レインブーツの合わせ方|秋冬は裾を入れるか出すか、筒の高さで決める

**玄関にあるレインブーツを、いま1足だけ手に取ってください。**床からいちばん上の口まで、何cmありますか。
レインブーツに何を合わせればいいかは、その数字でおおむね決まります。服の色や形を考えるのは、そのあとで十分です。雨の日の朝に迷う時間が長いのは、パンツの裾を中に入れるのか、外に出して被せるのかが毎回決まっていないからです。決まっていないので、鏡の前で一度入れて、気に入らなくて出して、また入れてという往復が起きます。
この記事では、筒の高さと筒の口の周囲という、自分のブーツで測れる2つの数字から、パンツ・スカート・コートの組み方を順に決めていきます。秋冬の雨は冷たく、上に着るものが厚くなるぶん、足元とのつり合いが夏より崩れやすい季節です。その調整まで含めて書きます。
靴そのものの選び方は雨の日の靴 女性|秋雨の通勤は、濡れて歩く分数と職場の床で選ぶに、寒さの対策はレインブーツが寒い|秋冬の雨は、冷える場所で靴下と中敷きを選ぶにまとめています。ここでは、すでに持っている1足に服をどう合わせるかだけを扱います。
結論:筒の高さで、入れるか出すかの大半が決まる
最初に答えを置きます。
| 筒の高さ(床から口まで) | 裾の基本 | 合わせやすい服 |
|---|---|---|
| 15cmより低い | 入れない。浮かせるか、少し被せる | 足首が見える丈のパンツ、膝下丈のスカート |
| 15〜25cm | パンツの太さで分ける | 細いパンツは入れる。太いパンツは被せる |
| 25cmより高い | 入れる。またはスカートで筒を見せる | 細身のパンツ、膝丈前後のスカート |
**この表で決まらないのは、真ん中の段に、太くも細くもないパンツを合わせるときだけです。**その場合の決め方は、あとの節で厚めに書きます。
なぜ筒の高さで決まるかというと、裾を入れたときにブーツの中に収まる布の量と、外に出したときに筒にかかる布の量が、筒の高さでほぼ決まるからです。低い筒にパンツを入れると、布の大半が筒の口の上でたまり、くるぶしの上にこぶができます。高い筒にパンツを被せると、ふくらはぎのあたりで裾が筒の上に引っかかり、裾が浮いて中途半端な丈に見えます。どちらも、服が悪いのではなく、筒の高さと裾の扱いが合っていないだけです。
まず手元の1足を2か所測る
測るのは、筒の高さと、筒の口の周囲の2つです。
筒の高さは、ブーツを平らな床に立てて、床から筒の口のいちばん高いところまでを測ります。かかと側と前側で高さが違う形もあるので、その場合は低いほうを使ってください。裾がかかるのは低いほうだからです。
筒の口の周囲は、口を平らにつぶして、端から端までの幅を測り、2倍します。ゴムは伸びないので、この数字がそのままパンツの裾が入るかどうかの上限になります。口の幅が12cmなら周囲は24cm、14cmなら28cmです。
もう1つ、測らなくても見ておきたいのが、筒の口が足首側にどれくらい寄っているかです。前から見て、口のふちと自分のすねのあいだに指が何本入るか。指2本以上入るなら、パンツを入れたときに布が逃げる余地があり、こぶができにくくなります。指1本しか入らない細い筒は、パンツを入れるとすぐに口でたまります。
この3つは、一度測れば靴が替わるまで変わりません。メモしておけば、次からは服を手に取った時点で入れるか出すかが決まります。
