眼鏡の似合う形を、いまの1本と比べて選ぶ|動かすのは1か所ずつ

**いま掛けている眼鏡を外して、机の上に置いてください。**その1本が、似合う形を探すときのいちばん確かな物差しになります。
眼鏡の似合う形は、顔の形の分類から1本を当てにいくより、いまの1本を基準にして、1か所だけ動かした候補と比べるほうが早く決まります。1本を単独で眺めても、似合っているかどうかは分かりにくいもの。2本を並べると、どちらがいいかはすぐに分かります。
顔の幅や縦横の比から最初の候補を出す方法は眼鏡が似合うかは顔幅・縦横比・頬骨の張りの3つで決まるに、店頭で3か所を見る方法はメガネフレームの選び方にあります。この記事は、手元に1本ある人が、そこから次の1本を選ぶための話です。
結論|いまの1本を基準に、1か所ずつ動かして比べる
手順は4つです。
- いまの1本を5か所測って、基準の数字を残す
- いまの1本で気になっている所を、1つだけ言葉にする
- その1つに対応する場所を、1か所だけ動かした候補を選ぶ
- 基準に近い1本・動かした1本・反対に動かした1本の3本を、同じ条件で比べる
**動かすのは1回に1か所です。**幅と色を同時に変えた1本を比べても、よく見えた理由が幅なのか色なのか分かりません。1か所ずつなら、どこを動かすと自分の顔がどう変わるかが、1回の試着で1つずつ分かっていきます。
似合う形は、あらかじめ決まった1つの正解ではありません。基準から見て、どの方向に動かすと目と眉がはっきりするか、その方向が分かれば、形の名前を知らなくても選べます。
いまの1本を5か所測る
基準の数字は、測って書き留めておきます。店に行ってから思い出そうとしても、正確には出てきません。
| 測る場所 | 測り方 | 基準の書き方の例 |
|---|---|---|
| フレームの横幅 | つるの内側の数字から出すか、正面の端から端を定規で測る | 横幅136mm |
| レンズの縦 | レンズのいちばん高い所から低い所まで定規で | 縦36mm |
| 上辺と眉の間 | 掛けて正面から撮り、フレームの上辺と眉の下の線の間を見る | 眉が上辺の上に3mm出る |
| 縁の太さ | 正面から見た上辺の太さを定規で | 上辺4mm・下辺2mm |
| 色 | 白い紙の上に置いて、紙との差を見る | 濃い茶・紙との差大 |
つるの内側に「50□18-140」のような数字が刻まれていれば、はじめの50がレンズ1枚の横幅、次の18が鼻の部分の幅、最後の140がつるの長さです。フレームの横幅はおおよそ、レンズの横幅を2倍して鼻の部分を足し、そこに左右の縁の数mmを加えた長さになります。50□18なら、50×2+18=118mmに縁の分が加わって、125〜135mm前後です。正確に知りたいときは、定規で正面の端から端を測ってください。
角の丸さも、言葉で1つ書いておきます。「四角に近い」「丸に近い」「上がまっすぐで下が丸い」のように、見たとおりの言い方で構いません。
つるの長さと鼻の部分は、比べる前にそろえておく
幅や色を比べる前に、掛け心地に関わる2か所をそろえておきます。ここがずれていると、候補を掛けたときに位置が上下して、上辺と眉の関係が比べられなくなります。
| 場所 | 基準の数字 | 候補で確かめること |
|---|---|---|
| つるの長さ | つるの内側の最後の数字(140など) | 基準と5mm以上違うと、耳の後ろでの止まり方が変わる |
| 鼻の部分の幅 | つるの内側の真ん中の数字(18など) | 2mm以上違うと、掛ける高さが上下する |
| 鼻あての有無 | 付いているか、フレームと一体か | 一体の1本は高さを調整できない |
| 耳にかかる位置 | 耳の付け根からつるの曲がり始めまで | 下を向いてずれないか、店で確かめる |
