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柄の種類を図で見比べる──ボタニカル柄と花柄の違いがわかる早見帳

メグラシ編集部//読了 18分
花柄やチェックなど柄の異なる服が並んだ明るい部屋のクローゼットまわり

「ボタニカル柄って、花柄と何が違うのかしら」。商品ページのタグに書かれていても、頭のなかで柄が結ばないことがあります。先に一問一答から始めます。

**ボタニカル柄とは、植物を写実的に描いた柄のことです。**botanical は英語で「植物学の」という意味で、18世紀から19世紀にかけて描かれた植物図譜──ボタニカルアートの描き方が名前の由来といわれます。花だけでなく、葉・茎・つぼみ・実まで、植物のかたち全体が描き込まれるのが特徴です。

だから、花柄との違いは**「何が描かれているか」ではなく「どう描かれているか」**にあります。ボタニカル柄にも花は出てきます。ちがうのは、花だけを取り出して散らしているか、葉や茎までつけて植物そのものを写し取っているか。モチーフの違いだと思って探すと、いつまでも見分けられません。

柄の名前がわかりにくいのは、ここに理由があります。ある名前は描かれているものを指し、ある名前は線の並び方を指し、ある名前は生まれた土地を指している。三つの違う軸の言葉が、同じ棚に並んでいるのです。この記事では、まず12種類を一枚の図で見比べます。そのうえで混同の多い組み合わせを並べた図で見分け、柄と柄を合わせるとなぜ失敗しやすいのかを原理から説明し、結婚式でのドット柄の扱いまで進みます。

柄12種を一枚で見比べる

名前を覚えるより先に、形を目で覚えてしまうほうが早いものです。並び順にも意味があります。はじめの5つは何が描かれているかを指す名前、続く4つは線と点をどう並べたかを指す名前、最後の3つは生まれた土地や文化を指す名前です。

柄12種を一枚で見比べる

柄の名前は「何が描かれているか」「どう並んでいるか」「どこで生まれたか」のどれかを指しています。

丸い花を散らした花柄の生地見本

花柄

葉や茎を写実的に描いたボタニカル柄の生地見本

ボタニカル柄

先の曲がったしずく形が並ぶペイズリー柄の生地見本

ペイズリー柄

不規則な斑点が散るレオパード柄の生地見本

レオパード柄

とがった四つ角の形がかみ合う千鳥格子の生地見本

千鳥格子

縦に走る線が等間隔に並ぶストライプの生地見本

ストライプ

横に走る線が等間隔に並ぶボーダーの生地見本

ボーダー

同じ大きさの丸が規則的に並ぶドットの生地見本

ドット

同じ幅の線が交差して三段の濃さを作るギンガムチェックの生地見本

ギンガムチェック

太さの違う線が交差する濃い色のタータンチェックの生地見本

タータンチェック

細かい織りが集まって大きな四角に見えるグレンチェックの生地見本

グレンチェック

菱形が斜めに並び細い線が交差するアーガイルの生地見本

アーガイル

柄の家族分け

モチーフの仲間

何が描かれているかで付いた名前

花柄

ボタニカル柄

ペイズリー柄

レオパード柄

千鳥格子

並びの仲間

線と点の並べ方で付いた名前

ストライプ

ボーダー

ドット

ギンガムチェック

出どころの仲間

生まれた土地や文化から付いた名前

タータンチェック

グレンチェック

アーガイル

名前の出どころが分かると、似た柄の呼び分けで迷わなくなります。
花柄とボタニカル柄のように、描かれ方の違いだけで名前が変わることがあります。

柄12種の見本。名前が指しているものが3種類あるため、その軸ごとにまとめています。

こうして並べると、柄の名前が一枚岩でないことが見えてきます。とくに最後の3つは性格が違います。タータンもグレンチェックもアーガイルも、姿かたちを説明した名前ではなく、スコットランドという同じ土地の名前がそのまま柄の名前になっている。だから名前からは形が想像できません。見て覚えるしかない柄なのです。

早見表:12種の特徴と印象

買い物の途中で見返すなら、ここだけで足ります。

名前が指しているもの見た目の特徴印象
花柄描かれているもの花そのものを主役に散らすやわらかい、華やか
ボタニカル柄描かれているもの葉・茎・実まで写実的に描く落ち着いた、大人びた
ペイズリー柄描かれているもの先の曲がったしずく形が連なる異国的、深みのある
レオパード柄描かれているもの不規則な斑点が散る強い、こなれた
千鳥格子描かれているものとがった四つ角の形がかみ合う端正、伝統的
ストライプ並べ方縦に走る線が等間隔に並ぶすっきり、きちんと
ボーダー並べ方横に走る線が等間隔に並ぶ明るい、活動的
ドット並べ方同じ大きさの丸が規則的に並ぶ愛らしい、軽やか
ギンガムチェック並べ方同じ幅の線が交差し三段の濃さになる清潔、素直
タータンチェック出どころ太さの違う線が交差する民族的、季節感のある
グレンチェック出どころ細かい織りが集まって大きな四角に見える知的、上質
アーガイル出どころ菱形が斜めに並び細い線が交差する学生らしい、軽快

