服の臭い消し|洗えるかと、においの元がどこかで手を変える

**においの気になる服を1枚、鼻に近づけてみてください。**表面からふわっと来るのか、脇や襟だけが強いのか、服全体がしっとり重たいにおいなのか。服の臭い消しは、この違いで効く手がまったく変わります。
いちばん多いのは、焼肉や鍋、たばこの煙のような外から付いたにおいです。これは繊維の表面にとどまっているので、風と湯気で抜けます。洗ったのに着ると戻ってくるにおいは、繊維の中に残った皮脂や汗で、かけるものではなく洗い方を変えないと取れません。衣替えで出した服の重たいにおいは、しまっていた間にこもった湿気で、洗う前に乾かすのが先です。
そのうえで、洗える服か洗えない服かを洗濯表示で確かめます。洗える服は元に合わせて洗い方を変え、コートやウールのように家で洗えない服は、風・湯気・蒸気の順で抜いていきます。部屋干しのにおいは生乾きのにおいの消し方、黄ばみが残っているなら汗染みの取り方に分けてあります。
結論:元を3つに分けて、洗えるかで手を絞る
| においの元 | 見分け方 | 洗える服 | 洗えない服 |
|---|---|---|---|
| 外から付いた(煙・油・料理) | 30分の陰干しで半分以上消える | 風を通してから、普段どおり洗う | 一晩の風、残れば浴室の湯気 |
| 繊維に残った(皮脂・汗) | 乾いていると弱く、着て温まると戻る | ぬるま湯と酸素系漂白剤で部分づけ | 蒸気を当て、シーズン終わりに専門の洗いへ |
| しまっていてこもった(湿気) | 服全体が重たく、湿ったにおい | 先に乾かし、それから洗う | 晴れた日の陰干しを2日 |
表は分け方を見るためのものです。実際には元が2つ重なっていることが多いので、その場合の順番をあとで詳しく書きます。
見分け方1|30分の陰干しで半分以上消えるか
まず服をハンガーに掛けて、風の通る日陰に30分置いてください。そのあと、最初に鼻を近づけたのと同じ場所をもう一度かぎます。
においが半分以上弱くなっていれば、外から付いたにおいです。煙や油の粒は繊維の表面に引っかかっているだけなので、空気が動けば少しずつ離れていきます。逆に、30分でほとんど変わらないなら、繊維の中に入り込んでいるか、湿気がこもっているかのどちらかです。
日差しの強い場所は避けてください。濃い色の服は日に当てると色が抜けることがあり、ウールは乾きすぎて手ざわりが固くなります。
見分け方2|着て温まると戻るか
陰干しで変わらなかった服は、一度着てみます。乾いた状態ではほとんど気にならないのに、着て30分ほどたつと脇や襟からにおうなら、繊維の奥に皮脂や汗が残っています。
体温で繊維が温まると、残っていたものが立ち上がってくるからです。洗った直後はいい香りでも、香りが飛んだあとに戻ってくるのは、洗剤の香りで上から覆っていただけで、元は残っていたということです。
場所にも手がかりがあります。脇・襟の内側・袖口・背中の首の付け根。この4か所に集まっていれば、ほぼ皮脂と汗だと考えてよいでしょう。
見分け方3|服全体が湿ったように重たいか
場所を問わず、服全体からしっとり重たいにおいがする。衣替えで箱や袋から出したばかりの服、押し入れの奥に掛けていた服に多いにおいです。
これはしまっていた間の湿気がこもったものです。触って少しひんやりする、布が少しだけしなっとしているなら、まず間違いありません。
このにおいを見分けたら、洗う前に必ず乾かしてください。湿ったまま洗濯機に入れると、他の服にもにおいが移ることがあります。
洗える服|外から付いたにおいは、風を通してから洗う