手持ちのパンツについても、同じように裾まわりを一度だけ測っておくと便利です。よく履くパンツを3〜4本並べて、それぞれの裾の幅を測り、2倍した数字をメモしておきます。ブーツの口の周囲と並べると、どのパンツが入れる側で、どのパンツが被せる側かが、朝に迷う前に分かれます。測るのが面倒なら、パンツの裾をブーツの口に軽く当ててみるだけでもかまいません。口の中に裾がすっと収まるなら入れる側、口のふちに布が乗って余るなら被せる側です。
ブーツを2足以上持っている人は、筒の高さの違う2足を持っていると、組める服の幅が広がります。ショート丈と中くらいの筒の組み合わせなら、パンツの太さを問わず、ほとんどの手持ちの服に対応できます。
低い筒(15cmより低い):裾は入れずに、浮かせるか被せる
くるぶしが隠れる程度のショート丈は、秋冬の通勤でいちばん出番の多い形です。脱ぎ履きが楽で、電車の中で脚が蒸れにくいからです。
この高さでは、パンツの裾を中に入れる組み方はほぼ成り立ちません。入れても布が筒の中に数cmしか入らず、残りが口の上でたまるからです。ここでの選択肢は2つです。
1つは、裾を筒の口より上で止めて、ブーツとのあいだに少しすき間をつくる組み方です。くるぶし丈のパンツや、足首が見えるワイドパンツがこれにあたります。すき間は2〜4cmで十分です。靴下の色を筒かパンツのどちらかに合わせておくと、すき間が一続きに見えて脚が短く分かれません。
もう1つは、裾をブーツに少し被せる組み方です。床から裾までが3〜5cmになる丈のワイドパンツやストレートパンツなら、裾が筒の口を隠して、ブーツの甲だけが見えます。雨の日に裾が濡れるのを気にする人も多いと思いますが、被せる量を筒の口が隠れる程度にとどめれば、水たまりを踏んでも裾の濡れは端の数cmで済みます。
避けたいのは、脚に沿う細いパンツを、裾を折らずにそのまま合わせることです。裾が筒の口にちょうど乗り、くるぶしのあたりに布の段ができます。細いパンツを合わせたい日は、裾を一回折って足首の骨の上で止め、筒の口とのあいだにすき間をつくってください。
中くらいの筒(15〜25cm):パンツの裾まわりで分ける
ふくらはぎの下のほうまでくる中くらいの筒は、入れるか出すかがいちばん分かれる高さです。ここでは、パンツの裾まわりと、筒の口の周囲を比べます。
パンツの裾まわりは、裾を平らに置いて幅を測り、2倍します。筒の口の周囲より裾まわりのほうが細ければ、入れる組み方が成り立ちます。裾まわりのほうが太ければ、外に出して被せる組み方になります。
たとえば筒の口の周囲が28cmのブーツに、裾まわり26cmのテーパードパンツなら入れられます。同じブーツに裾まわり40cmのワイドパンツなら、入れようとしても口に入りきらず、無理に押し込むと筒の上で布がふくらんで脚が太く見えます。
入れる組み方をするときは、裾をそのまま入れずに、足首のところで一度だけ布を後ろ側に送り、ふくらはぎに沿わせてから筒に入れてください。前側に布が余っていると、膝を曲げたときに筒の口の前でたるみが出ます。後ろに送っておけば、たるみはふくらはぎ側に逃げて、正面からは見えにくくなります。
被せる組み方をするときは、裾がブーツの甲のどこまで来るかを見ます。甲の半分くらいまでかかれば、筒の口はほぼ隠れて、ブーツの存在感がやわらぎます。甲の先まで隠れるほど長いと、雨で濡れた裾が地面に触れるので、少し短めを選んでください。
高い筒(25cmより高い):入れるか、スカートで筒を見せる
膝下まで届くロング丈は、雨の多い地域や、駅から職場まで歩く時間が長い人が選ぶ形です。
この高さは、パンツを被せる組み方には向きません。パンツの裾が筒の途中で引っかかり、ふくらはぎのあたりで布がたわむからです。ワイドパンツをどうしても合わせたいなら、裾が床すれすれになる長さのものを選び、筒の口が隠れきるところまで落とす必要があります。ただし、その長さだと裾は雨で確実に濡れます。
