温泉旅行の持ち物|1泊は、宿にある物と部屋で過ごす時間で減らす

**1泊の温泉旅行なら、荷物は「宿にある物を引いてから、部屋で過ごす時間ぶんだけ足す」で決めてください。**持ち物リストを上から順に詰めていくと、宿に置いてある物まで2つずつ持つことになり、鞄が一回り大きくなります。
いまから予約確認の画面か、宿の案内ページを開いてみてください。そこに「客室備品」や「アメニティ」の欄があれば、この記事の手順の半分はもう終わっています。残りの半分は、あなたがその宿で何時間を部屋と湯で過ごすかで決まります。
日帰りの場合は、湯上がりから家に着くまでの時間で選ぶほうが合っています。そちらは日帰り温泉の持ち物|秋冬は、湯上がりから家に着くまでの時間で選ぶにまとめています。この記事は、1泊して翌朝に帰る旅を前提にしています。
結論:持ち物リストから足すのではなく、宿から引く
1泊の温泉旅行で持っていく物は、大きく分けると次の3つしかありません。
1つめは、行き帰りに着る服と、翌日の替えの肌着です。2つめは、湯に入る前後で使う物です。タオル、髪の道具、肌の手入れの道具がここに入ります。3つめは、部屋と館内で過ごすときに使う物です。館内着の上に羽織るもの、館内を歩くときの小さな袋、寝るときの物がここです。
このうち1つめは、どの宿でも自分で持っていくしかありません。ところが2つめと3つめは、宿によって置いてある量がまったく違います。タオルが大小そろっていて、館内着と羽織があり、化粧水と乳液まで並んでいる宿もあれば、フェイスタオル1枚と歯ブラシだけの宿もあります。
だから順番を逆にします。先に宿に何があるかを確かめて、そこにある物は持っていかない側に入れます。そのうえで、あなたがどれくらい部屋で過ごし、何回湯に入るかによって、宿の物だけでは足りない部分を足します。
この順番にすると、たいていの1泊旅行は、肩にかける鞄1つと、手提げの小さな袋1つに収まります。
宿の案内で確かめる5か所
予約確認のメールか、宿の案内ページの「客室」「アメニティ」「館内のご案内」のあたりに、次の5つが書いてあるかを見てください。書いてあれば持っていく必要はほぼなく、書いていなければ持っていく候補に回します。
| 確かめる物 | 書いてあったら | 書いていなかったら |
|---|---|---|
| バスタオルとフェイスタオル | 持っていかない。湯に3回以上入るなら小さいタオルだけ1枚足す | 大小1枚ずつ持つ。薄手で乾きやすい物にする |
| 館内着(浴衣・作務衣など) | 持っていかない。寝間着も兼ねる | 寝間着を兼ねる上下を1組持つ |
| 羽織(丹前・半纏など) | 持っていくかは秋冬の夜と朝の気温で決める | 薄手の羽織りを必ず1枚持つ |
| 化粧水・乳液などの基本の手入れ | 普段の物を1回分ずつだけ持つ | 普段の物を1泊分持つ |
| ドライヤー | 持っていかない | 髪が長いなら、乾かす回数で判断する |
表の右側に入った物だけが、持っていく候補です。ここで多くの人の鞄から、タオル2枚と寝間着1組が消えます。これだけで、鞄の中身はおよそ3割ほど減ります。
案内ページにどこにも書いていない物は、「置いていない」とは限りません。書いていないだけで部屋にある、ということはよくあります。ただ、着いてから無かったときに困るかどうかで分けておくと安心です。この分け方は、あとの「どちらとも取れるとき」で詳しく書きます。
部屋で過ごす時間を、3つに分けて数える
宿から引いたら、次は足す側です。足す量を決めるのは、あなたがその宿で過ごす時間の長さと中身です。
1泊の温泉旅行の時間は、だいたい次の3つに分かれます。
