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骨格ナチュラルのスーツ|似合う形・丈・生地を肩と織りで選ぶ

メグラシ編集部//読了 15分
ジャケットの織り目の粗さと袖口から出る手首の位置を確かめている様子

骨格ナチュラルのスーツは、肩の縫い目が骨より1〜3cm外にあり、布の織り目が目で見える一着を選んでください。ジャケットの着丈は肩幅の1.5〜1.8倍。ボトムスは、くるぶしを見せるか完全に隠すかのどちらかに振り切ります。

形の名前やサイズ表示から入ると迷います。先に見るのは布の表面です。織り目が見えるか、つけたシワが何秒残るか。この2つが揃った一着は、肩と鎖骨と手首の骨を布が受けてくれます。揃っていない一着は、骨の線と布の面が別々に主張します。

この記事では、布の2つに袖口と肩の縫い目を足した4つの軸で判定し、そのうえでジャケットの形、パンツかスカートか、秋冬の生地と色、七五三や会食の日と通勤の日の優先順位まで決めます。サイズを1つ上げるかどうかも、同じ軸で答えが出ます。上げてよい布と、上げると外れる布があるからです。

まず触る|売り場でも、家のクローゼットでも

着る前に、布を触ります。

織り目:袖の外側を光にかざして、糸の1本1本が見えるかを確かめます。表面が平らで糸が見えないなら、平らな面の布です。

シワの戻り:袖の内側をぎゅっと握って5秒置き、離してから何秒でシワが消えるかを数えます。

この2つの結果で、その一着の性格が決まります。着るのはそのあとです。

軸1|織り目が見えるか。骨の線と競合させない

骨格ナチュラルと呼ばれる体は、肩、鎖骨、手首、膝といった場所に骨の線が出ます。線が出ること自体は、装いの上では材料になります。

問題は、その線を平らな面の上に置いてしまうときです。何も情報のない平らな面の上に骨の線が1本走ると、線だけが浮きます。

織り目が見える布は、表面にすでに細かい情報があります。そこに骨の線が重なっても、線は面の一部として収まります。だから、織り目のある布を選ぶという判断は、隠すためではなく釣り合わせるための判断です。

  • 糸が1本ずつ見える:成立
  • 近づけば見える:条件つき
  • 光を返して面が平ら:外れやすい

軸2|シワの戻り。10秒以上残るなら、体の動きを受ける

握って離したシワが、何秒で消えるかを数えます。

  • 10秒以上残る:体の動きをそのまま受ける。動いた形が布に残る
  • 5〜10秒:中間
  • 3秒以内に消える:跳ね返す。体の形より布の形が勝つ

骨格ナチュラルの体で扱いやすいのは、10秒以上残るほうです。肩や肘の動きが布に残るので、体と布が同じ速さで動きます。

ただし、毎日着る一着では話が変わります。同じ場所に毎日シワが集まると、そこが折り目として残ります。毎日着る前提なら、5〜10秒の中間を選ぶほうが長く持ちます。

シワが残ることを、崩れと同じに扱わないでください。骨格ナチュラルの体では、肘や肩の動いた跡が布に残ることで、体と布が同じ動きをしていることが見えます。跡がまったく残らない布は、体が動いても布だけが元の面に戻るので、動きが服に反映されません。

見分けたいのは、動いた跡と、放置してできた折り目の違いです。動いた跡は、腕を伸ばせば緩やかに戻ります。折り目は、伸ばしても線として残ります。折り目になってきたら、掛けて休ませる日を挟んでください。1日休ませるだけで、10秒側の布はかなり戻ります。

軸3|袖口と手首。骨が1〜3cm出る長さ

腕を下ろした状態で、袖口から手首の骨がどれだけ出ているかを見ます。

  • 1〜3cm出る:腕の線が手のほうへ続く
  • 0〜1cm:条件つき。動くと隠れる
  • 完全に隠れる:袖が独立した筒に見える

手首の骨が見えていると、腕という縦の線が袖の外まで続きます。ここは1〜2cmの直しで変わる場所なので、ほかが合っている一着なら迷わず直してください。

逆に、長い袖を折って着るのは避けたほうが無難です。折ると袖口に体積ができ、いちばん細い手首の位置に厚みが乗ります。

袖丈を見るときは、腕を下ろした自然な姿勢で測ってください。腕を前に出すと袖は上がり、後ろに引くと下がります。鏡の前で腕の位置を作ってしまうと、実際に立っているときの長さとは違う数字になります。そして、上に何も羽織らない状態で測ること。中に着るものの袖が先に出ていると、どこまでがジャケットの袖か分からなくなります。

