マタニティフォーマルの羽織|秋冬の式は前を開けて着られる丈で選ぶ

妊娠中に秋冬の結婚式や式典へ出るなら、羽織は「前が閉まるか」で選ばないでください。あなたが選ぶのは、前を開けたままで形がまとまる丈の羽織です。肩の先からお腹のいちばん前に出ている位置までの長さを測り、羽織の裾がその位置の前後5センチに来ないものを選べば、立っても座っても前端がまっすぐ下ります。
前を閉じる羽織を探すと、選べるものは急に少なくなります。サイズを上げれば肩が落ち、袖が長くなり、羽織全体が借り物のように見えます。前を閉じずに着ると決めれば、普段のサイズの羽織がそのまま候補に戻ってきます。手持ちのボレロやジャケットが使えることも多いです。
この記事では、自分の体で測る長さを1つ決めて、そこから羽織の丈を選ぶ手順をまとめます。ドレスやワンピース本体の選び方ではなく、その上に重ねる羽織に絞った話です。
前を閉じる羽織を探さなくていい理由
妊娠中の体は、お腹が前に出て、胸の下からお腹のいちばん前までの間に、斜めの面ができます。羽織の前を閉じようとすると、この斜めの面の上で前端を合わせることになります。ボタンやホックが一番引っ張られるのは、お腹のいちばん前の位置です。
ここで閉じた羽織は、ボタンの位置から放射状に横じわが入ります。立っていると目立たなくても、座るとお腹が少し上に持ち上がり、しわが深くなります。式の写真は座っている時間にも撮られるので、このしわがいちばん写りやすい場面で目立つことになります。
前を開けて着れば、このしわは起きません。羽織は肩から下へまっすぐ垂れ、前端が2本の縦線になります。縦線は、お腹の前に出た面を左右から挟むように見え、全体の形が落ち着きます。
ただ、開けたまま着ても、まとまらない場合があります。それが、羽織の裾がお腹のいちばん前で終わっているときです。この位置で裾が終わると、裾がお腹の前に押し出されて外へはね、前端が縦線ではなく、ハの字に開いてしまいます。避けたいのは、この状態です。
お腹のいちばん前の位置を測る
まず測るのは、肩の先からお腹のいちばん前に出ている位置までの長さです。ここでいう肩の先は、腕の付け根の上、肩の骨がいちばん外に出ているところです。羽織の着丈も、多くの場合ここに近い位置から測られています。
測り方は次の通りです。鏡の前で横向きに立ち、お腹のいちばん前に出ている位置を見つけます。指で軽く触れて、その高さに目印になるものを当てておきます。次に、肩の先にメジャーの端を当て、体の前側を通して、目印の高さまでまっすぐ下ろします。体に沿わせて曲げずに、垂らすように測るのがこつです。
この長さが、あなたの「避けたい丈」の中心です。羽織の着丈がこの長さの前後5センチに入るものは、前を開けたときに裾がお腹の前ではねやすいので、候補から外します。
例えば測った長さが45センチなら、40センチから50センチの着丈の羽織は避けたい帯です。40センチより短い羽織か、55センチより長い羽織を選ぶと、前を開けて着たときにまとまりやすくなります。50センチから55センチの間は、生地の硬さによって結果が分かれるので、後半の「どちらとも取れるとき」で扱います。
手持ちの羽織の着丈がわからないときは、羽織を着て横向きに立ち、裾がお腹のどこで終わっているかを鏡で見るだけでも構いません。お腹のいちばん前の位置と裾が重なっているなら、その羽織は避けたい帯に入っています。
羽織の丈は3つの帯に分かれる
測った長さを基準にすると、羽織の丈は3つの帯に分かれます。それぞれで、前を開けたときの見え方が違います。
| 丈の帯 | 裾が終わる位置 | 前を開けたときの見え方 |
|---|---|---|
| 短い帯(測った長さより5cm以上短い) | 胸の下からお腹の上のふくらみの手前 | 前端がお腹に触れず、まっすぐ下りる |
