ディープオータムの口紅は、彩度→明度→質感の順で足す|暗くするのを先にすると口だけが沈む

ディープオータムに要るのは、深さです。暗さではありません。 名前に「ディープ」と入っているぶん、暗い色を選べばよいと読み取られやすいのですが、この2つは別のものです。
深いは、暗いではない
深いという状態は、色に濃さがあることを指します。濃さは、色みが残ったまま強いということです。
暗いという状態は、明るさが低いことだけを指します。色みが残っているかどうかは問いません。
| 状態 | 色みは | 顔での見え方 |
|---|---|---|
| 深い | 残っている | 口が顔の一部として濃く読まれる |
| 暗いだけ | 薄い、または灰に寄っている | 口が濃い面として顔から離れる |
灰の混じった赤を、明度だけ下げていくと、後者になります。 口の位置に色ではなく濃さだけが残るので、顔のなかで浮きます。
順番が結果を決める|彩度 → 明度 → 質感
動かせるものは3つあります。どれを先に動かすかで、同じ場所に着地しても途中の失敗の残り方が変わります。
- 彩度:灰の混じりを減らして、色として立たせる
- 明度:色みを保ったまま、明るさを下げる
- 質感:光の返し方を変えて、濃さの見え方を整える
この順番にする理由は、戻せる幅です。 彩度を上げすぎた日は、上から質感の違う一本を薄く重ねれば落ち着きます。明度を下げすぎた日は、上から何を重ねても暗さが残ります。
戻しやすいほうを先に動かす。これが3つの並び順の根拠です。
1段目|彩度を1段上げる
まずここだけを動かしてください。多くの日は、これで足ります。
彩度を上げるというのは、灰の混じりを減らすことです。難しい言葉に見えますが、見分け方は単純です。その色に灰色がうっすら混じって見えるかどうか。 混じって見えないほうが、彩度の高い側です。
ディープオータムで扱いやすいのは、赤の側に寄った深い色です。レンガ、マロン、ボルドー。どれも灰が混じっていない状態のほうが、明度を下げなくても濃さが出ます。
1段上げるとは、手持ちのなかで一段くすみの少ない一本に替えることです。 段の名前を覚える必要はありません。並べて、灰が少ないほうを取れば足ります。
2段目|それでも足りないときだけ、明度を1段下げる
1段目で塗って、2歩下がって見て、まだ足りない。そのときだけ2段目へ進みます。
明度を1段下げるとは、同じ色みのまま、暗い側の一本に替えることです。レンガからマロンへ、マロンからボルドーへ、という動き方になります。
大事なのは、色みの方向を変えないことです。 暗くするために青の側へ寄せると、温度がずれます。下げるのは明るさだけで、黄の側にいるという条件は動かしません。
2段目まで進む日は、それほど多くありません。照明の暗い場所で長く過ごす日、服の面が濃い日。この2つが重なったときが主な出番です。
3段目|最後に、質感を動かす
つやのある面は光をまとめて返すので、同じ色でも一段明るく見えます。 深さを出したい日には、つやが逆に働くことがあります。
マットな面は光を散らすので、色がそのままの濃さで残ります。深さを最後にひと押しするなら、ここです。
質感を最後に置いているのは、修正がしにくいからです。マットな面は上から重ねても混ざりにくく、拭き取ると下の層まで動きます。 彩度と明度で形ができたあとに、仕上げとして寄せてください。
つやとマットの中間の質感は、どちらの性質も持ちます。迷う日はここから始めると、どちらへも動かせます。
どこで止めるか|2歩下がって、先に読まれるのはどこか
止めどころの判定は、鏡から離れることでできます。
塗ったあと、鏡の前で2歩下がって顔全体を見てください。
| 先に目に入るもの | 状態 | 次にすること |
|---|---|---|
| 目のまわり | まだ足せる | 次の段へ進む |
| どちらとも言えない | ここが止めどころ | 止める |
| 口 | 足しすぎている | 一段戻す |
近くの鏡では、この判定はできません。 近くでは口だけを見てしまうので、顔全体のなかでの順番が読めません。
離れて見る場所がない日は、写真に撮ってください。撮った写真を腕を伸ばした距離で見ると、2歩下がったのと近い見え方になります。
