70代・150cmのファッション|丈と軽さで決める、毎日着たい服の選び方

「身長150cmだと、丈の合う服がなかなか見つからない」「重いコートを着るのがつらくなった」──70代でこう感じるとき、原因が体の側にあることはほとんどありません。
市販の服は身長158cm前後を基準に作られていることが多く、150cmの方にとっては、袖も着丈も裾も、最初から4〜8cmほど長い状態で店に並んでいます。合わないのは、体ではなく設計の基準です。
そしてもう一つ、70代で効いてくる条件が重さと着脱のしやすさです。ここが合っていないと、どれだけ気に入った一着でも出番が減ります。逆に言えば、丈・重さ・着脱の三つを揃えれば、着たいものを諦める理由はほとんど残りません。
この記事は、その三つを数字で決めるための基準をまとめます。
📋 150cm・70代の服選び早見表
| 決めること | 見る場所 | 目安 | 合っていないときに起きること |
|---|---|---|---|
| スカート丈 | 裾が床から何cm | 18〜24cm か 42〜48cm | 25〜33cmだと脚の幅がそこで記憶される |
| パンツ丈 | 裾が床から何cm | くるぶしが見える高さ | 引きずる/裾を踏む |
| トップス着丈 | 腰骨から何cm下 | 0〜3cm下 | 上下の境目が消えて全体が縮む |
| コート丈 | 裾が床から何cm | 18〜22cm | ふくらはぎの最太部で切れる |
| 上着の重さ | 片手で持ち上がるか | 持ち上がる範囲 | 肩がこわばり、外出そのものが億劫になる |
| 着脱 | 前開きかかぶりか | 迷ったら前開き | 腕を上げる動作で肩に負担がかかる |
| 袖ぐり | 腕を通すとき肘が当たらないか | 指2本分の余裕 | 着るたびに引っかかる |
| 顔の近くの色 | 髪より明るいか | 中間より明るい | 顔だけ浮くか、影が濃く出る |
150cmで起きていることは、寸法のずれだけ
まず、低身長で起きていることを分解します。ここに「似合う・似合わない」の話は一つも出てきません。
| 部位 | 158cm基準の設計 | 150cmで起きること | 直し方 |
|---|---|---|---|
| 着丈 | ヒップが隠れる長さ | ももの中ほどまで届く | 3〜5cm詰める/短い設計を探す |
| 肩幅 | 肩先に肩線が来る | 肩線が二の腕に落ちる | 直しが難しいので買うときに合わせる |
| 袖丈 | 手首の骨まで | 手の甲まで覆う | 2〜4cm詰める |
| 袖ぐり | 指2本の余裕 | 脇の位置が下がる | 型ごと選び直す |
| 股上 | 27〜30cm | 前がたるむ | 25〜27cmの設計を選ぶ |
| 股下 | 68〜72cm | 裾が余る | 5cm以内なら詰める |
| スカート丈 | ふくらはぎの下 | 最も太い位置で止まる | 4〜7cm詰める |
| コート丈 | ひざ下 | ふくらはぎの中ほど | 長い丈を選び直すほうが早い |
詰められるのは丈、詰められないのは肩幅と袖ぐりです。だから買うときは肩で合わせ、丈は詰める前提で選ぶ。この順番だけ覚えておけば、選択肢は一気に広がります。
同じ身長帯の具体的な数値は低身長・150cmの服選びに細かくまとめています。
70代で変わるのは、年齢ではなく体の使い方
70代で服の条件が変わるのは事実です。ただし、変わるのは好みや似合うものではなく、動作と体感のほうです。
| 変わること | 服の側で効く条件 | 合わないときに起きること | 合わせ方 |
|---|---|---|---|
| 腕が上がる範囲が変わる日がある | 袖ぐりの余裕、前開きかどうか | 着るたびに肩に力がいる | 袖ぐりに指2本、迷えば前開き |
| 指先の細かい動作が変わる | ボタンの大きさ、ファスナーの引き手 | 玄関先で時間がかかる | 直径15mm以上のボタン、大きめの引き手 |
| 体温の感じ方が変わる | 足し引きできる構成 | 暑い/寒いのどちらかで一日を過ごす | 中を薄く、外で調整する |
