マタニティフォーマルワンピース 秋冬|生地・裏地・袖で冬まで着る

**秋から冬にかけて行事が2つ以上あるなら、マタニティフォーマルワンピースは、透けない厚手の生地・裏地あり・肘が隠れる袖の1着を選んでください。**この3つがそろっていれば、10月の結婚式から2月の法事まで、羽織りと小物を替えるだけで通せます。
妊娠中のフォーマルは、行事ごとに1着ずつ用意すると、出番が1回で終わる服が増えます。先に秋冬の行事を並べて、いちばん寒い会場と、いちばん格の高い会の両方に届く1着を選ぶ。そのあとで、羽織りと小物で行事ごとに切り替えるのが、手持ちを増やさない選び方です。
胸の下の切替の高さや、当日の週数からの逆算はマタニティのお呼ばれドレスとフォーマルに、慶弔兼用の礼服はマタニティ礼服にまとめてあります。この記事は、その1着を秋冬に着るときの、生地・裏地・袖の話です。
結論:秋冬の1着は、生地・裏地・袖の3か所で決まる
| 見る場所 | 選ぶもの | 見分け方 | 外れたときに起きること |
|---|---|---|---|
| 生地の厚み | 透けない、ハリのあるもの | 手の甲にかぶせて窓に向け、指の形が見えない | 12月以降の会場で寒々しく見える |
| 裏地 | 膝まで裏地があるもの | タイツを履いて10歩歩き、裾が脚に張りつかない | 歩くたびに裾が脚にまとわりつく |
| 袖 | 肘が隠れる長さ | 腕を下ろして、肘の骨が袖の中にある | 羽織りを脱げなくなる |
| 色 | 紺・チャコールグレー・艶の無い黒 | 窓際と室内で色が変わって見えない | 慶弔のどちらかに出られない |
| 丈 | 座って膝下まで残る長さ | 椅子に座り、膝が隠れている | 長い式のあいだ裾を気にし続ける |
5つのうち、あとから替えが利かないのは上の3つです。色と丈は小物や羽織りで補えますが、生地の厚みと裏地と袖は、買ったあとに変えられません。
10月から2月までの行事を、先に並べる
1着で通せるかどうかは、行事の数と季節で決まります。まずは、出産予定日までに出る予定の行事を月ごとに書き出してください。
| 月 | よくある行事 | 格 | 会場の寒さ |
|---|---|---|---|
| 10月 | 結婚式・披露宴 | 高い | 暖かい |
| 10月 | 上の子の発表会・音楽会 | 中くらい | 体育館は冷える |
| 11月 | 七五三の付き添い | 中くらい | 神社の外は冷える |
| 11月 | 法事・法要 | 高い | 寺の本堂は冷える |
| 12月 | 年末の会食・親族の集まり | 中くらい | 暖かい |
| 12月 | 結婚式・披露宴 | 高い | 暖かいが、外は寒い |
| 1月 | 年始の挨拶・親族の集まり | 中くらい | 家の中は暖かい |
| 1月 | 成人式の付き添い | 中くらい | 外で待つ時間が長い |
| 2月 | 法事・法要 | 高い | 寺の本堂はいちばん冷える |
| 2月 | 上の子の入学説明会 | 低い〜中くらい | 体育館は冷える |
表は、よくある行事を並べたものです。自分の予定に合わせて、行事の名前と会場を書き換えてください。行事の招待や連絡がまだ来ていなくても、毎年ある集まりや法事の予定は、家族に聞けばたいてい分かります。
書き出したら、いちばん格が高い行事と、いちばん会場が寒い行事に印をつけます。この2つに届く1着を選べば、残りの行事にも届きます。行事が1つだけなら、その行事の月に合わせて選んでかまいません。
生地の厚み|手の甲にかぶせて、指の形が見えるか
秋冬の1着でいちばん大事なのは生地の厚みです。薄い生地は、羽織りを足しても、袖口や裾から見える布の薄さで季節がずれて見えます。
もう一つ、薄い生地は冬の室内の照明の下で、体の線を拾いやすくなります。暖房の効いた会場で羽織りを脱いだとき、布が体に沿って落ちるか、少し離れて落ちるかは、生地の厚みでほぼ決まります。
売り場での見分け方は、生地を1枚だけ手の甲にかぶせて、窓や照明に向けることです。
| 手の甲にかぶせたとき | 判定 | 向く月 |