| 避けたい帯(測った長さの前後5cm) | お腹のいちばん前とほぼ同じ高さ | 裾がお腹に押されて外へはね、ハの字に開く |
| 長い帯(測った長さより10cm以上長い) | お腹のいちばん前を越えて腰から下 | 前端がお腹の前を通り越し、縦線になる |
短い帯の羽織は、ボレロやショート丈のカーディガンが中心です。裾がお腹のふくらみの手前で終わるので、前端がお腹に触れません。胸の下の位置に横の線が1本でき、そこから下はドレス本体の形がそのまま見えます。
長い帯の羽織は、腰から下まで落ちるジャケットやロング丈のカーディガン、ガウンのような羽織です。お腹のいちばん前を越えて裾が落ちるので、前端はお腹の前を通り過ぎてから下へ向かいます。正面から見ると、2本の縦線がお腹の左右を通る形になります。
前を開けたまま落ち着く羽織の3つの条件
丈が避けたい帯から外れていても、羽織によっては前を開けたときに落ち着かないことがあります。丈のほかに見ておきたい条件が3つあります。
1つ目は、肩が合っていることです。羽織の肩線が自分の肩の先にちょうど乗っていると、前を開けても羽織が肩から落ちません。肩線が自分の肩より外に出ていると、前を開けたときに羽織が後ろへずれ、前端が左右に広がります。妊娠中は肩まわりのサイズはあまり変わらない方が多いので、普段のサイズで肩が合うものを選んでください。
2つ目は、前端の生地に適度な重さがあることです。前を開けたとき、前端は重力で下へ落ちます。生地に重さがあると、前端はまっすぐ落ちて縦線になります。軽くて柔らかすぎる生地は、お腹の前のわずかな風や動きで前端が揺れ、写真でまとまりにくくなります。
3つ目は、襟の形です。襟が大きく、折り返しがある羽織は、前を開けると襟が左右に広がり、胸の前に大きな三角形ができます。この三角形が、お腹の前の面と重なって、上半身全体が広く見えることがあります。襟のない羽織や、襟が小さく立ち上がる羽織は、前を開けても胸の前に余分な面ができず、縦線が通りやすくなります。
生地の重さを手で確かめる
前端がまっすぐ落ちるかどうかは、生地の重さで決まると書きました。この重さは、売り場でも家でも、手で確かめられます。
まず、羽織をハンガーにかけて、前端の裾をつまみ、10センチほど横へ引いてから手を離します。重さのある生地は、手を離すとすぐに元の位置へ戻り、揺れが2〜3回で止まります。軽い生地は、手を離したあとも長く揺れ続け、元の位置へ戻るまでに時間がかかります。式場の通路を歩くとき、前端はこの揺れ方と同じ動きをします。揺れがすぐ止まる生地のほうが、写真で前端がまっすぐ写ります。
次に、羽織の前端を片手で持って、手のひらに乗せるように垂らします。前端が手のひらの上で折れずに、ゆるやかに曲がって垂れるなら、適度な張りがあります。手のひらの上でくたっと折れるなら、張りが少なく、お腹の前で前端が内側へ入り込みやすい生地です。
秋冬の羽織によく使われる生地で比べると、ウールのジャケット地や、目の詰まったツイード、厚手のジャージーは、揺れがすぐ止まり、前端がまっすぐ落ちやすい生地です。薄手のシフォンや、柔らかいレーヨンのカーディガンは、揺れが長く続きます。軽い生地の羽織しか手元にない場合は、前端の裏に小さなおもりを付ける方法もありますが、手間をかけずに済ませたいなら、ストールを重ねて重さを足すほうが手軽です。
生地の重さは、着心地とも関わります。重い生地は肩に負担を感じることがあるので、長時間の式では、肩に乗せて重く感じないかも、合わせて確かめておいてください。
ボレロと短い丈のカーディガン
短い帯の羽織は、お腹の位置が高い人にも低い人にも使いやすい形です。裾が胸の下で終わるので、お腹の大きさが変わっても、裾の位置はほとんど動きません。