| 皮膚が乾きやすくなる | 肌に触れる面の素材 | 首元や手首がちくちくする | 綿・シルク・上質なウールを内側に |
| 荷物を持つ時間が短くなる | 服とバッグの重さの合計 | 出かける前から疲れる | 上着とバッグを両方軽くする |
| 足元の安定を優先する | 靴の底面と重心 | 歩幅が小さくなる | 底が広く、かかとの低い靴 |
| 背中が丸くなりやすい | 肩線と着丈 | 前身頃が前に落ちる | 肩線ちょうど、後ろ着丈がやや長い型 |
この表のどこにも「もう着られないもの」はありません。条件が変わったなら、条件に合う一着を選び直せばよいという話です。
丈|裾が床から何cmで終わるか
丈は身長ごとに数字が変わりますが、「床から何cm」に置き換えると身長に関係なく同じ基準が使えます。
| 裾が終わる高さ(床から) | 見え方 | 向く場面 | ずれたときに起きること |
|---|---|---|---|
| 0〜5cm | 足の甲まで届く最長丈 | 式や集まりの席 | つまずきやすい。日常には向かない |
| 6〜17cm | くるぶしが完全に見える | 日常全般 | ほとんど出ない |
| 18〜24cm | ふくらはぎの細い位置 | 外出、旅行、通院 | ほとんど出ない |
| 25〜33cm | ふくらはぎの最も太い位置 | 避けたい帯 | 脚の幅がそこで記憶される |
| 34〜45cm | ひざ下 | きちんとした場 | 座ったときの丈を要確認 |
| 46〜55cm | ひざが見える | 明るい印象にしたい日 | ひざの冷えに注意 |
150cm前後の方の場合、この帯を表記の丈に換算すると、ひざ丈50〜53cm、ミモレ丈72〜75cm、ロング丈84〜87cmになります。買う前に、いま持っているいちばん履きやすい一本を測っておくと、通販でも同じ基準で判断できます。
トップスの着丈|分割位置は高いほうが安定する
低身長では、上下の境目が下がるほど全体が縮んで見えます。だから着丈は短めが基本になります。
| 着丈 | 上下の境目 | 見え方 | ずれたときに起きること |
|---|---|---|---|
| 腰骨から0〜3cm下 | はっきり出る | 縦の分割が上がり、脚が長く見える | ほとんど出ない |
| 腰骨から4〜8cm下 | 出る | 腰まわりが隠れる | やや胴が長く見える |
| ヒップの中ほど | 見えにくい | 覆う面積が増える | 脚の始まりが下がる |
| ヒップが完全に隠れる | 消える | 全体が一枚の面になる | 前だけ入れるか羽織りで縦を通す |
| もも中まで | 消える | 羽織りとしては成立 | 一枚で着ると重心が落ちる |
長い丈を着たい日は、前だけウエストに入れるか、前が開く羽織りにして縦の線を一本通します。丈を諦めるのではなく、境目を作るという解き方です。
重さ|持ったときに片手で持ち上がるか
70代の服選びで、丈と同じくらい効くのが重さです。とくに上着は、重さの差がそのまま外出の回数に出ます。
| 上着の種類 | 体感の重さ | 暖かさ | 扱いやすさ |
|---|---|---|---|
| 中綿入りの薄手コート | 軽い | 中〜高 | 洗えるものが多く、日常の主力になる |
| ダウンのショート丈 | とても軽い | 高い | たためる。旅行と相性がよい |
| ダウンのロング丈 | 軽い | とても高い | 丈のわりに軽い。冬の外出向き |
| 薄手ウールのコート | 中 | 中 | 品が出る。長時間の外出は肩に来る日がある |
| 厚手ウールのコート | 重い | 高い | 見た目は保つが、着る回数が減りやすい |
| ボアやムートン | 重い | 高い | 短い外出向き |
| キルティングの羽織り | とても軽い | 中 | 室内でも使える。着脱が楽 |
| ウールのカーディガン | 軽い | 中 | 前開きで調整しやすい |
