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旅行の服装 雨|秋の旅は雨量と外を歩く時間で、靴と上着を決める

メグラシ編集部//読了 15分
雨の秋の石畳の参道で、フード付きの短い撥水コートとからし色のストール、くるぶし上丈のパンツに短いブーツの女性が傘を差して歩いている

**旅の日が雨予報なら、まず天気予報の「1時間の雨量」と、旅程の中で屋根のない道を歩く「合計の時間」を出してください。**この2つが決まれば、何を替えるかはほぼ決まります。

  • 雨量が 3mm以上 の時間帯に外を歩くなら、靴を防水のものに替える
  • 屋根のない道を歩く時間が 合計60分を超える なら、上着をフード付きの撥水のものに替える
  • 両方を下回るなら、いつもの旅の服に折りたたみ傘を足すだけでいい

全部を雨仕様にしてしまうと、雨が止んだ時間に着る服がなくなります。秋の雨は一日中降り続くより、朝だけ、夕方だけ、と時間で区切られることが多いからです。替えるのは、数字が超えた側だけにします。

旅の服の枚数そのものは旅行の服 何着|秋の2泊3日は、肌に触れる枚数と見える枚数を分けるで数え方を書いています。この記事では、雨の日にその中のどれを差し替えるかだけを扱います。

結論:替えるのは「雨量」と「歩く時間」が超えた側だけ

雨の旅の服は、次の4つのどこに入るかで決まります。

1時間の雨量外を歩く合計時間替えるもの
3mm未満60分以下替えない(傘を足す)
3mm未満60分超上着だけ
3mm以上60分以下靴だけ
3mm以上60分超靴と上着、裾の位置も上げる

表は、どの軸で分かれるかを見るためのものです。実際の旅は、この4つのあいだを時間ごとに行き来します。午前は3mm、午後は1mm、という日のほうが多いでしょう。その場合の決め方は、後半の「迷うとき」で詳しく書いています。

ここで大事なのは、雨量と歩く時間は別々に効くということです。雨量は足元に効き、歩く時間は上半身に効きます。強い雨でも駅から駅へ屋根づたいに動くなら上着は濡れませんし、弱い雨でも2時間外を歩けば肩と背中はしっとり重くなります。

天気予報は「降水確率」ではなく「1時間の雨量」を見る

旅の前日に多くの人が見るのは降水確率です。けれど、降水確率は「その時間に1mm以上の雨が降る見込み」を表したもので、どれだけ強く降るかは含まれていません。

降水確率が80%でも、降るのが霧のような弱い雨なら、傘をさしていれば服はほとんど濡れません。反対に30%でも、降ったときに強い雨なら、靴の中まで染みてきます。

時間ごとの予報には、たいてい1時間あたりの雨量がmmで出ています。旅の当日の、自分が外にいる時間帯の数字を拾ってください。

雨量ごとに、何が濡れるか

  • 1mm未満:傘をさしていれば、服も靴もほとんど濡れない。傘がなくても数分なら気にならない
  • 1〜3mm:傘があれば服は大丈夫。靴のつま先と、裾のいちばん下が少し湿る
  • 3〜10mm:地面に水たまりができ始める。布の靴は10分ほどで中まで染みる。裾は歩くたびの跳ね返りで、後ろ側から濡れる
  • 10mm以上:傘をさしていても、膝から下はほぼ濡れる。肩も、風があれば片側が濡れる

境目を3mmに置いているのは、ここから「靴の中」と「裾の後ろ」が濡れ始めるからです。この2つは、濡れると旅の残りの時間ずっと不快が続きます。上着は脱げば済みますが、靴は脱げません。

予報の見方のコツ

時間ごとの雨量は、前日の夜と当日の朝で変わることがよくあります。前日の夜に荷造りをするときは、いちばん多い時間の数字で決めておき、当日の朝に下がっていれば、靴だけ普段のものに戻す、という順番が楽です。上げるより下げるほうが、荷物の入れ替えが少なくて済みます。

