20デニールのストッキングを秋冬に履き分ける|1枚で出す日と、下に重ねる日の違いは、靴の中に残る余りで決まる

秋になると、20デニールだけ行き場がなくなる
夏のあいだは1枚で履けていた。けれど気温が下がってくると20デニールは薄すぎるように思えて、手は40や60のほうへ伸びます。そのまま引き出しの奥に残る。
ただ、20デニールが秋冬に向かなくなったわけではありません。役割が変わっただけです。夏は「1枚で履くもの」でしたが、秋冬は「層の内側に入れるもの」になります。
ここを分けずに「薄いから寒い」で片づけると、一年のうち3か月しか使わない数字になってしまいます。
結論:秋冬の20デニールは、2通りの使い方に分かれる
| 使い方 | 外から見えるもの | 向いている日 | 決め手 |
|---|---|---|---|
| 1枚で出す | 20デニールそのもの | 室内が長い日、改まった場 | 脚がどう見えるか |
| 下に重ねる | 上に履いたものだけ | 屋外が長い日 | 靴の中に余りが残るか |
見るところが、使い方によって入れ替わります。1枚で出す日は、いつもどおり透け方と色の話です。下に重ねる日は、透け方をいっさい見ません。 見えないからです。代わりに見るのが、靴の中と、回るかどうかの2つになります。
この切り替えができていないまま重ねると、透け方の基準で数字を選ぶことになり、厚すぎるものを内側に入れて靴に入らなくなります。
なぜ内側に入れるのが20デニールなのか
理由は暖かさではなく、厚みが少ないことです。
20デニールの生地は、片面でおよそ0.2〜0.3mm。ただし足は生地に包まれるので、甲側とその裏で往復します。片脚あたり、靴の中で増えるのは0.5mm前後と見ておくと外しません。
これが40や60になると、往復で1mmを超えてきます。上に重ねるほうも同じだけ厚みを持つので、合計では靴の中の余りをはっきり食います。上に何を重ねても靴が同じままでいられる数字が、薄い帯の下のほうにしかない。だから20デニールが内側に回ります。
もうひとつは表面です。20デニールは目が細かく、表面が滑ります。上に重ねるものが引っかからずに通るので、履くときに手間が増えません。
靴の中の余りは、履いてから確かめる
重ねると決めたら、家を出る前に靴で確かめてください。数字の計算より早く、確実です。
- 重ねた状態のまま、いつもの靴に足を入れる
- かかとを靴の後ろにしっかり合わせる
- 甲の上で、指が1本ぶん入る余りが残っているかを見る
- ブーツなら、ファスナーが最後まで上がるかも一緒に見る
指1本が入らないなら、その組み合わせはその靴では無理です。靴を替えるか、重ねる側を膝下だけにしてください。
靴の中がいっぱいのまま一日過ごすと、暖かくするつもりが逆に足先が冷たく感じられることがあります。 厚みを足す場所は、靴の中ではなく靴の外――つまり膝から下でも靴に入らない範囲が向いています。
ブーツの日は特に見てください。足首から上に余裕があるように見えても、甲のあたりの余りは意外に少ないことがあります。
1枚で出す日は、秋の光のほうが変わっている
重ねない日の話もしておきます。同じ20デニールが、夏と秋で違って見えるという声はよく聞きますが、変わっているのは生地ではなく光のほうです。
秋以降は日が低くなり、屋外の光が脚に斜めから入ります。真上から当たっていた夏は面が均一に明るく見えましたが、斜めから入ると、ふくらはぎの丸みの上側だけが明るく、下側に影が残ります。薄いものほど下の肌の色が透けるので、明暗の差もそのまま出ます。
もうひとつは室内です。秋冬は室内で過ごす時間が長くなり、照明の下で見る機会が増えます。照明は真上から当たるので、屋外とは逆に面が平らに見えます。朝に屋外で見た脚と、日中に室内で見た脚が違うのは、この差です。
対処は難しくありません。1枚で出すと決めた日は、出かける前の確認を窓から入る自然光の側ですること。室内の照明の下だけで見て決めると、外に出たときに想定より濃く見えます。
重ねる順番は、薄いほうが内側