ディープオータムが、秋のほかの3つと分かれるところ
16タイプでは、秋は4つに分かれます。明度で強く出るとディープ、彩度ならミューテッド、清濁ならソフト、冷暖ならウォームです。分け方そのものは16タイプを自分の顔で決める手順にまとめてあります。
この3段の順番は、秋の4つに共通です。 ディープだけの特徴は、1段目で止まらずに2段目まで進む日が、ほかの3つより多いという一点にあります。
ウォームオータムでは、3か所の濃さをそろえるほうが先に効きます。この考え方はウォームオータムのメイクは3か所を同じ濃さでそろえるにあります。同じ秋でも、先に動かす場所が違います。
手持ちの一本が、どの段にあるか
新しく買う前に、いま持っているものを分けてください。窓際の明るい場所に並べて、2つの見方で分けます。
- 灰が混じって見えるか:混じっていないほうが彩度の高い側
- 白い紙のとなりで、どこまで暗いか:暗いほうが明度の低い側
この2つで4つの箱ができます。 彩度が高くて明るい、彩度が高くて暗い、彩度が低くて明るい、彩度が低くて暗い。
ディープオータムで扱いやすいのは、彩度が高くて暗いの箱です。手持ちにこの箱が空なら、買い足す方向はそこになります。
彩度が低くて暗いの箱は、いちばん使いどころが少なくなります。 灰が混じったまま暗いので、顔のなかで色ではなく濃さとして残ります。
秋冬の服の面と、口の濃さ
顔の下に来る服の面も、口の見え方を動かします。濃い面が首元まで来ている日は、口の濃さが相対的に弱く読まれます。
濃紺、こげ茶、深い緑。この面を首元に置いた日は、1段目で足りないと感じても、2歩下がって確かめてから2段目へ進んでください。 近くで見た印象と、離れたときの印象がいちばんずれるのがこの状況です。
反対に、生成りや淡い灰のような明るい面が首元にある日は、口の濃さが強く読まれます。この日は1段目で止まることが多くなります。
どちらとも取れるとき|どちらを動かしたか分からない
一本替えたら深くなったが、彩度が上がったのか明度が下がったのか分からない。このときは、写真を白黒にしてください。
白黒にすると色みが消えて、明るさだけが残ります。2本の白黒が同じ濃さに見えるなら、動いたのは彩度です。 片方が明らかに濃いなら、動いたのは明度です。
どちらが動いたか分かると、次に足りない日にどちらへ手を伸ばすかが決まります。 分からないまま買い足すと、同じ箱のものが増えます。
どちらとも取れるとき|自分がディープか確信がない
16タイプは4シーズンの内側を割る作業なので、イエベ秋まで出ていれば、この順番はそのまま使えます。
順番は秋の4つに共通なので、割り切れていない状態でも、1段目から始めれば外れません。 2段目まで進んで顔が締まるならディープの側、1段目で止まるならほかの3つの側、という読み方もできます。
イエベ秋そのものに迷いがある段階なら、イエベ秋の判定は12項目中9つ以上へ先に戻ってください。16に割る前に、シーズンを確かめるほうが早く終わります。
失敗からの戻し方|口だけが沈んだ日
外に出てから、口だけが濃く残っていると感じたときに、動かすものはひとつで足ります。
| 起きていること | 動かすもの | なぜ効くか |
|---|---|---|
| 口だけが濃い面として残る | つやのある一本を上から薄く重ねる | 光が返って明るさが一段戻る |
| 色みがなく暗いだけに見える | 彩度の高い一本を中央だけに重ねる | 中央に色みが戻り、深さとして読まれる |
| 顔のなかで口が先に読まれる | 目のまわりの濃さを一段上げる | 読まれる順番が入れ替わる |
| 縁だけが濃く残った | 綿の先で縁の外側をなぞる | 段が消えて、面としてつながる |
| 服の面と競っている | 首元に明るい面を3cm出す | 顔まわりの濃さが分散する |
戻すのは、いちばん上の層からです。 落として塗り直すのは最後の手で、たいていはその前に収まります。
売り場で言う3点
自分の言葉に置き換えられると、出てくる一本が変わります。伝えるのは次の3つです。
- 「灰の混じっていない、深い赤系を見たい」。ディープという言葉は店ごとに指すものが違うので、灰が入っているかどうかで言うと正確に伝わります
