骨格ストレート チェスターコート|胸が厚いか首が短いかで襟を選ぶ

**チェスターコートを着て鏡の正面に立ったとき、窮屈に見えるのは胸元ですか、それとも首元ですか。**胸元なら「胸が厚い人」、首元なら「首が短い人」です。骨格ストレートにチェスターコートが合わないと感じる理由は、ほとんどこの2つのどちらかにあります。
胸が厚い人は、ボタンの位置が低いシングルを選び、襟が返る位置をみぞおちより下にして、胸の前に深いVを作ってください。首が短い人は、上襟が低く首から離れて寝る形を選び、下襟の幅は指3本分ほどにとどめ、首元を大きく開けてください。
両方に当てはまる人は、ボタンの位置を先に決めます。ボタンが低ければ襟の返りも下がり、胸の前にも首元にもすき間ができるので、2つの困りごとに同時に効きます。
結論:胸の前を開けるか、首元を開けるか
骨格ストレートの体は、上半身に厚みがあり、胸の前後が立体的で、肌にハリのあるつくりです。チェスターコートが合うと言われるのは、ハリのあるウールで直線的に落ちる形が、体の厚みとつり合うからです。
ただし、チェスターコートには細かい違いがあります。ボタンの位置、下襟の幅、上襟の高さ、襟が返る位置。この4つによって、胸の前にどれだけ空間ができるか、首元にどれだけ空間ができるかが変わります。胸が厚い人は胸の前の空間が、首が短い人は首元の空間が足りないと、コートが窮屈に見えます。
| 見る場所 | 胸が厚い人 | 首が短い人 |
|---|---|---|
| 鏡で窮屈に見える所 | 胸の前、ボタンの上 | 首の付け根と上襟のあいだ |
| 先に決めるもの | ボタンの位置・襟の返る位置 | 上襟の高さ・下襟の幅 |
| 避けたい形 | ボタンが高い・ダブル | 上襟が立つ・下襟が広い |
鏡の前で30秒|どちらかを見分ける
手持ちのジャケットかコートを着て、鏡の正面と横から見てください。
横から見て、胸の前の布がボタンの上で前に押し出され、ボタンとボタンのあいだに横じわが寄っていたら、胸が厚い人です。正面から見て、Vゾーンの下の端がみぞおちより上にあり、胸の上半分が布で覆われていることも目安になります。
正面から見て、上襟と首のあいだに指を入れてみてください。指1本しか入らず、上襟が首の横に沿うように立ち上がっていたら、首が短い人に寄ります。耳たぶの下から肩の上の線までを指を横にそろえて測り、指3本分ほどしかないことも目安です。
胸が厚い人|ボタンの位置が低いシングルを選ぶ
胸が厚い人がいちばん先に見るのは、ボタンの位置です。いちばん上のボタンが、みぞおちより下、おへそに近い高さにあるものを選んでください。
ボタンが低いと、襟が返る位置も下がり、胸の前に深いVができます。Vの中に見える中の服が、胸の厚みを縦に分けるので、胸の前に布が詰まって見えません。ボタンがみぞおちより上にある形は、胸の上半分をコートの布が覆い、そこへ胸の厚みが押し出されて、窮屈に見えます。
シングルを選ぶのも同じ理由です。ダブルは前の打ち合わせが深く、ボタンが横に2列並ぶので、胸の厚みに横幅が足されます。
胸が厚い人|下襟は中くらい、返りはみぞおちより下
ボタンの次は、下襟の幅と、襟が返る位置です。下襟の幅は、いちばん広い所で指3本から4本分(6〜8cm)の中くらいを選んでください。
細すぎる下襟は、胸の厚みの前で小さく見えて、胸のほうが目立ちます。広すぎる下襟は、胸の上に布の面積が増えて、胸の前がさらに重く見えます。中くらいの幅なら、胸の厚みとつり合いながら、胸の前に布を足しません。
襟が返る位置は、みぞおちより下にあるかを見てください。返りが胸の高さで止まっていると、Vが浅くなり、胸の上に襟の重なりが乗ります。
胸が厚い人|中は薄く、前は開けて着る
胸が厚い人は、中に着るものを薄くしてください。厚手のニットを中に着ると、胸の厚みにニットとコートの厚みが重なり、ボタンの上でコートの布が押し出されます。
首元はVに開いた薄手のニットか、襟のないなめらかなブラウスが合います。コートの深いVの中にもう一度Vができると、胸の前の縦の線が二重になり、厚みから目が下へ流れます。
前は開けて着るほうが合います。閉めるときは、いちばん上のボタンをひとつだけ留めてください。2つ以上留めると、胸の前の布が引っ張られて横じわが出ます。
