東北旅行の服装 秋|内陸か海沿いか、温泉に泊まるかで上着を決める

**秋の東北の上着は、旅のなかでいちばん寒い場所の、夜の最低気温で決めてください。**行き先の県の名前や、昼の最高気温から考えると、夜と朝に足りなくなります。
秋の東北は、同じ日でも場所で気温が大きく違います。海沿いの街では長袖1枚で歩ける日に、内陸の盆地では朝の気温が一桁まで下がり、山あいの温泉地では吐く息が白くなります。行き先が「東北」でも、泊まる場所と歩く場所で、要る服が別の季節になるのが、秋の東北の旅です。
北の秋の旅は北海道旅行の服装は秋が別物に、標高と紅葉の寒さは紅葉狩りの服装で寒かったにまとめてあります。この記事は、東北の秋の旅程から服を決める話です。
結論:上着は泊まる場所の夜、足元は歩く場所で決める
秋の東北の旅で、服を決めるものさしは2つだけです。
| 決めるもの | ものさし | 決め方 |
|---|---|---|
| 上着 | 旅のなかでいちばん寒い場所の夜の最低気温 | 住んでいる街のその気温の日に着る上着 |
| 中に着るもの | 移動と屋内の時間の長さ | 脱ぎ着しやすい薄手を重ねる |
| 足元 | 歩く場所(街・遊歩道・峠) | 遊歩道があれば底に溝のある靴 |
| 小物 | 夜に外を歩くか | 外湯や夜の散歩があれば首と手を覆う |
**上着は、旅のあいだ1枚で通すつもりで選んでください。**東北の秋の旅は、新幹線や車の中、宿、店の中と、暖かい屋内の時間も長くあります。上着を2枚持っていくより、厚めの1枚を選んで、中に着るもので屋内に合わせるほうが、荷物も脱ぎ着も楽です。
いちばん寒い場所は、多くの旅で、山あいの温泉地か高原、または内陸の盆地の朝です。旅程のなかで、その場所に夜と朝いるかどうかを先に確かめてください。
東北の秋は、内陸・海沿い・山あいで別の季節
同じ東北でも、場所の型で気温の出方が違います。旅程を、この3つの型のどれに当たるかで分けてください。
| 場所の型 | 秋の気温の出方 | 服で気をつけること |
|---|---|---|
| 海沿いの街 | 昼と夜の差が小さめ。風が強い日がある | 風を通しにくい上着 |
| 内陸の盆地 | 昼は暖かく、朝晩に大きく冷える | 朝晩だけ1段厚くできる重ね方 |
| 山あいの温泉地 | 昼から冷え、夜と朝は冬に近い | 冬のはじめの上着、首と手 |
| 高原・峠 | 風が強く、紅葉の終わりには雪がちらつく | いちばん厚い上着、甲の覆われた靴 |
内陸の盆地は、晴れた日ほど朝が冷えます。昼に日差しを浴びて汗ばむほどでも、日が沈むと急に冷え込み、翌朝は霜が降りることもあります。昼と朝の差が15度近くになる日もあるので、昼の服に1枚足すだけでは朝に届かないことがあります。
海沿いは、内陸ほど朝晩に冷え込みませんが、海からの風で体感が下がります。気温の数字が同じでも、風のある海沿いは2〜3度低く感じる、と見ておいてください。
住んでいる街との差で、上着を1段ずつ足す
東北の気温を自分の服に置き換えるには、住んでいる街との差を見るのがいちばん確かです。出発の数日前に、住んでいる街と、旅でいちばん寒い場所の最低気温を並べてください。
| 最低気温の差 | 上着の決め方 |
|---|---|
| 3度未満 | 今の時期に住んでいる街で着ている上着のまま |
| 3〜5度 | 薄手の羽織りを、1段厚い上着に替える |
| 5〜8度 | 住んでいる街の1か月先に着る上着 |
| 8度以上 | 住んでいる街の冬のはじめに着る上着 |
