ブルベの暗めの髪色|どの光の下で長く見られるかで、選ぶ暗さが変わる

暗めにしたブルベの髪が、美容室の鏡では良かったのに、帰った部屋では赤茶に見える。あるいは職場では灰色に沈んで見える。
髪が変わったわけではありません。暗い髪は自分の色をほとんど持たず、当たった光の色をそのまま返しているだけです。
先に結論|暗さは、いちばん長い光で決める
ブルベで暗めを選ぶとき、先に決めるのは色名ではありません。
あなたが1日のうち、人と向き合っている時間がいちばん長い光はどれか。
- 屋外の昼光 → 青みが素直に出る。寒色は控えめでよい
- 白色の照明(職場や店内の白い光) → 灰みが立ち、赤みが消える。赤みを少し残す
- 暖色の照明(夕方以降の部屋、飲食の場) → 赤みに転ぶ。灰みを厚めに入れる
この1つを決めれば、入れる色みは自動的に決まります。
なぜ光で変わるのか|暗い髪は光を返しているだけ
明るい髪は、内側に残った色素の量が多く、光がその中を通って戻ってきます。だから光源が変わっても、自分の色をある程度は保ちます。
暗い髪は逆です。光の多くを吸ってしまい、表面で跳ね返った分だけが目に届きます。表面で跳ね返った光は、光源の色そのものです。
つまり暗い髪ほど、見えている色に占める光源の割合が大きくなります。ブルベの暗めが場所で大きく変わるのは、この仕組みのためです。
光①|屋外の昼光
昼の屋外は、色みの偏りが最も少ない光です。青みも赤みも均等に含まれているので、髪に入れた色がほぼそのまま出ます。
- 入れた寒色は、そのまま寒色として見える
- 抜けかけた黄みも、そのまま黄みとして見える
- 判定はしやすいが、ごまかしは効かない
屋外で過ごす時間が長いなら、寒色は控えめで足ります。入れすぎると、屋外では灰色に寄って見えます。
ただし昼光は、時間帯で性質が変わります。正午前後は偏りが最も少なく、夕方に近づくにつれて暖色寄りになります。屋外にいる時間が夕方に集中している場合は、昼光ではなく暖色の側で考えたほうが実際に近くなります。同じ屋外でも、何時に外にいるかで扱いが変わるという点だけ覚えておいてください。
曇りの日は、晴れの日より青みが強くなります。屋外の時間が長い人ほど、日によるぶれが大きい光の下にいることになります。だから屋外中心の場合は、色みを片側へ振り切らず、中心に置いておくほうが安定します。
光②|白色の照明
職場や店内でよく使われる白い光は、青みの側に寄っています。ここでは灰みが立ち、赤みが消えます。
- 灰みを入れた髪 → 灰色として強く出る
- 赤みを残した髪 → 赤みが打ち消され、ちょうど落ち着く
- 何も入れていない髪 → 沈んで平らに見える
この光の下が長いなら、赤みを少し残してください。 光の側が赤みを削るので、削られる分をあらかじめ持たせておく形になります。
ここでよくあるのが、白色の照明の下で「灰色に見える」と感じて、次の施術で灰みを足してしまう流れです。方向が逆になっています。灰色に見えているのは光が赤みを削っているからで、灰みを足すとさらに削られる材料が減ります。足すべきは赤みのほうです。
赤みといっても、暖色にするという意味ではありません。寒色の中に赤みを含ませる、という配合です。灰みだけで暗さを作ると、白色の照明の下で色みが完全に抜けて、平らな面になります。ここが白色の照明の下でいちばん起きやすい行き違いです。
光③|暖色の照明
夕方以降の部屋や、食事の場でよく使われる暖色の光は、赤とオレンジに寄っています。ブルベの暗めがいちばん崩れるのはここです。
- 寒色を入れた髪でも、赤みの側へ引かれる
- 灰みは温度を持って見え、灰色ではなく茶色に近づく
- 明るさが同じでも、深く沈んで見える
この光の下が長いなら、灰みを厚めに入れてください。 光の側が赤みを足してくるので、あらかじめ引いておく形になります。
厚めというのは、色名を変えることではありません。同じ色でも配合の比率を動かせるので、「灰みを多めに」と伝えるだけで足ります。目安としては、昼光を基準にする場合の1.5倍ほどを想定してください。それ以上入れると、昼光の下で灰色に寄りすぎます。
