ブルベ夏のニット|冬に顔がぼやける人は、杢と編み目の陰で選ぶ

結論:ブルベ夏の冬ニットは、色の名前より先に表面の混ざり方で選ぶ
診断でブルベ夏と出て、夏のあいだは薄い灰色や青みのピンクがよく似合っていたのに、冬の厚いニットに替えたとたん、顔がぼやける。粉をふいたように見える。疲れて見えると言われる。そう感じているなら、まず色ではなくニットの表面を疑ってください。
ブルベ夏は、柔らかく、少し灰みを含んだ、明るさが中くらいから高めの色がなじむタイプです。この性質は、夏のカットソーやブラウスのように表面が平らな服では、そのまま顔に届きます。ところがニットは、糸の混ざり方、編み目の凹凸、毛足の長さによって、同じ色でも顔に届く印象が変わります。
この記事の答えは三つです。混ざった糸の明るさの差が大きい杢は、顔のすぐ下に置かない。編み目が太いほど色を1段明るくする。毛足が長いほど色を1段濃くする。この三つを守るだけで、手持ちの色を変えなくても、ニットの顔映りはかなり整います。
色の明るさそのものを冬向けに調整する話は、ブルベ夏の冬服は明るさで選ぶにまとめています。この記事は、その外側にある表面の話だけを扱います。
薄手で似合った色が、厚いニットで外れる理由
夏の薄手の服は、ほとんどの場合、一色に染めた糸を平らに織るか編むかしてできています。表面に凹凸が少ないので、光は均一に返ってきます。顔のそばに置いたとき、届くのは色そのものです。
冬のニットは違います。まず、糸が太くなります。太い糸は一本一本に丸みがあるので、光が当たる面と陰になる面が細かく交互に並びます。次に、編み目が大きくなります。編み目の凹みには陰ができ、出っ張りには光が当たります。さらに、ウールやアルパカなどの獣毛は、表面に細かい毛が立っていて、光を散らします。
つまり厚いニットの表面には、色のほかに「陰」と「光の散らばり」が加わっています。ブルベ夏は、強い明暗の差を顔の近くに置くと、その差に目が引っ張られて、顔の輪郭が弱く見えやすいタイプです。夏服では無かった明暗の差が、冬のニットで急に顔のそばに現れる。これが、同じ色なのに外れるいちばん多い理由です。
もう一つ、冬ならではの理由があります。光の量です。冬は日が低く、窓から入る光が弱く、室内では照明の下で過ごす時間が長くなります。光が弱いと、ニットの表面の明暗は、昼の強い光の下よりも強く見えます。夏の明るい光の下では目立たなかった杢の点や編み目の陰が、冬の弱い光の下ではくっきり浮かび上がります。季節が変わると同じ服の見え方まで変わるのは、このためです。
杢は「混ざった糸の平均」と「点のちらつき」の両方が顔に届く
杢(もく)とは、色の違う糸や繊維を混ぜて一本の糸にしたものです。遠目には混ざった平均の色に見え、近くで見ると色の点が並んで見えます。グレーのニットの多くは、この杢で作られています。
ブルベ夏にとって大事なのは、平均の色よりも、混ざっている色どうしの明るさの差です。白と黒を混ぜて作った灰色は、平均すると中くらいの灰色でも、近くで見ると白い点と黒い点が並んでいます。この点の差が大きいほど、顔のすぐ下でちらつきが起き、肌が粉っぽく見えたり、くすんで見えたりします。
反対に、薄い灰色と少し青い灰色、灰色と淡い藤色のように、明るさの近い色どうしを混ぜた杢は、近くで見ても点が目立ちません。表面が静かなまま、ほんのわずかな奥行きが出るので、ブルベ夏の柔らかさとはむしろよくなじみます。
杢かどうかは、ニットの表面を指で少し広げて、糸を一本見れば分かります。一本の糸の中に白い繊維と濃い繊維がはっきり見えるなら、明るさの差が大きい杢です。同じような色の繊維がまとまっているなら、差の小さい杢か、一色の糸です。
自分が杢に向くかを測る:鏡から1メートルで、あごの輪郭が残るか
