唇の色が濃いとブルベか|濃さと温度は別の軸。素の唇は、縁の内側3mmで読む

唇の色が濃いからブルベ、という結び方は成り立ちません。 濃さは明るさの軸で、青みか黄みかは温度の軸だからです。この2つは独立していて、片方から片方は決まりません。
濃さと温度は、別の軸
色を言葉にするとき、私たちは複数の性質をひとつの言い方に混ぜてしまいます。「濃い」もそのひとつです。
濃いという言葉が指しているのは、明るさが低いことです。 青みが強いことでも、黄みが強いことでもありません。
| 軸 | 何を表すか | 唇での見え方 |
|---|---|---|
| 明るさ | 濃いか薄いか | 全体が沈んで見えるか、淡く見えるか |
| 温度 | 青みか黄みか | 赤紫の側に寄るか、レンガの側に寄るか |
この2つは掛け合わせなので、4通りあります。 濃くて青み、濃くて黄み、薄くて青み、薄くて黄み。濃い唇の人は、青み側にも黄み側にもいます。
「濃いとブルベ」は、どこから来ているか
ブルベの説明では、よく「赤紫に寄った唇」という言い方が出てきます。これは温度の話です。
ところが赤紫という色そのものが、日本語のなかで濃い色として想像されやすい語です。その結果、温度の説明が、濃さの説明として受け取られます。
似た混同はほかにもあります。イエベの説明に出てくる「オレンジみのある唇」は、明るい色として想像されやすい。だから「薄い唇はイエベ」という逆の思い込みも起きます。
どちらも、同じ場所でずれています。 説明されているのは温度で、受け取られているのが明るさ、という一点です。
見るのは、縁の内側3mmの帯
濃い唇の中央は、色が密です。密なところでは、青みも黄みも飽和して、方向が読み取れなくなります。
方向が残っているのは、色が薄いところです。唇のなかでそれに当たるのが、縁のすぐ内側、幅3mmほどの帯です。
この帯は、中央より一段薄く出ます。薄いということは、混ざっていた方向がそのまま残っているということです。濃い唇の方は、ここを主な判定の場所にしてください。
測る|口紅を落として、10分おいてから
手順は次のとおりです。
- 口紅とグロスを落とす。色が残っていると、判定はその色を読みます
- リップクリームで保湿して、10分おく。乾いた状態は色が不安定です
- 飲食から30分ほど間を空ける。直前の熱い飲み物は色を一時的に動かします
- 窓際の自然光の下で、鏡を顔から20cmほど離して持つ
- 唇の縁のすぐ内側、幅3mmの帯だけを見る
室内の照明の下では判定しないでください。 照明はそれ自体が黄色や青の色みを持っていて、その色みが帯にそのまま乗ります。曇りの日の窓際がいちばん安定します。
帯の色2方向と、そこから言えること
| 帯の色 | 寄っている側 | 言えること |
|---|---|---|
| 赤紫・藤・くすんだピンク | 青み側 | ブルベの側にいる可能性が高い |
| 茶・レンガ・サーモン | 黄み側 | イエベの側にいる可能性が高い |
| どちらとも言えない | 中間 | 唇だけでは決まらない。別の材料で検算する |
ここで言えるのは、方向だけです。 ブルベの夏か冬か、イエベの春か秋かは、唇の帯からは決まりません。そこは明るさと彩度の軸なので、別の材料が要ります。
4つのシーズンまで進めたい場合の手順は、イエベ・ブルベがわからないときの5つの順番にまとめてあります。
濃い唇では、押して白くする判定が効きにくい
唇の中央を指で押して、白くなった直後の色を見る方法があります。これは薄い唇では読み取りやすい方法です。
濃い唇では、色が戻るまでの時間が短くなります。見るべき瞬間が短いので、読み取る余裕がありません。 押した直後にはもう色が戻っている、という感覚になります。
だから濃い唇の方は、押す方法を主にしないでください。縁の内側の帯を主にして、押す方法は結果が一致するかを確かめる補助として使う。 この順番なら、両方の情報が生きます。
判定の材料としての精度そのものは、押す方法のほうが高くなります。読み取れる人はそちらを使ってください。 読み取れないなら、読み取れる材料を使うほうが正確です。
濃さが決めているのは、重ねる量のほう
