兵児帯アレンジ|秋は、背中の空きと羽織の丈で結びの形を選ぶ

**着物か浴衣を着て、後ろ向きに鏡の前に立ってください。手鏡で、襟足から帯の上端までのあいだに、指をそろえた手のひらが何枚入るかを見ます。**3枚より少ないですか。3〜4枚ですか。4枚より多いですか。
兵児帯のアレンジは、見本の写真で選ぶと外れやすい結びです。写真で映えていた形が、自分の後ろ姿では結びが詰まって見えたり、秋に羽織を重ねたら背中がふくらんだりします。これは形が悪いのではなく、結びを置く場所の広さが、写真の人と違うからです。
選ぶ基準は2つだけです。背中の空きと、その日の羽織の丈。この記事は、その2つで8つのアレンジを選び分けます。
前の幅のそろえ方と基本の結び方は兵児帯の結び方に、素材ごとの扱いはしわ兵児帯とオーガンジー兵児帯にまとめてあります。ここでは、一結びしたあとの形の選び方だけを扱います。
結論:アレンジは、背中の空きと羽織の丈で選ぶ
背中の空きを手のひらで数え、羽織を重ねるかどうかを決めると、選ぶアレンジはほぼ絞れます。
| 背中の空き | 羽織なし | 帯の上で止まる羽織 | 帯にかかる羽織 |
|---|---|---|---|
| 手のひら3枚未満 | ねじって垂らす、片わな | 片わな、リボン返し | 巻き込み |
| 3〜4枚 | 蝶結び、リボン返し、片わな | リボン返し、片わな | 巻き込み、片わな |
| 4枚より多い | 二重リボン、花の形、蝶結び | 蝶結び、リボン返し | 巻き込み、片わな |
**背中の空きが短いほど、羽根は横か下へ。長いほど、羽根は上へ立てられます。**羽織が帯にかかる日は、背中の空きにかかわらず、厚みを抑えた2つの形のどちらかになります。
背中の空きは人によって違い、どれがよいということはありません。結びを置く場所の広さが違うだけです。
早見表|8つのアレンジの厚み・高さ・使う長さ
8つのアレンジを、結びの厚み、羽根が上に出る高さ、羽根と垂れに使う長さで並べました。厚みは、帯の結び目から外側へ出る量を、指をそろえた幅で数えています。
| アレンジ | 結びの厚み | 羽根の高さ | 使う長さ | 向いている日 |
|---|---|---|---|---|
| 蝶結び | 指3本 | 帯の上端より少し上 | 中くらい | 街歩き、どの予定にも |
| リボン返し | 指2〜3本 | 帯の上端とそろう | 中くらい | 羽織を持ち歩く日 |
| 片わな | 指2本 | 帯の上端より下 | 少ない | 電車や車で座る日 |
| 二重リボン | 指4本 | 帯の上端より上 | 多い | 写真を撮る日 |
| 花の形 | 指4本以上 | 帯の上端より上 | 多い | 秋祭り、記念に撮る日 |
| ねじって垂らす | 指2本 | 帯の上端より下 | 中くらい | 髪を下ろす日 |
| 巻き込み | 指1〜2本 | 帯の幅の中 | 少ない | 羽織を重ねる日 |
| 二本使い | 組み合わせ次第 | 組み合わせ次第 | 2本ぶん | 秋の着物で色を重ねる日 |
**結びの厚みが指2本以内なら、帯にかかる羽織の下にも収まります。**指3本を超えると、羽織の背中が押し上げられて、肩から裾までの線がふくらみます。
先に測る①|背中の空き:襟足から帯の上端まで
背中の空きは、後ろ姿のうち、結びを置ける縦の広さです。着物を着て帯を巻いた状態で測ります。
後ろ向きに鏡の前に立ち、手鏡で後ろを見ながら、襟足の生え際から帯の上端までに、指をそろえた手のひらの幅が何枚入るかを数えます。自分の手のひらで測るので、体の大きさにかかわらず、同じ物差しで比べられます。
| 背中の空き | 結びの置き方 | 合う羽根の向き |
|---|---|---|
| 手のひら3枚未満 | 結びが襟足に近づきやすい | 横か下へ流す |
| 3〜4枚 | 結びの上に少し余白ができる | 横へ広げる、少し上へ |
| 4枚より多い | 結びの上に大きな余白ができる | 上へ立ててもよい |