関東や関西から10月の東北へ行くと、海沿いの街なら差は3〜5度、内陸の盆地や山あいなら6〜9度ほどになる日が多くあります。差が5度を超えるごとに、上着を1段厚くする、と覚えておくと迷いません。
予報は、県庁所在地のような大きな街のものだけを見ないでください。泊まる町や、温泉地に近い町の予報を見ると、同じ県のなかでも最低気温が5度以上違うことがあります。
10月上旬から紅葉の終わりまでで、要るものが動く
秋の東北は、旅の時期が2週間ずれるだけで、要る上着が変わります。
| 時期 | 平地の街 | 山あい・高原 |
|---|---|---|
| 10月上旬 | 長袖と薄手の羽織り | 薄手のウールか中わたの上着 |
| 10月中旬 | 薄手のウールのコート、または中わたの上着 | 冬のはじめの上着 |
| 10月下旬 | 冬のはじめの上着 | 冬の上着、手袋 |
| 紅葉の終わりの時期 | 冬の上着 | 冬の上着、雪に備えた靴 |
紅葉の見頃は、山の上から始まり、少しずつ麓へ下りてきます。見頃の場所を追いかけて行く旅は、見頃の場所がそのまま「その時期にいちばん冷える場所」です。紅葉の名所を目当てに行くなら、見頃の場所の朝の気温で上着を決めてください。
10月上旬の旅は、昼に汗ばむ日と、朝に冷える日が同じ旅のなかに混ざります。この時期は、上着を厚くするより、中に着るものを薄手2枚にして、脱ぎ着で合わせるほうが過ごしやすくなります。
太平洋側と日本海側で、雨と風の性格が違う
東北は、奥羽山脈をはさんで、太平洋側と日本海側で秋の天気の性格が違います。
| 側 | 秋の雨 | 秋の風 | 服で足すもの |
|---|---|---|---|
| 太平洋側 | 晴れる日が多く、乾いている | 北や西からの乾いた風 | 風を通しにくい上着 |
| 日本海側 | 秋が深まると、短い雨がくり返す | 海からの湿った風 | 撥水の上着、折りたたみ傘 |
| 山脈に近い内陸 | 山の上だけ雲がかかる | 山からの冷たい風 | 首と耳を覆うもの |
日本海側は、秋が深まるにつれて、晴れていたのに急に雨が降り、また晴れる、という天気がくり返します。傘を広げるほどではない短い雨も多いので、撥水の上着と、フードか帽子があると、そのたびに傘を出さずに済みます。
太平洋側は晴れる日が多い一方、乾いた風が冷たく感じられます。晴れの予報の日でも、風を通しにくい生地の上着を選んでおくと、海沿いや橋の上で寒さに困りません。
旅程を、場面に分けて書き出す
秋の東北の旅で迷わないためには、旅程を場面に分けて、それぞれの場所と時刻を書き出しておくのがいちばんです。
| 場面 | 場所の型 | 時刻 | 外にいる時間 |
|---|---|---|---|
| 新幹線や車の移動 | 屋内 | 朝・夕 | 短い |
| 城下町や古い町並み | 平地の街 | 昼 | 2〜3時間 |
| 渓谷や山の紅葉 | 山あい | 昼 | 1〜3時間 |
| 高原や峠の展望台 | 高原・峠 | 昼 | 30分前後 |
| 温泉宿 | 山あい | 夕〜朝 | 外湯や散歩の時間 |
| 朝市・早朝の散歩 | 平地・海沿い | 早朝 | 1時間前後 |
| 港町や海沿い | 海沿い | 昼 | 1〜2時間 |
| 夜の食事 | 平地の街 | 夜 | 店までの道 |
書き出してみると、外にいる時間がいちばん長い場面と、いちばん寒い場面が別だとわかることがあります。**上着はいちばん寒い場面、足元はいちばん長く歩く場面に合わせてください。**次の節から、場面ごとに見ていきます。
場面1|新幹線と車の移動
移動の時間は、暖かい屋内です。上着を着たまま座ると、汗ばんで、降りたときに冷えます。