柄の名前は三つのことのどれかを指している

この記事の背骨になる整理です。柄の名前は、次の三つのどれかを言っています。

**一つめは、何が描かれているか。**花、植物、しずく形、動物の斑点、千鳥の群れ。布の上に載っている絵の中身が、そのまま名前になったものです。花柄、ボタニカル柄、ペイズリー柄、レオパード柄、千鳥格子がここに入ります。名前を聞けば、だいたいどんな絵かは想像がつきます。

**二つめは、どう並んでいるか。**線を縦に並べたのか、横に並べたのか。点を規則的に置いたのか。ストライプ、ボーダー、ドット、ギンガムチェックがここに入ります。この家族は絵ではなく幾何学なので、色を変えても印象が大きく崩れません。無地の次に扱いやすい柄がここに集まっているのは、そのためです。

**三つめは、どこで生まれたか。**タータンチェックはスコットランドの氏族が身につけた織物、グレンチェックは同国北部グレンアーカート地方、アーガイルは西部アーガイル地方の名前です。姿を説明した名前ではないので、覚えるには見るしかありません。逆にいえば、この三つを図で覚えてしまえば、チェック柄で迷うことはほとんどなくなります。

軸が違うということは、名前を重ねて使えるということでもあります。商品名が長くなるのは、それぞれ違う軸の情報を並べているからです。分解して読めば、どんな長い名前も怖くありません。同じ整理は服の形にも使えます。首元はネックラインの種類、下半身はスカートの種類パンツの種類にまとめました。名前を軸ごとにほどく読み方は、どのアイテムでも同じです。

花柄とボタニカル柄はどこが違うのか

ここが柄の名前でいちばん混乱する場所です。どちらも植物なのですから、言葉だけでは区別がつきません。図を並べて確かめます。

左が花柄、右がボタニカル柄です。並べると差がはっきりします。

見分けるときに見る三点

**一つめ、花の周りに葉と茎があるか。**ボタニカル柄は植物を一本の姿として描くので、花のとなりに必ず葉が付いてきます。枝分かれや、つぼみや、実まで描かれていることもあります。花柄は花だけを切り取って散らすことが多く、葉があっても添え物の扱いです。

**二つめ、輪郭に陰影があるか。**ボタニカル柄は植物図譜の描き方を引き継いでいるので、葉脈が描かれ、花びらに濃淡がつきます。花柄は輪郭を単純にして色の面で見せるものが多い。遠目に「絵」に見えればボタニカル、「模様」に見えれば花柄、というのはかなり当たる見分け方です。

**三つめ、色数が抑えられているか。**ボタニカル柄は緑と一色か二色の花色でまとめられることが多く、全体として静かに見えます。花柄は色を重ねて華やかにする方向に振れがちです。同じ大きさで並べたとき、ボタニカルのほうが落ち着いて見えるのは、この色数の差によります。

なぜ「ボタニカル」という言葉が使われるようになったのか

ボタニカルアートは、写真がなかった時代に植物を正確に記録するために描かれた絵です。学術のための絵なので、花だけを美しく切り取ることはしません。葉のつき方、茎の分かれ方、実の形まで、その植物を見分けられるように描き込みます。この描き方が布に移されたのが、いまのボタニカル柄です。

つまりボタニカル柄が大人びて見えるのは偶然ではなく、装飾のためではなく観察のために生まれた絵だからです。花柄が苦手な方でもボタニカル柄なら着られる、ということが起きるのは、この出自の違いによります。

花柄の中の呼び分け

花柄はひとつの言葉ですが、大きさによって呼び分けられます。

  • 小花柄:一輪が1〜2センチほど。数が多く、遠目には無地のような色の面に見えます
  • 中花柄:一輪が3〜5センチほど。柄として認識されるいちばん標準的な大きさです
  • 大花柄:一輪が手のひらほど。一輪の存在感が強く、面積を絞って使うと映えます

このほか、花を一列に並べた縦流れの花柄、ブーケのようにまとめたブーケ柄、細かい花を敷き詰めたリバティ調といった呼び方もあります。どれも「花柄」の一種ですが、大きさと並び方が違うので、似合う体型も似合う場面も変わります。花柄が似合うかどうかで迷ったときは花柄が似合う人の考え方も参考になります。

