骨格ナチュラルのトップス|似合うかは縦じわ2〜4筋で決まる

骨格ナチュラルに似合うトップスを分けているのは、サイズでも形の呼び名でもありません。着て腕を下ろしたとき、肩から裾まで通る縦じわが何筋立つかです。
着て両腕を下ろし、30秒待ってから正面の鏡を見てください。2〜4筋立っていれば、その一枚は似合う側です。0筋なら張りで立っていて羽織り向き、6筋以上なら量が多すぎるのでサイズを下げます。
秋冬は重ねる季節なので、筋の数は日によって動きます。判定するのは、いちばん外側に見えている一枚だけ。この記事では、数え方、数の意味、秋冬のニット・シャツ・カーディガンでの使い方、迷ったときの決め方を順に置いていきます。
結論|骨格ナチュラルのトップスは「2〜4筋」で選ぶ
先に答えを置きます。
- 着て腕を下ろし、30秒待つ
- 肩の縫い目から裾まで途切れずに通る縦じわを、正面だけで数える
- 2〜4筋なら選ぶ。0〜1筋は羽織りへ、6筋以上は身幅を下げる
- 重ねた日は、いちばん外側の一枚で数える
筋は「布が自分の重さで下へ落ちているか」を目で数えられる形にしたものです。ナチュラルの体は、落ちる布と相性がいい。その「落ちる」を、感覚ではなく本数で確かめます。
この数え方のいいところは、形の名前や流行の呼び方に左右されないことです。同じ呼び名のトップスでも、生地の重さや織り方が違えば、筋は0本にも6本にもなります。反対に、名前の上では避けたほうがいいと言われがちな形でも、着て数えて3筋立っていれば、その一枚は落ちています。名前で決めるより、目の前の一枚で決めるほうが外れません。
もう1つは、迷った日にもう一度同じ手順で確かめられることです。似合うかどうかの判断が人の目や雰囲気に頼っていると、日によって答えが変わります。筋の数なら、同じ一枚を同じ条件で着れば同じ数が出るので、昨日の判断と今日の判断を比べられます。
まず数える|着て30秒待ってから、鏡を見る
道具はいりません。鏡の前でできます。
- トップスを着て、両腕をまっすぐ下ろす
- そのまま30秒待つ
- 正面を向いて、肩の縫い目から下を目で追う
- 肩から始まって裾の高さまで途切れずに届く筋を数える
- 胸の下や脇から始まる筋は数えない
30秒待つのは、前に着ていたものの折り目と、たたんでいたときのしわを消すためです。着た直後は余分な筋が立っていて、実際より多く数えてしまいます。
腕をまっすぐ下ろすのも大事な条件です。腕を少し前に出したり、腰に手を当てたりすると、脇の布が引っ張られて斜めの筋が増え、肩から通る筋が途中で曲がります。手のひらを体の横に軽くつけ、肩の力を抜いた姿勢で数えてください。猫背気味になると前身頃の布がたるんで筋が増え、胸を張りすぎると布が張って筋が減ります。ふだん立っているときの姿勢で数えるのがいちばん正確です。
衣替えで出したばかりの一枚は、たたみじわが強く残っています。30秒では消えきらないことがあるので、前の晩にハンガーに掛けておくか、着る前に軽く振って広げてから着てください。たたみじわは横向きに入るので、肩から裾へ通る縦の筋とは向きで区別できますが、数えにくくなるのは確かです。
成立帯は2〜4筋|数で何が入れ替わるか
| 縦じわの数 | 布に起きていること | 判断 |
|---|---|---|
| 0〜1筋 | 張りで形を保ち、体に触れていない | 羽織りに回す |
| 2〜4筋 | 自分の重さで落ち、量も適正 | 選ぶ |
| 5筋 | 落ちているが量がやや多い。薄い布なら成立 | 素材で判断 |
| 6筋以上 | 肩から下がる途中で布が余っている | 1サイズ下げる |
薄い布は筋が細く多く出るので上限を5筋まで、厚い布は太く少なく出るので2筋で成立と見ます。厚みの判定は、布を指2本でつまんで立つ山が1cm以上あるかどうかです。
なぜナチュラルの体では、落ちる布が合うのか
ナチュラルと呼ばれる体は、肩先・肘・手首といった関節の位置が布ごしにも読みやすく、骨の線が装いの中に縦の要素として出やすいタイプです。
張りで立つ布は、体に触れずに自分の形を作ります。すると、布の輪郭という線と、骨の線が別々に見えます。同じ画面に、別の原理でできた線が2種類並ぶことになり、どちらが主役か決まりません。