つると鼻の部分が基準に近い候補どうしで比べると、見た目の差だけを見られます。ここが大きく違う候補を並べると、ずり下がった1本だけが眉から離れて見え、形の差なのか掛ける高さの差なのかが分からなくなります。店では、比べる前に3本とも鼻あての高さを調整してもらってください。
気になっている所を、1つだけ言葉にする
基準の1本が気に入っていても、気に入っていなくても、何か1つは変えたい所があるはずです。それを1つだけ選んで、言葉にします。
| いまの1本で気になっていること | 動かす場所 | 動かす方向 |
|---|---|---|
| 眼鏡だけが先に目に入る | 縁の太さか色 | 細く、または明るく |
| 表情が眼鏡に負けて、ぼんやりする | 縁の太さか色 | 太く、または濃く |
| 眉が上辺に隠れて、表情が読みにくい | 上辺の高さ | 低く(レンズの縦を減らす) |
| 眉とフレームの間が空いて、間延びする | 上辺の高さ | 高く(レンズの縦を増やす) |
| こめかみから横にはみ出して見える | 横幅 | 狭く |
| 顔の内側に寄って見える、つるが広がる | 横幅 | 広く |
| 全体がかたく、きつい印象に見える | 角の丸さ | 丸く |
| 全体がやわらかすぎて、ぼやける | 角の丸さ | 角を立てる |
| 秋冬の服と合わなくなった | 色 | 服の色に近づける |
| 仕事の場で浮く気がする | 色か縁の太さ | 暗く、または細く |
**気になることが2つ以上あるときは、いちばん毎日気になっているほうを1つ選んでください。**2つを同時に動かすと、比べたときにどちらの効き目か分からなくなります。2つめは、1つめが決まってから次の試着で動かします。
言葉にするときは、「似合わない」のような大きな言い方ではなく、鏡を見たときに最初に目が行く場所で言ってください。「眼鏡の縁が先に見える」「眉がどこにあるか分からない」「横から見ると、つるの先が広がっている」。場所で言えれば、動かす場所も自然に決まります。気になる所がどうしても出てこない場合は、いまの1本がすでに基準としてよく働いているということです。その場合は、次の1本を色だけ違えるところから始めてください。
動かす①|横幅は、5mm刻みで比べる
横幅は、差が小さいと比べても分かりません。基準から5mm以上離れた候補を選んでください。
| 基準との差 | 比べたときの見え方 |
|---|---|
| ±3mm以内 | ほとんど差が分からない。比べる意味が薄い |
| 5mm狭い | 顔の内側にまとまる。こめかみ側の肌が見える |
| 5mm広い | フレームの外に顔の輪郭が収まる。落ち着いた印象 |
| 10mm狭い | 目の外側がフレームの外に出ることがある |
| 10mm広い | つるが外へ広がって、耳にかからなくなることがある |
いちばん分かりやすい見方は、目の外側の端(目尻)とレンズの外側の端の関係です。目尻がレンズの外側の端から5〜10mm内側にあると、多くの人は収まりよく見えます。目尻がレンズの外側に近づくほど、フレームが狭く感じられます。
目尻の位置は、正面の写真を拡大して見ると分かりやすくなります。左右で目尻の位置が少し違うのはよくあることなので、外側の端に近いほうの目で判断してください。近いほうが収まっていれば、もう片方も収まります。
横幅を動かした候補を選ぶときは、つるの内側の数字でレンズの横幅を見れば、棚の前で目安がつきます。基準より2〜3mm大きいレンズなら、フレーム全体では5mm前後広くなります。
動かす②|上辺の高さは、眉との間で比べる
上辺の高さは、眉との関係で見ます。基準の写真で「眉が上辺の上に3mm出る」だったなら、候補ではそれが0mmになるか、6mmになるかを比べます。
| 上辺と眉の関係 | 見え方 |
|---|---|
| 眉が上辺の上に5mm以上出る | 眉がはっきり見える。表情が読みやすい |