首が短い人|上襟が低く、首から離れて寝る形
首が短い人がいちばん先に見るのは、上襟の高さと立ち方です。上襟が低く、首から離れて肩のほうへ寝る形を選んでください。
上襟が高く首に沿って立ち上がる形は、首の付け根から上を布が覆い、首の見える部分がさらに短くなります。試着したら、上襟と首の横のあいだに指を入れてみてください。指2本が楽に入るなら、上襟が首から離れています。1本しか入らないなら、その形は首元が詰まって見えます。
上襟の高さは、後ろから見て首の付け根から指2本分ほどまでが目安です。それより高く立つと、後ろ姿でも首が埋まって見えます。
首が短い人|下襟は指3本分、首元を大きく開ける
次に下襟の幅です。首が短い人は、下襟の幅をいちばん広い所で指3本分(6cmほど)にとどめてください。

下襟が広いと、肩先へ向かって襟が横に広がり、首の両脇に布の面積が増えます。そのぶん首が埋まって見えます。指3本分ほどの幅なら、首元から肩にかけて肌の見える面が残り、首が長く見えます。
首元は大きく開けてください。襟が返る位置が低いほど、首元から胸の前にかけてのVが深くなり、首の付け根から縦の線が下へ伸びます。
首が短い人|中の首元は浅く開ける
首が短い人は、中に着るものの首元も見てください。タートルネックやハイネックは、コートの上襟と首元の布が重なって、首がさらに短く見えるので避けたほうが無難です。
選ぶのは、首元が浅く開いたクルーネックか、Vネックです。首の付け根が見えていると、コートの襟から首までのあいだに肌の見える面ができて、首の長さが取り戻せます。
マフラーを巻くときは、首に1回かけて前に垂らす形にしてください。首に何周も巻くと、上襟とマフラーが首元に重なります。
両方に当てはまる人|ボタンの位置が先
胸が厚くて首も短い人は、ボタンの位置を最初に決めてください。
ボタンが低いシングルなら、襟が返る位置も下がり、胸の前に深いVができます。Vが深いと、首元からも開きが続くので、首の付け根にもすき間ができます。つまり、ボタンの位置ひとつで、胸と首の両方に空間ができるのです。
上襟の高さや下襟の幅は、そのあとで選びます。ボタンが高い形を選んでから襟の細さで調整しても、胸の前の布は減りません。
両方に当てはまる人|中の服はVを優先する
両方に当てはまる人が迷うのは、中の服の首元です。胸が厚い人にはVネックが、首が短い人には浅いクルーネックかVネックが合います。
重なるのはVネックです。開きの深さは、首の付け根から指3本分(5〜6cm)ほどの浅めのVにしてください。深すぎるVは胸の谷間に近づいて落ち着かず、浅すぎると首元のすき間が足りません。
前は開けて着てください。前を開けると、胸の前に縦の線が2本でき、その線が首元のVとつながって、胸と首の両方から目が下へ流れます。
どちらの人も|肩はジャストで、生地はハリのあるもの
ボタンや襟と違って、肩と生地はどちらの人も同じ選び方です。
肩の縫い目は、肩先の骨の真上か、そこから外に1cmほどまでに収まるものを選んでください。ストレートの体は上半身に厚みがあるので、肩が大きく落ちる形を着ると、落ちた肩から胸の厚みまでが一続きの丸い塊に見えます。肩がジャストに合っていると、肩先で一度輪郭が締まり、そこから下へ直線が落ちます。
生地は、ハリのあるウールを選びます。指でつまんで持ち上げたとき、布が自分の重さでたれ下がらず、形を保つくらいが目安です。柔らかくとろみのある生地は、胸の厚みに沿って前へふくらみ、ボタンの上に横じわが出やすくなります。毛足の長い起毛素材も、胸の前に厚みを足すので、胸が厚い人は避けたほうが無難です。
色は骨格では決まりませんが、生地の表面は見てください。織り目が細かく、光をなめらかに返すウールは、ストレートの肌のハリとつり合います。表面がざらついた粗い織りは、胸の前に凹凸の影を作り、厚みをさらに足して見せます。
背の高さで丈を決める
ボタンと襟が決まったら、最後に丈です。ストレートの体は上半身に厚みがあるので、裾が腰やお尻のあたりで切れると、上半身の厚みがそのまま全身の印象になります。基本は、膝が隠れる丈です。