ボレロを選ぶときに見ておきたいのは、背中側の丈です。前の丈が短くても、背中側がそれより長く作られているものは、横から見たときに裾が斜めになります。背中側の丈が前と同じか、少しだけ長いものが、横から見て落ち着きます。
袖の長さも確かめておきます。秋冬の式では長袖か七分袖が中心ですが、七分袖は食事のときに手首が出て動きやすく、長袖は暖かいかわりに袖口が料理に触れやすくなります。式の流れで食事の時間が長いなら、七分袖を選ぶか、長袖を少したくし上げて着る準備をしておきます。
短い丈のカーディガンを羽織にするときは、編み目が細かく、表面がなめらかなものを選びます。編み目の粗いカーディガンは、フォーマルな場で普段着に見えやすいからです。色はドレスと同じ色か、一段明るい色が、胸の下の横線を穏やかにします。
腰より下まで落ちる長めのジャケット
長い帯の羽織は、お腹のいちばん前の位置が低い人や、お腹が前に大きく出ている人に向いています。前端がお腹の前を通り過ぎるので、お腹の大きさに関わらず縦線が通ります。
長めのジャケットを選ぶときに大事なのは、裾の位置が座ったときにどこに来るかです。腰より下まで落ちるジャケットは、座ると裾が太ももの上に乗ります。このとき、裾がお腹と太ももの間にはさまれて、前端が持ち上がることがあります。椅子に座ってみて、裾が太ももの上で平らに広がるか、お腹の下で折れ曲がるかを確かめてください。
ノーカラーのジャケットは、前を開けたときの縦線がいちばんすっきり見えます。テーラードカラーのジャケットは、襟が左右に開いて胸の前に三角形ができるので、襟の小さいものを選ぶと落ち着きます。
ロング丈のカーディガンやガウン型の羽織も、長い帯に入ります。生地に適度な重さがあれば、前端がまっすぐ落ちて、ドレスの上に2本の縦線を描きます。軽すぎる生地は歩くたびに大きく揺れるので、式場の通路を歩く場面では、前端を片手で軽く押さえることになります。
ストールとショールで丈を自分で決める
ストールやショールは、丈を自分で決められる羽織です。肩からかけて前に垂らせば長い帯、肩に巻いて胸の前で端を留めれば短い帯になります。週数によってお腹の位置が変わっても、そのたびに丈を調整できるのが利点です。
前に垂らすかけ方では、ストールの両端がお腹の左右を通って下へ落ちます。お腹のいちばん前より10センチ以上下まで垂れる長さがあれば、長い帯の羽織と同じように縦線が通ります。ストールの幅が広すぎると、お腹の前を覆ってしまい縦線にならないので、幅は肩幅の半分くらいまでのものが扱いやすいです。
肩に巻くかけ方では、ストールを両肩にかけ、胸の下の位置でブローチやストールピンで留めます。留める位置がお腹のいちばん前にかかると、そこで生地が引っ張られて横じわが入るので、胸の下、お腹のふくらみの手前で留めてください。
ストールは座ったときに膝の上へ下ろすこともできます。会場の温度に合わせて、肩にかける、膝にかける、たたんでバッグに入れる、を切り替えられるので、秋冬の式ではいちばん融通のきく羽織です。
式の流れで羽織を着たり脱いだりする場面
結婚式や式典の1日の中で、羽織を着たり脱いだりする場面は何度かあります。場面ごとにどう扱うかを先に決めておくと、当日に迷いません。
受付と待合では、羽織を着たまま過ごすことが多いです。会場の入り口付近は外気が入りやすく、秋冬は特に冷えます。ここでは羽織は暖かさの役割が中心なので、前を開けたままでも、肩に乗っていれば十分です。
挙式の間は、教会式でも神前式でも、羽織を着たまま参列して問題ない場合がほとんどです。ただ、肩を大きく出すドレスの場合は、式の格に合わせて羽織を着たままにしておくと落ち着きます。挙式中は立ったり座ったりが繰り返されるので、座ったときに裾がお腹の上で折れない丈を選んでいるかが、ここで効いてきます。