|---|---|---|
| 指の形も肌の色も見えない | 秋冬向き | 10月〜2月 |
| 肌の色がうっすら見える | 秋向き | 10月〜11月 |
| 指の形がはっきり見える | 春夏向き | 12月以降は羽織りが外せない |
| 裏地があって、表地だけだと透ける | 裏地の長さで決まる | 裏地が膝まであれば秋冬向き |
**表地が透けていても、裏地が膝まであれば秋冬に着られます。**裏地が膝上で終わっていると、座ったときや歩いたときに、裏地の終わる線が脚に透けて見えることがあります。
生地の種類|秋冬に向くもの、向かないもの
| 生地 | 秋冬の向き | 伸び | しわ | 気をつけること |
|---|---|---|---|---|
| 厚手のジャージー | 向いている | よく伸びる | 付きにくい | 体に沿いやすいので、お腹の前に布のゆとりがあるか |
| ハリのある織りのポリエステル | 向いている | あまり伸びない | 付きにくい | 胸下の切替の位置を合わせる |
| ウールの混紡 | 向いている | 少し伸びる | 戻りやすい | 家で洗えないものが多い |
| ベロア | 向いている | よく伸びる | 付きにくい | 弔事には光沢が強すぎることがある |
| 薄いジョーゼット | 裏地があれば使える | 少し伸びる | 付きにくい | 裏地の長さを見る |
| レース | 裏地があれば使える | 伸びないものが多い | 付きにくい | 弔事には向かない |
| 綿や麻 | 向かない | 伸びない | 付きやすい | 秋冬の式では季節がずれる |
| サテン | 慶事なら使える | 伸びない | 付きやすい | 光沢があるので弔事には向かない |
秋冬の行事に弔事が入っている場合は、光沢の少ないものを選んでください。ベロアやサテンは慶事では華やかですが、法事の席では光が強く見えます。
試着室に持って行くもの
秋冬の1着は、秋に買って冬に着ることになります。売り場で試着するときは、冬の当日と同じ条件に近づけるために、次のものを持って行ってください。
| 持ち物 | 確かめること |
|---|---|
| 厚手のストッキングかタイツ | 裏地とのまとわりつき、裾の落ち方 |
| 当日に着る予定の羽織り | 袖の中に羽織りの袖が収まるか、肩が突っ張らないか |
| 当日に履く予定の靴 | 丈が靴の高さと釣り合うか |
| 薄手の長袖の肌着 | 首元や袖口から肌着がのぞかないか |
| スマートフォン | 横から撮って、お腹の前の布の落ち方を見る |
| メモ | 前と後ろの裾の高さの差を書いておく |
**試着室では、立った姿だけでなく、椅子に座った姿と、10歩歩いた姿を必ず見てください。**秋冬の行事は座っている時間が長く、会場の外と中を行き来することも多いからです。売り場の試着室に椅子がないときは、店員に頼めば用意してもらえることがほとんどです。
鏡の前で見るだけでは、横から見たときのお腹の前の布の落ち方が分かりません。横向きの姿を写真に撮って、切替から裾まで布がまっすぐ落ちているかを確かめておくと、あとで別の1着と比べるときにも役に立ちます。
裏地|タイツとまとわりつくか
秋冬は、ストッキングの代わりにタイツや厚手のストッキングを履く日が増えます。裏地のない生地は、タイツの表面に布がまとわりついて、歩くたびに裾が脚に張りつくことがあります。
| 裏地 | タイツとの相性 | 暖かさ | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 膝まである | まとわりつかない | 暖かい | 裏地の丈が表地より短すぎないか |
| 膝上で終わる | 膝から下で張りつくことがある | 中くらい | 裏地の終わる線が透けないか |
| 上半身だけ | 腰から下で張りつく | 少し暖かい | 薄いペチコートを足す |
| 無し | 張りつきやすい | 生地の厚み次第 | 厚手の生地なら問題が少ない |
