骨格ナチュラルのドレスは裾に立つひだの数で決まる|歩いて5筋残る布を選ぶ

骨格ナチュラルのフォーマルドレスで決まるかどうかを分けているのは、広がりの大きさでも形の呼び名でもなく、裾に立つ縦のひだが何筋残るかです。
裾を持ち上げて離し、落ちきったあとに5筋以上残る布を選んでください。5筋立つ布は自分の重さで落ちています。2筋以下の布は、張りか内側の構造で形を作っています。
まず試す|裾を持ち上げて、離す
試着室でできます。道具はいりません。
- ドレスを着た状態で、裾の前側を両手で膝の高さまで持ち上げる
- そのまま手を離す
- 布が落ちきるまで2秒待つ
- 床から30cmほどの高さを、正面から横に見る
- 縦に走る折り山の数を数える(谷は数えない)
数えるのは正面から見える範囲だけです。左右に回り込んだぶんまで数えると、一着ごとに条件が変わってしまいます。
境目は5筋|数で何が入れ替わるか
| 残るひだの数 | 布に起きていること | 判断 |
|---|---|---|
| 0〜2筋 | 張りか内側の構造で形を保っている | 外す |
| 3〜4筋 | 落ちてはいるが、布の量が足りていない | 条件つき |
| 5〜8筋 | 布が自分の重さで落ちている | 選ぶ |
| 9筋以上 | 布の量は十分。幅が細かすぎないかを次に見る | 幅を確認 |
3〜4筋の一着は、動いたときにひだの位置が変わるかどうかで決めます。歩いて位置が変われば成立、動かないなら張りで立っているだけです。
なぜナチュラルの体では、落ちる布が釣り合うのか
ナチュラルと呼ばれる体は、肩先・肘・手首といった関節の位置が布ごしにも読みやすく、骨の線が装いの中に出やすいタイプです。
張りで形を作った布は、体に触れないまま自分の形で立ちます。すると、布の作る線と、体の骨の線が別々に見えて、2つの線が同じ画面の中で競います。布が自分の重さで落ちると、線は縦方向にそろいます。骨の線も縦です。向きがそろうと、2つの線は競わずに重なります。
ひだの数は、この「重さで落ちているか」を外から数えられる形にしたものです。生地の重さの表示を見なくても、筋の数で同じことが分かります。
ひだの幅も見る|3〜6cmが落ち着く
数が足りていても、幅が合わないことがあります。折り山から次の折り山までを目で測ります。
- 1〜2cm──面が細かく刻まれ、光がちらつく。数は多いのに落ち着かない
- 3〜6cm──ひだ1本ごとに影ができ、縦の線として読める
- 10cm以上──うねりが大きく、動くたびに形が変わる
細かいひだが並ぶ一着は、腰から下だけ質感が変わって見えます。幅を測るときは、裾の一番下ではなく、膝の高さで見てください。裾の縁は縫い代の分だけひだが開いています。
歩いて確かめる|3歩で位置が変わるか
持ち上げて離す方法で5筋立った一着でも、歩いたときにひだが同じ位置に戻ってしまうことがあります。
試着室を出て3歩あるき、止まってから2秒待ってもう一度数えてください。
- ひだの位置が変わり、数は5筋以上のまま──成立
- 数は同じだが、位置が毎回同じ場所に戻る──折り目が付いている。時間が経つと消える可能性がある
- 歩いた直後に数が減る──布が体に張り付いている。裏地を見直す
位置が毎回同じに戻るのは、輸送中の折り目が残っているだけのことがあります。店の人に確認できるなら、届いた時期を聞いてみてください。
上半身は、ひだを作らない
裾でひだを求める一方、上半身は逆です。鎖骨から胸にかけての面にひだが寄ると、骨の線の上に横向きの線が重なります。
上半身は、布が体から3cm以上離れた位置で、面のまま落ちているのが落ち着きます。胸の下で軽く布を引いて、しわが戻らずに面が保たれるかを見てください。上でひだ、下でもひだ、となると縦の線が二重になり、どちらが主役か決まらなくなります。
ひだは腰から下にだけ置く。これが上下を分ける線です。
切り替えの高さ|ひだが始まる位置
ひだが始まる高さは、体のいちばん細い位置から上に0〜5cmの範囲に置きます。
そこより高いと、上半身の面が短くなり、ひだの領域が大きくなりすぎます。そこより低いと、腰の丸みの上でひだが押さえつけられ、落ちきるまでの距離が足りません。
切り替えの縫い目そのものは、細く鋭い線として出さず、布の重なりでゆるく区切られているほうが、上下の線がつながります。ここは縫い目の位置ではなく、縫い目の見え方の話です。
素材ごとの、ひだの立ち方
同じ形でも、素材で筋の数は変わります。
- 織りの粗い天然素材──5〜8筋。ひだの縁がやわらかく、影が濃く出る
- 重みのある光沢のある布──6〜10筋。縁がはっきりして、影が細く出る
- 薄手で張りのある化学繊維──0〜3筋。自分の形で立つので筋が出ない
- 裏地が硬い一着──表地が何であれ筋が減る。裏地を確かめる
裏地は見落としやすい要素です。表地を持ち上げると5筋立つのに、着ると3筋しか立たないなら、原因は裏地です。裏地だけ替えられる場合もあるので、店で聞いてみる価値があります。
どちらとも取れるとき①|4筋で、幅は合っている
4筋しか立たないが、幅は4cmで範囲に入っている。この場合は歩いて確かめます。3歩あるいてひだの位置が変わるなら成立と見なして構いません。
布の量が少し足りないだけなので、腰から斜めに布を1枚足すと5筋の見え方に近づきます。足す布は、ドレスと同じ重さのものを選んでください。軽い布を足すと、そこだけ落ち方が違って線が増えます。