判断は簡単で、片手のハンガーで持ち上げたときに軽く上がるかどうかです。店頭ならその場で分かります。通販なら、中綿・ダウン・キルティングという言葉が入っているものは軽い側に入ります。
重さは、着ている時間の長さで効き方が変わります。玄関から車までの数分なら、多少重くても気になりません。一方、電車で移動して人と会って帰ってくるような日は、上着の重さがそのまま夕方の疲れになります。同じ一日でも、外にいる時間で選ぶ一着を変えるという使い分けをしておくと、重いものを手放さずに済みます。
もう一つ、上着の重さと同じくらい効くのがバッグです。上着を軽くしてもバッグが重ければ、肩にかかる合計は変わりません。荷物の中身を見直す日を年に一度作るだけでも、外出の負担は変わります。
素材|軽くて暖かいもの、重くて冷たいもの
同じ厚みでも、素材によって重さと暖かさは大きく変わります。
| 素材 | 重さ | 暖かさ | 肌への当たり | 日常での扱い |
|---|---|---|---|---|
| ダウン・中綿 | とても軽い | 高い | 中 | 冬の外側の主力 |
| ハイゲージのウールニット | 軽い | 高い | 柔らかい | 内側の主力。首元も痛くなりにくい |
| カシミヤ混 | とても軽い | 高い | とても柔らかい | 一枚あると冬が軽くなる |
| アクリル混のニット | 軽い | 中 | 中 | 洗えるものが多い |
| 綿のスウェット地 | 中 | 中 | 柔らかい | 家の中で扱いやすい |
| 厚手ウールの織地 | 重い | 高い | 中 | 見た目は保つが肩に来る |
| コーデュロイ | 重い | 中 | 中 | 面が重くなるので上半身は明るく |
| とろみのあるポリエステル | とても軽い | 低い | なめらか | 体の凹凸を拾わず落ちる |
| レーヨン混のカットソー | 軽い | 低い | なめらか | 肩の丸みをそのまま流す |
| リネン混 | 軽い | 低い | ややかたい | 夏の主力。しわは表情になる |
肌に直接触れる面は、綿・シルク・ハイゲージのウールのいずれかにしておくと、乾燥した季節でも過ごしやすくなります。ちくちくする素材は、内側に一枚挟むだけで着られるようになります。
着脱のしやすさ|前開きとかぶりの使い分け
見落とされやすいのに、実際の出番をいちばん左右するのがここです。
| 形 | 着脱のしやすさ | 向く場面 | 注意する点 |
|---|---|---|---|
| 前開き(ボタン) | 高い | 通院、外出、来客 | ボタンは直径15mm以上が扱いやすい |
| 前開き(ファスナー) | 高い | 屋外、旅行 | 引き手が大きいものを選ぶ |
| 前開き(スナップ) | 高い | 日常全般 | 片手でも留めやすい |
| かぶり(首が大きく開く) | 中 | 日常全般 | 頭囲より大きく開くか確認 |
| かぶり(首が詰まる) | 低い | 髪を整える前 | 肩にボタンがある型なら扱いやすい |
| 後ろファスナー | 低い | 人の手がある日 | 一人で着る日には向かない |
| ウエストゴム | 高い | 日常全般 | 前だけゴムの型は見た目も保てる |
| ホック+ファスナー | 中 | きちんとした場 | 出かける前に一度試しておく |
前開きは実用の面で優れていますが、前で開くという線がそのまま縦の線になるので、低身長との相性も良い形です。実用と見え方が一致する数少ない選択肢です。
袖と袖ぐり|腕が上がる範囲で決める
| 見る場所 | 目安 | 合っているときに起きること | 合わないときに起きること |
|---|---|---|---|
| 袖ぐりの余裕 | 指2本分 | 腕を通すときに引っかからない | 着るたびに肘が当たる |
| 袖丈 | 手首の骨の上0〜2cm | 手元がすっきり見える | 手の甲を覆い、家事の邪魔になる |
| 袖口の広さ | 手が抜ける幅 | 脱ぐときに引っかからない | 洗い物のときにまくれない |
| 肩線の位置 | 肩先の骨の上 | 腕が自然に上がる | 二の腕に落ちると腕が太く見える |
