旅行の服装 秋冬|行き先との気温差と、夜に外を歩くかで決める

**行き先の最低気温を、家のまわりの最低気温と並べてみてください。**差が5度未満なら、いつもの秋冬の上着で出かけて大丈夫です。5〜10度なら上着を1段厚くするか、中に薄い1枚を足します。10度以上なら、行きに着る服と、着いてから着る服を分けて考えてください。
そのうえで、**夜に外を歩く時間を数えます。**15分までなら首元を覆うものが1つあれば足ります。40分を超えるなら、首・手首・足首の3か所を覆える服にしておきます。
秋冬の旅の服は、上着と中身を一度に決めようとすると迷います。上着は気温差、中身は夜の歩く時間、と分けて決めると、持っていく枚数も自然に絞れます。荷物の数の考え方は一人旅の服装|秋は、荷物を自分で持ち上げる回数と夜の店で決める、雨の日の決め方は旅行の服装 雨にまとめています。
結論:上着は気温差で、中身は夜に外を歩く時間で決める
秋冬の旅で寒い思いをするのは、だいたい次の2つのどちらかです。ひとつは、家を出たときはちょうどよかったのに、着いた先が思ったより冷えていたとき。もうひとつは、昼の観光はちょうどよかったのに、夕食のあとに外を歩いて体が冷えたときです。
前者は上着の厚さの問題で、後者は中に着る物と、首や手首の覆い方の問題です。原因が違うので、決める数字も分けます。
| 決めるもの | 見る数字 | 境目 |
|---|---|---|
| 上着の厚さ | 行き先と家のまわりの最低気温の差 | 5度・10度 |
| 中に着る物と小物 | 夜に外を歩く合計時間 | 15分・40分 |
| 足元 | 1日に歩く距離と道の状態 | 1万歩・石畳や坂 |
この表は、どこを見れば決まるかを示すためのものです。具体的な組み方は、このあと境目ごとに書きます。
最初に調べる2つの数字|行き先の最低気温と、日没の時刻
旅の前に見るのは、行き先の最低気温と、日没の時刻の2つです。
最高気温だけを見ると、家のまわりとの差は小さく見えます。秋の昼間はどこもそれなりに暖かいからです。差がはっきり出るのは朝と夜で、旅先で寒いと感じるのもこの時間帯です。だから比べるのは最低気温どうしにしてください。
もうひとつが日没の時刻です。秋が深まるほど日が短くなり、同じ夕方5時でも、まだ明るい日と、もう暗くて冷えてきている日があります。北や東へ向かう旅では、家のまわりより日没が早くなることもあります。観光の予定が夕方まで入っているなら、そのうちどれだけの時間が日没後になるかを見ておくと、中身の決め方がずれません。
予報は出発の3日前と前日の2回見るのがちょうどよい回数です。3日前の予報で大まかな服を決めて、前日の予報で、重ねる1枚を入れるか外すかだけを決めます。直前に全部を入れ替えようとすると、荷物が増えます。
標高と海からの距離も、気温差に効く
同じ県の中でも、山の上の温泉地や高原と、海沿いの町では夜の冷え方が違います。標高が上がるほど気温は下がり、海から離れた盆地は朝晩の冷えが強く出ます。行き先の予報が市街地のものしか出ていない場合は、そこより高い場所に泊まるなら数度低く見積もっておくと外しにくくなります。
境目①|気温差が5度未満なら、いつもの秋冬の服でよい
行き先の最低気温が、家のまわりと比べて5度も違わないなら、服を特別に変える必要はありません。普段その時期に着ている上着と中身で出かけてください。
このとき気をつけたいのは、旅だからといって新しい服を持ち出さないことです。着慣れていない服は、座ったときの突っ張りや、長く歩いたときの靴擦れが旅先で初めてわかります。気温差が小さい旅は、着慣れた服でいちばん楽に過ごせる旅です。
一方で、旅先では普段より外にいる時間が長くなります。家のまわりでは駅から職場まで10分歩くだけでも、旅先では1日に何時間も外を歩くことがあります。気温差が小さくても、外にいる時間が長いぶん、首元を覆うものを1つだけ足しておくと安心です。薄手のストールやスカーフなら、使わない時間は鞄に入れておけます。
気温差が小さい旅でも、行き先が海沿いや高台なら、風で体感が下がることがあります。予報の風速が強めに出ている日は、ストールを少し厚手のものに替えておくか、上着の中に薄い1枚を入れられる余裕を残しておいてください。普段の服で出かけるといっても、調整できる余地を1つ持っておくだけで、旅先で寒い思いをする場面はずっと少なくなります。