背中の空きは、帯の高さでも変わります。帯を高めに締めると空きは短く、低めに締めると長くなります。帯の高さを変えるより、アレンジを変えるほうが、着姿全体の釣り合いは崩れません。
もうひとつ、衣紋の抜き方でも空きは少し変わります。衣紋を大きく抜くと、襟の内側に首の後ろが見えるぶん、背中の空きが上に伸びて見えます。
先に測る②|髪:まとめるか、下ろすか
髪の扱いで、背中の空きは実際に使える長さが変わります。下ろした髪は背中の上のほうを覆うので、空きがそのぶん短くなります。
| 髪の扱い | 背中の空きの数え方 | 合うアレンジ |
|---|---|---|
| 襟足より上でまとめる | 測った枚数のまま | 背中の空きで選ぶ |
| 襟足の高さでまとめる | 測った枚数から半枚引く | 1段下の形にする |
| 肩につく長さで下ろす | 毛先から帯の上端までで数える | 片わな、ねじって垂らす |
| 背中の中ほどまで下ろす | 毛先から帯の上端までで数える | ねじって垂らす、巻き込み |
| 帯に届く長さで下ろす | 空きはほぼない | 結びを横にずらす |
髪を下ろす日は、毛先から帯の上端までを数え直してください。毛先と羽根が重なると、どちらの形も見えにくくなります。秋の着物で髪をまとめる位置は着物の髪型の記事も参考になります。
先に測る③|羽織の丈:裾が帯のどこまでかかるか
秋に着物を着る日は、羽織を重ねることが増えます。羽織の裾が帯のどこまでかかるかで、使えるアレンジの厚みが決まります。
羽織を着て後ろ向きに鏡の前に立ち、羽織の裾が帯のどこで止まるかを見ます。
| 羽織の裾の位置 | 結びへのかかり方 | 使える結びの厚み |
|---|---|---|
| 帯の上端より上 | かからない | どのアレンジでも |
| 帯の幅の中ほど | 結びの上半分にかかる | 指3本まで |
| 帯の下端あたり | 結びの全体にかかる | 指2本まで |
| 帯の下端よりずっと下 | 結びの全体を覆う | 指1〜2本 |
**羽織が結びにかかる日は、羽根を作らないほうが着姿がすっきりします。**羽根を作ると、羽織の背中の中心が押し上げられて、裾が跳ねます。
羽織を着たり脱いだりする日は、羽織を脱いだときの見え方も考える必要があります。その選び方は、あとの「どちらとも取れるとき」で扱います。
先に測る④|帯の長さと張り:羽根に回せる余り
アレンジによって、羽根と垂れに使う長さが違います。胴に巻いたあと、一結びして、両側に何cm余るかを測ってください。
| 一結びしたあとの余り(片側) | 作れるアレンジ |
|---|---|
| 40cm未満 | 片わな、巻き込み |
| 40〜70cm | 蝶結び、リボン返し、ねじって垂らす |
| 70〜100cm | 二重リボン |
| 100cm以上 | 花の形 |
余りが足りないときは、胴に巻く周数を1周減らすと、1周ぶんの長さが羽根に回ります。
帯の張りでも、向くアレンジが変わります。
| 帯の張り | 見分け方 | 向くアレンジ |
|---|---|---|
| やわらかい | 手のひらに載せると指のあいだから垂れる | ねじって垂らす、巻き込み、片わな |
| 中くらい | 手のひらに載せると縁が少し垂れる | 蝶結び、リボン返し、二本使い |
| 張りがある | 手のひらに載せても形が残る | 二重リボン、花の形 |
アレンジの前に|土台は1つでよい
8つのアレンジは、どれも土台が同じです。前の幅をそろえて胴に巻き、背中で一結びするところまでは変わりません。変えるのは、一結びしたあとの羽根と垂れの扱いだけです。
| 手順 | やること | 確かめること |
|---|---|---|
| 1 | 帯を縦に折って、前に出る幅を決める | 前の幅が指をそろえた手のひら1枚と少し |
| 2 | 胴に2周巻く | 1周ごとに前の幅が水平か |
| 3 | 背中で一結びする | 結び目が背中の中心か、少し横か |
| 4 | 結び目を少しだけ締め直す | 前の巻きがずり上がっていないか |
| 5 | ここから、アレンジごとの形にする | 片側の余りを測る |
