北海道旅行の服装は秋が別物|9月10月11月を本州の何月で読む

秋の北海道で服装に迷ったら、覚えることは1つだけです。
カレンダーを1か月進めて考える。 9月なら本州の10月、10月なら本州の11月、11月なら本州の12月。その月に本州で着るはずの服を持っていけば、大きくは外しません。
そのうえで、上に薄い一枚を重ねられるようにして、靴は濡れても平気なものにする。この2つを足せば、あとは色の好みの問題です。
夏より、秋のほうが落差が大きい
夏の北海道でも「本州の感覚で行くと寒い」と言われます。日中が25度前後でも朝晩は15度を下回る日があり、羽織りものが要る。それでも夏は、暑さと涼しさの間にある話でした。
秋は違います。本州がまだ半袖でいられる時期に、北海道ではもう上着が要ります。 そして本州が上着を出す頃には、北海道は冬支度に入っています。差は縮まるどころか、月が進むほど開いていきます。
理由は単純で、北海道は緯度が高く、季節の進み方が本州より早いからです。同じ日付でも、進んでいる季節が違う。だから「秋の北海道は少し肌寒い」ではなく、「北海道の秋は本州の初冬」と読み替えたほうが実態に近くなります。
月別に読む|9月・10月・11月は本州の何月に当たるか
数字を覚える必要はありません。換算だけ持っていってください。
| 時期 | 平年並みでおよその気温 | 本州でいうと | 上に足す一枚 |
|---|---|---|---|
| 9月 | 日中20度台前半/朝晩15度前後 | 10月ごろ | 薄手の羽織り1枚 |
| 10月 | 日中15度台/朝晩10度を下回る日も | 11月ごろ | 羽織り+風を防ぐ一枚 |
| 11月 | 日中10度前後/朝晩は0度台まで | 12月ごろ | 中わたや厚手の外側+首元 |
年による差も、地域による差もあります。あくまで目安として読んでください。
9月|本州の10月として支度する
9月の北海道は、日中は歩いていて気持ちのいい日が続きます。半袖でも過ごせる時間帯はありますが、それは正午前後の数時間だけだと思っておくほうが安全です。
朝は15度前後まで下がる日があり、これは本州の10月の朝に近い体感です。日が落ちるのも本州より早く、夕方には空気が変わります。半袖の上に羽織る一枚を、常に持ち歩く前提で組んでください。
9月後半になると、朝の空気に冷たさが混じります。下旬に旅程がかかる場合は、10月の項をあわせて読んでおくと安心です。
この時期にありがちなのが、本州の残暑の感覚のまま荷造りをしてしまうことです。出発の日に本州が30度を超えていると、上着を入れる気持ちになりにくい。けれど到着した先の朝は、その15度ほど下です。荷造りは出発地の天気ではなく、到着地の朝の気温に合わせてください。
10月|本州の11月として支度する
10月がいちばん判断を間違えやすい月です。写真で見る紅葉の景色は穏やかですが、実際の体感は本州の11月に近くなります。
日中は15度前後、朝晩は10度を下回る日も出てきます。気温15度前後の服装を基準にして、朝夕はそこに一枚足す、という組み立てが合います。中旬を過ぎると下旬にかけて一段下がるので、月の前半と後半でも別の季節だと考えてください。
10月の下旬になると、山あいや内陸では朝に霜が降りることもあります。日中との差が最も開くのがこの時期です。
11月|本州の12月として支度する
11月は、もう秋というより初冬です。日中でも10度前後、朝晩は0度台まで下がる日があります。気温10度前後の服装よりもう一段、余裕を持たせておくと安心できます。
このあたりから、上着は「羽織るもの」ではなく「防ぐもの」に変わります。風を通さないこと、首元を閉じられること、この2点が効いてきます。手袋を1組持っていくと、屋外で写真を撮る時間が快適になります。
11月に多いのが、動かない時間の寒さです。乗り物を待つ、順番を待つ、景色の前で立ち止まる。歩いて温まった体が止まると、汗が引いて一段冷えます。止まる時間が読めているなら、その日は一枚多く持つ。 それだけで印象がまるで違います。
一日の中の差|朝晩と日中、内陸と沿岸、そして風
月の違いと同じくらい、同じ日の中の差が大きいのが北海道の秋です。差の出方は3種類あります。
ひとつめは時間帯です。日射で日中は上がり、日が落ちると一気に下がります。特に内陸では、晴れて風のない夜ほど冷えます。服装は日中の気温で選び、持ち物は朝晩の気温で選ぶと整理しやすくなります。