背が高めの人は、ふくらはぎの中ほどまで伸ばして構いません。ハリのあるウールが膝から下までまっすぐ落ちると、縦の線が長くなり、胸の厚みが全体の中に収まります。
背が低めの人は、膝の皿から指4本分ほど下で止めてください。それより長いと、ハリのある生地の重さが足元にたまり、上半身の厚みと裾の重さが上下に並んで、全身が詰まって見えます。膝がちょうど見える丈まで短くすると、今度は上半身の厚みのほうが目立つので、膝は隠しておくほうが無難です。
手持ちのボタンが高いチェスターを着る日
すでにボタンの位置が高いチェスターコートを持っている人は、着方で調整できます。
胸が厚い人は、前を開けて着て、ボタンは留めないでください。開けたまま下襟を指で少し外側に返すと、胸の前のVが深くなります。中には首元がVに開いた薄手のニットを着て、胸の前の縦の線を足します。
首が短い人は、上襟を指で後ろへ倒して、首から離してから着てください。ウールの上襟は、着る前に少し寝かせておくと、首の横に沿って立ち上がりにくくなります。中の服は浅いクルーネックにして、首の付け根を見せてください。マフラーは首に巻かずに、襟の外側から前に垂らします。
売り場で見る3か所
試着できる売り場では、次の3か所を見てください。
- いちばん上のボタンが、みぞおちより下にあるか。上にある形は胸の前に布が詰まります
- 上襟と首の横のあいだに、指2本が楽に入るか。1本しか入らない形は首が詰まって見えます
- 下襟のいちばん広い所が、指3本から4本分(6〜8cm)に収まっているか
丈が長くて重く見えるときの直し方は骨格ストレート ロングコートが重いに、中に着るニットの選び方は骨格ストレート ローゲージニットにまとめてあります。
まとめ|胸の前と首元に、空間を残す
骨格ストレートのチェスターコートが窮屈に見えるのは、胸の前後が厚いか、首が短いかのどちらかです。胸が厚い人は、ボタンの位置が低いシングルを選び、襟の返りをみぞおちより下にして、中は薄く、前は開けて着ます。首が短い人は、上襟が低く首から離れる形を選び、下襟は指3本分にとどめ、中の首元を浅く開けます。
両方に当てはまるなら、ボタンの位置が先です。ボタンが低いだけで、胸の前にも首元にも空間ができます。
よくある問い
- Q. 骨格ストレートにダブルのチェスターコートは合いませんか
- 胸が厚い人は、ダブルを避けたほうが無難です。ダブルは前の打ち合わせが深く、胸の前に布が2枚重なるうえ、ボタンが横に2列並ぶので、胸の厚みに横幅が足されます。首が短い人は、ダブルでも襟が返る位置が低く、上襟が首から離れて寝る形なら着られます。ただし、ダブルは襟が大きく立ち上がる作りが多いので、試着のときに上襟と首のあいだに指2本が入るかを確かめてください。
- Q. チェスターコートの丈はどれくらいがいいですか
- 膝が隠れて、ふくらはぎの上くらいで終わる丈が、どちらの人にも合わせやすい長さです。ストレートの体は上半身に厚みがあるので、裾が腰やお尻のあたりで切れると、上半身の厚みがそのまま全身の印象になります。膝が隠れる丈まで伸ばすと、縦の線が長くなり、胸の厚みが全体の中に収まります。背が低めの人は、ふくらはぎの中ほどより長くすると裾が重く見えるので、膝下指4本分くらいで止めてください。
- Q. チェスターコートの中には何を着ればいいですか
- 胸が厚い人は、首元がVに開いた薄手のニットか、襟のないなめらかなブラウスを着てください。コートの深いVの中にもう一度Vができると、胸の前の縦の線が二重になります。首が短い人は、首元が浅いクルーネックか、Vネックを選びます。タートルネックやハイネックは、コートの上襟と首元の布が重なって、首がさらに短く見えるので避けたほうが無難です。どちらの人も、中のニットは厚手を避けると、コートの前がきれいに落ちます。
- Q. 前は閉めたほうがいいですか、開けたほうがいいですか
- 胸が厚い人は、前を開けて着るほうが合います。前を開けると、胸の前に縦の線が2本でき、胸の厚みから目が下へ流れます。閉めるなら、ボタンをひとつだけ留めてください。首が短い人は、どちらでも構いませんが、閉めるときは襟の返りが首から離れたままかを鏡で見てください。ボタンを留めて襟が首のほうへ引き寄せられる形は、首元が詰まって見えます。
— メグラシ編集部