ひとりで結ぶときは、前で一結びまで済ませてから、右回りに背中へ回すと、形を見ながら作れます。回すときは、両手で前の巻きを持ち、帯を体から少し浮かせて滑らせてください。
アレンジ①|蝶結び:どの背中にも合わせやすい基準
蝶結びは、両側に輪を1つずつ作って結ぶ、いちばん基本の形です。背中の空きが3枚以上あれば、どの予定にも合わせやすくなります。
作り方は、一結びのあと、片側で輪を作り、もう片側をその輪にかぶせて結びます。輪の先は、肩幅の内側で止めてください。肩幅を超えると、横から見たときに羽根が体の外に出て、結びだけが大きく見えます。
| 背中の空き | 羽根の大きさ | 垂れの長さ |
|---|---|---|
| 3枚未満 | 小さめ。羽根を横へ寝かせる | 短く |
| 3〜4枚 | 肩幅の内側いっぱい | 羽根と同じくらい |
| 4枚より多い | 肩幅の内側いっぱい、少し上へ立てる | 羽根より長めでも |
蝶結びは、羽根を少し下向きに整えると落ち着き、上向きに整えると華やかに見えます。同じ形でも、羽根の向きで印象を調整できます。
アレンジ②|リボン返し:羽根を短く丸くまとめる
リボン返しは、蝶結びを作ったあと、垂れの先を結び目の上から下へくぐらせて、羽根を丸くまとめる形です。羽根の先が外に広がらないので、蝶結びより小さく、厚みも少し抑えられます。
| 向いている日 | 理由 |
|---|---|
| 羽織を持ち歩き、着たり脱いだりする日 | 羽織の下でも厚みが指3本に収まる |
| 背中の空きが3〜4枚の日 | 結びが帯の上端とそろい、上に出すぎない |
| 秋の街歩きで長く歩く日 | 羽根の先が揺れず、ほどけにくい |
くぐらせた垂れの先は、結び目の下で指2本ぶんだけ出して止めます。長く出すと、垂れがもう1枚の羽根のように見えて、形がぼやけます。
アレンジ③|片わな:平たく、羽織の下に収める
片わなは、輪を片側だけ作り、もう片側は垂れのまま残す形です。結びが平たく、厚みが指2本に収まるので、羽織の下でも、車や電車で背もたれに寄りかかる日でも邪魔になりません。
| 向いている日 | 作り方のこつ |
|---|---|
| 帯の上で止まる羽織を重ねる日 | 輪を下向きに作る |
| 背中の空きが3枚未満の日 | 輪を横へ寝かせる |
| 長く座る日 | 結び目を背中の中心から少し横へ |
| 髪を下ろす日 | 垂れを毛先と反対側に出す |
輪と垂れの長さをそろえないのが、片わなをきれいに見せるこつです。輪を短く、垂れを輪の1.5倍くらいにすると、左右の重さに差が出て、すっきり見えます。
アレンジ④|二重リボン:背中の空きが広い日に
二重リボンは、両側に輪を2つずつ、合わせて4枚の羽根を作る形です。羽根が重なるぶん結びが大きくなるので、背中の空きが4枚より多い日に向いています。
| 確かめること | 目安 |
|---|---|
| 背中の空き | 手のひら4枚より多い |
| 一結びのあとの余り | 片側70cm以上 |
| 帯の張り | 中くらい以上 |
| 羽織 | 重ねないか、帯の上で止まる丈 |
| 羽根の先 | 4枚とも肩幅の内側 |
外側の羽根を大きく、内側の羽根を小さく作ると、重なりが見えて立体的になります。**4枚とも同じ大きさにすると、結びが一つの塊に見えます。**背中の空きが3〜4枚の日に作るなら、外側の羽根も肩幅の半分くらいに抑えてください。
アレンジ⑤|花の形:写真を撮る日に
花の形は、帯の幅を広げて、羽根を何枚も扇のように重ねる形です。8つの中でいちばん大きく、後ろ姿の写真で目を引きます。
結びが大きいぶん、使う場面を選びます。
| 場面 | 向き不向き |
|---|---|
| 秋祭りの夜、記念に写真を撮る日 | 向いている |
| 街歩きで長く歩く日 | 羽根が崩れやすい |
| 電車や車で長く座る日 | 背もたれで羽根がつぶれる |
| 羽織を重ねる日 | 向かない |
| 食事の席が座敷の日 | 座っても当たりにくいので使える |