**試着室にタイツを履いて行き、10歩歩いて、裾が脚から離れて落ちるかを見てください。**張りつくなら、ワンピースの下に薄いペチコートを重ねるか、裏地のある1着に替えます。
裏地にはもう一つ役目があります。表地の生地が肌に直接触れないので、厚手のウールや起毛した生地でも、ちくちくしにくくなります。妊娠中は肌の感じ方が変わったと感じる人もいるので、表地が気になるときは、裏地のある1着を選ぶと落ち着いて過ごせます。
裏地の素材は、タグで確かめられます。化繊の裏地は滑りがよく、羽織りや肌着との重なりでも引っかかりにくいので、秋冬の重ね着に向いています。
袖|肘が隠れるかで、羽織りを脱げるかが決まる
袖は、羽織りを脱いだ姿で過ごせるかどうかを決めます。会場の中で羽織りを脱ぎたいなら、ワンピースの袖だけで季節に合っている必要があります。
| 袖の長さ | 羽織りを脱げるか | 向く行事 |
|---|---|---|
| 手首まで | 脱げる | 法事・冬の結婚式・親族の集まり |
| 七分・肘下 | 脱げる | 秋の結婚式・発表会・会食 |
| 五分・肘上 | 室内が暖かければ脱げる | 10月の結婚式・会食 |
| 半袖 | 脱ぎにくい | 羽織りを着たまま過ごす日 |
| 袖なし | 脱げない | 羽織りと一揃いで着る日 |
腕を下ろしたときに、**肘の骨が袖の中に入っていれば、冬の会場でも羽織りなしで過ごせます。**肘が出る長さなら、羽織りを着たまま過ごす前提で、羽織りのほうもワンピースと同じくらい改まった素材にしてください。
弔事に出る予定があるなら、袖は肘が隠れる長さにしておくと、羽織りなしでも席に着けます。
袖の長さを見るときは、袖口の広さも一緒に確かめてください。手首までの袖でも、袖口が広く開いていると、腕を上げたときに袖が肘まで落ちて、冬の会場で寒く感じます。袖口が手首に沿う形か、ボタンで留める形なら、焼香や受付で腕を前に出しても、袖の位置が変わりません。
色|慶事にも弔事にも出るか
秋冬は、慶事と弔事が同じ季節に重なりやすい時期です。どちらにも出る可能性があるなら、色を先に決めてください。
| 色 | 慶事 | 弔事 | 合わせ方 |
|---|---|---|---|
| 艶の無い黒 | 小物で華やかさを足せば出られる | 出られる | 慶事はパールと明るい羽織り、弔事は小物も黒 |
| 紺 | 出られる | 地味な場なら出られる | 弔事では小物を黒でそろえる |
| チャコールグレー | 出られる | 法事なら出られる | 弔事では小物を黒でそろえる |
| 深い緑・深い赤 | 出られる | 出られない | 慶事と会食だけに使う |
| 明るいベージュ・淡い色 | 出られる | 出られない | 秋の結婚式と会食に使う |
**弔事に出るのがほぼ確実なら、黒を選んでください。**弔事の予定がなく、結婚式や会食が中心なら、紺かグレーのほうが、冬の会場で重く見えにくくなります。弔事の装いの細かい決まりは妊婦の喪服・マタニティ喪服にあります。
形|胸下の切替か、布を重ねる形か
秋冬の1着は、何か月か続けて着ることになります。そのあいだにお腹の前の布のゆとりは少しずつ減っていきます。形は、ゆとりを調節できるかどうかで選びます。
| 形 | 月が進んだときの調節 | 秋冬の厚手の生地との相性 |
|---|---|---|
| 胸下切替で、下に布が広がる形 | 布の広がりで吸収できる | よい |
| 前で布を重ねて結ぶ形 | 結び目の位置で調節できる | 厚手だと重なりが厚く見える |
| ストレートで、よく伸びる生地 | 生地の伸びで吸収できる | 厚手のジャージーならよい |
| 腰で切り替える形 | 調節しにくい | 向かない |
| 胸下切替で、脇にひもがある形 | ひもで調節できる | よい |
胸下切替の形は、切替の下で布が縦に落ちるので、何か月か着るあいだにお腹の前のゆとりが減っても、見た目の変化が少なくて済みます。前で布を重ねる形は、結び目で調節できるので細かく合わせられますが、厚手の生地だと重なった部分が厚く見えます。
