オフィスカジュアル レディース|新しい職場の基準を初週の観察で測る

**新しい職場の初週は、周りの真ん中より「半段だけ硬い」服で入ってください。**そして月曜から水曜の3日間は、服を選ぶ日ではなく、周りの服を見る日にあてます。寄せ始めるのは木曜からで十分です。
オフィスカジュアルの基準は、会社ごと、部署ごと、ときには同じフロアの島ごとに違います。求人票や面接のときに聞いた「服装自由」「オフィスカジュアル可」という言葉だけでは、上着が要るのか、スニーカーが通るのか、デニムが混じっているのかまでは決まりません。決まらないまま毎朝「これで大丈夫だろうか」と考えるのは、それだけで疲れます。
この記事では、初週の5日間を「入る・見る・寄せる」に分けて、誰の何を見ればいいか、見たものをどう自分の服に置き換えるかを、数えられる形で並べます。基準は自分で測れます。測ってしまえば、2週目からは迷う時間がぐっと減ります。
職場の中身ごとの選び方はオフィスカジュアル レディース|1日の仕事の中身から上下を選ぶに、すでに注意を受けてしまった場合の直し方はオフィスカジュアルで注意された|言われた一言から直す1か所を決めるにまとめています。この記事は、その手前の「まだ何も言われていない、何も見えていない」最初の1週間のための記事です。
結論:初週は半段硬く入り、3日見てから1か所ずつ寄せる
最初に全体の流れを置いておきます。
月曜は、手持ちの中で「職場の真ん中より半段硬い」と思える組み合わせで出社します。半段というのは、上着を1枚足す、足元をかかとのある靴にする、のどちらか1つ分です。全身を硬くする必要はありません。
月曜から水曜は観察の日です。自分と近い仕事をしている人を中心に5人を決め、上着・足元・下半身の素材・色の数の4か所を見ます。メモを取るほどでなくても、帰り道に「上着を着ていたのは5人中何人だったか」を思い出せれば足ります。
木曜から寄せます。動かすのは1日に1か所だけです。順番は足元、下半身、上着の順。いちばん外したときに目立ちにくい場所から動かすので、仮に寄せすぎても大きくは外れません。
金曜の夕方には、自分の職場の「真ん中」がどのあたりか、だいたい言えるようになっているはずです。2週目からはその真ん中に立ち、来客や会議のある日だけ半段上げる。これが初週のゴールです。
1日目の服は「襟・上着・足元」で半段だけ硬くする
初日の服で迷うのは、硬すぎると浮くのではないか、柔らかすぎると軽く見られるのではないか、両方の心配があるからです。この2つの心配は、同じ重さではありません。
硬い側に半段外した場合、周りが受け取る印象は「初日だから緊張しているのだろう」「真面目そうな人だ」くらいで済みます。翌日から少し緩めれば、誰も覚えていません。一方で柔らかい側に外した場合、初対面の印象として残りやすく、あとから硬くしても「最初の日は〇〇だった人」という記憶は消えにくいものです。だから初日は硬い側に寄せます。
ただし、全身を硬くすると今度は本当に浮きます。面接のときのスーツのまま来てしまうと、周りが私服に近い職場では1人だけ来客のように見えます。そこで、硬さを足す場所を3つに絞ります。
1つ目は襟です。首元に襟のあるシャツやブラウス、または詰まった丸首のきれいめのニット。首元が大きく開いたものや、Tシャツの襟ぐりは初日には選びません。2つ目は上着です。ジャケットでなくても、形のしっかりしたカーディガンや、肩の線が落ちすぎない薄手のアウターで構いません。脱いで椅子にかけておけば、周りが上着を着ていなかったときにすぐ外せます。3つ目は足元です。かかとが2〜4cmほどあるパンプスか、ローファーのような甲を覆う靴。スニーカーが通る職場でも、初日は避けておきます。
この3つのうち2つを満たしていれば、半段硬い位置に立てています。3つ全部を満たすと、職場によっては1段硬くなります。たとえば襟付きのブラウスに、ジャケット、パンプスまで合わせると、それはほぼ面接の服です。初日は「3つのうち2つ」を目安にしてください。
秋に入る人は、朝の気温より「室内で脱げるか」で上着を選ぶ
秋に入社や異動をする人は、もう1つ考えておくことがあります。朝の通勤が肌寒く、日中のオフィスは空調で暖かい、という差です。
朝が15℃前後まで下がる日は、上着がないと寒く感じます。けれど室内に入ると、上着を着たままでは暑い。初日はこの「脱ぐ・脱がない」が、そのまま周りへの見え方になります。上着を脱いだときに中が薄すぎたり、半袖だったりすると、室内での姿だけが急にくだけて見えます。