| 移動 | 服の扱い | 気をつけること |
|---|---|---|
| 新幹線 | 上着は脱いで、手元に置く | 降りるホームは風が通る |
| 在来線やバス | 上着は前を開ける | 乗り換えの待ち時間 |
| レンタカー | 上着は後ろの席へ | 展望台や駐車場で降りるたびに着る |
新幹線の駅は、降りた瞬間に住んでいる街との差がわかる場所です。ホームは風が通るので、到着の少し前に上着を手元に用意しておくと、降りてすぐ着られます。
車で回る旅は、車の中と外の行き来が多くなります。展望台や道の駅で短く降りるたびに上着を着るのは手間ですが、前の開く上着なら、羽織るだけで済みます。頭からかぶる上着は、車の旅には向きません。
旅の初日の朝は、住んでいる街の気温に合わせて家を出ることになります。家を出るときに上着が暑く感じても、東北に着いた時点の気温に合わせた上着を着ていくか、手に持っていってください。上着を大きなかばんの底に入れてしまうと、着いたホームで取り出せません。
場面2|城下町や古い町並みの街歩き
城下町や古い町並みは、平地の街で、昼に2〜3時間歩く場面です。旅程のなかでは、比較的暖かい時間に当たります。
| 時期 | 上 | 足元 |
|---|---|---|
| 10月上旬 | 長袖と薄手の羽織り | 歩きなれた靴 |
| 10月中旬 | 長袖と上着。日なたでは前を開ける | 歩きなれた靴 |
| 10月下旬以降 | 中に薄手のニット、上着 | 甲の覆われた靴 |
古い町並みでは、武家屋敷や古い商家の中を見学することがあり、靴を脱いで上がる場面があります。脱ぎ履きしやすい靴にしておくと、見学のたびに手間取りません。板の間は足元から冷えるので、素足になる靴は避け、靴下を履いてください。
石畳や砂利の道もあるので、細いかかとの靴は歩きにくくなります。
街歩きの途中で、甘味処や資料館に入って休む時間もあります。屋内に入るたびに上着を脱ぐのが面倒なら、上着の前を開けたまま歩き、屋内では前を開けたまま座るだけでも、汗ばみにくくなります。日なたと日陰の差が大きい日は、日陰の通りを歩くときだけ前を閉めると、脱ぎ着の回数を減らせます。
場面3|渓谷や山の紅葉を歩く
渓谷や山の紅葉を見に行く場面は、旅程のなかで寒さと足元の両方にいちばん気を使う場面です。
| 気をつけること | 服で決めること |
|---|---|
| 谷は午後になると日が当たらない | 上着は昼でも手元に |
| 濡れた落ち葉、木の根、石段 | 底に溝のある靴 |
| 川沿いは空気が冷たい | 首を覆うもの |
| 登りで汗をかき、止まると冷える | 中は汗が乾きやすい薄手 |
渓谷は、両側を山に挟まれているので、日が当たる時間が短く、昼過ぎには日陰になります。午前中に歩けば日なたで暖かくても、午後に歩くと同じ道が冷えています。渓谷を歩くのが午後なら、上着を1段厚く見てください。
遊歩道は、登りでは汗をかき、景色を見て立ち止まると汗が冷えます。中に着るものは綿より、汗が乾きやすい化繊やウールの薄手が向きます。
紅葉の見頃の渓谷は人が多く、遊歩道で立ち止まって待つ時間が長くなることがあります。歩いているあいだは暖かくても、待つ時間に体が冷えるので、上着はかばんに入れず、すぐに着られるように腰に巻くか手に持っておいてください。
場面4|高原や峠の展望台に車で上がる
車で高原や峠に上がる場面は、外にいる時間は短くても、旅程でいちばん寒い場所になることがあります。
| 時期 | 峠や高原で着るもの |
|---|---|
