浴衣のサイズの選び方|秋に買うなら身長と裄で、着物風の丈まで見る

**巻き尺を用意して、腕を斜め下に下ろし、首の付け根の骨から手首の骨までを誰かに測ってもらってください。**その長さが、あなたの「裄」です。浴衣のサイズ選びで、いちばん見落とされやすい寸法です。
浴衣のサイズは、S・M・Lといった表示や、身長の範囲だけで選ばれがちです。けれども実際に着たときに困るのは、身丈・裄・身幅の3つのどれかが合っていないときです。身長で決まるのは身丈だけで、裄は腕の長さで、身幅はヒップの寸法で決まります。
秋は、浴衣のサイズを選び直すのに向いた季節です。季節の終わりに売り場で浴衣を買い置きする人もいれば、衿付きの下着と足袋を合わせて着物風に着る人、旅行先の旅館で浴衣を選ぶ人もいます。この記事は、その3つの場面まで含めて、浴衣のサイズを自分の寸法で選ぶ手順を書きます。
帯の結び方は文庫結び 浴衣と秋の着物に、色と柄の選び方は浴衣コーデ|パーソナルカラー別に分けてあります。
結論:身丈は身長、裄は手首の骨、身幅は上前の端で決める
あなたに合う浴衣は、次の3つで決まります。
| 寸法 | 自分のどこと比べるか | 合っている目安 |
|---|---|---|
| 身丈 | 身長 | 身長からプラスマイナス5cm |
| 裄 | 首の付け根の骨から手首の骨まで | 自分の裄と同じか、1〜2cm短い |
| 身幅 | ヒップの寸法 | 上前の端が、右の脇の線に届く |
**3つのうち、着方で直しにくいのは裄です。**身丈は腰ひもを締める位置で5cm前後まで調整でき、身幅は上前と下前の重なりで吸収できます。裄だけは、着方で伸ばすことができません。迷ったら、裄が届くほうのサイズを選んでください。
3つの寸法は、どれも巻き尺1本で測れます。売り場でも通販でも、自分の数字を手元に持っておけば、表示サイズに頼らずに選べます。
📋 早見表|3つの寸法と、合わないときに起きること
| 寸法 | 足りないとき | 合っているとき | 余るとき |
|---|---|---|---|
| 身丈 | おはしょりが作れず、裾が上がる | おはしょりが帯の下に指1本分 | おはしょりが長く、帯の下でもたつく |
| 裄 | 手首が袖口から出る | 腕を下ろすと手首の骨にかかる | 袖口が手の甲にかかる |
| 身幅 | 歩くと裾が割れて開く | 上前の端が右の脇に届く | 下前が左の脇を越えて重なりが厚い |
| 袖丈 | 羽織の袖の中で浴衣の袖が泳ぐ | 腕を上げても袖が落ちすぎない | 袖の下が物に引っかかりやすい |
表の右の列(余るとき)は、たいてい着方で直せます。左の列(足りないとき)は、着方では直しにくいので、選ぶ段階で避けてください。
秋に浴衣のサイズを選ぶ3つの場面
秋に浴衣のサイズを考えるのは、次の3つの場面のどれかであることが多いものです。
| 場面 | 何を選ぶか | サイズで気をつけること |
|---|---|---|
| 季節の終わりに買い置きする | 来年着る1枚 | 試着した記憶が来年まで残らないので、寸法を書き残す |
| 秋に着物風に着る | 手持ちか、新しく買う1枚 | 衿付きの下着と羽織との釣り合い |
| 旅館の浴衣を選ぶ | 宿で用意された大きさ | 身長で選び、おはしょりを作らずに着る |
**秋に買い置きする浴衣は、来年の夏まで袖を通さないことが多くなります。**そのあいだに、試着したときの感覚は薄れていきます。買った日に、身丈・裄・身幅の3つの寸法を紙に書いて、浴衣と一緒にしまっておくと、来年の着付けの日に迷いません。
季節の終わりの売り場は、大きさがそろっていないことがあります。気に入った柄が自分の大きさで残っていないときは、表示の大きさではなく、寸法表の数字で、着方で直せる範囲かどうかを見てください。身丈が5cm長い、身幅が少し余る、という程度なら着方で吸収できます。裄が足りないなら、見送るほうが確かです。
先に自分を測る①|身長
身長は、素足で、壁に背をつけて測ります。普段の靴を履いた身長ではありません。
| 測るときの状態 | 測り方 |