濃い唇が実際に効いてくるのは、温度ではありません。塗った色に、自分の地の色が足されるという一点です。
薄い唇では、口紅の色がほぼそのまま出ます。濃い唇では、地の色が下から足されるので、同じ一本でも色見本より濃く、少し暗い側に出ます。
- 薄く一度だけのせる:見本に近い色が出ます。地の色の影響がいちばん小さい塗り方です
- 二度重ねる:見本と地の色のちょうど中間に出ます
- 何度も重ねる:地の色の影響が強く出て、見本より暗い側に落ちます
濃い唇の方が「いつも思ったより濃く出る」と感じるのは、この足し算のためです。 色を変えるより、重ねる回数を1回減らすほうが早く直ります。
売り場で試すときは、手の甲ではなく唇に直接のせてください。手の甲では地の色が足されないので、実際の出方と違います。 中央より、縁の内側に少量をのせるほうが、日常の見え方に近くなります。
頬と目のまわりで検算する
唇の帯だけで決めきれないときは、材料を増やしてください。
- 頬の内側:頬骨の下ではなく、頬のいちばん血色の出る面。赤紫に寄るか、オレンジに寄るか
- 目の下:影の色が青灰に寄るか、茶に寄るか
- 手首の内側:血管が青紫に見えるか、緑に見えるか
3つのうち2つが同じ側に寄れば、その側で扱って構いません。 全部が割れる場合は、唇の帯の結果を採ってください。唇は面積が狭いぶん、光の影響を受けにくい材料です。
手首の血管や白の映り方を使った、夏タイプかどうかの判定はブルベ夏の見分け方にまとめてあります。
濃い・薄いは、4タイプのどこにでも出る
濃い唇の人が、どのシーズンに入るかに決まりはありません。濃さは、シーズンを分ける4つの軸のどれとも一致しないからです。
シーズンを分けているのは、黄みと青みの温度、明るさ、彩度、澄んでいるか濁っているかの4つです。唇の濃さは、そのうちの明るさに関係しますが、それは肌や髪の明るさとは別のところの明るさです。
だから「濃い唇だからブルベ冬」「薄い唇だからイエベ春」という結び方も、同じ理由で成り立ちません。濃さは、シーズンの手前で止まる情報です。
どちらとも取れるとき|帯の色が読めない
帯が赤紫にも茶にも見えない。この場合は、比べる相手を用意してください。
はっきり赤紫に寄った布と、はっきりレンガに寄った布を、唇の横に順番に置きます。赤紫の布を当てたとき唇が茶に見えるなら、唇は黄み側です。 レンガの布を当てたとき唇が赤紫に見えるなら、唇は青み側です。
比べる相手があると、単体では読めなかった方向が読めます。単体で読めない色は、隣に何かを置けば読めるようになります。
どちらとも取れるとき|日によって濃さが動く
唇の色は、気温や乾燥で動きます。冬に乾いて色が引いている日と、夏に血色が上がっている日では、同じ人でも濃さが変わります。
判定は、時期を変えて2回してください。初夏と真冬に同じ手順で行うと、自分の揺れ幅が分かります。
動くのは濃さのほうで、方向はほとんど動きません。 2回とも同じ側に寄っていれば、その側で扱って構いません。方向まで変わる場合は、判定した日の照明か、直前の飲食の影響を疑ってください。
失敗からの戻し方|濃く出すぎた日に、1つだけ戻す
塗ってから濃く出すぎたと感じたときに、動かすものはひとつで足ります。
| 起きていること | 動かすもの | なぜ効くか |
|---|---|---|
| 見本より暗く出た | 指の腹で中央だけを軽く押さえる | 重なった層が1層減る |
| 縁だけが濃く残った | 綿の先で縁の外側をなぞる | 地の色との段が消える |
| 唇だけが前に出る | 頬に同じ方向の色を薄く1段のせる | 顔の中で色の出どころが揃う |
| 色の方向が合っていない | 上から質感の違う一本を薄く重ねる | 表面の返す光が変わり、方向が和らぐ |
| 全体が強く見える | 目のまわりの濃さを一段下げる | 顔の中で濃い場所が1か所になる |
戻すのは、面積の小さい側からです。 落として塗り直すのは最後の手で、たいていはその前に収まります。
売り場で言う3点
自分の言葉に置き換えられると、出てくる一本が変わります。伝えるのは次の3つです。
- 「地の唇の色が濃いので、見本より暗く出ます」。この一言があるだけで、出てくる色が一段明るい側に変わります