- 「暗くするのではなく、濃さのあるほうを見たい」。この一言で、明度だけを下げた一本が候補から外れます
- 「同じ色みで、明るさが一段違うものを2本並べて見たい」。並べれば、その場でどちらの段が必要かが決まります
同行者には、「2歩離れて、目と口のどちらが先に目に入るか教えてほしい」 と頼んでください。自分の鏡越しではいちばん読みにくいところです。
よくある失敗と、その直し方
| よくある失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 明度から先に下げる | 色みが残らず、暗いだけになる | 先に彩度を1段上げる |
| 暗くするために青の側へ寄せる | 温度がずれて顔と離れる | 色みの方向は変えず明るさだけ下げる |
| 近くの鏡で止めどころを決める | 口だけを見てしまう | 2歩下がって顔全体で見る |
| 最初からマットに寄せる | 修正がしにくくなる | 質感は3段目に動かす |
| 濃い服の日に近くで判断する | 足しすぎになりやすい | 離れて確かめてから2段目へ |
まとめ|彩度から動かして、2歩下がって止める
- ディープオータムに要るのは深さで、暗さではない
- 動かす順番は彩度・明度・質感。戻しやすいほうから動かす
- 1段目の彩度だけで足りる日が多い。2段目へ進むのは条件がそろったとき
- 止めどころは2歩下がって、目と口のどちらが先に読まれるかで決める
- 手持ちは灰の混じりと暗さの2つで分けると、買い足す方向が決まる
深い色は、選ぶのが難しいものとして語られます。 けれど難しさの正体は色の種類ではなく、3つの性質を同時に動かしていたという一点でした。1つずつ、順番に動かせば、どこで止めるかも自分で決められます。
次に一本を手に取るときは、暗さではなく灰の混じりを先に見てください。そこが1段目です。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. ディープオータムなら、暗い口紅を選べばいいのではないですか
- 深さと暗さは別のものです。深さは色に濃さがある状態で、暗さは明るさが低い状態を指します。彩度が低いまま明度だけを下げると、色みが残らないまま暗いだけになり、口が濃い面として顔から浮きます。先に動かすのは彩度のほうです。灰の混じりが少ない、色として立っている赤系を選ぶと、明度を下げなくても深さが出ることがよくあります。
- Q. 順番はなぜ、彩度が先なのですか
- 戻せる幅が違うからです。彩度を上げすぎた場合は、上から質感を変える一本を薄く重ねれば落ち着きます。明度を下げすぎた場合は、上から何を重ねても暗さが残ります。先に動かすほうを、戻しやすいほうにしておくと、失敗が最後まで残りません。3段目の質感がいちばん戻しやすいので、最後に置いています。
- Q. どこで止めればいいか分かりません
- 塗ってから鏡の前で2歩下がり、顔全体を見てください。先に目に入るのが目のまわりなら、まだ足せます。先に目に入るのが口なら、足しすぎています。どちらが先とも言えないなら、そこが止めどころです。近くの鏡では口だけを見てしまうので、必ず離れて、顔全体のなかでの順番を見てください。
- Q. 自分がディープオータムかどうか自信がありません
- 16タイプは4シーズンの内側を割る作業なので、イエベ秋まで出ていれば、この記事の順番はそのまま使えます。秋の4つは、明度で強く出るとディープ、彩度ならミューテッド、清濁ならソフト、冷暖ならウォームと分かれます。順番そのものは秋の4つに共通で、ディープでは1段目で止まらず2段目まで進む日が他より多い、という違いだけです。
- Q. 質感はどう選べばいいですか
- つやのある面は光を返すので、同じ色でも一段明るく見えます。深さを出したい日には、つやが逆に働くことがあります。マットな面は光を散らすので、色がそのままの濃さで残ります。ただしマットは修正がしにくいので、最後に動かしてください。彩度と明度で形ができたあとに、仕上げとして寄せるのがいちばん扱いやすい順番です。
— メグラシ編集部