境目②|気温差5〜10度は、上着を1段厚くするか中に1枚足す
行き先の最低気温が家のまわりより5〜10度低い旅は、秋冬にいちばん多い組み合わせです。ここは上着を1段厚くするか、上着はそのままで中に薄い1枚を足すか、どちらかで対応します。
1段厚くする、というのは、たとえば普段は薄手のジャケットで過ごしている時期なら、裏地のあるコートやキルティングの上着にする、という意味です。ただ、厚い上着は移動中に脱いだとき置き場所に困ります。乗り物の中で膝にかけたり、宿の小さなクローゼットに掛けたりするとき、かさばる上着は扱いにくいものです。
そこでおすすめしたいのは、上着はいつものまま、中に薄いニットや薄手のダウンベストを1枚足す方法です。中の1枚なら、暑くなったら脱いで畳み、鞄に入れられます。上着を1枚で済ませるより、薄いものを重ねて調整できるほうが、旅のように1日の中で場所と気温が何度も変わる日には向いています。
中に足す1枚の選び方
中に足す1枚は、上着の袖に通したときに腕まわりが窮屈にならない薄さを選んでください。上着を着てから腕を前に伸ばし、肘を曲げてみて、肘の内側が突っ張らなければちょうどよい厚さです。突っ張るなら、袖のないベストにするか、上着を1サイズゆとりのあるものにします。
色は上着の内側から少し見えるので、上着か中に着る服のどちらかと同じ系統の色にしておくと、重ねたときにまとまります。
上着の素材は、風を通すかで分ける
1段厚くするときに見ておきたいのが、上着が風を通すかどうかです。目の粗いニットのカーディガンや、ざっくり編んだ上着は、風がない日は暖かくても、風が吹くと冷たい空気が編み目から入ってきます。海沿いや高台、川沿いなど、風の通る場所へ行く旅では、表面の目が詰まったウールのコートや、ナイロンの表地がある上着のほうが体温を保てます。
逆に、風の弱い盆地の町や、屋内の多い旅なら、ニットの羽織でも十分です。上着の厚さだけでなく、行き先の風も見て素材を選ぶと、同じ厚さでも過ごしやすさが変わります。
境目③|気温差10度以上は、行きの服と着いてからの服を分ける
行き先の最低気温が家のまわりより10度以上低い旅、あるいは南へ向かって10度以上高くなる旅では、家を出るときの服と、着いてから過ごす服を同じにしようとしないでください。
北へ向かう場合、家のまわりでちょうどよい服で出かけると、着いた先では明らかに足りません。かといって、行き先に合わせた厚い服で家を出ると、駅や空港までの移動と、乗り物の中で暑くなります。このときは、行きは家のまわりに合わせた服で出かけ、行き先で着る厚手の1枚を鞄に入れておくか、着いてすぐに羽織れるよう手に持っておきます。
南へ向かう場合はその逆です。家を出るときは秋冬の上着が必要でも、着いた先では上着が要らないことがあります。上着は着ていき、着いたら脱いで持ち歩くことになるので、畳んで小さくなるものを選ぶと楽です。南の旅でも、帰りの夜に家の近くの駅に着いたときは寒いので、上着を置いてくるわけにはいきません。
着替える場所を先に決めておく
気温差が大きい旅では、どこで1枚足すか、あるいは脱ぐかを先に決めておくと慌てません。着いた駅や空港の中、宿に荷物を置いたとき、レンタカーに乗る前など、屋内で落ち着いて上着を替えられる場所を1つ想定しておいてください。外に出てから寒さに気づいて、駅前で鞄を開けて探すのは大変です。
夜に外を歩く時間|15分と40分で変わるもの
ここからは中身の決め方です。旅の夜は、普段の夜より外を歩く時間が長くなりがちです。宿から夕食の店まで、店から宿まで、夜の景色を見に少し歩く、といった時間を合計してみてください。
15分まで
夜に外を歩くのが合計15分までなら、昼の服のままで大丈夫です。首元を覆うストールかスカーフを1つ持っておけば足ります。首は、覆うかどうかで体感が大きく変わる場所です。
15〜40分
15分を超えて40分までなら、首元に加えて、手首を覆えるものを考えてください。袖が手首の骨までしっかり届く上着か、中に着る服の袖が上着の袖口から少し出る長さだと、手首から冷えが入りにくくなります。手袋を持っていくほどではない時期でも、手首が出ていると指先まで冷えます。
