食べ歩き旅行の服装|秋冬は、両手がふさがる時間と袖口で決める

**次の旅で、立ったまま何かを食べる回数を数えてみてください。**市場や商店街を歩く日、温泉街で湯上がりにつまむ日、夜の屋台を回る日。食べ歩きが目的の旅では、その回数が服を決めます。
答えから書きます。**立って食べる回数が3回までなら、いつもの旅の服に1か所足すだけで足ります。**4〜7回なら、袖口とバッグと上着の丈を食べ歩き向きに変えます。8回以上、あるいは市場や屋台の通りを何本も回る日なら、汚れてもいいと割り切った服を土台にして、上に着るもので見た目を整えます。
秋冬の旅行の服装を、行き先との気温差や夜に外を歩くかで決める考え方は旅行の服装 秋冬|行き先との気温差と、夜に外を歩くかで決めるにまとめています。この記事はそこから一歩進めて、食べ歩きで手がふさがる時間を基準に、袖と上着とバッグをどう選ぶかを扱います。
結論:食べ歩きの日は、袖口と両手の空き方で服を決める
旅の服を選ぶとき、多くの人は最初に気温を見ます。それ自体は正しいのですが、食べ歩きが中心の日は、気温で選んだ服が手の動きを邪魔することがよくあります。
たとえば、寒いからと選んだ長めのニットの袖が、器を持つたびに手の甲まで下がってくる。暖かいからと選んだロングコートの前が、かがんで食べるたびに器に触れる。財布を出そうとすると、片手に持った串の置き場がない。どれも、寒さとは関係のない困りごとです。
食べ歩きの日に服を選ぶ順番は、次のようになります。
- 1日に立って食べる回数を数える
- その回数で、袖口・上着・バッグを決める
- 最後に、気温に合わせて中に着る枚数を足し引きする
気温を最後に回すのは、中に着る枚数は後からでも調整できるのに対して、袖や上着の丈やバッグの形は、出かけてからでは変えられないからです。寒ければ1枚足せばいいのですが、袖が長すぎるニットはその日のうちには短くなりません。
もう1つ大事なのは、食べ歩きは両手を使う遊びだということです。片手に器や串を持ち、もう片方の手で箸を使ったり、財布を出したり、写真を撮ったりします。両手がふさがっている時間がどれだけあるかで、服やバッグに求めるものが変わります。
中に着る枚数は、最後に気温で足し引きする
袖・上着・バッグが決まったら、最後に中に着る枚数を気温で決めます。食べ歩きの日は、温かいものを食べると体が内側から温まり、冷たいものを食べると一気に冷えます。同じ気温でも、何を食べるかで体の感じ方が上下するのが、ほかの旅の日と違うところです。
そのため、中に着るものは、前を開け閉めするだけで調整できる重ね方にしておくと扱いやすくなります。肌着の上に薄手のニットかシャツ、その上に前を開けられる上着、という3枚の組み方なら、上着の前を閉めれば暖かく、開ければ涼しくなります。厚手の1枚で暖かさをまかなうと、暑くなったときに脱ぐ以外の調整ができません。
首元は、調整のいちばん大事な場所です。首に巻く布を1枚持っていると、寒いときは巻き、暖かい店先では外してバッグにしまえます。手首も同じで、手首が冷えると指先までかじかみ、箸や串を持つ手がおぼつかなくなります。袖口を手首の骨より上で止めるぶん、手首の冷えは首元の布と中に着る服の袖で補ってください。
日中の気温が15度を超える日は、上着を薄手にして中に着る服を1枚減らし、10度を下回る日は、中に着る服を1枚足して上着はそのまま、というように、上着を変えずに中で足し引きするのが、食べ歩きの日の組み方です。
先に数える|1日に何回、立ったまま食べるか
数え方は簡単です。行き先で食べたいものを、思いつく限り書き出してください。そのうち、お店の中で座って食べるものを除きます。残ったものが、立って食べる回数です。
市場の旅なら、朝の海鮮の小皿、揚げ物、果物、甘いもので、それだけで4〜5回になります。温泉街なら、湯上がりの牛乳やソフトな甘味、まんじゅう、焼いた串で3〜4回。夜の屋台通りなら、1軒で1品ずつ頼むと、それだけで6〜8回になることも珍しくありません。
数えるときに、同じ場所で続けて食べるものは1回にまとめてかまいません。境目になるのは、器を持ち替える回数ではなく、立ち止まって手を使い始める回数だからです。
数えた結果によって、準備は3段階に分かれます。
