台風の日の通勤服|職場で乾かない服を、家を出る前に外しておく

**まず、家の玄関から職場の入口まで、屋根のない場所を歩くのは片道何分ですか。**家から駅までと、降りた駅から職場までを足してください。電車やバスに乗っている時間は数えません。
台風の日の通勤服でつらいのは、行きの道で濡れることそのものより、濡れたものを着たまま職場で何時間も過ごすことです。空調の効いた部屋では、湿った裾や靴下はなかなか乾きません。昼を過ぎてもふくらはぎのあたりが冷たく、夕方には脚の芯まで冷えています。
だから台風の日は、「濡れない服」を探すより先に、「濡れても職場で乾く服」と「職場に着いたら脱ぐ服」に分けておきます。分け方は、外を歩く分数・予報の平均風速・職場で着替えられる場所の3つでほぼ決まります。
横から吹きつける雨の防ぎ方そのものは台風の日の服装で扱っています。この記事は、職場に着いてからの数時間のほうを見ます。
結論:外を歩く分数で、職場で替えるものの数が決まる
| 片道の外歩き | 行きに着るもの | 職場で替えるもの |
|---|---|---|
| 10分以内 | 乾きやすい生地の上下と、濡れてもよい靴 | 靴と靴下 |
| 10〜20分 | 乾きやすい上と、裾の短い下 | 靴と靴下に加えて、下半身の1枚 |
| 20分を超える/平均風速15m/s以上の予報 | 行き専用の一式 | 上着の下のほぼ全部 |
10分以内なら、濡れるのはほぼ足元だけです。10分を超えると、膝から下の布が水を吸い始めます。20分を超えると、どんな上着を着ていても、袖口と胸元と腰まわりのどこかに雨が入ります。
**台風の日の服は、この表の「職場で替えるもの」から逆に決めてください。**替えるものを持って行くと決めたら、行きにそれを着る必要はなくなります。行きは濡れてよい服にできるので、選ぶのがずっと楽になります。
境目の前後にいる人は、多いほうに入れる
片道の外歩きを見積もって9分や11分になった人は、どちらの帯に入れるか迷うはずです。この場合は、多いほう、つまり持ち替えるものが多い帯に入れてください。
理由は、足りなかったときと余ったときの困り方が違うからです。替えのパンツを持って行って使わなかった場合、困るのは鞄が少し重かったことだけです。持って行かずに裾が濡れた場合は、その日の残り7〜8時間を、冷たい裾のまま過ごすことになります。
同じように、平均風速の予報が13m/sや14m/sのときも、15m/s以上の帯として扱ってかまいません。台風の進み方は予報より早まったり遅れたりします。朝の予報が昼には変わっていることも珍しくありません。家を出る時点の数字だけで決めずに、その日の通勤時間に予報の山がかかる可能性があれば、強い側に寄せておくほうが安心です。
逆に、多いほうに入れて持ち物が増えすぎるなら、職場に置いておく方法を併用してください。替えの靴と靴下を1組、ふだんから職場の机の下やロッカーに置いておけば、台風の日に持って行くものが1つ減ります。
先に測る3つ|外を歩く分数・予報の風速・着替えられる場所
外を歩く分数は、ふだんの1.3倍で見積もる
地図アプリに出る徒歩の分数は、晴れた日に平らな道をふつうに歩いた場合の数字です。台風の日は、水たまりをよけ、信号で長く待ち、向かい風で足が前に出ません。ふだん8分の道は10分を超えると思ってください。
ふだんの分数に1.3をかけて10分を超えるかどうかが、最初の境目です。駅の出口から職場の入口まで屋根のある通路を通れるなら、その区間は数えません。逆に、バス停で待つ時間は屋根がなければ足してください。
予報は「平均風速」の数字を見る
天気予報で見るのは、雨の量よりも平均風速です。平均風速が10m/sを超えると傘を開いていても風にあおられ、15m/sを超えると風に向かって歩くのが難しくなるのが目安です。
