お母さんの服|冬の前に母へ1着選ぶなら、毎日着ている服を先に測る

**お母さんの服を冬の前に1着選ぶなら、売り場で似合いそうな服を探す前に、母がこの1週間でいちばん着た服を見てください。**その服の着丈・袖丈・身幅・重さ・前の開き方の5か所に、母が今の暮らしで選んでいる答えが入っています。新しい1着は、その5か所の数字に近いものから選びます。
母への服は、秋の帰省、誕生日、年の瀬の贈り物と、冬の前に選ぶ機会が重なります。そのとき、自分が母に着てほしい服を選ぶと、きれいでも着てもらえないことがあります。母がいちばん着ている服は、母自身が毎朝選び続けている服です。そこには、袖を通しやすい、重くない、家で洗える、といった理由があります。その理由を寸法で読み取れば、選ぶ1着は外れにくくなります。
結論:母がいちばん着ている1枚に、答えが入っている
| 決めること | 見るところ | 選び方 |
|---|---|---|
| 形 | いちばん着ている服の形 | 同じ形か、近い形 |
| 寸法 | 着丈・袖丈・身幅 | その服の数字から2cm以内 |
| 重さ | いちばん着ている上着の重さ | それより軽いか、同じくらい |
| 前の開き方 | かぶるか、前を開けるか | いちばん着ている服と同じ |
| 洗い方 | いちばん着ている服の洗い方 | 同じ洗い方ができるもの |
| 色 | 手持ちでいちばん多い色 | その隣の色 |
表の6つがそろえば、渡した日から着てもらえる1着になります。全部を新しくするのではなく、いちばん着ている服の続きにする、と考えてください。
母の服を選ぶ場面|冬の前に重なる4つ
母への服を選ぶ機会は、秋から年の瀬にかけて重なります。場面によって、選び方の重さが少しずつ違います。
| 場面 | 時期 | 選び方の重さ |
|---|---|---|
| 秋の帰省 | 10月の連休など | 一緒に買いに行ける |
| 母の誕生日 | 月による | 贈る形が多い |
| 冬支度の手伝い | 衣替えのころ | 手持ちを一緒に見られる |
| 年の瀬の贈り物 | 冬の入り口 | 冬のあいだ着る時間が短い |
いちばん選びやすいのは、秋の帰省か冬支度の手伝いです。母の手持ちを一緒に見られるので、いちばん着ている服をその場で測れます。年の瀬の贈り物は、冬の半分が過ぎてから着ることになるので、上着のような厚手のものより、春先まで使える薄手のものが向いています。
まず見る|この1週間でいちばん着た服を探す
母がいちばん着ている服を探すには、いくつかの方法があります。帰省中なら、洗濯物を干すときや、母が毎朝羽織るものを見ていればわかります。
| 探し方 | わかること | 向いているとき |
|---|---|---|
| 洗濯物を見る | この数日で着た服 | 帰省中 |
| 母が朝に羽織るものを見る | いちばん手に取る上 | 帰省中 |
| 玄関の上着掛けを見る | いちばん着る上着 | 帰省中 |
| 母に聞く | 母が気に入っている服 | 電話でも |
| 家族の写真を見る | 出かけるときの服 | 遠方のとき |
| クローゼットの手前を見る | よく出し入れする服 | 冬支度の手伝い |
母に聞くときは、「どの服が好き?」ではなく、**「この1週間でいちばん着た服はどれ?」**と聞いてください。好きな服と、いちばん着ている服は違うことがあります。好きでも、重かったり、洗いにくかったりして、あまり着ていない服もあるからです。選ぶ手がかりになるのは、いちばん着ている服のほうです。
測る5か所|寸法で読み取る
いちばん着ている服が見つかったら、平らに置いて、次の5か所を測ります。巻き尺と、台所のはかりがあれば足ります。
| 測る場所 | 測り方 | 読み取れること |
|---|---|---|
| 着丈 | 後ろの襟の付け根から裾まで | 腰のどこまで覆う丈が楽か |
| 袖丈 | 肩の縫い目から袖口まで | 手首のどこで止まるのが楽か |