|---|---|
| 足元 | 素足か、薄い靴下 |
| 姿勢 | かかと・お尻・背中を壁につける |
| 頭 | あごを軽く引いて、まっすぐ前を見る |
| 記録 | 1cm単位で書き残す |
浴衣は下駄か草履で着ることが多いので、靴を履いた身長で選ぶと、身丈が長くなりすぎます。素足の身長で選んでください。
身長は、朝と夜で1cm前後変わることがあります。測るのは、普段着付けをする時間に近い時刻にしておくと、着たときの感覚とずれにくくなります。何年も前に測った身長をそのまま使っている人は、この機会に測り直してください。
先に自分を測る②|裄
裄は、首の付け根の骨から、肩の先を通って、手首の骨までの長さです。1人で測るのは難しいので、誰かに頼んでください。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 | 首を前に倒すと、首の付け根にぽこっと出る骨を見つける |
| 2 | 腕を、体から斜め45度くらい下に下ろす |
| 3 | 骨から肩の先を通って、手首の外側の骨まで巻き尺を沿わせる |
| 4 | 左右で違うことがあるので、長いほうを記録する |
**腕をまっすぐ下に下ろして測ると、裄は短く出ます。**腕を斜めに下ろすのは、着て動いたときに袖口が手首に届くかを見るためです。
裄は、身長が同じ人でも3cm以上違うことがあります。手持ちの洋服で袖が短く感じることが多い人は、裄が長いほうの人です。袖の長さの名前と測り方は袖の長さの名前にもまとめてあります。
先に自分を測る③|ヒップ
ヒップは、腰まわりでいちばん寸法の大きいところを、床と平行に巻き尺を回して測ります。
| 測るときの状態 | 測り方 |
|---|---|
| 服 | 薄手の服か、下着の上から |
| 巻き尺の位置 | 腰まわりの、いちばん寸法の大きいところ |
| 巻き尺の向き | 床と平行に、ねじれないように |
| 締め具合 | 指が1本入るくらい |
ヒップの寸法は、身幅を選ぶときに使います。浴衣は前を重ねて着るので、ヒップの寸法に重なりの分を足した幅が要ります。
洋服のサイズ表示で選ぶ習慣のある人は、浴衣でも同じ表示の大きさを選びがちです。けれども、浴衣のS・M・Lは主に身長で分かれていて、身幅はその中に含まれた目安でしかありません。ヒップの寸法を数字で持っておくと、表示の大きさに頼らずに身幅を確かめられます。
身丈の選び方|身長との差で決める
身丈は、肩の山から裾までの長さです。女性の浴衣は、腰のあたりで布を折り上げて「おはしょり」を作って着るので、身長と同じくらいの長さで仕立ててあります。
| 身丈と身長の差 | 着たときの様子 | 調整のしかた |
|---|---|---|
| 身長より10cm以上短い | おはしょりを作ると裾が上がる | おはしょりを作らずに着る |
| 身長より5〜10cm短い | おはしょりが短い | 腰ひもを1〜2cm下げて締める |
| 身長からプラスマイナス5cm | おはしょりを整えやすい | そのまま着られる |
| 身長より5〜10cm長い | おはしょりが長い | 腰ひもを1〜2cm上げて締める |
| 身長より10cm以上長い | おはしょりが帯の下でもたつく | 余った分を内側に折り上げる |
**身長からプラスマイナス5cmに収まる身丈を選んでください。**この範囲なら、腰ひもを締める位置を変えるだけで、おはしょりの長さを整えられます。
腰ひもの位置は、ウエストのくびれのあたりが基本です。身丈が短いときは腰骨に近い位置まで下げ、長いときはくびれより少し上で締めると、おはしょりの長さが変わります。ひもの位置を1cm動かすと、おはしょりはおよそ2cm変わります。布を折り上げた分が、表と裏の2重になって出てくるからです。
おはしょりの長さ|帯の下から指何本分か
身丈が合っているかは、着てみて、帯の下に出るおはしょりの長さで確かめます。
| おはしょりの長さ | 見え方 | 身丈の判断 |
|---|---|---|
