ブルベのブラウン髪色|同じ色を頼んでも違う色になるのは、髪に残っているものが違うから

ブルベ向けのブラウンを頼んだのに、前回と違う色で出てきた。同じ写真を見せて、同じ言葉で頼んだのに。
薬剤が変わったわけでも、担当が下手なわけでもありません。ブラウンは白い紙に置く色ではなく、いま髪に残っている色に足す色だからです。
先に結論|ブラウンは「足す色」
ブルベ向けのブラウンがどこに着地するかは、次の式で決まります。
いま髪に残っている色 + 今回入れる色 = 仕上がり
左の項が違えば、右も違います。色名を固定しても、残っているものが違えば別の色になります。
だから先に決めるのは色名ではなく、いま何が残っているかです。これは4つに分かれます。
履歴は4つに分かれる
- 地毛のまま:一度も染めていない、または前の色が完全に切り落とされている
- 前の茶が残っている:数か月以内に茶系を入れていて、色が残っている
- 明るくした履歴がある:一度大きく明るくしていて、髪の内側の色が減っている
- 白髪が混じり始めた:色が入ると周りより明るく仕上がる毛が混ざっている
自分がどれかは、覚えていなくても分かります。次の節の見方で読めます。なお、4つのうち2つ以上が同時に当てはまることもあります。その場合は、顔に近い側の履歴を優先して読んでください。人が見ているのは顔まわりの面です。
履歴の見分け方|長さ方向に3か所を見る
昼の窓辺で、髪を1束取って、根元・中間・毛先の3か所を順に見てください。
- 3か所とも同じ色み → 履歴は1つ。下の判定へ進めます
- 毛先だけ明るい → 明るくした履歴が毛先に残っています
- 毛先だけ赤みが強い → 前の茶が毛先に残っています
- 根元だけ暗い → 地毛が伸びてきています
- 1本の中に明るい毛が混ざる → 白髪が混じり始めています
覚えていなくても、髪のほうに書いてあります。 記録を探す必要はありません。
履歴①|地毛のまま
一度も染めていない髪は、内側に色が詰まっています。ブラウンを入れるとき、まずこの内側の色を明るくしてから色を置くことになります。
このとき、明るくする過程で内側の色が表に出ます。多くの場合、出てくるのは黄みかオレンジです。
- 1回で仕上げると、出てきた黄みを寒色で打ち消すことになり、灰色に近い茶に着地しやすい
- 2回に分けると、1回目で明るさを整え、2回目で色みを置ける
地毛から始めるなら、2回に分けたほうが読めます。 急がないなら、この分け方をおすすめします。
1回で仕上げたい事情があるときは、明るさの幅を狭くしてください。地毛から2段までなら、出てくる黄みの量が少なく、寒色で足りるところに収まります。3段以上を1回で上げると、出てくる量が寒色の許容を超えます。1回で行くなら2段までという上限だけ覚えておけば、大きくは外れません。
履歴②|前の茶が残っている
数か月以内に茶系を入れていると、その色が土台になります。今回入れる色は、その上に重なります。
- 前の茶が赤み寄りだった → 今回の寒色は赤紫の側へ着地する
- 前の茶が黄み寄りだった → 今回の寒色が黄みに打ち消され、くすんだ茶になる
前が黄み寄りだった場合、今回だけで寒色へ持っていくのは難しいところです。1回で戻そうとせず、2回かけて寄せるほうが結果的に速く着地します。 無理に寒色を強く入れると、濁った灰色になりやすくなります。
前の茶がどちら寄りだったかは、記憶ではなく毛先で判定してください。毛先を窓辺で見て、赤紫か小豆の気配があれば赤み寄り、キャラメルか金色の気配があれば黄み寄りです。入れたときの色名ではなく、いま残っている色みのほうが土台になります。同じ色名でも、抜け方によってどちらにも転びます。
履歴③|明るくした履歴がある
一度大きく明るくした髪は、内側の色が減っています。そこへ色を入れると、狙いより濃く入ります。
- 同じ色名でも、1段薄い設定から始める
- 色の抜けも速いので、4週目には別の色になっている
- 濃く入れて長持ちさせるより、薄く入れて回数を分けるほうが期間全体で安定する
ブルベ向けの寒色は、この状態のときに最もよく入ります。入りすぎることのほうを警戒してください。