| 1日に立って食べる回数 | 袖口 | 上着 | バッグ |
|---|---|---|---|
| 3回まで | いつもの服でよい | いつもの上着でよい | 手持ちでも間に合う |
| 4〜7回 | 手首の骨より上で止める | 前を開けて着られる丈 | 斜め掛けにして前に回す |
| 8回以上 | 腕まくりが落ちない袖 | 腰の丈まで | 小さな斜め掛けと、別の荷物入れ |
表は比べる軸を見せるためのものです。実際には、旅のなかで食べ歩きの日とそうでない日が混ざることが多いので、いちばん回数の多い日に合わせて荷物を組むと失敗が少なくなります。
数えるのが難しいときは、行き先がどんな通りかで考えてみてください。店が両側にびっしり並ぶ通りは、立ち止まる回数が多くなります。店と店のあいだが離れている通りは、歩く時間が長くなり、立って食べる回数は少なめになります。
境目①|立って食べるのが3回まで
3回までなら、普段の旅の服からほとんど変えなくて大丈夫です。足すのは1か所、口元と手を拭くものの置き場所だけです。
3回程度の食べ歩きで困るのは、手を拭くものがすぐに出てこないことです。食べ終わったあとにバッグの底を探すと、汚れた手でバッグの中を触ることになります。手拭きやティッシュを、上着のポケットかバッグの外ポケットに入れておくだけで、手の使い方がずいぶん楽になります。
服については、袖が長いものを着ているなら、食べる前に一度まくり上げる癖をつけておけば足ります。3回なら、そのたびにまくっても手間はそれほどかかりません。
上着も、いつもの旅で着ているもので問題ありません。膝より長いコートでも、3回なら裾をよけながら食べることができます。ただし、長いコートの日は、低い腰かけに座って食べる場面があるかだけは考えておいてください。裾が地面に付くので、座る場面があるなら裾を膝の上にまとめる手間がかかります。
バッグは手持ちでも、立って食べる回数が少なければ何とかなります。器を持つ前にバッグを腕にかける、肩にかけるといった動きを1回挟めば済むからです。
境目②|4〜7回なら、袖と上着とバッグを替える
4回を超えると、毎回まくる、毎回よける、毎回持ち替えるという手間が積み重なって、食べることより服の世話に気を取られるようになります。この帯から、服を食べ歩き向きに替えていきます。
替えるのは3か所です。
**1つ目は袖口です。**手首の骨から2〜3cm上で止まる長さの袖を選びます。長い袖のニットやブラウスをまくって着る方法もありますが、厚手のニットはまくってもすぐに落ちてきます。最初から袖の短いもの、あるいは袖口が絞ってあって腕まくりが落ちにくいものにしておくと、器を持つたびに気にしなくて済みます。
**2つ目は上着の丈です。**前を開けたまま食べられること、そして裾が器に触れない長さであることが条件です。腰からお尻が隠れるくらいまでの丈なら、立って食べてもかがんでも、裾が邪魔になりにくい長さです。
**3つ目はバッグです。**体の前に回せる斜め掛けにします。立って食べているあいだはバッグを後ろに回しておき、お金を払うときだけ前に回す。この動きができると、片手に器を持ったままでも財布が出せます。
4〜7回の帯では、中に着る服はいつも通りで構いません。気温に合わせて、肌着や薄手のニットで調整してください。食べ歩きで手が冷えることがあるので、首と手首を冷やさない工夫を1つ入れておくと、長く外にいても疲れにくくなります。
境目③|8回以上、または屋台や市場の通りを何本も回る日
8回を超える日は、どれだけ気をつけても、どこかに汁や油が飛ぶと考えておいたほうが気持ちが楽です。この帯では、汚れても気にならない服を土台にして、上に着る物で見た目を整えるという考え方に切り替えます。
土台にするのは、洗いやすく、汚れが目立ちにくい色の服です。旅先で汚れても、宿で軽く洗える素材だとなお安心です。濃い色の無地か、細かい柄が入ったものは、小さなしみがあっても目立ちにくくなります。
その上に、前を開けて着られる上着を合わせます。上着は食べるあいだに汚れにくい位置にあるので、ここで見た目の印象を作ります。写真に写るのも、多くは上着と顔まわりです。