初日の上着は、脱いだ後の姿で決めてください。脱いだときに長袖のトップスで、首元が詰まっていれば、上着がなくても半段硬い位置は保てます。逆に、上着を着ている前提で中を軽くしていると、脱げずに1日中暑いのを我慢することになります。
秋の朝と室内の温度差をどう重ねるかはオフィスカジュアル レディース 秋|朝の気温と席の空調で重ねるで詳しく扱っています。初週はそこまで細かく考えず、「脱いでも成立する中身」を1つだけ守れば十分です。
見るのは5人、見る場所は4つに決めておく
観察は、職場全体を見ようとすると疲れて、結局なにも覚えていない、ということになりがちです。見る人と見る場所を先に決めておきます。
見る人は3種類で、合わせて5人にします。
**同じ職種・同じくらいの立場の人を2人。**ここがいちばん大事です。自分がこれから毎日いる位置の、いちばん近い基準になります。
**1段上の立場の人を2人。**係長や課長、チームのリーダーにあたる人です。この人たちが上着を着ているかどうかで、職場の「上限」が見えます。
**社外の人に会う機会の多い人を1人。**営業、窓口、来客対応のある人です。この人の服が、職場で一番硬い日の基準になります。
5人を選ぶとき、目立つ人、おしゃれな人を選ばないように気をつけてください。目に入りやすい人は、職場の真ん中ではなく端にいることが多いからです。毎日同じ時間に来て、同じ席にいる、印象の薄い人ほど、基準を正確に教えてくれます。
見る場所は4つです。上着を着ているか、足元はどんな靴か、下半身の素材は何か、上半身の色はいくつか。これ以外、たとえばアクセサリーや髪型、バッグは初週には見なくて構いません。服の基準を決めるのに、4つで足ります。
観察1|上着を着ている人の数を、朝と昼で2回数える
1つ目に見るのは上着です。数える時間は朝と昼の2回にします。
朝、出社してきたときに上着を着ているかどうかは、通勤の寒さで決まっていることが多く、職場の基準とは限りません。見るべきなのは、席に着いて30分ほど経ったあとと、昼休みが終わって午後の仕事が始まったあとです。この2回で上着を着ている人が5人中何人いるかを数えます。
5人中3人以上が室内でも上着を着ていれば、その職場は上着ありが基準です。ジャケットか、それに近い形のものを毎日1枚持っていきます。1〜2人なら、上着は来客や会議のある日だけで構いません。0人なら、上着は通勤用と考えて、室内では脱いでいて問題ありません。
数えるときには、椅子の背もたれも見てください。上着を脱いで椅子にかけている人は、「来客があれば着る」人です。この人が多い職場は、上着が要らないのではなく、すぐ着られる場所に置いておくのが基準だということになります。初週の自分も同じように、椅子にかけておける1枚を持っていけば合わせられます。
観察2|足元は「かかとの高さ」と「つま先の形」だけ見る
2つ目は足元です。靴は人の目線から遠いので、見ようと思わないと見えません。廊下ですれ違うとき、エレベーターを待っているとき、会議室で座っているときなど、目線を下げる機会を意識して作ります。
見るのは2つだけです。かかとの高さが「ない・低い(1〜3cm)・中くらい(4〜6cm)」のどれか。つま先が「丸い・とがっている・甲を覆っていない」のどれか。ブランドや色まで覚える必要はありません。
5人のうち2人以上がかかとのない靴、つまりスニーカーやフラットシューズを履いていれば、スニーカーが通る職場です。ただし、そのスニーカーが白や黒の革に近い表面なのか、布やメッシュなのかは見ておいてください。表面がつるっとした靴しか見当たらない職場では、布のスニーカーはまだ1段柔らかい位置にあります。
つま先の形は、職場の雰囲気の硬さとほぼ比例します。とがったつま先の靴が多い職場は、全体の基準も高めです。丸いつま先が多い職場は、真ん中がやや柔らかいところにあります。
足元の基準が見えたら、木曜に最初に寄せるのはここです。理由はあとで書きます。
観察3|下半身の素材で、デニムやニットが通るかを見る
3つ目は下半身の素材です。パンツかスカートかよりも、生地が何でできているかを見ます。
オフィスカジュアルの基準がいちばん出やすいのが、実は下半身です。上半身はシャツでもニットでもそれほど差が出ませんが、下半身は「とろみのある布」「張りのある布」「デニム」「ニットやスウェットのような伸びる布」のどれかで、職場の硬さがはっきり分かれます。