1つめは、チェックインしてから夕食までの時間です。早く着いて湯に入り、部屋でくつろぐなら長くなります。観光をしてから着くなら、ほとんど無いこともあります。
2つめは、夕食のあとから寝るまでの時間です。ここでもう一度湯に入る人が多く、部屋で過ごす時間も長くなります。
3つめは、朝起きてから宿を出るまでの時間です。朝風呂に入るか、朝食を食べてすぐ出るかで、必要な物が変わります。
試しに、あなたの予定でこの3つが何時間ずつになるかを、ざっくり書き出してみてください。たとえば、昼過ぎに着いて夕食まで3時間、夕食後から寝るまで3時間、朝は2時間なら、宿で起きている時間は合計8時間です。観光のあとで夕方に着くなら、1つめが1時間で、合計6時間ほどになります。
この合計が7時間を超えるかどうかが、ひとつの境目です。7時間を超えるなら、部屋でくつろぐための物を少しだけ足す価値があります。読みかけの本、湯上がりに羽織る自分の1枚、乾燥した部屋で使う物などです。7時間に届かないなら、部屋は寝て着替えるだけの場所なので、くつろぐための物は持っていかなくて構いません。
境目1:湯に入る回数が3回を超えるか
湯に入る回数は、持ち物のうちタオルと髪の道具の量を決めます。
1泊で2回までなら、宿のタオルで足ります。夕方か夜に1回、翌朝に1回入るくらいなら、宿のタオルを干しておけば朝には使えます。
3回以上になると話が変わります。夕食前、寝る前、朝の3回入ると、宿のタオルは乾く前に次の湯の時間が来ます。秋冬の部屋は暖房で乾きやすいとはいえ、厚手のバスタオルは数時間では乾ききりません。湿ったタオルで体を拭くと、湯上がりに体が冷えやすくなります。
3回以上入る予定なら、薄手で乾きやすいタオルを1枚だけ足してください。大きいバスタオルを足す必要はなく、体を拭ける大きさのフェイスタオルが1枚あれば十分です。宿のバスタオルと交互に使えば、どちらかは乾いた状態で湯に向かえます。
髪の道具も同じです。髪が肩より長い人は、乾かす回数が増えるほど、髪を留める道具が多く要ります。湯に浸かるときにまとめる髪ゴムやクリップは、1回ごとに濡れます。3回以上入るなら、髪ゴムを2本、またはクリップを1つ足しておくと、濡れた物を使い回さずに済みます。
境目2:夕食の会場に館内着で行けるか
服の量を決めるのは、夕食の場所です。
部屋で食べる場合と、館内着のまま行ける食事処で食べる場合は、行きの服をもう一度着る場面は帰りだけです。このときは、外に着る服の替えは要りません。肌着と靴下とインナーだけ替えれば、行きと同じ服で帰って問題ありません。
館内着では入れない会場で食べる場合は、湯上がりにもう一度服を着ることになります。このとき行きの服をそのまま着ると、移動の汗や湯気で少し湿った状態で夕食に出ることになります。翌日の帰りにも同じ服を着るなら、なおさら避けたいところです。
この場合は、夕食用に上だけ1枚足してください。下は行きと同じでかまいません。夕食の会場は暖房が効いていることが多いので、厚手のニットより、薄手のカットソーやシャツのほうが過ごしやすくなります。上に重ねるカーディガンを1枚持っていれば、会場が寒かったときにも対応できます。
どちらの会場か分からないときは、予約確認のメールに「お食事場所」として書いてあることが多いです。書いていなければ、「館内着でのお食事」について案内ページに一言あるかを見てください。それでも分からないなら、上だけ1枚足しておくほうが安全です。上1枚なら、鞄の中で大きな場所は取りません。
境目3:夜と朝の気温が、昼よりどれだけ下がるか
秋冬の温泉旅行で忘れやすいのが、夜と朝の冷えです。
温泉地は山あいや海沿いにあることが多く、昼は過ごしやすくても、日が落ちると急に冷えます。予報で昼と朝の最低気温を見比べて、その差が8度を超えるかどうかを見てください。8度を超えるなら、湯上がりに羽織るものを自分で1枚持っていくと安心です。