**10m/sを超える予報なら、傘は差せない前提で服を決めます。**傘で防げる量が減るぶん、上着とズボンの裾で受ける雨が増えるからです。最大瞬間風速はその倍近くになることもあるので、平均の数字が10m/sに近いなら、超える側として扱ってかまいません。
職場で着替えられる場所は3通り
更衣室やロッカーがある、トイレの個室で着替えるしかない、着替える場所がない。この3つのどれかで、持って行けるものが変わります。
更衣室があれば一式を替えられます。トイレの個室なら、立ったまま狭い場所で替えられるもの、つまり靴・靴下・ストッキング・下半身の1枚までが現実的です。着替える場所がないなら、替えられるのは靴と靴下だけです。この場合は、行きに着る服そのものを乾く生地に寄せるしかありません。
片道10分以内の人|靴と靴下だけを持ち替える
外を歩くのが10分以内なら、上半身と腰まわりは、フードのある上着と傘でほとんど守れます。濡れるのは、足の甲から足首までと、パンツの裾の数cmです。
この場合に持って行くのは、職場で履く靴と、乾いた靴下を1足だけで足ります。行きは濡れてもよい靴で出て、職場の入口に着いたら履き替えます。替えの靴は、底の汚れが袋の中で他のものに付かないよう、薄い巾着か紙袋に入れてから鞄にしまってください。
パンツは、くるぶしの骨が見える丈のものにしておくと、裾が地面からの跳ね返りを受けにくくなります。床すれすれの丈は、10分歩くだけで裾から10cmほど色が変わります。濡れた裾は一日かけて脛のほうへ水を吸い上げ、座っているあいだもじわじわ冷えます。
上は、ふだん職場で着ているものでかまいません。ただし袖口が手首を覆うほど長いブラウスやニットは、傘を持つ手首から雨が伝って濡れます。袖を一折りしておくか、袖口の締まったものを選んでください。
靴下を替えるだけで、足の冷え方はかなり違います。濡れた靴下を脱いで、足をタオルで拭いてから乾いたものを履く。それだけで、午後の脚の冷たさが別のものになります。雨が靴のどこから入るかは雨の日に靴の中が濡れるを見てください。
10〜20分の人|下半身の1枚を職場用に分ける
外歩きが10分を超えると、雨は足元だけで止まりません。膝から下の布が、前から来る雨と地面からの跳ね返りの両方を受けます。傘で頭と肩を守っていても、膝から下は傘の外に出ているからです。
この帯の人は、**職場で履く下半身の1枚を、袋に入れて持って行きます。**行きは濡れてもかまわない短めの丈のものにして、職場で替えます。
行きの下は、次のどちらかが楽です。くるぶしより上で止まる丈の、薄手で化学繊維のパンツ。あるいは、膝下丈のスカートに、濡れてもよい靴を合わせる形です。
スカートのほうが乾きやすいのには理由があります。布は一度水を吸うと数時間湿ったままですが、**素肌はタオルで拭けば数分で乾きます。**膝から下を布で覆うより、肌のまま歩いて職場で拭いたほうが、結果として冷えが残りません。季節的に脚を出すのが寒い場合は、行きだけ短い靴下を履いて、職場に着いてからタイツやストッキングを履いてください。
持って行く1枚は、しわになりにくい生地を選びます。たたんで鞄に入れて30分以上揺られるので、薄手の綿やとろみのある生地は、出したときに折り目が目立ちます。化学繊維の入ったパンツか、ニット地のスカートなら、たたみじわがほとんど残りません。
20分を超える人・強い風の予報の日|行きの服と職場の服を分ける
外歩きが20分を超えるか、平均風速が15m/sを超える予報なら、上着の下もどこかで必ず濡れます。袖口から入る雨、首元から入る雨、上着の裾から下で受ける雨。この3か所は、どんな上着でも完全には防げません。
この場合は、行きの服と職場の服をはっきり分けます。行きは、濡れても乾く生地の一式です。薄手の化学繊維のシャツかカットソー、同じく化学繊維のパンツ、濡れてよい靴。職場の服は一式たたんで袋に入れ、更衣室で替えます。
荷物が増えるのが嫌な場合は、職場に1組置いておく方法もあります。台風の多い時期だけ、ロッカーに乾いた上下と靴下を1組入れておけば、当日の荷物は行きの服だけで済みます。