外を歩く時間を、旅程から分で数える

次に、屋根のない道を歩く時間を出します。旅程表を開いて、移動と観光のひとつひとつに「外を歩く分数」を書き足していきます。

数えるのは、本当に空の下を歩く時間だけです。

  • 駅から宿まで、地図アプリで徒歩12分なら12分
  • 寺社や庭園の拝観は、建物の中にいる時間を除いて、境内を歩く時間だけ
  • 商店街は、アーケードがあれば0分、なければ歩く距離に応じて
  • タクシーやバスに乗る時間、乗り場で屋根の下に立つ時間は0分

足し算すると、思っていたより短いことも、長いことも出てきます。観光地を3か所まわる旅で、境内や庭を歩く時間がそれぞれ20分なら、それだけで60分です。駅と宿の往復を足せば、すぐに越えます。

なぜ60分なのか

60分を境目にしているのは、傘をさしていても、このあたりから肩と背中、腕の外側が湿ってくるからです。傘の下にいても、すれ違うときに傘を傾けたり、写真を撮るときに片手を外に出したりするたびに、少しずつ濡れていきます。

例:秋の1泊2日、寺社と庭園をまわる旅

実際に数えてみると、どのくらいになるかを1つの例で見てみます。1日目は駅に着いてから寺を2か所と庭園を1か所まわり、宿に入る旅です。

  • 駅から1つ目の寺まで歩く:15分
  • 1つ目の寺の境内を歩く(本堂の中は除く):20分
  • 寺から寺へ移動(バス。乗り場までの徒歩だけ数える):5分
  • 2つ目の寺の境内:15分
  • 庭園を一周する:30分
  • 庭園から宿まで歩く:10分

足し算すると95分です。60分を大きく超えるので、この日は上着を替える側に入ります。雨量の予報が午後に3mmを超えているなら、靴も替えます。

2日目は、宿から駅までタクシー、駅前の商店街を少し歩いて帰る、という予定なら、外を歩く時間は15分ほどです。2日目は上着をふだんのものに戻してもいい日になります。

こうして日ごとに数えると、同じ旅の中でも、雨の装備が要る日と要らない日が分かれることがわかります。1日目に撥水の上着を着て、2日目はかばんにしまってニットで帰る、という組み方ができると、荷物の数は変わらずに、2日目の服を旅らしく見せられます。

数えるときの落とし穴

外を歩く時間を数えるとき、見落としやすいのが待つ時間です。人気の寺社や庭園では、入口の前で並ぶことがあります。屋根のない場所で15分並べば、それも外にいる時間です。混みそうな場所が旅程にあるなら、その分を足しておきます。

もう1つは、食事のあとの寄り道です。昼食の店を出てから、近くを少し歩いてみたくなるのは旅のよくある流れです。予定にない散歩は、合計時間を15〜20分押し上げます。合計が50分台なら、この寄り道で60分を越えると考えて、上着を替える側に寄せておくほうが無難です。

60分を下回るなら、上着はふだんのもので構いません。濡れても、宿や店に入ったときに脱いで乾かせば戻ります。60分を超えると、乾かす時間がないまま次の場所へ移ることになり、湿った上着を一日着ていることになります。

靴:雨量が3mmを超えたら、ここから替える

雨の旅でいちばん後悔が多いのは靴です。服は濡れても乾きますが、布の靴は一度中まで染みると、その日のうちには乾きません。宿泊の旅なら、翌朝もまだ湿っています。

替えるなら、この3つを満たす靴

  1. 表面が水を弾くこと。合成皮革、撥水加工の革、ゴム引きの素材
  2. 底に溝があること。濡れた石畳や駅の床、境内の石段は、平らな底だとすべる
  3. 足首まわりが締められること。ひもかファスナーで締められると、水たまりを踏んだときに上から入りにくい

この3つを満たしていれば、見た目はふだんの靴に近いもので十分です。つやの強いレインブーツは、雨が止んだ時間に浮いて見えます。秋の旅なら、くるぶしが隠れる短いブーツか、撥水加工のレザースニーカーが、晴れた時間にもそのまま履けます。