| 身幅 | 脇の下から脇の下まで | 中に何枚重ねているか |
| 重さ | 台所のはかりで量る | 肩に乗せて楽な重さ |
| 前の開き方 | かぶるか、前を開けるか、何で留めるか | 袖を通す動きが楽か |
**数字はスマホのメモに残しておいてください。**帰省のあとで贈り物を選ぶとき、売り場や通販で数字を比べられます。着丈と袖丈は、同じ表示のサイズでも作り手によって違うので、表示より数字で比べるほうが確かです。
帰省の日にする15分|測る順番
秋の帰省で母の服を測るなら、滞在の初日か2日目、母が家事を終えて落ち着いた時間に、15分だけもらいます。最終日に回すと、帰りの支度で時間が取れなくなります。
| 順番 | すること | かかる時間 |
|---|---|---|
| 1 | いちばん着ている上と上着を出してもらう | 2分 |
| 2 | 上を平らに置いて、着丈・袖丈・身幅を測る | 4分 |
| 3 | 上着を台所のはかりに載せて重さを量る | 2分 |
| 4 | 前の開き方とボタンの大きさを見る | 2分 |
| 5 | 洗い方の表示を写真に撮る | 1分 |
| 6 | 手持ちでいちばん多い色を見る | 2分 |
| 7 | 数字と写真をスマホのメモにまとめる | 2分 |
測るときは、「贈り物のため」と先に言っても言わなくても構いません。言うと母が遠慮することもあるので、「冬支度の手伝い」として手持ちを一緒に見る流れにすると、自然に測れます。衣替えで冬物を出す日に重なれば、出した服をそのまま測れるので、さらに手間が少なくなります。
重さ|台所のはかりで量る
母の服を選ぶときに、見落としやすいのが重さです。売り場では、手に持って比べることが少なく、見た目で選んでしまいます。ところが毎日着る服は、重さの差が肩に積み重なります。
| 服 | 軽いと感じやすい目安 | 重いと感じやすい目安 |
|---|---|---|
| カーディガン | 300g前後まで | 500gを超える |
| セーター | 400g前後まで | 600gを超える |
| 薄手の上着 | 500g前後まで | 800gを超える |
| 冬のコート | 800g前後まで | 1.2kgを超える |
| 羽毛の上着 | 600g前後まで | 1kgを超える |
| ズボン | 400g前後まで | 600gを超える |
目安はおおよそですが、いちばんの手がかりは、母がいちばん着ている上着の重さです。それより重いものは、きれいでも着てもらえないことがあります。新しい上着は、それより軽いか、同じくらいの重さのものを選んでください。通販では重さが書いてあることもあるので、書いてあれば比べます。
前の開き方|袖を通す動きで見る
前の開き方は、母が毎朝する動きそのものです。かぶって着るのか、前を開けて袖を通すのか、何で留めるのか。いちばん着ている服と同じ開き方の服は、同じ動きで着られます。
| 前の開き方 | 着るときの動き | 選ぶときに見ること |
|---|---|---|
| かぶる | 両腕を上げて頭を通す | 首まわりが広いか |
| 前が全部開いてボタン | 片腕ずつ袖を通して留める | ボタンの大きさ |
| 前が全部開いてファスナー | 袖を通して下で合わせる | 引き手の大きさ |
| 前が開いて留めない | 袖を通すだけ | 前が落ちてこないか |
| スナップで留める | 押して留める | 押す力が要らないか |
| 大きなボタン1つ | 1か所だけ留める | ボタンの穴の大きさ |
ボタンで留める服なら、ボタンの大きさを見てください。いちばん着ている服のボタンが大きいなら、新しい服も同じくらいの大きさのボタンにします。小さなボタンがたくさん並ぶ服は、見た目はきれいでも、朝の手間が増えます。
袖|袖口の広さと、手首で止まる位置
袖は、長さと袖口の広さの2つで見ます。いちばん着ている服の袖丈を測ると、母が手首のどこで袖を止めたいかがわかります。