軸4|肩の縫い目。骨より1〜3cm外は、余りではない

肩の骨の出っぱりに指を当て、袖の縫い目がどこにあるかを測ります。

骨格ナチュラルの体では、縫い目が骨より1〜3cm外にあるほうが成立します。 これは余りではなく、骨の角を布で受けるための距離です。真上に置くと、骨の出っぱりが縫い目を押し上げて、そこに角ができます。

  • 1〜3cm外:受けられる
  • 0〜1cm:骨が縫い目を押す
  • 5cm以上外:布の硬さ次第。硬い布なら肩先に角ができる

だから、距離だけを見て判断しないでください。距離と硬さの組み合わせです。5cm外でも、シワが10秒残る柔らかい布なら、布は肩から素直に落ちます。

確かめ方は、横向きに立って肩先を見ることです。骨の位置から布までが、なだらかな斜面になっているか、角のある段になっているか。斜面ならその距離は成立していて、段なら硬すぎます。正面の鏡だけでは、この違いは見えません。

もう1つ、肩の中の芯も見ます。骨格ナチュラルの体では、芯を入れて肩の形を作るより、芯を抜いて布の落ちるままにしたほうが、骨の線と競合しません。芯を抜ける作りなら、抜いた状態でもう一度横から見てください。斜面がなだらかになるなら、抜いたほうが合っています。

4つを組み合わせる

軸成立条件つき外れる
織り目糸が見える近づけば見える面が平らで光を返す
シワの戻り10秒以上残る5〜10秒3秒以内に消える
袖口と手首骨が1〜3cm出る0〜1cm完全に隠れる
肩の縫い目骨より1〜3cm外0〜1cm/3〜5cm5cm以上外かつ硬い布

袖口は直せます。肩の縫い目と織りとシワの戻りは直せません。直せない3つを先に見るというのが、順番の理由です。

似合うジャケットの形|シングルかダブルか、襟の幅

形を選ぶときに名前より先に見るのは、前を留めたときに布がどこで重なるかです。

シングルの一つボタンや二つボタンは、前の重なりが細く、胸から裾まで縦の線が1本通ります。肩の縫い目を外に置いた一着と合わせると、肩から裾へ台形に近い面ができ、骨の線がその面の中に収まります。

ダブルは前の重なりが広く、胸の高さに布が二重になります。骨格ナチュラルの体は胸の厚みより骨の幅が先に出ることが多いので、重なりが広くても詰まって見えにくく、むしろ肩幅と釣り合います。ただし、ボタンの横の間隔が12cm以上離れる作りでは、胸の高さに横の線が入ります。8〜11cmに収まる一着を選んでください。

襟は幅で見ます。下襟の最も広いところが8cm前後あると、鎖骨の横幅と釣り合います。6cmを下回る細い襟は肩幅との差が大きく、襟だけが細く浮きます。10cmを超えると、襟が面として主張して、織り目より先に読まれます。

襟のない一着も候補に入ります。首元が開いた分だけ鎖骨の見える面積が増えるので、そのときは中に着るものの首元で調整します。調整の仕方は、後の「中に着るもの」の節に書きました。

形成立する条件外れやすい条件
シングル肩の縫い目が骨より1〜3cm外縫い目が骨の真上で、布が硬い
ダブルボタンの横の間隔が8〜11cm間隔が12cm以上で、胸の高さに横線
襟なし中に着るもので鎖骨の見え方を調整できる深い開きの中に何も足さない

ジャケットの着丈|肩幅の1.5〜1.8倍

着丈は、肩幅と比べて決めます。ジャケットを平らに置き、肩先から肩先までを測って、後ろ襟の付け根から裾までの長さと比べてください。

  • 1.3倍未満:正方形に近く、上半身が四角く見える
  • 1.5〜1.8倍:縦の比になり、肩の幅が上端の広さとして収まる
  • 2倍以上:ハーフコートに近い丈。下に着るもののほうが短く見える

