虫除けを衣類に使う|服にかけていいかは素材表示と色で決める

**いま着ていく予定の服を1枚、裏返して、内側のタグを読んでみてください。**そこに書かれている素材の名前を、手元の虫除けの裏面に書かれている注意書きと並べます。同じ言葉がどちらにも出てくるなら、その服には直接かけない。出てこなければ、次に色と表面を見る。服に虫除けをかけていいかどうかは、この順番で決まります。
秋は、虫除けを使う日が意外に多い季節です。紅葉の山道、河原でのバーベキュー、公園でのピクニック、子どもの外遊びの付き添い。涼しくなって長袖で出かけるぶん、「服の上からかけておけば安心」と考えがちですが、服の素材によっては、表面が少し溶けたり、べたついたり、乾いたあとに白い輪や光る跡が残ったりします。
この記事では、虫除けの効き目の比べ方は書きません。効き目は製品ごとに違い、その説明は製品の表示がいちばん正確だからです。ここで書くのは、手持ちの服にかけていいか、どこにどれだけかけるか、迷ったらどう確かめるか、の3つです。
山や庭仕事のために虫除け加工の服を用意するかどうかは、防虫服は要る?|秋の山・庭仕事・草むらは、出る肌と洗濯回数で決めるに分けて書いています。この記事は、ふだんの服に、肌用の虫除けを使う場合の話です。
結論|タグの素材名と、虫除けの注意書きが重なるかで分ける
最初に見るのは2か所だけです。
1つめは、服の内側についている組成表示。「綿100%」「ポリエステル65% 綿35%」のように、生地の中身と割合が書かれているタグです。洗濯表示と同じタグに並んでいることが多く、裾の脇や首の後ろ、身ごろの左脇の縫い目についています。
2つめは、虫除けの容器の裏にある「使用上の注意」。その中に、「衣類」「繊維」「皮革」「プラスチック」「塗装面」といった言葉が出てくる行があります。製品によって書き方は違いますが、何に付かないように注意するかが、そこに書かれています。
この2つを並べて、次のように分けます。
| 突き合わせた結果 | 服への使い方 |
|---|---|
| 注意書きに出てくる素材が、服のタグに入っている | 服の表には吹かない。肌に直接使う側に回す |
| 注意書きに出てくる素材は入っていないが、色が濃い・表面が起毛や光沢 | 裾の折り返しの裏で試し吹きをしてから決める |
| 注意書きに出てくる素材が入っておらず、色も表面もふつう | 注意書きの距離と量を守って、肌が出る境目にだけ吹く |
表は3行で終わりますが、迷うのはたいてい2行目です。この記事の後半は、その2行目を厚く書いています。
「虫除け 衣類」で探している人の、3つの困りごと
同じ言葉で探していても、困っていることは3つに分かれます。先に自分がどれかを決めておくと、読む場所が絞れます。
1つめは、肌に使う虫除けを、服の上からかけていいか。この記事の本題です。蚊やブヨ、マダニのように外で寄ってくる虫を遠ざけるために、スプレーやミストを服にもかけたい人です。
2つめは、虫除けの加工がされた服を買うかどうか。洗濯を重ねると効き目が落ちていく服なので、何回洗ったか、どこへ行くかで決まります。これは冒頭で挙げた防虫服の記事が受け皿です。
3つめは、しまってある服を虫に食べられないようにしたい。こちらは、外で寄ってくる虫とは別の虫で、使う道具もまったく違います。肌用の虫除けを、しまう服にかけても防げません。衣替えの箱に入れる防虫剤の選び方は服の防虫剤|衣替えでしまう箱は、中の素材と次に開ける日で選ぶ、すでに穴が見つかったときは服の虫食いを見つけたら|穴の直径と場所で、直す・着る・手放すを分けるに書いています。
ここから先は、1つめの困りごとに絞って進めます。
虫除けの裏面で、先に読む2つの行
虫除けの容器の裏には、文字がたくさん並んでいます。服のために読むのは、そのうち2つの行です。