| 袖の見どころ | いちばん着ている服と比べて | 新しい服で起きること |
|---|---|---|
| 袖丈が長い | 2cm以上長い | 家事のたびに袖をまくる |
| 袖丈が短い | 2cm以上短い | 手首が冷える |
| 袖口が狭い | 手が通りにくい | 中に着た服の袖が引っかかる |
| 袖口が広い | 手が楽に通る | 中の袖が出やすい |
| 袖ぐりが狭い | 腕の付け根が突っ張る | 上着を重ねにくい |
冬の服は中に1〜2枚重ねるので、袖口と袖ぐりに余裕があるほうが着やすくなります。いちばん着ている冬の上着の袖口に、中の服の袖がどのくらい入っているかも見ておくと、新しい上着の袖口の広さが決まります。
下の服を選ぶとき|ウエストと股下
上の服に比べて、下の服は贈り物に選ばれることが少ないのですが、冬の暖かいズボンは、毎日着る服になりやすい1枚です。下の服は、いちばん着ているズボンやスカートの、次の場所で見ます。
| 見る場所 | 測り方 | 読み取れること |
|---|---|---|
| ウエストの作り | ゴムか、留め具か | はき替えの動きが楽か |
| ウエスト | 平らに置いて端から端まで | 締めつけない幅 |
| 股下 | 股の縫い目から裾まで | 裾を折らずにはける長さ |
| 裾幅 | 裾を平らに置いて | 足を通しやすいか、靴に合うか |
| 重さ | 台所のはかり | 冬物で重すぎないか |
**ウエストの作りは、いちばん着ている下と同じにしてください。**ゴムのものを毎日はいている母に、留め具のあるズボンを贈ると、形がきれいでも出番が少なくなります。股下は、いちばん着ている下と同じか、1cm短いくらいが安心です。長いと裾を折ることになり、その手間で着る回数が減ります。
洗い方|家で洗えるか
毎日着る服は、洗う回数も多くなります。いちばん着ている服の洗い方の表示を見て、同じ洗い方ができるものを選んでください。
| 洗い方 | 母の手間 | 毎日着る服に向くか |
|---|---|---|
| 洗濯機で洗える | 少ない | 向く |
| 手洗いなら洗える | 中くらい | 着る回数による |
| 家では洗えない | 外に出す手間がある | 向かない |
| 乾燥機にかけられる | 少ない | 向く |
| 平らに干す必要がある | 干す場所が要る | 干す場所しだい |
家で洗えない服は、どんなにきれいでも着る回数が減りがちです。汚れるのが気になって、出番の少ない服になってしまいます。いちばん着ている服が洗濯機で洗えるものなら、新しい服も洗濯機で洗えるものにします。
色|手持ちでいちばん多い色の隣
色は、自分が母に着てほしい色から選ぶと、手持ちの服と組み合わせられないことがあります。手持ちでいちばん多い色の、隣の色を選んでください。
| 手持ちに多い色 | 隣の色の例 | 組み合わせやすさ |
|---|---|---|
| 紺 | 少し明るい青、灰色がかった青 | 手持ちの紺と重ねられる |
| 茶色 | ベージュ、明るい茶 | 手持ちの茶と重ねられる |
| 灰色 | 薄い灰色、灰色がかった紫 | 手持ちの灰色と重ねられる |
| 黒 | 濃い灰色、濃い紺 | 手持ちの黒と重ねられる |
| えんじ | 落ち着いた赤、ローズ | 手持ちのえんじと重ねられる |
| ベージュ | 生成り、薄い茶 | 手持ちのベージュと重ねられる |
手持ちでいちばん多い色は、クローゼットを開けて、掛かっている服を端から数えればわかります。帰省中に冬支度を手伝うなら、そのときに数えておきます。遠方なら、母に「いちばん多い色は何色?」と聞けば、たいてい答えが返ってきます。
隣の色なら、手持ちのどの服と合わせても大きく外れず、それでいて新しい服を着ている気分も出ます。母が明るい色を着たがっているなら、顔の近くのストールや首元の小物で1か所だけ足すと、服そのものを替えるより取り入れやすくなります。
母の1日の予定で分ける