披露宴の食事の時間は、羽織を脱ぐか、肩にかけたままにするかを選びます。袖がある羽織は、袖口が料理やグラスに触れやすいので、脱いで椅子の背にかけるか、袖をたくし上げます。ストールなら、肩から下ろして膝の上に置けば、食事の邪魔になりません。
集合写真や新郎新婦との写真では、羽織を着ているほうがまとまって見えることが多いです。前を開けたまま、前端が縦線になっているかを撮影の前に手で整えます。羽織の裾を軽く下に引いて、前端がお腹の前ではねていないかを確かめてください。
帰りは、また外気に出るので羽織を着ます。荷物が多くなる時間なので、羽織を脱いだり着たりしやすいものだと、引き出物を持ちながらでも扱えます。
会場までの移動も、羽織の扱いが試される場面です。車やタクシーで移動するなら、シートベルトが肩から斜めにかかり、羽織の前端を押さえつけます。長い帯の羽織は、座席に座ると裾が背中の下に敷き込まれ、降りたときに後ろ身頃にしわが残ることがあります。乗る前に羽織を脱いで膝にかけておくか、座るときに裾を軽く持ち上げて背中の下に入らないようにすると、会場に着いたときもしわが少なく済みます。電車での移動なら、立っている時間に前端が揺れて人に触れないよう、片手で軽くまとめて持っておくと安心です。
週数で羽織の見え方が変わるとき
お腹のいちばん前の位置と、前に出る量は、週数とともに変わります。羽織を決めた日と式の日の間に数週間あると、測った長さが変わり、選んだ羽織が避けたい帯に入ってしまうこともあります。
変わり方には、個人差があります。お腹が前に出る量が増える人もいれば、いちばん前の位置が下がる人もいます。どちらの変わり方でも、羽織の裾とお腹のいちばん前の位置の関係が変わる点は同じです。
式まで時間がある場合は、今の長さを基準にしたうえで、短い帯の羽織なら少し短め、長い帯の羽織なら少し長めを選んでおくと、変化を吸収しやすくなります。避けたい帯の境目ぎりぎりの羽織は、数週間で帯の中に入ってしまうことがあるので、余裕を持たせておきます。
いちばん確かなのは、式の1週間前にもう一度測ることです。測り直して、羽織の裾が避けたい帯に入っていなければ、そのまま着られます。入っていたら、ストールに切り替えるか、短い帯と長い帯のどちらか余裕のあるほうへ替えます。
測った長さは、日付と一緒にメモしておくと便利です。2回、3回と測っていくと、自分のお腹のいちばん前がどちらへ動いているかがわかります。長さが伸びているなら、避けたい帯は下へずれていくので、長い帯の羽織は余裕が減り、短い帯の羽織は余裕が増えます。長さが変わらず、前へ出る量だけが増えているなら、裾の位置は同じでも、前端がお腹に押される力が強くなります。この場合は、長い帯の羽織でも前端が外へ開きやすくなるので、生地の重さをもう一度確かめておきます。
測るのは、朝と夕方で結果が少し変わることもあります。式の時間帯に近い時間に測ると、当日の見え方に近くなります。
慶事と弔事で羽織が違うところ
秋冬は、結婚式のほかに、法事や葬儀に出ることもある季節です。羽織の丈の考え方は慶事でも弔事でも同じですが、選ぶ羽織の性格は違ってきます。
慶事では、羽織は装いを華やかにする役割も持ちます。ボレロに光沢のある生地や、繊細なレースを選ぶこともできます。前を開けて着るので、羽織の前端の装飾が縦線を描き、全体を引き締めてくれます。
弔事では、羽織は光沢のない黒が基本です。装飾のない長めのジャケットや、黒のカーディガンが中心になります。弔事は座っている時間が長いことが多いので、座ったときの裾の位置を特に確かめておきたいところです。長い帯のジャケットなら、座ったときに裾が太ももの上で平らに広がるかを見ます。