5人の中にデニムの人が1人でもいれば、デニムは「通るけれど真ん中ではない」位置にあります。2人以上いれば、真ん中に入ってきています。ニットパンツやスウェット地のパンツが見えた場合は、かなり柔らかい職場です。逆に、5人全員がとろみや張りのある布のパンツかスカートなら、デニムは初週から1か月くらいは見送っておくのが無難です。
下半身は座ると見えにくくなります。観察するのは、立って歩いているときです。朝の出社のとき、昼に席を立つとき、帰るときの3回を使ってください。
観察4|上半身の色の数を、机の高さから上で数える
4つ目は色の数です。席に座っていると、見えるのは机の高さから上だけです。オフィスでの印象は、この「机から上」でほとんど決まります。
見るのは、机から上に何色が見えているか。白いシャツに紺のカーディガンなら2色です。ここにストールやネックレスの色が足されると3色、柄のブラウスなら柄の中の色も数えます。5人の色の数を数えて、平均がいくつくらいかを見ます。
平均が2色くらいなら、職場の真ん中は「無地を重ねる」位置です。初週は柄物を避け、色も2色までにとどめます。平均が3色以上で、柄の人も混じっているなら、色の制約はゆるい職場です。木曜以降は、持っている柄物を1枚入れてみても浮きません。
色そのものの明るさも、ついでに見ておきます。紺・黒・グレー・ベージュの人ばかりなら、明るい色は小物から。白やパステルの人がいれば、上半身に明るい色を持ってきても大丈夫です。
3日分の観察を「硬さの段」に置き換える
月曜から水曜の観察で見えたことを、自分の服に置き換えるために、職場の硬さを4つの段に分けます。
| 段 | 上着 | 足元 | 下半身 | 机から上の色 |
|---|---|---|---|---|
| 段1(いちばん硬い) | 室内でも5人中3人以上が着ている | かかと4cm前後・とがったつま先が多い | 張りのある布だけ | 2色・無地 |
| 段2 | 椅子にかけていて、来客で着る | かかと1〜3cmが中心 | とろみ・張りの布が中心 | 2〜3色・小さな柄が少し |
| 段3 | 5人中1人いるかどうか | スニーカーが1〜2人 | デニムが1人いる | 3色・柄の人がいる |
| 段4(いちばん柔らかい) | 誰も着ていない | スニーカーが3人以上 | デニム・ニットパンツが複数 | 色も柄も制約が見えない |
4つの列が全部同じ段にそろうことはあまりありません。上着は段2なのに足元は段3、というように、ずれているのが普通です。そのときは、4つのうち2つ以上が入っている段を、職場の真ん中と考えてください。
段が決まったら、自分の普段の位置はその段にします。来客や会議のある日だけ1段上げます。初週の月曜は、それより半段上に立っていたことになります。
4日目から寄せる順番は、足元・下半身・上着
木曜から寄せ始めます。寄せる順番には理由があります。
いちばん先に足元を動かすのは、靴がもっとも目線から遠く、外れても目立ちにくいからです。仮に職場の基準より柔らかいスニーカーを履いていっても、上半身がきちんとしていれば、気づく人は多くありません。足元から動かすと、寄せすぎたときの失敗が小さく済みます。
次に下半身を動かします。下半身は立っているときにしか見えないので、足元の次に目立ちにくい場所です。張りのある布から、とろみのある布や、職場で通っていると確かめた素材に寄せます。
最後に上着です。上着は着ているか着ていないかが一目でわかり、印象の変化がもっとも大きい場所です。だから最後に動かします。金曜に上着を外して出社してみて、周りから何の反応もなければ、それがその職場の真ん中です。
1日に1か所だけ動かすのは、どこを動かしたら浮いたのかが、あとからわかるようにするためです。2か所同時に動かすと、どちらが原因で浮いたのか判断できません。
寄せていく途中で「寄せすぎたかもしれない」と感じることもあります。周りの視線が足元に何度か来た、会議の前に上司が自分の服を一度見た、というような小さな引っかかりです。そう感じたら、翌日はその1か所だけを前の日の状態に戻してください。ほかの場所はそのままで構いません。1日に1か所しか動かしていなければ、戻す場所も迷わずに決められます。