杢の影響の受けやすさは、同じブルベ夏でも人によって違います。肌の明るさ、髪の色、眉や目の濃さによって、顔そのものの明暗の差が違うからです。顔そのものの明暗が小さい人ほど、杢のちらつきに顔が負けやすくなります。
自分がどちらかを知るには、手持ちのグレーのニットで十分です。杢のものと、一色の糸で編まれたものが一枚ずつあれば理想ですが、一枚でも確かめられます。
- 昼間の窓際に立ち、鏡から1メートル離れます。顔に強い影が出ない、明るい曇りの日の光が向いています
- ニットを着て、あごの下の輪郭線を見ます。首とあごの境目が、線としてはっきり残っているかどうかです
- 次に、ニットを脱いで白か薄い灰色のカットソー一枚になり、同じ位置から同じ線を見ます
- ニットを着たときに輪郭線が薄くなる、あるいは顔全体の色が白っぽく抜けて見えるなら、そのニットの表面に顔が負けています
1メートルという距離には意味があります。これより近いと、杢の点が一つひとつ見えてしまい、遠目の印象が分かりません。これより遠いと、点が完全に平均されてしまい、ちらつきが見えなくなります。人と向かい合って話すときの距離が、ちょうどこのくらいです。
一度に何枚も比べたいときは、続けて着替えるより、一枚ごとに少し間をあけるほうが正確です。続けて見ていると目が慣れてしまい、二枚目以降は差が小さく見えます。一枚見たら、いったん白いカットソーに戻して顔を見直し、それから次の一枚を着る。この往復をはさむだけで、目の慣れをかなり外せます。
輪郭線が残るなら、あなたは杢に強い側です。明るさの差がある杢でも着こなせます。輪郭線が薄くなるなら、杢に弱い側です。差の小さい杢か、一色の糸を選ぶと楽になります。
杢に強い人・弱い人の分かれ目は、眉と髪の濃さ
鏡で確かめる時間が無いときは、目安として眉と髪の濃さを見てください。眉と髪がはっきり濃い人は、顔の中にすでに強い明暗の差があります。そのため、ニットの表面に多少の明暗があっても、顔のほうが勝ちます。こういう人は杢に強い側に入りやすいです。
眉も髪も明るめ、あるいは柔らかい色で、肌も明るい人は、顔の中の明暗が穏やかです。この場合、ニットの表面の明暗のほうが目立ちやすく、杢に弱い側に入りやすくなります。
ただし、これはあくまで目安です。髪を明るく染めている、眉を描く色を変えた、というだけで変わるので、迷ったら鏡で確かめるほうが確実です。
編み目の陰は、暗さを1段足すと考える
ニットの表面の二つ目の要素が、編み目の陰です。平らに編まれた細い糸のニットと、太い糸でざっくり編んだニット、縄のような模様が立体的に出るケーブル編みでは、同じ色でも見える明るさが違います。
目安として、細い糸の平編みを基準にすると、中くらいの太さのゴム編みや畦編みでは半段、太いケーブル編みや鹿の子のような立体的な編みでは1段、暗く見えると考えてください。凹みに落ちる陰が、色の上に重なるからです。
ブルベ夏は、暗さが増えるほど顔が沈みやすいタイプです。そこで、編み目が太くなるほど、選ぶ色を明るい側へずらします。普段は中くらいの灰色やくすんだ青が似合う人なら、太いケーブル編みでは薄い灰色や淡い水色に上げる。普段は淡い色が似合う人なら、太い編み目では白に近い色まで上げてもかまいません。
もう一つの方法は、陰を顔から遠ざけることです。ケーブル模様が胸から下にだけ入っていて、首まわりと肩は平らに編まれているものを選ぶと、陰は顔に届きにくくなります。売り場では、首まわりの編み方まで見てから手に取ってください。
毛足は、白っぽさを1段足すと考える
三つ目の要素は、毛足です。モヘアやアルパカのように表面に長い毛が立っているニット、ブラッシングして毛羽を起こしたニットは、表面で光が散って、全体が白っぽく、柔らかく見えます。
