メガネの形の名前を、上辺の直線量とレンズの縦横比に置き換える

形の名前がたくさんあって、どれがどれだか覚えられない。覚えたつもりでも、同じ名前の一本を2つ並べると別物に見える。
これは覚え方の問題ではありません。名前は、2つの寸法の帯につけられた呼び名だからです。帯には幅があるので、同じ名前でも端と端では違って見えます。
だから、名前を覚えるかわりに寸法のほうを読みます。読むのは2つだけです。
名前が指しているのは、2つの寸法
先に結論を書きます。メガネの形の名前は、次の2つで置き換えられます。
- 上辺の直線量|レンズの上のふちのうち、まっすぐに見える部分が全幅の何割か
- レンズの縦横比|レンズの縦 ÷ 横
この2つが決まれば、名前を知らなくても棚の一本を読めます。逆に名前だけ知っていても、帯のどこにいるかは分かりません。
ここで扱うのはフレームの側の寸法だけです。 顔の上でどこに置くかという話はメガネフレームの選び方に分けてあります。
測るもの①|上辺の直線量
フレームを机に置いて、正面から見ます。片方のレンズの上のふちを、左端から右端まで目でたどります。
そのうちまっすぐに見える部分が、全幅の何割続くか。全幅を4等分して、まっすぐな部分が何個ぶん続くかを数えれば足ります。
- 0割|どこにも直線がない。全周が弧
- 3割|中央だけが少しまっすぐで、両側は弧
- 6割|中央から左右にまっすぐが続き、端で落ちる
- 9割以上|端から端までまっすぐ。角が立つ
直線量が増えるほど、フレームは顔の上で1本の横線として読まれます。 眉と平行に置かれる線が1本増えるということです。
測るもの②|レンズの縦横比
片方のレンズの、いちばん高いところの縦と、いちばん広いところの横を比べます。縦 ÷ 横です。
- 0.5〜0.6|横に長い。上下が薄い
- 0.6〜0.7|標準の帯。多くの一本がここ
- 0.7〜0.8|縦に余裕がある
- 0.8以上|正方形か円に近い
定規がなくても読めます。レンズの横幅を目で3等分して、縦がそのうち何個ぶんに当たるかを見ます。2個ぶんで0.67、3個ぶんで1.0です。
縦横比が上がるほど、レンズが顔の上で占める面が広くなります。 面が広いほど、上辺の位置も下端の位置も動かせる余地が減ります。
名前と、2つの寸法の対応表
| 形の名前 | 上辺の直線量 | 縦横比 | 見た目の特徴 |
|---|---|---|---|
| スクエア | 9割以上 | 0.5〜0.6 | 端まで直線が続き、四隅の角が立つ |
| ウェリントン | 7〜9割 | 0.6〜0.7 | 上辺は直線、下へ向かって少し狭くなる |
| ボストン | 4〜6割 | 0.7〜0.8 | 上辺の中央だけ直線、下は丸く落ちる |
| オーバル | 0〜2割 | 0.5〜0.6 | 横長の楕円。角がひとつもない |
| ラウンド | 0割 | 0.9〜1.0 | 円に近い。上辺に直線が1ミリもない |
| サーモント | 10割(上辺だけ) | 0.55〜0.7 | 上辺だけが太く濃く、下側は細いか無い |
| フォックス | 6〜8割 | 0.5〜0.6 | 上辺が直線のまま外側へ跳ね上がる |
| ティアドロップ | 0割 | 0.6〜0.7 | 全周が弧で、外側の下端が下へ垂れる |
この表は名前を覚えるためのものではありません。 手に取った一本を測って、どのあたりの寸法なのかを言葉にするための対応表です。
上辺の直線量が変えるもの
直線量が増えると、顔の上に水平な線が1本立ちます。
立った線は、近くにある他の水平な線と並びます。近くにあるのは眉です。直線量9割の一本は、眉と平行な線を1本足すことになります。 眉のほうが弧を描いているなら、直線と弧の対比が出ます。眉も直線に近いなら、平行な線が2本並びます。
直線量0割の一本は、水平な線を足しません。かわりに弧を足すので、眉の弧と重なる向きになります。
どちらが良いという話ではなく、足す線の種類が違うということです。手持ちの一本と違う印象になるとき、たいていはここが動いています。
レンズの縦横比が変えるもの
縦横比は、フレームが顔の上で占める面の広さを決めます。
- 0.6未満|レンズの上下が薄い。上辺と下端のあいだが狭いので、置ける位置の幅も狭い
- 0.7〜0.8|上辺を眉に寄せても、下端に余裕が残る
- 0.8以上|面が広い。上辺を眉に寄せると下端が頬へ近づく
つまり、縦横比が上がるほど、上辺と下端を同時に成立させる難しさが上がります。 0.8以上の一本を選ぶなら、上辺と下端のどちらを優先するかを先に決めておくと迷いません。