ふたつめは場所です。内陸は朝の冷え込みが強く、日中との差が大きい。沿岸は気温そのものは下がりきらないものの、風が抜けるので体感が低くなります。同じ日に内陸と沿岸を移動する行程なら、その差のぶんだけ調節の幅を持たせてください。
みっつめは風です。北海道の秋は風の強い日があり、これが体感をいちばん動かします。気温が同じでも、風がある日は数度低く感じます。薄手の羽織りが風を通してしまうと、何枚重ねても寒いままです。外側の一枚だけは、風を通しにくいものを選んでください。
移動が長いのも北海道の特徴です。車や列車での移動時間が長く、車内は暖かい。乗り降りのたびに脱ぎ着することになるので、そこでも「脱ぎやすさ」が効いてきます。
重ね方|脱いだ一枚を、どう持つかまで決めておく
秋の重ね着は、着ている状態より脱いだ状態で考えると失敗しません。
層は3つに分けます。肌に近い層は、汗をかいても冷えにくいもの。中間の層は、脱ぎ着しやすい薄手のもの。外の層は、風を通しにくいもの。この3つがあれば、朝は3枚、日中は1枚から2枚、日が落ちたら3枚と、同じ組み合わせのまま枚数で調節できます。
厚い1枚に頼らないのがコツです。厚手の上着は暖かい代わりに、脱いだ瞬間に大きな荷物になります。軽いこと、小さく畳めること、シワが戻ること。 この3つを満たさない上着は、日中の数時間ずっと持ち歩く負担になります。
前を開け閉めできるものを選ぶのも効きます。かぶって着るものは、屋内に入って暑くなったときに脱ぎにくい。前が開くだけで、着るか脱ぐかの間に「開けておく」という段階が生まれます。
首元は、体感をいちばん安く動かせる場所です。細長い一枚を入れておくと、首に巻く、肩にかける、移動中に膝に置くと使い回せて、荷物としては小さく済みます。11月ならこれを厚手のものに替えてください。
脱いだ一枚は、そのまま手荷物になる
重ね着を前提にするということは、日中に一枚か二枚を持ち歩くということです。ここを考えずに服だけ決めると、昼過ぎに両手がふさがります。
条件は2つです。両手が空くこと。そして、脱いだ一枚が入る余地があること。風の強い日に上着を腕にかけて歩くと、あおられて何度も持ち直すことになりますし、乗り物の乗り降りのたびに置き場所を探すことにもなります。肩に掛けるだけのものは、階段や坂でずり落ちて片手がふさがりがちです。
大きさの目安は、その日に脱ぐ予定の上着が丸めて入るかどうか。入らないなら、外側に通せるストラップがあるかを確かめてください。どちらも無理なら、その上着はその日の候補から外す、という判断になります。中身は、飲み物、ばんそうこう、予備の靴下、小さく畳める袋がひとつあれば足ります。袋は、濡れたものを分けて入れるのに使います。
下半身は忘れられやすい
下半身は薄着になりがちですが、秋の北海道では風が当たる場所です。薄い生地1枚だと、日が落ちてから急に寒くなります。中に一枚仕込めるようにしておくか、生地に厚みのあるものを選んでおくと、夕方の予定が楽になります。衣替えの順番そのものは秋の衣替えの手順も参考になります。
足元|雨、初雪の可能性、そして歩く距離
秋の北海道で服装が破綻するのは、たいてい足元からです。条件は3つあります。
歩けること。 街歩きでも、自然の中でも、一日の歩数は普段の2倍を超えることがあります。北海道は一つひとつの敷地が広く、駐車場から目的の場所まで、駅から街の中心までの距離も本州の感覚より長くなりがちです。舗装された道、砂利、土、落ち葉の積もった坂と、地面の種類も変わり続けます。靴底が薄くて硬いものは、後半で足裏にこたえます。
濡れても平気なこと。 秋は雨が降ると気温が下がり、地面が乾きにくくなります。布地の薄い靴は一度濡れると一日戻らず、足先が冷えたまま夕方を迎えることになります。完全な防水でなくても、表面が水を弾く程度でだいぶ違います。
足首まで冷えないこと。 冷えは地面から上がってきます。くるぶしが出る丈は9月なら問題ありませんが、10月の朝夕以降はそこから冷えます。靴下を厚くするだけでも変わります。
そして、履き慣らしてから行ってください。新しい靴で長距離を歩けば、まず靴擦れが起きます。旅の前に何度か履いて、当たる場所を出しておく。当日はばんそうこうを数枚。これだけで一日の後半が変わります。
11月に入ったら変わること
11月をひとくくりに秋として扱うと、支度が足りなくなります。変わるのは3点です。
ひとつめは、雪の可能性です。平年では10月の終わりから11月のはじめにかけて初雪の便りが届く地域が多く、11月は雨が雪に変わりうる時期に入ります。積もって残るかどうかは年によって差が大きいので、そこは断定できません。ただ、濡れる可能性が高まることだけは見込んでおいてください。