慶弔どちらにも1着で対応したい場合は、光沢のない黒の、襟のない長めのジャケットがいちばん融通がききます。慶事では、ドレスやコサージュ、アクセサリーで華やかさを足し、弔事ではそのまま着ます。
どちらとも取れるとき|境目の丈と、決めきれない組み合わせ
ここまでの手順で決まらない場合を、よくある迷い方ごとにまとめます。
着丈が「測った長さ+5〜10センチ」の境目に入る
避けたい帯の少し外、長い帯の手前にある丈です。この丈の羽織は、生地の硬さで結果が分かれます。
硬めの生地なら、裾がお腹のいちばん前を越えたところで、まっすぐ下へ落ちます。長い帯の羽織と同じように縦線が通ります。柔らかい生地なら、裾がお腹のいちばん前のすぐ下でお腹に沿って内側へ入り込み、横から見ると裾がお腹を包むような形になります。
鏡の前で横向きに立ち、裾がお腹から離れているか、沿っているかを見てください。離れていれば着られます。沿っているなら、ベルトや紐で羽織の後ろ側を少し絞ると、前の裾が前へ出て、お腹から離れやすくなります。後ろ側を絞れない作りなら、ストールに切り替えます。
ボレロがいいと思ったが、胸の下の横線が気になる
短い帯の羽織は、胸の下に横線を1本作ります。この横線を気にする方は少なくありません。横線を穏やかにするには、ボレロの色をドレスの色に近づけます。同じ色なら横線はほとんど目立たず、違う色でも明るさが近ければ穏やかになります。
それでも気になる場合は、ボレロの前端に縦の装飾があるものを選ぶか、ネックレスを長めにして胸の前に縦の線を足します。横線と縦線が同時にあると、目は縦線のほうを追いやすいので、横線の印象が和らぎます。
長めのジャケットがいいと思ったが、座ると裾が折れる
長い帯の羽織は、座ったときに裾がお腹と太ももの間にはさまることがあります。座る時間が長い式で、この折れが気になるなら、座るときだけ前端を左右に開いて、裾を太ももの外側へ逃がしてください。座ったあとに、両手で前端を外側へ払う動作を1回入れるだけで、裾はお腹の下から外れます。
それが面倒に感じるなら、座っている時間の長い式ではストールを選ぶほうが楽です。ストールなら、座ったときに膝の上へ下ろすだけで済みます。
手持ちに羽織が1枚しかなく、それが避けたい帯に入る
新しく用意する前に、着方で避けたい帯から外せないかを試します。方法は2つあります。
1つは、羽織を肩から少し後ろへずらして着る方法です。いわゆる抜き襟のように、羽織の肩線を自分の肩より少し後ろに置くと、前の裾が数センチ上がります。これで裾がお腹のいちばん前より上に来れば、短い帯に近い見え方になります。ただ、肩がずれやすくなるので、長時間の式では途中で整える必要があります。
もう1つは、羽織の袖に腕を通さず、肩にかけるだけにする方法です。袖を通さないと、羽織の前端は体の前に自由に垂れるので、裾の位置が少し下がります。これで裾がお腹のいちばん前を越えれば、長い帯に近い見え方になります。
どちらも試して決まらなければ、ストールを1枚用意するのがいちばん確実です。
式場の温度がわからず、羽織が暖かすぎるか寒すぎるか迷う
秋冬の式場は、暖房の効き方が場所によって違います。迷うときは、薄手の羽織を着て、ストールを1枚バッグに入れておく組み方がいちばん調整しやすいです。暑ければ羽織を脱いでストールも使わず、寒ければ羽織の上にストールを重ねます。
厚手の羽織1枚だと、暑いときに脱いで持つ荷物が大きくなります。薄手の羽織とストールの組み合わせなら、脱いでもたたんで小さくなります。
ドレスとセットになった羽織が、避けたい帯に入る
ドレスと羽織がセットで用意されている場合、羽織の丈はドレスに合わせて決められています。妊娠中の体に合わせた丈ではないので、セットの羽織が避けたい帯に入ってしまうことがあります。