母がどんな1日を過ごしているかによって、選ぶ服の役目が変わります。
| 母の1日 | いちばん着る服 | 新しい1着の役目 |
|---|---|---|
| 家で過ごす時間が長い | 家で着る上と羽織り | 家で重ねる1枚 |
| 近所へ買い物に出る | さっと羽織る上着 | 軽い上着 |
| 習い事や集まりに出かける | 出かける日の上 | 人に会う日の1着 |
| 友人と食事に出かける | 座って過ごす服 | 座っても楽な1着 |
| 孫の行事に出かける | 写真に写る服 | 写真の日の1着 |
| 庭や畑の手入れをする | 汚れてもよい服 | 動きやすい羽織り |
母の1日の中で、いちばん長い時間を過ごす場面の服を選ぶと、着る回数が多くなります。出かける日の服は、見た目で選びたくなりますが、出かける回数が月に数回なら、家で過ごす時間の服のほうが、ひと冬で着る回数はずっと多くなります。70代からの服を、一日の動線で見直す考え方は70代からのファッションの選び方にまとめてあります。
冬の前に選ぶ理由|秋に渡すと、ひと冬着られる
母への冬の服は、寒くなる前、秋のうちに渡すのがいちばんです。
冬の服は、寒くなってから慌てて買うと、急いで選ぶことになり、寸法や重さを確かめる時間がありません。秋のうちに選べば、帰省のときにいちばん着ている服を測り、数字を比べて選ぶ時間があります。**秋に渡した服は、ひと冬のあいだに何十回も着る機会があります。**年の瀬に渡すと、冬の半分が過ぎているので、着る回数はその半分ほどになります。
また、秋のうちに渡しておけば、寸法が合わなかったときに取り替える時間も残ります。冬の入り口に合わない服を渡すと、取り替えているうちに寒さの盛りが来てしまいます。
贈るか、一緒に買いに行くか
新しい1着を、選んで贈るか、母と一緒に買いに行くか。どちらにするかは、会える回数と距離で決めてください。
| 条件 | 贈る | 一緒に買いに行く |
|---|---|---|
| 年に1〜2回しか会えない | 向く | 会えた日にできれば |
| 月に1回以上会える | どちらでも | 向く |
| 母が出かけるのを楽しみにしている | ─ | 向く |
| 母が人混みを好まない | 向く | 空いた時間帯なら |
| 寸法がわかっている | 向く | ─ |
| 寸法がわからない | 向かない | 向く |
寸法がわかっていれば贈る、わかっていなければ一緒に買いに行く、が基本です。寸法がわかっていても、上着のように重さと袖の通しやすさが大事なものは、一緒に選ぶほうが確かです。一緒に買いに行くのは、寸法を確かめるだけでなく、母が選ぶ時間そのものを楽しめるという良さもあります。
どちらにするか迷ったら、母に聞いてしまって構いません。ただし「何がほしい?」ではなく、「一緒に選びに行くのと、選んで送るのと、どっちがいい?」と、形のほうを聞きます。何がほしいかを聞かれると、母は「何もいらない」と答えがちですが、形を聞かれると答えやすくなります。一緒に行くと答えたら、秋の帰省の予定に買い物の2時間を入れておきます。送ってほしいと答えたら、その場で5か所を測らせてもらいます。
一緒に買いに行く日の段取り
一緒に買いに行く日は、段取りを決めておくと、母も自分も疲れずに済みます。
| 段取り | 決めておくこと |
|---|---|
| 時間 | 2時間以内 |
| 休む場所 | 途中で座れる場所を先に見ておく |
| 試着 | 袖を通す、座る、腕を前に出す |
| 候補の数 | 3着まで |
| 迷ったとき | いちばん着ている服にいちばん近いもの |
| 持っていくもの | いちばん着ている服の寸法のメモ |
試着では、立って鏡を見るだけでなく、母がふだんする動きをしてもらってください。袖を通す、座る、腕を前に出す。この3つの動きで楽かどうかを見れば、家に帰ってから着なくなることが減ります。試着室が狭い売り場では、上着のように脱ぎ着の多いものは、売り場の鏡の前で羽織るだけでも確かめられます。