| 眉が上辺の上に1〜4mm出る | 眉とフレームが寄り添って、まとまって見える |
| 眉と上辺がほぼ重なる | 眉の線がフレームの線に置き換わる。目元が強く見える |
| 眉が上辺に隠れる | 眉が見えない分、フレームの線が表情を決める |
| 上辺と眉の間に肌が見える(眉が上に離れる) | 目元と眉が離れて見える |
**上辺の高さを変えるいちばん簡単な方法は、レンズの縦を変えることです。**同じ横幅で、レンズの縦が3mm違う2本を並べると、上辺の位置だけが動きます。鼻あてで掛ける高さを調整できる1本なら、店で1〜2mm上下させてもらうだけでも比べられます。
動かす③|レンズの縦は、3mm刻みで比べる
レンズの縦は、上辺と下端の両方に効きます。上辺を動かすと眉との関係が、下端を動かすと頬との関係が変わります。
| レンズの縦 | 変わる所 |
|---|---|
| 基準より3mm低い | 下端が上がり、頬の高い所が見える。軽い印象 |
| 基準と同じ | 比較のための基準 |
| 基準より3mm高い | 下端が下がり、頬に近づく。落ち着いた印象 |
| 基準より6mm高い | 下端が頬に乗ることがある。笑ったときに当たらないか確かめる |
**レンズの縦を比べるときは、笑った顔でも写真を撮ってください。**笑うと頬が上がり、下端に当たることがあります。真顔では同じに見えても、笑った顔で差が出るのが、この場所です。
動かす④|縁の太さは、2mm刻みで比べる
縁の太さは、眼鏡が顔の中でどれだけ先に目に入るかを決めます。
| 縁の太さ(上辺) | 見え方 |
|---|---|
| 1mm以下の細い金属 | 顔の上にほとんど線が残らない。肌と目が先に見える |
| 2〜3mm | 線は見えるが、主張は控えめ |
| 4〜5mm | 眼鏡が顔の要素の1つとして見える |
| 6mm以上 | 眼鏡が顔の中でいちばん先に目に入る |
| 上だけ太く、下が細い(または縁がない) | 眉の線が強まる。下は軽い |
**太さは、眉の濃さと並べて見ると決めやすくなります。**眉が濃くはっきりしているなら、上辺が太くても眉と釣り合います。眉が淡く細いなら、上辺の太さが2mm変わるだけで、眉よりフレームが先に見えるようになります。どちらが良いかではなく、どちらの見え方にしたいかで選びます。
眉の濃さは、メイクの日と素顔の日で変わります。**眼鏡を掛ける時間の長い日の眉で比べてください。**仕事の日に眉を描くなら描いた状態で、休日にしか掛けないなら素顔に近い状態で撮ります。両方で掛けるなら、両方で1枚ずつ撮って、差が大きいほうの日に合わせます。
動かす⑤|色は、紙との差と肌との差で比べる
色は、形を変えなくても印象が大きく変わる場所です。基準の色を白い紙の上で見たときの濃さを覚えておき、候補はそれより一段濃いか、一段淡いかで選びます。
| 色の方向 | 見え方 |
|---|---|
| 基準より一段濃い(茶→黒、灰→黒) | 線がはっきりして、顔が引き締まる |
| 基準より一段淡い(黒→茶、茶→薄茶) | 線がやわらいで、肌と目が先に見える |
| 透明に近い | フレームの線がほぼ消える。形の差が目立たなくなる |
| 金属の金色・銀色 | 光を返すので、細くても線が見える |
| 上と下で色が違う | 上辺の色が表情を決める |
秋冬は、服の色が暗く、重くなります。夏に選んだ淡い色の1本が、秋冬の厚手のニットの上では軽く浮いて見えることがあります。色を動かすときは、10月からよく着る服を1枚着て比べてください。服との合わせ方はメガネコーデ レディースにまとめています。
動かす⑥|角の丸さは、同じ幅と縦のまま比べる
四角・丸・楕円といった形の違いは、ほかの場所をそろえたまま比べないと、差が分かりません。横幅とレンズの縦が基準とほぼ同じで、角の丸さだけが違う候補を選んでください。
