ブーツの名前は筒の高さと履き口の締まりで決まる|サイドゴア・チャッカ・ウエスタンの見分け方

サイドゴア、チャッカ、ウエスタン、ペコス。ブーツの名前が覚えられないのは、丈だけを見ているためです。 名前を分けているのは、筒がどこで終わるかと、履き口が締まるかどうかの二つ。どちらも手持ちの一足で今すぐ測れます。
見るのは、筒の高さと履き口の締まりの二つ
ブーツの名前は、二つの情報が組み合わさってできています。
一つめは筒の高さ。 床から何cmのところで筒が終わるか。くるぶしなのか、ふくらはぎなのか、膝下なのか、膝より上なのか。
二つめは履き口の締まり。 履いたあとに、履き口の縁を自分で締められるか、ゴムが勝手に締めてくれるか、それとも開いたままか。
この二つを掛け合わせると、売り場に並ぶ名前はほとんど場所が決まります。同じ高さでも締まりが違えば別の名前が付いていて、同じ締まりでも高さが違えば別の名前が付いている。丈だけを覚えようとすると、この半分が抜け落ちます。
なぜ、丈だけでは名前が決まらないのか
くるぶしで終わるブーツを二足並べてみます。片方はサイドゴア、もう片方はチャッカ。筒の高さはどちらも10cmほどで、写真ではほとんど見分けがつきません。
けれど履いてみると、まったく違うものだと分かります。サイドゴアは側面のゴムが縮んで、履き口の縁が脚にぴたりと触れます。チャッカはひも穴が2〜3個しかないので、縁が脚から少し浮いたままです。
この差は、そのまま合わせられるものの差になります。 縁が触れている形は脚と靴が一本の筒として続いて見え、縁が浮いている形は足首のところに小さな空きができて、そこで線が一度止まります。パンツの裾を上に乗せられるかどうかも、この空きの有無で変わります。
名前が二つに分かれているのは、見た目を区別するためではありません。扱いが違うから、別の名前が付いているのです。
筒の高さ4段階|まず自分の脚を測る
高さの話をする前に、自分の脚に目盛りを入れておきます。メジャーを床に立てて、次の3か所が床から何cmかを読んでください。
一つめは、くるぶしの骨の上端。二つめは、ふくらはぎのいちばん太いところ。三つめは、膝裏のくぼみ。身長が160cm前後なら、おおよそ7cm・30cm・42cmあたりに来ますが、脚の形で数cmは動きます。自分の数字を書き留めておくと、以後は商品ページの筒丈と引き算するだけで済みます。
一つだけ注意があります。商品ページの筒丈は、底の上から履き口までを測った数字です。ヒールぶんは入っていません。筒丈にヒールの高さを足した数字が、履いたときに床から測った履き口の高さになります。
| 段階 | 筒丈+ヒールの目安 | 履き口が来る場所 | この高さの名前 |
|---|---|---|---|
| 短い | 8〜13cm | くるぶしの骨の上 | チャッカ、サイドゴア、ショート |
| 中ほど | 14〜25cm | ふくらはぎの下のほう | ウエスタン、ペコス、エンジニア |
| 膝下 | 26〜38cm | ふくらはぎの上、膝の手前 | ロング、ジョッキー |
| 膝上 | 39cm以上 | 膝から太ももへ | ニーハイ、サイハイ |
避けたい高さが一つだけあります。ふくらはぎのいちばん太いところに履き口がぴたりと重なる高さです。 筒の縁が脚のいちばん張ったところに当たるので、脚が縁を押し返してしわが寄り、履き口が水平でなくなります。自分で測った二つめの数字から3cm以上は離してください。
履き口の締まり3種類|締める・伸びる・開く
締まりは、履いた状態で測れます。履き口の縁を指でつまんで、脚からまっすぐ横へ引いてください。 動いた幅がそのまま答えです。
これは筒まわり、つまりふくらはぎの位置での太さの話ではありません。見ているのは履き口の縁ひとつだけです。ふくらはぎの位置での余裕の測り方はロングブーツの選び方にまとめています。
| 締まり | 縁を引ける幅 | 何が締めているか | 履き口の見え方 |
|---|---|---|---|
| 締める | 0〜1cm | ひも・ジップ・ベルト | 脚に沿い、縦の線が続く |
| 伸びる | 0〜1cm(手を離すと戻る) | 側面のゴム | 縁が脚に触れて細い線が一本出る |
| 開く | 4cm以上 | 何もない | 縁と脚のあいだに影ができる |