靴を替えないでいい日

雨量が3mm以上でも、外を歩く時間が合計で15分に満たない日は、ふだんの靴で済むことがあります。濡れるのはつま先だけで、中まで染みる前に屋内に入れるからです。この場合は、靴下を1足多く持っていけば足ります。

靴下の素材も一緒に替える

靴を替えても、靴下が綿の厚手だと、少し染みただけで足がずっと湿ったままになります。雨の日の靴下は、薄手のウールか、化繊の混ざったものにしておくと、湿っても冷たさを感じにくく、宿で洗っても翌朝までに乾きます。

タイツやストッキングで旅をする日は、伝線に備えて1足、濡れたときの替えに1足、合わせて2足多く入れておくと安心です。足元が冷えると、旅の後半の歩く気力が目に見えて落ちます。靴と靴下は、同じ日に一緒に決めてください。

靴を2足持っていくか

2泊以上の旅で、雨の日と晴れの日が分かれているなら、2足持っていく価値があります。1足を濡らしても、翌日はもう1足を履けるからです。荷物を減らしたいなら、晴れの日の靴を移動日に履いていき、雨の靴だけをかばんに入れます。逆にすると、重い靴を持ち歩くことになります。

上着:傘をさせない場面の数で、フードの有無を決める

歩く時間が60分を超える日は、上着を替えます。ただし、レインコートが必要かどうかは、もう1つの数で決まります。傘をさせない場面が、旅程の中に何回あるかです。

傘をさせない場面とは、たとえば次のようなものです。

  • 人の多い参道や細い路地で、傘がぶつかる
  • 海沿いや橋の上、高台で、風が強くて傘が裏返る
  • 両手で地図を見る、写真を撮る、買い物の袋を持つ
  • 石段を上り下りするとき、手すりをつかみたい

この場面が旅程の中に2回以上あるなら、フード付きの撥水の上着が役に立ちます。傘を閉じても、頭と肩は守られます。1回以下なら、フードのないふだんの上着に、出発前に撥水スプレーをかけておけば足ります。

秋の旅に合う上着の形

秋の雨の日は、晴れた日より気温が下がり、さらに濡れると体感はもう一段寒くなります。上着は、次の条件で選ぶと迷いません。

  • 丈は腰骨が隠れるくらい。長いコートは裾が濡れて重くなり、短すぎると腰が冷える
  • 前を閉めて、首元まで上げられる。雨の日は首から冷える
  • 中に薄手のニットを1枚着られるゆとり。朝晩の冷え込みに備える

裏地のない薄手の撥水コートは、たたむと小さくなるので、晴れの予報が出ていても持っていけます。迷ったら、これを1枚入れておけば、雨量と歩く時間がどちらに転んでも対応できます。

ボトム:裾の位置は、くるぶしから何cm上か

雨の日の裾は、いちばん見落とされやすい場所です。床につきそうな長いパンツやスカートは、3mm以上の雨で、歩くたびに跳ね返った水を吸い上げます。

裾の高さの目安

  • 雨量が3mm未満:ふだんの丈のままで大丈夫
  • 雨量が3mm以上:裾がくるぶしより3cm以上上にあるもの
  • 雨量が10mm以上で外を歩く時間も長い:裾がくるぶしより5cm以上上、またはブーツの中に入れられるもの

くるぶしから3cm上というのは、平らな道を歩いたときに、靴のかかとが跳ね上げる水がちょうど届かなくなる高さです。数字は目安ですが、家の鏡の前で足踏みをして、裾がかかとに触れないかを確かめてみてください。

スカートで行きたい日

スカートで旅をしたい人は、膝下からふくらはぎの真ん中くらいまでの丈が雨の日には扱いやすいです。足首までの長いスカートは、階段で踏んでしまったり、濡れた裾が脚にまとわりついたりします。タイツを合わせておけば、脚が少し濡れても冷えは和らぎます。

バッグと手:傘を持つ手を空けておく

雨の日は、片手が傘でふさがります。そのうえで手提げのかばんを持つと、両手がなくなります。旅の雨の日は、肩にかけるか、斜めにかけられるかばんにしておくと、残った片手で地図を見たり、手すりをつかんだりできます。