| 10月上旬 | 上着を前まで閉める |
| 10月中旬 | 上着と首に巻くもの |
| 10月下旬以降 | 冬の上着、手袋、耳を覆うもの |
| 紅葉の終わりの時期 | 冬の上着に加え、雪に備えた靴 |
峠は風が強く、車から降りた瞬間に体感が大きく下がります。車の中で汗ばんでいても、降りる前に上着を着てください。展望台にいるのは30分ほどでも、風の中では手が冷えて写真を撮るのもつらくなります。
紅葉の終わりの時期は、峠で雪がちらつくことがあります。車で上がる予定があるなら、その日は甲の覆われた靴にしておくと、足元が濡れても冷えにくくなります。
峠の道は、上るにつれて気温が下がっていきます。標高が100m上がるごとに、およそ0.6度下がる目安で、麓から1,000m上がれば6度ほど低くなります。麓で長袖1枚でも、峠の上では住んでいる街の冬の朝に近い寒さになることがあります。
場面5|山あいの温泉宿に泊まる
山あいの温泉宿に泊まる旅は、宿のまわりの夜と朝が、旅程でいちばん冷える時間になります。
| 宿での場面 | 着るもの | 気をつけること |
|---|---|---|
| 館内 | 浴衣と宿の羽織り | 廊下や渡り廊下は冷える |
| 露天風呂への道 | 浴衣、羽織り、靴下 | 外の空気に出る |
| 部屋で過ごす | 浴衣、または持ってきた部屋着 | 窓ぎわは冷える |
| 朝の出発 | 上着を前まで閉める | 朝の冷え込みがいちばん強い |
館内は暖かくても、廊下や大浴場への道は冷えることがあります。浴衣の上に宿の羽織りを重ねても寒いなら、持ってきた薄手のカーディガンを浴衣の上に重ねても構いません。足元が冷えるなら、靴下を履いてください。
**湯上がりに外の空気に出ると、体が冷えやすくなります。**露天風呂から部屋に戻るときは、髪を乾かしてから出る、首にタオルを巻く、のどちらかをしておくと、湯冷めしにくくなります。
宿の部屋は暖房が効いていても、窓ぎわや床は冷えることがあります。寝るときに浴衣だけで寒いなら、持ってきた薄手の長袖を浴衣の下に着ると、夜中に冷えて目が覚めにくくなります。翌朝の出発のときは、宿の玄関を出る前に上着を前まで閉めてください。山あいの朝は、宿の中との差がいちばん大きい時間です。
場面6|温泉街の外湯めぐりと夜の散歩
温泉街では、宿の浴衣のまま、外湯をめぐったり、夜の温泉街を歩いたりする楽しみがあります。
| 気温 | 浴衣の上に重ねるもの |
|---|---|
| 夜の最低気温15度以上 | 宿の羽織り |
| 10〜15度 | 宿の羽織りと、首に巻くストール |
| 5〜10度 | 宿の羽織りの上に、持ってきた上着 |
| 5度未満 | 上着、ストール、手袋。歩く時間を短くする |
浴衣は、首元と足首と袖口が開いているので、同じ気温でもふだんの服より寒く感じます。外湯めぐりの日は、首に巻けるストールを1枚持っていくと、湯上がりの首元を覆えます。
温泉街の石畳は、夜になると湯気や夜露で濡れていることがあります。宿で借りる下駄は滑りやすいので、ゆっくり歩いてください。下駄で冷えるなら、足袋型の靴下を持っていくと、下駄を履いたままでも足先が冷えにくくなります。
外湯をいくつかめぐる日は、湯に入るたびに浴衣を脱ぎ着します。重ねた上着やストールは、脱衣所で手早く脱ぎ着できるものにしておくと、湯上がりにもたつかずに済みます。手ぬぐいやタオルを入れる小さな袋を1つ持つと、両手が空いて、石畳を歩くときも安心です。
場面7|朝市と早朝の散歩
東北の旅では、朝市や港の市場を楽しみにすることも多くあります。朝市は、旅程のなかで最低気温にいちばん近い時刻に外にいる場面です。