もう1つ、この履歴で起きやすいのが、根元と毛先で入り方が大きく違うことです。根元は地毛に近く、毛先は明るくした履歴が残っている。同じ薬剤を通すと、毛先だけ濃く沈みます。同じ1本の中で、入りやすさが2倍近く違うと考えて、設定を分けてもらってください。
履歴④|白髪が混じり始めた
色が入ると周りより明るく仕上がる毛が混ざっている状態です。同じ薬剤を使っても、髪全体が1色にはならず、面として2色に分かれます。
ブルベ向けの寒色は、明るい部分と暗い部分の差をはっきり見せる方向に働きます。差を穏やかにしたいときの動かし方は次のとおりです。
- 寒色の量を減らす → 差は少し穏やかになるが、方向も弱くなる
- 顔まわりだけ明るさを揃える → 方向を保ったまま、面の分かれ方だけを整えられる
後者のほうが、狙いを崩さずに済みます。仕上がりの好みは分かれるところなので、担当の美容師と相談して決めてください。
履歴別の着地と、最初の設定
| 履歴 | 同じ色名を入れたときの着地 | 最初の設定 |
|---|---|---|
| 地毛のまま | 灰色寄りの茶になりやすい | 2回に分ける。1回目は明るさだけ |
| 前の茶が赤み寄り | 赤紫の側へ寄る | そのままで通る |
| 前の茶が黄み寄り | くすんだ茶に着地する | 2回かけて寄せる |
| 明るくした履歴あり | 狙いより濃く入る | 1段薄い設定から |
| 白髪が混じる | 面が2色に分かれる | 顔まわりの明るさを揃える |
表は最初の設定を出すためのものです。ここから先は、4週目の見え方を見て次を決めてください。1回で仕上げる前提を外すと、判断が急に楽になります。
どちらとも取れるとき①|1本の中に2つの履歴がある
根元は地毛、毛先は前の茶、というのはよくある状態です。このとき1色で塗ると、根元と毛先で別の色に着地します。
やることは1つで、根元と毛先を別の設定にしてもらうことです。
- 根元:地毛の設定。明るさを合わせるところから
- 毛先:残っている茶の設定。色みだけを足す
これは特別な注文ではなく、履歴が分かれていれば普通に行われます。伝えていないと1色で進むので、こちらから言う必要があります。
境目の位置も一緒に伝えると精度が上がります。毛先から何cmのあたりで色みが変わっているか、指で示せば足ります。境目が耳の高さより上にあるのか下にあるのかで、分ける位置が変わります。「毛先だけ違います」より「耳の下あたりから違います」のほうが、そのまま作業の指示になります。
どちらとも取れるとき②|履歴を覚えていない
いつ何を入れたか覚えていないことは、よくあります。記録は要りません。
前の節の見分け方で、根元・中間・毛先の3か所を見てください。それで足ります。もう1つだけ、判断を助ける手掛かりがあります。
毛先を明るい光に透かして、何色が起きてくるかを見ることです。
- 黄みが起きる → 明るくした履歴があるか、黄み寄りの茶が残っている
- 赤みが起きる → 赤み寄りの茶が残っている
- 何も起きず、暗いまま → 地毛に近い状態
この1点で、履歴のおおよそが決まります。透かすときは、屋外か窓辺の光を使ってください。室内の照明では、光が弱くて色が起きてきません。
なお、覚えている情報があっても、髪の側の見え方を優先してください。記憶より、いま目の前にある毛先のほうが正確です。半年前に入れた色は、抜けて別の色になっていることのほうが多いところです。
どちらとも取れるとき③|前回と違ったのはなぜか
同じ色名を頼んで違う結果になったとき、原因は3つに絞れます。
- 前回との間に、色が抜けた量が違った(前回より残っていた、または残っていなかった)
- 前回は根元と毛先で分けていて、今回は1色だった(またはその逆)
- 前回から明るくした部分が伸びて、履歴の位置が変わった
どれも色名の問題ではありません。次に頼むときは、前回の仕上がりの写真ではなく、いまの髪の3か所を見せてください。 見せる対象を変えるだけで、着地の精度が上がります。
履歴をそろえる|次の1回でやることと、やらないこと
履歴が2つ以上ある状態は、そろえていくこともできます。ただし1回で全部そろえようとしないでください。
やること
- 根元と毛先を別の設定にして、色みの方向だけを揃える
- 明るさは、揃うのを待つ(伸びるにつれて自然に揃っていきます)
やらないこと
- 毛先に合わせて根元を大きく明るくする