反対に、寄せても何も起きなかったときは、その位置が職場の真ん中の内側に入っているということです。金曜までに3か所を動かし終えて、どこにも引っかかりがなければ、その週の金曜の服が、2週目からの普段の服になります。翌週の月曜にもう一度その服で出社してみて、やはり何も起きなければ、基準はそこで決まりです。
どちらとも取れるときは、自分の仕事に近い人から基準を取る
ここからは、観察しても答えが1つに決まらない場合です。3日間見ても段がはっきりしないとき、迷う理由はたいてい「見ている人たちの基準が2つに分かれている」ことにあります。部署で分かれている、立場で分かれている、日によって分かれている、働き方で分かれている。分かれ方は職場によって違いますが、決め方の芯は1つです。
**基準は職場全体からではなく、自分の仕事にいちばん近い人から取ります。**そして、近い人の基準がそれでも2つに割れるときは、硬い側に半段寄せた位置を普段にします。硬い側に寄せておけば、あとから緩めるのは1日でできますが、柔らかい側から硬くするのには、周りの記憶が追いつくまで時間がかかるからです。以下、よくある5つの分かれ方ごとに、具体的な置き方を書きます。
どちらとも取れるとき①|部署やフロアによって基準が違う
いちばん多いのは、同じ会社の中で部署ごとに基準が違うケースです。
たとえば、管理部門はジャケット姿が多いのに、開発や企画の島はスニーカーとデニムが中心、ということがあります。同じフロアにいると、どちらに合わせればいいのか迷います。
この場合は、自分の部署の基準を取ります。隣の部署の人がどれだけ柔らかくても、硬くても、関係ありません。ただし、毎日仕事で行き来する部署が別にある場合は、その部署の基準も見ておきます。自分の部署が段3で、毎日やりとりする部署が段1なら、その部署に行く日は段2まで上げる。これで両方から浮かずにいられます。
もう1つの判断材料は、自分の席の位置です。来客が通る通路沿いや、受付に近い席に座っているなら、自分の部署の基準より半段硬い位置を普段にしておくと安心です。奥まった席で社外の人の目に触れないなら、部署の基準そのままで問題ありません。
どちらとも取れるとき②|上司は硬く、同僚は柔らかい
次に多いのが、1段上の立場の人と、同じ立場の人で服装がはっきり分かれているケースです。上司はいつもジャケットなのに、同じ職種の同僚はカーディガンとスニーカー、というような職場です。
このとき、同僚に合わせるべきか、上司に合わせるべきかで迷います。答えは「同僚と上司の間、同僚寄り」です。
上司が硬いのは、立場上、社外の人に会う機会が多いからかもしれませんし、単にその人の好みかもしれません。いずれにしても、自分が上司と同じ硬さで毎日来ると、同僚の中で1人だけ浮きます。かといって同僚と完全に同じ柔らかさにすると、入ったばかりの時期には少しくだけて見えることがあります。
具体的には、同僚の服装を基準にして、1か所だけ上司の側に寄せます。上着か足元のどちらかです。同僚がスニーカーでカーディガンなら、自分はかかとの低いパンプスにカーディガン、またはスニーカーに形のしっかりした上着。1か月ほどして、仕事を任されるようになったら、その1か所も同僚の側に戻して構いません。
例外は、上司から服装について何か言われたときです。その場合は、言われた場所だけ上司の基準に合わせます。言われたことの受け止め方はオフィスカジュアルで注意された|言われた一言から直す1か所を決めるで扱っています。
どちらとも取れるとき③|来客や外出のある日だけ急に硬くなる
3つ目は、普段は柔らかいのに、来客や外出のある日だけ周りが急に硬くなる職場です。月曜と火曜はスニーカーばかりだったのに、水曜に来客があって、全員がジャケットを着てきた、ということがあります。
この場合、観察した3日間のうち、来客や外出のない日の服装を「普段」、ある日の服装を「上げる日」として分けて記録してください。2つの基準がある職場だということになります。
困るのは、来客や外出の予定が自分にはまだ見えていないことです。入ったばかりだと、誰がいつ来るのか、自分が同席するのかが、前日までわからないこともあります。そのため最初の1か月は、普段の日でも、上着を1枚職場に置いておくか、ロッカーに入れておくと安心です。急に「午後の打ち合わせに一緒に来て」と言われても、上着を羽織れば上げる日の服になります。
置いておく上着は、どの下半身にも合わせやすい紺かグレー、または黒の、くせのない形のものを選びます。柄や明るい色は、合わせられる下半身が限られるので、置いておく1枚には向きません。