切替の高さの細かい見方は、冒頭で挙げた記事にあります。ここで覚えておきたいのは、厚手の生地ほど、ゆとりが見た目の量として出るということです。薄い生地なら気にならない布の広がりも、厚手の生地では横から見たときの厚みになります。
丈|座って膝下まで残るか
秋冬の行事は、法事や結婚式のように座っている時間が長いものが多くなります。丈は、椅子に座ったときの長さで決めてください。
立ったときの丈は、膝のお皿の中心から下へ5〜10cmあたりがいちばん使いやすい長さです。それより短いと座ったときに膝が出やすく、それより長いと、階段や神社の石段で裾を踏みやすくなります。
座ると、お腹の前の布が持ち上がるので、前の丈が立っているときより上がります。**椅子に座って、膝のお皿が隠れたままならその丈で足ります。**膝が出るなら、ひざ掛けを持って行くか、もう少し長い丈を選びます。寺の本堂で正座や椅子に座る法事では、丈が長いほうが落ち着いて座っていられます。
月が進むと変わるところ|前の丈と袖ぐり
10月に買った1着を2月まで着るなら、月が進んだときに変わる場所を先に知っておくと、買うときの寸法の取り方が決まります。
| 変わる場所 | 起きること | 買うときの見方 |
|---|---|---|
| 前の丈 | お腹が前に出たぶん、前だけ上がる | 前と後ろの裾の高さの差を今のうちに見る |
| 胸下の切替 | 上に押し上げられる | 切替の下に布の余りがあるか |
| 袖ぐり | 胸まわりが変わって、脇がきつくなることがある | 腕を上げたとき脇が食い込まないか |
| 背中のファスナー | 閉めにくくなる | ファスナーが脇か前にある形を選ぶ |
| ウエストのひも | 結ぶ位置が変わる | ひもの長さに余りがあるか |
**前の丈は、今の時点で後ろより2cm以上上がっているなら、2月には座ったときに膝が出るかもしれません。**その場合は、今よりひとつ長い丈を選んでおきます。
前と後ろの裾の高さの差は、鏡の前で横を向き、床から前の裾までと、床から後ろの裾までを、それぞれ定規で測ると分かります。1人で測りにくいときは、家族に頼んで横から写真を撮ってもらうと、裾の線が傾いているかどうかが見えます。
月が進んだときの変わり方には個人差があります。ここで挙げたのは、買うときに寸法の余りをどこに取っておくかの目安です。気になることがあれば、健診のときに相談しながら、無理のない1着を選んでください。
羽織り|会場の外と中で1枚ずつ
秋冬の行事は、会場の外と中で寒さが大きく違います。羽織りは、外で着るものと、中で着るものを分けて考えてください。
| 場所 | 羽織り | 行事 |
|---|---|---|
| 会場の外 | 前を留めなくていいコート | どの行事でも |
| 会場の外で長く待つ | 膝が隠れる丈のコート | 七五三・成人式の付き添い |
| 暖かい会場の中 | 無し、または薄いボレロ | 結婚式・会食 |
| 冷える会場の中 | 厚手のカーディガンかジャケット | 法事・発表会 |
| 写真に写る | ワンピースと同じ格の羽織り | 結婚式・七五三 |
コートは、お腹の前で留めなくても形になるものを選ぶと、12月から2月まで同じものを使えます。前を開けて着るなら、中のワンピースと色の明るさをそろえると、コートを着たまま写真に入っても落ち着いて見えます。冬の重ね方全体は妊婦の冬コーデで詳しく扱っています。
足元とタイツ|行事の格で分ける
| 行事 | 脚 | 靴 |
|---|---|---|
| 結婚式・披露宴 | 肌色のストッキング、寒い日は厚手の肌色 | かかと3cm以下のパンプス |
| 法事・法要 | 黒の薄いストッキング | 黒の飾りのないパンプス |
| 七五三の付き添い | 厚手の肌色か、薄い黒 | 底が滑りにくい低い靴 |
| 発表会・音楽会 | 肌色か、薄い黒のタイツ | 底の平らな靴 |
| 会食・親族の集まり | タイツでもいい | 底の平らな靴 |