ストライプとボーダーはどう違うのか

答えは拍子抜けするほど単純で、線の向きだけです。縦に走ればストライプ、横に走ればボーダー。それ以外に違いはありません。

ただし、ここには知っておくと得をする事実があります。**英語では、縦縞も横縞もどちらも stripe です。**vertical stripe(縦のストライプ)、horizontal stripe(横のストライプ)と向きを添えて言い分けます。border という英語はもともと「縁・へり」を意味する言葉で、服でいえば裾や袖口に入れた縁飾りを指していました。日本で横縞をボーダーと呼ぶようになったのは、この縁飾りの言葉が転じたものだといわれます。

つまり「ストライプとボーダーの違い」は、日本語のなかだけで成り立つ問いです。海外の通販サイトでボーダーを探しても出てこず、striped と書かれた商品の写真が横縞だった、ということは普通に起こります。

ストライプの呼び分け

線の太さと間隔で、細かく名前が分かれています。

呼び方特徴使われる場面
ピンストライプ針の先で点を打ったような極細の線スーツ、きちんとしたシャツ
ペンシルストライプ鉛筆で引いたような細い実線ジャケット、パンツ
ロンドンストライプ同じ幅の太めの二色が交互に並ぶシャツ、ワンピース
キャンディストライプ白地に細い色線。飴の包み紙のよう春夏のシャツ、ブラウス
マルチストライプ三色以上を組み合わせたもの休日のトップス、スカート
シャドーストライプ織りの方向差で光の加減だけで縞が見える落ち着いたジャケット、スーツ

線が細いほど遠目には無地に近づき、きちんとした印象になります。線が太いほど柄として主張し、休日寄りになります。同じストライプという言葉でも、幅が違えば別の服だと考えたほうが失敗しません。

ボーダーの呼び分け

横縞は、太さと色数でほぼ性格が決まります。細く色数の少ないものは端正に、太く色数の多いものは元気に。フランス海軍のシャツに由来するバスクシャツのボーダーは、紺と白、線の幅が2センチ前後というのがひとつの型です。

「横縞は太って見える」とよくいわれますが、効いているのは線の向きよりも、線の太さ・明暗差・体に沿う量の三つです。細い線で明暗差が小さく、体から少し離れる素材であれば、横縞でも輪郭は膨らみません。ボーダーが苦手だと感じているときの整理はボーダーが似合わないと感じるときにまとめました。

チェックを見分ける

チェックはひとつの柄の名前ではなく、格子柄全体を指す総称です。だから種類が多く、名前も覚えにくい。取り違えの多い順に確かめます。

ギンガムチェックとタータンチェック

ギンガムチェックは、同じ幅の線を縦と横に等間隔で交差させた柄です。地の白、線の色、線と線が重なった濃い部分。この三段の濃さが規則正しく並ぶのが特徴で、単純なぶん清潔で素直な印象になります。語源はマレー語の genggang(縞のある)だという説が知られています。

タータンチェックは、太さの違う線を何本も組み合わせた格子です。スコットランドの氏族(クラン)ごとに配色と線の並びが決まっていて、その繰り返し単位を「セット」と呼びます。ギンガムが二色で完結するのに対し、タータンは三色以上を使うことがほとんど。紺・緑・黒のブラックウォッチは、日本でもよく見かける配色でしょう。

見分ける一言は**「線の太さが揃っているか」**です。揃っていればギンガム、太い線と細い線が混ざっていればタータン。色数を見るのも早く、二色ならギンガム、三色以上ならタータンと考えて、ほとんど外れません。

千鳥格子とグレンチェック

この二つは、離れて見るとどちらも「細かい白黒の柄」に見えます。近づいて初めて違いがわかる組み合わせです。

千鳥格子は、四方にとがった角のある形が、かみ合うように並ぶ織り柄です。この形が千鳥という鳥の群れが飛ぶ姿に見えることから、日本ではこう呼ばれるようになったといわれます。英語では houndstooth(猟犬の牙)、フランス語では pied-de-poule(雌鶏の足)。同じ形を、国ごとに違うものに見立てているのが面白いところです。もとはスコットランドの羊毛織物で、いまはジャケット、コート、スカートの定番柄になっています。

グレンチェックは、細かい格子と千鳥格子を組み合わせた小さな単位が集まって、遠目には大きな四角の格子に見える柄です。名前はスコットランド北部のグレンアーカート(Glen Urquhart)地方に由来し、その略として「グレンチェック」と呼ばれます。英国王室で愛用されたことから、プリンス・オブ・ウェールズチェックという別名でも知られています。

見分ける一言は**「大きな四角が見えるか」**です。近づいたときにとがった形が並んでいるだけなら千鳥格子。細かい柄が集まって、その上にもう一段大きな四角の輪郭が見えていればグレンチェックです。