2〜3cmはどれにも入りません。締める形なのに2〜3cm動くなら、締め足りていないか、留め具がゆるんでいます。 伸びる形で2〜3cm動いたまま戻らないなら、ゴムが伸び切っている合図です。
締まりが違うと、足元の量が変わります。締める形と伸びる形は脚と靴が続いて見え、開く形は履き口のところに空きができるぶん、足元に量が出ます。どちらが良いということはありません。 続けたい日は締まる形、足元に量を置きたい日は開く形。それだけの使い分けです。
この二つの軸に、売り場でよく見る名前を置くと、次のように並びます。
| 名前 | 筒丈の目安 | 締まり | 締めているもの |
|---|---|---|---|
| チャッカ | 8〜11cm | 締める(浅い) | ひも穴 片側2〜3個 |
| サイドゴア | 8〜13cm | 伸びる | 側面のゴム |
| 編み上げ(レースアップ) | 10〜20cm | 締める(深い) | ひも穴 片側4個以上 |
| ペコス | 15〜20cm | 開く | なし |
| エンジニア | 20〜25cm | 締める(留めるだけ) | 足首と履き口のベルト |
| ウエスタン | 20〜30cm | 開く | なし |
| ジョッキー・ロング | 30〜35cm | 締める | 内側のジップ |
| ニーハイ | 40〜45cm | 締める/伸びる | ジップ、または上端のゴム |
| サイハイ | 50cm以上 | 締める/伸びる | 太ももに触れる帯 |
縦に読むと丈の順、横に読むと締まりの順です。 名前を覚えるのではなく、手持ちの一足がこの表のどこに入るかを一度置いてみてください。以後は「あれはうちのウエスタンの位置にある」という覚え方で足ります。
サイドゴアブーツ|伸びる履き口
側面に伸びる布が入っているブーツです。ゴア(gore)は布のマチを指す言葉で、ここに織り込まれたゴムが縮むことで、履き口が脚に沿います。
ひもも留め具もないので、足を差し入れるだけで履けます。そのぶん、締まり具合を自分で決めることはできません。脚の太さに合わせて縁が勝手に閉じてくれる代わりに、厚い靴下に替えた日も同じ強さで締まります。 冬に靴下を厚くする方は、買うときにその靴下で試しておくと確実です。
ゴムの幅は3〜4cmが標準です。これより狭いと締める力が弱く、広いと側面のゴムが目立ちます。履き口の縁を引いて手を離したとき、元の位置まで戻れば生きています。2cm以上開いたまま戻らなくなったら、ゴムが伸び切った合図です。
呼び名について。日本ではサイドゴアブーツ、英語圏ではチェルシーブーツと呼ばれます。同じ一足が、売り場によって両方の名前で並んでいることもあります。 どちらの名前を見ても、確かめるところは側面のゴムの幅と縁の戻り、この二つだけです。
チャッカブーツ|締める履き口のいちばん短いもの
くるぶし丈で、ひもを通す穴が片側2〜3個しかないブーツです。
穴が少ないということは、ひもで締められる範囲が短いということです。 甲の上のわずかな幅だけを締めていて、履き口の縁までは力が届きません。だから、縁は脚から少し浮いたままになります。
この浮きが、チャッカの見え方を決めています。足首のところに小さな空きができるので、脚と靴のあいだに区切りが一つ入ります。サイドゴアが一本の筒に見えるのに対して、チャッカは足首でいったん切れて見える。 同じ高さでも印象が変わるのは、ここが理由です。
デザートブーツという名前も、この仲間です。穴の数はチャッカと同じ2〜3個で、違うのは底のほう。生ゴムを使った厚さ1cm前後の飴色の底が付いているものを、そう呼び分けます。合わせ方を分けて覚える必要はありません。
編み上げ(レースアップ)|締まりを毎日変えられる唯一の形
ひもを通す穴が片側4個以上あるブーツです。穴が上まで並んでいるぶん、履き口の縁までひもの力が届きます。
この形だけが、締まりを毎日変えられます。 上まで締めれば縁が脚に沿って締める形になり、上のほうを抜けば縁が開いて別の形になる。表のなかで、二つの列を行き来できるのはここだけです。
穴の数を数えるのが、いちばん早い見分け方です。2〜3個ならチャッカの仲間で締まりは浅く、4個以上なら締まりを自分で決められます。ひもの締め方で筒の立ち方がどう変わるかは編み上げのワークブーツにくわしく書きました。
ウエスタン・ペコス・エンジニア|筒が中ほどで、締める道具がない三つ
筒がふくらはぎの下のほうで終わる高さには、履き口を締める道具を持たない形が集まっています。