厚手の黒のタイツは暖かいのですが、結婚式や法事のような格の高い場では、カジュアルに見えることがあります。格の高い行事では、ストッキングの上から足元を温めるより、会場の中と外で靴下や上着を替えるほうが、見た目と寒さの両方に合います。秋冬のストッキングの厚さの選び方は20デニールのストッキングを秋冬に履き分けるが参考になります。
小物で行事を切り替える
1着を何度も着るときは、ワンピースはそのままで、小物だけを行事ごとに替えます。
| 行事 | 首元 | バッグ | 羽織り |
|---|---|---|---|
| 結婚式・披露宴 | パールのネックレス | 小さな布の手提げ | 明るい色のボレロ |
| 法事・法要 | 一連のパールか、無し | 黒の布の手提げ | 黒のカーディガン |
| 七五三の付き添い | 小さな飾りを1つ | 肩にかけられる手提げ | 膝丈のコート |
| 発表会・音楽会 | 無し | 肩にかけられる手提げ | 厚手のカーディガン |
| 年末年始の会食 | 華やかな飾り | 小さな手提げ | 明るい色の羽織り |
同じ1着を何度も着ていると、同じ人に同じ服で会うことが気になるかもしれません。けれども、行事で会う親族や知人が覚えているのは、服の形より、胸元とその上の顔まわりです。首元の飾りと羽織りの色が違えば、同じワンピースでも別の装いとして受け取られます。
妊娠中は両手が空くほうが動きやすいので、式の最中以外は肩にかけられる手提げを用意しておくと、移動の多い行事で助かります。
会場の寒さと、上着なしで過ごせる時間
会場によって、上着を脱いで過ごせる時間は大きく違います。1着を選ぶときは、いちばん寒い会場で、上着なしで何分過ごすことになるかを考えてください。
| 会場 | 上着なしで過ごす時間の目安 | ワンピースに求めること |
|---|---|---|
| ホテルの宴会場 | 2〜3時間 | 袖は五分以上なら足りる |
| 結婚式場の庭での写真 | 10〜20分 | 羽織りを持って出る |
| 寺の本堂 | 1時間以上 | 手首までの袖、裏地あり |
| 神社の境内 | 30分〜1時間 | コートを着たまま過ごす |
| 体育館 | 1〜2時間 | 厚手の生地と、カーディガン |
| 家での集まり | 数時間 | 袖は七分以上 |
寺の本堂や体育館のように、暖房が届きにくい会場が1つでも入っているなら、手首までの袖と裏地のある1着を選んでおくと、ほかの会場でも困りません。
反対に、行事がすべてホテルや暖かい家の中なら、袖は七分でも足ります。そのぶん、会場の外を歩く時間のためのコートを、膝が隠れる長さにしておくと、行き帰りも落ち着いて過ごせます。
上の子と一緒に出る行事|手を引く・しゃがむ
七五三や発表会、年末の集まりには、上の子の手を引いて出ることが多くなります。子どもの靴を直したり、上着を着せたりするたびに、しゃがむか前に屈むことになります。
| 動き | ワンピースで見る場所 | 選ぶもの |
|---|---|---|
| しゃがんで靴を直す | 裾が床に触れるか | 床に触れても汚れが目立たない濃い色 |
| 前に屈んで上着を着せる | 胸元の開き | 首元が詰まった形 |
| 手を引いて歩く | 片腕を伸ばしたときの脇 | 袖ぐりにゆとりがある形 |
| 子どもを膝に乗せて座る | 前の丈 | 座って膝下まで残る丈 |
| 抱っこをせがまれる | 胸元の飾り | 飾りが小さく、引っかからないもの |
妊娠中は、しゃがむより、片膝をついて腰を落とすほうが楽なこともあります。片膝をついたときに裾が床に広がっても困らない長さと色を選んでおくと、上の子の世話をしながらでも、行事のあいだ裾を気にせずに過ごせます。
手持ちの秋冬ワンピースで代わりになるか
妊娠前から持っている秋冬のワンピースで行事に出られる場合もあります。次の表で、4つのうち3つ以上当てはまれば、代わりになります。
| 確かめること | 当てはまる | 当てはまらない |
|---|---|---|
| 胸の下か、布の広がりでお腹の前にゆとりがある | 代わりになる | 腰の切替だと前が詰まる |