ブルベ夏にとって、この白っぽさはたいてい味方です。柔らかい印象がもともとの肌になじみやすいからです。ただし、すでに薄い色のものに毛足が加わると、白っぽさが重なりすぎて、顔がぼやけます。夏に似合っていた淡い藤色を、そのまま毛足の長いニットで選ぶと外れやすいのはこのためです。
毛足のあるニットは、普段より1段濃い色を選んでください。淡い藤色よりもう少し深いラベンダー、薄い灰色より中くらいの灰色、淡いピンクより少し深いローズ。表面が白っぽくなる分を、色の濃さで打ち消すイメージです。
編み目の陰と毛足は、向きが逆です。陰は暗く、毛足は白っぽく見せます。ざっくり編みのモヘアのように両方がそろっているニットは、二つが打ち消し合うので、普段どおりの明るさで選んで大丈夫なことが多いです。
表面の型ごとの、色の調整の向き
ここまでの三つを、比べる軸だけ並べておきます。答えを一つに決める表ではなく、どちらに調整するかを見るための表です。
| 表面の型 | 顔に届く変化 | 色の調整 |
|---|---|---|
| 細い糸の平編み(一色) | ほぼ変化なし | 普段どおり |
| 差の大きい杢 | 点のちらつき | 顔から離すか、差の小さい杢へ |
| 差の小さい杢 | わずかな奥行き | 普段どおり |
| 太い編み目・ケーブル | 1段暗くなる | 1段明るく |
| 毛足の長いもの | 1段白っぽくなる | 1段濃く |
| ざっくり編みで毛足あり | ほぼ打ち消し合う | 普段どおり |
表で見ると単純ですが、実際のニットはこれらが混ざっています。杢で、しかも太いケーブル編みのニットなら、ちらつきと陰の両方が乗ります。こういうときは、まず首まわりの編み方を見て、陰が顔に近いかどうかを確かめ、それから杢の差を確かめる順番にすると迷いません。
首まわりの形で、表面の効き方が変わる
同じ表面のニットでも、首まわりの形によって、表面がどれだけ顔に届くかが変わります。
タートルネックは、ニットの表面があごのすぐ下まで来るので、表面の影響をいちばん強く受けます。杢に弱い人、編み目の陰に弱い人は、タートルネックだけは一色の糸か差の小さい杢、首の部分が平らなゴム編みのものを選ぶと安心です。
クルーネックは、首の付け根で止まるので、タートルネックより表面と顔の間に距離ができます。首まわりのリブが細ければ、本体が多少ざっくりしていても顔には届きにくくなります。
Vネックやボートネックは、首から胸元にかけて肌が見える面ができます。この肌の面が、ニットの表面と顔の間のクッションになります。杢に弱い人でも、Vネックなら差の大きい杢を着こなせることがよくあります。
首まわりの形を変えられないときは、インナーで距離を作れます。白や薄い灰色の薄手のタートルネックをニットの下に着ると、首元に平らで静かな面ができ、ニットの表面と顔の間を分けてくれます。
ハイネックやボトルネックのように、タートルネックより低く、首に沿って立ち上がる形もあります。これらはタートルネックと同じく表面が顔に近いので、首の部分の編み方がとくに大事です。首の部分が細かいゴム編みで、本体がざっくりしているものなら、首の陰は少なく、本体の表面は顔から離れます。冬の一枚目としては、この形がいちばん扱いやすいことが多いです。
どちらとも取れるとき:杢が合うのか、単色が合うのか判断がつかない
鏡で確かめても、あごの輪郭線が「少し薄くなったような気もするし、変わらないような気もする」ということはよくあります。こういう、どちらとも取れる場合の決め方を、いくつかの場面に分けて書いておきます。