ウエスタンは筒20〜30cm。ひももジップもベルトも付いていません。締める道具がないので、縁は脚に触れずに開いたまま立ちます。 縁を引くと4cm以上動くのがふつうで、これはサイズが大きいのではなく形のとおりです。履き口の前後にV字の切り込みが入るものが多く、膝を曲げたときに縁が食い込まないようになっています。つま先が細く、ヒールが後ろへ傾いているのもこの名前の特徴です。
ペコスは筒15〜20cm。ウエスタンより低く、締める道具がない点は同じです。見分けどころは、履き口の内側にある輪。指を掛けて引き上げるための帯が前後に一つずつ付いています。締める道具ではなく、履くための道具です。 作業のための靴として生まれた形なので、筒はまっすぐで装飾がほとんどありません。
エンジニアは筒20〜25cmで、足首と履き口にベルトが付いています。ベルトは締める道具ですが、締めても筒は太いままです。 表のうえでは締める形に置きましたが、実際の縁の動きはウエスタンに近くなります。裾との関係でいちばん効くのは筒まわりの太さなので、そちらはエンジニアブーツのコーデにまとめました。
この三つに共通して、確かめるのはかかとのほうだけです。 歩いたときにかかとが2cm以上浮くようなら、そちらはサイズの問題になります。
ニーハイとサイハイ|膝を越えると、締まりの意味が変わる
筒が40cmを超えると、履き口は膝から上に来ます。
ここから先で、履き口の締まりは別の役目を持ちます。膝下までのブーツでは、締まりは脚と靴を続けて見せるためのものでした。膝を越えると、締まりはずり落ちを止めるためのものになります。
膝は曲げるたびに周りの長さが変わる場所です。上端が膝のすぐ上にあると、歩くたびに縁が押し下げられて、少しずつ落ちてきます。上端を膝裏から5cm以上離すと、この押し下げがほとんど起きません。 自分で測った膝裏の高さから逆算してください。
サイハイは太ももの中ほどまで上がるので、押し下げの心配はほとんどありません。代わりに、上端が触れる帯の幅が効きます。幅が3cm以上あれば脚に面で触れるので、細い縁より落ちにくくなります。
同じ一足に、二つの名前が付く理由
ここは正直に書きます。ブーツの名前に、業界共通の厳密な定義はありません。
サイドゴアとチェルシーは同じもの、チャッカとデザートは底が違うだけ、ショート・アンクル・ブーティの三つはほとんど重なっています。店ごとに線の引き方が違うので、同じ商品が違う名前で並ぶのは珍しいことではありません。
だから、名前で判断しないのがいちばん確実です。商品ページに必ず載っている数字は、筒丈と履き口まわりの二つ。 この二つを自分の脚の数字と比べれば、名前を知らなくても選べます。靴全体の名前の整理は靴・パンプスの種類16種に置いてあります。
どちらとも取れるとき|ゴムが外から見えない
側面にゴムが見当たらないのに、ひももジップもない。この一足は、ゴムを内側に隠す作りのサイドゴアであることがほとんどです。
履き口の縁をつまんで、横へ引いてください。 2cmほど動いて、手を離すと元に戻るなら、どこかに伸びる布が入っています。動いたまま戻らないなら、開く形です。
見た目で分からないときは、縁の戻り方で決めてください。戻るならサイドゴアと同じ扱い、戻らないならウエスタンと同じ扱いになります。
どちらとも取れるとき|筒丈が膝裏とほぼ同じ
商品ページの筒丈が35cm、自分の膝裏が42cm。ヒールが5cmなら合計40cmで、膝裏まであと2cmです。
この位置がいちばん扱いにくくなります。立っているときは膝下で収まっていても、座ると筒が押し上げられて、縁が膝裏に当たります。 電車や食事で座る時間が長い日は、この2cmが一日じゅう気になります。
判断は二つに一つです。膝裏から5cm下で終わるものに替えるか、いっそ膝を越えるニーハイの高さにするか。あいだの2cmに留まるのが、いちばん落ち着きません。
どちらとも取れるとき|締める形なのに縁が浮く
ひもを上まで締めたのに、履き口の縁が2〜3cm動く。この状態は、締め足りていないか、筒まわりが余っているかのどちらかです。
先に締め方を疑ってください。上の二段を締め直すだけで、縁の動きは1cm以内に収まることがあります。 それでも動くなら、筒まわりが脚に対して余っています。
余っているときは、厚い靴下で埋めるか、締める形として使うのをあきらめて、開く形として扱うかの二択です。開く形として扱うと決めれば、裾を外に出す合わせに切り替えるだけで済みます。 直せないものを直そうとするより、置き場所を変えるほうが早く終わります。