足す位置は、腰のいちばん出ている高さより上です。そこより下から垂らすと、もともとのひだと足した布のひだが同じ区間で重なり、筋の幅が細かく刻まれます。上から垂らせば、足した布は自分の落ち方でまっすぐ下りるので、筋の数だけが増えて幅は保たれます。垂らす長さは、ドレスの裾より10cm以上短く止めてください。裾の高さでそろえると、そこに横の線ができます。
どちらとも取れるとき②|ひだは合うが、丈が長い
ひだの数も幅も成立しているのに、丈が長い。この場合は丈を直す前提でその一着を選んでください。
ただし、丈を詰めるとひだの数は減ります。裾まわりの一周が短くなるからです。5筋ぎりぎりの一着を10cm詰めると、4筋になることがあります。丈を詰める予定があるなら、6筋以上ある一着を選んでおくと安全です。
直したあとにもう一度数える。これを忘れないでください。
どちらとも取れるとき③|立つと合うのに、座ると重い
立ち姿では5筋立っているのに、座ると膝の上に布がたまる。この場合はひだではなく、布の総量が多すぎます。
座る時間の長い日は、裾まわりの一周が身長の半分を大きく超えない範囲に収めてください。ひだの数を優先するあまり総量を増やすと、着席中に布の置き場がなくなります。
数と量は別の軸です。5筋を最小限の布で満たしている一着が、一日を通していちばん扱いやすくなります。
見分け方は簡単で、同じ5筋の2着があったら、裾まわりの一周が短いほうを選びます。短いほうが少ない布で同じ数の筋を立てているので、それだけ布が軽く落ちているという意味になります。裾まわりが長いのに筋が5筋しかない一着は、布の重さではなく量で広がりを作っているので、座ったときや階段で扱いにくくなります。数字が並んだときは、量の少ないほうへ倒してください。
羽織りと小物を足す順番
ドレスが決まってからです。
- 羽織り──ドレスと同じか、それより重い布。軽い羽織りは肩で浮く
- ストール──腰から斜めに垂らすなら、垂れ幅は30cm以上
- バッグ──手に持つ位置は腰の高さ。ひだの始まりと重ならない
- 靴──最後。丈を直したあとに合わせる
羽織りが軽いと、肩の上だけ布が立って、裾のひだと落ち方が違って見えます。重さをそろえるのが優先です。
3分で決める試着の手順
まとめると、順番はこうです。
- 裾を膝の高さまで持ち上げて離し、2秒待つ
- 床から30cmの高さで、縦の折り山を数える
- 5筋以上なら、次に折り山の幅が3〜6cmかを見る
- 3歩あるいて止まり、もう一度数える
- 上半身にひだが寄っていないかを見る
- 座って、膝の上に布がたまりすぎないかを見る
- ここまで通った一着だけ、丈と肩紐を直す前提で候補にする
まとめ|数えるのは、落ちきったあとに残るもの
覚えて帰るのは1つです。裾を持ち上げて離し、5筋以上残る布を選ぶ。
広がりの大きさは目で比べても差が出ませんが、落ちたあとに残る筋の数は数えられます。数えられるものだけで決めれば、試着の判断は速くなります。
この方法のよいところは、一人で確かめられることです。誰かに見てもらって印象を聞くと、答えは人によって変わりますが、筋の数は誰が数えても同じになります。何着も試着して分からなくなったときは、印象の言葉に戻らず、もう一度裾を持ち上げて数え直してください。数字は覚えておけるので、日を分けて見に行った一着どうしも比べられます。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 裾のひだは、どうやって数えますか
- 裾の前側を両手で膝の高さまで持ち上げ、そのまま手を離してください。落ちきったところで、床から30cmほどの高さを横に見ます。縦に走る折り山が何本あるかを数えます。数えるのは山だけで、谷は数えません。左右に広がったぶんは入れず、正面から見える範囲だけで足ります。
- Q. 5筋という数字には、どんな意味がありますか
- 布が自分の重さで落ちているかどうかの境目です。ひだは、布が体から離れて自由に落ちるときにできます。5筋以上立つのは、裾まわりに十分な布があり、その布が張りではなく重さで下へ向かっている状態です。2筋以下しか立たない布は、内側の構造か生地の張りで形を保っているので、動いても形が変わりません。
- Q. ひだが少ない一着は、どうやっても着られませんか
- 着られますが、裾以外で布の量を足すことになります。羽織りを重ねて肩から布を落とす、ストールを腰から斜めに垂らす、といった方法で、ひだの役割を別の布に持たせます。ドレス単体で成立させたいなら、素材そのものを替えたほうが早いです。
- Q. ひだの幅は、どれくらいがいいですか
- 折り山から次の折り山まで3〜6cmが目安です。1〜2cmの細かいひだが並ぶと、面が細かく刻まれて、光の当たり方が落ち着きません。10cmを超える大きなうねりは、筋として数えにくく、動いたときの形も安定しません。数と幅の両方が範囲に入っている一着が最も落ち着きます。
- Q. 試着室が狭くて歩けないときは、どう確かめますか
- その場で半回転してください。体をひねって戻すだけでも、裾は一度広がってから落ちます。落ちきるまで2秒ほど待ってから数えます。それも難しければ、裾を持ち上げて離す方法だけで判断できます。歩く確認は、ひだが残るかどうかの裏を取るためのものです。
— メグラシ編集部