贈るときのサイズの決め方|表示ではなく寸法で
贈るときは、表示のサイズではなく、寸法で選んでください。いちばん着ている服の数字と、売り場や通販の寸法表の数字を比べて、着丈・袖丈・身幅のそれぞれが2cm以内のものを選びます。
2cmより大きい差があると、着たときに違いがわかります。着丈が2cm長いと腰が隠れすぎて動きにくく、袖丈が2cm長いと家事のたびに袖が気になります。身幅は冬の服なら少し広めでも構いませんが、広すぎると重ねたときにもたつきます。
寸法表に書いていない場所は、売り場の人に測ってもらうか、通販の問い合わせで聞いてください。1か所でもわからない場所があるなら、取り替えができるかを先に確かめてから贈ります。
母の好みと自分の好みが違うとき
母に着てほしい服と、母が選ぶ服が違うことはよくあります。自分はもっと明るい色を着てほしい、もう少し形のきれいな服を着てほしい。そう思うのは自然なことです。
母のほうも、娘や息子が選んでくれた服を大事にしたい気持ちと、着慣れた服を着たい気持ちの間で迷っていることがあります。着てほしいと思って渡した服が、しまわれたままになっていると、渡したほうも渡されたほうも、少しずつ気まずくなります。
ただ、服は着る人が着たいと思わなければ、クローゼットの中で眠ってしまいます。自分の好みを入れるなら、1か所だけにしてください。形と寸法と重さと開き方は、いちばん着ている服に合わせる。そのうえで、色か素材のどちらか1つだけ、自分が着てほしいと思うものにする。こうすると、母にとっては着慣れた服の延長になり、自分の気持ちも1つ入ります。
冬の上着を選ぶ|重さと前の開きがいちばん大事
冬の上着は、母への服の中でいちばん重く、いちばん値の張るものです。それだけに、選ぶときに見るべき場所がはっきりしています。
| 上着の見どころ | 見るところ | 選び方 |
|---|---|---|
| 重さ | いちばん着ている上着と比べる | 軽いか、同じくらい |
| 前の開き方 | ボタンかファスナーか | いちばん着ている上着と同じ |
| 丈 | 腰か、ひざか | いちばん着ている上着と同じ |
| 袖口 | 中の服の袖が入るか | 余裕のあるほう |
| ポケット | 手が入る高さ | 腕を下ろしたまま手が入る |
| フード | あるかないか | 重さが増えるなら、ないほう |
**上着は、重さが1つでも合わないと、それだけで着なくなります。**見た目が気に入っても、いちばん着ている上着より明らかに重いなら、候補から外してください。
売り場で上着を選ぶときは、候補を手に持って、いちばん着ている上着の重さを思い出しながら比べます。数字で覚えておけば、売り場の秤を借りなくても、片手で持ったときの感じで見当がつきます。迷ったら、2着を両手に1着ずつ持って、軽いほうを残してください。**母の肩に乗るのは、見た目ではなく重さです。**丈の長い上着は暖かい反面、重くなりやすく、座ったときに裾が床につくこともあります。いちばん着ている上着と同じ丈を守るのが、いちばん確かです。
家で着る服|重ねて調整できる1枚
冬の家の中は、部屋によって温度が違います。居間は暖かく、廊下や台所は冷える。家で過ごす時間が長い母には、家の中で脱ぎ着して調整できる1枚が、いちばん着る回数の多い服になります。
前が開くカーディガンや、軽いベストは、居間では前を開け、台所では前を閉じる、という使い方ができます。ベストは袖がないぶん、台所で水を使うときに袖口が濡れる心配がなく、重さもカーディガンより軽くなります。いちばん着ている家の羽織りがカーディガンなら、2枚目にベストを足すと、家の中で着る組み合わせが増えます。
家で着るものは、出かける服よりも、洗う回数がずっと多くなります。洗濯機で洗えて、干してすぐ乾く素材を選ぶと、同じ1枚を週に何度も着てもらえます。いちばん着ている家の羽織りの寸法と重さを測って、それに近いものを選べば、渡したその日から家の中で使ってもらえます。家で着るものの生地の見方は秋冬のパジャマの選び方も参考になります。