なお、暖色の照明の下では暗さそのものも深く見えます。同じ6トーンでも、暖色の下では5トーンに近い深さで読まれます。暖色中心の生活では、下限を1段上げておくと、実際の見え方が想定に近づきます。数字の上では明るく感じても、その光の下では思ったとおりに落ち着きます。
自分の光を、時間の長さで決める
平日1日を思い出して、人と向き合っていた時間を3つに割り振ってください。
- 昼光:通勤の徒歩、外での仕事、屋外での待ち合わせ、窓際の席
- 白色:オフィス、教室、店内、明るい室内
- 暖色:夕方以降の自宅、食事の席、間接照明の空間
いちばん長いものが基準です。印象に残っている場面ではなく、合計の長さで選んでください。写真を撮る場面は、時間としてはたいてい短いところです。
光ごとの下限と、入れる色み
| 主な光 | 暗さの下限の目安 | 入れる色み | 避けたいこと |
|---|---|---|---|
| 昼光 | 5トーン前後 | 寒色は控えめ | 寒色の入れすぎ |
| 白色 | 5〜6トーン | 赤みを少し残す | 灰みだけで暗くする |
| 暖色 | 6トーン前後 | 灰みを厚めに | 赤みを残すこと |
| 昼光+白色 | 5トーン前後 | 寒色を中程度に | 極端な片寄り |
| 白色+暖色 | 6トーン前後 | 灰みを厚めに | 明るさを下げすぎ |
下限は目安です。表の役割は、どの色みを足し引きするかの方向を出すことにあります。トーン番号のほうは、後で自分の生活に合わせて動かして構いません。
光の種類を、その場で見分ける
自分の周りの光がどれなのかは、白い紙1枚で分かります。判定に3秒しかかかりません。
紙を目の高さに持ち上げて、正面から見てください。
- 紙が青白く見える → 白色の照明。灰みが立つ側です
- 紙がクリーム色に見える → 暖色の照明。赤みが足される側です
- 紙が真っ白に見える → 昼光。偏りが少ない側です
判定するとき、紙を照明に直接かざさないでください。まぶしさで色が飛びます。目の高さで、顔と同じ光を受けている状態にします。
この判定を、職場・自宅・よく行く場所の3か所でやっておくと、自分の生活がどの光に寄っているかが1枚の絵になります。所要は合計で1分ほどです。思っていたのと違う光だった、という結果になることがよくあります。 特に、自宅の照明を白色だと思っていたら暖色だった、という取り違えは起こりやすいところです。
どちらとも取れるとき①|光が2つに割れる
2つの光がほぼ同じ長さのときは、暖色側を基準にしてください。
理由は、暖色の照明が寒色を最も削る光だからです。暖色で成立する組み立てにしておけば、昼光や白色の下ではそのまま寒色が残ります。多めに入れておいた灰みが、そこで効きます。
逆に昼光を基準にすると、暖色の下で赤みが立ちます。片方が崩れる方向は、常に暖色側です。だから暖色を基準にしたほうが、外れ幅が小さくなります。
どちらとも取れるとき②|写真だけ別の光
写真だけ違う光になることがあります。屋内でも撮影用の光は白色寄りで、そこだけ別の条件になります。
ここで基準を写真に寄せると、日常の時間のほうが崩れます。写真は基準にしないでください。 写真の側は、撮るときに調整できる余地があります。
- 写真で赤みが出る → 窓際に移動して撮る
- 写真で灰色に沈む → 顔の近くに明るい面を1つ置く
対して、日常の光は選べません。選べないほうを基準にするのが原則です。
どちらとも取れるとき③|暗くしたのに重く見える
暗くして重く見えるとき、動かすべきは暗さではありません。面の分かれ方です。
全体が均一に同じ暗さだと、髪はひとつの塊として読まれます。塊は、暗いほど大きく見えます。
- 顔まわりの表面だけ、1段だけ明るさを残す
- 内側と後ろは、いまの暗さのまま
こうすると塊が2つの面に分かれ、同じ暗さでも重さが減ります。暗さのほうを戻すと、狙っていた深さが無くなります。分けるのは明るさではなく、面です。
光を変えられないときの、髪の側での受け方
職場の照明も自宅の照明も、たいていは選べません。髪の側で受ける方法が2つあります。
- 色みを厚めに入れる:光が削ってくる分を見越して、多めに入れておく。ただし入れすぎると、別の光の下で片寄ります
- 面を分ける:顔まわりだけ明るさを残す。光が変わっても、面の分かれ方は変わりません