アーガイル

菱形が斜めに整列し、その上を細い線(ヘアライン)が斜めに走る柄です。スコットランド西部アーガイル地方に住んだキャンベル家のタータンに由来するといわれ、20世紀にゴルフウェアの柄として広まりました。

いまでもニットのベスト、カーディガン、靴下でよく見かけます。菱形という単位がはっきりしているぶん、装いに学生らしい軽さを足してくれる柄です。落ち着かせたいときは、地の色と菱形の色の明暗差が小さいものを選ぶと大人びます。靴下で柄を入れたいときの丈の考え方は靴下・レッグウェアの丈にまとめました。

そのほかによく見るチェック

  • ウィンドウペンチェック:窓枠のように細い線が大きな正方形を描く柄。チェックのなかではもっとも静かに見えます
  • マドラスチェック:インドのマドラス地方に由来する多色の格子。夏のシャツに多い柄です
  • シェパードチェック:ギンガムに近い二色の小さな格子。千鳥格子の原型ともいわれます
  • バッファローチェック:太い二色の大きな格子。ネルシャツでおなじみの柄です

チェック柄が似合わないと感じているときは、柄の種類ではなく大きさと色数が原因であることが多いものです。チェック柄が似合わないと感じるときで、その切り分け方を扱っています。

柄ひとつずつの特徴と合わせ方

ここからは、一つずつ見ていきます。

花柄

花を主役にして、布の上に散らした柄です。印象はやわらかく、華やか。ただし大きさと色数で表情が大きく変わるので、「花柄が似合わない」という感覚は、たいてい特定の大きさや色に対する感覚です。小花柄が甘すぎると感じるなら中花柄を、大花柄が強すぎると感じるなら面積を絞る。柄そのものをあきらめる前に、この二つを試す価値があります。

合わせるのは無地の一色です。花柄はそれ自体で二色から四色を使っているので、合わせる側は色を足さないほうがまとまります。柄のなかから一色を拾って無地に使うと、全身が一つにつながります。

ボタニカル柄

植物を写実的に描いた柄です。冒頭で書いたとおり、花柄との違いは描かれ方にあります。

印象は落ち着いていて、大人びています。緑が入るため全体の彩度が下がり、華やかさより深さが出るのが特徴です。ワンピース、ブラウス、スカートのように面積の大きいアイテムで使っても、うるさくなりにくい柄でもあります。

合わせるのは、柄のなかにある緑か茶を拾った無地。あるいは白・黒・ネイビーのような無彩色に近い色です。とろみのある化繊だと絵の陰影がやわらかく落ち、麻や綿だと絵が平らに見えて素朴になるので、同じ柄でも生地が違えば別の服だと考えたほうが選びやすくなります。

ペイズリー柄

先の曲がったしずくのような形が連なる柄です。この形は、松かさ、糸杉、マンゴーの実など、由来については複数の説があります。もとはインドのカシミール地方で織られたショールの柄で、それを写して大量に生産したのがスコットランドのペイズリーという町でした。町の名前がそのまま柄の名前になった、という経緯です。

印象は異国的で、深みがあります。スカーフ、ブラウス、ワンピース、裏地といった場所で使われることが多い柄です。合わせるときは、柄のなかでいちばん濃い色を拾って無地に使うと落ち着きます。色数が多い柄なので、合わせる側で色を増やさないことがそのまま成功の条件になります。

レオパード柄

ヒョウの毛皮を写した柄です。斑点は単純な丸ではなく、中心が明るく縁が濃い、輪のような形をしています。この形はロゼット(薔薇の形)と呼ばれます。

印象は強く、こなれた感じ。柄のなかでもっとも主張が強い部類なので、面積で調整するのが基本です。バッグ、靴、スカーフ、ベルトといった小物に収めると、装いに一点だけ芯が入ります。落ち着かせたいときは、茶と黒の標準的な配色をグレーと黒に置き換えるか、斑点と地の明暗差が小さいものを選んでください。

なお、アニマル柄は場面を選ぶ柄でもあります。式や弔事、学校行事のように格の求められる場では避けるのが一般的です。理由は後の節で整理します。

千鳥格子

とがった四つ角のある形がかみ合って並ぶ織り柄で、遠目には細かいグレーの面に見えます。印象は端正で伝統的。柄でありながら、装いをきちんとした方向に持っていける数少ない柄です。単位が1センチ以下の細かいものはほとんど無地のように見えて通勤にもそのまま使え、3センチを超えると装いの主役になります。

合わせるのは黒、白、ネイビー、グレーといった無彩色に近い色。二色で構成されていることが多いので、その二色のどちらかを拾えば確実にまとまります。

ストライプ

縦に走る線が等間隔に並ぶ柄です。柄のなかでもっとも扱いやすく、無地の次に一枚目として選びやすい柄でもあります。線が縦に通るので、全身に縦の流れができるのも利点です。