洗濯表示に洗濯おけのマークがある服は、家で洗えます。外から付いたにおいなら、洗う前に一晩、風に当てておくだけで洗い上がりが変わります。
煙のにおいを含んだまま洗うと、洗濯の水へにおいが溶け出して、同じ回で洗った他の服にも薄く移ることがあるからです。焼肉や鍋のあとのニット、居酒屋に着ていったシャツは、帰ったらすぐ洗濯かごに入れず、いったんハンガーに掛けておいてください。
翌日、においがかなり弱くなっていれば、いつもの洗い方で足ります。強く残っているなら、次の「繊維に残った」の手順に進みます。
洗える服|繊維に残った皮脂は、ぬるま湯と酸素系漂白剤で部分づけ
洗っても戻るにおいは、普段の洗濯の水温では皮脂が溶け切っていないことが多いです。
洗面器に40度前後のぬるま湯を張り、酸素系漂白剤を表示どおりの量だけ溶かします。においの強い脇と襟だけを浸して、30分から1時間置いたら、そのまま洗濯機でいつもどおり洗います。服全体を浸す必要はありません。においが集まっている所だけで足ります。
気をつけるのは素材です。**粉末の酸素系漂白剤は、ウールとシルクには使えません。**液体のものでも、使える素材は商品ごとに表示が違います。服の洗濯表示に漂白不可のマークがないか、漂白剤側の表示に素材の制限がないか、両方を確かめてから使ってください。
色の濃い服は、裾の裏など目立たない所に少しつけて、5分たっても色が出ないことを見てから進めます。
洗える服|しまっていたにおいは、乾かしてから洗う
衣替えで出した服は、晴れて空気の乾いた日に、まず半日陰干しします。それで湿ったにおいが抜ければ、そのまま着てもかまいません。
半日たってもにおいが残るなら、洗います。ここで先に乾かしておくのは、こもっていた湿気を抜いてから洗ったほうが、洗ったあとにもう一度においが立ちにくいからです。
表面に白い粉のようなものや、黒い小さな点が見えるときは、においだけの問題ではなくなっています。外で乾いたブラシで軽く払い、目立たない所で落ちるかどうかを確かめてください。洗っても点が残る服、点が広い範囲に散っている服は、着る服から外すことも選択肢に入れます。
洗えない服|外から付いたにおいは、一晩の風と浴室の湯気
コート、ウールのジャケット、家で洗えない表示のニットは、外から付いたにおいなら洗わずに抜けます。
帰宅したら、肩の幅に合ったハンガーに掛けて、窓を少し開けた部屋か、屋根のある外に一晩置きます。ポケットの中のものは出し、前のボタンは開けて、内側にも風が入るようにしてください。
翌朝まだ残っていたら、入浴後の湯気がこもった浴室に30分ほど掛けます。湯気を含むと繊維がゆるみ、表面に引っかかっていたにおいが離れやすくなります。そのあと換気扇の下か、風の通る部屋で手で触ってひんやりしなくなるまで乾かします。湿ったままクローゼットに戻すと、今度はこもったにおいに変わるので、乾かし切るのが条件です。
洗えない服|繊維に残ったにおいは、蒸気を当てて季節の終わりに洗いに出す
洗えないコートの襟や袖口から皮脂のにおいがするときは、アイロンの蒸気を、布から2〜3cm離して当てます。押し当てずに浮かせたまま、においの強い所に10秒ずつ。当てたあとは、乾くまでハンガーに掛けておきます。
洗濯表示にアイロンの使用不可のマークがある服、毛足の長い布、合成皮革や光沢の強い布は、蒸気で形や表面が変わることがあるので、この手は使いません。
蒸気で弱くはなっても、繊維に残った皮脂そのものは家では落とし切れません。着る季節の終わりに、専門の洗いに出すのが確実です。においの強い場所を伝えておくと、そこに合わせて処理してもらえます。
洗えない服|しまっていたにおいは、晴れた日の陰干しを2日