| 場所 | 朝の服 |
|---|---|
| 内陸の街の朝市 | 上着を前まで閉め、首を覆う |
| 港の市場 | 風を通しにくい上着、首と手 |
| 宿のまわりの早朝の散歩 | 上着、首、手。寝起きの体で出ない |
朝市は、立ち止まって品物を選ぶ時間が長く、体を動かさないので冷えます。手袋をしていると品物を手に取りにくいので、指先の出せる手袋か、すぐ外せる手袋が便利です。
港の市場は、床が濡れていることがあります。底の滑りにくい靴にしてください。
朝市に行く日は、宿を出る前に、昨日の昼の服にそのまま上着を羽織るのではなく、中に1枚足してから出てください。朝の冷え込みは、昼に歩いた街より5度以上低いことがあります。市場の中で温かい汁物を食べる時間があれば、そこで上着の前を開けて調整します。
場面8|港町や海沿いの景色
海沿いの観光は、気温の数字より風で寒さが決まる場面です。
| 風の強さ | 体感 | 足すもの |
|---|---|---|
| 弱い | 気温どおり | なし |
| やや強い | 2〜3度低い | 首に巻くもの |
| 強い | 5度ほど低い | 風を通しにくい上着、耳を覆うもの |
海沿いの崖や岬の展望地は、海からの風をまともに受けます。上着の前を閉め、首を覆うと、体感がかなり変わります。帽子は風で飛ばされやすいので、あごひものあるものか、耳まで覆えるニットの帽子にしてください。
海沿いは、内陸より朝晩の冷え込みがゆるやかです。海沿いだけを回る旅なら、内陸や山あいを回る旅より、上着を1段薄くしても困らないことが多くあります。
海沿いの道は、日が傾くと風が強まることがあります。午後遅くに海沿いを歩く予定なら、昼に脱いだ上着を、もう一度着られるように手元に置いておいてください。
場面9|夜の食事
夜の食事は、店の中は暖かく、店までの道が冷える場面です。
| 店までの道 | 着ていくもの |
|---|---|
| 宿の中の食事処 | 浴衣と羽織り |
| 宿から歩いて5分以内 | 上着を羽織るだけ |
| 街の店まで15分以上歩く | 上着を前まで閉め、首を覆う |
郷土料理の店や居酒屋は、座敷のことがあり、靴を脱いで上がります。脱ぎ履きしやすい靴にしておくと、店に入るときに手間取りません。座敷では、厚手のニットだと暖房の効いた店で暑くなるので、中に着るものは脱いで調整できる重ね方にしてください。
夜の食事のあとは、店の中で温まった体で外に出るので、出た瞬間の冷え込みを強く感じます。店を出る前に上着の前を閉めて、首を覆ってから外に出てください。宿までの道で、湯上がりのように体が冷えるのを防げます。
上着は1枚に絞る|種類ごとの届く気温
上着は、旅のあいだ1枚で通すつもりで選びます。手持ちの上着が、何度まで届くかを見てください。
| 上着 | 届く最低気温の目安 | 向く旅 |
|---|---|---|
| 薄手の羽織り(綿・化繊) | 15度前後まで | 10月上旬の海沿い |
| 薄手のウールのコート | 10度前後まで | 10月中旬の平地 |
| 中わたの軽い上着 | 8度前後まで | 10月の内陸 |
| 冬のはじめのウールのコート | 5度前後まで | 10月下旬、山あい |
| ダウンの上着 | 5度未満 | 紅葉の終わり、高原・峠 |
この目安は、中に長袖とニットを1枚ずつ着た場合です。中に着るものを1枚増やせば、上着1段ぶんくらいは寒い側へ届きます。上着を2枚持っていく代わりに、中に着る薄手のニットを1枚足すと、荷物を増やさずに幅を広げられます。