バッグは2つに分けると動きやすくなります。財布と手拭きとスマートフォンだけを入れた小さな斜め掛けと、着替えや買ったものを入れる別の荷物入れです。小さなバッグは食べ歩きのあいだずっと体の前にあり、大きな荷物入れは背中か、宿か、駅に預けておきます。
8回以上の日は、手を拭く回数も増えます。手拭きは多めに、それとは別に、使ったものを入れる小さな袋を1つ用意しておくと、ごみを持ったまま歩き続けることがなくなります。
宿で洗えるかを、出かける前に確かめる
8回以上の日は、どれだけ気をつけても、袖口や胸元に小さなしみが残ることがあります。連泊の旅なら、その日の夜に宿で軽く洗えるかどうかで、翌日の服の組み方が変わります。
宿の洗面台で手洗いして、部屋で一晩干して乾く素材なら、土台の服を1枚で回せます。厚手で乾きにくい素材なら、汚れる前提の日のぶんだけ、土台の服をもう1枚荷物に入れておきます。
しみは、ついた直後に水で軽くたたいておくと、宿に戻ってから落としやすくなります。手拭きと一緒に、水を少し含ませて使える布を1枚入れておくと、その場で応急の手当てができます。こすると繊維の奥に入り込むので、上から押さえるようにたたくのがこつです。
袖口|手首の骨から何cm上にあるか
食べ歩きの服でいちばん大事な寸法は、袖口の位置です。測り方を書いておきます。
まず、手のひらを上に向けて、腕を前にまっすぐ伸ばします。その状態で、手首の骨のでっぱりから袖口までの距離を見ます。袖口が手首の骨より上、2〜3cmのところで止まっていれば合格です。
次に、腕を曲げて、器を胸の前で持つ形を作ってみてください。腕を曲げると袖は少し上がるので、この形で袖口が手首の骨より下に来ていなければ、食べ歩きで袖が汚れることはまずありません。
困るのは、腕を伸ばしたときは手首の上にあるのに、下ろしたり、器を持って手を下げたりすると、袖が下がってくる服です。とくに、柔らかくて重みのあるニットは、時間が経つほど袖が下がります。朝は大丈夫でも、昼過ぎには手の甲まで袖が来ていることがあります。
袖が下がる服かどうかは、家で確かめられます。袖をまくった状態で、腕を下ろしたまま5分ほど家事をしてみてください。5分で袖が手首の骨まで落ちてくるなら、旅先ではもっと早く落ちてきます。
袖の長い服を着ていきたいときは、袖口を一度折り返して、手首の骨より上で止まるように整えてから出かけるのが手軽です。折り返した部分が厚くなりすぎない、薄手のニットやシャツなら、この方法で1日もちます。
上着|前を開けて食べられるか、脱いで持たない長さか
秋冬の食べ歩きでは、上着の選び方が仕上がりを大きく左右します。条件は2つあります。
1つは、前を開けたまま歩いて寒くないことです。食べるときに前を閉めたままだと、胸元に器が当たり、かがむたびに上着の前が器に触れます。前を開けて食べられることが、食べ歩きの上着の前提です。そのためには、中に着る服で暖かさを確保して、上着は風を止める役に回すと考えるとうまくいきます。
もう1つは、脱いで手に持たなくていい長さであることです。暖かい店に入ったときや、日なたで暑くなったとき、上着を脱ぐと、その上着を持つために片手がふさがります。食べ歩きの日にこれは大きな負担です。脱がずに済む厚さ、あるいは脱いでもバッグにしまえる薄さのどちらかにしておくと、手が空きます。
丈で言えば、腰からお尻が隠れるくらいまでが扱いやすい長さです。膝より長いコートは、食べ歩きで次のような困りごとが出やすくなります。
- 低い腰かけに座ると、裾が地面に付く
- しゃがんで写真を撮ると、裾が地面をする
- かがんで器を受け取ると、前の裾が台に触れる
どうしても長いコートを着たいときは、その日だけ前のボタンを1つだけ留めて、裾が広がらないようにしておくと、食べるときの邪魔になりにくくなります。
バッグ|両手を空けるための掛け方と、口の開け方
食べ歩きでは、片手に器、もう片方の手で箸や串、という時間が長く続きます。そのあいだにお金を払ったり、写真を撮ったりするには、バッグの形が合っていることが欠かせません。
まず、掛け方です。体の前に回せる斜め掛けのバッグが、食べ歩きにはいちばん向いています。持ち手が肩からずり落ちる心配がなく、体の前にも後ろにも動かせるからです。