宿に羽織が置いてあっても、それだけで足りるとは限りません。館内の廊下や、露天風呂へ向かう渡り廊下は暖房が届いていないことが多く、湯上がりの体が冷えるのはまさにその場所です。宿の羽織が薄手の綿だと、首まわりと腰まわりが寒く感じます。
持っていくなら、首と腰を同時に覆える物を選んでください。薄手のカーディガンなら、丈がお尻にかかる長さのもの。ストールなら、肩から腰まで巻けるくらいの大判のものです。どちらも、たたむと手のひら2枚ぶんくらいの大きさになるので、鞄の隙間に入ります。
朝の露天風呂に入る人は、とくにこの1枚が効きます。朝の空気は夜よりさらに冷えていることが多く、脱衣所から湯までの数歩が寒く感じます。湯から上がって部屋に戻るまでのあいだも、羽織っているだけで体の冷え方が違います。
館内着の上から羽織る物の色や形は、旅館の浴衣と半纏をどう合わせるかとつながっています。部屋の外を歩く時間が長い人は、旅館の浴衣の帯をかわいく見せるも参考になります。
服は「行きと帰りを同じにするか」で量が決まる
1泊の温泉旅行の服は、行きと帰りを同じにするかどうかで決まります。
同じにするなら、持っていくのは肌着と靴下とインナーの替えだけです。下着の替えを1組、靴下を1足、肌に直接触れるインナーを1枚。これで十分です。行きの服は部屋のハンガーに掛けておけば、翌朝にはしわがおおよそ取れています。
帰りを替えたいのは、次のような場合です。翌日に観光の予定があって写真を撮るとき。行きの移動で汗をかきやすい季節や行程のとき。夕食で匂いの強い料理が出て、服に匂いが移るのが気になるとき。このどれかに当てはまるなら、上だけ替えを1枚持ちます。下まで替える必要はほとんどありません。
もう1つ大切なのは、行きの服の選び方です。温泉旅行の行きの服は、脱ぎ着の回数が多いことを前提に選んでください。宿に着いたら脱いで館内着に着替え、夕食の会場によってはもう一度着て、翌朝にまた着ます。前開きのシャツやカーディガン、かぶるだけのワンピースのように、脱ぎ着に時間がかからない服が向いています。
ボタンが多い服や、後ろにファスナーがある服は、湯上がりの体には着にくく感じます。とくに湯上がりは手が湿っていて、細かいボタンが留めにくくなります。行きの服を選ぶときは、鏡の前で一度脱いで着直してみて、1分以内に終わるかを確かめると分かりやすいです。
靴は、履いていく1足で足りるか
1泊の温泉旅行なら、靴は履いていく1足で足ります。館内ではスリッパか素足で過ごすことが多く、外に出るのは行き帰りと、温泉街を歩く時間くらいだからです。
ただし、履いていく靴は、脱ぎ履きのしやすさで選んでください。旅館では玄関で靴を脱ぐことが多く、温泉街の店や食事処でも、靴を脱いで上がる場所があります。紐をほどかないと脱げない靴や、ブーツのように履くのに時間がかかる靴は、何度も脱ぎ履きするうちに面倒になります。かかとに指を入れれば脱げる靴か、紐を結んだまま足を入れられる靴が向いています。
雨の予報が出ているなら、靴の中が濡れたときの替えの靴下を1足足しておきます。靴そのものを替えるより、靴下を替えるほうが荷物はずっと軽く済みます。宿に着いたら、靴の中に新聞紙やティッシュを詰めておくと、翌朝にはだいぶ乾いています。
温泉街の夜の散歩に、宿の下駄を貸してもらえる宿もあります。下駄を履くなら、足の指の間がこすれないよう、薄手の靴下ではなく素足のほうが歩きやすいことが多いです。下駄の鼻緒が当たる場所が痛くなりやすい人は、絆創膏を1枚入れておくと安心です。
秋の温泉旅行のコーデそのものを考えたい人は、秋の温泉旅行のコーデにまとめています。
肌と髪の道具は、普段の物を1回分ずつ