| 角の丸さ | 見え方 |
|---|---|
| 角がはっきりした四角 | 線がまっすぐ通って、きりっと見える |
| 角の丸い四角 | まっすぐとやわらかさの間。基準に向いている |
| 楕円 | 横に流れる線。やわらかく落ち着いた印象 |
| 丸 | 線が曲線だけになる。やわらかく、目が丸く見える |
| 上がまっすぐで下が丸い | 眉の線はきりっと、頬側はやわらかい |
形の名前と線の関係はメガネの形の名前を、上辺の直線量とレンズの縦横比に置き換えるで整理しています。名前が分からなくても、上辺がどれだけまっすぐかと下の角がどれだけ丸いかの2つを見れば、比べられます。
1回に動かすのは1か所だけにする理由
比べるときに2か所以上を同時に動かすと、よく見えた理由が1つに決まりません。たとえば、基準より細くて淡い色の1本がよく見えたとき、効いたのが細さなのか淡さなのか分からないまま買うと、次にまた選ぶときに同じ迷いが戻ってきます。
| 同時に動かしたもの | 起きること |
|---|---|
| 横幅と色 | よく見えた理由が分からない。次に選ぶときに再現できない |
| 縁の太さと色 | どちらも「目に入る強さ」を変える。効き目が重なって、強く出すぎる |
| レンズの縦と角の丸さ | 上辺と下端の位置と線の形が一度に変わり、何が変わったか見分けにくい |
| 1か所だけ | どの方向に動かすとどう見えるかが、1回で1つ分かる |
**1か所ずつ動かすと遠回りに見えますが、3回の試着で3つの方向が分かります。**そこまで分かれば、次からは棚の前で候補を2本に絞れるようになります。
店で並べる3本の選び方
店では、候補を3本だけ手元に置きます。多く並べると、比べる基準がぼやけます。
| 役割 | 選び方 |
|---|---|
| 基準に近い1本 | いまの1本と横幅・縦・縁の太さ・色がほぼ同じもの |
| 動かした1本 | 気になっている所だけを、決めた方向に動かしたもの |
| 反対に動かした1本 | 同じ場所を、逆の方向に同じ量だけ動かしたもの |
反対に動かした1本を入れるのは、動かす方向が本当に合っているかを確かめるためです。「もっと細く」と思って細い1本を試すと、たいてい少しよく見えます。そこに太い1本を並べて、太いほうが明らかに違うと分かれば、細い方向で合っています。反対側も同じくらいよく見えるなら、その場所は動かしても大きく変わらない場所です。
いまの1本を掛けて行き、店では基準に近い1本の代わりに、自分の1本をそのまま使っても構いません。
3本を選ぶときは、つるの内側の数字を棚の前で見ながら絞ると早く済みます。横幅を動かすならレンズの横幅の数字が基準より2〜3mm違う1本を、レンズの縦を動かすなら同じ横幅の数字でレンズの高さが違う1本を探します。数字が見つからない1本は、基準の1本と並べて持ち、正面から見比べて差を確かめてください。
比べ方|同じ条件で3枚撮って、横に並べる
鏡の前で掛け替えるだけでは、前の1本の印象を覚えていられません。写真に撮って、横に並べて見てください。
| そろえる条件 | 理由 |
|---|---|
| 同じ場所・同じ向きの光 | 光が変わると、縁の色と影の出方が変わる |
| カメラと顔の距離を同じに | 近いと顔の中心が大きく写り、幅の比が変わる |
| 前髪と髪の分け目を同じに | 眉と上辺の関係が、前髪で変わる |
| 表情は真顔と笑顔の2枚 | レンズの下端は笑顔で差が出る |
| 正面と、斜め45度の2方向 | 横幅とつるの見え方は、斜めから分かる |
撮った写真を横に3枚並べて、指で眼鏡を隠して見るのも役に立ちます。眼鏡を隠しても、目と眉と口元の見え方には、掛けていた1本の影響が残っています。
見るのは眼鏡ではなく、目・眉・口元の3か所