羽根の枚数は、背中の空きが4枚なら3枚、5枚以上なら5枚を目安にしてください。枚数を増やしすぎると、羽根の一枚一枚が細くなって、花より紙の束のように見えます。
アレンジ⑥|ねじって垂らす:髪を下ろす日、背中の空きが短い日
ねじって垂らす形は、一結びのあと、両端をそれぞれねじって結び目にからげ、先を下へ流す形です。羽根が上に出ないので、背中の空きが短い日や、髪を下ろす日でも結びと髪が重なりません。
| 調整するところ | 背中の空き3枚未満 | 3枚以上 |
|---|---|---|
| ねじる回数 | 多め。細い線にする | 少なめ。ふくらみを残す |
| 垂れの長さ | 帯の下端から手のひら1枚 | 帯の下端から手のひら1〜2枚 |
| 結び目の位置 | 背中の中心から少し横 | 背中の中心 |
垂れの長さは、左右で手のひら半枚ぶん差をつけると、動いたときに2本がからまりません。座る日は、垂れが座面に届かない長さにしてください。
アレンジ⑦|巻き込み:羽織を重ねる日、椅子に座る日
巻き込みは、羽根を作らず、一結びのあとの両端をたたんで結び目に巻きつけ、平たくまとめる形です。結びの厚みが指1〜2本に収まり、帯の幅の中に結びが入ります。
帯にかかる羽織を重ねる日は、まずこの形を選んでください。
| 向いている日 | 理由 |
|---|---|
| 帯の下まで覆う羽織、長い羽織を重ねる日 | 羽織の背中を押し上げない |
| 背もたれのある椅子で長く座る日 | 背中に当たる厚みがない |
| 寺や美術館を静かに見て回る日 | 結びが目立たず、着姿が落ち着く |
| 帯の余りが少ない日 | 使う長さが少ない |
巻きつけた端は、最後に結び目と帯のあいだに差し込んで止めます。差し込みが浅いと、歩いているうちに端が出てきます。指の第2関節まで入れてください。
アレンジ⑧|二本使い:秋の着物で色を重ねる
二本使いは、兵児帯を2本重ねて巻くか、半幅帯の上に兵児帯を重ねて、2つの色や素材を見せる形です。秋の木綿やウールの着物は柄や色に深みがあるので、帯の色を2つ重ねると着物の色を拾いやすくなります。
| 組み合わせ | 結び方 | 見え方 |
|---|---|---|
| 兵児帯2本 | 同じ形に重ねて結ぶ | 羽根の縁に2色目がのぞく |
| 兵児帯2本 | 1本を蝶結び、1本をねじって垂らす | 羽根と垂れで色が分かれる |
| 半幅帯と兵児帯 | 半幅帯を平たく結び、兵児帯を上で片わな | 帯の幅がしっかりして、上に軽さが出る |
| 半幅帯と薄い兵児帯 | 半幅帯の上に薄い兵児帯を重ねて巻く | 半幅帯の色が透けて見える |
2本の色は、1本を着物の地の色から、もう1本を着物の柄の中の1色から拾うと、着物と帯がつながって見えます。色の合わせ方の考え方は着物と帯の色の合わせ方にまとめてあります。
秋の着物の柄と、アレンジの大きさ
秋に兵児帯を合わせる着物は、木綿、ウール、単衣の紬などの普段着が中心です。着物の柄の大きさで、アレンジの大きさの釣り合いが変わります。
| 着物の柄 | 合うアレンジの大きさ | 理由 |
|---|---|---|
| 無地、遠目で無地に見える細かい柄 | 大きめでもよい | 帯の結びが後ろ姿の主役になる |
| 細い縞、格子 | 中くらい | 線の柄に、結びの曲線が映える |
| 大きな柄 | 小さめ | 柄と結びが張り合わないように |
| 太い縞、大きな格子 | 平たい形 | 線が強いので、結びは控えめに |
柄が大きいほど、結びは小さく平たく。この組み合わせにすると、着物と帯のどちらも主役を取り合いません。
10月の浴衣に合わせる|夜風と、肩に掛ける1枚
10月の秋祭りや、暖かい日の夕方に浴衣を着ることもあります。秋の夜は風が冷たくなるので、肩に薄い羽織や大判の布を掛けることが増えます。
| 肩に掛けるもの | 結びとの関係 | 合うアレンジ |
|---|---|---|
| 掛けない | 結びがすべて見える | 背中の空きで選ぶ |
| 大判の薄い布 | 布の端が結びにかかる | リボン返し、片わな |