**ひとつ目は、時間を変えて見ることです。**午前の窓際と、夕方の部屋の照明の下の両方で、同じニットを着て輪郭線を見ます。両方で輪郭が残るなら杢に強い側、片方でだけ薄くなるなら、薄くなった光の下で過ごす時間が長いかどうかで決めます。仕事で蛍光灯の下にいる時間が長い人は、夕方の照明の結果を優先してください。
**ふたつ目は、写真で見ることです。**1メートル離れた位置から、スマートフォンで上半身を撮ります。撮った写真を、画面の明るさを少し下げて見ると、肉眼より明暗の差が強調されて見えるので、ちらつきがあれば分かりやすくなります。
みっつ目は、人に聞くことです。ただし「似合う?」と聞くと、相手は色の印象で答えてしまいます。聞くなら「顔とニット、どちらに先に目が行く?」と聞いてください。ニットに先に目が行くなら、表面が勝っています。
それでも決まらないときは、杢のニットを着るときにだけ、白か薄い灰色のインナーを首元に入れる、というルールにしておくと安全です。杢が合っていた場合でも、白いインナーで損をすることはほとんどありません。合っていなかった場合は、インナーが助けてくれます。判断がつかないあいだは、外れたときの損が小さいほうを選ぶ、と覚えておいてください。
よくあるもう一つの迷い方は、同じニットが日によって似合ったり似合わなかったりする、というものです。この場合、ニットではなく顔の側が変わっていることがほとんどです。髪をまとめた日と下ろした日、眉をしっかり描いた日と軽く描いた日では、顔の中の明暗の量が違います。髪を下ろして眉をしっかり描いた日は、顔の明暗が増えるので、杢に強い側に寄ります。髪をまとめて化粧を軽くした日は、杢に弱い側に寄ります。杢のニットを着る日は髪を下ろす、まとめる日は一色の糸のニットにする、と組み合わせを決めておくと、日による揺れが小さくなります。
杢と太い編み目の両方が乗っているニットで迷ったときは、首まわりから順に一つずつ外して考えます。首まわりが平らな編みなら、陰は顔に届かないので、杢の差だけを見ればよくなります。首まわりまでざっくりしているなら、陰が顔に届くので、杢の差が小さくても1段明るい色を選ぶほうが安全です。二つを同時に判断しようとすると決まらないので、陰を先に片づけてから杢を見る、という順番を守ってください。
色ごとの選び方:グレー・ネイビー・ラベンダー・ローズ・白
ブルベ夏が冬によく手に取る色ごとに、表面との組み合わせで気をつける点を書きます。
グレーは、いちばん杢になりやすい色です。灰色のニットを買うときは、必ず糸を一本見て、白と黒の繊維が強く混ざっていないかを確かめてください。青みのある灰色の糸どうしが混ざったものなら、ブルベ夏にとって扱いやすい杢です。重い灰色が苦手な人は、ブルベ夏のチャコールが重く見えるときも合わせて読んでください。
ネイビーは、ブルベ夏にとってやや暗い側の色です。平編みの細い糸なら着こなせても、太いケーブル編みにすると陰が足されて、黒に近い重さになります。ネイビーを選ぶなら、細い糸か、少し灰みのある明るめのネイビーにしてください。
ラベンダーや藤色は、ブルベ夏が冬にいちばん得をする色です。ただし淡い色ほど、毛足の長いものでは白っぽさが重なってぼやけます。毛足のあるラベンダーは、少し深い色を選ぶのが目安です。
ローズやくすんだピンクは、平編みでも毛足のあるものでも扱いやすい色です。杢にすると、ピンクの中に灰色や白の点が入り、柔らかさが増します。ブルベ夏の杢でいちばん失敗が少ないのは、このピンク系の杢です。
白は、表面の影響を受けにくい色です。杢でも陰でも、もともと明るいので顔が沈むことはありません。ただし真っ白で毛足の長いものは、顔の周りが光りすぎることがあります。少しだけ灰みのある白、生成りより青みに寄った白を選ぶと、顔とのつながりがよくなります。
くすんだ水色や灰みのある青も、ブルベ夏の冬の色としてよく似合います。これらは平編みでも杢でも扱いやすい色ですが、太い編み目で陰が足されると、灰色に近づいて冷たく見えることがあります。太い編み目の水色を選ぶときは、少しだけ明るい水色にするか、首元に白を入れて、冷たさを和らげてください。