もう1つ、縦横比は横から見たときの見え方も変えます。縦の長いレンズほど、横顔でレンズの面が広く見えます。 0.5前後の横長のレンズは、横から見るとほとんど線にしか見えませんが、0.9のレンズは頬の上に面が乗っているように見えます。正面だけで決めた一本が、横から見ると印象が違うと感じるとき、たいていここが原因です。
2つの寸法のうち、先に読むのは縦横比のほうです。縦横比は写真でも実物でも同じ数字が出ますが、直線量は角度で読み違えます。 確かなほうから読むと、判定が早く決まります。
境目①|端まで直線が続くか、途中で落ちるか
直線量8割前後の一本は、見る角度で7割にも9割にも見えます。
判定は、上辺の両端を見てください。 端の最後まで直線のまま届いているなら9割以上、端の手前で下へ落ちているなら7〜8割です。落ちる長さが全幅の1割あれば、正面から見たときに角が丸く読まれます。
角が立つか丸く読まれるかで、足される線の性格が変わります。角が立つ一本は線の終わりがはっきりし、丸く読まれる一本は線が途中で溶けます。
境目②|中央だけ直線か、直線がないか
直線量2〜4割の一本も、判定が割れます。
このときは、フレームを目の高さに持って、上辺を水平にしてみてください。 中央に水平な部分が指1本ぶん(8〜10ミリ)以上あれば3割以上、指が入らなければ2割以下です。
2割以下の一本は、上辺に線が立たないので、眉の形をそのまま見せます。3割以上あれば、中央に短い線が1本残ります。
直線がまったくない一本の扱い
直線量0割の一本は、他の帯と性格が違います。
上辺に線が立たないので、フレームの上のふちが「どこで終わるか」が読みにくくなります。 読みにくいぶん、眉のほうが上辺の役をします。眉とレンズの上端の距離が、そのまま余白として見えることになります。
この性質は縁が細い一本ほど強く出ます。縁の細さや無さで決まる部分は丸メガネ・ふちなしと眉と目のあいだの距離にまとめてあります。
上辺だけを太くした形
サーモントは、上辺だけに太く濃い材を置き、下側を細い金属にするか、下のふちを省いた形です。
寸法として読むと、上辺の直線量は10割ですが、それが全周ではなく上辺だけに集中しているという点が他と違います。直線量9割のスクエアは全周に縁があるので、線が4本(上下左右)ありますが、サーモントは線が1本です。
だから、線の本数を増やしたくないときに、直線を1本だけ足す選択になります。縦横比は0.55〜0.7の帯にあることが多く、上辺の位置を眉に寄せる使い方と相性が取れます。
同じ考え方の形がもう1つあります。下辺にだけ縁を置いて、上辺を開けた形です。こちらは水平な線を目の下に1本足すので、足す位置が逆になります。上辺に線を足すか、下辺に足すか、どちらも足さないか。この3つが、縁の置き方として選べる全部です。
上辺だけ・下辺だけの形では、直線量の数え方に注意が要ります。縁のない側にはふちの線が見えないので、レンズの実際の外周ではなく、縁のある側の線だけで直線量を読んでください。 縁のない側まで含めて数えると、実際より低い割合が出ます。
名前が同じでも、実物は帯の中を動く
同じ呼び名の2本を並べて、まったく違って見えることがあります。
理由は単純で、名前は帯を指していて、点を指していないからです。上辺の直線量が4割の一本と6割の一本は、同じ名前で売られていても、足す線の量が1.5倍違います。縦横比も0.7と0.8では、面の広さがはっきり違います。
比べるときは、名前が同じかどうかではなく、2つの寸法が近いかどうかを見てください。手持ちの一本を先に測っておくと、店に持っていく基準になります。
どちらとも取れるとき①|名前が2つにまたがる
直線量5割前後の一本は、まっすぐな部分と弧の部分が半分ずつあります。名前としてはどちらにも寄せられます。
このときは、縦横比のほうを先に読んでください。 0.7を超えていれば縦に余裕のある側として、下回っていれば横に流れる側として扱えば、名前をどちらに寄せても選び方は変わりません。
名前を決めようとして時間を使わないほうが早く着地します。
どちらとも取れるとき②|写真しか手がかりがない
通販の表示名だけで、実物を見られないことがあります。
正面から撮った写真が1枚あれば、2つとも読めます。 写真の上でレンズの横幅を4等分して、上辺のまっすぐな部分が何個ぶん続くかを数えれば直線量が出ます。同じ写真で縦と横を比べれば縦横比が出ます。レンズ幅とレンズ縦の数値が並んで表示されているなら、縦を横で割るだけです。表示されている名前より、写真から読んだ2つの数値のほうが確かです。