かばんの中身の分け方

  • 濡れたら困るもの(紙のチケット、スマートフォン、充電器)は、口を閉じられるポーチに入れる
  • 濡れた折りたたみ傘を入れる袋を、別に1枚用意する
  • 小さなタオルを1枚、すぐ取り出せるところに入れておく

傘は折りたたみか、長い傘か

旅に持っていく傘は、雨量で分けると決めやすくなります。

  • 雨量が3mm未満の予報:折りたたみ傘で足りる。晴れた時間はかばんにしまえる
  • 雨量が3mm以上で、外を歩く時間も60分を超える:骨の数が多く、直径が大きめの折りたたみ傘か、短めの長傘。小さな折りたたみ傘では、肩とかばんがはみ出す
  • 風の強い海沿いや高台が旅程にある:骨が風で裏返っても戻る作りのもの

長い傘は雨を防ぐ力は強いのですが、電車やバスの中、寺社の拝観で預けるときに手がふさがります。旅の雨の日は、少し大きめの折りたたみ傘を1本選んでおくと、強い雨にも、晴れ間にも対応できます。傘の直径は、開いたときに肩幅より左右に10cmずつ以上はみ出すくらいが、かばんまで覆える目安です。

かばんの素材は、ナイロンや撥水加工の布なら、雨の中でもあまり気になりません。革のかばんは、晴れの日用にして、雨の日は宿に置いておく、という分け方もできます。

秋の雨は冷える:濡れたあとに足す1枚

夏の雨と秋の雨の違いは、濡れたあとの寒さです。秋は気温が15度前後の日も多く、そこに雨と風が加わると、体感はさらに下がります。

雨の日の旅では、上着とは別に、濡れたあとに足す1枚を考えておきます。

  • 薄手のカーディガンかニット:店に入って上着を脱いだとき、湿った肩を覆う
  • 大判のストール:首と肩を一度に覆えて、乾いた面を内側にして巻ける
  • 予備の靴下:靴の中が湿ったとき、宿や店で履き替える

ストールは、雨の日の旅でもっとも働く1枚です。屋外では首を守り、屋内では湿った上着の代わりに肩にかけられます。たたむと小さくなるので、晴れの予報でも入れておいて損はありません。

雨の日に選ぶ色

雨の日は、空も地面も暗くなり、全身が沈んで見えやすくなります。とくに秋の旅は、上着も靴も濃い色を選びがちです。雨の装備が濃い色にそろったら、顔のまわりか手元に、明るい色を1か所入れてください。ストール、傘、かばんのどれか1つで十分です。

反対に、白や淡い色のボトムは、雨の日には裾の跳ねが目立ちます。雨量が3mmを超える日は、ボトムは中くらいから濃い色にして、明るい色は上半身に寄せておくと、旅の終わりまで汚れが気になりません。

秋の夜の冷え込みに備える考え方は、紅葉ライトアップの服装|日没後に外にいる時間で、足す枚数を決めるでも同じ「外にいる時間」で書いています。雨の夜は、こちらの目安にさらに1枚足すと考えてください。

迷うとき①:前日に予報が変わった

前日の夜に「午後から雨」だった予報が、当日の朝に「午前から雨」に変わることがあります。逆に、降らない予報に変わることもあります。

雨が早まったとき

荷造りをし直す時間がないなら、靴だけを替えます。上着は、出発時に雨が降っていれば、すでに着て出るはずです。かばんの中身を入れ替えるより、足元を替えるほうが早く済みます。

雨が弱まった、なくなったとき

前日に雨の服で荷造りをしていたら、靴はふだんのものに戻し、撥水の上着はかばんに入れたまま持っていきます。秋の雨は予報がずれやすく、夕方に急に降り出すこともあります。上着は軽いので、入れておいても負担になりません。

予報が「晴れ時々雨」のとき

時々雨、という予報は、どの時間に降るかがはっきりしません。この場合は、旅程の中でいちばん長く外を歩く時間帯の雨量を基準にします。その時間に3mm以上の予報が少しでもあれば、靴を替えておきます。