- 根元に合わせて毛先を大きく暗くする
どちらも1回では揃いますが、次の伸びでまた分かれます。方向を揃えて、明るさは時間に任せるのがいちばん手数が少なくて済みます。
どのくらい待つのかというと、髪が伸びる速さから逆算できます。境目の位置が毛先から何cmのところにあるかを見て、その距離ぶんだけ待てば切り落とせます。待つ期間が読めていれば、途中の状態も受け入れやすくなります。 期間が長すぎると感じたときだけ、毛先を少し切って距離を縮める選択肢が出てきます。
履歴が変われば、選ぶブラウンも変わる
同じ人でも、履歴は数か月で変わります。半年前に合っていた設定が、いま合わないことは普通に起こります。
- 明るくした部分が伸びて切り落とされた → 「明るくした履歴あり」から「地毛のまま」へ戻る
- 茶を重ねてきた → 「地毛のまま」から「前の茶が残っている」へ移る
だから、設定は固定するものではなく、来店のたびに読み直すものです。読み直すのに必要なのは、窓辺で3か所を見る30秒だけです。
美容室では、色名より先に履歴を言う
色名から入ると、担当は履歴を推測しながら組み立てることになります。先に履歴を渡すと、その工程が飛びます。
「根元は地毛で、毛先に前の茶が残っています。毛先だけ赤みが起きてきます。根元と毛先を分けて、方向だけ揃えてほしいです」
「一度明るくした履歴があります。前回は濃く入りすぎたので、今回は1段薄い設定でお願いします」
履歴は、鏡の前で一緒に見ながら伝えられます。言葉で説明できなくても、3か所を指させば伝わります。
まとめ
- ブラウンは白紙に置く色ではなく、残っている色に足す色
- 履歴は4つ。地毛のまま・前の茶が残る・明るくした履歴あり・白髪が混じる
- 履歴は根元・中間・毛先の3か所を見れば読める。記録は要らない
- 1本の中に2つあるなら、根元と毛先を別の設定にしてもらう
- 揃えるのは色みの方向だけ。明るさは時間に任せる
色名で迷う前に、いま何が残っているかを見てください。決めるべきことが1つ減り、前回との違いも説明が付くようになります。
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よくある問い
- Q. 同じブラウンを頼んだのに、前回と違う色になりました
- 髪に残っているものが前回と違うからです。ブラウンは白い紙に置く色ではなく、いま髪にある色の上に重なる色です。前回は地毛に近い状態に入れて、今回は前の茶が残った上に入れたなら、同じ薬剤でも着地は変わります。次に頼むときは、色名より先に「いま何が残っているか」を伝えてください。
- Q. 自分の髪に何が残っているかは、どう見ますか
- 根元・中間・毛先の3か所を、昼の窓辺で順に見ます。3か所とも同じ色みなら履歴は1つ、途中で変わるなら2つ以上あります。毛先だけ明るい、あるいは毛先だけ赤みが強いという状態は、そこに前の履歴が残っているサインです。覚えていなくても、髪のほうに書いてあります。
- Q. 地毛のままの髪に、ブルベ向けのブラウンは入りますか
- 入ります。ただし1回で狙いどおりの寒色にはなりにくいところです。地毛は明るくする過程で内側の色が表に出るので、最初の1回は明るさの調整だけ、2回目に色みを入れるという分け方のほうが着地が読めます。1回で仕上げると、出てきた黄みが寒色に打ち消されて、灰色に近い茶になることがあります。
- Q. 明るくした履歴がある髪は、どうすればいいですか
- 色が入りやすいぶん、狙いより濃く入ります。同じ色名でも1段薄い設定から始めてください。また、明るくした部分は色の抜けも速いので、4週目には別の色になっています。濃いめに入れて長持ちさせるより、薄めに入れて回数を分けるほうが、途中の期間の見え方が安定します。
- Q. 白髪が混じり始めた髪でも同じ考え方でいいですか
- 軸は同じで、見る場所が増えます。白髪は色が入ると周りより明るく仕上がるため、同じ薬剤でも面として2色に分かれます。ブルベ向けの寒色は、この差を強く見せる方向に働きます。差を穏やかにしたいときは、寒色の量を減らすのではなく、顔まわりだけ明るさを揃える組み立てにしてください。仕上がりの好みは分かれるところなので、担当の美容師と相談して決めてください。
— メグラシ編集部