写真を並べたとき、つい眼鏡そのものの形を見てしまいます。似合っているかどうかを決めるのは、眼鏡の形ではなく、眼鏡を掛けたときに顔のほかの場所がどう見えるかです。
| 見る場所 | よく見えている合図 | 合っていない合図 |
|---|---|---|
| 目 | 黒目がレンズの中心より少し上にあり、目の形がはっきり見える | 目が下の縁に寄る、レンズの中で小さく見える |
| 眉 | 上辺と眉の間が、基準より自分の好みに近づいている | 眉が上辺と中途半端に重なって、二重の線に見える |
| 口元 | 口角と眼鏡の下端の間に、ほどよく間がある | 眼鏡に目が行って、口元の印象が消える |
3枚の写真のうち、目と眉がいちばんはっきり見える1枚を選んでください。眼鏡の形が好きかどうかは、そのあとで考えます。
見比べる時間は、1枚あたり数秒で十分です。長く見ていると、どれも同じに見えてきます。最初に目が止まった1枚を覚えておいてください。
髪型を変えたら、基準を撮り直す
前髪の長さや分け目を変えると、上辺と眉の関係が変わります。基準の写真は、髪型を変えたら撮り直してください。
前髪が眉にかかる長さなら、眉と上辺の間は前髪で隠れ、フレームの上辺が前髪の下の線と重なります。**この場合は、眉ではなく前髪の毛先と上辺の間を測ります。**毛先と上辺が同じ高さで重なると線が二重になって見えやすく、3〜5mm離れていると、前髪と眼鏡がそれぞれの線として見えます。前髪を上げる日と下ろす日があるなら、両方で1枚ずつ撮っておくと、どちらの日に合わせて選ぶかを決められます。髪型と眼鏡の線の重ね方はメガネが似合う髪型で整理しています。
秋冬の首まわりと一緒に比べる
10月からは、ハイネックやマフラーで首から下の量が増えます。夏に選んだ1本が、首が詰まった服と重なると、顔まわりが混んで見えることがあります。
比べるときは、10月からいちばんよく着る首元の服を1枚着て写真を撮ってください。首が詰まる服の日は、縁の細い1本や淡い色の1本のほうが、顔まわりの量が釣り合いやすくなります。マフラーやハイネックと眼鏡の組み合わせ方はメガネに合うマフラーとハイネックの選び方にあります。
いまの1本が気に入っているとき|2本目は1か所だけ違えて持つ
いまの1本が気に入っているなら、次の1本は、同じ系統の買い替えか、1か所だけ違う2本目です。
2本目を持つなら、いまの1本と1か所だけ違う1本が使い分けやすくなります。色だけ違う、縁の太さだけ違う、といった1本です。3か所以上違う2本目は、掛け替えたときの印象の差が大きくなり、合わせる服まで変わってしまいます。
| 2本目の違え方 | 使い分け |
|---|---|
| 色だけ淡い | 秋冬の暗い服の日は基準、春の淡い服の日は2本目 |
| 縁だけ細い | 首元の詰まった服の日、仕事の場 |
| 縁だけ太い | 首元の開いた服の日、休日 |
| 角の丸さだけ違う | 服のかたさに合わせて入れ替える |
いまの1本がしっくりこないとき|2か所動かしていい場合
いまの1本がしっくりこない場合でも、手順は同じです。ただ、1か所ずつ動かして比べた結果、同じ方向に2つの場所が効くと分かったら、その2つを同時に動かした1本を最後に試して構いません。
たとえば、細い縁で1回、淡い色で1回比べて、どちらも「眼鏡だけが先に目に入る」が減ったなら、細くて淡い1本は、その2つの効き目を足した1本になります。先に1つずつ確かめてあるので、足したときに何が起きているかが分かります。
反対に、1つずつ比べた結果が逆の方向を指したときは、2か所を同時に動かさないでください。細い縁では目がはっきりしたのに、淡い色では表情がぼやけた、というような場合です。**この場合は、効いたほうの1か所だけを動かした1本を選びます。**もう1つの場所は基準のままにしておくと、効き目が打ち消し合うことがありません。
初めて眼鏡を作るときは、仮の基準を店で1本決める
