40代 ファッション 秋|去年のニットが合わない日は首から測る

**去年気に入っていたニットを着て、鏡の前で顔が沈んで見えたなら、まず首の開きを測ってください。**多くの場合、替えるべきなのはニットそのものではなく、首まわりと肩の縫い目の位置関係です。
秋になって最初にニットを出した日、「去年と同じ服なのに、今年は合わない気がする」と感じる人は少なくありません。40代のファッションでよく聞くこの違和感は、年齢や顔立ちのせいではありません。去年の自分と今年の自分で、髪の長さ、中に着るもの、首に巻くもの、ふだんの姿勢が少しずつずれていて、そのずれがニットの首と肩に集まって見えているだけです。
この記事では、そのずれを4か所に分けて、自分の体と指と定規で測れる形にしました。測ってみて外れが1か所なら、手持ちのまま直せます。2か所以上なら、秋の前半のうちに1枚だけ入れ替えれば足ります。重ね着の枚数で迷っている場合は60代ファッション 秋冬|着ぶくれする重ね着を何枚目で止めるかも、年代を問わず同じ考え方で読めます。
結論:見るのは首・肩・厚み・裾の4か所だけ
去年のニットが合わないと感じたとき、確かめる場所は次の4つです。
| 測る場所 | 測り方 | 合っている目安 | 外れているとき |
|---|---|---|---|
| 首の開き | 鎖骨のくぼみから縁までを指で | 指1本半から2本ぶん下 | 指1本以内か、指3本以上 |
| 肩の縫い目 | 肩の骨の先から縫い目までを定規で | 外へ0から2センチ | 外へ3センチ以上か、内側 |
| 編み地の厚み | 身ごろをつまんだ厚さを指先で | 人差し指の先の幅より薄い | 指先の幅を超える |
| 裾の位置 | 腰骨の出っ張りと裾を手で | 腰骨の上か、腰骨ちょうど | 腰骨より手のひら半分以上下 |
表は答えではなく、どこを見ればいいかを並べただけです。4か所のうち、どこが外れているかで直し方が変わります。外れが1か所なら手持ちで直す、2か所以上なら入れ替えを考える。この線を先に決めておくと、鏡の前で迷う時間がほとんどなくなります。
なぜ首が最初なのかというと、顔のすぐ下にある面だからです。首の開き方が変わると、顔と服の間にできる明るい面の広さが変わります。面が狭すぎると顔の下に影がたまり、広すぎると胸の面が目立って服が負けます。どちらに転んでも、見る人の目は顔ではなく首まわりに行きます。
測る1|首の開きは鎖骨のくぼみから指で測る
鏡の前に立ち、ニットを着たまま、のどの下にある鎖骨のくぼみに人差し指を当ててください。そこから下へ指を1本ずつ重ねていき、ニットの縁がどこに来るかを数えます。
指1本半から2本ぶん下に縁が来ていれば、首まわりは合っています。このくらいの開きがあると、首の付け根から縁までの間に肌の明るい面ができて、顔に光が返ります。
指1本以内、つまりくぼみのすぐ近くまで縁が上がっているときは、首が詰まった状態です。去年は髪を結んでいたのに今年は下ろしている、という人はここで外れやすくなります。髪が肩に乗ると首の見える面がさらに狭くなり、縁と髪の間に顔が挟まれて沈んで見えます。
反対に、指3本以上下がっているときは、開きすぎです。胸の上の面が広く出て、秋の厚手の生地との釣り合いが取れなくなります。夏のカットソーなら軽く見える開きでも、厚い編み地の縁がその位置にあると、首から胸にかけて段差がはっきり出ます。
丸首とVネックで測り方は同じでいい
Vネックの場合も、測るのは一番深いところではなく、鎖骨の高さで縁がどこを通っているかです。Vの先端がどれだけ深くても、鎖骨の高さで縁が首の付け根から指2本ぶん外にあれば、見え方は丸首の指2本とほぼ同じになります。首の形の名前ごとの違いを知りたいときはネックラインの種類に図があります。
タートルネックは折り返しの高さで測る
タートルネックは開きがない形なので、測る場所が変わります。折り返したときに、あごの先から縁までが指2本以上あいているかを見てください。指1本以内まで上がっていると、あごと首がひとつの面になり、顔の下半分が隠れて見えます。折り返しを1回増やすか、折り返さずに首の中ほどでくしゅっと落とすと、あごの下にすき間が戻ります。