ロング丈でいちばん組みやすいのは、細身のパンツを中に入れる組み方です。中くらいの筒と同じく、裾を後ろに送ってから入れます。筒が高いぶん、布が筒の中で落ち着きやすく、こぶはほとんど出ません。
もう1つは、スカートかワンピースで筒そのものを見せる組み方です。筒が高いと脚の大半がブーツで覆われるので、スカートの裾と筒の口のすき間がつり合いを決めます。これは次の節で詳しく書きます。
スカートとワンピース:筒の口と裾のすき間で決める
スカートにレインブーツを合わせるときに見るのは、スカートの裾とブーツの筒の口のすき間です。
すき間は、指をそろえて当てて測ると早くわかります。指4本ぶん、だいたい7cm以上あいているなら、脚がはっきり見えて、ブーツとスカートが別々のものとして収まります。指1〜2本ぶんの3cm前後しかあいていないと、すき間が細い帯のように目立ち、そこに視線が集まります。
この中途半端なすき間を避けるには、2つの方向があります。スカートを短くしてすき間を広げるか、スカートを長くして裾を筒の口にかぶせ、すき間を消すかです。秋冬の雨の日は脚が冷えやすいので、多くの場合は後者のほうが楽です。裾が筒の口に2〜3cmかかる長さのスカートなら、歩いても口が見え隠れするくらいで収まります。
すき間を広げる側に振るなら、タイツの色を筒かスカートのどちらかに寄せてください。黒いブーツに黒いタイツなら、脚が一続きに見えて、すき間が帯として浮きません。濃い色のブーツに肌色に近いタイツを合わせると、すき間がはっきり区切られ、ブーツがより重く見えます。
ワンピースの場合も考え方は同じです。ただし、ワンピースは上下がつながっているぶん、裾の高さを変えにくい服です。ベルトで少しブラウジングして裾を2〜3cm上げる、あるいはベルトを外して裾を落とす、という調整で、すき間を目的の幅に寄せてください。
どちらとも取れるとき① 太くも細くもないパンツ
ここからは、表だけでは決まらない場合です。いちばん多いのが、中くらいの筒に、ストレートやゆるめのテーパードのような、太くも細くもないパンツを合わせるときです。
この場合は、一度パンツを中に入れて、膝を深く曲げてみてください。椅子に座るくらいまで曲げて、筒の口のあたりを見ます。口の上にパンツの布がこぶのようにたまり、立ち上がってもすぐには戻らないなら、入れる組み方には向いていません。外に出して被せてください。こぶができても、立ち上がったときに自然に落ちて筒の中に収まるなら、入れる組み方で大丈夫です。
膝を曲げて確かめる理由は、雨の日は座る場面が多いからです。電車、職場の椅子、カフェ。立っている鏡の前ではきれいに収まっていても、座るたびに口でこぶができると、1日のうちに何度も直すことになります。
もう1つの手がかりは、パンツの生地の厚さです。同じ太さでも、薄手で落ち感のある生地は筒の中で細くまとまるので入れやすく、厚手のウールやコーデュロイは筒の中でかさばるので被せるほうが向いています。秋冬はパンツの生地が厚くなるので、夏に入れていたのと同じ形のパンツでも、冬物は被せる側に回ることがあります。
それでも迷うときは、外に出して被せる側を選んでください。被せる組み方は、脱いだときに裾が乱れず、座ったときにもこぶが出ません。失敗したときの困り方が小さいのは、こちらです。
どちらとも取れるとき② 入れるとふくらはぎがきつい
パンツの裾まわりは筒の口より細いのに、入れてみるとふくらはぎのあたりで筒がきつい、ということがあります。筒の口は広くても、筒の途中がしぼられている形のブーツでよく起きます。