トイレの個室しか着替える場所がないなら、上半身は替えずに、行きの服を乾く生地にしておきます。替えるのは、靴・靴下・下半身の1枚まで。上半身は、職場で羽織る薄手のカーディガンを1枚持って行き、湿った肩を覆うようにすると、冷房の風が直接当たらなくなります。
乾く生地と乾かない生地は、家で霧吹き10回で見分ける
行きに着る服を選ぶとき、生地の名前で覚えるより、家で一度試すほうが確かです。
試し方は簡単です。前の晩、着ていく予定の服の裾の裏側に、霧吹きで10回水をかけます。そのまま室内に30分置いて、手の甲を当ててください。**冷たいと感じたら、その服は台風の日の行きには着ません。**乾いているかどうかではなく、冷たいかどうかで見ます。湿り気は指先では分かりにくいのですが、手の甲は冷たさに敏感だからです。
おおよその傾向は次のとおりです。
| 生地 | 30分後の手触りの目安 | 台風の日の行きに |
|---|---|---|
| 化学繊維の薄手(ポリエステル・ナイロン) | ほぼ冷たくない | 向く |
| 綿の薄手(シャツ地など) | やや冷たい | 外歩き10分以内なら可 |
| 綿の厚手・デニム | はっきり冷たい | 向かない |
| 毛の厚手(裏地なし) | 冷たく、重くなる | 向かない |
| とろみのある生地(レーヨンなど) | 冷たく、縮みや水じみが出ることがある | 向かない |
同じ「化学繊維」でも、厚手で起毛したものは乾くのが遅くなります。逆に、綿でもごく薄いものは思ったより早く乾きます。名前だけで決めずに、手持ちの服を一度試してください。1回試しておけば、次の台風からは迷いません。
もう1つ、色も見ておきます。薄い色の生地は濡れたところと乾いたところの境目が線になって残りやすく、職場に着いてからも目立ちます。行きの服は、中間より濃い色にしておくと、濡れた跡が分かりにくくなります。
手持ちに乾く生地の服が1枚もないとき
試してみたら、手持ちの服がどれも冷たくなった、ということもあります。綿のシャツと毛のニットとデニムで通勤している人なら、珍しいことではありません。
この場合は、行きの服を買い足すより先に、行きに着る枚数を減らすことを考えてください。濡れて冷たくなる服を着ていく枚数が少なければ、職場で替える枚数も少なくて済みます。たとえば、行きは綿のカットソー1枚の上に上着を着て、職場に着いてからニットを重ねる。ニットは鞄の中で守られているので、職場に着いた時点で乾いています。
1枚だけ買い足すなら、薄手の化学繊維のパンツをすすめます。台風の日にいちばん濡れるのは膝から下なので、下半身の1枚が乾く生地になるだけで、職場での過ごしやすさが大きく変わります。上半身は、上着と傘である程度守れます。
平均風速10m/sを超える日は、両手が空く上着にする
風が強い日は、傘を差していても、傘を風上に向けて持つのに片手と注意の大半を取られます。そのうえ鞄を持ち、足元の水たまりを見て歩く。これでは、袖口や裾が濡れていることに気づく余裕がありません。
**平均風速10m/sを超える予報なら、傘が使えなくても困らない上着を選びます。**目安は3つです。
- フードが付いていて、顎の下で留められること
- 丈がお尻の下まであること。腰で止まる丈だと、上着の裾から下のパンツの腰まわりが濡れます
- 袖口を手首で絞れること。絞れない袖は、歩くたびに雨が肘のほうへ入ります
ポンチョ型の雨具は、両手が中に入るので荷物を守りやすい反面、横風で裾があおられて、脚と腰が丸ごと風にさらされます。強い風の日は、袖のある上着のほうが体に沿って落ち着きます。形の選び方はレインコートの選び方で比べています。
鞄も、風の日は肩にかけるより、体の前で抱えられるものが楽です。背負う形の鞄は、背中と鞄のあいだに雨がたまり、職場に着いて下ろしたときに背中だけ濡れていることがあります。雨の日の鞄の選び方は雨の日のバッグにまとめています。