| 出ない・帯の下にかくれる | 腰まわりがすっきりしすぎる | 身丈が短い |
| 指1本分(5cm前後) | 整って見える | 身丈が合っている |
| 指2本分(8〜10cm) | 少し長いが、整えれば収まる | 身丈がやや長い |
| 指3本分以上 | 帯の下でもたつく | 身丈が長い |
**帯の下に、指を横にして1本分のおはしょりが出ていれば、身丈は合っています。**長い分は、帯を締める前に内側へ折り上げると、指1本分に整えられます。
おはしょりは、前と後ろで長さがそろっていると整って見えます。後ろが長く垂れているときは、身丈が長いというより、腰ひもが後ろで下がっていることが多いものです。腰ひもを締めるときに、後ろを前より少し高い位置に当てて締めると、前後の長さがそろいます。
裄の選び方|手首の骨にかかるか
裄は、浴衣の背中の中心から袖口までの長さです。測った自分の裄と、浴衣の寸法表の裄を比べます。
| 浴衣の裄と自分の裄の差 | 腕を下ろしたとき | 判断 |
|---|---|---|
| 3cm以上短い | 手首がはっきり袖口から出る | 選ばない |
| 1〜2cm短い | 手首の骨が少し見える | 浴衣としては着られる |
| 同じ | 手首の骨に袖口がかかる | ちょうどよい |
| 1〜2cm長い | 袖口が手の甲に少しかかる | 着られる |
| 3cm以上長い | 袖口が手の甲を覆う | 動くと袖が邪魔になる |
浴衣は、着物より少し短めの裄でも着られます。ただし**秋に着物風に着るなら、自分の裄と同じか、1cm以内の差のものを選んでください。**着物風に着る日は、袖口から手首が出ていると、下に重ねた衿付きの下着の袖ものぞきやすくなります。
裄が長めの人は、売り場の標準の大きさでは届かないことがよくあります。その場合は、身長に合わせた表示より1つ大きい表示の寸法表を見てください。身丈が長くなる分はおはしょりで吸収できるので、裄を優先して大きいほうを選ぶほうが、着たときの困りごとは少なくなります。
身幅の選び方|上前の端が右の脇に届くか
身幅は、着たときに前を重ねる幅を決める寸法です。寸法表では「前幅」「後幅」と分けて書かれていることもあります。着て確かめるときは、上前(上に重ねる左側の身頃)の端が、右の脇の線に届くかを見ます。
| 上前の端の位置 | 着たときの様子 | 判断 |
|---|---|---|
| 右の脇の線より前で止まる | 歩くと裾が割れて開く | 身幅が足りない |
| 右の脇の線に届く | 歩いても裾が割れにくい | ちょうどよい |
| 右の脇の線を少し越える | 重なりがやや深い | 着られる |
| 右の脇の線を大きく越える | 下前の端が左の脇を越えて、重なりが厚い | 下前を内側に折り返す |
**身幅は、余る分は着方で吸収できますが、足りない分は着方では足せません。**迷ったら、上前の端が右の脇に届くほうを選んでください。余った分は、下前の端を内側に折り返せば、腰まわりの厚みを抑えられます。
身幅が合っているかは、着たあとに廊下を10歩ほど歩いてみると分かります。歩くたびに膝から下の裾が左右に開くなら、上前の重なりが浅い状態です。秋に着物風に着る日は、足袋の白と下着の裾が見えやすくなるので、身幅の足りなさがいっそう目に入ります。
袖丈|羽織と動きで見る
袖丈は、袖の上から下までの長さです。大人の女性の浴衣は、多くが同じくらいの袖丈で仕立ててあるので、サイズによる差はあまり出ません。それでも、秋に羽織を重ねる日や、旅先で動く日は、袖丈の違いが響きます。
| 袖丈の様子 | 向く場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 短め | 旅先で動き回る日・食事の席 | 腕を上げたときに二の腕まで袖が落ちる |
| 標準 | 多くの場面 | 羽織の袖の中に収まるかを確かめる |
| 長め | 写真を撮る日・座って過ごす日 | 袖の下が物に引っかかりやすい |
羽織を重ねる日は、袖丈より羽織の袖の中に浴衣の袖が収まるかのほうが大切です。これは下の「羽織を重ねるなら」で確かめ方を書いています。