骨格ナチュラルの体は肩幅がはっきり出ることが多いので、短い丈だと幅のほうが先に読まれます。腰骨が隠れて、お尻の半分ほどまで届く丈が、いちばん扱いやすい帯です。

短い丈の一着を選ぶなら、ボトムスは床に近い長さにして、全身の中で縦を取り戻してください。この組み方は、後の「割れたとき②」の節でもう一度扱います。

境目の1.4倍前後に入る一着は、どちらとも取れます。このときは、前を開けて着るか留めて着るかで分けてください。開けて着るなら、前の縦の線が2本できるので1.4倍でも縦に見えます。留めて着る日が多いなら、1.5倍以上の一着に替えるほうが迷いが残りません。

パンツスーツかスカートスーツか

どちらでも成立します。決めるのは、膝の骨の出方と、足首をどう扱いたいかです。

パンツは、膝の位置で布が体から離れる幅のある形が合います。立ったときに、膝の骨の前に指1〜2本ぶんの空間ができるかを見てください。膝に布が触れる細身の形は、膝の骨を拾って、そこに丸い影が出ます。前の中心に折り目の線が入っていると、膝から裾まで縦が1本通るので、なお扱いやすくなります。

スカートは、丈を膝が完全に隠れる位置に置きます。膝の骨の上で止まる丈は、骨の形を裾の線がなぞることになります。膝下10cm以上、できればふくらはぎの中ほどまで届く丈にすると、骨と布が重なりません。体に沿うタイトより、裾に向かってわずかに広がる形や、縦にひだが入る形のほうが、織りの粗い布とよく合います。

迷ったら、パンツから始めてください。式典でも通勤でも、靴を替えるだけで場面の幅が広がるので、1着目として扱いやすいからです。パンツの幅をもう少し細かく決めたいときは、骨格ナチュラルのパンツは膝幅と裾幅の差で決まるに、膝と裾の数字をまとめています。

秋冬にパンツスーツを選ぶなら、裾の幅はジャケットの生地の厚みとあわせて決めます。厚い生地で裾が広すぎると、歩くたびに裾が外へ張り、足元に体積ができます。立ったときに裾が靴の甲へ素直に落ちているか、横から見て外へ開いていないかを確かめてください。落ちていれば、その幅は生地の重さで支えられています。

秋冬の生地|ツイード・起毛・太い糸の平織り

骨格ナチュラルの体にとって、秋冬はスーツの生地を選びやすい季節です。軸1と軸2の条件、つまり織り目が見えてシワが残る布が、この時期の売り場に多く並ぶからです。

  • 粗く織ったツイード:糸の太さが見え、表面に凹凸がある。軸1をいちばん満たしやすい
  • 起毛したウール:表面が平らに見えても、毛羽が光を散らすので面が光らない
  • 太い糸の平織り:近づくと格子状に糸が見える。通勤でも硬く見えすぎない

避けたいのは、表面がつるりとして光を返す薄手の布です。夏物の延長で選ぶと、秋冬の重ね着の中でその一着だけが平らに見えます。

厚みの目安は、布を2枚重ねてつまんだときに、指のあいだが3〜5mm。これを下回ると秋冬の重ね着に負け、超えると肩の縫い目が布の形で立ちやすくなります。手持ちの一着が薄い側なら、中に着るものを起毛のニットにして、表面の情報を内側から足す方法もあります。

家で洗える生地のスーツも、同じ2つの軸で見られます。洗える生地は表面が平らで、シワが3秒以内に消えるものが多い傾向があります。それでも、織り目が近づけば見える程度にあり、5秒前後でシワが戻るものなら、通勤用の2着目として回せます。1着目は条件を満たす生地で決め、2着目で手入れの軽さを取る、という順番にすると、判断が割れません。

色と柄|無地の濃さより、織り柄の粗さが先

色は、濃紺・チャコール・茶・カーキのどれでも成立します。骨格ナチュラルの体で効くのは、色の名前より表面の情報量です。

同じ濃紺でも、糸が1本ずつ見える一着と、表面が平らな一着では、骨の線の収まり方が違います。柄を選ぶなら、遠目には無地に見え、近づくと織りが見えるものから入ってください。杉綾の織り柄や、細かな格子が目立たずに入る布がこれにあたります。

大きな格子柄は、格子の線と肩の線が重なる位置が出てきます。格子1マスの幅が5cmを超えるときは、肩の縫い目のあたりで線が途切れていないかを、鏡で確かめてください。途切れているなら、肩の縫い目が格子の線と競合しています。

