ペコスブーツコーデ|足首に落ちるたまりを、上で受けるか下で受けるか

朝が涼しくなって、去年の秋に買ったペコスブーツを出してきた。履いてみたら、足首のところが去年よりくしゃっとしていて、何を合わせても足元だけが重く見える。パンツの丈のせいかと思って何本か替えてみたけれど、どれもしっくりこない。ペコスブーツのコーデがまとまらないとき、動かすべきものはパンツではなく、足首に溜まった量をどこで受けるかの判断です。
結論:足首の横じわは量ひとつ。上か下、片方にだけ量を足す
ペコスには履き口を締める道具がありません。ひももジップもベルトもないので、履いた瞬間に筒が自重でわずかに下がります。下がったぶんは消えるのではなく、横じわの束になって足首の上に残ります。
この束を、ここでは「たまり」と呼びます。たまりは、装いの中にある量のひとつとして数えてください。 肩から裾までのどこかに量を置いているなら、たまりと合わせて二つ。量は全身で二つまでが落ち着く上限です。
足元だけが重く見える日は、たいてい量が三つになっています。たまりがあって、アウターが厚くて、裾も広い。この三つのうち、たまりだけは自分で減らせません。だから、減らすのは残り二つのほうです。
たまりの高さを測る|引き算ひとつで出る
履く前と履いたあとで、二つの数字を読みます。
一つめは、履く前の筒丈。底の上から履き口の上端まで、メジャーをまっすぐ当てて測ります。商品タグに書いてある数字をそのまま使っても構いません。
二つめは、履いて立ったときの、床から履き口の上端までの高さ。ここからヒールの高さを引くと、履いた状態で筒が何cm立っているかが出ます。
一つめから二つめの数字を引いた差が、たまりの高さです。ペコスの筒丈は15〜20cmあたりが標準なので、筒丈18cmの一足が履くと14cmまで下がったなら、たまりは4cmということになります。
| たまりの高さ | 足首まわりの見え方 | 量を足せる場所 |
|---|---|---|
| 0〜2cm | 筒がまっすぐ立つ。束がほとんど出ない | 上でも下でも、二つまで |
| 3〜5cm | 足首の上に束が一つ、はっきり出る | 上か下、どちらか片方だけ |
| 6cm以上 | 束が厚く、ふくらはぎの手前まで上がる | 上も下も足さない |
数字が出ない日は、鏡の前で足首を横から見てください。横じわが一本なら0〜2cm、二〜三本なら3〜5cm、四本以上が重なっていれば6cm以上と見て、ほとんど外れません。
たまりは一足ごとに違い、同じ一足でも履く靴下で変わります。革がやわらかいほど、筒が薄いほど、たまりは大きくなります。乾いた新しい革は倒れにくく、履き込んだ革はよく倒れます。
なお、このたまりが出るのは、履き口を締める道具を持たない形だからです。ブーツの名前ごとに履き口が締まるか開くかはブーツの名前は筒の高さと履き口の締まりで決まるにまとめてあるので、手持ちの一足がどこに入るかはそちらで確かめてください。
裾の置き場所は3つ|止める・覆う・入れる
たまりの高さが分かったら、次は裾です。ペコスの裾の置き場所は三つしかありません。
一つめは、たまりの上で止める。いちばん上の横じわの縁から2cm以上あけて裾を終えます。足首に量の塊が一つだけ置かれて、その上は空きます。たまりが3〜5cmある一足で、上半身にも量を置きたい日に選ぶのがこれです。 空いた分だけ、上の量が浮いて見えます。
二つめは、覆う。裾幅が筒まわりより5cm以上広いなら、外に下ろして甲まで届かせます。たまりが裾の布の中に収まるので、足元の量は裾の広さひとつぶんに戻ります。裾幅と筒まわりの差の測り方はエンジニアブーツのコーデにくわしく書きました。
三つめは、入れる。裾幅が筒まわりより3cm以上狭いなら、筒の中へ入れます。たまりは筒の外側だけに残り、脚の線は裾から筒へそのまま続きます。
収まらないのは四つめ、つまり裾がたまりのちょうど真上で終わるときです。量が縦に二つ並んで、足首のあたりにいちばん太く見える位置ができます。裾上げをするかロールアップするかで、2cmでいいので上か下へずらしてください。
| 裾の置き方 | 選ぶ条件 | 足元に残る量 |
|---|---|---|
| たまりの上で止める | たまり3cm以上、上に量を置きたい日 | たまりだけ |
| 覆って甲まで下ろす | 裾幅が筒まわりより5cm以上広い | 裾幅だけ |
| 筒の中に入れる | 裾幅が筒まわりより3cm以上狭い | たまりだけ |
| たまりの真上で終わる | 選ばない | たまり+裾幅 |
秋の進み方|靴下が厚くなると、たまりが上がる
ペコスで気温より効くのは、靴下の厚みです。足首まわりが太くなると筒が下がりきらなくなり、たまりの束がそのぶん上へ押し上げられます。
9月の後半、素足に近い薄い靴下で履くころは、筒がいちばん下まで落ちます。たまりは足首のすぐ上に低く溜まるので、上半身には羽織りを一枚足せます。
10月に入って中厚の靴下に替えると、たまりは1〜2cm上がります。同じ一足なのに、先週まで収まっていたクロップド丈の裾がたまりの真上に来ることがあるのはこのためです。裾が同じなら、たまりが上がったぶんだけ位置関係がずれています。