布が自分の重さで落ちると、輪郭は縦になります。骨の線も縦です。向きがそろえば、2つは競わずに重なります。縦じわの数は、この「落ちているか」を数えられる形にしたものです。
筋を数える位置と、数えない筋
数えるのは、肩の縫い目から始まって裾の高さまで届いている筋だけです。次の筋は数に入れません。
- 胸の下から始まる筋──体の丸みでできたもの。布の落ち方とは別
- 脇から斜めに入る筋──腕の付け根の可動でできたもの
- 裾から上へ10cmで消える筋──裾の縫い代が押し返してできたもの
- 背中側の筋──正面の判定には使わない
数えにくいときは、光が斜め前から当たる位置に立ってください。真正面から光が当たると筋の影が消え、真後ろからだと輪郭しか見えません。斜め45度から光が入ると、筋1本ごとに細い影ができて数えやすくなります。試着室なら、扉を少し開けて外の光を入れると読みやすくなります。
秋冬は筋が減る|重ねた日の数え方
秋から冬にかけては、トップスの下に1枚、上に1枚と重ねる日が増えます。ここで筋の数は変わります。
内側に布を足すと、外側の布は内側の布の上に乗ります。体から直接落ちるのではなく、内側の布の表面を滑って落ちるので、落ちる距離が短くなり、筋は1〜2筋減ります。
だから秋冬の判定は、いちばん外側に見えている一枚で数えると決めておきます。内側の一枚は、外から見えている面積が小さければ、筋を数える対象から外して構いません。外側が2〜4筋に入っていれば、その日の装いは成立です。
夏に4筋だった一枚が、下に1枚足して2筋になった。これは正常です。成立帯の中で動いているだけなので、暖かさで決めて構いません。
秋冬のニット|編み目の粗さで基準をずらす
骨格ナチュラルのニットは、編み地によって筋の出方が大きく変わります。
- 粗い編み目の厚手ニット──筋は太く、2〜3筋。2筋立てば成立
- 中くらいの編み目──2〜4筋。基準表がそのまま使える
- 細かい編み目の薄手ニット──布帛に近い出方。3〜5筋まで成立
- 目の詰まった張りのあるニット──0〜1筋。羽織りか、前開きの形で使う
厚手のニットは、筋の数より「肩から裾までの面に、縦の凹凸が通っているか」で見てもかまいません。編み目の畝が肩から裾まで通っていれば、それ自体が縦の線として働きます。
編み地の選び方をもっと細かく知りたいときは、骨格ナチュラルのニットの選び方で、編み目・肩の落ち・裾の3か所を分けて扱っています。
秋冬のシャツ|1枚で着るか、羽織るかを筋で決める
シャツは、同じ形でも生地の張りで筋の数が0〜6筋まで開きます。
| シャツの筋の数 | 使い方 |
|---|---|
| 2〜4筋 | 前を留めて1枚で着る。下にも上にも重ねられる |
| 0〜1筋 | 前を開けて羽織る。前端の2本が縦の線になる |
| 5筋以上 | ニットの上から羽織ると、内側に布が乗って3〜4筋に落ち着く |
秋口は、張りのあるシャツを羽織りとして使える時期です。前を開けて着ると、身頃の張りは横へ逃げ、前端の2本の縦線が残ります。骨の線と同じ向きの線が2本できるので、0筋のシャツでも装いの中では成立します。
5筋以上出る柔らかいシャツは、薄手のニットの上に羽織ると、内側の布に乗って筋が減ります。1枚では量が多いシャツも、重ねる季節には帯へ入ります。
秋冬のカーディガン|前を開けた2本の線を数える
カーディガンは前を開けて着ることが多いので、数え方を変えます。
- 前を開けて着る日は、身頃の筋ではなく前端の2本が肩から裾まで落ちているかを見る
- 前端が体の中央へ向かって斜めに寄るなら、身幅が足りていない
- 前端が外へ開いて広がるなら、布に張りがある。下に着るトップスの筋が2〜4筋なら問題ない
前を留めて着る日は、通常のトップスと同じく肩から裾の筋を数えます。
カーディガンは、羽織りとしての前端の線と、留めたときの身頃の線、2つの顔を持つ一枚です。どちらで着る日が多いかを先に決めておくと、選ぶときの基準が1つに絞れます。
首元の高さは、筋の始まりを動かす