中に着るものは、脱ぎ着の早さで選ぶ
東北の秋の旅は、屋内と外を何度も行き来します。中に着るものは、脱ぎ着が早いものを選んでください。
| 中に着るもの | 屋内で | 外で |
|---|---|---|
| 薄手の長袖 | そのまま | 上着の下で1枚目 |
| 前の開く薄手のカーディガン | 脱いで手に持てる | 上着の下で2枚目 |
| 頭からかぶるニット | 脱ぐと髪が乱れる | 暖かい |
| 首の詰まった薄手のニット | 暑ければ上着だけ脱ぐ | 首元が暖かい |
前の開くカーディガンは、新幹線や店の中でさっと脱げるので、東北の秋の旅に向きます。頭からかぶるニットは暖かい一方、屋内で暑くなったときに脱ぎにくいので、屋内の時間が長い旅では1枚までにしておいてください。
重ねる順番は、肌に近いほうから、薄手の長袖、首の詰まった薄手のニットかカーディガン、上着です。肌に近い1枚を汗の乾きやすい生地にしておくと、遊歩道で汗をかいたあとに冷えにくくなります。
足元|石畳・濡れた落ち葉・峠の雪
足元は、旅程のなかでいちばん長く歩く場所と、いちばん足場の悪い場所で決めます。
| 歩く場所 | 向く靴 | 避けたい靴 |
|---|---|---|
| 街と温泉街だけ | 歩きなれた革の靴、底の厚いスニーカー | 細いかかとの靴 |
| 渓谷や山の遊歩道 | 底に溝のある歩きやすい靴 | 底の平らな靴 |
| 峠や高原(紅葉の終わり) | 甲の覆われた、水のしみにくい靴 | 布の靴、甲の開いた靴 |
| 朝市・港の市場 | 底の滑りにくい靴 | 革底の靴 |
靴は1足にするなら、遊歩道を歩ける靴にしてください。街歩きの靴で遊歩道を歩くのは難しくても、遊歩道の靴で街を歩くのは困りません。
靴下は、ふだんより1段厚いものにすると、足元から冷えにくくなります。靴を脱いで上がる場面が多い旅では、靴下の見た目も気にしておくと安心です。
新しく買った靴は、旅の前に一度、半日ほど履いて歩いておいてください。遊歩道や石段の多い旅で、慣れない靴で足が痛くなると、その日の予定を短くすることになります。
首・手・耳の小物
秋の東北の旅では、上着を厚くするより、小物で寒さを足すほうが荷物が軽く済みます。
| 小物 | 足す場面 | 持っていく目安 |
|---|---|---|
| ストール・マフラー | 夜の外湯、朝市、峠 | 最低気温15度を下回るなら |
| 手袋 | 朝市、峠、海沿い | 最低気温10度を下回るなら |
| 耳まで覆う帽子 | 峠、高原、港 | 最低気温5度を下回るなら |
| 厚手の靴下 | 宿、座敷、遊歩道 | どの時期でも |
ストールは、首に巻くだけでなく、新幹線の中でひざに掛けたり、浴衣の上から肩に掛けたりと、場面を選ばずに使えます。1枚持っていくなら、厚手で大判のものにしておくと出番が多くなります。
手袋は、写真を撮る旅なら、指先だけ出せるものか、画面に触れられるものが便利です。峠や朝市で手袋を外して写真を撮ると、数分で指先が冷えて、そのあと上着のボタンを留めるのにも手間取ります。
色と素材
紅葉の中の写真や、温泉街の景色に合わせて、色と素材も選んでおくと旅の楽しみが増えます。
| 場所 | 写真で映える色 | 素材で気をつけること |
|---|---|---|
| 紅葉の中 | 紺、灰、生成り、深い緑 | 枝に引っかかりにくい表面 |
| 温泉街 | 浴衣と並ぶ落ち着いた色 | 湯気で湿っても乾きやすい |
| 海沿い | 白、明るい青、生成り | 風でめくれにくい厚み |