| 肩を落とした型 | 肩先より2〜4cm外 | 腕の可動域が広がる | 落ちすぎると全体が大きく見える |
| 袖のゴム・リブ | 手首でゆるく止まる | 風が入らない | きつすぎると跡が残る |
首元|かぶりやすさと顔映りは同時に決められる
| 首元の形 | かぶりやすさ | 顔映り | 向く日 |
|---|---|---|---|
| クルーネック | 中 | 首が詰まって見える日がある | 中に着るとき |
| 浅いVネック | 高い | 縦の線で顔が引き締まる | ほぼ毎日 |
| ボートネック | 高い | 鎖骨が見えて軽くなる | 人と会う日 |
| スキッパー・開襟 | 高い | 顔の下に余白ができる | 通院、買い物 |
| タートルネック | 低い | 首が短く見えることがある | 寒い日、上に羽織る前提で |
| オフタートル | 中 | 首元に余白が残る | 寒い日の日常 |
| ショールカラー | 高い | 顔まわりに厚みが出る | 冬の羽織り |
首元が寒い日は、詰まった服を選ぶよりも、開いた形にストールを一枚のほうが着脱も温度調整も楽になります。襟ぐりごとの見え方は襟ぐりの種類にまとめています。
色|髪の明るさに合わせて決める
白髪が増えると、髪の明度は中間から上に移ります。このとき服の明度だけが低いままだと、顔と服のあいだで明度差が開きます。
| 顔の近くに置く色 | 起きること | 向く場面 | ずれたときに起きること |
|---|---|---|---|
| オフホワイト・生成り | 光を柔らかく返す | ほぼ全ての場面 | ほとんど出ない |
| 明るいグレー | 髪の明るさと調和する | 日常全般 | 彩度が低すぎると全体が沈む |
| ベージュ・キャメル | 肌に近くなじむ | 秋冬の日中 | 肌と同化して輪郭が消える |
| くすんだ青・緑 | 顔の赤みが落ち着く | 日常全般 | 明度が低いと沈む |
| 淡いピンク・藤色 | 血色がよく見える | 人と会う日 | 面積が広いと色が主役になる |
| ネイビー | 引き締まりつつ柔らかい | 行事、通院 | 面積が広いと重さが出る |
| 黒 | 輪郭がはっきりする | 式の席 | 顔の下に影が落ちる |
| 濃い茶 | 落ち着きが出る | 秋冬 | 髪との明度差が開くことがある |
黒や濃い色を着たい日は、首元に明るい色を1〜2cmのぞかせる、または耳元につやのあるものを置きます。着るものを変えなくても、明度差だけを埋められます。
色の理屈は老けて見える色の正体に詳しく書いています。
色の配分|上下どちらを明るくするか
| 配分 | 上半身 | 下半身 | 低身長での見え方 |
|---|---|---|---|
| もっとも安定 | 明るい | 濃い | 顔が立ち、下が締まる |
| 全身を一色に近づける | 中間 | 中間 | 分割が消えて縦に長く見える |
| 軽く見せたい日 | 明るい | 中間 | 全体が軽くなる |
| 引き締めたい日 | 中間 | 濃い | 落ち着くが顔の明るさは確保する |
| 難易度が上がる | 濃い | 明るい | 重心が下がり上半身が縮む |
低身長の場合、上下を近い明度でそろえるのも有効です。境目の色差が小さいほど、縦に長く見えます。
靴|歩ける・脱ぎ履きできる・重心が上がる
| 靴の条件 | 歩きやすさ | 脱ぎ履き | 見え方 |
|---|---|---|---|
| ヒール2〜3cm・底が広い | 高い | 高い | 重心が少し上がり、丈も合う |
| フラット・甲が見える | 高い | 高い | 足の甲が見えて軽くなる |
| フラット・甲が覆われる | 高い | 中 | 足が短く見えることがある |
| ヒール5cm以上 | 中 | 中 | 姿勢に負担が出る日がある |
| ブーツ(ファスナー付き) | 中 | 中 | 裾との合わせ方で丈が決まる |
| ひも靴 | 高い | 低い | かがむ動作が増える |
| スリッポン | 高い | とても高い | 通院や来客の日に扱いやすい |