1サイズ上げてよいのは、どんなときか

「骨格ナチュラルは大きめが合う」という言い方は、条件を落とすと外れます。

上げてよい条件:織り目が見えて、シワが10秒以上残る。この布なら、増えた分は体側へ落ちて、肩から腕へ線が続きます。

上げてはいけない条件:表面が平らで、シワが3秒で消える。この布で上げると、増えた分がそのまま面として体から離れ、肩先に空洞ができます。

つまり、上げるかどうかは体の話ではなく布の話です。同じ体でも、布によって答えが逆になります。

ボトムスの側|丈と、裾の落ち方

上が決まったら、下は2つだけ見ます。

丈は、くるぶしの骨が見えるか、完全に隠れて甲に触れるかの二択です。骨の上で止まる中途半端な丈が、いちばん線を途切れさせます。骨格ナチュラルの体は足首の骨がはっきり出ることが多いので、見せると細い場所が終点になり、隠すと縦が靴まで続きます。どちらを取ってもよいので、どちらかに振り切ってください。

裾の落ち方は、立ったときに裾が自分の重さで落ちているか、外へ張っているかで見ます。織り目が見えてシワが10秒以上残る布なら、裾は素直に落ちます。落ちる裾は、脚の線をそのまま下へ延ばします。外へ張る裾は、そこに体積を作って線を止めます。

上で織りの粗い布を選んだなら、下も同じ性質の布にしてください。上下で落ち方が違うと、腰の高さで動きが分断されます。

場面別①|七五三や会食など、座る時間が長い日

前を留めて座っている時間が長い日は、軸の優先順位が入れ替わります。

  1. 前を留めて椅子に座り、背中の中央に横向きの引きが出ないか
  2. 腕を前に伸ばして、袖口が手首の骨から何cm上がるか
  3. 織り目とシワの戻りは、その次

秋の行事では、首元に光る小物を合わせることが多くなります。光る小物を足すなら、ジャケットの生地は光を返さない側を選んでください。光る面が2つ重なると、どちらも平らに見えます。

秋冬の行事は、会場に着くまでコートを重ねる時間もあります。脱いだあとに肩の縫い目がずれていないかを、会場の鏡で一度だけ確かめてください。重ねたときの見え方は、後の「コートを重ねるとき」で扱います。

写真を撮る日は、もう1つ見ておく場所があります。座って撮る写真では、ジャケットの前が開いて、胸から下の縦の線が切れやすくなります。撮る前に前のボタンを1つだけ留め直し、裾を軽く下に引いてください。織り目のある布なら、それだけで肩から裾まで線が戻ります。

場面別②|通勤で週に何日着るか

毎日着る一着では、軸2の答えが変わります。シワが10秒以上残る布は表情になりますが、同じ場所に毎日シワが集まると、折り目として残ります。

  • 週1〜2日:10秒以上残る布でよい
  • 週3〜4日:5〜10秒で戻る中間の布を選ぶ
  • 週5日:中間の布の上下を2組用意して、交互に着る

肘の内側と膝の裏は、シワがいちばん集まる場所です。帰宅したら掛けて休ませ、翌日は別の一着を着る。これだけで、10秒側の布でもかなり戻ります。

通勤で上下を別々に使い回すなら、後の「上下を揃えるか、別で組むか」の節もあわせて見てください。織りの粗さが揃っていれば、組み替えても一続きに見えます。仕事のスーツを何着、何点で持つかから決めたいときは、スーツの選び方 女性が、着る日数から逆算しています。

中に着るもの|首元の開きと、布の厚み

ジャケットの中に着るものは、首元の開きで鎖骨の見え方を決めます。

  • 鎖骨が半分ほど見える開き:骨の線が首元の情報になり、ジャケットの襟と釣り合う
  • 首の付け根まで詰まった形:ジャケットの前を開けていれば成立。留めると首元が詰まる
  • 深い開きで鎖骨が全部見える:骨が先に読まれる。秋冬は重ね着で開きを浅くする

中に着る布は、ジャケットより薄く、表面の質感が違うものを選んでください。薄手のリブ編みのニットや、粗い綿の布は、ジャケットの織りと並んでも競合しません。同じ厚みの布を重ねると、胸の高さに厚みが二重に出ます。

襟のないジャケットを選んだときは、この節がそのまま首元の答えになります。鎖骨が半分ほど見える開きのものを1枚決めておくと、襟なしの一着が式典にも通勤にも回せます。