肩掛けのトートバッグは、器を持ったまま肩からずり落ちたバッグを戻すのが大変です。手持ちのバッグは、器を持つあいだの置き場所に困ります。リュックは荷物が多い日には便利ですが、お金を出すたびに肩から下ろす必要があります。
次に、口の開け方です。片手で開けられることが条件です。ファスナーは片手でも開けられますが、引き手が小さいと手袋をしていると開けにくくなります。留め金やボタンで閉じるものは、片手では開けにくいことがあります。口が大きく開いて、中が見渡せるもののほうが、財布を探す時間も短くなります。
バッグの中は、よく使うものほど上に入れておきます。財布、手拭き、スマートフォン。この3つが片手ですぐに出せれば、食べ歩きのあいだの手間はほとんどなくなります。
買ったお土産が増えてくると、手に提げる袋が1つ、2つと増えていきます。袋を手に提げたままでは、食べ歩きはできません。お土産は、食べ歩きの最後にまとめて買うか、買うたびに大きな荷物入れにしまうと決めておくと、両手が空いたまま歩けます。折りたためる袋を1つ斜め掛けのバッグに入れておけば、細かい買い物をまとめて肩にかけることもできます。
荷物が多い旅の、リュックと服の組み方についてはリュックで旅行の服装|秋冬は肩ひもの当たる場所と上着の丈で選ぶも参考にしてください。
色と素材|汁や油が落ちたとき目立つかどうか
食べ歩きで汚れやすい場所は決まっています。胸の中央から下、お腹のあたりと、袖口です。器を胸の前で持ち、口に運ぶときに落ちたものが、だいたいこの範囲に当たります。
そこで、汚れやすい場所には、汚れが目立ちにくい色を置き、汚れにくい場所に明るい色を置くと、気にせずに食べられます。
汚れが目立ちにくいのは、濃い色の無地、細かい柄、ざっくりとした編み目のものです。反対に、白や淡い色、つるっとした光沢のある素材は、小さなしみでも目立ちます。
明るい色を着たいときは、顔まわりに小さく入れるのがおすすめです。首元に巻く布や、中に着る服の衿元だけを明るくすると、写真に写る部分は明るくなり、汚れやすい場所は濃い色のまま保てます。
素材については、汚れたあとすぐに拭けるかどうかで見ます。目の詰まった布は、表面に落ちたものをすぐに拭き取れば、しみになりにくいものが多くあります。ふわふわとした起毛の素材や、毛足の長いニットは、汁が中まで染み込みやすく、拭き取るのが難しくなります。
8回以上の日に起毛の素材を着ていきたいなら、上着にだけ使って、食べるときは前を開けて中の服で受けると考えると扱いやすくなります。
足元|立ち止まる回数と並ぶ時間
食べ歩きの日は、歩く距離そのものはそれほど長くならないことがあります。そのかわりに、立ち止まる回数と、並んで待つ時間が増えます。
歩き続けるのと、立ち止まっては少し歩くのとでは、足の疲れ方が違います。立ったまま動かない時間が長いと、足の裏とふくらはぎが疲れやすくなります。そのため、食べ歩きの日の靴は、クッションがあって、かかとが安定しているものが向いています。
秋冬は足元も冷えます。とくに、並んで待っているあいだは体が動かないので、地面からの冷えが伝わりやすくなります。靴下を厚めにする、靴の中に薄い中敷きを足すといった工夫で、並ぶ時間の冷えを和らげられます。
市場や屋台の通りでは、地面が濡れていることもあります。水や氷が落ちている場所を歩くことがあるので、布の靴よりも、表面を拭ける素材の靴のほうが安心です。
裾の長いパンツやスカートは、濡れた地面で裾を汚しやすくなります。くるぶしより少し上の丈か、裾が地面から5cm以上離れる長さにしておくと、立ち止まって食べているあいだも気になりません。
並ぶ時間が長い日は、足首と腰を冷やさない
人気の店が多い通りでは、1軒で10分、20分と並ぶことがあります。並ぶ時間が合計で30分を超えそうな日は、足首と腰の冷えに気を配ってください。
足首は、靴下とパンツの裾のあいだに肌が出ない組み方にします。くるぶしの上で肌が出ていると、並んでいるあいだに足首から体が冷えていきます。丈の短いパンツを履くなら、靴下を長めにして、肌が出る部分をなくしておきます。
腰は、上着の丈で守ります。腰からお尻が隠れる丈の上着は、立ち止まっているあいだも腰まわりを風から守ってくれます。中に着る服の裾をパンツやスカートの中に入れておくと、かがんだときに背中が出ることもなくなります。