秋冬は、首元の詰まったトップスが増えます。首元が高いと、肩の縫い目より上に布の面ができ、筋の始まりが肩より上へ移ることがあります。
- 首元がゆるく折り返る形──筋は肩から始まる。そのまま数える
- 首元にぴったり沿う形──首の付け根に横の線ができ、肩からの筋が短くなる
- 首元が大きく開く形──筋は肩から始まるが、胸元で途切れやすい
首元にぴったり沿う形で筋が少ないと感じたら、首元を1回折り返して横の線を下げてください。折り返した分だけ、肩からの筋が上下で通りやすくなります。
筋が立たない布を、どう扱うか
0〜1筋しか立たない布は、張りで形を保っています。この布をトップスとして使いたい場合、方法は2つです。
1つは、上に羽織りを重ねて、羽織り側で縦の線を作る方法です。羽織りが2〜4筋立てば、外側の線が縦になるので、内側の張りは目立たなくなります。
もう1つは、袖をまくって腕の側で線を作る方法です。肘の少し下まで2〜3回折ると、腕の外側に縦の面ができます。ただしこれは補助で、身頃の線そのものは変わりません。
張りのある布は、羽織りとして前を開けて着るのがいちばん素直な使い方です。
6筋以上のときは、身幅を下げる
筋が多すぎるのは、肩から下がる途中で布が余っているからです。原因は身幅です。
身幅を1サイズ下げると、筋の数はおよそ2筋減ります。8筋立っていた一枚を1サイズ下げると6筋、2サイズで4筋です。ただし、下げすぎると布が体に張り付いて、今度は筋が消えます。
平らに置いて身幅を実測し、体の一周の半分に何cm足されているかを控えておくと、次から数字で選べます。目安として、体の一周の半分+8〜14cmが成立帯です。秋冬に下へ1枚重ねる前提なら、+10〜16cmへずらしてください。
素材ごとの、筋の出方
同じ形でも、素材によって筋の数は変わります。
- 織りの粗い天然素材──2〜4筋。筋が太く、影が濃く出る
- 薄手でやわらかい布──4〜6筋。筋が細く多い。上限を広げる
- 中厚手で落ちる布──2〜3筋。基準表がそのまま使える
- 張りのある化学繊維──0〜1筋。羽織りへ回す
- 起毛した秋冬の布──筋が浅く出る。影が弱いので斜めの光で数える
素材の名前ではなく、着て数えた筋の数で判断してください。同じ名前の素材でも、織り方や重さで筋の出方は変わります。
起毛した布は、表面の毛が光を散らすので筋の影が見えにくくなります。数えにくいときは、手のひらで布を上から下へ一度なでてから数えると、毛の向きがそろって筋が読みやすくなります。
肩の縫い目の位置は、筋の始まりを決める
筋が肩のどこから始まるかは、縫い目の位置で決まります。
- 縫い目が肩先の骨の真上──筋は肩から一直線に落ちる
- 骨より1〜3cm外側──筋は肩の外側から始まり、縦の距離が長くなる
- 骨より内側──筋が肩に届かず、胸の高さから始まる
骨より内側に縫い目があると、上から下まで通る筋が作れません。数えたときに「途中から始まる筋しかない」場合は、縫い目の位置を確かめてください。
秋冬のトップスは、肩の縫い目が骨より外へ落ちた形が多くなります。1〜3cmの範囲なら筋は長く通るので、むしろ有利です。
丈は、筋が消える前に終わらせる
筋は裾に近づくほど弱くなります。布の重さが下へ抜けきると、そこで筋は消えます。
腰骨より下で筋が消えているなら、丈をそこまで短くしても線は変わりません。逆に、裾のところまで筋が届いているなら、その丈のままにしてください。長くすると、筋の届かない領域が下に増えます。
裾を前だけボトムスに入れる着方をする日は、入れた側の筋が腰の位置で止まります。入れていない側で筋が裾まで届いていれば、正面の印象は縦のまま残ります。
袖は、肩から手首まで1本の線で見る
身頃の筋とは別に、袖にも縦の線があります。腕を下ろしたとき、肩から手首まで袖の外側に1本の面が通っていれば、袖は合っています。
- 肘の位置で横じわが2本以上できる──袖が細い。腕を下ろしても布が戻らない
- 手首で布が3cm以上たまる──袖が長い。まくって肘の少し下で止める
- 袖口が手首から離れて開く──布に張りがある。羽織りとして使う