肌の手入れの道具は、宿に置いてあっても、普段の物を少しだけ持っていくのがおすすめです。
理由は単純で、宿の物が肌に合うかどうかは、使ってみないと分からないからです。合わなかったときに替えがないと、翌朝の肌が落ち着かないまま帰ることになります。普段の物を小さな容器に1回分ずつ移して持っていけば、宿の物は試す側に回せます。
1泊で使う量は思っているより少なく、化粧水と乳液はそれぞれ小さじ1杯ほどあれば足ります。夜と朝の2回使うなら小さじ2杯です。この量なら、10ミリリットルほどの小さな容器に収まります。クレンジングや洗顔料も同じ考え方で、1回分ずつ分ければ十分です。
髪の道具は、ドライヤーが部屋にあるかどうかで決まります。部屋にあれば持っていく必要はありません。ただ、髪が長くて乾かすのに時間がかかる人は、宿のドライヤーの風が弱いと乾くまでに倍の時間がかかることがあります。湯に3回以上入る予定で、髪が胸より長いなら、髪を包むタオルか、吸水のよいターバンを1つ持っておくと、乾かす時間を短くできます。
ブラシや櫛は宿にあることもありますが、目の粗さが合わないことが多い道具です。髪が絡みやすい人は、普段の物を1本持っていきましょう。
化粧道具は、夕食と翌朝のどちらで化粧をするかで決める
化粧道具は、旅のあいだに何回化粧をするかで量が決まります。
湯に入ると化粧は落ちるので、夕食の前に湯に入るなら、夕食のときに化粧をし直すかどうかを考えます。部屋食や館内着で行ける食事処なら、化粧をしないで過ごす人も多く、その場合は夕食のための化粧道具は要りません。館内着で行けない会場なら、軽く整える程度の道具を持っていきます。
翌朝は、帰りの移動と、観光の予定があるかで決めます。そのまま家に帰るなら、日焼け止めと眉と唇くらいで足ります。翌日も観光をして写真を撮るなら、いつもの道具を一通り持っていきます。
どちらにしても、化粧道具はポーチ1つに収まる量にしてください。普段の道具を全部入れると重くなるので、旅では1つの道具で2つの役割をこなせる物を選ぶと、量を減らせます。唇と頬に使える色や、眉と目元に使える色などです。
足りなくて困る、小さな物
1泊の温泉旅行で、帰ってから「持っていけばよかった」と言われる物は、大きな物ではなくたいてい小さな物です。
まず、濡れた物を分ける袋です。湯上がりのタオル、湯に入るときに使った髪ゴム、翌朝の湿った肌着などを入れる袋が1枚あると、鞄の中が濡れません。口を閉じられる袋なら、1枚で十分です。
次に、館内を歩くときの小さな袋です。部屋の鍵、スマートフォン、ハンカチ、リップくらいを入れて、大浴場や食事処に持っていく袋です。館内着にはポケットがないことが多く、手に持って歩くと落としやすくなります。巾着のような口を絞れる小さな袋があると、脱衣所のかごにもそのまま入れられます。
3つめは、室内で履く靴下です。旅館の部屋は畳で、秋冬は足元から冷えます。館内着のときは素足でスリッパを履くことが多いので、寝るときに足先が冷えやすい人は、薄手の靴下を1足足しておきましょう。
4つめは、寝るときの物です。枕が変わると眠りにくい人は、普段使っているタオルを1枚巻いて枕に乗せるだけで、肌ざわりが近くなります。ここで使うタオルは、さきほどの湯上がり用の予備と兼ねられます。
どれも、鞄の中でほとんど場所を取らない物です。この4つを入れておくと、宿の物で足りない部分をほとんど埋められます。
どちらとも取れるとき:案内に書いていない物の決め方
ここからが、いちばん迷いやすいところです。案内ページに書いていない物、書いてあるけれど中身が分からない物を、どう扱うか。
書いていない物は「なくて困るか」で2つに分ける
宿の案内に書いていない物を、全部持っていく必要はありません。着いてから無かったときに、困るかどうかで分けます。