測る2|肩の縫い目は肩の骨の先から測る
次に、腕を自然に下ろしたまま、肩の骨の一番外側の出っ張りを指で探してください。そこからニットの肩の縫い目までが何センチあるかを、定規か指の幅で測ります。人差し指の幅はおおよそ1.5センチ前後なので、指2本ぶんで3センチと覚えておくと便利です。
外へ0から2センチのところに縫い目があれば、肩は合っています。肩の線がまっすぐ出て、上半身の輪郭がはっきりします。
外へ3センチ以上落ちているときは、その落ち方が「抜け」に見えるか「大きさ」に見えるかの分かれ目に来ています。肩を落としたデザインのニットは、本来その落ち方まで含めて形が決まっていますが、編み地が厚くなるほど、落ちた肩の分だけ上半身が一回り大きく見えます。
縫い目が肩の骨より内側にあるときは、肩が詰まって見えます。腕を前に出すと背中が引っ張られる感じがあれば、縫い目は内側です。洗ううちに編み地が縮んだニットは、この形で外れていることがよくあります。
肩を落とした形を着るなら、首を開ける
肩の縫い目が外に落ちたニットを着たいときは、首の開きを指2本ぶん以上に寄せてください。肩で大きさが出る分、首で面を開けておくと、全体の重さが下に流れずに済みます。首も詰まって肩も落ちている組み合わせは、4か所のうち2か所が同時に外れた状態で、手持ちで直すのは難しくなります。
袖の付き方の名前と、上着の下での動きやすさを合わせて知りたいときは袖の形の名前|コートの下で腕がつかえるときに見る肩の縫い目を見てください。
測る3|編み地の厚みはつまんで指先と比べる
身ごろのわきの下あたりを、親指と人差し指で軽くつまんでください。つまんだ厚さが人差し指の先の幅より薄ければ、秋の前半から使える厚みです。
指先の幅を超える厚みは、秋の後半から冬の立ち上がりに向いた編み地です。厚みそのものは悪くありません。ただ、首が詰まっていて、さらに厚い編み地だと、首まわりに生地が集まって、あごの下の影が一段濃くなります。
厚みは、首と肩の外れを強めたり弱めたりする役割をしています。首と肩が合っていれば、厚い編み地でも重く見えません。首か肩のどちらかが外れているなら、厚みが外れを目立たせます。だから厚みは単独で判定せず、首と肩の結果と組み合わせて見てください。
編み目の大きさも見る
つまんだときの厚さが同じでも、編み目が大きく粗いニットは、表面に影ができて実際より厚く見えます。編み目のひとつが小指の爪くらいの大きさなら、見た目の厚みは一段上と考えてください。反対に、目が細かく詰まった編み地は、厚手でも表面が平らで軽く見えます。
測る4|裾の止まる位置は腰骨と比べる
最後に、腰の横に手を当てて、腰骨の出っ張りを探してください。ニットの裾がその出っ張りの上か、ちょうど同じ高さで止まっていれば、上半身と下半身の割合がはっきり分かれます。
腰骨より手のひら半分以上下まで裾が来ているときは、上半身が長く見えます。去年は長めのニットに細身のパンツを合わせていたけれど、今年はワイドパンツを多くはいている、という人はここで外れやすくなります。長い裾と幅のあるパンツが重なると、上下の境目がぼやけて、全体が一枚の大きな面になります。
裾にリブがあって腰で絞られる形なら、腰骨より下でも外れになりにくいです。リブが腰に当たって止まる位置が、そのまま上下の境目になるからです。測るときは、リブの上の端がどこにあるかを見てください。
前だけ入れる、は裾の外れを直す手
裾が長すぎるときは、前の中央だけをパンツやスカートに軽く入れて、後ろは出したままにする着方があります。前の裾が腰骨の上に来ると、上下の境目が戻ります。ただし、厚い編み地だと入れた部分がふくらむので、つまんだ厚みが指先の幅より薄いときに向いた手です。
4か所の結果を数える
4か所を測り終えたら、外れた場所の数を数えてください。
外れが0か所なのに合わないと感じるときは、ニットの形ではなく、色の明るさや、合わせているものの側に理由があります。これは後の「どちらとも取れるとき」で扱います。
外れが1か所なら、手持ちで直せます。首が詰まっているなら中に着る1枚で、肩が落ちているなら首を開ける組み合わせで、裾が長いなら前だけ入れる着方で、それぞれ外れを打ち消せます。