服ではなく、小さなものから始める
いきなり服を1着選ぶのが難しいときは、服のまわりの小さなものから始める方法もあります。寸法が合わなくても困りにくく、母が気に入れば毎日使ってもらえるものです。
| 小さなもの | 選ぶときに見ること | 寸法の心配 |
|---|---|---|
| 厚手の靴下 | 口のゴムがゆるいか | ほとんどない |
| 手袋 | 指先が細かく動かせるか | 手の大きさだけ |
| ストール | 重さと、首に巻いたときの厚み | ない |
| ひざかけ | 洗濯機で洗えるか | ない |
| 室内履き | かかとを踏まずに履けるか | 足の大きさだけ |
| 帽子 | 耳まで覆うか | 頭まわりだけ |
**小さなものなら、手持ちでいちばん多い色の隣の色を選ぶだけで、手持ちの服とすぐに合わせられます。**ストールは、首元に明るい色を1つ足したいときにも使えます。小さなものを使ってもらえたら、次の機会に服を選ぶ手がかりにもなります。
兄弟姉妹で分けて贈るとき
兄弟姉妹がいる場合は、それぞれが別々に服を贈ると、母の手元に似たようなものが重なったり、合わないものが増えたりします。帰省で測った5か所の数字を、兄弟姉妹で共有しておくと、誰が選んでも寸法が外れません。
分け方は、上着を選ぶ人、家で着るものを選ぶ人、小さなものを選ぶ人と、役目で分けると重なりません。上着は重さと前の開きを見る必要があるので、帰省で実物を見た人が選ぶのがいちばん確かです。遠方の人は、小さなものを受け持つと、寸法の心配が少なく済みます。
どちらとも取れるとき①|母が「何もいらない」と言う
何もいらない、と言われると、贈るのをやめるか迷います。何もいらないと言うのは、服が足りているというより、選んでもらった服が今の暮らしに合わなかったことがあるからかもしれません。
その場合は、新しい服を選ぶより、いちばん着ている服と同じ形のものをもう1枚、という贈り方にしてください。形も寸法もすでに母が選んだものなので、合わないことがありません。いちばん着ている服は、着る回数が多いぶん傷みも早いので、同じ形の替えがあると喜ばれることがあります。色だけ、手持ちの色の隣に変えておくと、同じ服ばかりに見えることもありません。
どちらとも取れるとき②|施設で暮らしている
母が施設で暮らしている場合は、施設での服の扱いに合わせて選びます。先に施設の人に、服の洗い方と、名前を書く場所を聞いてください。
| 施設で確かめること | 選び方への影響 |
|---|---|
| 洗濯の方法 | 洗濯機と乾燥機にかけられるもの |
| 名前を書く場所 | 名前を書ける布の部分があるか |
| 部屋の温度 | 薄手を重ねる形か、厚手1枚か |
| 着替えを手伝ってもらうか | 前が開く形か |
| 服を置ける量 | 増やしてよい枚数 |
施設で洗う服は、乾燥機にかけても縮まないものを選ぶのが基本です。名前は、洗っても消えにくい場所、たとえば襟の裏や内側の布に書けるかを、渡す前に確かめておきます。いちばん着ている服が乾燥機にかけられているなら、同じ素材のものを選べば困りません。置ける量が限られているなら、新しい1着を渡すときに、いちばん傷んでいる1着と入れ替える形にします。
どちらとも取れるとき③|遠方で、会うのが年に1〜2回
遠方に住んでいて、会うのが年に1〜2回という場合は、いちばん着ている服を自分の目で見る機会が限られます。この場合は、会えた日に5か所を測って、数字を残しておくことを最優先にしてください。
数字があれば、次に会うまでのあいだ、誕生日や冬の前に、数字で比べて選んで贈れます。数字は1年に1回、会えたときに測り直してください。母がいちばん着ている服は、年によって入れ替わることがあります。去年はカーディガンだったのが、今年はベストになっている、ということもあります。いちばん着ている服が変わったら、母の暮らしのどこかが変わった合図なので、次に選ぶ1着もそれに合わせます。会えない年は、母に電話で「いちばん着ている服の袖の長さを測って」と頼みます。1か所ずつなら、母にとっても負担になりません。家族の写真を送ってもらい、出かけるときに何を着ているかを見るのも手がかりになります。