困る側に入るのは、体に直接触れて、替えが利かない物です。肌着、肌の手入れの物、髪を留める物、普段飲んでいる物などがここに入ります。これは案内に何が書いてあっても、必ず自分で持っていきます。
困らない側に入るのは、宿に頼めば出てくる可能性が高い物です。歯ブラシ、ひげそり、くし、綿棒、ヘアゴムなど、旅館のフロントに置いてあることが多い物です。案内に書いていなくても、フロントに一言聞けば出てくることがよくあります。こちらは持っていかなくてかまいません。どうしても気になるなら、1つずつだけ鞄の底に入れておきます。
この2つに分けると、「念のため」に持っていく物の数が、ぐっと減ります。
「あり」と書いてあっても、質が分からない物
案内に「タオルあり」「浴衣あり」と書いてあっても、どんな物かは分かりません。タオルが薄くて小さかったり、浴衣の丈が合わなかったりすることもあります。
ここで迷ったら、次の2つを確かめてください。1つめは、宿の写真に客室や大浴場の脱衣所が写っているかです。写っていれば、タオルの厚みや浴衣の柄がおおよそ見えます。2つめは、浴衣の大きさを選べるかどうかです。案内に「サイズをお選びいただけます」と書いてあれば、丈が合わない心配はほとんどありません。
写真がなく、サイズの案内もないときは、寝間着を兼ねる上下を1組だけ持つ選択肢があります。身長が高めの人や低めの人で、浴衣の丈が気になるなら、寝るときだけは自分の物を着るという分け方です。宿の浴衣は館内を歩くときだけ着て、寝るときは自分の物に替えれば、浴衣の丈が合わなくても困りません。
同行者と分けられる物、分けられない物
二人以上で行くなら、分けて持てる物があります。ドライヤーを持っていくなら1台で足ります。濡れた物を分ける袋や、部屋で使う小さな延長コード、充電器のような物も、1つあれば足ります。行く前に一言相談して、誰が何を持つかを決めておくと、同じ物が2つ鞄に入ることを防げます。
逆に、分けられないのは肌に触れる物です。タオル、肌の手入れの物、髪を留める物は、それぞれが自分の分を持ちます。
車と電車で、何を変えるか
車で行くなら、重さはあまり気にしなくてかまいません。ただし、駐車場から部屋までを1往復で運べる量にしてください。宿によっては駐車場から玄関までの距離があり、荷物を何度も往復するのは思ったより手間です。鞄は2つまでにして、そのうち1つは部屋に置いたまま、もう1つは館内に持ち歩く小さな袋にする、という分け方が楽です。
電車で行くなら、駅から宿までの移動を考えてください。送迎があるのか、歩くのか、坂や階段があるのか。温泉地は坂が多い場所もあり、肩にかける鞄でも重いと疲れます。片手が空く鞄1つに入る量までに減らすのが目安です。両手がふさがると、坂道や階段で手すりにつかまれなくなります。
当日の予定が、行ってみないと決まらないとき
着いてから湯に入るか、先に温泉街を歩くか、その日の天気や疲れ具合で決めたいという人も多いはずです。予定が決まらないと、部屋で過ごす時間も、湯に入る回数も数えられません。
この場合は、湯に入る回数を多いほうに見積もって、服の量を少ないほうに見積もってください。湯に入る回数を多めにしておくと、タオルと髪の道具が足りなくなる心配がなくなります。どちらも小さな物なので、使わなくても鞄はほとんど重くなりません。
反対に、服は少ないほうで考えます。夕食用の上1枚と、肌着の替えだけにしておけば、予定がどちらに転んでも困りません。温泉街を歩く時間が長くなったら、行きの服のまま歩けばよく、部屋で過ごす時間が長くなったら、館内着で過ごせば済むからです。
迷ったときに大きく持っていきたくなるのは服ですが、実際に足りなくて困るのは小さな物のほうです。この向きを覚えておくと、予定が決まらない旅でも荷物は増えません。