| 帯の上で止まる薄い羽織 | 結びの下半分が見える | 蝶結び、リボン返し |
| 帯にかかる羽織 | 結びがほとんど見えない | 巻き込み |
夜風で羽根が揺れて形が崩れやすい日は、羽根の付け根を一度ねじってから広げると、揺れても形が戻ります。
1日の予定で、出先で形を替える
兵児帯は、一結びまでの土台を崩さずに、羽根と垂れだけをほどいて形を替えられます。1日の予定の途中で、場面に合わせて結び替えることもできます。
| 予定の変わり目 | 替える前 | 替えたあと |
|---|---|---|
| 街歩きのあと、羽織を着て食事へ | 蝶結び | 巻き込み |
| 電車で移動したあと、写真を撮る | 片わな | 蝶結び、二重リボン |
| 夕方に髪をほどいて下ろす | 蝶結び | ねじって垂らす |
| 座敷の食事のあと、外を歩く | 花の形 | リボン返し |
結び替えは、手洗いの鏡の前など、後ろ姿の見える場所でしてください。一結びの結び目には触らず、その外側だけをほどくのがこつです。一結びまでほどくと、前の巻きがずれます。
後ろ姿の確かめ方|離れて撮って見る
アレンジは自分では見えない場所にあるので、写真で確かめるのがいちばん確実です。
| 確かめ方 | 見るところ |
|---|---|
| 手鏡と大きな鏡を合わせる | 結びの形、羽根の左右の大きさ |
| 2m離れた場所から撮る | 背中の空きに対する結びの大きさ |
| 横から撮る | 羽根が肩幅の外に出ていないか、結びの厚み |
| 羽織を着て撮る | 羽織の背中がふくらんでいないか |
| 座って撮る | 結びが背もたれに当たる位置 |
2m離れて撮った写真で、結びが背中の空きの半分を超えていたら、1段小さい形にしてください。近くの鏡で見ると、結びは実際より小さく見えます。
崩れたときの戻し方
外で結びが崩れたときは、崩れた場所で戻し方が変わります。
| 崩れ方 | 戻し方 |
|---|---|
| 羽根がつぶれた | 羽根の内側に指を入れて、付け根から広げる |
| 羽根の左右の大きさがずれた | 大きいほうの輪を結び目の中へ引き込む |
| 結びが横に回った | 前の巻きを両手で持ち、背中の中心へ戻す |
| 垂れが長く伸びた | 垂れを結び目の内側へたたんで差し込む |
| 結び目がゆるんだ | 外側だけほどき、一結びを締め直してから作り直す |
どの崩れ方でも、3分で戻らなければ、巻き込みに切り替えると決めておくと、出先で焦りません。巻き込みは使う長さが少なく、崩れた帯からでも作れます。
どちらとも取れるとき①|背中の空きがちょうど3枚、4枚の境目
手のひらで数えて、ちょうど3枚や4枚の境目になることがあります。そのときは、その日の髪と羽織で1段どちらかへ寄せてください。
| その日の条件 | 寄せる方向 |
|---|---|
| 髪を襟足の高さでまとめる | 空きが短い側の形へ |
| 髪を高い位置でまとめる | 空きが長い側の形へ |
| 羽織を重ねる | 空きが短い側の形へ |
| 写真を撮る予定がある | 空きが長い側の形へ |
どちらの条件もないなら、蝶結びかリボン返しにしておけば、境目のどちらに寄っても崩れません。
どちらとも取れるとき②|昼は羽織なしで、夕方から羽織る
秋の昼は暖かく、夕方は冷えるので、羽織を着たり脱いだりする日が多くなります。羽織を着たときに収まる形と、脱いだときに映える形が違うと、どちらに合わせるか迷います。
決め方は、羽織を着ている時間と脱いでいる時間の、どちらが長いかです。
| 着ている時間 | 選ぶアレンジ |
|---|---|
| 1日の半分より長い | 巻き込み、片わな |
| 半分くらい | リボン返し |
| 半分より短い | 蝶結び、リボン返し |
リボン返しは、羽織の下でも厚みが指3本に収まり、脱いだときにも形が見えるので、迷った日にいちばん通しやすい形です。
どちらとも取れるとき③|大人がアレンジすると、甘く見えないか