| 靴底の厚いスニーカー | 高い | 中 | 裾丈を靴に合わせて調整する |
靴の色をボトムスかストッキングの色に近づけると、足元で線が切れずに縦がつながります。低身長ではこの効果がとくに出ます。
靴は、見た目より先に一日の行動範囲を決めてしまう道具です。歩ける靴が一足あるかどうかで、出かける先の選択肢が変わります。買い替えるときは、夕方に試すと足のむくみを含めた実際の状態で判断できます。中敷きを一枚入れるだけで合う場合もあるので、サイズが半分ずれているという理由だけで諦める必要はありません。
場面別|一日の組み立て
| 場面 | 上半身 | 下半身 | 上着 | 効かせる一手 |
|---|---|---|---|---|
| 通院 | 前開きのトップス | ウエストゴムのパンツ | 軽い羽織り | 腕まくりのしやすい袖 |
| 近所の買い物 | 明るい無地 | テーパードパンツ | キルティング | 甲の見える靴 |
| 友人と会う | つやのある素材 | 中間色 | 中綿コート | 耳元に光るものを一つ |
| 家族との食事 | 明るい色+襟 | 濃色 | 前開きの羽織り | 首元を少し開ける |
| 法事や式の席 | 黒か濃紺 | 同系色 | 軽い黒の羽織り | 首元に明るさを1〜2cm |
| 旅行・帰省 | 洗える素材 | しわの出ない生地 | たためるダウン | 靴は履き慣れたもの一足 |
| 孫と過ごす日 | 動きやすいカットソー | ゴム入りのボトムス | 洗える羽織り | 汚れの目立たない中間色 |
| 家で過ごす日 | 柔らかい素材 | 締めつけのないもの | 羽織り一枚 | 一枚かけて輪郭を作る |
場面の具体例は60代のスタイリングの考え方や60代の通勤の装い、孫と過ごす日の装いも参考になります。
気温別|中を薄く、外で調整する
| 最高気温 | 中心になるもの | 足すもの | 注意する場所 |
|---|---|---|---|
| 30度以上 | 半袖か七分袖 | 薄い羽織り | 冷房の風が肩に当たらないように |
| 25〜29度 | 薄手の長袖 | 薄い羽織り | 朝晩の差 |
| 20〜24度 | 長袖一枚 | カーディガン | 首元の開き |
| 15〜19度 | 薄手ニット | 中綿の羽織り | 手首と足首 |
| 10〜14度 | ニット | 軽いコート | 足元の冷え |
| 9度以下 | 薄手を二枚 | ダウンか中綿コート | 重ねすぎて肩が動かなくならないか |
厚いものを一枚着るより、薄いものを二枚重ねるほうが、暖かさと軽さが両立します。重ね方の基本は秋の重ね着の基本にあります。
買うときに見る数字
| 見る場所 | 確認する数字 | 150cm前後の目安 | 合っていないと起きること |
|---|---|---|---|
| 肩幅 | 肩線が肩先に来るか | 36〜38cm前後 | 二の腕に落ちて腕が太く見える |
| 着丈 | 腰骨から何cm下 | 0〜3cm下 | 上下の境目が消える |
| 袖丈 | 手首の骨の上0〜2cm | 52〜54cm前後 | 手の甲を覆い作業しにくい |
| 袖ぐり | 指2本の余裕 | 指2本 | 腕を通すときに引っかかる |
| 股上 | ウエストから股まで | 25〜27cm | 座ったときに腰が出る |
| 股下 | 股から裾まで | 62〜66cm | 裾を踏む/短すぎる |
| スカート丈 | 裾が床から何cm | 18〜24cm | 25〜33cmで脚の幅が出る |
| 上着の重さ | 片手で持ち上がるか | 上がる範囲 | 出かけるのが億劫になる |
サイズ表記のS・Mではなく、商品ページの実寸表を見る習慣をつけると、通販でも判断できます。手持ちのいちばん着やすい一枚を測ってメモしておくのが最初の一歩です。
直せるところと、直せないところ
| 直したい場所 | 直せるか | 目安 | 注意する点 |
|---|---|---|---|