セットだからと無理に組み合わせる必要はありません。ドレスの色に近い別の羽織か、ストールに替えても、装い全体のまとまりは保てます。セットの羽織を使いたい場合は、先に書いた「肩から少し後ろへずらす」「袖を通さず肩にかける」の2つを試して、裾の位置が帯から外れるかを確かめてください。
それでも外れない場合は、羽織を着るのは移動と受付の間だけにして、挙式や写真の時間は脱ぐ、という使い分けもできます。暖かさの役割だけをセットの羽織に任せ、写真に写る時間はドレスだけ、あるいはストールで過ごす形です。
上の子を連れて出る式で、かがむ場面が多い
上の子と一緒に式へ出ると、子どもの手を引いたり、目線を合わせるためにかがんだり、荷物を拾ったりする場面が増えます。かがむと、羽織の前端は体から離れて前へ垂れ下がります。このとき、長い帯の羽織は前端が床に近づき、子どもの手や靴に触れやすくなります。
かがむ場面が多い式では、短い帯の羽織のほうが扱いやすいです。ボレロなら、かがんでも前端がお腹の上で収まり、子どもの世話の邪魔になりません。長い帯の羽織を着たいときは、かがむ前に片手で前端をまとめて持つ動作を習慣にしておくと、裾が床に触れずに済みます。
かがむ動作そのものがつらく感じる時期なら、上の子の世話を家族に任せる時間を作ってください。羽織の選び方より、当日の役割分担のほうが効くこともあります。
横から撮られる写真が多い
式の写真は、正面だけでなく、横や斜めから撮られることもあります。横から見たとき、羽織の裾がどの位置で終わっているかは、正面から見るよりはっきり写ります。
短い帯の羽織は、横から見ると胸の下で裾が終わり、そこからドレスの線がそのまま見えます。長い帯の羽織は、横から見ると裾がお腹の前を越えて下へ垂れ、お腹と羽織の間に少しすき間ができます。どちらも落ち着いて写りますが、避けたい帯の羽織は、横から見ると裾がお腹の前に押されて斜め上を向き、いちばん目立ちます。
横からの写真が多くなりそうな式なら、鏡で横向きの姿を確かめるだけでなく、家族に横から写真を撮ってもらってください。目で見るより、写真のほうが裾の向きがはっきりわかります。
羽織とドレスの素材を秋冬で合わせる
丈が決まったら、羽織とドレスの素材の組み合わせを考えます。秋冬の式では、季節に合う素材を選ぶと、装い全体に落ち着きが出ます。
ドレスがジャージーやニットなど柔らかい素材なら、羽織は少し張りのある素材を選ぶと、前端がまっすぐ落ちて形がまとまります。ウールのジャケットや、目の詰まったツイードのボレロが合います。
ドレスがサテンやタフタなど張りのある素材なら、羽織は柔らかい素材でも、ドレスの張りが形を支えてくれます。ベロアのボレロや、細かい編み目のカーディガンが合わせやすいです。
素材の厚みも、季節に合わせて考えます。秋の始まりなら薄手、冬の立ち上がりなら厚手と、式の時期で調整します。どちらにも迷うなら、薄手の羽織にストールを足す組み方で、当日の気温に合わせられます。
手持ちの羽織で足りるかの見分け方
新しい羽織を探す前に、手持ちの羽織を一通り確かめてみてください。見る順番は次の通りです。
まず、肩が合うかを見ます。羽織を着て、肩線が自分の肩の先に乗っているかを鏡で確かめます。合わなければ、その羽織は候補から外します。肩が合わない羽織は、前を開けて着たときに後ろへずれやすいからです。
次に、丈がどの帯に入るかを見ます。横向きに立って、裾とお腹のいちばん前の位置の関係を確かめます。短い帯か長い帯なら次へ進み、避けたい帯なら着方で外せるかを試します。
最後に、生地と色を見ます。フォーマルの場で浮かない生地か、ドレスと色が合うかを確かめます。迷うときは、ドレスの上に羽織って正面から写真を撮り、前端が縦線になっているかを見ると判断しやすくなります。