| 座って膝が隠れる | 代わりになる | 丈が足りない |
| 袖が肘まである | 代わりになる | 羽織りが外せない |
| 無地で、艶が少ない | 慶弔どちらにも出られる | 慶事だけに使う |
| ファスナーが脇か前にある | 一人で着られる | 背中のファスナーが届きにくい |
3つ以上当てはまったら、まずは手持ちで試してください。**1回目の行事で着て、座ったときや歩いたときに気になった場所が1つだけなら、2回目の行事までに小物か羽織りで補えます。**気になった場所が2つ以上あるなら、マタニティの1着を足すほうが、残りの行事を落ち着いて過ごせます。
産後にも着るなら
出産後にも、お宮参りやお食い初め、年明けの親族の集まりなど、改まった場に出る機会があります。産後にも着たいなら、前に開きがあるかを見てください。前にボタンやファスナーがあると、授乳の時期にも着られます。
前の開きの見方はマタニティ礼服で詳しく扱っています。秋冬の1着を産後にも回すなら、生地が厚手で、前に開きがあり、胸下の切替からの布が広がりすぎない形が向いています。
静電気と毛玉|秋冬の生地で起きること
秋冬は空気が乾いて、静電気が起きやすくなります。フォーマルの1着でも、生地の組み合わせによっては、裾がタイツに貼りついたり、羽織りとこすれて毛玉ができたりします。
| 起きること | 起きやすい組み合わせ | 減らし方 |
|---|---|---|
| 裾がタイツに貼りつく | 化繊の裏地と化繊のタイツ | 綿の混ざったタイツにする |
| 羽織りと袖がこすれて毛玉 | ニットの羽織りと織りの袖 | 羽織りを織りの素材にする |
| バッグの持ち手で脇に毛玉 | 厚手のジャージーと布の手提げ | 手提げを持つ側を毎回替える |
| コートを脱ぐと髪が広がる | 化繊のコートと化繊のワンピース | 会場に入る前に脱いで、少し間を置く |
| 座ったときに裾がまとわりつく | 裏地の無い生地と厚手のタイツ | 薄いペチコートを重ねる |
**一度できた毛玉は、1回の行事ではほとんど目立ちませんが、4〜5回着ると脇やお腹の前に残ります。**行事の数が多いときほど、毛玉になりにくい織りの生地を選んでおくと、最後の行事まで同じ見え方で出られます。
洗えるか・しまい方
秋冬の1着は、出番が4〜5回になることもあります。1回ごとにクリーニングに出すのは手間なので、家で洗えるかも見ておいてください。
- 洗濯表示で、手洗いか洗濯機の弱い洗い方ができるものは、行事の間隔が短くても回せる
- ハンガーに掛けて保管する場合、肩が薄い布なら幅のあるハンガーを使う
- 厚手のジャージーは、長く吊るすと伸びることがあるので、たたんでしまう
- 次の行事まで1か月以上あるなら、防虫の袋に入れておく
どちらとも取れるとき①|10月に1つ、2月に1つ
行事が10月と2月に離れているときは、2月のほうに合わせて選んでください。10月の行事は、秋冬向けの1着に薄い羽織りを合わせれば十分に届きますが、春夏向けの薄い1着で2月の行事に出るのは難しいからです。
ただし、2月には前の丈が上がっている可能性があります。10月に試着するとき、座ったときの膝の隠れ方に2〜3cmの余裕がある丈を選んでください。
どちらとも取れるとき②|暖かいホテルと、寒い寺の両方がある
結婚式はホテルで、法事は寺で、という組み合わせは秋冬によくあります。この場合は、寒い寺のほうに合わせて、手首までの袖と裏地のある1着を選びます。ホテルでは、袖を少したくし上げるか、薄い生地の羽織りを脱いで調節します。
| 会場 | ワンピースはそのまま | 変えるもの |
|---|---|---|
| ホテルの結婚式 | 手首までの袖 | 明るいボレロ、パール |
| 寺の法事 | 手首までの袖 | 黒のカーディガン、黒の小物 |
| 家での会食 | 手首までの袖 | 羽織り無し |
どちらとも取れるとき③|年末の集まりがフォーマルか分からない