誰と行くかで、足す物が変わる
同じ1泊でも、誰と行くかで足す物が少しずつ変わります。
子どもと行くとき
子どもと行くなら、子どもの着替えは大人より1組多く持ってください。湯上がりに走り回って汗をかいたり、夕食で服を汚したりすることがよくあります。子ども用の館内着が用意されているかどうかも、案内で確かめておきましょう。用意がない宿では、大人の浴衣は子どもには大きすぎるので、寝間着を兼ねる上下を1組持つ必要があります。
子どもと大浴場に入るなら、湯上がりに子どもの体を拭いて服を着せるまで、大人は自分のことが後回しになります。そのあいだに大人の体が冷えないよう、羽織るものはすぐ手に取れる場所に置けるようにしておきましょう。
親と行くとき
親と行くなら、親が普段使っている物を本人が持っているかを、出発前に一言確かめてください。普段飲んでいる物や、眼鏡、補聴器の電池、杖など、旅先で替えが利かない物です。本人は持っていると思っていても、出発の朝に慌てて入れ忘れることがあります。
宿の中を移動する距離が長い場合は、部屋から大浴場までの道のりに段差や階段があるかを案内で見ておきます。館内で履くスリッパが脱げやすいと感じる人には、かかとのある室内履きを1足持っていくと歩きやすくなります。
ひとりで行くとき
ひとりで行くなら、部屋で過ごす時間が長くなる傾向があります。読みたい本や、書き物をする道具など、部屋でくつろぐための物を1つだけ選んで持っていきましょう。2つ3つと増やすと、結局どれも手に取らずに帰ることになります。
鞄の大きさは、中身を決めてから選ぶ
1泊の温泉旅行の鞄は、中身を決めてから選んでください。鞄を先に決めると、空いている場所に「念のため」の物が入り込みます。
ここまでの手順で、宿から引いて、時間と回数で足した物を一度ベッドや床に並べてみてください。服は畳んで重ね、小さな物は袋にまとめます。並べた全体が、A3の紙1枚ぶんの広さで、高さが手のひらの幅くらいに収まるなら、肩にかける鞄1つで足ります。
それより多いなら、もう一度宿の案内を見直してみてください。宿にある物を持っていないかを確かめると、たいていどこかで1つか2つは減らせます。それでも収まらないなら、行きの服に厚手の物を着ていって、鞄の中には薄手の物だけを入れる、という方法があります。秋冬は上着が鞄に入らない分、着ていく物で調整できます。
上着は、温泉地の夜の気温に合わせて選びます。宿から外に出ない予定なら、行き帰りの移動の気温で決めてかまいません。夜に温泉街を散歩する予定があるなら、夜の気温で選んでください。夜の温泉街は川沿いや坂道が多く、風が通りやすい場所です。
鞄の中は、使う順に下から重ねる
同じ量でも、詰め方で使いやすさが変わります。1泊の温泉旅行なら、使う順番の遅い物から下に入れてください。
いちばん下に入れるのは、翌朝に着る肌着とインナー、帰りに使う物です。その上に、夕食用の上や寝間着など、夜に使う物を重ねます。いちばん上には、着いてすぐ湯に入るときに使う物、つまりタオル、髪ゴム、肌の手入れの道具、館内を歩く小さな袋を置きます。
こうしておくと、宿に着いて鞄を開けたとき、上から順に取り出すだけで湯に向かえます。鞄の中をかき回して下の物を探す必要がないので、部屋が散らからず、帰りに詰め直すときも迷いません。濡れた物を分ける袋は、いちばん上か外側のポケットに入れておくと、湯上がりにすぐ使えます。
出発の前の晩に、5分でやる確かめ
最後に、出発の前の晩に5分で確かめることをまとめます。
まず、予約確認のメールをもう一度開いて、チェックインの時刻と夕食の時刻、夕食の場所を確かめます。これで部屋で過ごす時間と、夕食用に上を足すかどうかが決まります。