迷うとき②:雨量と歩く時間の、片方だけが極端な日

雨は弱いが、外を歩く時間がとても長い

霧のような細かい雨が、一日中降り続く日があります。1時間の雨量は1mmに満たないのに、外を歩く時間は3時間を超える、という旅です。山あいの温泉地、紅葉の名所、庭園めぐりなどでよく起こります。

この日は、靴より上着と髪が問題になります。細かい雨は、傘をさしていても横から流れ込んできて、気づくと上着の表面がしっとり湿っています。

  • 上着はフード付きの撥水のもの。傘と組み合わせて、横からの雨を防ぐ
  • 靴は、ふだんのものでも構わない。ただし布の靴なら、撥水スプレーを前の晩にかけておく
  • 髪は、まとめておくと湿気で広がりにくい

雨量が少ないから大丈夫、と考えていると、夕方には上着がずっしり重くなっています。歩く時間が長い日は、雨量の数字が小さくても、上着だけは替えておくほうが安心です。

雨は強いが、外はほとんど歩かない

反対に、1時間に10mmを超える強い雨の予報でも、移動は車か電車で、観光は屋内の美術館や商業施設、という旅もあります。外を歩く時間を数えると、合計で20分ほどしかありません。

この日は、上着はふだんのもので構いません。替えるのは靴だけです。駅から施設、施設から車、というわずかな距離でも、強い雨の日は水たまりを避けきれないからです。

**気をつけたいのは、乗り降りの瞬間です。**強い雨の日に濡れるのは、歩いているときより、車やタクシーの乗り降りのときです。傘を閉じてから乗り込むまでの数秒、ドアを開けてから傘を開くまでの数秒に、肩と頭が濡れます。フードがあれば一瞬で被れますが、なければ、乗る前に傘を半分閉じた状態で体を先に入れる、という順番を覚えておくと楽です。

迷うとき③:同行者と予定が違う、写真を撮りたい

同行者がいる旅

同行者と旅程が同じなら、雨の装備も同じ基準で決められます。けれど、片方が写真を撮りたくて外にいる時間が長く、片方は屋内で待っている、という旅もあります。この場合は、それぞれが自分の外にいる時間で決めてください。同じ旅でも、写真を撮る人は60分を超え、待つ人は30分で済むことがあります。

写真を撮りたい日

雨の旅で写真を残したい人は、靴と上着を替えたぶん、色で旅らしさを足すと、雨でもいい写真になります。上着が撥水の地味な色なら、ストールか傘に1色、明るい色を入れておきます。秋なら、からし色、深い赤、くすんだ緑あたりが、濡れた石畳や紅葉の背景によく映えます。

傘は透明のものだと顔が明るく写り、色のあるものだと全体が引き締まります。どちらがいいかは好みですが、旅先で買い足すより、使い慣れた1本を持っていくほうが、ほかの持ち物とのつり合いがとれます。

迷うとき④:日帰りか泊まりかで、替える範囲が変わる

同じ雨量、同じ歩く時間でも、日帰りの旅と泊まりの旅では、替えるものの範囲が変わります。違いは、濡れたものを乾かす時間があるかどうかです。

日帰りの旅

日帰りなら、夜には家に帰って着替えられます。濡れても、困るのは帰りの電車の中までです。この場合は、表の4つのうち、どこに入るかをそのまま使えば足ります。

ただし、帰りの移動が長い日は注意してください。片道2時間を超える電車や高速バスで、濡れた靴と裾のまま座っていると、足元から冷えてきます。帰りの移動が長いなら、靴下を1足と、膝にかけられるストールを1枚、かばんに入れておきます。乗る前に駅の化粧室で靴下を替えるだけで、帰り道がずいぶん楽になります。

1泊の旅

1泊の旅は、1日目に濡れたものを、宿で一晩かけて乾かせます。けれど、2日目の朝に雨が続いていれば、乾ききらないうちにもう一度濡れます。

このため、1泊の旅では、2日目の予報も見て決めます。

  • 1日目だけ雨、2日目は晴れ:1日目の基準で替えるだけでいい。2日目は乾いた服で出られる
  • 1日目は晴れ、2日目だけ雨:雨の靴を2日目に履く前提で、1日目はふだんの靴で行く。雨の靴はかばんに入れておく
  • 両日とも雨:靴は1足を通しで使うことになるので、中敷きを替えられるものを選ぶ。替えの中敷きを1組持っていくと、翌朝の湿りが気にならない