1つは成分名の行です。「有効成分」と書かれた欄に、成分の名前と濃度が書かれています。家庭用の虫除けでよく見かける成分は、ディートとイカリジンの2つです。ディートを含む製品の注意書きには、一部の化学繊維や皮革、プラスチック、塗装面を傷めるおそれがあるという内容が書かれていることが多く、イカリジンを含む製品では、その注意が短いか、書かれていないことがあります。ただし、同じ成分でも製品によって添えられているものが違うので、成分名だけで決めずに、必ず次の行も読んでください。
もう1つは「使用上の注意」の中で、衣類や素材に触れている行です。「衣類に使用できます」「衣類の素材によっては変質するおそれがあります」「化学繊維、皮革、塗装面、プラスチック製品などに付着しないようにしてください」といった書き方をされています。ここに出てくる素材の名前を、メモに書き出すか、スマートフォンで裏面を撮っておきます。
書き出した言葉が、このあと服のタグと突き合わせる「照合リスト」になります。
もう1つ、裏面で見ておきたいのが、吹きつける距離と、1回にかける量の目安です。服にかけるときも、この距離と量を守ります。近づけすぎると一点に液がたまり、跡が残る原因になります。
服のタグを、3つの組に分ける
照合リストができたら、服のタグを読みます。タグの素材は、服にかける場面では次の3つの組に分けて考えると判断が早くなります。
| 組 | タグに出てくる言葉の例 | 虫除けとの相性で見ること |
|---|---|---|
| 天然の繊維だけ | 綿・麻・毛・絹 | 素材そのものより、色と表面の仕上げで跡が出るか |
| 化学繊維を含む | ポリエステル・ナイロン・アクリル・レーヨン・アセテート・ポリウレタン | 照合リストに同じ言葉があるか。割合が少なくても見落とさない |
| 表に別の素材が乗っている | 合成皮革・コーティング・プリント・ラメ・スパンコール・ボンディング | 生地の中身にかかわらず、表に吹かない |
**表に別の素材が乗っている組は、タグの言葉だけでは分からないことがあります。**タグには「ポリエステル100%」としか書かれていないのに、表面に撥水や透湿のコーティングがされているアウターや、胸に大きなプリントがあるスウェットがその例です。タグを読んだあとに、服の表を指でなでて、つるっとした膜の手触りや、印刷の盛り上がりがないかを確かめてください。
化学繊維を含む組で特に気をつけたいのは、伸びる素材として入っているポリウレタンです。タグでは「ポリウレタン5%」「ポリウレタン3%」のように小さな数字で書かれていることが多く、見落としやすい素材です。割合は小さくても、生地全体に糸として織り込まれているので、どこに吹いても当たります。
色で分ける|濃い色・薄い色・柄で、跡の出方が違う
照合リストに引っかからなかった服でも、次に色を見ます。虫除けの多くは、成分をアルコールなどに溶かした液体です。乾くときに、液の縁に沿って成分や布の汚れが集まり、輪の形の跡が残ることがあります。
**濃い色の服ほど、白っぽい輪が目立ちます。**黒、紺、濃い茶、深い緑のような色で、表面がマットな生地だと、乾いたあとに液の縁がうっすら白く浮いて見えることがあります。
**薄い色の服では、輪は目立ちにくい代わりに、濡れ色が長く残ることがあります。**白やベージュの綿は、乾くまでのあいだ吹いた場所だけ色が濃く見えます。乾けば戻ることがほとんどですが、出かける直前に吹くと、濡れ色のまま人前に出ることになります。
柄のある服は、跡が目立ちにくい側です。チェックや小花柄、霜降りの杢糸の生地は、輪の縁が柄にまぎれます。迷ったら、柄のある服のほうを虫除けを使う日に回すのも1つのやり方です。
もう1つ、絹は色にかかわらず跡が残りやすい素材です。水やアルコールで輪じみができやすく、一度できると家では消しにくいので、天然の繊維でも絹は表に吹かない側に入れてください。
表面で分ける|起毛・光沢・撥水は、液の残り方が変わる