この場合、無理に入れ続けると、歩くたびにパンツの布が筒の内側でこすれて、膝裏に向かってずり上がってきます。夕方には膝の上でしわがたまり、パンツがひと回り短くなったように見えます。
選択肢は3つです。
1つめは、パンツを入れるのをやめて、裾を一度折って足首の上で止め、筒の上に浮かせることです。中くらいの筒でも、裾を浮かせる組み方は成り立ちます。筒の口とパンツの裾のあいだに、ブーツの色に近い靴下が少し見えるくらいなら、まとまって見えます。
2つめは、パンツをもっと薄手のものに替えることです。ふくらはぎでのきつさは、筒の形よりも、パンツの生地の厚みで決まることが多いからです。
3つめは、パンツを避けて、スカートを合わせることです。ふくらはぎがきつい筒は、裏を返すと脚に沿う形でもあるので、スカートのすき間を見せる組み方ではすっきり見えます。
どれを選ぶかは、その日に歩く距離で決めてください。駅まで10分以上歩く日は、1つめか3つめにして、筒の中で布がこすれる時間を減らします。
どちらとも取れるとき③ 職場で履き替える日
レインブーツを職場で脱いで、別の靴に履き替える人は多いと思います。この場合、ブーツに合う組み方と、履き替えたあとの靴に合う組み方が違うことがあります。
基本は、履き替えたあとの靴に合わせて服を選び、ブーツはそれに寄せるほうが楽です。職場にいる時間のほうが長いからです。
具体的には、裾を外に出して被せる組み方を選んでください。被せる組み方なら、ブーツを脱いだあとも裾はそのまま落ち、パンプスやローファーに履き替えても丈が変わりません。入れる組み方だと、脱いだときに裾にしわと折れ癖が残り、職場で裾を伸ばす手間がかかります。
どうしても細身のパンツを入れて行きたい日は、裾を入れる前に、靴下の上から一度だけ裾を足首側に折っておいてください。脱いだあとに折りを戻せば、しわは浅く済みます。また、職場に着いたら最初に裾を手で2〜3回なでて伸ばしておくと、午前中のうちにほぼ戻ります。
スカートの日は、履き替えても丈は変わりません。ただし、履き替えた靴が低いと、ブーツのときと違ってすき間の見え方が変わります。ブーツで指4本ぶんあけていたすき間は、パンプスに履き替えると脚の大部分が見えるようになるので、タイツの色だけ確かめておけば十分です。
秋冬の上着と筒の高さのつり合い
秋冬の雨の日は、上にコートやレインコートを着ます。上着の丈と、ブーツの筒の高さの組み合わせで、全身のつり合いが変わります。
見るのは、上着の裾と、ブーツの筒の口のあいだに見えている脚やパンツの長さです。この長さが、上着の丈と筒の高さで決まります。
ひざ下まである長いコートに、ロング丈のブーツを合わせると、脚がほとんど見えなくなり、全身が上着とブーツの2つの塊に見えます。重さが出やすいので、コートの前を開けて縦に線をつくるか、ブーツをショート丈にして脚の見える部分を増やしてください。
腰までの短い上着に、ショート丈のブーツを合わせると、脚の見える部分が長くなり、軽く見えます。ただし、秋冬の冷たい雨の日にはこの組み方は寒くなりがちです。パンツを厚手にするか、タイツを重ねて調整します。
中くらいの丈のコートには、中くらいの筒がいちばん組みやすいです。上着の裾から筒の口まで、だいたい脚の長さの3分の1くらいが見えていると、上下が自然に分かれます。
レインコートを中に何を着るかで選ぶ考え方はレインコートの選び方 冬|中に着る1枚と、蒸れの抜け道で選ぶにまとめています。
色と質感:ゴムの艶と服の艶をそろえる
レインブーツは、ほかの靴より表面の艶が強いものが多い靴です。この艶が、服とのつり合いに影響します。
艶のあるブーツには、少し光沢のある服や、張りのある服が合います。撥水加工のコート、ナイロンのブルゾン、光沢のあるパンツ。艶の段がそろうと、ブーツだけが浮いて見えません。