手持ちの浴衣を測る|平らに置いて3か所
新しく買う前に、手持ちの浴衣の寸法を測っておくと、買い足す1枚の基準になります。着たときに困ったことがある浴衣なら、どの寸法が合っていなかったかも分かります。
| 測る寸法 | 置き方 | 測るところ |
|---|---|---|
| 身丈 | 背中を上にして、床にまっすぐ広げる | 肩の山から裾まで、背中の中心に沿って |
| 裄 | 背中を上にして、袖を横にまっすぐ伸ばす | 背中の中心の縫い目から、袖口の端まで |
| 前幅と後幅 | 前を上にして、脇の縫い目をそろえる | 裾の少し上で、脇の縫い目から端まで |
| 袖丈 | 袖を平らに伸ばす | 袖の上の折り山から、袖の下の端まで |
**手持ちの浴衣で「袖口から手首が出て落ち着かなかった」なら、裄が足りなかったということです。**その浴衣の裄に2〜3cm足した数字が、次に選ぶ1枚の目安になります。同じように、歩くと裾が割れた浴衣は前幅が、おはしょりがもたついた浴衣は身丈が、合っていなかった寸法です。
測った数字は、身長・裄・ヒップの自分の数字と並べて1枚の紙に書いておくと、売り場でも通販でもすぐに見比べられます。
表示サイズの読み方|S・M・L・TL・フリー
売り場や通販の浴衣には、S・M・L・TL・フリーといった表示が付いています。表示の範囲は売り場によって少しずつ違うので、次の表は目安として使ってください。
| 表示 | 身長の目安 | 身丈の目安 | 裄の目安 |
|---|---|---|---|
| S | 145〜155cm | 155cm前後 | 63〜65cm |
| M・フリー | 155〜165cm | 163cm前後 | 66〜68cm |
| L | 160〜170cm | 168cm前後 | 68〜69cm |
| TL | 165〜175cm | 173cm前後 | 69〜71cm |
**「フリー」は、多くの場合M相当の大きさです。**誰にでも合うという意味ではありません。身長が範囲の端にある人や、裄が長めの人は、フリーで合わないことがあります。表示を見たら、必ず寸法表の身丈と裄の数字を確かめてください。
表の範囲は、売り場によって2〜3cmずつずれていることがあります。同じMでも、ある売り場では身丈163cm、別の売り場では165cmということもあります。表示の文字ではなく数字で比べる習慣をつけておくと、売り場が変わっても迷いません。
秋に着物風に着るなら|衿付きの下着と足袋で変わる寸法
秋の浴衣は、衿付きの下着や半衿を付けた下着を重ね、素足ではなく足袋を履いて、着物に近い装いで着ることができます。下に1枚重ねると、浴衣のサイズの見方も少し変わります。
| 重ねるもの | 確かめる寸法 | 合っている目安 |
|---|---|---|
| 衿付きの下着 | 下着の裄 | 浴衣の裄より1cm以上短い |
| 半衿付きの下着 | 下着の袖丈 | 浴衣の袖丈より少し短い |
| 足袋 | 浴衣の裾の位置 | くるぶしが隠れて、足袋が少し見える |
| 肌に近い薄手のインナー | 身幅 | 重ねても上前が右の脇に届く |
**下着の裄が浴衣の裄と同じか長いと、腕を下ろしたときに下着の袖が浴衣の袖口からのぞきます。**下着を選ぶときは、浴衣の裄より1cm以上短いものにしてください。
足袋を履く日は、裾の長さも見直します。素足で下駄を履く浴衣は、くるぶしが少し見えるくらいの裾で着ることが多いのに対して、着物風の日はくるぶしが隠れる長さに下ろすと落ち着いて見えます。そのぶん、身丈が少し長めでも着やすくなります。
羽織を重ねるなら|裄と袖の収まりを見る
秋の夕方や、旅先の宿の外を歩く日は、浴衣の上に羽織を重ねることがあります。羽織の大きさは、浴衣との釣り合いで選びます。
| 確かめるところ | 合っている目安 | 合わないときに起きること |
|---|---|---|
| 羽織の裄 | 浴衣の裄と同じか、少し長い | 短いと浴衣の袖口が羽織からのぞく |