次に、天気予報で、宿のある地域の夜と翌朝の最低気温を見ます。昼との差が8度を超えるなら、羽織るものを1枚入れたかを確かめます。
それから、鞄の中に濡れた物を分ける袋と、館内を歩く小さな袋が入っているかを見ます。この2つは、忘れても旅行は続けられますが、あるかないかで過ごしやすさが大きく変わる物です。
最後に、肌着と靴下の替えが入っているかを確かめます。これだけは宿で借りられません。
この4つを確かめれば、1泊の温泉旅行の荷物は、ほぼ決まりです。
二泊以上になったら、何が変わるか
1泊の手順は、二泊以上になっても基本は同じです。宿にある物を引いて、時間と回数で足します。
変わるのは、服の考え方です。二泊になると、行きと帰りが同じ服でも、中日の服が1組要ります。中日に観光するなら外に出る服を1組、宿でゆっくりするなら館内着で過ごす前提で、肌着とインナーの替えだけで足ります。
もう1つ変わるのは、タオルの乾き方です。二泊以上なら、宿のタオルが交換されるかどうかを案内で確かめてください。毎日交換されるなら、1泊のときと同じ考え方で足ります。交換されないなら、湯に入る回数が多い人ほど、乾きやすいタオルを1枚足す価値が上がります。
肌の手入れの物は、日数分だけ量が増えますが、1回分ずつ分けて持つ考え方は変わりません。小さな容器を日数分そろえるより、少し大きめの容器1つに日数分を入れたほうが、鞄の中でまとまります。
帰りの荷物は、行きより少し大きくなる前提で
最後に、帰りの荷物のことです。
温泉旅行では、帰りに荷物が増えることがよくあります。お土産、湿ったタオルやインナー、旅先で買った小さな物などです。行きの鞄がぎりぎりに詰まっていると、帰りに入らなくなります。
行きの鞄は、全体の8割くらいまでに詰めておいてください。残りの2割が、帰りに増える分の場所になります。たたむと薄くなる手提げを1枚入れておけば、お土産が多くなったときにも対応できます。
湿った物は、さきほどの濡れた物を分ける袋に入れて、鞄のいちばん上に置きます。家に着いたらすぐに出して干せるようにしておくと、帰ってからの片付けが楽になります。
1泊の温泉旅行の荷物は、宿と過ごし方を見てから決めれば、思っているよりずっと少なくなります。持ち物を増やすより、部屋で過ごす時間を気持ちよくする小さな物を選ぶほうが、旅の満足は上がります。
よくある問い
- Q. 1泊の温泉旅行で、着替えはどこまで持っていけばいいですか
- 下着と靴下とインナーは1組替えを持ちます。外に着る服は、夕食の会場が館内着のままで行けるなら行きと同じ物で帰って構いません。館内着で行けない会場なら、夕食用に上だけ1枚足すと、行きの服を汗や湯気で湿らせずに済みます。
- Q. 宿の案内に「アメニティあり」と書いてあるとき、スキンケアは持っていかなくていいですか
- 化粧水と乳液のような基本の物は置いてある宿が多いですが、肌に合うかは使ってみないと分かりません。普段の物を1回分ずつ小さな容器に移して持ち、宿の物は試す側に回すと、合わなかったときに困りません。
- Q. 秋冬の温泉旅行で、いちばん忘れて困る物は何ですか
- 湯上がりから部屋に戻るまでの廊下や、朝の露天風呂で使う羽織るものです。宿に羽織が置いてあっても、薄手で寒いことがあります。首と腰を覆える薄手のカーディガンかストールを1枚持つと、夜と朝の両方で使えます。
- Q. 車で行くときと電車で行くときで、持ち物は変えたほうがいいですか
- 変えたほうが楽です。車なら重さは気にしなくてよい代わりに、駐車場から部屋までを1往復で運べる数にまとめます。電車なら駅から宿までの移動を想定して、片手が空く鞄1つに入る量まで減らします。
— メグラシ編集部