手元に1本もない場合は、店で仮の基準を1本決めます。
| 仮の基準の条件 | 目安 |
|---|---|
| 横幅 | 目尻がレンズの外側の端から5〜10mm内側にくる |
| 上辺 | 眉の下の線に沿うか、眉が1〜4mm上に出る |
| 縁の太さ | 上辺2〜3mm |
| 色 | 自分の髪の色に近い、中くらいの濃さ |
| 角の丸さ | 角の丸い四角 |
この仮の基準から、1か所ずつ動かした候補と比べていきます。最初の1本は、真ん中の条件から始めたほうが、どちらの方向に動かすべきかが見えやすくなります。
仮の基準を決めたら、その1本を掛けた写真を正面と斜めで1枚ずつ撮っておいてください。持っている人がいまの1本を測るのと同じように、**写真が基準の代わりになります。**1回目の試着で決めきれなくても、次に店に行くときにその写真と比べれば、同じ手順を続けられます。
度の強いレンズを入れるときに見ておくこと
度が強いと、レンズの縁の厚みが出やすくなります。どれくらいの厚みになるかは、度数とレンズの種類で変わるので、店で確かめてください。形を選ぶ側で知っておくと役に立つのは、次の点です。
- レンズの横幅が小さいほうが、外側の厚みは出にくい
- 縁の太いフレームは、レンズの厚みを縁の中に収めやすい
- 縁の無いフレームは、レンズの端がそのまま見える
**度の強いレンズで横幅を広げる方向に動かすときは、候補を決めたあと、店で厚みの見本を見せてもらってから決めてください。**形の比べ方は同じですが、最後の1本を選ぶ前に、厚みを1回確かめる手順が入ります。
どちらとも取れるとき①|3本並べても差が分からない
3本の写真を並べて、差が分からないことがあります。原因は2つです。
1つは、動かした量が小さすぎること。横幅なら5mm、縦なら3mm、縁なら2mm以上離れた候補を選び直してください。もう1つは、その場所が、自分の顔では大きく効かない場所であること。選び直しても差が分からないなら、そこは迷わなくていい場所です。基準に近い1本を選び、次の試着では別の場所を動かしてください。
どちらとも取れるとき②|正面はいいのに、横顔で違う
正面の写真では動かした1本がよく見えるのに、斜めから見ると基準のほうがいい。これは横幅かつるの形で起きます。
人と話すとき、相手は正面よりも斜めから顔を見ていることが多くなります。**正面と斜めで結果が割れたら、斜めを優先してください。**斜めの写真で、つるがこめかみから浮いていないか、フレームの端が顔の輪郭からはみ出していないかを確かめます。
斜めから見たとき、手前側のレンズの外側と顔の輪郭の間に、肌が少し見えるくらいが目安です。レンズの外側が輪郭の線にかかっていたら、その1本は正面で見るより広く感じられます。反対に、つるがこめかみに食い込んで線が見えるなら、その1本は横幅が足りていません。斜めの写真は、自分では見えない角度を確かめるためのものなので、鏡で済ませず、撮って確かめてください。
どちらとも取れるとき③|人に聞くと、意見が割れる
一緒に行った人や家族に聞くと、意見が割れることがあります。人によって、見ている場所が違うからです。
意見が割れたら、**「どちらが似合うか」ではなく「どちらのほうが目がはっきり見えるか」**と聞き直してください。見る場所を1つに決めると、意見はそろいやすくなります。それでも割れる場合は、自分の写真で目と眉を見て決めます。毎日鏡で見るのは自分なので、自分の判断で選んで構いません。
比べた結果を残しておく
比べた結果は、次に選ぶときの手がかりになります。短く書き留めておいてください。
| 書くこと | 例 |
|---|---|
| 基準の5か所の数字 | 横幅136mm・縦36mm・眉が3mm上・上辺4mm・濃い茶 |
| 動かした場所と方向 | 縁の太さ、細く |
| 結果 | 細いほうが目がはっきりした。太いほうは眉が隠れた |