| 袖の収まり | 浴衣の袖が羽織の袖の中に収まる | 浴衣の袖の下が羽織の袖からはみ出す |
| 羽織の丈 | お尻が隠れるくらいから膝上まで | 好みで選んでよい |
| 前の重なり | 羽織の前を開けて着る | 閉じると浴衣の帯がつぶれる |
**羽織の裄が浴衣より短いと、腕を下ろしたときに浴衣の袖口がのぞきます。**羽織を選ぶときは、浴衣を着た上から実際に重ねて、腕を下ろした状態と、腕を前に伸ばした状態の両方を鏡で見てください。
手持ちの羽織がある人は、浴衣を選ぶ前に羽織の裄を測っておくと、浴衣の裄の上限が決まります。羽織の裄と同じか、それより短い裄の浴衣なら、重ねたときに袖口がのぞきません。浴衣と羽織を同じ日に選ぶなら、先に浴衣を決めてから、その裄に合わせて羽織を選ぶ順にしてください。
羽織を重ねたときに、背中の帯の結びがどう見えるかは兵児帯アレンジで、羽織の丈ごとにまとめてあります。
秋に着られる生地|透けと厚み
サイズとは別に、秋に着る浴衣を選ぶなら、生地の透け方も見ておきます。
| 生地 | 透け方 | 秋に着られるか |
|---|---|---|
| 平織りの綿 | 透けにくい | 着物風にしやすく、秋にも着られる |
| 厚みのある綿 | ほとんど透けない | 秋の着物風にいちばん向く |
| 綿と麻を混ぜた生地 | 少し透ける | 秋の初めまで |
| 透けを楽しむ織りの綿 | よく透ける | 暑い時期向き |
生地を手のひらに当てて、窓の光に透かしてみてください。**指の形がはっきり見える生地は、暑い時期向きです。**指の形がぼんやりするくらいなら、衿付きの下着を重ねて秋にも着られます。
透けにくい生地は、そのぶん少し重さがあります。重さのある生地は、裾がまっすぐ落ちて、歩いたときに広がりにくくなります。身幅がぎりぎりの浴衣でも、生地に重さがあれば裾が割れにくくなるので、秋に着る1枚は、サイズと生地をあわせて選ぶと着やすくなります。
下駄と草履で変わる裾の位置
裾の長さは、足元に何を履くかで、ちょうどよい位置が変わります。身丈が同じ浴衣でも、履物を替えると見え方が変わるので、秋に着物風に着る日は、足元まで合わせて裾の位置を決めます。
| 足元 | ちょうどよい裾の位置 | 身丈の見方 |
|---|---|---|
| 素足に下駄 | くるぶしが少し見える | 身長からマイナス5cmまでなら着やすい |
| 足袋に草履 | くるぶしが隠れる | 身長と同じか、少し長めが着やすい |
| 足袋に下駄 | くるぶしにかかる | 身長からプラスマイナス5cm |
**秋の着物風の日は、足袋に草履を合わせて、くるぶしが隠れる位置まで裾を下ろすと落ち着きます。**そのため、来年の夏だけでなく秋にも着る1枚を選ぶなら、身丈は身長と同じか、少し長めのものが向いています。短めの身丈だと、裾を下ろした分だけおはしょりが短くなります。
店で試着するとき|羽織ってみて見る3か所
売り場で浴衣を試着できるときは、帯を締めずに羽織るだけでも、サイズはおおよそ確かめられます。
| 見る場所 | やり方 | 合っている目安 |
|---|---|---|
| 裾 | 衿を合わせて、裾の位置を見る | 床から少し上、くるぶしに届く |
| 袖口 | 腕を斜め下に下ろす | 手首の骨に袖口がかかる |
| 上前 | 前を重ねて、上前の端を見る | 右の脇の線に届く |
裾は、おはしょりを作る前の、羽織っただけの状態で床に届くくらいが目安です。そこから腰のあたりで折り上げれば、おはしょりができます。羽織っただけでくるぶしより上にあるなら、身丈が短めです。
試着のときは、普段の洋服の上から羽織ることになります。厚手のセーターやボトムスの上から羽織ると、身幅が実際より足りなく見えるので、薄手の服の日に売り場へ行くか、上着を脱いでから羽織ってください。
通販で買うとき|寸法表のどの行を見るか
通販で浴衣を買うときは、表示サイズではなく寸法表の数字を見ます。見る行は次の4つです。
| 寸法表の行 | 比べるもの | 見方 |
|---|---|---|
| 身丈 | 自分の身長 | プラスマイナス5cmに収まるか |