秋冬のコートを重ねるとき

スーツの上にコートを重ねる季節は、コートの肩とジャケットの肩の位置関係を見ます。

コートの肩の縫い目は、ジャケットの縫い目より2〜3cm外にある一着を選んでください。同じ位置か内側にあると、ジャケットの肩がコートの中で押されて、肩先に段ができます。

丈は、ジャケットの裾がコートから出ない長さにします。裾が出ると、腰の高さに2段目の線が入ります。コートの形そのものは骨格ナチュラルのコート、スーツと合わせるときの丈と肩の考え方はスーツに合うコート 女性で詳しく扱っています。

靴とバッグ|スーツの縦を足元まで続ける

スーツが決まったら、靴とバッグは表面の質感で合わせます。

靴は、ジャケットの織りが粗いほど、つやの少ない革や起毛の素材が並びます。鏡のように光る革を合わせると、足元だけが平らな面になって、全身の中で視線がそこに落ちます。甲が深く覆われる形は足首の骨との距離が近く、甲が浅く開く形は足首の骨が見える面積を増やします。くるぶしを見せる丈のパンツなら甲の浅い形、隠す丈なら甲の深い形が、それぞれ縦をつなぎます。

バッグは、底がしっかりした四角いものより、持ったときに少し形が崩れる柔らかい革や布のものが、織りの粗いスーツと揃います。持ち手を肩にかけるなら、ジャケットの肩の縫い目より外に持ち手が来ないかを確かめてください。縫い目の上に持ち手が乗ると、そこで布が押されて肩先に角ができます。

手持ちを直すなら、どこから手をつけるか

すでに持っている一着を活かす場合、直す順番は決まっています。

1番目は袖丈。 1〜2cmの調整で、手首の骨が見える長さになります。ほかの場所に影響が出ないので、いちばん軽い直しです。

2番目は着丈。 肩幅の1.5倍を下回っているなら、詰めるのではなく、下に着るものを長くして全身の比で調整します。ジャケットの着丈を詰めると、留め具の位置が裾に寄って下端が詰まって見えます。

3番目は身幅。 織り目が見えてシワが残る布なら、詰めるとせっかくの落ち方が失われます。詰めるより、下に着るものの幅を合わせるほうが結果が良くなります。

肩は直しません。骨格ナチュラルの体では、肩の縫い目が骨より1〜3cm外にあるのが成立帯なので、そもそも直す必要のない場所です。ここに手をつけようとしたら、判断がどこかで逆になっています。

割れたとき①|織りは合うのに、肩が窮屈

織り目もシワの戻りも成立しているのに、肩だけが窮屈なら、縫い目が骨の真上か内側にあります。

このときは1つ上げてください。上の条件を満たしている布なので、上げても外れません。上げたあとに袖が長くなるはずなので、袖丈を1〜2cm詰めれば完成します。

肩を優先し、袖で調整する。この順番だと直しが軽く済みます。

割れたとき②|布は合うのに、全体が四角く見える

織りもシワも合っているのに全体が四角く見えるなら、着丈と幅の比が近すぎます。

ジャケットの着丈と、肩幅を比べてください。着丈が肩幅の1.3倍を下回ると、正方形に近い比になります。1.5〜1.8倍のあいだに入る一着なら、縦のほうが長い比になります。

短い着丈の一着しか手元にないなら、下に着るものを長めにして、全身での比を作り直してください。

割れたとき③|行事の日だけ、うまくいかない

普段は決まるのに、前を留めて座る日だけ落ち着かないなら、留めたときの背中を見てください。

前を留めて腕を前に出したとき、背中の中央に横向きの引きが出るなら、背中側の布が足りていません。骨格ナチュラルの体は肩甲骨が後ろへ出るので、ここで引かれやすいのです。

打てる手は2つ。背中に縦のひだ(後ろ中心の余り布)がある作りに替える。もしくは、その日は前を開けて着る。行事の性質が許すなら、後者で足ります。

どちらとも取れるとき|ストレートやウェーブとも言われたら

ストレート寄りとも言われた人は、肩の縫い目を骨の真上に置いたほうが落ち着くこともあります。判断は、横向きで肩先を見たときの斜面です。

  • 縫い目を1〜3cm外に置いて斜面がなだらか:ナチュラル側の答えを取る
  • 外に置くと肩先に布が余り、真上で斜面が整う:ストレート側の答えを取る

ウェーブ寄りとも言われた人は、軸2の秒数で分かれます。シワが10秒以上残る布で上半身が重く見えるなら、5〜10秒で戻る中間の布へ寄せてください。織り目は残したまま、布の重さだけを軽くします。