40分を超える
40分を超えるなら、首・手首・足首の3か所を覆える服にします。足首は見落としやすい場所です。くるぶしが見える丈のパンツに浅い靴下を合わせていると、歩いているうちに足首から冷えてきます。長めの靴下にするか、くるぶしが隠れる丈のパンツか、ブーツにしてください。
夜に長く外を歩く予定、たとえば夜景を見に高台へ行く、夜の祭りや灯りのイベントに行く、といった日は、40分を超えると思っておいてください。立ち止まって眺める時間は、歩いている時間より体が冷えます。
立ち止まる時間は、歩く時間の倍で数える
夜に外にいる時間を数えるとき、歩いている時間と、立ち止まっている時間は同じには扱えません。歩いていると体が温まりますが、立ち止まって景色を眺めたり、屋台の列に並んだり、写真を撮ったりしている間は、体がどんどん冷えていきます。
目安として、立ち止まっている時間は歩いている時間の倍として数えてください。たとえば、10分歩いて15分立ち止まる予定なら、10分+30分で40分として扱い、首・手首・足首の3か所を覆う形にします。夜のイベントや、灯りを眺める散策は、思っている以上に立ち止まる時間が長くなります。
移動中の服|乗り物の中は暖房が効いている前提で
新幹線や特急、飛行機、高速バスの中は、秋冬は暖房が効いています。外に合わせた服のまま座っていると、暑くて汗をかき、降りてから外の冷たい空気で体が冷える、ということが起こります。
移動中は上着を脱いで過ごす前提で、中の服を決めてください。上着を脱いだときに、中が薄すぎず厚すぎず、半袖や袖の短い服になっていないかを見ておきます。暖房が効いた車内でも、窓際は冷えることがあるので、薄手のカーディガンかストールがあると座席で調整できます。
座る時間が長い移動では、ウエストを締め付ける服は避けたほうが楽です。座ると腹まわりが前に出るので、立っているときにちょうどよいウエストは、座ると窮屈になります。ウエストにゴムが入ったものや、ゆとりのあるワンピースにしておくと、2〜3時間座っても疲れにくくなります。
駅や空港で待つ時間
移動中の服を考えるとき、乗り物の中だけでなく、駅のホームや空港の搭乗口で待つ時間も入れておいてください。秋冬の駅のホームは風が抜けて冷えますし、早朝や夜の便を待つ空港は、空調の効き方が場所によって違います。乗り物の中で上着を脱いでいても、ホームで待つ間は着ていられるよう、上着はすぐに羽織れる場所に置いておきます。
乗り換えが多い旅では、着たり脱いだりの回数も増えます。前を閉じるのにボタンを上から下まで留める上着より、ファスナーで一度に閉じられる上着や、前を開けたまま羽織れる上着のほうが、乗り換えのたびの手間が少なくなります。
脱いだ上着の置き場所
脱いだ上着をどこに置くかも、上着選びのうちです。新幹線の座席なら上の棚か膝の上、飛行機なら頭上の棚になります。厚手で型崩れしやすい上着は、棚に押し込むとしわになります。畳んで鞄の上に乗せられる薄手の上着なら、置き場所に困りません。
気温差と夜の歩く時間を組み合わせる
ここまでの2つを組み合わせると、持っていく服の形がほぼ決まります。
| 気温差 | 夜に歩くのが15分まで | 夜に歩くのが40分超 |
|---|---|---|
| 5度未満 | いつもの上着+ストール | いつもの上着+首・手首・足首を覆う |
| 5〜10度 | いつもの上着+中に薄い1枚 | 中に薄い1枚+首・手首・足首を覆う |
| 10度以上(北へ) | 行きの服+着いて羽織る厚手1枚 | 厚手1枚+3か所を覆う小物 |
| 10度以上(南へ) | 着ていく上着は畳める物に | 着いた先の夜に合わせて薄手1枚 |
表に当てはめると、だいたいの旅で上着1枚と、中に足す1枚、小物1〜2個に収まります。これより多くなる場合は、同じ役割の服が2枚入っていないかを見直してください。
3つの旅に当てはめた例
数字だけでは想像しにくいので、秋冬によくある旅を3つ当てはめてみます。