親族の集まりで、フォーマルなのか普段着なのか分からないときは、フォーマルワンピースを着て、羽織りをカーディガンにしてください。ワンピースは改まった側に、羽織りはくだけた側に置くと、どちらの空気の集まりでも浮きません。
反対に、普段着のワンピースに改まったジャケットを重ねる組み方は、改まった集まりではワンピースの軽さが目立ち、普段着の集まりではジャケットが硬く見えます。迷ったときは、下に着るものの格を上げるほうが、着いてからの調節が利きます。
着いてみて、みんなが普段着なら、カーディガンを着たまま過ごします。改まった集まりなら、カーディガンを脱いでワンピースだけにします。
よくある行き違い
**「マタニティのフォーマルは短い期間しか着ないから、薄手の1着で十分」。**秋冬の行事は、会場の寒さで見た目の季節が決まります。薄手の1着は、12月以降に羽織りを脱げなくなり、結局は羽織りを買い足すことになります。
**「黒を選べば、どの行事にも出られる」。**黒は弔事には必要ですが、結婚式や七五三では、小物で華やかさを足さないと重く見えます。弔事の予定がないなら、紺かグレーのほうが使いやすいこともあります。
**「厚手の生地は、お腹が大きく見える」。**厚手でも、胸下の切替から布が縦に落ちる形なら、横から見たときの厚みは抑えられます。気になるのは、腰で切り替える形や、布を何枚も重ねる形のほうです。
装いに活かすなら
秋冬のマタニティフォーマルは、行事を並べるところから始まります。月ごとに書き出して、いちばん寒い会場といちばん格の高い会に印をつけてください。その2つに届く1着が決まれば、残りは羽織りと小物の組み合わせで足ります。
売り場では、形や色より先に、生地を手の甲にかぶせて透けを見て、裏地の長さを確かめ、腕を下ろして肘が袖の中にあるかを見てください。この3つを通った1着の中から、形と色を選べば、10月に買った1着を2月の行事まで持たせられます。
行事の数が2つ以下なら、無理に1着で通さず、手持ちのワンピースと羽織りで乗り切る方法もあります。その場合も、生地・裏地・袖の3か所を同じように見れば、どの行事に手持ちで出られるかが分かります。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. マタニティフォーマルワンピースは、秋冬用と春夏用で分けるべきですか
- 妊娠中に行事が続くのが秋から冬にかけてなら、秋冬向けの1着を選んでください。春夏向けの薄い生地は、12月以降の寒い会場では、羽織りを足しても生地の薄さが見た目に出ます。反対に、秋冬向けの1着は、10月の暖かい日でも袖と羽織りで調節できます。春から夏にかけても行事がある場合は、季節をまたいで2着に分けるより、秋冬向けの1着と、夏に着る羽織りを分けるほうが無駄がありません。
- Q. 裏地のないマタニティワンピースでも冬に着られますか
- 着られますが、タイツとの相性を先に試してください。裏地のない生地は、厚手のタイツに布がまとわりついて、歩くたびに裾が脚に張りつくことがあります。試着室でタイツを履いた状態で10歩歩き、裾が脚から離れて落ちるなら問題ありません。張りつく場合は、ワンピースの下に薄いペチコートを1枚重ねると、ほとんど気にならなくなります。
- Q. 袖なしのマタニティワンピースに羽織りを足せば、冬の式に出られますか
- 出られますが、羽織りを脱げない前提で選んでください。冬の式場は暖房が効いていても、袖なしのまま過ごすと、写真の中で季節から浮いて見えます。羽織りを式のあいだずっと着ているなら、羽織りのほうをワンピースと同じくらい改まった素材にします。脱いだり着たりを繰り返したくないなら、最初から肘が隠れる袖のある1着を選ぶほうが楽です。
- Q. 法事にも結婚式にも出るなら、何色を選べばいいですか
- 紺かチャコールグレー、または艶の無い黒です。紺とグレーは、慶事では明るい小物を、弔事では黒の小物を合わせれば両方に出られます。黒を選ぶ場合は、弔事では小物も黒でそろえ、慶事ではパールや明るい羽織りで華やかさを足します。弔事に出るのがほぼ確実なら、黒を1着目にしたほうが迷いません。
— メグラシ編集部