どちらとも取れるとき①|食べ歩きのあと、夜は予約した店に行く
昼は食べ歩き、夜は少しきちんとした店を予約している。旅ではよくある組み合わせですが、服を決めるのがいちばん難しい日でもあります。
この日は、土台を夜の店に合わせて、昼の食べ歩きは上に着るもので守ると考えます。
夜の店に合わせた服を中に着て、昼のあいだは前を開けられる上着を羽織っておきます。食べ歩きのあいだに汚れるリスクは、上着とエプロン代わりの布で減らします。大判の布を1枚持っていると、立って食べるときに胸から膝まで覆えるので、中の服を守れます。
もう1つの方法は、宿に一度戻って着替えることです。宿から夜の店までの距離が近いなら、昼は食べ歩き向きの服で過ごして、夕方に着替えるほうが気楽です。この方法を選ぶなら、着替える時間を予定に入れておきましょう。夕方に慌てて戻ると、食べ歩きの最後のほうを楽しめなくなります。
どちらにするか迷ったら、昼の食べ歩きの回数で決めてください。4回までなら、夜の服のまま上着で守る方法で間に合います。5回以上なら、着替えるほうが安心です。
夜に一人で店に入る日の服の考え方は、一人旅の服装|秋は、荷物を自分で持ち上げる回数と夜の店で決めるにも書いています。
どちらとも取れるとき②|寒いけれど、手袋を外すのが面倒
秋の終わりから冬にかけての食べ歩きでは、手が冷えるのに、食べるたびに手袋を外さなければいけないというジレンマがあります。
選べる方法は3つです。
1つ目は、指先が出る手袋です。手の甲と手のひらは覆われていて、指先だけが出ているので、器を持ったり、箸を使ったりしやすくなります。ただし、指先は冷えるので、とても寒い日には向きません。
2つ目は、片手ずつ素早く外せる薄手の手袋です。外した手袋はコートのポケットにしまいます。ポケットに入る薄さであることが条件です。厚い手袋は外したあとの置き場所に困り、どこかに置き忘れる原因になります。
3つ目は、手袋をやめて、温かい飲み物や器で手を温めながら歩くという方法です。食べ歩きの回数が多い日は、温かい器を持っている時間も長くなるので、手袋なしでも案外過ごせることがあります。手首を冷やさないように、袖口が手首の骨の少し上まで来る服を着ておくと、指先の冷えを和らげられます。
迷ったら、気温で決めてください。日中の気温が10度を下回る日は手袋を持っていき、それより暖かい日は手袋なしで袖と首元で調整するというのが、1つの目安です。
手袋を持っていく日は、外した手袋の行き先を先に決めておくことが大切です。食べ歩きの最中に手袋をなくすのは、外して脇に挟んだり、台の上に置いたりしたときがほとんどです。外したら必ず同じポケットに入れる、と決めておくだけで、置き忘れはぐっと減ります。左右をひもでつないでおける手袋なら、首や上着のボタンにかけておくこともできます。
指先が冷えて箸が持ちにくいときは、温かい飲み物を1つ買って、両手で包むように持つ時間を作るのも効き目があります。食べ歩きの合間に、手を温める休憩を1回はさむつもりで予定を組んでおくと、夕方まで指先の動きが鈍りません。
どちらとも取れるとき③|写真をたくさん撮りたい
食べ歩きの旅では、食べ物の写真や、食べている自分の写真を撮りたいという人も多いはずです。写真を撮る日は、服選びに少しだけ違う視点が加わります。
まず、写真に写るのは上半身と手元が中心です。器を持つ手と、顔まわりと、上着の前が写ります。そのため、袖口がきれいに見えること、上着の前を開けたときに中の服と上着の色がなじむことが大切になります。
次に、しゃがんだり、かがんだりする動きが増えます。低い位置から食べ物を撮ったり、店先の様子を撮ったりするからです。この動きを考えると、裾の長いコートよりも、腰の丈の上着のほうが動きやすくなります。
写真のためにきれいな色の服を着たいときは、汚れやすい胸からお腹のあたりを避けて、首元や肩に色を置くと、写真で目立ちつつ、汚れの心配を減らせます。
写真を撮るあいだは、器やスマートフォンで両手がふさがります。財布や手拭きを出し入れするバッグは、体の前に回しやすいものにしておくと、撮ってから食べるまでの流れが滑らかになります。
年代で変わるところ
食べ歩きの服の考え方は年代を問わず同じですが、気にするところが少しずつ変わります。