合わせ方の注意は一点だけ。同じくらいの太さのストライプを上下で合わせると、線が途中でずれて視線が乱れます。上下で使うなら、太さをはっきり変えるか、片方を無地にしてください。

ボーダー

横に走る線が等間隔に並ぶ柄です。印象は明るく活動的で、休日の装いの定番。上に無地の羽織りを重ねれば通勤にも寄せられます。

線の太さで表情が変わります。細い線は静かに、太い線は元気に。落ち着かせたいときは、紺と白より、紺とグレーのように明暗差の小さい配色を選んでください。

ドット

同じ大きさの丸が規則的に並ぶ柄です。日本語では水玉とも呼ばれます。大きさによって呼び分けがあります。

呼び方だいたいの大きさ印象
ピンドット直径2ミリ以下遠目には無地。もっとも静か
ポルカドット直径5ミリ〜1センチ標準的な水玉。軽やかで愛らしい
コインドット直径2センチ以上はっきり柄として見える。個性が出る

ポルカドットという名前は、19世紀のヨーロッパでポルカという舞曲が流行したときに、その名を冠した商品が数多く売られたことに由来するといわれます。柄そのものと踊りに直接の関係はありません。

印象は愛らしく、軽やか。丸という形がやわらかいので、直線の柄より甘い方向に振れます。甘さを抑えたいときは、ドットを小さくするか、地と丸の明暗差を小さくするか、素材をとろみのあるものにしてください。

ギンガムチェック

同じ幅の線が交差し、三段の濃さができる格子柄です。春夏のシャツ、ブラウス、ワンピースの定番で、1センチ以下の細かいギンガムは通勤にも使えますが、3センチを超えると休日の柄になります。

合わせるのは、地の色か線の色のどちらかを拾った無地。二色しか使っていない柄なので、無地を一つ足しても全身が三色に収まります。

タータンチェック

太さの違う線が組み合わさった格子です。ウールで織られることが多いため秋冬の柄と思われがちですが、綿や麻で織られたタータンは春夏にも使えます。季節を決めているのは素材であって、柄ではありません。

色数が多いぶん、合わせる側では色を増やさないことが条件になります。柄のなかでいちばん面積の広い色を拾って、無地で受けてください。

グレンチェック

細かい格子が集まって、遠目には大きな四角に見える柄です。英国調の代表的な柄で、スーツやジャケットに使われてきました。

印象は知的で上質。柄でありながら仕事の場に持ち込める、千鳥格子と並ぶ数少ない柄です。グレーと黒の配色に赤や青の細い線が一本入るものもあり、その一本が装いのアクセントになります。

合わせるのは無彩色。それ自体が複雑な柄なので、合わせる側を単純にするほど生きます。上に羽織るものの選び方はジャケット・アウターの種類も参考になります。

柄と柄を合わせると、なぜ失敗しやすいのか

「上下とも柄物にすると野暮ったい」という感覚は、多くの方が持っています。ただ、これは柄が悪いのではなく、柄の重ね方に原理があるだけです。原理がわかれば、避けることも、あえて成立させることもできます。

理由その一:柄の大きさが近いとぶつかる

柄はどれも、見る人の視線を集めようとします。同じくらいの大きさの柄が上下に並ぶと、二つが同じ強さで視線を引っぱるので、どちらも主役になれません。目のやり場が定まらず、落ち着かない印象になります。上下とも同じチェックにすると野暮ったく見えるのは、大きさが完全に釣り合ってしまうからです。

理由その二:色数が一気に増える

柄はふつう、二色から四色を使っています。上下に柄を置けば、それだけで全身の色数は四色から八色に。人が「まとまっている」と感じる色数の目安は三色前後ですから、これを大きく超えます。

散らかって見えるのは、柄そのものではなく色数のせいです。同じ二枚でも、色を共有していれば印象はまったく変わります。

成立させる三つの条件

逆にいえば、次のどれかを満たせば柄と柄は成立します。

**一つめ、大きさをはっきり離す。**大柄と小柄を組み合わせます。大きいほうが主役、小さいほうが背景。役割が決まれば、視線は迷いません。目安は、面積で三倍以上の差をつけること。「少し違う」程度では、かえってぶつかります。

**二つめ、色を二色以内に揃える。**上の柄と下の柄が同じ色を共有していれば、色数は増えません。白と紺のストライプに、白と紺のギンガム。使っている色が同じなら、柄が二つあっても全身は二色です。

**三つめ、片方の面積を小さくする。**ボーダーのカットソーにレオパードのバッグ、花柄のスカートにストライプのスカーフ。面積が小さければ、それは柄というよりアクセントとして働きます。

相性のよい組み合わせ、難しい組み合わせ

組み合わせ成立しやすさ理由
ストライプ × ギンガム高いどちらも直線の柄。色を揃えれば整う
ボーダー × 小花柄高い直線と曲線で役割が分かれる
大柄の花 × 細いストライプ高い大きさの差がはっきりしている
ドット × ボーダー中くらい大きさを離せば成立する
チェック × 花柄中くらい大きさを離し、色を絞れば成立する
同じ大きさのチェック × チェック低い強さが釣り合ってぶつかる
レオパード × 花柄低いどちらも曲線で主張が強い