2泊以上の旅

2泊以上になると、雨の日と晴れの日が混ざる可能性が高くなります。全部の日を雨の基準で揃えると、荷物が重く、晴れた日の服が足りなくなります。

この場合は、雨の日の装備を1組だけ決めて、それを雨の日に回す、という考え方にします。靴1足、フード付きの上着1枚、裾の短いボトム1本。これを雨の日の組として固定し、晴れの日はふだんの旅の服で過ごします。雨の組の上着とボトムは、晴れた日の服とも色をつなげておくと、天気が途中で変わっても上だけ、下だけで組み替えられます。

雨の旅に向く素材、向かない素材

服を替えるかどうかの前に、もともと持っていく服の素材を少し選ぶだけで、雨の旅はかなり楽になります。替える数を減らすための下ごしらえです。

向く素材

  • ポリエステルやナイロンの薄手の布:水を吸いにくく、濡れても乾きが早い。しわにもなりにくい
  • 薄手のウール:表面が水をはじく性質があり、少しの雨なら染みにくい。濡れても冷たさを感じにくい
  • 撥水加工をした綿:見た目は綿のまま、水滴を弾く。ただし加工は洗うたびに弱まるので、旅の前に状態を確かめる

向かない素材

  • 厚手の綿のパンツ:一度濡れると重く、宿で一晩置いても乾かないことが多い
  • 麻:水を吸うと色が濃く変わり、しわが深く残る
  • 起毛した布:濡れた部分の毛が寝て、乾いたあともそこだけ跡が残る
  • スエード調の靴やかばん:撥水加工がされていないと、水じみが残る

雨の予報が出ている旅で、向かない素材のものを着たいときは、それを屋内で過ごす時間に回してください。宿の夕食、美術館、カフェで過ごす時間です。外を歩く時間には、向く素材のものを着ておけば、着たい服をあきらめずに済みます。

撥水スプレーをかける時期

撥水スプレーは、出発の直前より、前の日の夜にかけておくほうが効きます。かけたあと、乾いてなじむまでに時間がかかるからです。靴、上着、かばんの順にかけ、窓を開けた部屋か屋外で、20〜30cm離して全体に薄くかけます。

一度かけたら、旅の途中でかけ直す必要はほとんどありません。ただし、強い雨の中を長く歩いた日のあとは、表面が水を吸い始めることがあります。2泊以上の旅で、雨の日が続く予報なら、小さなスプレーを持っていくか、宿の近くで手に入るかを確かめておきます。

行き先によって、雨の降り方が違う

同じ秋の雨でも、行き先によって降り方が違います。予報の数字に加えて、行き先の性格も少し頭に入れておくと、決め方がぶれません。

山あいや高原

山あいでは、細かい雨や霧が長く続くことがよくあります。雨量は少なくても、空気そのものが湿っていて、服が内側からしっとりしてきます。標高が上がるほど気温も下がるので、上着は撥水に加えて、中に1枚足せるゆとりがあるものにします。

海沿い

海沿いは、雨そのものより風が問題になります。雨量が2mmでも、横から吹きつける雨は傘では防げません。海沿いの旅では、傘をさせない場面の数を多めに見積もり、フード付きの上着を選ぶ側に寄せてください。

街なか

街なかの旅は、屋根のある道や、地下の通路をつないで歩けることが多く、外を歩く時間を短くできます。旅程を組むときに、駅からアーケードや地下通路を通るルートを選ぶだけで、60分の境目を下回ることもあります。服を替える前に、ルートを替えられないかを考えてみてください。

