黒か濃い紺・濃い灰の、着たままでも法要の場になじむコートを選んでおくと、脱ぐかどうかで迷わずに済みます。
- Q. 法事のために礼服を買ったほうがいいですか
- 妊娠中から授乳期までに、黒の礼服を着る予定が2回以上あるなら、マタニティ用か、前開きで授乳期にも着られる1着を用意しておくと便利です。予定が1回だけで、一周忌より後の法要なら、手持ちの黒のマタニティ服に黒の羽織りを重ねる形で足りることが多くあります。出番の数え方は、マタニティ礼服の記事にまとめてあります。
— メグラシ編集部