兵児帯は子どもの帯という印象があり、大人がアレンジすると甘く見えないかと気にする人は多いはずです。甘く見えるかどうかは、形の名前より、結びの大きさと背中の空きの釣り合いで決まります。
| 甘く見えやすい | 落ち着いて見える |
|---|---|
| 羽根が肩幅の外まで広がる | 羽根の先が肩幅の内側 |
| 結びが背中の空きの半分を超える | 結びが背中の空きの半分以内 |
| 帯の色が着物より明るい | 帯の色が着物と同じくらいか、深い |
| 垂れが長く、左右同じ長さ | 垂れが短いか、左右で差がある |
この4つのうち右側が3つ以上そろっていれば、蝶結びでも花の形でも、大人の着姿として収まります。
よくある行き違い
| よくある思い込み | 実際に起きること |
|---|---|
| 写真で映えていたアレンジなら自分にも合う | 背中の空きが違うと、同じ形でも詰まって見える |
| 大きな結びほど華やかで見映えがする | 背中の空きの半分を超えると、結びだけが目立つ |
| 羽織を着れば結びの形は関係ない | 結びの厚みが羽織の背中を押し上げて、線がふくらむ |
| アレンジごとに巻き方から変える | 土台は1つ。変えるのは一結びのあとだけ |
| 長い帯でないとアレンジできない | 巻く周数を1周減らせば、羽根に回せる |
| 髪を下ろしても結びは選ばない | 毛先と羽根が重なると、どちらの形も見えなくなる |
| 結び直すときは全部ほどく | 一結びに触らず、外側だけほどけば前はずれない |
装いに活かすなら
兵児帯のアレンジを選ぶ前に、襟足から帯の上端までを手のひらで数えることと、その日の羽織の裾が帯のどこで止まるかを見ることの2つを済ませてください。背中の空きが短いほど羽根は横か下へ、長いほど上へ。羽織が帯にかかる日は、巻き込みか片わなです。
土台は1つで、変えるのは一結びのあとだけです。秋の1日のうちに、街歩きでは蝶結び、羽織を着て食事に行くときは巻き込みと、同じ1本で形を替えられます。見本の写真に合わせるのではなく、自分の後ろ姿の広さに合わせて結びの大きさを決めれば、どの形も落ち着いて見えます。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 兵児帯のアレンジで、大人っぽく見えるのはどれですか
- 羽根の大きさを肩幅の内側に収め、垂れを短くまとめた形が落ち着いて見えます。8つのアレンジの中では、リボン返し、片わな、巻き込みの3つが当てはまります。蝶結びや花の形でも、羽根の先を肩幅の内側で止め、背中の空きに対して結びが大きすぎなければ、甘く見えることはありません。大人っぽさは形の名前より、背中の空きに対する結びの大きさの釣り合いで決まります。
- Q. 羽織を着る日に兵児帯を結ぶと、背中がふくらみます
- 羽織の裾が帯のどこまでかかるかを、先に見てください。腰の上で止まる短い羽織なら、結びの下半分は外に出るので、蝶結びでも収まります。帯の下まで覆う羽織や長い羽織では、結びの厚みがそのまま羽織を押し上げます。その日は、羽根を作らずに両端を結び目に巻きつける巻き込みか、輪を1つだけ作る片わなにして、厚みを指2本ぶん以内に抑えてください。
- Q. 髪を下ろしている日は、どのアレンジがいいですか
- 下ろした髪は背中の上のほうを覆うので、背中の空きが実際より短くなります。羽根を上に立てる形は毛先と重なって、結びが詰まって見えます。羽根を横か下へ流す形、たとえばねじって垂らす形や、垂れを長めに残した片わなが合います。毛先が帯の上端に届く長さなら、結びの位置を背中の中心から少し横へずらすと、髪と結びが重なりません。
- Q. 兵児帯1本でアレンジを何通りも作れますか
- 大人用の長さがあれば、8つのうち7つは1本で作れます。二本使いだけは2本要りますが、手持ちの半幅帯の上に兵児帯を重ねる方法でも作れます。土台の巻き方と一結びは共通で、変えるのは一結びのあとの羽根と垂れの扱いだけなので、同じ1本で日によって形を替えられます。帯の長さが足りないと感じるときは、胴に巻く周数を1周減らすと、羽根に回せる長さが増えます。
— メグラシ編集部