このうち、光の変化に強いのは後者です。色みは光に削られますが、明るさの差は削られません。光が読めないときほど、色みより面で作るほうが安定します。
暗さの下限を、自分で測る
下限は、トーン番号ではなく写真で測れます。手順は3つです。
- 基準の光の下で、正面から1枚撮る(自分の生活で最も長い光)
- 顔の輪郭と髪の境目を見る。境目が読めるなら範囲の内側
- 境目が消えて、顔と髪がひと続きに見えたら下限を越えている
判定するのは色ではなく、境目が残っているかどうかです。境目が消えた状態は、暗すぎたのではなく、その光で成立しない暗さだったということになります。別の光で撮ると境目が戻ることもあるので、必ず基準の光で撮ってください。
写真を撮るときは、加工をかけないでください。明るさの自動調整が入ると、境目のあたりが持ち上げられて、実際より読みやすく写ります。撮ったあとに何も触らない1枚で判定します。
境目が消えていた場合、戻し方は2つあります。全体を1段明るくするか、顔まわりの表面だけ1段残すかです。前者は光が変わっても効きますが、狙っていた深さが失われます。後者は深さを保ったまま境目を作れます。深さを優先するなら後者を選んでください。
美容室では、光を先に伝える
暗さの希望だけを伝えると、担当は美容室の照明を基準に作ります。そこは白色寄りであることが多いので、暖色の下が長い人には合わないことがあります。
伝え方は次の形です。
「夕方以降、暖色の照明の下で人と会う時間が長いです。赤みに転ばないように、灰みを厚めに入れてください」
「日中は白い照明の職場です。灰色に沈まないように、赤みを少し残してください」
暗さの数字よりも、光の情報のほうが仕上がりを決めます。先に光、次に暗さの順で伝えてください。
まとめ
- 暗い髪は自分の色を持たず、光源の色を返している
- だから選ぶ色みは、いちばん長く顔を見られている光で決まる
- 昼光なら寒色控えめ、白色なら赤みを残す、暖色なら灰みを厚めに
- 光が割れるときは暖色側を基準にする。崩れる方向は常に暖色側
- 重く見えるときは暗さではなく、面の分かれ方を動かす
光を先に決めると、色名で迷う時間がなくなります。
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よくある問い
- Q. ブルベで暗めにすると、なぜ赤茶に見えるのですか
- 髪そのものが赤くなったのではなく、当たっている光が暖色だからです。暗い髪は明るい髪より光を吸うぶん、返してくる色が光源の色にそのまま近づきます。暖色の照明の下では、寒色を入れた髪でも赤みの側へ寄って見えます。美容室の鏡の前では狙いどおりでも、帰宅後の部屋で違って見えるのはこのためです。
- Q. どの光を基準にすればいいですか
- 1日のうち、人と向き合っている時間がいちばん長い光です。屋外で過ごす時間が長いなら昼光、職場の白い照明の下が長いならその光、夕方以降の暖色の照明の下が長いならその光です。印象に残っている場面ではなく、時間の合計で決めてください。写真を撮る場面は、時間としては短いことがほとんどです。
- Q. 光が2つに割れるときはどうしますか
- 暖色側を基準にしてください。暖色の照明は、寒色を最も削る光だからです。暖色で成立する組み立てにしておけば、昼光や白色の照明の下ではそのまま寒色が残ります。逆に昼光を基準にすると、暖色の照明の下で赤みが立ちます。外れ幅が小さいのは暖色側を基準にしたほうです。
- Q. 暗くしたのに重く見えるときは、どこを直しますか
- 暗さではなく、面の分かれ方を疑ってください。全体が均一に同じ暗さだと、髪はひとつの塊として読まれます。同じ暗さのまま、顔まわりの表面だけ1段だけ明るさを残すと、塊が2つの面に分かれて重さが減ります。暗さを戻すと、今度は狙っていた深さが無くなります。
- Q. 職場の規定で明るくできない場合でも選べますか
- 選べます。この記事で動かしているのは明るさではなく色みなので、規定の暗さの中で調整できます。同じトーンでも、灰みを厚く入れるか赤みを残すかで、光の下での見え方が変わります。規定がある場合は、暗さを固定したうえで、いちばん長い光に合わせて色みだけを決めてください。
— メグラシ編集部