当たり前に思えますが、逆にしている方が意外にいます。厚手を先に履いて、その上に薄いものを重ねる形です。
順番を逆にすると、2つ起きます。ひとつは、外側に来た薄いほうが内側の厚手の編み目を拾って、表面がでこぼこに見えること。もうひとつは、外側の薄いほうが先に傷むことです。靴と擦れる面、椅子に当たる面が、いちばん薄い一枚になります。
薄いほうを内側、厚いほうを外側。 この順番だけは動かさないでください。例外は、膝下だけ重ねる場合の上端の処理くらいです。
二重にすると、内側だけが回る
重ね履きでいちばん起きるのがこれです。朝はきれいに履けていたのに、昼には内側のつま先が横を向いている。
原因は簡単で、二枚とも表面が滑るからです。歩くたびに外側と内側が別々に動き、内側だけが少しずつ回ります。脚の形に沿って上へ上へと戻る力が働くので、回りながら上がります。
止め方は2つあります。
ウエストの位置を上下でずらす。 内側の20デニールを高めに置き、外側をそれより1.5cm以上低い位置に置きます。上下で押さえ合う形になるので、内側が単独で回りにくくなります。同じ高さに揃えると、二枚が一体の筒になって全体で回ります。
つま先の縫い目を先に揃える。 履くときに、内側のつま先の線を指で足の甲側へ向けてから、外側を通します。最初にずれていると、日中にその角度のまま回り続けます。朝の30秒で、夕方の直しが要らなくなります。
膝下だけ厚くする、という分け方
全体を二重にすると靴に入らない。でも屋外は長い。この日に使えるのが、厚みの置き場所を分けるやり方です。
20デニールを全体に履いて、その上から膝下丈のものだけを重ねます。靴の中で増える厚みは変わりませんが、太ももから膝までは一枚のままなので、スカートの中で布が余りません。
丈の合わせ方だけ注意してください。重ねるほうの上端が、スカートの裾より5cm以上内側に入る位置に置きます。座ると裾が上がるので、立った状態でぴったりだと座った瞬間に境目が出ます。
膝の上あたりに段ができるので、丈が膝にかかるスカートの日には向きません。この組み合わせが成立するのは、膝が隠れる丈のときだけです。
パンツの日にも、内側の一枚は効く
スカートの話に見えますが、パンツの下でも同じことが起きます。
秋冬のパンツは生地が厚く、裏地がないものだと脚に直接当たります。歩くたびに布が肌の上を行き来して、裾がまとわりついたり、膝の裏でたるんだりする。20デニールを一枚挟むと、布が滑る面の上を通るので、動きが脚から一段離れます。
ここでも見るのは靴の中です。パンツの日は靴下も履くことが多いので、20デニール+靴下+靴の合計で余りを確かめてください。靴下が厚い日は、内側の一枚を外すほうが結果的に足が楽になります。
9月から12月へ、置き場所が外から内へ移る
季節ごとの使い方をまとめると、こうなります。
| 時期 | 20デニールの置き場所 | 上に重ねるもの |
|---|---|---|
| 9月 | 外(1枚で出す) | なし |
| 10月 | 外と内が半々 | 日によって膝下だけ |
| 11月 | ほぼ内 | 厚手を全体に、または膝下 |
| 12月以降 | 内。1枚で出すのは室内の長い日と改まった場だけ | 厚手を全体に |
数字を買い替えていくのではなく、同じ数字の置き場所が外から内へ移る。 そう考えると、秋の入り口に買った一枚が冬まで使えます。
改まった場では、12月でも1枚で出す側に戻ります。暖かさより場の決まりが先に立つ場面では、薄い側が選ばれるからです。その日は屋外にいる時間を短くする側で調整してください。
内側に回した一枚は、傷み方が変わる
外から見えない場所に入ると、扱いが雑になりがちですが、傷み方はむしろ増えます。二枚が擦れ合うので、膝と足首の目が先に広がります。
洗うときは、上に履いたものと分けてください。厚みの違うものを一緒に洗うと、薄いほうが厚いほうに引かれて伸びます。手で押し洗いして、絞らずに水を切り、平らに干す。この3つだけで、内側に回してからの持ちがかなり変わります。
つま先とかかとは、履くときに指が触れた場所から広がります。たぐってから足を入れる手順は、内側に回した一枚でも同じです。