逆に、起毛したウールやモヘアのような、光をほとんど返さない素材の服と合わせると、ブーツの艶が目立ちます。冬の服は起毛素材が多いので、雨の日にこの組み合わせになりやすいはずです。その場合は、コートかバッグのどちらかに、少し艶のあるものを1つ入れてください。艶の段がブーツだけでなくなり、浮きがやわらぎます。
マットな仕上げのブーツなら、この心配はほとんどありません。起毛素材とも組みやすく、秋冬の服にはむしろこちらのほうが合わせやすいくらいです。
色は、黒・紺・こげ茶のような濃い色なら、ほとんどの服に合います。明るい色やはっきりした色のブーツは、服のどこか1か所でその色を拾ってください。バッグ、傘、マフラーのどれかでかまいません。拾う場所がないと、ブーツの色だけが離れて見えます。
傘も、色と質感の合わせ先として使えます。雨の日は、傘が上半身の大部分を覆うので、人から見たときの面積は思っている以上に大きくなります。ブーツと傘の色をそろえると、上と下に同じ色が置かれて、あいだの服が何色でも全身がまとまって見えます。黒いブーツに黒い傘、紺のブーツに紺の傘のように、同じ色を上下に置くのがいちばん簡単です。明るい色のブーツを履く日は、傘を同じ色にするより、服のどこかで拾ったほうが落ち着きます。上下の両端に明るい色が来ると、全身の外枠だけが目立つからです。
靴下も、合わせ方の一部です。被せる組み方なら靴下は見えませんが、裾を浮かせる組み方では、ブーツとパンツのあいだに靴下が数cm見えます。この数cmの色で、脚がつながって見えるか、そこで区切られて見えるかが変わります。基本は、ブーツかパンツのどちらかと同じ色にすることです。どちらとも違う色の靴下を見せたいなら、その色を上半身のどこかでもう一度使ってください。1か所だけの色は浮きますが、2か所に置くと意図して選んだ色に見えます。
柄の服とレインブーツの組み合わせも、秋冬には多くなります。チェックのスカートや柄のパンツを合わせるときは、柄の中でいちばん暗い色とブーツの色をそろえると、柄とブーツが自然につながります。柄の中にブーツと同じ色がない場合は、ブーツを黒か紺のような、どの柄とも喧嘩しない色にしておくと、組める服の幅が広がります。
雨の分数と歩く道で、組み方を変える
同じブーツと同じ服でも、その日に外を歩く時間と、歩く道で、選ぶ組み方を変えたほうがいい日があります。
外を歩く時間が10分以内で、ほとんどが屋根のある道なら、被せる組み方で十分です。裾が濡れるのは端の数cmだけで、職場に着くころには乾き始めます。
外を歩く時間が20分を超える日や、水たまりの多い道を通る日は、入れる組み方か、スカートの日に向いています。被せた裾は、長く歩くほど水を吸って重くなり、ふくらはぎに張りついて冷えます。入れる組み方なら、裾はブーツの中で守られます。
風が強い日は、上着の丈にも気をつけてください。長いコートは風で裾がまくれ、ブーツとパンツのあいだから雨が入りやすくなります。この日は短めの上着にして、パンツを入れる組み方にすると、足元に水が入りにくくなります。
雨が上がったあとに出かける予定がある日は、被せる組み方が便利です。ブーツを脱ぐ機会がなくても、被せた裾ならブーツの存在感が抑えられるので、雨が止んだ街でもあまり違和感がありません。
筒の口から雨を入れない合わせ方
レインブーツを履いていても、夕方に靴下が湿っていることがあります。靴底や縫い目から水が入ることもありますが、雨の日の街歩きでいちばん多いのは、筒の口から入る水です。この入り方は、服の合わせ方でかなり防げます。