| パンツの裾 | 直せる | 5cmまでは形が保てる | 6cm以上詰めるとシルエットが変わる |
| スカートの裾 | 直せる | 台形やフレアは要相談 | 裾の広がりの位置が上がる |
| 袖丈 | 直せる | 2〜4cm | 袖口に飾りがあると難しい |
| ウエスト | 直せる | 2〜3cm | 詰めすぎるとポケットの位置がずれる |
| 肩幅 | 直しにくい | ─ | 形そのものが変わるため買うときに合わせる |
| 袖ぐり | 直しにくい | ─ | 型を選び直すほうが早い |
| 着丈(トップス) | 場合による | 裾の始末による | 元の縫い方で可否が変わる |
**肩と袖ぐりで買い、丈で直す。**この順番を守るだけで、選べる一着は増えます。
「70代だから」で狭めなくてよいもの
最後に、年齢を理由に外されがちなもののうち、実際には条件さえ合えば残るものを並べます。
| よく言われること | 実際に効いている条件 | 条件を満たせば | 残る選び方 |
|---|---|---|---|
| デニムはもう無理 | 生地の厚みと硬さ | 薄手でやわらかいものなら日常着 | 濃色・ストレッチ入り・ゴム入り |
| 明るい色は派手 | 彩度と面積 | 明度を上げて彩度を下げれば顔映りがよい | 顔の近くに、無地で |
| 柄は年齢に合わない | 柄の大きさと余白 | 小さめの柄なら汗じみも目立たない | 小紋・細かいストライプ |
| 長い丈は野暮ったい | 裾が止まる位置 | 床から18〜22cmなら縦がつながる | 軽い素材のロング |
| パンツは体型が出る | 股上と裾幅 | 股上25〜27cm、裾幅18cm以上なら拾わない | テーパードかワイド |
| ヒールはもう履けない | 高さと底面の広さ | 2〜3cmで底が広ければ安定する | 甲が見える型 |
| スニーカーはカジュアルすぎる | 色と形 | 濃色で装飾の少ないものなら日常着に合う | 無地・低め |
| ワンピースは着る機会がない | 着脱と丈 | 前開きなら日常の一枚になる | 羽織りと合わせて |
年齢は、選べるものを減らす理由になりません。減らす必要があるのは、重すぎるもの・着るのに力がいるもの・足元が不安定になるものだけです。
服が原因で起きる、小さな困りごと
体の変化として受け取られがちなことのうち、実際には服の設計が原因になっているものがあります。ここを分けて考えると、直せることが増えます。
肩がこる日が続くとき、上着の重さが肩の一点にかかっている場合があります。同じ重さでも、肩から吊るす仕立てと、背中全体で支える仕立てでは体感が違います。買うときに袖を通して、両腕を前に出してみると分かります。
腕が上がりにくいと感じるとき、可動域そのものより袖ぐりの位置が下がっていることがあります。低身長の方が158cm基準の服を着ると、脇の位置が2〜3cm下がり、その分だけ腕の上がる角度が小さくなります。肩で合ったサイズを選ぶだけで、動きが戻ることは珍しくありません。
裾を踏みそうになる、段差でつまずきそうになる。これは丈の問題です。裾が床から6cm以上あれば、歩幅が小さくなっても引っかかりません。安全は、丈の数字で確保できます。
前かがみになると背中が出る、座ると腰が出る。これは股上と後ろ着丈です。股上25〜27cm、後ろ着丈が前より2〜3cm長い設計を選ぶと、動作のたびに気にする必要がなくなります。
**体に合わせて我慢するのではなく、合う設計を選び直す。**この順番で考えると、日常の小さな困りごとはかなりの割合で服の側で解けます。
洗濯と手入れ|出番が続く一着の条件
どれだけ気に入っていても、手入れに手間がかかる一着は、少しずつ出番が減っていきます。買うときに洗い方まで見ておくと、そのあとの一年が変わります。
| 表示 | 家での扱い | 出番への影響 | 選ぶときの考え方 |
|---|---|---|---|
| 洗濯機で丸洗い可 | そのまま洗える | 増える | 日常着はここから選ぶ |
| 手洗い可 | ためて洗うことになる | やや減る | 週に一度まとめて洗える枚数に留める |