つまずきやすいところ
| やりがちなこと | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 重ねる日も透け方で数字を選ぶ | 内側が厚すぎて靴に入らない | 見えない側は厚みだけで選ぶ |
| ウエストを上下で揃える | 二枚が一体の筒になって全体で回る | 外側を1.5cm以上低くする |
| 膝丈のスカートに膝下を重ねる | 膝の上に段が出る | 膝が隠れる丈の日だけにする |
| 室内の照明だけで見て出る | 屋外で想定より濃く見える | 窓ぎわの自然光で確かめる |
| 上下を一緒に洗う | 薄いほうが引かれて伸びる | 厚みごとに分けて押し洗い |
まとめ
- 秋冬の20デニールは1枚で履く数字ではなく、層の内側に入れる数字として使う
- 内側に向くのは薄さが理由。片脚あたり靴の中で増えるのは0.5mm前後に収まる
- 重ねる日は透け方を見ない。見るのは靴の中の余りと、内側が回らないかの2つ
- 靴に足を入れ、かかとを合わせてから甲に指1本の余りが残るかを確かめる
- 内側が回るのはウエストを同じ高さに置いているから。上下で1.5cm以上ずらす
- 靴に入らない日は、膝下だけ重ねて厚みの置き場所を分ける
- 9月は外、11月以降はほぼ内。同じ一枚の置き場所が季節で移っていく
よくある問い
- Q. 20デニールは秋冬に薄すぎませんか
- 1枚で屋外に長くいる日なら薄すぎます。ただし秋冬の20デニールは、1枚で履くためのものではなく層の内側に入れるためのものと考えると使い道が残ります。上に厚手を重ねたとき、外から見えるのは上に履いたほうだけで、20デニールは見えません。見えないものに求めるのは透け方ではなく、厚みの少なさです。20デニールは薄い帯の中でも、上に一枚重ねても靴の中がいっぱいにならない数少ない数字になります。
- Q. 重ねるとき、靴はいつもと同じもので大丈夫ですか
- 確かめてから決めてください。20デニールの生地は片面でおよそ0.2〜0.3mmですが、足は生地に包まれるので甲とその裏で倍になります。上に厚手を重ねると合計はさらに増えます。いつもの靴に重ねた状態で足を入れ、かかとを合わせてから、甲の上に指1本ぶんの余りが残るかを見てください。残らないなら靴を替えるか、重ねる側を膝下だけにします。靴の中がいっぱいだと、暖かくするつもりで冷えることがあります。
- Q. 二重に履くと内側がねじれてしまいます
- 二枚の表面がどちらも滑るので、歩くたびに内側だけが回るからです。止め方は丈ではなくウエストの位置です。内側の20デニールを高め、外側を1.5cm以上低い位置に置くと、上下で押さえ合って回りにくくなります。もうひとつは、つま先の縫い目を先に揃えること。履くときに内側のつま先の線を指で足の甲側へ向けてから外側を通すと、日中にずれる量が減ります。朝の30秒で、夕方の直しが要らなくなります。
- Q. 膝下だけ重ねるやり方は、外から分かりませんか
- スカートやワンピースの丈が膝より長ければ、外から見えるのはふくらはぎから下だけなので、そこに厚みを集中させれば足ります。20デニールを全体に履いて、その上から膝下丈のものを重ねる形です。段が出るのは膝の上あたりなので、丈が膝にかかると境目が見えます。丈の差は、重ねるほうの上端がスカートの裾より5cm以上内側に入る位置にしてください。座ったときに裾が上がる分を見込む必要があります。
- Q. 9月から12月にかけて、20デニールの使い方はどう変わりますか
- 9月は1枚で履く側です。夜だけ脚に何か通っていればよい時期なので、20デニールがそのまま主役になります。10月に入ると日中と夜で必要量が分かれ、1枚で出す日と下に重ねる日が半々になります。11月から12月は、屋外の連続時間が長い日はほぼ内側へ回り、1枚で出すのは室内が長い日と改まった場だけになります。数字を買い替えるのではなく、同じ数字の置き場所が外から内へ移る、と考えると分かりやすいです。
— メグラシ編集部