秋冬は袖を長めに着たくなりますが、手首で布がたまると、そこに横の線ができます。身頃の筋が成立していても、袖口で線が横に切れると、全体の縦の流れが途切れます。
似合わないと感じる一枚の、多くはここで外れている
「骨格ナチュラルに似合わない」と言われる形の多くは、筋の数で言い直せます。
- 体に沿う細い形──布が体に触れて落ちないので、筋が0筋になる
- 張りのある布でかっちり作った形──布が立っていて、筋が0〜1筋になる
- 薄く柔らかい布をたっぷり使った形──量が多く、6筋以上になる
同じ形でも、生地を替えると結果が入れ替わることはよくあります。体に沿う細い形でも、薄く落ちる生地で作られていれば、肩から裾へ細い筋が3本ほど通ることがあります。張りのある布でかっちり作った形でも、身幅にゆとりがあって布が肩から落ちていれば、2筋立つことがあります。名前は形の傾向を示すだけで、その一枚の落ち方までは教えてくれません。
形の名前で避けるのではなく、着て数えて0〜1筋か6筋以上なら外す。この順番にすると、名前だけで手放していた一枚の中から、実は2〜4筋に入る一枚が見つかることがあります。
体そのものが合っていないのではなく、布の落ち方と体の線の向きがずれているだけです。ずれは数で測れて、直し方も決まっています。
どちらとも取れるとき①|5筋で、布は薄い
5筋立っているが、つまんだ山は0.6cmと薄い。この場合は成立です。薄い布は筋が細く多く出るので、5筋は適正の範囲に入ります。
判断がつかないときは、3歩あるいて止まり、もう一度数えてください。歩いたあとに筋の位置が変わっていれば、布は落ちています。同じ位置に戻るなら、折り目が付いているだけです。
薄い布で5筋立っている一枚は、下に着るものを1枚足すと3〜4筋に落ち着きます。秋冬はこの組み方がいちばん自然です。
どちらとも取れるとき②|2筋だが、肩に量が残る
筋は2筋で成立帯なのに、肩の上に布が乗っている感じがある。この場合は、筋ではなく肩の縫い目の位置を見てください。
縫い目が骨より3cm以上外に出ていると、肩から先に布が落ちて、そこに量が残ります。筋の数は身頃の話で、肩の量は縫い目の話です。別の軸なので、片方が合っていてももう片方は直りません。
肩パッドを外せる形なら、外してみてください。パッドがあると肩の面が水平に保たれ、そこに布が乗ったままになります。外すと布が肩先から落ち始めるので、量が下へ抜けます。パッドのない形で同じ症状が出るなら、サイズを1つ下げると縫い目が内へ寄ります。ただし下げると身幅も減るので、筋の数が1〜2筋減ることは見込んでおいてください。
どちらとも取れるとき③|外側は2筋、内側は6筋
重ねた日に、外側の羽織りは2筋なのに、前を開けた隙間から見える内側のトップスが6筋立っている。
この場合は、隙間から見えている内側の幅で決めます。前の開きから見える内側の幅が、肩幅の3分の1より狭いなら、外側の判定だけで成立です。3分の1より広く見えているなら、内側も正面の線として働くので、内側を裾だけボトムスに入れて量を減らすか、前を1つ留めて隙間を狭くしてください。
外と内で、主役になる線を1つに決める。重ねる季節の判断は、これで1回で済みます。
逆の組み合わせもあります。外側の羽織りが0筋で張っていて、内側のトップスが3筋で落ちている日です。この場合は、羽織りの前を大きく開けて、内側の3筋を正面の主役にしてください。羽織りの前端2本が左右の縦の線になり、そのあいだに内側の落ちる筋が見えるので、張りのある外側も縦の流れの一部として働きます。前を閉じると内側の筋が隠れ、張りのある面だけが正面に残ります。開けるか閉じるかで、同じ組み合わせの見え方が入れ替わるので、正面に何筋見えているかを鏡で一度だけ確かめてから出かけてください。
どちらとも取れるとき④|背中側だけ筋が多い
正面は3筋で成立しているのに、後ろ姿を写真で見ると背中に筋がたくさん立っている。
背中側の筋は、肩甲骨の動きと、背中の布の量でできます。正面の判定には使わないと決めているのはこのためです。ただし、背中側の筋が裾まで6筋以上通っているなら、後ろ身頃に布が余っています。後ろから見られる場面が多い日は、羽織りを1枚重ねて背中の面を整えると、正面の成立を崩さずに済みます。