色の次は表面です。同じ素材、同じ色でも、表面の仕上げで液の残り方が変わります。
起毛した表面(フリース、ネル、スエード調、ベロアなど)は、液が毛の根元にしみ込み、乾くと毛がまとまって固まったように見えることがあります。毛の向きが変わった部分だけ、光の当たり方で色が違って見えます。
光沢のある表面(サテン、つやのあるナイロン、とろみのあるブラウス)は、液がしみ込まずに表で乾くので、乾いたあとの跡がそのまま見えます。光の角度によって、吹いた場所だけ曇って見えることがあります。
撥水の加工がされた表面は、液が玉になって転がり、縁にたまって乾きます。せっかく吹いても布にとどまりにくいうえ、たまった場所に跡が残りやすい、二重に損な組み合わせです。加工の種類によっては、虫除けの溶かしている液で撥水の効き目が落ちることもあります。
表面で迷ったら、次の節の試し吹きで決めます。
迷う服は、裾の折り返しの裏で試し吹きをする
ここまでで「たぶん大丈夫だが、確信がない」と残った服は、本番の前に試し吹きをします。服を傷めるかどうかを確かめるいちばん確実な方法は、その服そのもので試すことです。
吹く場所は、表から見えない同じ生地の部分を選びます。パンツなら裾の折り返しの裏、シャツなら前立ての裏の縫い代、アウターなら裾の内側の見返し。裏地がついている服は、裏地ではなく表地の裏側で試してください。裏地と表地は素材が違うことが多いからです。
吹き方は、本番と同じにします。注意書きにある距離から、1回だけ。何回も重ねて吹くと、本番より強い条件で試すことになり、「大丈夫」だった服が、本番の量では変わらなくても、試しの量で変わってしまうことがあります。逆に、遠くから霧をかすめる程度だと、本番で起きることが試しでは起きません。
**乾くまで待ってから見ます。**季節や生地の厚さで変わりますが、秋の室内なら20分から30分ほどが目安です。指で触れて冷たさが残っていれば、まだ乾いていません。
乾いたら、次の3点を見ます。
- 色:吹いた場所と、そのすぐ横で色が違って見えないか。白い輪、濃い輪、色が抜けた感じがないか
- 手触り:指でなでたときに、べたつき、ざらつき、硬さがないか。吹いていない場所と比べて、指の滑り方が変わっていないか
- 光り方:窓の光に斜めにかざして、吹いた場所だけ光ったり曇ったりしていないか
3点のうち1つでも変化があれば、その服の表には吹きません。どれも変わらなければ、本番も同じ距離と量で使えます。
試し吹きは、出かける前日にしておくのがおすすめです。当日の朝に試すと、乾くのを待つ時間がなく、変化が出たときに着替える余裕もなくなります。
かける場所は、肌が出る境目だけに絞る
服にかけていいと分かった服でも、全体に吹く必要はありません。外で寄ってくる虫は、服のすき間から肌に届こうとします。かける場所は、服と肌の境目に絞ります。
足首まわり:パンツの裾から靴下までのあいだ、裾の内側から外側にかけて。草むらを歩く日は、ここがいちばん虫に近い場所です。
手首まわり:袖口のまわり。袖口が広い服は、袖の内側に向けて吹くと腕の肌に届きやすくなります。
首まわり:襟のまわり。ただし顔に近いので、直接吹かずに手のひらに取ってから襟の外側になじませる方が、目や口に入る心配が減ります。手に取って使ってよいかは、製品の注意書きを確かめてください。
裾と腰の境目:トップスをボトムスの外に出して着る日は、裾と腰のすき間。
境目に絞ると、使う量が少なくなり、跡が残る面積も小さくなります。服全体に吹いたときは、跡が出たら服全体が変わりますが、境目だけなら、見えにくい場所の小さな跡で済みます。
**境目の幅は、手のひら1枚ぶんを目安にします。**裾なら、裾の端から上に手のひらの縦の長さ、およそ15cmから18cmまで。袖口なら、袖の端から手首側にかけて同じくらい。それより上は、服が肌を覆っているので、虫除けを服にかける意味が小さくなります。
吹く順番も決めておくと、量が増えすぎません。足首、手首、首の順に、それぞれ注意書きの回数だけ吹き、全身を一周したらそこで終わりにします。「念のためもう一回」を重ねると、境目に絞った意味がなくなります。