黒や茶のニットしか手元にないとき
診断を受ける前に買った黒や焦げ茶のニットが、まだたくさん手元にあるという人も多いはずです。これらを今すぐ手放す必要はありません。表面の考え方を使うと、生かす方法があります。
黒や焦げ茶は、ブルベ夏にとって暗すぎる側の色です。そこに太い編み目の陰が加わると、さらに暗くなります。逆に、毛足の長い黒や、細い糸の平編みの黒は、表面が光を返すので、少しだけ明るく見えます。つまり、手持ちの黒のニットの中でも、毛足のあるものや細い糸のものは、ざっくりした黒より顔に近づけやすいのです。
着るときは、首元に白か薄い灰色、淡いピンクのインナーを入れて、黒い面と顔の間に明るい面を作ってください。首の付け根からインナーが3センチほど見えるだけでも、顔の沈み方はかなり変わります。
それでも重いと感じる黒のニットは、上ではなく、カーディガンとして腰に巻く、肩にかける、といった使い方に回せます。顔から30センチ以上離れれば、暗い色の影響はかなり弱まります。
もう一つの生かし方は、下に回すことです。黒や焦げ茶のニットを、明るい色のシャツの上に重ねるのではなく、明るい色のニットの下に重ねる着方は難しいので、代わりに黒のニットを着る日は、下を明るい灰色やオフ白のパンツにして、全身の中で黒がいちばん上の面にならないようにします。上が暗くても、下が明るければ、目は全身の中央より下に引かれにくくなり、顔のまわりの暗さが目立ちにくくなります。そのうえで首元に明るいインナーを入れれば、黒のニットでも冬の装いとして十分に成り立ちます。
重ね着:シャツの襟と白いインナーで、表面を整える
冬はニットを一枚で着るより、シャツや薄いタートルネックと重ねる日のほうが多いかもしれません。重ね着は、ニットの表面と顔の間に別の面を入れる方法でもあるので、表面の調整に使えます。
シャツの襟を出す着方は、杢に弱い人にとって強い味方です。襟の平らで明るい面が、顔の真下に来るので、ニットの杢やざっくりした編み目は、その下に下がります。シャツの色は、白、薄い水色、薄い灰色がブルベ夏には扱いやすいです。
薄手のタートルネックを中に着るときは、タートルネックの色をニットより明るくしてください。ニットより暗いタートルネックを中に着ると、首元の明暗が強くなって、顔が締め付けられたように見えることがあります。
重ね着の中で、ニットと顔のあいだにどの面が来るかを意識すると、表面の影響をかなり自由に操れるようになります。ニットそのものの組み合わせ方を骨格まで含めて考えたい人は、ニットの選び方を骨格とパーソナルカラーで分けるも参考になります。
下に合わせる色と、ニットとの明るさの差
ニットの表面を整えても、下に合わせる服の色で全体の印象が重くなることがあります。ブルベ夏の冬の装いでは、ニットと下の服の明るさの差を、2段以内に収めるのが目安です。
明るさを5段で考えます。白を1、薄い灰色を2、中くらいの灰色を3、濃い灰色を4、黒を5とします。ニットが2の薄い灰色なら、下は2から4のあいだ。ニットが3なら、下は1から5のどれでも差は2段以内です。
差が3段以上開くと、上下で全体が二つに割れて見え、顔の柔らかさよりも上下の境目に目が行きます。薄いラベンダーのニットに黒いパンツ、といった組み合わせがそれに当たります。この場合は、靴やバッグを中間の明るさにして、段差をつなぐ色を足してください。
ニットの表面によって、この段差の感じ方も変わります。毛足のあるニットは白っぽく見える分、実際の色より半段明るく感じられるので、下の服との差が開いて見えます。毛足のある薄い色のニットには、下を濃くしすぎず、中くらいの灰色やくすんだ青あたりで止めると、上下がつながります。反対に、太い編み目のニットは半段暗く感じられるので、下に明るい色を合わせても差が開きすぎません。ざっくりしたニットに明るい灰色のパンツ、といった組み合わせは、ブルベ夏の冬の装いとして扱いやすい形です。