外れが2か所以上なら、手持ちで直すと手間が重なって、毎朝の着替えが長くなります。そのニットは秋の後半の家の中や、上にコートを着て首と裾が隠れる日の役に回して、外に出る日の1枚を入れ替えるほうが早く片づきます。
首が詰まって見えるときの直し方
首が指1本以内まで詰まっているときは、首の下に明るい面を足すか、首の見える縦の長さを足すかのどちらかで直します。
ひとつは、中に襟のあるシャツを着て、襟だけをニットの外に出すやり方です。シャツの襟の先が鎖骨の上に来ると、首の下に明るい三角形ができて、詰まった縁の影が薄くなります。襟の色は、顔の明るさに近い白か、生成りのような少し黄みのある白が使いやすいです。
もうひとつは、髪を耳の後ろにかけるか、低い位置でまとめて、首の横を見せるやり方です。首の前は詰まったままでも、横の面が見えると縦の長さが出て、顔と縁の間に余白が戻ります。
首に何かを巻いて直したいときは、細く折った薄手のスカーフを、結び目を横にずらして1回だけ巻いてください。結び目が正面に来ると、詰まった首にさらに量が足されて逆効果になります。
中に着たシャツの襟が浮いてしまうとき
ニットの中にシャツを着ると、襟がニットの縁に押されて外へ浮き、片側だけ跳ね上がることがあります。これはシャツの襟の高さと、ニットの首の縁の高さが近すぎるときに起きます。シャツの襟の付け根が、ニットの縁より指1本ぶん上に出ていれば、襟は縁の上に乗って落ち着きます。縁と同じ高さか、縁より下に付け根があると、縁に押し上げられて浮きます。
浮くときは、シャツの一番上のボタンを外して、襟の付け根を少し下げてみてください。それでも浮くなら、襟の小さいシャツか、襟の先が丸いシャツに替えると、縁との当たりが弱くなります。襟が大きく尖ったシャツは、厚いニットの下では収まりにくいので、秋の後半は避けたほうが手間が減ります。
髪の長さが変わった年は、首を先に見直す
去年と今年で髪の長さが大きく変わった人は、首の外れが一番出やすい年です。肩につく長さになった場合は、首の開きの目安を指半本ぶん深くしてください。髪が首の横の面を覆う分、前の面で余白を取り返す必要があるからです。反対に、短くした年は、指1本半でも十分に余白が出ます。
首が開きすぎて見えるときの直し方
指3本以上開いているときは、開いた面を半分ほど埋めると落ち着きます。
中に首の詰まった薄手のカットソーを着て、その縁がニットの縁より指1本ぶん上に来るように重ねてください。2本の縁が段になって見えると、開いた面が細く区切られて、胸の面の広さが目立たなくなります。中のカットソーの色は、ニットより明るい色にすると首まわりに光が集まります。
ネックレスで埋める場合は、鎖骨のくぼみから指1本ぶん下に先端が来る長さを選んでください。それより長いと、ニットの縁の外に出て、開きの深さを強調します。
どちらとも取れるとき① 4か所とも合っているのに顔が沈む
4か所を測ってすべて目安の内側だったのに、それでも顔が沈んで見えるときは、形ではなく色の側に理由があります。ここはこの記事で一番迷いやすいところなので、順を追って分けていきます。
最初に、ニットの色を、顔の横に持ってきた白い紙と見比べてください。白い紙とニットの明るさの差が大きいほど、顔の明るさとの差も大きくなります。秋は濃い茶色や深い緑、黒に近い紺を手に取りやすい季節ですが、首まわりにその濃い色が来ると、顔の下に暗い面が広がります。
ここで、濃い色をやめるかどうかが迷いどころになります。判断は、ニットを顔から離したときに変わるかどうかで決めてください。ニットを着たまま、首にだけ明るい色の布を当ててみて、顔の沈みが消えるなら、原因は首まわりの色です。この場合、ニットを手放す必要はなく、首の下に明るい色を1枚足せば済みます。
布を当てても沈みが消えないときは、原因はニットではなく、顔そのものの明るさや、その日の照明の側にあります。部屋の照明が天井の真上から当たっていると、目の下とあごの下に影が落ちて、どのニットを着ても沈んで見えます。窓のそばで、横から光が入る位置に立ち直して、もう一度見てください。
写真で確かめるときの条件