1つ目は、家のまわりより北の温泉地へ1泊する旅です。最低気温の差が8度、夜は宿の食事処で夕食をとり、外を歩くのは駅から宿までの10分だけ、という予定なら、境目②の「いつもの上着+中に薄い1枚」に当たります。夜の歩きは15分までなので、首元のストールが1つあれば足ります。宿では館内着の上に羽織る物があると安心です。
2つ目は、紅葉の時期に山あいの町を歩く日帰りの旅です。最低気温の差は6度ですが、昼は暖かく、日没後に紅葉の照らし出しを40分ほど見て回る予定がある、という場合です。気温差は境目②に入り、夜の歩きは40分を超えるので、中に薄い1枚を足したうえで、首・手首・足首を覆う形にします。立ち止まって眺める時間が長いので、手袋もあると安心です。
3つ目は、南の島へ2泊する旅です。行き先の最低気温は家のまわりより12度高く、夜に海沿いを30分ほど散歩する予定があります。上着は家を出るときと帰りのために持っていきますが、行き先では畳んで鞄に入れておきます。夜の海沿いは風があるので、薄手の長袖を1枚用意しておくと、昼の服の上に羽織れます。
3つとも、決めるのは上着と中身と小物の3つで、それぞれ表の1マスを見れば決まります。迷ったら、まず気温差の行を決め、そのあと夜の歩く時間の列を決めてください。
足元|歩く距離と石畳・坂
旅先では1日に1万歩を超えて歩くことが珍しくありません。普段より長く歩く日は、靴は履き慣れたものを選び、新しい靴は旅の前に何度か近所で履いておいてください。
秋冬の旅では、靴の選び方に気温も関わります。底が薄い靴は、冷えた地面の冷たさが足裏に伝わりやすく、長く立っていると足先が冷えます。底に厚みのあるスニーカーやブーツのほうが、夜に外にいる時間が長い日には向いています。
古い町並みの石畳や、神社やお寺の砂利道、坂の多い港町では、ヒールの細い靴は歩きにくくなります。行き先の写真を見て、地面が平らな舗装でなさそうなら、かかとが太く低い靴か、底の平らな靴にしてください。
雨と落ち葉
秋の旅では、雨のあとの落ち葉で足元が滑りやすくなります。底の溝が浅い靴は濡れた落ち葉の上で滑るので、雨の予報がある日は、溝のしっかりした靴を選んでください。
靴下とタイツで、足首の冷えを止める
足首を覆う方法は、パンツの丈を変えるだけではありません。スカートやワンピースで出かける日は、厚手のタイツか、ひざ下まである長めの靴下を合わせると、足首からすねまでの冷えを止められます。薄いストッキングだけでは、夜に外を歩く時間が長い日には寒さを感じやすくなります。
パンツの日でも、靴下の丈が短いと、座ったときや階段を上るときに足首が出ます。くるぶしより10cmほど上まで届く長さの靴下にしておくと、どんな姿勢でも足首が隠れます。旅先で温泉や旅館の座敷に上がる予定があるなら、靴を脱いだときに見える靴下の色と状態も、出かける前に確かめておいてください。
どちらとも取れるとき①|気温差がちょうど5度前後
気温差が4〜6度くらいで、境目①と②のどちらに入れるか迷う場合は、外にいる時間で決めてください。
1日のうち外にいる時間が合計3時間を超えるなら、境目②として扱い、中に薄い1枚を足します。美術館や博物館、買い物など、屋内で過ごす時間が長い旅なら、境目①として扱い、いつもの服にストールを1つ加えるだけにします。
屋内中心の旅で厚着をしていると、館内で暑くなり、脱いだ上着を腕にかけて歩くことになります。上着を預けられる場所がない施設では、これがいちばん疲れます。外の時間が短い旅は、薄めにしておいて、首元で調整するほうが楽です。
もうひとつの見方は、風です。予報に風速が出ているなら、風が強い日は体感が数度下がります。気温差が5度前後で、風が強い予報なら、境目②として扱ってください。
どちらとも取れるとき②|昼は暖かいのに、夜だけ冷える
秋の旅でよくあるのが、昼は半袖でもいいくらい暖かいのに、夜は上着が要るほど冷える日です。1日の中で最高気温と最低気温の差が10度を超える日は、昼と夜で服を変えるつもりで組んでください。
この日に向いているのは、脱いだり着たりが簡単な重ね方です。前開きのカーディガンや、ボタンを開けて羽織れるシャツを中に1枚入れておくと、昼は脱いで腰に巻くか鞄に入れ、夜は羽織ることができます。頭からかぶる厚手のニットは、昼に脱ぐと髪が乱れ、鞄にも入りにくいので、この日には向きません。