名前の分からない一足を、5分で置き場所に入れる
手順は四つです。
一つ、メジャーを床に立てて、くるぶしの骨の上端・ふくらはぎのいちばん太いところ・膝裏の高さを読む。この3つは一度測れば、以後ずっと使えます。
二つ、ブーツを履いて、履き口が3つのどこに来るかを見る。
三つ、履き口の縁をつまんで横へ引き、動く幅を測る。0〜1cmなら締まる形、4cm以上なら開く形です。
四つ、二つの答えを表に当てる。高さと締まりが決まれば、名前は自動的に決まります。 そして名前が決まらなくても、扱いは決まります。
まとめ|高さと締まり、二つだけ
- ブーツの名前は丈だけでは決まらない。筒の高さと履き口の締まりの二つで分かれている
- 高さは自分の脚で測る。くるぶしの上端・ふくらはぎのいちばん太いところ・膝裏の3か所が物差しになる
- 締まりは履き口の縁を横へ引いて測る。0〜1cmなら締まる形、4cm以上なら開く形
- サイドゴアとチェルシーは同じもの。チャッカとデザートは底が違うだけ。名前が重なるときは筒丈の数字を見る
- 商品ページの筒丈にはヒールが入っていない。足してから自分の数字と比べる
ブーツの名前は、覚えられたら便利という程度のものです。 大切なのは、その一足の履き口がどこに来て、脚に触れているかどうかを言えること。この二つが言えれば、名前を知らなくても合わせられます。
次に一足を手に取ったら、まず履き口の縁をつまんでみてください。戻るか、動かないか、開いたままか。それだけで置き場所が決まります。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. サイドゴアブーツとチェルシーブーツは違うものですか?
- ほぼ同じものを指しています。履き口の両側面に伸びる布(ゴア)が入っていて、ひもも留め具もなく足を差し入れて履くブーツです。日本の店頭ではサイドゴアブーツ、英語圏ではチェルシーブーツと呼ばれることが多く、同じ一足が売り場によって両方の名前で並んでいることもあります。どちらの名前でも、確かめるところは同じです。側面のゴムの幅が3〜4cmあるか、履き口の縁が脚に触れて戻るか。この二つが揃っていれば、呼び名にかかわらず同じ扱いができます。
- Q. チャッカブーツとデザートブーツはどう違いますか?
- ひもを通す穴の数はどちらも片側2〜3個で同じです。違うのは底のほうで、生ゴムを使った厚さ1cm前後の飴色の底が付いているものをデザートブーツと呼び分けます。チャッカという言葉はくるぶし丈でひも穴の少ない形そのものを指すので、デザートブーツはチャッカの一種だと考えて差し支えありません。履き口の高さも締まり方も変わらないので、合わせ方を分けて覚える必要はありません。
- Q. ウエスタンブーツの履き口が脚に当たらず、ぶかぶかしています。サイズが大きいのでしょうか?
- 多くの場合、サイズではなく形のとおりです。ウエスタンブーツにはひももジップもベルトも付いておらず、履き口を締める道具がありません。脚に触れずに開いたまま立つのがこの形の標準で、履き口の縁を横に引くと4cm以上動くのがふつうです。確かめるのはかかとのほうで、歩いたときにかかとが2cm以上浮くならサイズが合っていません。履き口が開いていること自体は、直す必要のない状態です。
- Q. 通販でブーツを買うとき、筒丈の数字だけ見れば失敗しませんか?
- 筒丈にヒールの高さを足してください。商品ページの筒丈は底の上から履き口までを測った数字で、ヒールぶんの高さは含まれていないことがほとんどです。ヒールが5cmあれば、履いたときの履き口は床から5cm高い位置に来ます。自分のくるぶしの骨の上端、ふくらはぎのいちばん太い所、膝裏の3か所を床から測っておくと、その数字と比べるだけで届く前に見当がつきます。
- Q. ニーハイブーツとサイハイブーツの境目はどこですか?
- 膝を覆うところで終わるものがニーハイ、太ももの中ほどまで上がるものがサイハイです。筒丈でいうと40〜45cmあたりがニーハイ、50cmを超えるとサイハイに入ります。ただし脚の長さは人によって違うので、数字より自分の膝裏の高さで見たほうが確実です。床から膝裏までを測って、その数字より筒丈とヒールの合計が上に来るならニーハイから先の高さになります。
— メグラシ編集部