宿に着いてから:濡れた服と靴を翌朝までに戻す

雨の旅の夜は、翌朝の服を乾かす時間でもあります。宿に着いたら、まず濡れたものを全部出してください。

乾かす順番

  1. 靴:中敷きを抜いて、乾いたタオルか紙を詰める。1時間ほどで一度入れ替える
  2. 上着:ハンガーにかけて、肩の形を整える。撥水の上着は、表面の水滴をタオルで押さえて取る
  3. パンツやスカートの裾:濡れた部分をタオルで挟んで押さえ、吊るしておく
  4. 靴下と下着:洗面所で軽く洗い、絞ってからタオルで包んで水気を取る

化繊の薄いものは、この手順で翌朝までに乾くことが多いです。綿の厚手のものは乾きにくいので、雨の旅には化繊や薄手のウールを中心に持っていくと、夜の手間が少なくなります。

乾かないとわかっているとき

靴が翌朝までに乾かないとわかっているなら、宿の部屋のスリッパで朝食に行き、出発のときに履く、という順番にしておきます。それでも湿っている場合に備えて、靴の中に入れる薄い中敷きか、ビニール袋を1枚持っておくと、足が濡れずに済みます。

荷造りの最後に、3つの質問

雨の旅の荷造りが終わったら、出かける前に次の3つを自分に聞いてみてください。

  1. いちばん雨が強い時間帯に、自分はどこにいるか。外にいるなら、靴は替えてあるか
  2. 屋根のない道を歩く時間は、合計で何分か。60分を超えるなら、上着にフードはあるか
  3. 雨が止んだ時間に着たい服が、かばんに入っているか。全部を雨仕様にしていないか

1つ目と2つ目の答えが出せないときは、旅程がまだ決まりきっていないということです。その場合は、いちばん長く外を歩きそうな日を1日だけ選んで、その日の数字で決めてください。全部の日を雨の基準で考えるより、1日分の装備を軸にして、ほかの日はそこから引いていくほうが、荷物が軽くなります。

3つ目の質問がいちばん大切です。雨の旅でよく聞くのは「雨に備えて地味な服ばかり持っていったら、午後は晴れて、写真が全部同じに見えた」という声です。替えるのは数字が超えた側だけにして、残りは、ふだん旅で着たい服のまま持っていってください。

雨の日に靴を脱ぐ場面が多い旅なら、お寺巡りの服装|秋は靴を脱ぐ回数で、足元と裾を先に決めるの考え方もあわせて見ておくと、脱ぎ履きしやすい靴と、濡れた靴をどこに置くかを一緒に決められます。

よくある問い

Q. 降水確率が50%と出ています。雨の服で行くべきですか
降水確率は雨が降るかどうかの見込みで、どれだけ濡れるかは教えてくれません。同じ50%でも、1時間に1mmなら傘だけで足り、5mmなら靴の中まで染みます。時間ごとの予報で雨量を見て、3mm以上の時間帯に外を歩く予定があるかを先に確かめてください。
Q. 防水の靴を1足だけ持っていくなら、どんな形がいいですか
くるぶしが隠れる高さで、底に溝があり、ひもかファスナーで足首を締められるものが使いやすいです。旅の中で晴れた日にも履くことを考えると、つやの強いものより、表面が革やスエード調に見える撥水加工のもののほうが、普段の服に合わせやすくなります。
Q. 雨の旅行で、レインコートとふつうの上着のどちらを持っていけばいいですか
傘をさせない場面がどれだけあるかで決めます。両手を使う観光、人の多い参道、風のある海沿いのように傘を閉じる場面が2回以上あるなら、フード付きの撥水の上着が便利です。傘をさしたまま歩ける旅なら、ふだんの上着に撥水スプレーをかけておけば足ります。
Q. 雨で濡れた服や靴は、宿で翌朝までに乾きますか
化繊の薄いものは、絞って吊るしておけば翌朝までに乾くことが多いです。綿の厚手のパンツやスニーカーの中敷きは乾きにくいので、新聞紙やタオルを詰めて、寝る前に一度入れ替えてください。乾かない前提で、靴下と下着を1組多く持っていくと安心です。

— メグラシ編集部

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"似合う"の輪郭が見えたら、
次は実際に試してみる段階かもしれません。

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