渡したあとに確かめること
新しい1着を渡したら、2週間後に、何回着たかだけを聞いてください。似合っているかどうかではなく、回数です。
| 2週間で着た回数 | 読み取れること | 次に選ぶとき |
|---|---|---|
| 5回以上 | 暮らしに合っている | 同じ寸法と重さで選ぶ |
| 2〜4回 | 出番はあるが、何かが合わない | どこが気になるか1か所だけ聞く |
| 1回 | 着てみて合わなかった | 5か所のどこがずれたか見直す |
| 0回 | 着る場面がない | 母の1日の予定から見直す |
**回数を聞けば、母も答えやすくなります。**似合っているかと聞くと、母は気をつかって「いいよ」と答えることが多いからです。回数が多かったら、その服の5か所の数字を、次の1着の基準に書き足しておきます。いちばん着ている服が、渡した服に入れ替わっていることもあります。回数が少なかったら、次に選ぶときの手がかりにするだけで、渡した服のことを気にしなくて構いません。
よくある行き違い
**「母に似合う色を選べば、着てもらえる」。**色が合っていても、重さや前の開き方が合わないと、着る回数は増えません。色より先に、重さと開き方を見てください。
**「若々しい服を選べば、喜んでもらえる」。**喜ばれるのは、若く見える服より、毎日楽に着られる服です。若々しさを足したいなら、首元の小物1か所にとどめます。
**「高いものを選べば、長く着てもらえる」。**長く着てもらえるかは、値段ではなく、洗い方と重さで決まります。家で洗えて軽いものが、いちばん長く着られます。
**「サイズは、前に聞いた表示で大丈夫」。**同じ表示のサイズでも、作り手によって寸法が違います。いちばん着ている服の数字で比べてください。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 母に服を贈りたいのですが、何を選べばいいかわかりません
- 売り場で探す前に、母がこの1週間でいちばん着た服を見てください。いちばん着ている服には、母が今の暮らしで選んでいる答えが入っています。その服の着丈・袖丈・身幅・重さ・前の開き方の5か所を測り、新しい1着はその数字から2cm以内、重さは軽いか同じくらいのものにします。色は、母の手持ちでいちばん多い色の隣の色を選ぶと、手持ちの服と組み合わせやすくなります。
- Q. 母のサイズがわかりません
- 表示のサイズを聞くより、母がいちばん着ている服を平らに置いて測るほうが確かです。帰省のときに測るか、母に巻き尺で測ってもらって数字を聞きます。測るのは、上なら着丈・袖丈・身幅、下ならウエストと股下です。同じ表示のサイズでも作り手によって寸法が違うので、数字で比べれば、表示に関係なく合う1着が選べます。
- Q. 母が「何もいらない」と言います
- 何もいらないと言うのは、服が足りているというより、選んでもらった服が今の暮らしに合わなかったことがあるからかもしれません。その場合は、新しい服を選ぶより、いちばん着ている服と同じ形のものをもう1枚、という贈り方にしてください。形も寸法もすでに母が選んだものなので、合わないことがありません。色だけ、手持ちの色の隣に変えておくと、同じ服ばかりに見えることもありません。
- Q. 一緒に買いに行くときに気をつけることはありますか
- 買い物の時間を2時間以内に決め、途中で座って休める場所を先に見ておきます。試着は、立って鏡を見るだけでなく、袖を通す、座る、腕を前に出すという、母がふだんする動きをしてもらいます。候補は3着までにして、母が迷ったら、いちばん着ている服にいちばん近いものを選んでもらうと決めやすくなります。
— メグラシ編集部