もうひとつ大事なのが、脱いだ物を入れる場所です。鞄が小さいと、脱いだカーディガンの置き場所がなく、結局ずっと着ていて昼に暑い思いをします。昼に脱ぐ1枚が入るくらいの空きを、鞄の中に残して出かけてください。
宿に戻れるかどうか
昼と夜の間に一度宿に戻れる予定なら、そこで服を替えるのがいちばん楽です。昼は軽い服で出かけ、夕方に宿に戻ってから、夜用の上着と小物を足します。戻れない予定なら、昼から夜までの分を全部持って歩くことになるので、重ねる1枚は薄く畳めるものに絞ってください。
雨が加わると、夜の寒さは一段上がる
昼と夜の気温差が大きい日に雨が重なると、夜の寒さはさらに強く感じます。濡れた服は体温を奪うので、同じ気温でも乾いているときより冷えます。雨の予報がある日は、夜の歩く時間の境目を一段階繰り上げてください。15分の予定でも40分として扱い、首・手首・足首を覆う形にしておくと、濡れても体が冷えきらずに済みます。
どちらとも取れるとき③|南へ行くのに、帰りの夜が寒い
南の暖かい場所へ向かう旅でも、帰りの夜に家の近くの駅に着いたときは、家のまわりの気温に戻ります。行き先に合わせて上着を持たずに出かけると、帰りに困ります。
この場合は、行き先で使わなくても、家を出るときに着る上着は持っていく、と決めてください。そのうえで、行き先では上着を脱いで持ち歩くことになるので、畳んで小さくなるものにします。薄手のダウンジャケットや、軽いナイロンの上着は、畳むと鞄の底に入る大きさになります。
厚手のウールのコートしか手持ちがない場合は、駅や空港のロッカーに預けるという手もあります。帰りに同じ駅や空港を通る旅なら、行きに預けて帰りに受け取れます。ただし、預けられる時間には限りがあることが多いので、泊まりの旅では使える場所かどうかを先に確かめてください。
荷物を増やさない組み方|服は役割で数える
旅の服は、枚数ではなく役割で数えると増えません。役割は次の4つです。
外に出るときに着る上着が1枚。中に着る服が泊まる日数ぶん、1泊なら2枚。気温を調整する薄い1枚が1枚。首や手首を覆う小物が1〜2個。
1泊2日なら、上着1枚・中に着る服2枚・調整する1枚・小物1〜2個で足ります。2泊3日でも、中に着る服を1枚足すだけで、上着と調整する1枚は全日同じものを使います。
中に着る服は、下に合わせるパンツやスカートを1枚にして、上だけ替えるようにすると、荷物がさらに減ります。上下両方を毎日替えようとすると、組み合わせを考える手間も増えます。
連泊で洗濯できる宿なら、中の服を減らせる
3泊以上の旅で、宿に洗濯機があるか、部屋で小物を洗って干せるなら、中に着る服を泊まる日数ぶん持っていく必要はありません。乾きやすい薄手の服を2枚にして、1枚を洗っている間にもう1枚を着る、という回し方ができます。秋冬は部屋の暖房で乾きやすいので、夜に洗って朝には乾いていることが多くあります。
ただし、厚手のニットや、乾きにくい綿の厚い服はこの回し方に向きません。洗って回すつもりなら、中に着る服は薄手の化学繊維か、薄いウールのものを選んでください。上着と調整する1枚は洗わずに全日使うので、汚れが目立ちにくい色にしておくと安心です。
色は3色までにそろえる
持っていく服の色を3色までにしておくと、どの組み合わせでもまとまります。上着と下に合わせる物を同じ系統の色にして、中に着る服で1色だけ変える、という組み方が簡単です。小物で差し色を入れれば、写真に写ったときの印象も変えられます。
宿で過ごす時間の服
温泉宿や旅館に泊まる場合、館内着が用意されていることが多く、夜と朝は館内着で過ごすことになります。このとき、館内着の上に羽織る物があると、館内の廊下や食事処で冷えを感じにくくなります。宿によっては羽織も用意されていますが、ない場合に備えて、薄手のカーディガンを1枚入れておくと安心です。
ホテルの場合は、部屋の中は暖かくても、朝食会場へ行くまでの廊下やロビーは冷えていることがあります。朝食に行くときに着る服を、前の晩に決めておくと朝が慌ただしくなりません。宿での持ち物の絞り方は温泉旅行の持ち物|1泊は、宿にある物と部屋で過ごす時間で減らすで詳しく書いています。
年代で変わるところ