| 裄 | 自分の裄 | 同じか、1〜2cm短いか |
| 前幅と後幅 | 自分のヒップ | 前幅2枚と後幅2枚の合計が、ヒップより20cm以上大きいか |
| 袖丈 | 手持ちの羽織 | 羽織の袖の中に収まるか |
**前幅と後幅の合計は、着たときに体のまわりを1周する布の幅です。**そこから重なりの分が要るので、ヒップの寸法より20cm以上大きければ、上前の端が右の脇に届きやすくなります。この差は目安なので、寸法表に「対応ヒップ」の行があれば、そちらを優先してください。
通販では、届いてから裄と身丈を自分で測り直してください。寸法表の数字と1〜2cm違うことがあります。測り直した数字を自分の数字と比べて、合わないときは、袖を通す前に交換や返品ができるかを確かめておくと安心です。
旅館の浴衣のサイズ|身長で選び、おはしょりを作らずに着る
秋冬の旅行で泊まる宿では、浴衣が用意されていることがよくあります。旅館の浴衣は、おはしょりを作らずに着る長さで仕立ててあり、大きさは身長で分かれています。
| 宿の表示 | 身長の目安 | 選び方 |
|---|---|---|
| 小 | 150cm前後まで | 裾がくるぶしに届くもの |
| 中 | 150〜165cm前後 | 迷ったらここから試す |
| 大 | 165〜175cm前後 | 裄が長めの人もこちらを試す |
| 特大 | 175cm前後から | 宿によって用意がある |
**旅館の浴衣は、裾がくるぶしに届くものを選んでください。**くるぶしより上だと、座ったり布団から起き上がったりするたびに裾が割れます。宿の表示の目安は宿によって違うので、迷ったら2つの大きさを部屋で羽織り比べてください。
秋冬の宿は、館内でも廊下や大浴場への道が冷えることがあります。旅館の浴衣は1枚で着ると前の重なりが浅くなりやすいので、裾が割れやすいと感じたら、1つ大きいほうに替えて、前の重なりを深くしてください。重なりが深くなると、歩いたときに足元へ入る空気も少なくなります。
旅館の浴衣の帯の結び方は旅館の浴衣の帯の結び方にまとめてあります。宿の中で浴衣の上に何を羽織るかは旅行のルームウェアの選び方も参考にしてください。
どちらとも取れるとき①|身丈が身長より5〜10cm短い
身丈が身長より少しだけ短く、着られるかどうか迷う浴衣があります。
この場合は、腰ひもを締める位置を1〜2cm下げて、おはしょりが指1本分取れるかを試してください。取れるなら、そのまま着られます。取れないなら、おはしょりを短めにして、帯を少し下げて締めると、おはしょりが帯の下にかくれずに出ます。
| 試した結果 | 決め方 |
|---|---|
| 腰ひもを下げて指1本分取れた | そのまま着る |
| 指半分しか取れない | 帯を1cm下げて締める |
| まったく取れない | 選び直すか、おはしょりを作らずに着る |
どちらとも取れるとき②|裄が2〜3cm足りない
裄が少し足りない浴衣は、浴衣として着るか、秋に着物風に着るかで判断が分かれます。
| 着方 | 判断 |
|---|---|
| 暑い時期に素足で浴衣として着る | 2cm足りないまでなら着られる |
| 秋に衿付きの下着を重ねて着物風に着る | 選ばない |
| 秋に羽織を重ねて着る | 羽織の裄が自分の裄に届くなら着られる |
**秋に着物風に着るつもりで選ぶなら、裄が足りない浴衣は見送ってください。**下に重ねた下着の袖が袖口からのぞきやすくなり、着るたびに腕の下ろし方を気にすることになります。
すでに持っている浴衣で裄が足りないものは、暑い時期に素足で着る1枚として使い分けてください。秋の着物風の日には、裄の届く別の1枚を選びます。1枚で両方を兼ねようとすると、どちらの季節にも少しずつ不便が残ります。
どちらとも取れるとき③|2つのサイズのあいだ
身長がちょうど2つの表示サイズの境目にあることがあります。
| 小さいほうで起きること | 大きいほうで起きること | 選ぶほう |
|---|---|---|
| 裄が2cm以上足りない | 身丈が5cm長い | 大きいほう |