筒の口から水が入る道すじは2つあります。1つは、パンツやスカートを伝って落ちてきた雨水が、そのまま筒の口に流れ込む道すじです。もう1つは、水たまりを踏んだときに跳ね上がった水が、口の内側に入る道すじです。
1つめの道すじは、裾を入れる組み方で起きやすくなります。パンツの表面を伝って落ちた水は、筒の口のところで布から離れ、ブーツの内側に落ちます。とくに撥水していない綿やウールのパンツは、水を吸って重くなり、吸った水が少しずつ筒の中に染みていきます。入れる組み方の日は、パンツの膝から下だけでも撥水する生地を選ぶか、上着の丈を長めにして、パンツに当たる雨の量を減らしてください。
2つめの道すじは、被せる組み方で防げます。パンツの裾が筒の口を覆っていれば、跳ね上がった水は裾の外側に当たり、口の中には入りにくくなります。被せる組み方は、雨の多い日に裾が濡れるのを嫌って避けられがちですが、靴下を濡らさないという点では、むしろ向いている組み方です。
スカートの日は、筒の口がそのまま上を向いて開いているので、どちらの道すじからも水が入りやすくなります。スカートの日に長く歩くなら、筒の口がすねに沿う細めのブーツを選ぶか、タイツの上に厚手の靴下を重ねて、口のあたりで水を受け止める層をつくってください。
パンツの日とスカートの日、雨の朝にどちらを選ぶか
レインブーツを履く日に、パンツにするかスカートにするかで迷うこともあると思います。この選び方も、筒の高さと、その日の歩き方で決められます。
筒が低いショート丈のときは、パンツのほうが組みやすい日が多くなります。ショート丈にスカートを合わせると、筒の口からスカートの裾までの脚の部分が長く見え、雨の日には寒さと濡れが気になるからです。スカートにするなら、ふくらはぎの真ん中より下まである長めの丈を選び、脚の見える部分を短くしてください。
筒が中くらいのときは、どちらでも組めます。決め手になるのは、その日に座る時間の長さです。電車やデスクで長く座る日は、スカートのほうが膝まわりにしわがたまらず楽です。パンツを入れる組み方だと、座るたびに筒の口で布が押し上げられるからです。立って動く時間が長い日は、パンツのほうが脚が冷えにくく、歩きやすくなります。
筒が高いロング丈のときは、スカートがいちばん組みやすい相手になります。筒が脚の大半を覆うので、スカートでも冷えにくく、すき間の調整だけで全身がまとまります。
迷ったときのもう1つの手がかりは、帰り道の予定です。帰りに買い物や食事に寄る日は、ブーツを脱がなくても街になじみやすい、被せる組み方のパンツか、長めのスカートを選んでおくと、雨が上がったあとも違和感がありません。
手持ちの服で組む4つの型
ここまでの決め方を、手持ちの服で組むときの型にまとめます。
1つめは、ショート丈のブーツに、足首が見えるワイドパンツと短めの上着を合わせる型です。裾とブーツのあいだに2〜4cmのすき間をつくり、靴下はブーツの色にそろえます。通勤で歩く時間が短い日に向いています。
2つめは、中くらいの筒に、細身のパンツを入れて、腰丈の撥水ブルゾンを合わせる型です。パンツの裾は後ろに送ってから筒に入れ、膝を曲げてこぶが出ないかだけ確かめます。歩く時間が長い日や、水たまりの多い道を通る日に向いています。
3つめは、中くらいの筒に、裾まわりの太いストレートパンツを被せ、膝丈のコートを合わせる型です。裾はブーツの甲の半分くらいまでかかる長さにします。職場で履き替える日にいちばん楽な組み方です。
4つめは、ロング丈のブーツに、膝丈のスカートと黒いタイツを合わせる型です。スカートの裾と筒の口のすき間は指4本ぶん以上あけ、タイツをブーツの色にそろえます。コートは前を開けて縦の線をつくります。