鏡は左右が逆になるうえ、近くで見るので、首まわりの印象が実際より強く出ます。迷ったら、窓を横にして立ち、腕を伸ばした距離からスマートフォンで胸から上を撮ってください。同じ場所、同じ時刻で、迷っているニットとそうでないニットを1枚ずつ撮って並べると、色の差なのか形の差なのかが見分けやすくなります。
濃い色のニットを残したいときの置き方
秋の濃い色が好きで、首まわりの沈みだけを避けたいときは、濃い色を顔から離れた場所に置き直してください。濃い色のニットを肩にかけて胸の前で袖を軽く結ぶ、あるいは濃い色のカーディガンを前を開けて羽織り、中に明るい色を1枚着る。こうすると、濃い色は残したまま、首のすぐ下には明るい面が来ます。
濃い色を1枚で着たい日は、首の開きを指2本半まで深いものにして、肌の面を広めに取るとバランスが取れます。開きが深い分、濃い色と顔の間に明るい面が入り、色の差が直接ぶつからなくなります。
どちらとも取れるとき② 肩が落ちているのは抜けか、くたびれか
肩の縫い目が外へ3センチ前後のニットは、「抜けて見えて今っぽい」とも「サイズが合っていない」とも取れます。ここは4か所の中で一番判断が割れやすい場所です。
分かれ目は、肩の縫い目から袖口までの線がまっすぐ落ちているかどうかです。腕を下ろした状態で、縫い目から手首まで袖が一本の線で落ちていれば、肩を落としたデザインとして見えます。反対に、ひじのあたりで袖がたまって横にしわが何本も出ているなら、肩が落ちた分だけ袖が長く余っている状態で、大きさとして見えます。
もうひとつの目安は、わきの下の余り方です。腕を下ろしたとき、わきの下に指が3本以上入る余りがあれば、身幅も肩も大きめです。指2本以内なら、肩が落ちていても上半身のまとまりは保たれています。
判断がつかないときは、袖口を手首の骨のところで1回だけ折り返してみてください。折り返したことで袖のたまりが消えて、肩からの線がまっすぐになれば、そのニットは抜けとして着られます。折り返しても肩のあたりのたるみが残るなら、大きさのほうが勝っています。
洗って伸びたのか、最初からその形か
去年は合っていたのに、今年は肩が落ちて見えるときは、洗濯で編み地が伸びた可能性があります。脇の縫い目をまっすぐ伸ばして、裾から袖のつけ根までの長さが左右で違っていないか確かめてください。左右で指1本以上違えば、編み地が伸びています。この場合、デザインとしての抜けではないので、首を開けて釣り合いを取るより、家の中の役に回すほうがいいでしょう。
どちらとも取れるとき③ 去年は似合ったという記憶が正しいか
「去年は似合っていた」という記憶そのものが、実は別の組み合わせの印象だったということがあります。
去年そのニットを着た日の写真が残っていたら、首まわりに何があったかを見てください。中にシャツを着ていた、髪をまとめていた、首に細いスカーフを巻いていた。そうした1点があった場合、去年の似合っていた印象は、ニットではなくその1点が作っていたものです。今年はその1点がないだけなら、同じ1点を足せば戻ります。
写真が残っていないときは、去年の同じ時期に、ほかに何をよく着ていたかを思い出してください。下にはいていたパンツの幅、靴の厚み、上に羽織っていた上着の丈。下半身の量が去年と今年で大きく変わっていると、同じニットでも上下の割合が変わって、違って見えます。
記憶と今が合わないときに、すぐニットを買い替える必要はありません。まず首の1点と下半身の量を去年に寄せてみて、それでも合わないときに初めて、ニット側の4か所を疑ってください。
入れ替えるなら1枚だけ、外れの反対を選ぶ
4か所のうち2か所以上が外れていて、入れ替えると決めたら、新しく足すのは1枚だけで足ります。選ぶ基準は、手持ちで外れていた場所の反対を持っていることです。
手持ちが首の詰まった厚手なら、首が指2本ぶん開いていて、つまんだ厚みが指先の幅より薄い1枚。手持ちが肩の落ちた大きめなら、縫い目が肩の骨の先から1センチ前後に来る1枚。手持ちが裾の長いものなら、裾が腰骨の上で止まる1枚かリブで絞られる1枚。
売り場で試着するときは、4か所を全部測る必要はありません。外れていた2か所だけを鏡で確かめてください。首と肩の2か所が合っていれば、残りの2か所は着方で調整がききます。