どちらの場合も、4つの軸を全部入れ替える必要はありません。肩か布の重さか、どちらか1つだけを寄せて、残りはナチュラル側の答えのまま使います。それでも決められないときは、骨格ストレートと骨格ナチュラルの違いで、差がどこに出ているかを先に確かめてください。

寄せる側を決めたら、試着のときに鏡の前で1分だけ、腕を上げ下げしてください。寄せた答えが合っていれば、腕を下ろしたときに布が元の位置へ戻ります。戻らずに肩先や胸の高さで止まるなら、寄せる側が逆です。動いたあとの戻り方は、立ち姿の印象より先に答えを出してくれます。

上下を揃えるか、別で組むか

揃いで買う利点は、織りの粗さが上下で一致することです。骨格ナチュラルの体では、この一致がそのまま全身の一続きの面になります。

別で組むときの条件は、色の濃さより織りの粗さを合わせることです。片方だけ表面が平らだと、色が同じでも別物に見えます。屋外の光の下で並べて、片方だけ光るかどうかを確かめてください。

逆にいえば、織りの粗さが揃っていれば、濃さが少し違っても揃いに見えます。合わせる優先順位が、ほかのタイプとは入れ替わる場所です。

売り場での試着の順番|3着で1つずつ動かす

試着は、1回に3着までにしてください。それ以上は、前に着た一着の記憶が薄れて比較になりません。

  1. 同じ生地で、肩の縫い目の位置が違う2着を着て、横向きの斜面がなだらかなほうを残す
  2. 残した一着と同じ肩の作りで、生地の違う1着を着て、シワの戻りと織りを比べる
  3. 決まった一着で、前を留めて座り、腕を前に伸ばす

1つずつ動かすのは、何が効いているかを自分で分かるようにするためです。肩と生地を同時に変えると、良くなった理由がどちらにあるのか分からなくなります。

試着室には、普段の通勤で履く靴の高さに近いものを持っていくか、売り場で借りてください。ヒールの高さが3cm変わると、パンツの裾の落ち方とジャケットの着丈の見え方が変わります。比べられるのは、同じ鏡と同じ照明の下で、同じ靴で着たものだけです。

3分で決める手順

  1. 袖の外側を光にかざし、糸が見えるかを確かめる
  2. 袖の内側を握って離し、シワが消えるまでの秒数を数える
  3. 着て、袖口から手首の骨が何センチ出るかを見る
  4. 肩の骨に指を当て、縫い目までの距離を測る
  5. 着丈が肩幅の1.5倍以上あるかを見る