チェックと花柄は組み合わせられるか

「チェックと花柄は合わせていいのか」という問いは、よく聞かれます。答えは条件つきで、成立します。

成立させる条件は二つ。チェックを小さく、花柄を大きくすること。そして色を共有することです。たとえば紺と白のギンガムシャツに、紺の地に白い花が咲いたスカート。大きさが離れていて、色は紺と白の二色。この二つが揃っていれば、直線と曲線の対比が効いて、かえって印象に残る装いになります。

逆に難しいのは、大きなタータンチェックに大きな花柄を合わせる場合です。大きさが近く、色数はどちらも三色以上。どちらも主役になろうとして、装い全体が騒がしくなります。

上下とも同じチェックにするとき

セットアップとして意図的に組むなら、上下同じチェックも成立します。上下が完全に揃っていれば一着のワンピースのように見えるので、中途半端に違う柄を合わせるより整います。

失敗するのは、別々に買った似て非なるチェックを組み合わせたときです。大きさがわずかに違う、色がわずかにずれている。この「わずか」が、間違えて着ているような印象を生みます。上下でチェックを使うなら、同じ生地か、大きさをはっきり変えるか。中間はありません。

結婚式でドット柄は許されるのか

この問いには、一つの答えがありません。会場の格や自分の立場で変わるからです。ここでは断定するかわりに、判断の軸を示します。

見るべき四つの軸

**一つめ、柄の大きさ。**小さいほど許容されます。ピンドットのように遠目には無地に見える大きさなら、柄として認識されないので問題になりにくい。コインドットのような大きな水玉は、それ自体がカジュアルな空気を運びます。

**二つめ、色のコントラスト。**同系色の濃淡でできたドットは静かで、白黒のようにコントラストの強いドットは目立ちます。同じ大きさでも、明暗差が小さいほうが場に馴染みます。

**三つめ、会場の格。**ホテルや専門式場ほど無地が無難で、レストランウェディングや会費制のパーティーでは柄の許容範囲が広がります。

**四つめ、自分の立場。**親族は主催する側なので、友人として出るときよりも控えめにするのが通例です。

柄ごとの目安

式・披露宴での扱い
小さなドット(同系色)許容されることが多い
大きなドット(強い明暗差)カジュアルに寄る。会場を選ぶ
小さな花柄(落ち着いた色)許容されることが多い
大きな花柄(鮮やかな色)二次会や会費制の場向き
ストライプ・チェック会場によりカジュアルに見える
レオパードなどアニマル柄避けるのが一般的

アニマル柄が避けられるのは、毛皮や皮革を連想させることが「殺生」につながると受け取られてきたためです。合成繊維のプリントであっても、この連想が理由で慣習として避けられています。ファーの小物も同じ理由で控えるのが通例です。

迷ったときは、服を無地にして、柄はスカーフ・バッグ・靴のどこか一点に収めるのがいちばん確実です。装いの格そのものについてはドレス・ワンピースの種類にまとめました。

柄の大きさと、身長・体型の関係

柄の大きさが似合うかどうかは、体の大きさとの比率で決まります。同じ柄でも、着る人の面積が変われば見え方が変わるということです。

身長と柄の大きさ

身長が低いと、上半身の面積そのものが小さくなります。そこに大きな柄を置くと、柄の一単位が体からはみ出すような見え方になり、柄のほうが着ている人より前に出てしまう。「柄に着られている」と感じるのは、この状態です。

目安として、柄の一単位が肩幅の四分の一を超えないこと。これを守るだけで、柄が体に収まって見えます。大柄を着たいときは、スカートだけ、スカーフだけというように面積を絞ってください。

縦につながる柄も助けになります。細いストライプ、縦に流れる花柄、縦長の単位を持つ柄。線が縦に走ると視線が上下に動くので、全身が長く見えます。低めの身長での選び方は低身長さんの選び方にもまとめました。

逆に身長が高い場合は、小さすぎる柄がかえって落ち着かなく見えることがあります。細かい柄が一面に敷き詰められると視線が定まらないためで、中くらいから大きめの柄のほうが体格と釣り合います。