百貨店の売り場と量販の売り場で見るところを変える
百貨店の売り場のニットは、肩の縫い目の位置がはっきり決められていることが多く、肩で合うかどうかが着る前にわかります。量販の売り場のニットは、ゆとりを持たせた形が中心で、肩の縫い目が外に落ちたものが多く並びます。量販の売り場で選ぶときは、肩よりも首の開きと編み地の厚みを先に見てください。
色を選ぶ順番
形が決まったら、色は手持ちの下に合わせるものから決めます。手持ちのパンツやスカートを思い浮かべて、一番よくはく1本と並べたときに、明るさの差がはっきりある色を選んでください。下が濃いなら上は中くらいから明るめ、下が明るいなら上は中くらいの濃さ。上下の明るさが近すぎると、首から裾まで1つの面になり、4か所を合わせても全体がぼやけます。
迷ったら、売り場の鏡の前で、ニットを顔の下に当てるだけでなく、腰の位置まで下げて、手持ちの下の色を思い浮かべてください。顔の下で合う色と、全体で合う色が同じなら、その1枚で決まりです。
秋の前半と後半で変えるところ
同じ秋でも、前半と後半では外れやすい場所が違います。
秋の前半は、日中の気温がまだ高く、薄手のニットを1枚で着ることが多い時期です。このときに外れやすいのは首の開きです。1枚で着ると首まわりがそのまま見えるので、指の本数の差がはっきり出ます。
秋の後半から冬の立ち上がりにかけては、上にジャケットやコートを羽織る日が増えます。このときに外れやすいのは肩と厚みです。肩の落ちた厚手のニットの上にコートを着ると、肩まわりに生地が重なって、腕が動かしにくくなります。上着の下に着るニットの厚みについてはコートの形の名前|中に着る厚みでAライン・コクーンを選ぶで、中の厚みから上着の形を選ぶ考え方をまとめています。
前半に首で外れていたニットが、後半には上着の下で首が隠れて気にならなくなる、ということもあります。秋の初めに合わないと感じたニットは、すぐ手放さずに、後半まで1か月ほど寝かせてから判断しても遅くありません。
冬の立ち上がりに向けて残しておく1枚
秋の後半に入ったら、冬の立ち上がりに向けて、上着の下で一番働く1枚を決めておくと、寒くなってから慌てずに済みます。選ぶのは、首が指2本ぶん開いていて、肩の縫い目が骨の先から外へ1センチ以内、つまんだ厚みが指先の幅と同じくらいのものです。この3つがそろうと、上にコートを着ても肩がつかえず、首まわりにはコートの襟とニットの縁の間に余白が残ります。
手持ちにこの1枚がなければ、秋の前半に足す1枚をこの条件で選ぶと、秋と冬の両方で使えます。季節ごとに1枚ずつ足すより、境目の時期に長く着られる1枚を先に持っておくほうが、結果として枚数は少なく済みます。
職場に着ていく日の追加の確かめ
職場に着ていく日は、4か所に加えて、座ったときの首まわりを確かめてください。椅子に座って机に向かうと、背中が少し丸くなり、首の後ろが引っ張られて、前の縁が上がります。立って指2本ぶん開いていた首が、座ると指1本半まで詰まる、ということが起きます。
座って作業する時間が長い日は、立った状態で指2本から2本半ぶん開いたニットを選んでおくと、座っても目安の内側に収まります。画面越しの打ち合わせが多い日は、映るのが胸から上だけになるので、4か所のうち首と肩の2か所だけで決めてかまいません。画面の中では首の開きが実際より狭く見えるので、指2本半ぶん開いたものを選ぶと、顔の下に明るい面がきちんと映ります。肩の縫い目が外に落ちたニットは、画面の端で肩が切れて見えるので、骨の先から外へ1センチ以内のものが映りやすくなります。
職場で上着を着る日に中に入れるニットについてはスーツのインナー 女性 秋冬|ジャケットの下のニットが窮屈なときも参考になります。
手持ちを並べて、役を決め直す
4か所を測る作業は、1枚だけでなく、手持ちのニットを全部並べて一度にやると、そのあとの秋が楽になります。
ベッドの上か床に、持っているニットを全部広げてください。1枚ずつ着て、首、肩、厚み、裾の外れを数え、外れ0から1か所のものを「外に着る」側、2か所以上のものを「家の中か上着の下」側に分けます。外に着る側が3枚以上残れば、この秋は買い足さなくても回ります。2枚以下なら、外れていた場所の反対を持つ1枚を足す候補になります。