冬のコートを重ねたとき、ニットの表面はどう見えるか
コートを着ると、外から見えるニットは首まわりと前の開きの部分だけになります。コートの前を閉めて着る日が多い人は、ニット本体より首まわりの表面のほうがずっと大事です。
コートの襟元から見えるのは、だいたいあごの下から鎖骨のあたりまでです。ここにどんな表面が来るかで、外での顔映りが決まります。コートの襟がある程度深い場合、タートルネックのニットはコートの襟と重なって、首元に表面が二重に集まります。このときニットもコートも毛足があると、白っぽさが重なりすぎてぼやけます。どちらか一方を平らな面にしてください。
コートの色選びに迷っている人は、ブルベ夏のコートの色で迷うときで、コートの側からの考え方を書いています。
売り場で3分で確かめる手順
売り場でニットを選ぶときは、試着室に入る前に、次の手順で確かめてください。全部で3分ほどです。
まず、手に取ったニットの表面を指で広げて、糸を一本見ます。白と濃い色の繊維がはっきり混ざっていれば、差の大きい杢です。次に、首まわりの編み方を見ます。本体より平らに編まれているか、本体と同じざっくりした編みかを確かめます。そして、毛足の長さを手のひらで軽くなでて確かめます。
この三つを見たら、普段似合う明るさから、どちらへ何段ずらせばいいかが決まります。杢の差が大きければ首から離せる形かどうか、編み目が太ければ1段明るく、毛足が長ければ1段濃く。
最後に、ニットを顔の下に当てて、売り場の鏡から1メートル離れて見ます。売り場の照明は明るく、白っぽく見えやすいので、家での結果より少し甘く出ます。売り場で少しでも輪郭が薄くなると感じたら、家ではもう少しはっきり薄くなる、と考えてください。
通販で選ぶとき
通販では糸を指で広げられないので、写真の中で、ニットを間近に写した一枚を探してください。表面の拡大写真があれば、白と濃い色の点が混ざっているかどうかが見えます。商品の説明に「杢」「ミックス」「メランジ」といった言葉があれば、混ざった糸で編まれています。そのうえで、写真に写っている色が、白っぽい点と濃い点に分かれて見えるか、ほぼ一色に見えるかを確かめます。
編み目の太さは、モデルが着ている写真で、首まわりと胸のあたりを見比べると分かります。首まわりだけ平らに編まれているかどうかも、この写真で確かめられます。毛足は写真では分かりにくいので、素材の欄を見て、モヘアやアルパカ、起毛と書かれているものは、毛足があると考えて1段濃い色を選んでください。届いたら、まず鏡から1メートルの方法で確かめ、輪郭が薄くなるなら、首元のインナーで調整できるかどうかを試してから、返品するかを決めます。
手入れで表面が変わる:毛玉と縮みの扱い
ニットの表面は、着ているうちに変わります。毛玉ができると、表面に小さな陰が点々と増えます。洗って縮むと、編み目が詰まって、表面が平らになります。
ブルベ夏にとって困るのは、毛玉のほうです。小さな陰の点が増えると、差の大きい杢と同じように、顔の近くでちらつきが出ます。とくに首まわりと脇の下は毛玉ができやすいので、首まわりだけはこまめに取ってください。毛玉取りを使うときは、表面を削りすぎないよう、軽く当てる程度にします。
縮みは、表面が平らになる方向の変化なので、ブルベ夏にとってはむしろ扱いやすくなることもあります。ただし縮んで丈が短くなると、下の服との明るさの差が目立つ場所が変わるので、全体のバランスはもう一度見直してください。
洗うときは、ニットを裏返して、ネットに入れ、手洗いか弱い水流で洗うのが基本です。表面をこすらないことが、毛玉を増やさないいちばんの方法です。干すときは平らに置いて、首まわりの形を手で整えておきます。首まわりが伸びると、編み目が開いて陰が増えるので、ブルベ夏にとっては表面が重くなる方向の変化になります。首まわりだけは、形が崩れないように気をつけてください。