通販で選ぶとき|寸法表から筋を予想する
着られない状態で選ぶときは、寸法表で筋の数をある程度予想できます。
- 手持ちで2〜4筋に入っている一枚の、身幅と肩幅を測っておく
- 寸法表の身幅が、その一枚の±2cm以内なら、筋の数はほぼ同じ
- 身幅が4cm以上大きいなら、筋は1〜2筋増える
- 肩幅が手持ちより3cm以上広いなら、肩に量が残りやすい
届いたらすぐ着て、30秒待って数える。0筋か6筋以上なら、羽織りに回すか、サイズを替えるかを決めれば済みます。鏡の前で悩む時間より、数えるほうが早く終わります。
寸法表に生地の厚みや伸び具合が書かれていれば、それも予想の材料になります。薄くて伸びると書かれた一枚は、手持ちより身幅が同じでも筋が1本ほど多く出やすく、厚くて張りがあると書かれた一枚は、1本ほど少なく出やすいと見ておいてください。
秋冬の濃い色は、筋の影が見えにくい
秋から冬にかけて、手に取るトップスの色は濃くなります。濃い色の布は、筋の山と谷の明るさの差が小さくなるので、同じ4筋立っていても、鏡の前では2筋くらいにしか見えないことがあります。逆に、薄い色の布は影がはっきり出るので、細い筋まで数えてしまい、実際より多く見えがちです。
濃い色の一枚を数えるときは、光を斜め前から当てたうえで、鏡から1歩離れてください。近づきすぎると、布の表面の細かい凹凸に目が行き、肩から裾まで通る筋と区別がつかなくなります。1歩離れると、細かい凹凸は消えて、通っている筋だけが縦の影として残ります。
もう1つの方法は、スマートフォンで正面から1枚撮り、画面を明るくして見ることです。写真にすると、肉眼では沈んで見えた濃い色の筋が浮き上がります。撮った写真は、そのまま手持ちの記録にもなります。
数えた結果、濃い色の一枚が1筋しか立っていないと出ても、すぐに羽織りへ回さず、同じ形の薄い色の一枚があれば並べて数えてみてください。薄い色で3筋なら、濃い色の一枚も実際には同じくらい落ちていて、見え方が沈んでいるだけです。素材と形が同じなら、色で筋の数は変わりません。
ボトムスとの組み合わせ|縦の線を下へつなぐ
トップスで2〜4筋の縦の線ができたら、その線を下へつなぐとさらに素直に見えます。つなぐかどうかを決めているのは、トップスの裾とボトムスの境目に、横の線が何本できるかです。
裾をボトムスの外へ出して着る日は、裾の位置に横の線が1本できます。この1本は、トップスの筋が裾まで届いていれば、縦の流れの終点として働くので問題になりません。筋が裾の10cm上で消えている一枚を外へ出すと、筋の終わりと裾の横線のあいだに、何もない帯ができます。その帯が横の面として目に入るので、丈を短くするか、前だけ入れて帯を消してください。
ボトムスも縦に落ちる布を選ぶと、トップスの筋とボトムスの縦の線が、腰の位置を越えて続きます。ボトムスの布が張りで立っていると、腰から下で別の原理の線が始まるので、上だけ合わせても全体は2種類の線になります。トップスと同じように、ボトムスも30秒待って、腰から裾へ通る筋が出ているかを見てください。
秋冬に厚手のニットを合わせる日は、ボトムスを薄めの落ちる布にすると、上下の厚みの差で境目が強く出すぎずに済みます。上下とも厚手にする日は、裾をボトムスの外へ出して、境目を1本の横線にまとめてください。
手持ちを一度に仕分ける|クローゼットでやる手順
1枚ずつ迷うより、秋冬物を出したタイミングで、手持ちのトップスを一度に仕分けておくと、その季節の朝が速くなります。
順番は、薄いものから厚いものへです。薄いものは下に着る役、厚いものは外に見える役になることが多いので、先に薄いものの筋を数えて、内側に回せる一枚を決めておきます。そのあとに厚いものを着て、外側の一枚として2〜4筋に入っているかを数えます。
仕分けた結果は、3つの山に分けて置いてください。2〜4筋で1枚で着られる山、0〜1筋で羽織りとして使う山、6筋以上でサイズの合わない山です。3つめの山に入った一枚は、すぐに手放す必要はありません。下に1枚足して数え直すと、成立帯へ入ることがあります。それでも6筋以上なら、そのとき初めて手放す候補にします。