ふたつめは、日の短さです。日没が早く、暗くなってからの時間が長くなります。夕方以降に予定がある日は、昼の体感で服を決めないでください。
みっつめは、屋内との差です。この時期になると屋内はしっかり暖かく、外との差が大きくなります。厚い1枚で外に合わせると、屋内で暑くなります。 ここでも、薄い層を重ねて枚数で調節するほうが快適です。
12月が近づくと、装いの考え方は雪のある場所への旅の服装に寄っていきます。11月の後半に旅程がかかるなら、そちらの考え方も混ぜておくと安心です。
色と素材|景色に負けず、暗く沈ませない
秋の北海道は、背景の色が強く出ます。紅葉の赤や黄、枯れた色の草原、暗くなった針葉樹。ここに同じ系統の色を着ると、写真で人物が背景に溶けます。
土台は落ち着いた色にして、顔まわりだけ明るくすると人物が浮きます。生成りや白に近い色が首元にあると、曇りの日でも顔色が沈みません。ただし全身を暗い色でまとめると、秋の景色の中では重く見えます。
素材は、風を通しにくいものと、乾きやすいものを優先してください。空気を含む編みや起毛は暖かい一方で、濡れると乾きません。外側は水を弾くもの、中間は暖かいもの、と役割を分けておくと機能します。
まとめ|1か月進めて考えれば、迷う時間が減る
- 換算:9月は本州の10月、10月は本州の11月、11月は本州の12月として支度する
- 枚数:厚い1枚より薄い2枚。朝晩と日中は枚数で調節する
- 差:内陸は朝の冷え、沿岸は風。同じ日でも移動で数度動く
- 重ね方:脱いだあとに畳めるか。腕にかける前提の上着は選ばない
- 足元:歩ける・濡れても平気・足首まで冷えない、の3条件
- 11月:雨が雪に変わりうる時期。防寒を一段上げ、屋内との差にも備える
夏の北海道は「思ったより涼しい」でした。秋の北海道は「思ったより先に進んでいる」です。カレンダーを1か月進めるだけで、支度の精度はかなり上がります。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 秋の北海道は、本州のいつ頃の服装で行けばいいですか
- 月ごとにずらして考えると分かりやすいです。おおまかに、北海道の9月は本州の10月、10月は本州の11月、11月は本州の12月に近い体感になります。9月に半袖1枚で出かけると朝夕にこたえますし、11月に秋物のジャケットだけで行くと日没後に足りません。出発の前日、本州で「これを着るのはあと1か月後だな」と思う服を思い浮かべて、それを基準にすると大きく外しません。
- Q. 上着は厚いものを1枚と、薄いものを2枚のどちらがいいですか
- 薄い2枚のほうが対応の幅が広くなります。北海道の秋は朝晩と日中の差が大きく、厚い1枚だと着るか脱ぐかの二択しかありません。中間の一枚と、風を通しにくい外側の一枚に分けておけば、朝は2枚、日中は1枚、日が落ちたら2枚と、同じ組み合わせのまま枚数で調節できます。11月に入ったら、これに首まわりの一枚を足してください。
- Q. 靴は何を履いていくのが無難ですか
- 歩ける、濡れても平気、そして足首まで冷えない、この3つを同時に満たすものが候補です。秋の北海道は歩く距離が長く、雨のあとの地面が乾きにくく、地面から冷えが上がってきます。靴底が薄くて硬いものは長距離で疲れますし、布地が薄い靴は濡れると一日戻りません。表面が水を弾く程度のもので構わないので、履き慣らしたものを選んでください。予備の靴下を1足入れておくと安心です。
- Q. 11月の北海道旅行では、雪の備えが必要ですか
- 平年では10月の終わりから11月のはじめにかけて初雪の便りが届く地域が多く、11月は雨が雪に変わりうる時期です。ただし積もって残るかどうかは年によって差が大きいので、断定はできません。備えとしては、防寒を一段上げることと、足元が濡れても平気なものにすることの2点で足ります。冬用の重装備をそろえるより、手先と首元と足首を覆えるようにしておくほうが実用的です。
- Q. 荷物はどのくらいの大きさが適していますか
- 両手が空いて、脱いだ上着が入る大きさが基準です。秋の旅で荷物が増える理由は着替えではなく、朝に着ていて日中に脱いだものです。上着を腕にかけて持つと、風が強い日にあおられますし、写真を撮るたびに置き場所を探すことになります。丸めて入る余地があるか、外側に通せるストラップがあるかを先に確かめてください。それが入らない大きさの上着は、その日は向いていないということです。
— メグラシ編集部