紅葉の赤や黄の中では、赤や黄の服は景色にまぎれます。紺や灰、生成りのような落ち着いた色のほうが、紅葉の中で姿がくっきり写ります。
遊歩道では、枝や木の根に服が触れることがあります。毛足の長いニットや、引っかかりやすい編み地の上着は、遊歩道を歩く日には避けておくと安心です。
温泉街では、宿の浴衣の上に自分の上着を重ねて歩くこともあります。浴衣の柄と上着の色がぶつからないよう、上着は紺や灰、茶のような落ち着いた色にしておくと、どの浴衣に重ねてもなじみます。
泊数ごとの枚数
上着は1枚にして、中に着るものと下を泊数で数えます。
| 泊数 | 中に着るもの | 下 | 小物 |
|---|---|---|---|
| 1泊 | 長袖2枚、カーディガン1枚 | 1本 | ストール、手袋 |
| 2泊 | 長袖3枚、カーディガン1枚 | 1本 | ストール、手袋 |
| 3泊 | 長袖3枚、ニット1枚、カーディガン1枚 | 2本 | ストール、手袋、帽子 |
| 4泊以上 | 3泊の組に、宿で洗える肌着を足す | 2本 | 同じ |
下は、雨の予報がある旅なら1本足してください。日本海側を回る旅で、秋が深まった時期なら、裾が濡れたときの替えがあると、翌日に困りません。
荷物の量を減らしたいときは、中に着るものを、宿で洗って朝までに乾く薄手のものにしておくと、枚数を1枚ずつ減らせます。温泉宿の部屋は暖房で乾燥しているので、薄手の長袖なら一晩で乾くことが多くあります。
どちらとも取れるとき①|内陸と海沿いの両方を回る
内陸の盆地と海沿いの街を、同じ旅で回ることがあります。どちらに上着を合わせるか迷うときは、夜と朝をどちらで過ごすかで決めます。
| 泊まる場所 | 上着 |
|---|---|
| 内陸で泊まる | 内陸の朝の最低気温に合わせる |
| 海沿いで泊まる | 海沿いの最低気温に合わせ、風を通しにくい上着 |
| 両方に1泊ずつ | 寒いほうに合わせ、暖かいほうでは前を開ける |
昼に通り過ぎるだけの場所の気温は、上着を決めるものさしにはしなくて構いません。上着の前を開ける、中のカーディガンを脱ぐ、で調整できます。
内陸から海沿いへ移る日は、移動の途中で天気が変わることもあります。山を越えると晴れから曇りへ、曇りから雨へ、と変わることがあるので、移動の日は、撥水の上着か折りたたみ傘を、すぐ出せる場所に入れておいてください。
どちらとも取れるとき②|街は暖かいのに、山の宿に泊まる
昼は平地の街を歩いて、夜は山あいの温泉宿に泊まる。東北の秋の旅で、よくある組み方です。
| 時間 | 場所 | 着方 |
|---|---|---|
| 昼 | 平地の街 | 上着の前を開けるか、手に持つ |
| 夕方 | 山あいへ移動 | 車や電車を降りる前に上着を着る |
| 夜・朝 | 温泉宿 | 上着を前まで閉め、首を覆う |
昼の暖かさにつられて上着を薄くすると、宿に着いた夕方から翌朝まで、寒さに困ります。上着は宿の夜と朝に合わせて、昼は手に持つくらいに考えてください。
どちらとも取れるとき③|晴れの予報でも、日本海側で時雨れる
日本海側の秋は、晴れの予報でも、短い雨が何度か降ることがあります。傘を持つか迷うときは、上着とかばんで決めます。
| 手元の上着 | 傘 |
|---|---|
| 撥水の上着、フード付き | 折りたたみ傘を1本かばんに |
| 撥水でないウールの上着 | 折りたたみ傘を必ず |
| 中わたの上着 | 表地が撥水なら、折りたたみ傘を1本 |
ウールの上着は、短い雨でも湿ると重くなり、乾くまで時間がかかります。日本海側を回る旅でウールの上着を着ていくなら、傘はかばんに入れておいてください。