| ドライのみ | 季節ごとに出す | 減る | 上着や式の席の一着に限る |
| 家庭乾燥機不可 | 干す場所が要る | やや減る | 軽い素材なら乾きが早く負担が小さい |
| 型崩れしやすいニット | 平らに干す | やや減る | ハイゲージなら扱いが軽い |
| しわが残る生地 | アイロンが必要 | 減る | 混紡にするとしわが軽くなる |
| 毛玉ができやすい | 手入れが増える | 減る | 摩擦の多い脇と袖口を触って確かめる |
| 汚れが目立つ淡色 | 部分洗いが増える | やや減る | 中間色にすると気を張らずに着られる |
洗える一着が増えると、外出そのものが気軽になります。手入れの軽さは、装いの一部だと考えて構いません。
肌に触れる一枚|順番を決めておく
年齢とともに肌が乾きやすくなると、素材の当たりが直接そのまま体感に出ます。ここは重ねる順番で解決できます。
いちばん内側は、綿かシルク、あるいはハイゲージのウールにします。肌に当たる面がなめらかであれば、その上に何を重ねても、ちくちくする感触はほとんど届きません。ウールのニットが苦手だった方が、内側に薄い一枚を挟むだけで着られるようになる例はよくあります。
中間には、暖かさを担うものを置きます。ここが厚いと肩が動きにくくなるので、薄手を二枚にするほうが結果として楽になります。
いちばん外側は、風を通さないものです。冬の寒さの多くは風で起きるため、外側の一枚が風を止めれば、中を薄くしても体感は下がりません。中を厚くして肩に重さをかけるより、外で止めるほうが、体にも見た目にも負担が少なくなります。
出かける前の1分の確認
最後に、玄関を出る前に確かめる場所を三つだけ挙げます。
ひとつめは、上下の境目が見えているかどうか。鏡の中で腰の位置が分かれば、丈の判断はおおむね合っています。
ふたつめは、顔の近くに明るさがあるかどうか。首元でも、耳元でも構いません。ここが暗いままだと、体調に関わらず疲れて見えます。
みっつめは、腕が肩の高さまで無理なく上がるかどうか。上がらないなら、その日は前開きに替えるだけで一日の負担が変わります。
この三つで足ります。増やすと確認そのものが面倒になり、結局やらなくなります。
家族に頼むとき、伝えること
ご家族に選んでもらう機会がある方のために、伝える内容を整理しておきます。
伝えるのは四つです。ひとつめは身長と、いま手持ちでいちばん着やすい一枚の着丈・肩幅・袖丈。ふたつめは前開きかかぶりかの希望。みっつめは重さの上限で、「片手で持ち上がるくらい」と言えば伝わります。よっつめは、洗濯機で洗えるかどうか。
色や柄の好みは、この四つのあとで構いません。条件が先に決まっていれば、選ぶ側も具体的に絞れて、贈られる側も出番のある一着を受け取れます。
まとめ
70代で身長150cm前後の服選びは、丈・重さ・着脱のしやすさという三つの条件で決まります。年齢が選択肢を減らしているのではなく、この三つが合っていない一着が手元にあるだけです。
丈は、裾が床から何cmで終わるかで見ます。25〜33cmの帯だけを外せば、ロングでもひざ下でも成立します。トップスの着丈は腰骨から0〜3cm下にすると、上下の境目が高い位置に残ります。
重さは、片手で持ち上がるかどうか。中綿・ダウン・キルティングを選べば、同じ暖かさのまま体感は変わります。着脱は、迷ったら前開き。前で開く線は、そのまま縦の線としても働きます。
色は、髪の明るさに合わせて中間より明るい側を顔の近くに。濃い色を着たい日は、首元に明るさを1〜2cmのぞかせれば足ります。
そして、肩と袖ぐりで買い、丈で直す。この順番さえ守れば、着たいものを年齢で手放す必要はありません。
関連記事
- 低身長・150cmの服選び|丈の目安を数字で
- 低身長の50代の服選び|3つの寸法と丈の早見表
- 低身長のスタイリング
- 低身長のバランスの取り方
- 身長差とバランスの取り方
- 低身長のワイドパンツの選び方
- 老けて見える色の正体|明度差と彩度で決まる
- 秋の重ね着の基本