出かける時刻からも逆算します。吹いてすぐに服を着て動くと、乾く前の液が別の服や持ち物に移ります。家を出る10分前までに吹き終え、玄関で靴を履くあいだに乾かす、という順番にすると、バッグや車のシートに液が移ることを防げます。
長い時間外にいる日は、途中で吹き足すことになります。吹き足すときも、同じ境目に、同じ距離と量で。注意書きに、何時間おきに使うか、1日に何回までかが書かれている製品は、その回数を超えないようにしてください。汗をかいて服が湿っているときは、液が広がりやすく跡になりやすいので、汗を拭いてから吹くか、肌に直接使う側に回します。
服のまわりの持ち物にも、同じ注意が要る
服にかけるとき、一緒に液がかかりやすい持ち物があります。吹く前に外すか、手で覆ってください。
- 腕時計:ガラス面や樹脂のバンドに液がかかると、曇ったり表面が変わったりすることがあります。袖口に吹く前に外すか、時計をしていない側の腕から吹きます
- メガネとサングラス:フレームやレンズの表面の加工に液がかかると、跡が残ることがあります。首まわりに吹く前に外します
- バッグの持ち手:合成皮革や塗装された金具は、照合リストに出てくることが多い素材です。肩に掛けたまま吹かないでください
- 爪:塗った爪は、液に触れると表面が曇ることがあります。手のひらに取って使うときは気をつけます
- アクセサリー:樹脂やメッキのものは、液がかかったら乾く前にやわらかい布で拭いておきます
小物に液がかかってしまったら、乾く前に乾いた布で押さえて吸い取ります。こすると広がるので、押さえるだけにしてください。
どちらとも取れるとき①|混紡で、気になる素材が少しだけ入っている
タグに「綿95% ポリウレタン5%」とあるとき、照合リストに「化学繊維」という言葉が書かれていれば、この服は引っかかります。でも95%は綿です。どう考えればいいでしょうか。
ここでは、割合ではなく、その素材が生地のどこに入っているかで考えます。伸びる素材として入っているポリウレタンは、ほとんどの場合、すべての糸に芯として巻かれているか、横糸に織り込まれています。つまり、5%でも生地のどこに吹いても当たります。
判断は次のように分けます。
- 照合リストに具体的な素材名(ポリウレタン、アセテートなど)が出ていて、それがタグにある:割合にかかわらず表に吹かない。肌に直接使う側に回す
- 照合リストは「化学繊維」と大まかに書かれているだけ:試し吹きで決める。変化が出なければ、境目だけに少量で使う
- 照合リストに衣類への注意がない成分の製品も持っている:服にかける日はそちらを使う
「割合が少ないから大丈夫」と決めないこと、が要点です。伸びる素材は、傷むと伸びが戻らなくなるので、変化が目に見えるのは数回着たあとになることがあります。
混紡の服で試し吹きをしたときは、乾いたあとの3点に加えて、吹いた場所を指でつまんで軽く引っぱり、離したときに戻るかも見てください。吹いていない場所と比べて戻りが遅い、引っぱった跡が残る、といった変化があれば、伸びる素材が傷み始めている合図です。その服は、次からは肌に直接使う側に回します。
ストッキングやタイツ、伸びる素材の多いレギンスは、混紡の中でも伸びる素材の割合が大きい品目です。足首に吹きたくなる場所ですが、これらの上には吹かず、靴下の口か、肌に直接使う側で受け持ってください。
どちらとも取れるとき②|タグが切れている・薄れて読めない
古い服や、首の後ろのタグが肌に当たるので切ってしまった服は、組成表示が読めません。このときは、服の性格から素材の組を推し量り、いちばん慎重な組として扱います。