この4つのうち、自分のブーツの筒の高さで使える型を1つか2つ決めておけば、雨の日の朝に迷う時間はほとんどなくなります。
最後に確かめる3つのこと
出かける前に、鏡の前で3つだけ確かめてください。
1つめは、膝を曲げたときに筒の口でこぶができないか。入れる組み方の日だけ見れば足ります。
2つめは、スカートの日に、裾と筒の口のすき間が指1〜2本ぶんの中途半端な幅になっていないか。なっていたら、スカートを長くして口にかぶせるか、短くして広げるかを選びます。
3つめは、上着を着たときに、上着の裾からブーツの口まで脚かパンツが見えているか。まったく見えないなら、コートの前を開けるか、ブーツを低いものに替えます。
この3つに加えて、余裕があれば、横向きの姿も一度見てください。正面からは気づかなくても、横から見ると、被せた裾がかかとの後ろで地面に触れそうになっていたり、入れたパンツがふくらはぎの後ろでふくらんでいたりすることがあります。雨の日の裾は、正面より後ろから先に濡れて汚れます。かかとの後ろで裾が床から2cm以上浮いていれば、水たまりの跳ね返りもほとんど受けません。浮いていなければ、裾を一度だけ内側に折って、後ろ側を少し持ち上げてください。
もう1つ、帰り道のことも考えておくと安心です。朝は雨でも、夕方には上がっていることがよくあります。雨が上がったあとの街でレインブーツを履いていると、足元だけが雨の日のままに見えることがありますが、被せる組み方や長めのスカートなら、ブーツの見える面積が小さいので、あまり気になりません。
3つとも、数秒で確かめられることです。筒の高さと口の周囲を一度測っておけば、この3つ以外に迷うところはほとんど残りません。
雨の日の靴が足元から冷える問題はレインブーツが寒い|秋冬の雨は、冷える場所で靴下と中敷きを選ぶで、靴の中が濡れたときの直し方は雨の日に靴の中が濡れる|つま先・かかと・履き口、染みた場所で直すで扱っています。
よくある問い
- Q. レインブーツにジーンズは入れたほうがいいですか、出したほうがいいですか
- 細身のジーンズで、裾まわりがブーツの筒の口より細ければ入れてかまいません。ストレートより太い形なら外に出して筒に被せます。迷ったら一度入れてみて、膝を曲げたときに筒の口でジーンズがたるんでこぶになるなら外に出してください。こぶができる時点で、入れる形には向いていません。
- Q. ショート丈のレインブーツは、どんな服に合いますか
- 筒が15cmより低いショート丈は、裾を入れる余地がほとんどないので、裾をブーツの上に浮かせるか、少し被せる組み方になります。くるぶしが隠れる丈のパンツ、膝下丈のスカート、足首の見えるワイドパンツが組みやすい相手です。脚に沿う細いパンツを合わせると、筒の口に裾が乗ってしまいやすいので、裾を一回折って足首の骨の上で止めてください。
- Q. 膝下まであるロング丈のレインブーツを、スカートに合わせてもいいですか
- 合わせられます。決めるのはスカートの裾と筒の口のすき間です。指4本ぶん、だいたい7cm以上あいていれば脚がきちんと見えて重く見えません。2〜3cmしかあかないと、すき間が中途半端に目立ちます。その場合はスカートを長めにして、裾が筒の口にかかるくらいまで下げてください。
- Q. 職場ではレインブーツを脱ぐのですが、パンツの裾が乱れます
- 入れて履く組み方だと、脱いだときに裾にしわと折れ癖が残ります。履き替える日は、裾を外に出して被せる組み方にしてください。被せる組み方なら、脱いだあとの裾はそのまま落ちます。どうしても入れたい日は、裾を入れる前に靴下の上から一度だけ折り返しておくと、脱いだときの癖が浅くなります。
— メグラシ編集部