| 分からなかった場所 | 角の丸さ。差が出なかった |
| 次に動かしたい場所 | 色。一段淡く |
**記録が2回分たまると、自分の顔でよく効く場所と効かない場所が見えてきます。**3回目からは、効く場所だけを動かせば済むようになります。
書き留めた数字は、スマートフォンのメモに入れておくと、店の棚の前でそのまま見られます。**基準の5か所の数字と、効いた方向の2つがあれば、棚の前で候補を絞る時間が大きく縮みます。**次に眼鏡を替えるのが数年後でも、そのときの基準として使えます。
よくある行き違い
| 思い込み | 実際 |
|---|---|
| 似合う形は1つに決まっている | 基準からどの方向に動かすかで決まる。方向が分かれば形の名前は要らない |
| 顔の形の分類どおりに選べば外れない | 出発点としては役立つが、眉と目の位置で結果は変わる |
| 候補はたくさん並べたほうがいい | 3本まで。多いと比べる基準がぼやける |
| 鏡で見れば十分 | 前の1本の印象を覚えていられない。写真を並べる |
| 眼鏡の形を見て選ぶ | 見るのは目・眉・口元。眼鏡の形は最後 |
| 夏に選んだ1本は1年中合う | 秋冬の首元が詰まる服と重なると、見え方が変わる |
まとめ
- 似合う形は、いまの1本を基準に、1か所だけ動かした候補と比べると決まる
- 基準の1本は、横幅・レンズの縦・上辺と眉の間・縁の太さ・色の5か所を測って書き留める
- 気になっている所を1つだけ言葉にして、動かす場所と方向を決める
- 店では、基準に近い1本・動かした1本・反対に動かした1本の3本を、同じ条件で写真に撮って並べる
- 見るのは眼鏡ではなく、目・眉・口元。正面と斜めで割れたら斜めを優先する
今夜、いまの1本を掛けて正面から1枚撮り、上辺と眉の間が何mmあるかを見てください。その1枚が、次の1本を選ぶときの基準になります。
関連記事
よくある問い
- Q. 眼鏡の似合う形は、顔の形で決まるのではないのですか
- 顔の形から出る形は、候補を絞るための出発点として役に立ちます。ただ、同じ丸顔でも眉の高さや目の位置は人によって違うので、分類どおりの形を掛けても、しっくりこないことがあります。いま掛けている1本がある人は、その1本がすでに自分の顔で試された1回ぶんの答えです。そこを基準にして、気になる所を1か所だけ動かした候補と比べると、分類からだけ選ぶより迷う回数が減ります。
- Q. いまの眼鏡を測るには何が要りますか
- 15cm以上の定規と、鏡か自分を撮れるスマートフォンがあれば足ります。つるの内側には、レンズの横幅・鼻の部分の幅・つるの長さが数字で刻まれていることが多く、たとえば50□18-140なら、レンズの横幅が50mm、鼻の部分が18mm、つるが140mmです。レンズの縦と縁の太さは定規で測り、上辺と眉の間は、掛けた状態を正面から撮って確かめます。
- Q. 眼鏡を持っていない人はどうすればいいですか
- 店で、横幅が自分の顔の幅に近く、上辺が眉の下に沿うくらいの高さで、縁の太さが中くらいの1本を1つ選び、それを仮の基準にしてください。形は角の丸さが中間のものが基準に向いています。そこから1か所ずつ動かした候補と比べれば、持っている人と同じ手順で選べます。店の人に顔の幅を測ってもらって、横幅の合う棚を教えてもらうのも近道です。
- Q. 3本を比べても違いが分かりません
- 動かした量が小さすぎるか、写真の条件がそろっていない可能性があります。幅なら5mm以上、レンズの縦なら3mm以上、縁の太さなら2mm以上離れた候補を選び直してください。それでも差が分からない場合は、その場所は自分にとって大きな差を生まない場所です。そのときは基準に近い1本を選んで構いません。迷う場所ではないと分かったこと自体が、次に選ぶときの手がかりになります。
— メグラシ編集部