11月が近づいて厚い靴下やタイツを履く時期は、たまりが最大になります。ここに厚手のアウターが加わると、量は二つで埋まります。この時期のボトムスは、裾を筒に入れるか、ひざ下から細く落ちる形にしておくといちばん迷いません。 靴下の丈と厚みの選び分けは靴下・レッグウェアの丈8種にあります。
ブーツを履き始める時期そのものの判断は10月のブーツはいつからに分けてあります。
場面別|たまりの上限を先に決める
同じ一足でも、出かける先によって置けるたまりの量が変わります。
人に会う予定のある日は、たまり5cmを上限にしてください。それを超えると足首の輪郭が読みにくくなり、装い全体の中で足元だけが別の話をしているように見えます。当日の朝、鏡の前で横じわが四本以上重なっていたら、薄い靴下に替えるか、裾で覆う合わせに切り替えるのが早いです。
歩く時間の長い休日は、たまりは大きいままで構いません。むしろ足首に量があるほうが、上をすっきり細くしたときの釣り合いが取れます。この日は上半身を量ゼロにして、足元一点に集める組み立てにします。
座る時間が長い日は、たまりの位置に気をつけてください。椅子に座ると膝が曲がり、筒が下から押し上げられて、たまりが1〜2cm上へ動きます。立って合わせた裾の位置が、座ると変わるということです。座ったまま過ごす時間のほうが長い日は、裾を止める位置を立った状態より2cm高めに取ると、一日を通してずれません。
よくある行き違い
しわは履き方が悪いから出る、と言われることがあります。ペコスに関しては当てはまりません。履き口を締める道具がない形なので、筒が下がってしわが寄るのは設計のとおりです。確かめるところは足首ではなくかかとで、歩いてかかとが2cm以上浮くならサイズの問題、浮かないなら形のとおりです。
筒を引き上げれば足首がすっきりする、というのも半分だけ正しい話です。引き上げると履き口の縁がふくらはぎの太いところに近づき、そこで脚が縁を押し返すので、上のほうに新しいしわができます。たまりの位置が動くだけで、量は減っていません。押し上げてもよいのは、ふくらはぎのいちばん太いところから3cm以上下で縁が止まる場合だけです。
ワイドパンツなら何でも合う、という言い方も、条件つきです。ワイドが効くのは裾がたまりを完全に覆うときで、覆いきらずに真上で終わると、いちばん収まらない四つめの状態になります。裾を下ろしたとき甲に届くかどうかを、履いた状態で一度見てください。届かないなら、そのワイドは覆う役ではなく、たまりの上で止める役に回すほうが落ち着きます。
装いに活かすなら
たまりの数字を一度測っておくと、以後は服のほうを選ぶだけで済みます。3〜5cmの一足を持っているなら、その日に着る羽織りが厚いかどうかを見て、厚い日は裾を細く、薄い日は裾を広く。判断はそれだけです。
秋は同じ一足でも、靴下の厚みでたまりが動いていく季節です。季節が進むたびに合う裾が変わるので、月が替わったら一度だけ、鏡の前で横じわの本数を数え直してみてください。合わせる服の幅を変えるほうが、ブーツを買い替えるより早く落ち着きます。
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よくある問い
- Q. ペコスブーツの足首がくしゃくしゃになります。サイズが大きいのでしょうか?
- 多くの場合、形のとおりです。ペコスには履き口を締めるひももジップもベルトも付いていないので、履くと筒が自重で少し下がり、下がったぶんが横じわの束になって足首の上に残ります。確かめるのはかかとのほうで、歩いたときにかかとが2cm以上浮くならサイズが合っていません。かかとが動かないなら、しわは直すものではなく、合わせるときの材料として数えるものです。
- Q. ペコスブーツにはワイドパンツとスキニーのどちらが合いますか?
- どちらでも合いますが、裾の終わる高さが違います。ワイドは裾幅が筒まわりより5cm以上広ければ外に下ろして甲まで届かせ、足首のしわを裾の中に収める使い方になります。細い裾は筒の中に入れて、しわを筒の外側だけに残します。合わないのは、裾がちょうど足首のしわの真上で終わるときです。量が縦に二つ並んで、足首がいちばん太く見える位置ができます。
- Q. ペコスブーツに靴下は見せたほうがいいですか?
- 秋が深まって靴下を厚くするほど、見せるより筒の中に収めるほうが落ち着きます。厚い靴下は足首まわりを太くするので、筒が下がりきらず、しわの束が1〜2cm上へ押し上げられます。たまりが大きくなった日は、靴下の縁を筒の中に入れて見せない置き方のほうが、足元の量がひとつで済みます。薄い靴下で足首に余裕がある日なら、履き口から少し覗かせても量は増えません。
- Q. ペコスブーツは秋のいつごろから履けますか?
- 筒がふくらはぎの下のほうまであるので、素足に近い状態で履くなら朝の気温が20度を下回るあたりから収まります。ただしペコスで気温より効くのは靴下の厚みです。薄い靴下の時期と厚い靴下の時期で足首まわりの太さが変わり、しわの量そのものが変わります。同じ一足でも、履き始めの時期と冬の入り口では合わせるボトムスを変えたほうが落ち着きます。
— メグラシ編集部