20代から30代前半は、写真に写ることを重視する人が多い年代です。袖や上着の形にこだわりつつ、汚れやすい場所に濃い色を置くという工夫をすれば、見た目と食べやすさを両立できます。
30代後半から40代は、旅の予定がぎっしり詰まっていることが多く、食べ歩きの日にも、夜の予約や家族の予定が入っていることがよくあります。昼と夜の服をどうつなぐかが、いちばんの悩みどころになります。上で書いた「土台を夜に合わせて、昼は上着で守る」方法が役に立つ年代です。
50代以降は、立ったまま食べる時間そのものが体に負担になることがあります。立って食べる回数を、座れる場所での休憩と交互にする予定の組み方を考えてもいいでしょう。服では、足元のクッションと、首や手首を冷やさない工夫を厚くしておくと、長い時間外にいても疲れにくくなります。
どの年代でも共通しているのは、手が自由に使えるかどうかが食べ歩きの楽しさを左右するということです。服やバッグを、手を空けるための道具として考えると、選ぶ基準がはっきりします。
よくある行き違い
最後に、食べ歩きの旅でよくある行き違いをまとめておきます。
**「暖かい服にしておけば大丈夫」**と考えて、厚手で袖の長いニットを選ぶと、食べるたびに袖が下がってきます。暖かさは中に着るもので確保して、袖口は手首の骨より上にしておくのが、食べ歩きの日の組み方です。
**「長いコートのほうが暖かいから」**と考えて、膝より長いコートを選ぶと、座る、しゃがむ、かがむという動きのたびに裾が邪魔になります。食べ歩きの回数が多い日は、腰からお尻が隠れる丈の上着を選んで、中の服で暖かさを足したほうが動きやすくなります。
**「小さなバッグなら邪魔にならない」**と考えて、手持ちの小さなバッグを選ぶと、器を持つあいだの置き場所がなくなります。小さくても、肩から斜めに掛けられることが大切です。
**「汚れたら洗えばいい」**と考えて白い服を着ていくと、旅のあいだずっとしみを気にすることになります。旅先ですぐに洗えるとは限らないので、汚れやすい場所には最初から濃い色を置いておくほうが気楽です。
雨の日の旅行で、歩く時間と雨の量から服を決める考え方は旅行の服装 雨|秋の旅は雨量と外を歩く時間で、靴と上着を決めるにまとめています。屋根のない市場や屋台を回る日は、あわせて確かめておいてください。
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よくある問い
- Q. 食べ歩きの旅行に、コートは着ていかないほうがいいですか
- 着ていって構いません。目安は、前を開けたまま歩いて寒くないかと、脱がずに食べられる丈かの2つです。腰からお尻が隠れる丈までなら、立って食べても裾が器に触れにくく、前を開けたまま過ごせます。膝より長いコートは、しゃがんで写真を撮る、低い腰かけに座るといった動きのたびに裾が地面に付くので、食べ歩きの回数が多い日には向きません。
- Q. 白い服を着て食べ歩きをしても大丈夫ですか
- 立って食べる回数が3回までなら、白い服でも困ることはあまりありません。4回を超える日は、白は顔まわりから離した場所、たとえば下に回すと安心です。汁や油が落ちやすいのは胸の中央から下のお腹のあたりなので、そこに白や淡い色が来ない組み方にしておくと、気にせずに食べられます。
- Q. リュックと斜め掛けのバッグ、どちらが食べ歩きに向いていますか
- 食べ歩きの最中に財布や手拭きを何度も出すなら、斜め掛けのほうが向いています。体の前に回して片手で開けられるからです。リュックは荷物が多い日に肩の負担を減らせますが、お金を出すたびに下ろすことになります。両方を持つなら、リュックには着替えや上着を入れて、斜め掛けの小さなバッグに財布と手拭きだけを入れる分け方が、手を空けやすい組み合わせです。
- Q. 寒い日に手袋をしたまま食べ歩きはできますか
- 指先が出るタイプか、片手ずつ素早く外せる薄手のものなら食べ歩きと両立しやすくなります。厚手の手袋は外すたびにどこかに置く場所が必要になり、落としやすくなります。外した手袋をしまう場所として、コートのポケットに入る大きさかどうかも先に確かめておきましょう。
— メグラシ編集部