| 身丈が5cm短い | 身幅が余る | 大きいほう |
| すべて合う | 裄が3cm以上余る | 小さいほう |
| 身幅が足りない | すべて合う | 大きいほう |
**迷ったら、裄と身幅が足りるほうを選んでください。**身丈は腰ひもの位置で、身幅は重なりで、余る分を着方で吸収できます。足りない分は、着方では足せません。
どちらを選んでも、着る前に一度、家で帯まで締めて鏡の前で確かめておくと安心です。おはしょりの長さ、袖口の位置、歩いたときの裾の開き方の3つを見て、気になるところがあれば、その日のうちに腰ひもの位置や重なりの深さを試しておきます。着る当日に慌てずに済みます。
よくある行き違い
**「浴衣はフリーサイズだから誰でも着られる」。**フリーは多くの場合M相当の大きさです。身長が範囲の端にある人や、裄が長めの人は、合わないことがあります。
**「身長が合っていれば大丈夫」。**身長で決まるのは身丈だけです。裄と身幅は、身長が同じでも人によって違います。
**「裄は浴衣だから短くていい」。**素足で浴衣として着るなら1〜2cm短くても着られますが、秋に着物風に着るなら、下の下着の袖がのぞきやすくなります。
**「旅館の浴衣は大きめを選べば安心」。**大きすぎると、裾を引きずったり、前の重なりが深くなって歩きにくくなります。裾がくるぶしに届く大きさを選んでください。
装いに活かすなら
浴衣のサイズは、**身丈は身長との差で、裄は首の付け根の骨から手首の骨までの長さで、身幅は上前の端の位置で決めてください。**迷ったら、着方で直せない裄と身幅が足りるほうを選びます。
秋に買う1枚なら、衿付きの下着と羽織を重ねる日まで考えておくと、来年の夏だけでなく、秋の着物風の日にも着られます。買った日に3つの寸法を紙に書いて、浴衣と一緒にしまっておいてください。
関連記事
- 文庫結び 浴衣と秋の着物 ── 羽根の大きさは、肩幅から決める
- 兵児帯アレンジ ── 秋は、背中の空きと羽織の丈で結びの形を選ぶ
- 旅館の浴衣の帯の結び方 ── かわいく見える位置・きつさ・回す向き
- 浴衣コーデ|パーソナルカラー別 ── 似合う柄と色の選び方
- 袖の長さの名前 ── 袖が思った長さに届かないときの測り方
— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 浴衣のサイズは身長だけで選んでいいですか
- 身長で決まるのは身丈だけです。腕の長さで決まる裄と、ヒップの寸法で決まる身幅は、身長が同じでも人によって違います。身長で表示サイズの見当をつけたら、寸法表で裄と身幅も確かめてください。とくに裄は、身長が同じでも3cm以上違うことがあり、足りないと手首が袖口から出て見えます。
- Q. 浴衣の身丈が身長より短いと着られませんか
- 身長より5cm短いくらいなら、腰ひもを締める位置を少し下げれば、おはしょりを作れます。10cm以上短いと、おはしょりを作ると裾がくるぶしより上がってしまいます。その場合は、おはしょりを作らずに着る着方にするか、身丈の長いサイズを選び直してください。旅館の浴衣は、もともとおはしょりを作らない長さで仕立ててあります。
- Q. 秋に浴衣を着物風に着るとき、サイズで気をつけることはありますか
- 衿付きの下着や半衿を付けた下着を合わせるなら、その下着の裄が浴衣の裄より1cm以上短いかを確かめてください。同じか長いと、腕を下ろしたときに下着の袖が浴衣の袖口からのぞきます。羽織を重ねるなら、羽織の裄が浴衣と同じか少し長く、浴衣の袖が羽織の袖の中に収まるかを、実際に重ねて見てください。
- Q. SとM、MとLのあいだで迷ったらどちらを選べばいいですか
- 身丈と裄のどちらが足りなくなるかで決めてください。小さいほうで裄が2cm以上足りなくなるなら、大きいほうを選びます。身丈は腰ひもの位置で5cm前後なら調整できますが、裄は着方で伸ばせないからです。大きいほうで身幅が余る分は、上前と下前の重なりを深くすれば吸収できます。
— メグラシ編集部