洗えない厚手の服は、こもった湿気が抜けるまでに時間がかかります。晴れて乾いた日を選んで、日陰で2日続けて干してください。夜は部屋に取り込み、翌日また出します。
2日たっても湿ったにおいが残るなら、家で抜くのは難しい状態です。表面に点が見えないかを確かめたうえで、専門の洗いに相談してください。
元が2つ重なっているとき|先に乾かし、次に繊維、最後に表面
実際に困るのは、元が1つではないときです。秋冬の厚手の服では、とくに次の2つの重なりが多くなります。
**しまっていたコートを出して着て、そのまま焼肉に行った。**この場合は、こもった湿気と外から付いた煙が重なっています。先に乾かす手を打ってください。晴れた日に陰干しして湿気を抜くと、煙のにおいも一緒に軽くなります。湿気が残ったまま湯気を当てると、こもりが強まってしまいます。
**ニットを着て鍋を囲み、脇に汗もかいた。**これは外から付いたにおいと、繊維に残った皮脂の重なりです。一晩風に当てて煙を抜いてから、脇だけぬるま湯で部分づけして洗います。いきなり漂白剤につけると、煙のにおいが水に溶けて、においの範囲が服全体に広がることがあります。
順番の決め方は、湿気→繊維の中→表面です。湿気は他の手を効かなくするので最初に抜き、繊維の中は洗うか蒸気で片づけ、表面に残ったものは最後に風で抜きます。
どちらとも言えないとき|陰干しで少しだけ減った
30分の陰干しで、においが少しだけ弱くなったけれど半分には届かない。この場合は、表面と繊維の中の両方からにおいが出ていると考えて、一晩風に当ててから判断し直してください。
一晩で大きく減れば、表面のにおいが多かっただけです。一晩たっても朝と変わらないなら、繊維に残った側が主です。洗える服なら部分づけに進み、洗えない服なら蒸気を当てて、それでも戻るなら季節の終わりに洗いに出します。
判断に迷う服を何度も鼻で確かめていると、においに慣れて分からなくなってきます。一度部屋を出て、外の空気を吸ってから戻ってかぐと、差が分かりやすくなります。
においを戻さないしまい方
においを抜いたあと、同じことを繰り返さないための手は3つです。
- 着た服はその日のうちにクローゼットに戻さず、一晩ハンガーで外に掛けてから戻す
- クローゼットの扉を晴れた日に1時間開けて、中の空気を入れ替える
- 衣替えでしまう服は、着たあと一度洗うか専門の洗いに出してからしまう
3つ目がいちばん効きます。少し着ただけの服でも、皮脂が付いたままひと夏しまうと、出したときにこもったにおいと皮脂のにおいが重なって戻ってきます。掛け替えの順番は衣替えのハンガーの掛け替えにまとめています。
よくある質問
Q. 焼肉や鍋のあとのコートのにおいは、どうすれば取れますか 煙や油のにおいは繊維の表面に付いているだけのことが多いので、まず風に当ててください。一晩外に掛けて残っていれば、入浴後の浴室で湯気を含ませ、乾かし切ってからしまいます。
Q. 洗ったのに、着ると脇や襟だけにおいが戻ってきます 繊維の奥に皮脂や汗が残っています。洗える服なら40度前後のぬるま湯に酸素系漂白剤を溶かし、脇と襟だけ30分から1時間つけてから洗ってください。ウールとシルクは粉末の酸素系漂白剤が使えません。
Q. 衣替えで出したニットがカビ臭いです。洗えば着られますか 表面に点が見えないなら、乾いた日に陰干ししてから洗えば、多くは戻ります。点が見えて落ちない場合は、着る服から外すことも考えてください。
Q. 消臭スプレーだけで済ませてもいいですか 外から付いた少量のにおいなら足りることもあります。数日でにおいが戻るなら元が残っている合図なので、元に合わせた手に切り替えてください。
— メグラシ編集部