どちらとも取れるとき④|在宅と出社が混ざっていて、見られる日が少ない
4つ目は、在宅勤務と出社が混ざっていて、出社している人が少ない職場です。月曜から水曜で観察しようとしても、5人がそろわないことがあります。
この場合、観察の期間を1週間ではなく2週間に伸ばします。出社している日だけで5人分の観察が集まるまで待ちます。それまでは、初日と同じ半段硬い位置を続けます。
オンラインの会議に出ることが多いなら、画面に映る範囲の服装も参考になります。机から上の色の数は、画面越しでも数えられます。ただし、在宅の日の服装は出社の日より柔らかいことが多いので、画面で見た基準は半段下げて受け取ってください。画面の中でみんながTシャツだからといって、出社の日もTシャツでよいとは限りません。
出社日の服装を毎回考え直すのが面倒なら、出社の日用の組み合わせを2つだけ決めておき、交互に着る方法もあります。出社の回数が週に1〜2回なら、同じ服を着ていても、同じ人に同じ服を見られる機会はそれほど多くありません。
どちらとも取れるとき⑤|制服や作業着の人と、私服の人が混ざっている
5つ目は、制服や作業着を着ている人と、私服の人が同じ空間にいる職場です。工場や倉庫に事務所が併設されている場合や、店舗と本部が同じ建物にある場合によくあります。
このとき、制服の人は観察の5人から外してください。制服の人の服装は会社が決めたものなので、私服の基準にはなりません。私服の人だけで5人を選びます。5人に満たない場合は、いる人数で構いません。
もう1つ気をつけたいのは、現場に入る可能性があるかどうかです。事務の仕事でも、ときどき現場に入って確認をする、という職場があります。その場合は、足元をかかとの低い靴にしておくのが前提になります。かかとのある靴が職場の基準でも、現場に入る日は低い靴に替えてください。ひらひらした袖や、長いスカートも、機械や棚に引っかかりやすいので避けます。
初週の5日分は、上着1・下半身2・トップス3で組む
ここまで読んで、「そもそも初週に5日分のオフィス服がない」と思った人もいるかもしれません。初週は、たくさん持っていなくても大丈夫です。
上着を1枚、下半身を2本、トップスを3枚。これで5日分は組めます。上着はジャケットか、形のしっかりしたカーディガン。下半身は、紺かグレーのパンツと、それとは違う形か色のスカートかパンツをもう1本。トップスは、襟のあるシャツかブラウスを1枚、きれいめの丸首ニットを2枚。秋に入るなら、ニットの割合を多めにしておくと、朝の寒さにも対応しやすくなります。
組み方の例です。月曜は襟付きのブラウスに紺のパンツ、上着を着る。火曜はニットにもう1本の下半身、上着を着る。水曜は別のニットに紺のパンツ、上着を持っていく。木曜からは観察の結果に合わせて、足元から寄せていきます。
秋に入る人は、素材と色も少しだけ意識しておくと組みやすくなります。上着と下半身は、紺・グレー・黒のうち2色に絞ると、どの組み合わせにしても色がぶつかりません。トップスは白か生成り、薄いグレーのような明るい色を1枚、紺やこげ茶のような深い色を1枚、その間の色を1枚、と濃さを散らしておくと、同じ上着でも毎日の印象が少しずつ変わります。素材は、ニットなら表面がなめらかで毛羽の少ないもの、パンツなら張りかとろみのある布にしておくと、職場の段がどこにあっても大きくは外れません。
靴は初週に2足あれば十分です。かかとが2〜4cmあって甲を覆う靴を1足、観察の結果スニーカーやフラットシューズが通るとわかったときのために、表面がつるっとした低い靴をもう1足。木曜に足元から寄せるときに、新しい靴を買いに行かなくても切り替えられます。
初週に同じ上着を毎日着ていても、周りからは「いつもの上着の人」と見えるだけで、不自然には見えません。むしろ毎日違う服で来るより、印象が落ち着きます。足りないものを買い足すのは、観察が終わった2週目以降にしてください。基準が見えてから買えば、買い物で外すことがなくなります。
手持ちの服を出番の回数から見直したいときは、オフィスカジュアルを買い足さずに回す|1点あたりの出番回数で、足りない場所を決めるが参考になります。
誰に、どう聞けば答えてもらいやすいか
観察だけでは決まらないこともあります。そのときは聞いてしまうのがいちばん早い方法です。