- 伸びる服(スキニーパンツ、レギンス、ストレッチの効いたシャツ)は、伸びる素材を含む組として扱い、表に吹かない
- つるっとした光沢のある服は、化学繊維を含む組か、表に別の素材が乗っている組として扱う
- アウターのうち、水をはじく服は、表に別の素材が乗っている組として扱う
- くたっとした綿のシャツやデニムのように、天然の繊維らしい服でも、確信がなければ試し吹きをする
タグがないことを理由に、試し吹きを省かないでください。分からない服ほど、裾の裏で試す価値があります。
どちらとも取れるとき③|撥水のアウターに、どうしてもかけたい
秋の山や河原では、薄手の撥水のアウターを羽織ることが多くなります。いちばん外側に着るので、ここに虫除けをかけたくなるのは自然なことです。
ただ、前の節で書いたとおり、撥水の表面には液がとどまりにくく、縁にたまって跡が残りやすい組み合わせです。加工の種類によっては、効き目が落ちることもあります。
アウターは虫除けをかけずに、中に着る服と肌の境目に回すのが基本です。アウターの袖口や裾から入ってくる虫を防ぐなら、アウターの内側にある服の袖口や、パンツの裾、靴下の口に吹きます。アウターそのものは、虫を遠ざける役ではなく、肌を覆う役として着ます。
どうしてもアウターにもかけたいときは、袖口の内側だけに絞り、試し吹きで変化がないことを確かめてからにしてください。表に向けて大きく吹くのは避けます。
どちらとも取れるとき④|子どもの服にかける
子どもの外遊びに付き添う日は、自分の服より子どもの服のほうが気になるものです。子どもの服でも、素材と色と表面の見方は同じです。
子どもの場合に足して考えたいのは、2つです。1つは、年齢によって使える製品や回数が決められていること。これは製品の注意書きに書かれているので、必ずそちらに従ってください。もう1つは、子どもは服の袖や襟を口に入れたり、手で顔をこすったりすること。手が届きやすい袖口や、口に近い襟まわりには吹かず、足首まわりのように手や口から遠い場所に絞るほうが、大人が付き添う側として安心です。
子どもの服は、汚れても洗いやすい綿の服が多いので、服を傷める心配は大人の服より小さいことが多いです。その代わり、服に残った成分が肌に触れる時間が長くなりやすいので、帰ってきたら早めに着替えさせて洗う、という次の節の手順を大人より先に済ませます。
帰ってきたら|洗う順番と、家で洗えない服の扱い
虫除けをかけた服は、帰ってきたら早めに脱いで、その日のうちに洗うのが基本です。成分が布に残り続けると、乾いたあとに跡が出ることがあり、次に着たときに肌に触れる時間も長くなります。
洗うときは、次の順番で進めます。
- 玄関で脱ぐ:草むらを歩いた日は、服に種や小さな虫がついていることがあります。部屋に入る前に、外で裾や袖をはたいてから脱ぎます
- ほかの洗濯物と分ける:その日のうちに洗うなら、虫除けを使った服だけで先に洗います。まとめて洗う日は、すすぎを1回多くします
- 洗濯表示に従う:虫除けを使ったからといって、表示より強い洗い方をする必要はありません。いつもの洗い方で、すすぎを丁寧にします
- 陰で干す:濃い色の服は、乾く途中で跡が浮き出てくることがあります。直射日光を避けて陰で干し、乾いたあとに吹いた場所を確かめます
家で洗えない服、たとえばウールのジャケットや、表示で水洗いができない服に虫除けを使ってしまったときは、陰で風を通して乾かし、次にクリーニングに出すときに虫除けを使ったことを伝えてください。付いたものが分かっていると、店側も扱いを決めやすくなります。クリーニングに出す間隔の考え方はクリーニングに出す頻度|着た回数ではなく、素肌が触れた回数を品目ごとに積むに書いています。
家での洗い方の基本は洗濯の仕方と分け方|一緒に洗っていいかは脱水に耐える時間で決まるにまとめています。