この3段階で1枚でも通れば、新しく用意する必要はありません。
式の前日に確かめておくこと
前日には、当日の装い一式を身につけて、3つの動作を試します。
1つ目は、立ったまま横向きになり、羽織の裾がお腹のいちばん前ではねていないかを見ることです。
2つ目は、椅子に座って、裾が太ももの上で平らに広がるか、お腹の下で折れていないかを見ることです。式場の椅子に近い高さの椅子で試すと、当日に近い結果になります。
3つ目は、羽織を脱いで、椅子の背にかけ、もう一度着ることです。脱ぎ着の動作が楽にできるか、着たあとに肩の位置がずれていないかを見ます。
3つの動作は、靴も当日のものを履いて試してください。靴のかかとの高さが変わると、立ったときの姿勢が変わり、お腹のいちばん前の位置も数センチ動くことがあります。普段は平らな靴で過ごしていて、式の日だけ少しかかとのある靴を履く予定なら、その靴で横向きに立ったときの裾の位置を見ておくと、当日に驚かずに済みます。バッグも、肩にかけるか手に持つかで羽織の前端の落ち方が変わります。肩にかけるバッグは、ストラップが羽織の肩線を押さえて前端を引っ張ることがあるので、手に持つ小さなバッグのほうが前端は落ち着きます。
当日の体調によっては、思った通りに動けないこともあります。前日の確認で気になる点が出たら、ストールを1枚バッグに入れておくと、当日の調整に使えます。
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よくある問い
- Q. マタニティフォーマルの羽織は、ボレロとジャケットのどちらがいいですか
- 測った長さで決まります。肩からお腹のいちばん前までの長さより、羽織の着丈が5センチ以上短いならボレロ型、10センチ以上長いならジャケット型が、前を開けたままでまとまります。お腹のいちばん前が高い位置にある人は、ボレロの裾がお腹にかかりやすいので、長めのジャケットのほうが扱いやすいことが多いです。反対に、座っている時間が長い式なら、ボレロのほうが裾がお腹と太ももの間にたまらずに済みます。式の流れと、自分の測った長さの両方で決めてください。
- Q. 手持ちのジャケットの前が閉まりません。そのまま開けて着てもいいですか
- 前を開けたときに、前端がまっすぐ下へ落ちるなら着られます。確かめ方は、鏡の前で横向きに立ち、ジャケットの前端がお腹のいちばん前で外へはねていないかを見ることです。はねている場合は、着丈がお腹のいちばん前とほぼ同じ位置で終わっていることが多いです。その場合は、ジャケットの代わりにストールを肩からかけて前に垂らすと、縦の線が通って落ち着きます。
- Q. 式の日に何週になるかで、羽織の選び方は変わりますか
- お腹のいちばん前の位置と、前に出る量が変わるので、選び方も変わります。式の日が数週間先なら、今測った長さに、前へ出る分を少し見込んで考えます。迷うときは、ボレロのように胸の下で終わる短い丈か、ストールのように丈を自分で調整できるものを選ぶと、週数の変化に左右されにくくなります。式の1週間前にもう一度測り直して、裾の位置が避けたい帯に入っていないかを確かめてください。
- Q. 体が冷えやすいので、会場で羽織を脱ぎたくありません
- 脱がずに過ごせる羽織を選んで構いません。秋冬の式では、会場の中でも羽織を着たままの方は少なくありません。そのうえで、食事のときに袖口が料理に触れないか、座ったときに裾がお腹の上で折れないかを確かめておくと、着たままでも過ごしやすくなります。体調について気になることがある場合は、服の選び方とは別に、かかりつけの医師や助産師に相談してください。
— メグラシ編集部