体型と柄を置く位置

柄は視線を集めるので、**体の張っている場所に大柄や明るい柄を置くと、そこが強調されます。**逆に、細く見せたい場所は柄を静かにするのが原則です。

  • 上半身に厚みがある:胸元は無地か小さな柄に。柄は下半身へ
  • 下半身に張りがある:スカートやパンツは無地か細かい柄に。柄は上半身へ
  • 全体をすっきり見せたい:柄は一か所だけに置き、残りは無地でつなぐ

体型を隠すという発想ではなく、視線をどこに集めるかを決める道具として柄を使う。この考え方で選ぶと、柄が味方になります。詳しくは着痩せの考え方にまとめました。

骨格タイプ別・柄の選び方

骨格タイプによって、得意な柄の性格が変わります。自分のタイプがわからないときは骨格診断とはから確かめてみてください。

骨格ストレート

上半身に厚みがあり、体の輪郭が直線的なタイプです。得意なのは、ストライプ、千鳥格子、グレンチェック、大きすぎない幾何学の柄。線がまっすぐに走る柄は、体の直線的な輪郭と方向が揃います。

苦手が出やすいのは、細かく曲線の重なる柄です。小花柄を顔まわりに持ってくると、体の厚みと柄の細かさが合わずに浮くことがあります。花柄を着たいときは、中くらいから大きめで、輪郭のはっきりしたものを選ぶと収まります。

骨格ウェーブ

上半身が薄く、体の輪郭が曲線的なタイプです。得意なのは、小花柄、小さなドット、細いストライプ、細かいギンガム。柄が細かいほど、体の華奢さと釣り合います。

苦手が出やすいのは、単位の大きい幾何学の柄です。大きなタータンや大柄のグレンチェックは、柄の強さが体格を上回りやすい。着たいときは、面積を絞るか、色の明暗差が小さいものを選ぶと負けません。

骨格ナチュラル

骨と関節がしっかりしていて、体に枠のあるタイプです。得意なのは、ボタニカル柄、大柄のチェック、レオパード、ペイズリー。麻や厚手の綿など、素材感のはっきりした生地との相性もよい傾向です。

苦手が出やすいのは、小さすぎて整いすぎた柄です。極小のドットや細かすぎるギンガムは、体の枠に対して物足りなく見えることがあります。柄を大きくするか、素材に表情のあるものを選ぶと釣り合います。

柄の色と、パーソナルカラーの関係

柄には「地の色」と「柄の色」の二つがあり、顔に近い場所で効くのは面積の広い地の色のほうです。柄の色が得意な色でなくても、地の色が似合っていれば顔映りは崩れません。もう一つ効くのが地と柄の明暗差で、差の大きい柄は顔立ちのはっきりした方に、小さい柄は穏やかな顔立ちの方に馴染みます。色の名前そのものに迷ったときは色の名前を色見本で見分けるも参考になります。

季節と柄

柄には季節感がありますが、その多くは柄ではなく素材が作っています。同じタータンチェックでも、ウールなら秋冬、綿ローンなら春夏の顔になります。とはいえ、目安はあります。

季節使いやすい柄理由
小花柄、細いギンガム、キャンディストライプ明るく細かい柄が季節の光に合う
ボーダー、マドラスチェック、大きめの花柄涼しさは明るさとコントラストで作れる
ボタニカル柄、ペイズリー、レオパード、タータン深い色と複雑な柄が景色と揃う
グレンチェック、千鳥格子、アーガイル無彩色に近い柄が空気の澄み方に合う

季節の変わり目は、柄を先に動かすと装いが早く切り替わります。素材はまだ夏のままでも、柄を秋のものに変えるだけで空気が変わる。気温に沿った素材の選び方は気温別の服装にまとめました。

織り柄とプリント柄──同じ柄でも見え方が違う

柄の見え方を大きく左右するのに、見落とされがちな要素があります。柄が織りで作られているか、印刷で作られているかです。

織り柄は、色の違う糸を組み合わせて作ります。ギンガム、タータン、グレンチェック、千鳥格子、ストライプの多くはこちら。糸そのものに色があるので裏側にも柄が出ますし、色の境目に糸の凹凸があるぶん輪郭がわずかにやわらぎます。

プリント柄は、白い生地の上に柄を印刷します。花柄、ボタニカル柄、ペイズリー、レオパードの多くはこちら。表側だけに柄があり、裏は白いまま。輪郭がくっきり出るので、色の鮮やかさをそのまま見せられます。

見分けるには、裾や襟の裏を見てください。裏にも同じ柄が出ていれば織り柄、白ければプリントです。同じチェックの服が二枚あって、片方だけ上品に見えるとしたら、その差は織りとプリントの違いであることが少なくありません。ジャカードのように、同じ色の糸の凹凸だけで柄を出す織り方もあり、こちらは遠目に無地、近づくと柄が浮かぶので、式の場でも使いやすくなります。