洗ったあとに、試し吹きのときと同じ3点、色・手触り・光り方を、吹いた境目で確かめておくと安心です。洗って乾いた状態で変化がなければ、その服とその虫除けの組み合わせは、次からも同じ使い方ができます。変化が出た服は、タグの横に小さく印をつけておくか、スマートフォンのメモに服の名前を書いておきます。来年の同じ季節、同じ迷いを繰り返さずに済みます。
印をつけた服がたまってきたら、それは「虫除けを使う日に着ない服」の一覧です。秋のアウトドアの日の服は、その一覧の外から選ぶ、と決めてしまえば、当日の朝にタグを読み直す手間もなくなります。
しまう服の虫除けは、別の道具で考える
最後に、もう一度だけ区別しておきます。肌に使う虫除けは、しまう服を虫から守る道具ではありません。
衣替えでしまう服を食べる虫は、外で人に寄ってくる虫とは種類が違い、暗くて動きの少ない場所で、皮脂や食べこぼしの残った服を狙います。防ぐには、しまう前に服をきれいにしておくこと、閉じた入れ物に入れること、衣類用の防虫剤をその入れ物の大きさに合わせて入れることが要ります。
肌用の虫除けを、しまう服に吹いてから箱に入れても、その虫には効きません。それどころか、成分が布に残ったまま長いあいだ箱の中にあることになり、次に出したときに跡が出ていることがあります。秋に虫除けを使った服は、洗ってから冬のあいだに着るか、しまう、と決めておけば、この行き違いは起きません。
よくある行き違い
「綿100%だから、何も気にせずかけていい」 素材の照合では引っかからなくても、濃い色や表面の仕上げで跡が出ることがあります。天然の繊維は、照合の一段目を通っただけで、二段目の色と表面の判定が残っています。
「前に同じ虫除けを別の服にかけて大丈夫だったから、今回も大丈夫」 大丈夫だったのは、その服の素材と色と表面の組み合わせです。服が変われば、判定はやり直しになります。虫除けの製品が変わったときも同じで、照合リストを作り直します。
「たくさんかけたほうが、よく効く」 服にかける量を増やしても、肌を守る力が比例して上がるわけではありません。量が増えるほど、一点に液がたまって跡が残りやすくなります。注意書きの距離と量を守り、境目に絞ります。
「乾けば消えるから、跡は気にしなくていい」 濡れ色は乾けば戻ることが多いですが、白い輪や光る跡は、乾いたあとに出てくる種類の跡です。乾いてから確かめる、と覚えておいてください。
「裏地に吹いて試したから大丈夫」 裏地と表地は、素材が違うことがほとんどです。試し吹きは、必ず表地の裏側で。
関連記事
よくある問い
- Q. 虫除けスプレーは服の上からかけてもいいですか
- 製品の注意書きで衣類への使用が認められていて、服の素材が注意書きに出てくる素材と重ならなければ、かけられます。注意書きに化学繊維や皮革、プラスチックを傷めるおそれがあると書かれている製品は、服の組成表示にその素材が入っていないかを先に確かめてください。迷う服は、裾の折り返しの裏で試し吹きをしてから使います。
- Q. ポリウレタンが5%だけ入っている服は、避けたほうがいいですか
- 伸びる素材は少ない割合でも生地全体に入っているので、表に吹くのは避けて、肌に直接使う側に回すほうが安全です。どうしても服にかけたいときは、注意書きで化学繊維への注意がない成分の製品を選び、試し吹きで変化がないことを確かめてからにしてください。
- Q. 虫除けをかけた服は、帰ったらすぐ洗ったほうがいいですか
- 家で洗える服なら、その日のうちに洗うと成分が布に残り続けません。ほかの洗濯物と分けて先に洗うか、すすぎを1回多くします。家で洗えない服は、陰で風を通して乾かし、次にクリーニングに出すときに虫除けを使ったことを伝えてください。
- Q. 服をしまうときの虫除けにも、同じスプレーを使えますか
- 使えません。肌に使う虫除けは、外で寄ってくる虫を遠ざけるためのもので、しまった服を食べる虫を防ぐ道具ではありません。しまう服には、衣類用の防虫剤を使います。
— メグラシ編集部