山ごとに何枚あるかを数えておくと、足りないものが分かります。羽織りの山が空なら、張りのある一枚を前開きで使う道を考えます。1枚で着られる山が少なければ、次に選ぶときは寸法表で身幅を手持ちの成立している一枚に合わせます。仕分けは1季節に1回で足ります。
3分で仕分ける手順
順番はこうです。
- トップスを着て、腕を下ろして30秒待つ
- 肩から裾まで通る筋を、正面だけで数える
- 2〜4筋なら候補。0〜1筋は羽織りの棚へ
- 6筋以上なら、身幅を1サイズ下げる
- 布をつまんで、山が1cm以上あるかで薄い・厚いを判定し、上限を調整する
- 肩の縫い目が骨の真上から3cm以内かを見る
- 筋がどこまで届いているかを見て、丈を決める
- 重ねる日は、いちばん外側の一枚だけで数える
まとめ|数えるのは、肩から届く筋だけ
覚えて帰るのは1つです。着て30秒待ち、肩から裾まで通る筋が2〜4筋なら合っている。
途中から始まる筋は数えません。上から下まで通っている筋だけが、布の落ち方を教えてくれます。秋冬に重ねた日は、外側の一枚で数えます。
数えた結果は、メモに残しておいてください。手持ちの中で成立している一枚の身幅と、そのときの筋の数が分かっていれば、次に選ぶときは寸法表だけで半分は判断できます。
秋冬は、同じ一枚でも下に何を着るかで筋の数が動く季節です。夏に数えた結果をそのまま使うのではなく、重ねる組み合わせが決まったところで、外側の一枚をもう一度数えてください。数え直しは1回30秒で済みます。その30秒で、朝に鏡の前で着替え直す回数が減ります。
筋の数は、似合うかどうかを人に決めてもらうための数字ではありません。自分で確かめて、自分で選び直せるようにするための数字です。数えて2〜4筋に入った一枚は、その日の装いの中で、骨の線と同じ向きに落ちています。
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よくある問い
- Q. 骨格ナチュラルに似合うトップスは、何で見分けますか
- 着て両腕を下ろし、30秒待ってから正面の鏡を見てください。肩の縫い目から始まって裾の高さまで途切れずに届く縦じわが、2〜4筋立っていれば似合う側です。0〜1筋なら布が張りで立っていて、6筋以上なら布の量が多すぎます。形の名前や素材の名前より、この筋の数のほうが外れません。
- Q. 縦じわは、どこから数えますか
- 肩の縫い目から始まって、途中で途切れずに裾の高さまで届いているものだけを数えます。胸の下や脇から始まっている筋は、体の丸みや腕の動きでできたもので、布の落ち方とは別の原因です。正面から見える範囲だけを数え、背中側は数に入れません。
- Q. 秋冬のニットでも、同じ数え方でいいですか
- 同じで構いません。ただし編み地は筋が太く少なく出るので、厚手のニットは2筋立てば成立と見ます。目の詰まった薄手のニットは布帛に近い出方をするので、2〜4筋の基準をそのまま使ってください。どちらか迷ったら、編み地を指2本でつまんで、立つ山が1cm以上あるかどうかで厚手か薄手かを決めます。
- Q. 重ね着すると筋が消えます。合っていないのでしょうか
- 合っていないわけではありません。内側に布を足すと、外側の布はその上に乗るので、落ちる距離が短くなり筋が減ります。判定するのは、いちばん外側に見えている一枚です。外側で2〜4筋に入っていれば成立で、内側の一枚は筋を数える対象から外して構いません。
- Q. 筋の数は、着るたびに変わりませんか
- 変わります。だから着て30秒待ってから数えてください。着た直後は前に着ていたものの折り目や、たたみじわが残っていて、実際より多く立ちます。30秒待つと余分な筋が消え、布そのものの落ち方だけが残ります。
- Q. 張りのあるシャツは着られませんか
- 着られます。前を開けて羽織りとして使えば、前端の2本が縦の線になり、身頃の張りは目立たなくなります。前を留めて1枚で着たい日は、袖を肘の少し下まで2〜3回折り、腕の外側に縦の面を作ってください。
— メグラシ編集部