よくある「思っていたのと違う」と、その直し方

**柄が主張しすぎて落ち着かない。**柄の面積が広すぎるか、地と柄の明暗差が大きすぎます。面積を絞る(スカートだけ、小物だけ)か、明暗差の小さい配色に替えると静まります。

**遠目に無地に見えてしまう。**柄が細かすぎるか、地と柄の色が近すぎます。柄として見せたいなら、単位を大きくするか、明暗差のあるものを選んでください。ただし、通勤の服では「遠目に無地」はむしろ利点になります。

**上下がちぐはぐに見える。**柄の大きさが近い可能性が高いところです。どちらかを無地に替えるか、大きさを三倍以上離してください。

**幼く見える。**ドットやギンガムのような単純な柄は、大きさによって幼く振れます。単位を小さくする、色を落ち着かせる、素材をとろみのあるものにする。この三つのどれかで落ち着きます。

**柄が体型を強調してしまう。**張っている場所に柄が乗っています。柄の位置を上下入れ替えるか、その場所だけ無地にしてください。

**買ったときは気に入ったのに着ていない。**柄の大きさか色数が手持ちと噛み合っていません。柄物は一枚で完結しないので、合わせる無地があるかどうかで出番が決まります。

迷ったときの決め方

最後に、店頭や画面の前で迷ったときの順序をまとめます。

**ひとつ、柄の一単位の大きさを測る。**指の幅と比べるだけで十分です。肩幅の四分の一を超えていれば大柄、指一本分以下なら小柄。これで面積の使い方が決まります。

**ふたつ、その柄が何色使っているかを数える。**二色なら合わせやすく、四色を超えると合わせる側を無地一色に固定する必要があります。数えるだけで、手持ちと合うかどうかが見えてきます。

**みっつ、地と柄の明暗差を見る。**差が大きいほど柄として主張し、小さいほど無地に近づきます。同じ柄でも、この差で場面の広さが変わります。

**よっつ、裏を見る。**織り柄かプリントかで、上品さの出方が変わります。どちらが良いということではなく、求めている印象に合うほうを選んでください。

柄は、覚えるものではなく見比べるものです。名前を知らなくても、大きさと色数と明暗差の三つを見れば、その柄が自分に合うかどうかは判断できます。分からなくなったら、この記事の最初の図に戻ってきてください。12種類が三つの家族に分かれて並んでいるあの一枚があれば、たいていの柄はどこかに位置づけられます。似合う形から確かめたい方は骨格タイプ診断もご用意しています。

よくある問い

Q. ボタニカル柄とはどんな柄ですか?
植物を写実的に描いた柄のことです。botanical は英語で「植物学の」という意味で、18世紀から19世紀にかけて描かれた植物図譜(ボタニカルアート)の描き方が名前の由来といわれます。花だけでなく、葉・茎・つぼみ・実まで植物のかたち全体が描き込まれるのが特徴で、色数も抑えめのものが多い柄です。
Q. ボタニカル柄と花柄はどう違いますか?
違いは「何が描かれているか」ではなく「どう描かれているか」です。ボタニカル柄にも花は登場します。花だけを取り出して散らすように並べるのが花柄、葉や茎まで含めて植物そのものを写し取るのがボタニカル柄。見分けるときは、花の周りに葉と茎があるか、輪郭に陰影があるか、色数が抑えられているかの三点を見ると迷いません。
Q. ストライプとボーダーの違いは何ですか?
線の向きだけの違いです。日本では縦に走る線をストライプ、横に走る線をボーダーと呼び分けますが、英語ではどちらも stripe と呼びます。border はもともと「縁・へり」を指す言葉で、裾や袖口の縁飾りを意味していました。横縞をボーダーと呼ぶのは日本語の慣習だと知っておくと、海外の通販でも迷いません。
Q. 上下とも柄物にすると、なぜ野暮ったく見えるのですか?
理由は二つあります。柄の大きさが近いと、どちらも主役になろうとして視線がぶつかること。もう一つは、柄一つで二色から四色を使うため、上下で色数が一気に増えて散らかることです。逆にいえば、大きさをはっきり離し、全身の色を二色以内に揃えれば成立します。片方を小物の面積に収めるのも確実な方法です。
Q. 結婚式でドット柄の服を着てもいいですか?
小さく目立たないドットで、色が落ち着いていれば許容されることが多い柄です。判断の軸は、柄の大きさ・色のコントラスト・会場の格・自分の立場の四つ。大きな水玉や白黒のはっきりしたコントラストはカジュアルに寄ります。一方でレオパードなどのアニマル柄は避けるのが一般的です。迷うときは無地を選び、柄はスカーフやバッグで足すと確実です。

— メグラシ編集部

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