旅の服の決め方は年代を問いませんが、体が冷えたときの戻りやすさは人によって違います。冷えやすいと感じている人は、夜に歩く時間の境目を少し短めに取ってください。15分を10分、40分を30分と読み替えると、寒い思いをする前に覆えます。
また、長く歩く日の翌日に疲れが残りやすいと感じる人は、靴と鞄に気を配ってください。靴は底に厚みのあるもの、鞄は斜めにかけられるか背負えるものにすると、両手が空いて歩くのが楽になります。重い鞄を片方の肩だけにかけて歩くと、夕方には肩と腰が疲れてきます。
写真に写る機会が多い旅では、上着を脱いだときの姿も見ておくとよいでしょう。旅の写真は屋外で上着を着た姿と、店や宿の中で上着を脱いだ姿の両方が残ります。中に着る服を、上着なしでも1枚で見られる形にしておくと、どちらの写真にも満足できます。
冷えたと感じたときの戻し方
旅先で体が冷えたと感じたら、まず首元を覆い、次に手首、最後に足首の順で覆ってください。首元は覆うだけで体感が大きく変わるので、ストールを1つ持っているだけでも、寒さを感じたときにすぐ対応できます。それでも寒いときは、近くの店や駅の中など、屋内に少し入って体を温めてから歩き直すと、そのあとの冷え方が違います。温かい飲み物を手に持つのも、手先から温まるので効果があります。
よくある行き違い
「秋だから薄手で大丈夫」と考える
秋の旅は、暦の上では過ごしやすい時期ですが、行き先によっては朝晩にかなり冷え込みます。家のまわりの秋を基準にすると、行き先で寒さに驚くことがあります。必ず行き先の最低気温を見てください。
厚いコート1枚で全部を済ませようとする
厚いコートは外では暖かいですが、移動中や屋内では暑く、脱いだときにかさばります。旅は外と中の行き来が多いので、厚いもの1枚より、薄いものを重ねて調整できる組み方のほうが過ごしやすくなります。
夜の予定を服に入れていない
昼の観光の服だけを考えて、夕食や夜の散歩の時間を忘れていることがあります。夜に外を歩く予定があるなら、その時間を合計して、首・手首・足首のどこまでを覆うかを先に決めてください。
帰りの服を考えていない
南の旅でも、北の旅でも、帰りは家のまわりの気温に戻ります。行き先に合わせすぎて、帰りに困る服になっていないかを、最後に確かめてください。
出発前の確認の順番
最後に、出発前に確かめる順番をまとめておきます。
まず、行き先と家のまわりの最低気温を並べて、差が何度かを出します。次に、その差から上着を決めます。そのあと、夜に外を歩く時間を合計して、中に着る物と小物を決めます。足元は、1日に歩く距離と地面の状態で決めます。最後に、行きと帰りの移動中に、上着を脱いで過ごせるかを確かめます。
この順番で決めると、1つずつの判断は数字を見るだけで済みます。服の組み方で迷う時間が減るぶん、旅の行き先や食事の予定を考える時間に回せます。日帰りで温泉へ行く場合の持ち物は日帰り温泉の持ち物も合わせて見てください。
よくある問い
- Q. 秋の旅行で、行き先の気温がよく分かりません。何を見ればいいですか
- 天気予報の『最低気温』を、家のまわりと行き先の両方で見てください。最高気温どうしを比べると差が小さく出て、夜に寒い思いをしやすくなります。出発の3日前と前日の2回見ておくと、予報が動いても対応できます。
- Q. コートを着ていくと、移動中の電車や飛行機で暑くなります
- 乗り物の中は暖房が効いているので、移動中は上着を脱いでいる前提で考えてください。座席に置いても膝にかけてもかさばらない、薄手で畳める上着を選ぶか、厚手を着るなら脱いだときに中の1枚だけで過ごせる服にしておくと楽です。
- Q. 夜は出歩かない予定ですが、それでも防寒は要りますか
- 宿と夕食の店が離れている、帰りに駅から宿まで歩く、といった移動がある日は、合計の時間を数えてください。15分を超えるなら、首元を覆うものを1つ持っていくと安心です。外を歩かない日なら、いつもの秋冬の服で足ります。
- Q. 荷物を少なくしたいのですが、服は何枚あれば足りますか
- 1泊2日なら、上着1枚・中に着るもの2枚・重ねる薄手1枚が目安です。2日目は中の1枚だけを替え、上着と重ねる1枚は2日とも同じものを使います。気温差が10度を超える旅だけ、着いてから着る1枚を足してください。
— メグラシ編集部