分けるときに、去年よく着たかどうかは基準にしないでください。よく着たニットほど、洗った回数が多く、肩や裾が伸びていることがあります。基準は、今日測った外れの数だけです。
外に着る側の中で、着る順番を決める
外に着る側に分けたニットが3枚以上あるときは、その中でも着る順番を決めておくと、毎朝の迷いがさらに減ります。順番は、つまんだ厚みの薄いものから厚いものへ並べるだけです。秋の前半は薄い側から、後半に向けて厚い側へと移っていけば、気温の動きと服の厚みが自然にそろいます。
同じ厚みのものが2枚以上あるときは、首の開きの深いほうを先にしてください。気温が高い時期ほど首まわりの余白が軽く見え、寒くなるにつれて首の詰まったものが心地よくなるからです。並べた順番は、クローゼットの手前から奥へそのまま置いておくと、朝に考える必要がなくなります。
家の中か上着の下の側に分けたニットも、捨てる必要はありません。上にコートを着る日や、家で過ごす週末に回せば、首や肩の外れはほとんど目に入らなくなります。外れの数で役を分けることは、手放すための選別ではなく、その1枚が一番よく見える場所を決め直す作業です。
まとめ
去年のニットが今年は合わないと感じたら、ニットの良し悪しを考える前に、首の開き、肩の縫い目、編み地の厚み、裾の位置の4か所を測ってください。
首は鎖骨のくぼみから指1本半から2本ぶん下、肩は骨の先から外へ0から2センチ、厚みは人差し指の先の幅より薄い、裾は腰骨の上かちょうど。外れが1か所なら手持ちで直し、2か所以上なら役を変えて、外に着る1枚だけを入れ替えます。
4か所とも合っているのに沈んで見えるときは、形ではなく色か照明の側を疑います。肩が落ちているのが抜けか大きさかで迷ったら、袖の線とわきの下の余りで分けます。去年の記憶と合わないときは、首の1点と下半身の量を去年に寄せてから考えます。
40代の秋のファッションで迷う時間の多くは、似合うかどうかを感覚で決めようとすることから生まれます。測れる場所に置き換えれば、同じ鏡の前でも、決めるまでの時間は短くなります。
よくある問い
- Q. 去年のニットを着たら顔が疲れて見えました。もう着ないほうがいいですか
- 手放す前に4か所を測ってください。首の開きが鎖骨のくぼみから指1本ぶん以内に詰まっている、肩の縫い目が肩の骨の先から3センチ以上外に落ちている、編み地をつまんだ厚みが指先の幅を超える、裾が腰骨より下で止まっている。この4つのうち外れが1か所だけなら、中に着る1枚や首に巻く1本で直せます。2か所以上外れているときは、そのニットを秋の終わりの部屋着側に回して、外に着る1枚を入れ替えるほうが早く片づきます。
- Q. 首が詰まっているのと開きすぎているのは、どちらが合いやすいですか
- どちらが正しいということはありません。目安は、首の付け根から鎖骨のくぼみまでの距離のうち、半分から少し下までが見えている状態です。指で言えば、くぼみから指1本半から2本ぶん下がった位置に縁があると、顔と服の間に明るい面ができます。ここより詰まると顔の下の影が濃くなり、ここより開くと首から胸の面が広く見えて、服が負けた印象になります。
- Q. 似合う似合わないの判断が、その日の体調で変わってしまいます
- 鏡の印象は、照明と前日の睡眠で簡単に揺れます。だから印象ではなく、測った数字で決めてください。首の開き、肩の縫い目、編み地の厚み、裾の位置は、どの日に測っても同じ値になります。印象が揺れたときは、同じ窓の前で同じ時刻に写真を2枚撮り、去年の写真と並べて見比べると、変わったのが服なのか日なのかが分かれます。
- Q. 新しく買うなら、どんなニットを選べばいいですか
- 買い足すのは1枚だけで足ります。手持ちで外れていた場所の反対を持つ1枚を選んでください。手持ちが首の詰まった厚手なら、首が指2本ぶん開いた中くらいの厚み。手持ちが肩の落ちた大きめなら、縫い目が肩の骨の先から1センチ前後に来る形。売り場では、着る前に首と肩の2か所だけを鏡で確かめれば、試着の回数も減らせます。
— メグラシ編集部