聞く相手は、同じ職種で少し先に入った人がよいでしょう。上司に聞くと、「好きにしていいよ」と広く返されて、かえって迷うことがあります。同じ立場の人は、自分が入ったときに同じことで迷った経験があることが多く、具体的に答えてくれます。
聞き方は、場面とアイテムを1つに絞ります。「服装ってどんな感じですか」と聞くと、相手もどこから答えればいいかわかりません。「来客の日に上着は着ていますか」「スニーカーで来ても大丈夫そうですか」「会議のときだけ硬くする人は多いですか」のように、はい・いいえで答えられる形にすると、相手も答えやすくなります。
聞くタイミングは、観察を終えた木曜か金曜がよいです。3日見たあとなら、自分の見立てを確かめる形で聞けます。「皆さん来客の日だけ上着を着ている感じですよね」と聞けば、相手は「そうそう」か「いや実は」で答えられます。何も見ていない状態で聞くより、ずっと話が早く進みます。
2週目以降、基準を見直すのは季節の変わり目
初週で決めた基準は、ずっと変わらないわけではありません。見直すタイミングは、季節の変わり目です。
秋に入った人なら、最初に見直すのは、コートが必要になる時期です。コートを着るようになると、室内での上着の扱いが変わる職場があります。通勤でコートを着るので、室内では上着を着なくなる人が増える、ということもよくあります。コートを着る人が増えてきたら、もう一度、室内で上着を着ている人の数を数えてみてください。
もう1つの見直しのタイミングは、自分の仕事が変わったときです。入ったばかりのうちは社内の仕事が中心でも、慣れてくると社外の人に会う仕事を任されることがあります。そのときは、社外の人に会う人を基準にした段に、自分の普段の位置を上げます。
冬に向けて職場の服装がどう変わるかはオフィスカジュアルの冬の着こなし、秋冬に同じ服ばかりに見えてしまう悩みはオフィスカジュアル秋冬|毎日同じ服に見える悩みは首元と表面で直すにまとめています。
初週にやらなくていいこと
最後に、初週にはやらなくていいことを書いておきます。
1つ目は、職場で一番おしゃれな人に合わせることです。目立つ人の服装は、職場の真ん中ではなく端にあることが多く、合わせると自分も端に立つことになります。2つ目は、全身を新しい服でそろえることです。基準が見えていないうちに買った服は、職場に合わないことがあります。3つ目は、毎日違う服を着ることです。初週は印象を落ち着かせる期間なので、同じ上着、同じ下半身を何度着ても構いません。
初週にやることは、半段硬く入ること、5人の4か所を見ること、木曜から1か所ずつ寄せること。この3つだけです。金曜の帰り道に「この職場の真ん中はこのあたり」と言えれば、翌週の月曜の朝は、きっと少し楽になっています。
よくある問い
- Q. 初日から周りに合わせてカジュアルにしてはいけませんか
- 初日は周りの服がまだ見えていないので、合わせようがありません。見えていない状態で柔らかく入ると、外れたときに目立ちます。硬い側に半段外すのは「真面目な人」で済みますが、柔らかい側に外すと最初の印象として残りやすいので、初日は半段硬くしておき、観察してから寄せるほうが安全です。
- Q. 観察しても人によって服装がばらばらで、基準がわかりません
- ばらばらに見えるときは、5人の中で一番硬い人と一番柔らかい人を外して、残り3人の真ん中を基準にしてください。それでも決まらない場合は、自分と同じ職種で社外の人に会う頻度が近い人を1人選び、その人より半段硬い位置に置きます。基準は職場全体ではなく、自分の仕事に近い人から取るのが確実です。
- Q. 上司に直接、服装の基準を聞いてもいいですか
- 聞いて大丈夫です。ただし「何を着ればいいですか」と広く聞くより、「来客の日に上着は必要ですか」「スニーカーで来ている方もいますが、私の部署でも大丈夫ですか」のように、場面とアイテムを1つに絞って聞くと答えてもらいやすくなります。初週の木曜か金曜、観察が終わった後に聞くと、質問が具体的になります。
- Q. 手持ちのオフィス服が少なく、初週の5日分が足りません
- 5日分を別々に用意する必要はありません。上着1枚、下半身2本、トップス3枚があれば、組み合わせで5日は回ります。初週は観察が目的なので、同じ上着を毎日着ていても不自然には見えません。買い足しは観察が終わった2週目以降にし、職場の基準とずれている場所だけを埋めてください。
— メグラシ編集部