ただし、写真には決まった読み違えがあります。正面から撮った写真では、上辺のわずかな弧が消えて直線に見えます。 直線量4割の一本が6割に見えることがあるので、判定を1割ぶん低めに読んでおくと外れません。写真の上辺に定規や紙のふちを当てて、隙間ができるかどうかを見る方法もあります。隙間ができれば弧があります。
斜めから撮られた写真は、縦横比も読み違えます。レンズが斜めを向くと横が短く写るので、縦横比が実際より高く出ます。 ブリッジが写真の中央にあり、左右のレンズが同じ大きさに写っているものだけを使ってください。左右の大きさが違う写真は、角度がついている証拠です。
よくある失敗と、その直し方
| よくある失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 名前だけで手持ちと同じだと思う | 帯の端どうしで別物になる | 2つの寸法を測って比べる |
| 左右のレンズをまたいで直線量を数える | ブリッジの分だけ割合がずれる | 片方のレンズの上辺だけで数える |
| 斜めから見て上辺を判定する | 弧が直線に見える | 目の高さで水平にして見る |
| 縦横比を左右の幅から出す | フレーム全幅とレンズ横幅を取り違える | 片方のレンズの横幅で割る |
| 名前を決めてから選ぶ | 帯の中の位置が分からないまま比べる | 寸法を先に読み、名前は後から付ける |
まとめ
- 形の名前は、上辺の直線量とレンズの縦横比という2つの寸法の帯につけられた呼び名
- 上辺の直線量は、全幅を4等分してまっすぐな部分が何個ぶん続くかで読む
- 縦横比は、片方のレンズの縦 ÷ 横。0.6未満は横長、0.8以上は円に近い
- 直線量が増えるほど、顔の上に水平な線が1本立つ。0割の一本は線を足さない
- 縦横比が上がるほど面が広くなり、上辺と下端を同時に成立させる余地が減る
- 同じ名前でも実物は帯の中を動く。比べるのは名前ではなく2つの数値
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 上辺の直線量は、どうやって数えるのですか
- フレームを机に置いて、正面から見ます。レンズの上のふちを左端から右端まで目でたどり、そのうち「まっすぐに見える部分」がどれくらい続くかを、全幅に対する割合で読みます。定規は要りません。全幅を4等分して、まっすぐな部分が何個ぶん続くかを数えれば、0割・3割・6割・9割のどれかに収まります。左右のレンズそれぞれではなく、片方のレンズの上辺で数えてください。
- Q. レンズの縦横比は、どこを測ればよいですか
- 片方のレンズの、いちばん高いところの縦の長さと、いちばん広いところの横の長さです。縦を横で割ります。定規がなければ、レンズの横幅を目で3等分して、縦がそのうち何個ぶんに当たるかを見てください。2個ぶんなら0.67、1.8個ぶんなら0.6、3個ぶんなら1.0です。この程度の精度で、帯のどこにいるかは決まります。
- Q. 同じ名前なのに、手持ちと店の一本がまったく違って見えます
- 名前は寸法の帯を指していて、点を指していないからです。たとえば同じ呼び名でも、上辺の直線量が4割の一本と6割の一本があり、縦横比も0.7と0.8の幅があります。帯の端どうしを比べると、別の名前の一本より違って見えることがあります。名前が同じかどうかではなく、2つの寸法が近いかどうかで比べてください。手持ちの一本を先に測っておくと、店で比べる基準ができます。
- Q. 名前が2つにまたがっている一本は、どちらとして扱いますか
- どちらでもなく、測った2つの数値で扱ってください。上辺の直線量が5割前後の一本は、まっすぐな部分と弧の部分が半分ずつあり、見る角度で印象が入れ替わります。この場合は縦横比のほうを先に読みます。縦横比が0.7を超えていれば縦の余裕がある側、下回っていれば横に流れる側として扱えば、名前をどちらに寄せても選び方は変わりません。
- Q. 通販の表示名しか分からないときは、どう読めばよいですか
- 正面から撮った写真が1枚あれば、2つとも読めます。写真の上でレンズの横幅を4等分して、上辺のまっすぐな部分が何個ぶん続くかを数えれば直線量が出ます。同じ写真でレンズの縦と横の長さを比べれば縦横比が出ます。表示されているレンズ幅とレンズ縦の数値が並んでいるなら、縦を横で割るだけで済みます。名前の表記より、写真から読んだ2つの数値のほうが確かです。
— メグラシ編集部