手持ちで組んでみる順番
最後に、この記事の内容を手持ちのニットで試す順番を書いておきます。
- 手持ちのニットを全部出して、それぞれの糸を一本ずつ見ます。差の大きい杢、差の小さい杢、一色の糸、の三つに分けます
- 次に、編み目の太さで分けます。細い平編み、中くらい、太い編み目の三つです
- 毛足のあるものに印をつけます
- 杢に強いか弱いかを、鏡から1メートルの方法で確かめます
- 杢に弱い人は、差の大きい杢のニットにだけ、首元に入れるインナーを決めておきます
- 太い編み目で暗く見えるニットは、首元に白か薄い灰色を足して着ます
- 毛足があって白っぽくぼやけるニットは、下に合わせる色を1段濃くして、全体を締めます
ここまでやると、手持ちのニットを一枚も手放さずに、どれをどう着ればいいかが見えてきます。新しく一枚足すなら、差の小さい杢で、首まわりが平らに編まれた、薄い灰色かラベンダーのクルーネックをおすすめします。表面の影響を受けにくく、ほかのどのニットとも重ねやすいからです。
ブルベ夏の冬ニットで外れるのは、色の診断が間違っていたからではありません。夏の服には無かった表面の明暗が、冬のニットで顔のそばに来ているだけです。表面を見る目を一つ持っておけば、診断で言われた色を、冬もそのまま生かせます。
よくある問い
- Q. ブルベ夏ならグレーのニットは何でも似合うと思っていました
- グレーという色の名前は合っていても、ニットの場合は糸の混ざり方で顔に届く色が変わります。白と黒の糸を混ぜた杢のグレーは、遠目には灰色でも、近くで見ると白と黒の点が並んでいます。この点の差が大きいと、顔の近くでちらつきが出て、肌が粉っぽく見えることがあります。同じグレーでも、一色に染めた糸で編んだものは表面が静かです。まずは手持ちのグレーのニットを鏡から1メートル離れて着てみて、あごの輪郭が残るかどうかを見てください。残るなら、その杢はあなたに合っています。
- Q. 杢のニットが好きなのですが、ブルベ夏には向かないのでしょうか
- 向かないわけではありません。混ざっている糸どうしの明るさが近い杢なら、ブルベ夏の柔らかさとよくなじみます。たとえば薄い灰色と淡い藤色の混ざり、灰色と少し青い灰色の混ざりのように、近い色が重なっている杢です。避けたいのは、白と濃い色が強く混ざっている杢を顔のすぐ下に持ってくることです。それでも着たい場合は、首元に白か薄い灰色のインナーを1枚はさんで、杢と顔の間に静かな面を作ってください。それだけで顔のちらつきはかなり減ります。
- Q. 太い編み目のケーブルニットを着ると、顔が暗く見えます
- 太い編み目は、凹んだ部分に陰ができるので、同じ色でも平編みより1段暗く見えます。ブルベ夏は暗さが増えると顔が沈みやすいので、太い編み目を選ぶときは、色を普段より1段明るくするのが目安です。普段なら中くらいの灰色を選ぶ人は、太い編み目では薄い灰色に上げてください。もう一つの方法は、太い編み目を首から離すことです。ケーブルが胸から下に入っていて、首まわりは平らに編まれているものを選ぶと、陰が顔に届きにくくなります。
- Q. モヘアのような毛足の長いニットは似合いますか
- 毛足の長いニットは、表面に光が散って全体が白っぽく見えます。ブルベ夏にとって、この白っぽさは味方になることが多いです。ただし、もともと薄い色のモヘアを選ぶと、白っぽさが重なってぼやけます。毛足の長いものは、普段より1段濃い色を選ぶと、表面の白っぽさと打ち消し合って、顔の輪郭が残ります。薄い藤色よりも少し深いラベンダー、薄い灰色よりも中くらいの灰色を手に取ってみてください。
— メグラシ編集部