- 「唇に直接、薄くひと塗りして見たい」。手の甲では地の色が足されないので、実際の出方が分かりません
- 「縁の内側が赤紫(または茶)に寄っているので、その方向で見たい」。判定した方向を言葉にすると、色の名前で探すより速く決まります
同行者には、「離れて見て、唇だけが前に出ていないか教えてほしい」 と頼んでください。近くの鏡では分からず、離れたときにだけ出る差です。
よくある失敗と、その直し方
| よくある失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 濃さからブルベと決める | 温度の判定を飛ばしている | 縁の内側3mmの帯で方向を見る |
| 唇の中央だけを見る | 色が密で方向が読めない | 薄く出る縁の内側を見る |
| 室内の照明で判定する | 照明の色みが帯に乗る | 窓際の自然光で見る |
| 手の甲で口紅を試す | 地の色が足されず出方が違う | 唇の縁の内側にひと塗りする |
| 濃く出たので色を替える | 原因は色ではなく重ねた回数 | 塗る回数を1回減らす |
まとめ|濃さは明るさ、方向は帯で読む
- 濃さは明るさの軸、青みか黄みかは温度の軸。片方から片方は決まらない
- 濃い唇は中央が密なので、縁の内側3mmの帯で方向を読む
- 押して白くする方法は、濃い唇では戻りが速く読み取りにくい
- 濃さが決めているのは温度ではなく、口紅を何回重ねるかという量
- 帯で読めない日は、赤紫とレンガの布を横に置いて比べる
濃い唇は、それだけで答えが出ている情報のように見えます。 けれど濃さが教えているのは明るさだけで、方向は別のところに残っていました。残っている場所は、唇の縁から内側へ3mmです。
次に鏡の前に立ったら、中央ではなく縁の内側を見てください。そこに残っている方向が、探していた材料です。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 唇の色が濃いので、自分はブルベだと思っていました
- 濃さからは温度が決まりません。濃い・薄いは明るさの軸で、青みか黄みかは温度の軸です。この2つは独立していて、濃い唇の人はイエベにもブルベにもいます。混同が起きやすいのは、ブルベの説明でよく出てくる『赤紫に寄った唇』という言い方が、赤紫という温度の話と、濃いという明るさの話をまとめて連想させるためです。分けて見れば、判定はやり直せます。
- Q. 濃い唇では、どこを見れば温度が分かりますか
- 唇の縁のすぐ内側、幅3mmほどの帯を見てください。ここは中央より色が薄い場所です。濃い唇は中央の色が密で、青みも黄みも飽和して読み取りにくくなりますが、薄い帯なら方向が残っています。帯が赤紫や藤の側に寄って見えれば青み側、茶やレンガの側に寄って見えれば黄み側です。自然光の下で、鏡を顔から20cmほど離して見てください。
- Q. 押して白くする方法では判定できませんか
- できないわけではありませんが、濃い唇では戻りが速く、白くなっている時間が短くなります。色が戻る瞬間を見る方法なので、その瞬間が短いと読み取る余裕がありません。濃い唇の方は、押す方法を主にせず、縁の内側の帯を主にしてください。押す方法は、帯の判定と結果が一致するかを確かめる補助として使うと役に立ちます。
- Q. 濃い唇だと、口紅はどう選べばいいですか
- 色の方向は温度の判定に従い、濃さは重ねる量で調整します。濃い唇は、塗った色に自分の地の色が足されるので、色見本より濃く出ます。同じ一本でも、薄く一度だけのせれば見本に近く、重ねるほど地の色の影響が強く出ます。売り場では、唇の中央ではなく縁の内側にひと塗りして、地の色と混ざった状態で見てください。手の甲では地の色が足されないので、実際の出方と違います。
- Q. 日によって唇の濃さが変わります。判定はいつすればいいですか
- 落ち着いた状態で、時期を変えて2回行ってください。唇の色は気温や乾燥で動きます。判定の前にリップクリームで保湿して10分ほど置き、飲食から30分ほど間を空けると安定します。2回の結果が同じ側なら、その側で構いません。割れた場合は、頬と目のまわりの色でどちらに寄るかを検算してください。
— メグラシ編集部