どちらとも取れるとき④|寒がりと暑がりが一緒の旅
家族や友人と行く旅では、同じ場所でも寒さの感じ方が違います。
| 自分が | 上着 | 中に着るもの |
|---|---|---|
| 寒がり | 1段厚い上着 | 薄手を重ねて、屋内で脱ぐ |
| 暑がり | 寒い場所に合わせた上着 | 薄手1枚にして、外で上着を閉める |
| わからない | 寒い場所に合わせた上着 | 前の開くカーディガンで調整 |
暑がりの人でも、上着は寒い場所に合わせてください。中に着るものを薄くして、屋内では上着を脱げば、暑さには困りません。外で寒いときに足すものがないほうが、旅のあいだずっと困ります。
出発の前の晩に確かめる表
出発の前の晩に、次の5つを確かめてから荷物を詰めてください。
| 確かめること | 決まること |
|---|---|
| 泊まる場所の最低気温 | 上着の厚さ |
| 住んでいる街との差 | 上着を何段厚くするか |
| 歩く場所(遊歩道・峠の有無) | 靴 |
| 日本海側を回るか、雨の予報 | 撥水の上着、傘、下の替え |
| 夜に外を歩く予定 | ストール、手袋、帽子 |
確かめるのは、県の大きな街の予報ではなく、泊まる町と、いちばん高い場所に近い町の予報です。前の晩に見た予報が、当日の朝に2〜3度動いていることもあるので、出発の朝にもう一度、最低気温だけ確かめてください。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 10月の東北旅行に、冬のコートは必要ですか
- 10月上旬から中旬で、泊まるのが平地の街なら、冬のコートまでは要らない日が多く、薄手のウールのコートや中わたの軽い上着で足ります。10月下旬以降や、山あいの温泉地・高原に泊まる旅なら、朝晩の最低気温が5度前後まで下がることがあるので、冬のはじめに着る厚さの上着を持っていってください。迷ったら、泊まる場所の最低気温を見て、住んでいる街のその気温の日に着ている上着を選ぶと外れません。
- Q. 東北の紅葉を見に行くとき、靴は何がいいですか
- 渓谷や山の遊歩道を歩くなら、底に溝のある歩きやすい靴にしてください。秋の遊歩道は、濡れた落ち葉や木の根、石段が多く、底の平らな靴は滑りやすくなります。街歩きと温泉街だけの旅なら、歩きなれた革の靴や、底の厚いスニーカーで十分です。紅葉の終わりの時期に峠や高原へ車で上がる予定があるなら、雪がちらつくこともあるので、甲の覆われた靴にしておくと安心です。
- Q. 温泉宿では、館内も浴衣で過ごして寒くありませんか
- 館内は暖房が効いていることが多いのですが、廊下や大浴場への渡り廊下、外の露天風呂への道は冷えます。浴衣の上に宿の羽織りを重ね、足元は素足で冷えるなら靴下を履いてください。外湯めぐりで温泉街を歩くときは、浴衣と羽織りだけでは夜の冷え込みに足りないことが多いので、首に巻けるストールや、羽織りの上に着られる上着を1枚持って出ると、湯冷めしにくくなります。
- Q. 東北の秋の旅行に、何泊ならどれだけ服を持っていけばいいですか
- 上着は泊数にかかわらず1枚にして、中に着るものを泊数で数えてください。1泊なら中に着る長袖を2枚、2泊なら3枚、3泊以上なら3枚に宿で洗えるものを足すくらいが目安です。下は、2泊までは1本、3泊以上で雨の予報があるなら2本にします。首に巻くものと手袋は、泊数にかかわらず1つずつ持っていってください。荷物を減らしたいなら、中に着るものを薄手にして枚数で調整すると、上着1枚で幅広い気温に合わせられます。
— メグラシ編集部