1と2で外れたら、着る前に終わります。触るだけで半分決まるというのが、このタイプのスーツ選びのいちばんの近道です。

まとめ|触ってから、着る

骨格ナチュラルのスーツは、鏡の前に立つ前に半分決まっています。織り目が見えるか、シワが10秒残るか。この2つです。

そこが揃っていれば、肩の縫い目が3cm外にあっても布は素直に落ち、1サイズ上げても外れません。揃っていなければ、寸法をどう合わせても布が自分の形で立ちます。

だから、ハンガーから外したら、まず触ってください。

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よくある問い

Q. 骨格ナチュラルに似合うスーツの形はどれですか
形の名前より、肩の縫い目の位置と着丈で決まります。縫い目が肩の骨より1〜3cm外にあり、着丈が肩幅の1.5〜1.8倍ある一着なら、シングルでもダブルでも成立します。ダブルを選ぶなら、ボタンの横の間隔が8〜11cmに収まるものにしてください。12cm以上離れると、胸の高さに横の線が入ります。襟は下襟の最も広いところが8cm前後あると、鎖骨の横幅と釣り合います。
Q. 骨格ナチュラルは1サイズ上げたほうがいいと聞きました。本当ですか
条件つきです。上げてよいのは、布に織り目が見えて、つけたシワが10秒以上残る場合に限ります。この条件なら、増えた布は体側へ落ちて肩と腕の線に沿います。逆に、表面が平らでシワが3秒で消える布を1つ上げると、増えた分がそのまま面として体から離れます。上げる前に、まず布をつまんで離してください。判断はそこで付きます。
Q. パンツスーツとスカートスーツ、どちらを選べばいいですか
どちらでも成立しますが、1着目ならパンツが扱いやすい帯です。パンツは、立ったときに膝の骨の前に指1〜2本ぶんの空間ができる幅を選びます。スカートは、膝が完全に隠れて膝下10cm以上ある丈にしてください。膝の骨の上で止まる丈は、骨の形を裾の線がなぞります。靴を替えるだけで場面を広げられるので、式典と通勤の両方に使うならパンツから入るのが近道です。
Q. 袖が長くて手首が隠れます。詰めたほうがいいですか
手首の骨が完全に隠れているなら詰めてください。目安は、袖口から手首の骨が1〜3cm出る長さです。骨格ナチュラルの体は手首の骨がはっきり出ることが多く、その骨が見えていると腕の線が手のほうへ続きます。隠れると、袖だけが独立した筒に見えます。詰めるのは1〜2cmで足りることが多いので、直しの中では負担の軽い部類です。
Q. 上下を揃いで買うべきですか、別で組むべきですか
織り目が見える布で揃えられるなら揃い、見つからないなら別で組んでください。骨格ナチュラルの体は、上下で織りの粗さが揃っていると全身が一続きの面に見えます。別で組む場合の条件は、色の濃さより織りの粗さを合わせることです。片方だけ表面が平らだと、同じ色でも別の一着に見えます。屋外の光で並べて確かめてください。
Q. 行事の日と通勤で、選び方は変わりますか
優先の順番が入れ替わります。行事の日は前を留めて座る時間が長いので、留めたときに背中が引かれないかを先に見てください。通勤で毎日着るなら、シワの戻り方が先です。10秒以上残る布は表情になりますが、同じ場所に毎日シワが集まると折り目として残ります。週3日以上着る一着は、5〜10秒で戻る中間の布を選ぶほうが持ちます。

— メグラシ編集部

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骨格別似合う服|外れた服を捨てる前に、直せる所を3タイプで分ける

骨格別に似合う服を調べて買ったのに、着てみると何か違う。その服は捨てる前に、どこで外れたかを3か所で測ると、直して戻せるものと戻せないものに分かれます。ストレートは生地の厚みと首の開き、ウェーブは丈とウエストの位置、ナチュラルは肩の落ちと袖の長さ。タイプごとに「直せる所」と「どうにもならない所」が違うので、同じ失敗でも手の打ち方が変わります。試着で見抜けなかった理由と、次に買うときに測る1か所も添えました。

メグラシ編集部/読了 9分
ナチュラル体型の秋冬服|骨が目立つ人と肉付きのある人で生地の重さを分ける

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ナチュラル体型の秋冬服|骨が目立つ人と肉付きのある人で生地の重さを分ける

同じナチュラル体型でも、鎖骨と手首の骨が浮いて見える人と、骨は張っているが肉付きがあって骨が埋まり気味の人では、秋冬に合う生地の重さが逆になります。骨が目立つ人は重くて落ちる生地で骨を包み、肉付きのある人は軽くて張りのある生地で輪郭を立てる。どちらか迷う人は、手首の骨の出方と、二の腕を指でつまんだ厚みの2か所で決めます。ニット・コート・ボトムスの順に、重さの境目と、間に落ちた人の選び方、去年の服が合わなくなったときの見直し方まで。

メグラシ編集部/読了 9分
骨格診断別の手袋|手首の骨と袖口のすき間で丈と素材を選ぶ

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骨格診断別の手袋|手首の骨と袖口のすき間で丈と素材を選ぶ

手袋は手の大きさより、手首の骨がどう出ているかと、コートの袖口との間にどれだけすき間が出るかで似合い方が変わります。骨格ストレート・ウェーブ・ナチュラル別に、丈の止め位置と素材の厚み、どちらとも取れる人の決め方まで。

メグラシ編集部/読了 12分
骨格ナチュラルのワンピース|秋冬は肩か裾にゆとりを逃がし、中厚手で選ぶ

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骨格ナチュラルのワンピース|秋冬は肩か裾にゆとりを逃がし、中厚手で選ぶ

骨格ナチュラルに似合うワンピースは、ゆとりの量ではなく、肩か裾のどちらにゆとりを逃がしているかで決まります。秋冬は生地が厚くなるぶん選びやすい季節です。生地をつまんだ厚み、くるぶしから裾までの距離、ブーツの筒と裾のすき間、コートとの丈の差まで、鏡と指で測れる形にしました。

メグラシ編集部/読了 20分

"似合う"の輪郭が見えたら、
次は実際に試してみる段階かもしれません。

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