- 50代の毎日のファッション
- 襟ぐりの種類
- アウターの種類
- 靴の種類の図鑑
- 60代のスタイリングの考え方
- 60代の通勤の装い
- 孫と過ごす日の装い
- 60代のコーデ
— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 70代で150cmだと、スカートは何cm丈を選べばよいですか
- 表記の丈ではなく、裾が床から何cmで終わるかで決めると迷いません。150cm前後の方だと、ひざ丈は50〜53cm、ふくらはぎの下で切るミモレ丈は72〜75cm、ロング丈は84〜87cmが目安になります。避けたいのは、裾が床から25〜33cmで終わる丈です。この高さはふくらはぎのいちばん太い位置にあたるため、脚の幅がそこで記憶されます。市販品は身長158cm前後を基準に作られていることが多いので、同じ表記でも4〜7cmほど短いものを選ぶか、詰めることになります。
- Q. 70代になって、重いコートがつらくなりました
- 重さは我慢するものではなく、選び直せる条件です。同じ暖かさでも、中綿やダウンを使ったものは、厚手のウールに比べて三分の一ほどの重さで済みます。持ったときに片手で軽く持ち上がるかどうかが、実用的な判断基準になります。加えて、重さは肩にかかるので、肩まわりに厚みのない仕立てを選ぶと体感が変わります。丈を短くして軽くする方法もありますが、裾が床から18〜22cmで終わる長めの丈は縦の線が通るので、軽い素材でその丈を選ぶほうが見え方は保てます。
- Q. 着脱がしにくい服は、どこを見れば分かりますか
- 店頭でも通販でも、見るのは三か所です。ひとつは前開きかかぶりか。腕を大きく上げにくい日があるなら、前開きのほうが確実です。ふたつめはボタンの大きさで、直径15mm以上あると指先で扱いやすくなります。みっつめは袖ぐりの余裕で、腕を通すときに肘が引っかからない幅があるかどうかです。かぶりのものを選ぶ場合は、首まわりが頭囲より大きく開くか、肩にボタンやファスナーがあるものにすると負担が減ります。
- Q. 70代の低身長でも、ロングコートを着てよいですか
- 着られます。低身長でロングコートが難しく見えるのは、丈が長いからではなく、裾がふくらはぎのいちばん太い位置で止まったときです。裾が床から18〜22cmで終わる長さまで通すと、縦の線がつながって全体がすっきりします。軽い中綿のものを選べば、重さの問題も同時に解決します。丈を諦めるより、丈と素材を組み合わせて選ぶほうが選択肢は広がります。
- Q. 白髪が増えてから、似合う色が分からなくなりました
- 髪の明るさが変わったので、服の明るさの基準がずれただけです。白髪が増えると髪は中間から明るい方向に移るため、顔の近くに濃い色を置くと明度差が開いて、顔だけが浮いたり沈んだりします。合わせやすくなるのは、明るいグレー、オフホワイト、生成り、くすんだ青や緑など、明るさが中間から上にある色です。濃い色を着たい日は、首元に明るい色を1〜2cmのぞかせるか、耳元につやのあるものを置くと、同じ服のまま印象が変わります。
- Q. 家族に服を選んでもらうとき、何を伝えればよいですか
- 好みの色や形より先に、数字と条件を伝えるほうが失敗が減ります。伝えるのは、身長と、いま手持ちでいちばん着やすい服の着丈・肩幅・袖丈、そして前開きかかぶりかの希望、重さの上限(片手で持ち上がる程度など)の四つです。この四つが揃っていれば、選ぶ側は具体的に絞れます。色の好みは最後に伝えれば十分です。
- Q. 70代だから避けたほうがよい服はありますか
- 年齢を理由に外れるものは、実際にはほとんどありません。難しくなるのは、重いもの、腕が大きく上がらないと着られないもの、足元が不安定になるものの三つで、これは年齢ではなく可動域と安全の話です。デニムも、明るい色も、柄も、丈の長いものも、素材と重さと丈が合っていれば日常の選択肢に残ります。外すのは「年齢に合わないもの」ではなく「今日の体に合わないもの」です。
— メグラシ編集部