下はパンツかスカートか|濡れた裾が脚に貼りつくかで決める
台風の日の下半身でいちばん困るのは、濡れた布が脚に貼りつくことです。貼りついた布は、歩くたびに肌から熱を持っていきます。
パンツなら、裾の幅とすね回りのゆとりを見ます。細身のパンツは、濡れるとすねに貼りついてなかなか離れません。逆に裾幅の広いパンツは、横風で裾が大きく振れて、濡れる面積が増えます。
台風の日に楽なのは、その中間です。平置きにして裾幅が18〜22cmほどあり、すねと布のあいだに指が2本入る程度のゆとりがあるもの。これなら貼りつきにくく、風で大きくはためくこともありません。
丈は、くるぶしの骨が出るくらいまでにします。床に届く丈は、地面からの跳ね返りを裾が全部受け止めます。どうしても長いパンツしかない場合は、行きだけ裾を2回折って、職場に着いたら下ろしてください。折り返した内側は濡れていないので、下ろせば乾いた面が外に出ます。
スカートなら、膝下丈で、裾の広がりが大きすぎないものを選びます。広がりの大きいスカートは、風で持ち上がって押さえるのに片手を取られます。歩いて裾が膝の上まで上がらない程度の広がりにしてください。
靴と靴下|職場に着いて1分で脱げるものにする
台風の日の行きの靴は、職場の入口で1分以内に脱げるものにします。紐を何段もほどく靴は、濡れた紐が固く締まって、脱ぐのに手間取ります。脱ぐのに時間がかかると、それだけ濡れた靴下のまま過ごす時間が延びます。
選びやすいのは、筒のある雨用の靴か、撥水加工のある紐なしのスニーカーです。雨用の靴の筒の中は蒸れやすいので、中は薄手の靴下にして、職場で靴下ごと替えます。
職場で履く靴は、袋に入れて持って行きます。ここで気をつけたいのは、職場用の靴をいつもと同じものにしておくことです。台風の日だけ慣れない靴を履くと、一日のうちに靴ずれができることがあります。
濡れた行きの靴は、職場で新聞紙かタオルを詰めておくと、帰りまでに中の水気がかなり抜けます。帰りもまた濡れるので、完全に乾かす必要はありません。履いたときに中が冷たくない程度になれば十分です。
職場に靴を1足置いておけるなら
机の下やロッカーに靴を1足置いておける職場なら、台風の多い時期だけでも置いておくと、当日の荷物がぐっと減ります。置いておく靴は、ふだん職場で履いている靴と同じ高さのかかとのものにしてください。かかとの高さが違うと、パンツの裾の落ち方が変わり、朝に合わせた丈が職場で短く見えたり長く見えたりします。
靴と一緒に、乾いた靴下を2足置いておくと、行きと帰りのどちらで濡れても替えられます。ストッキングを履く人は、ストッキングも1足入れておいてください。置いておくものは、袋に入れて口を閉じておくと、ほこりがつきません。
駅の床や落ち葉で靴が滑るのが不安な場合は、靴底の溝の深さも見ておいてください。滑りやすい靴の見分け方は雨の日に靴が滑るで扱っています。
上着|電車の中で脱げる厚さにしておく
台風の日の電車は、濡れた傘と人の体温で、車内の湿気が上がります。厚手の上着を着たまま乗っていると、外からの雨で濡れた上着の内側に、今度は汗がこもります。
**上着は、電車に乗ったら脱げる厚さにしておきます。**薄手の撥水の上着なら、脱いで丸めても荷物になりません。脱ぐときは、濡れた外側を内側にして丸め、袋に入れてから鞄に入れてください。そのまま鞄に入れると、鞄の中の書類や職場用の服が湿ります。
秋の台風の日は、朝の気温がまだ高い日もあれば、雨で一気に下がる日もあります。上着の下に厚手のニットを着込むより、薄手のものを2枚重ねて、暑ければ1枚脱ぐほうが調整がききます。濡れたときにも、2枚のうち外側の1枚だけを替えれば済みます。
上着の中は、首元が詰まりすぎないものにする
フードを顎の下で留める上着を着ると、首元がふさがります。その下に首の詰まったタートルネックを着ていると、電車の中で首まわりに汗がこもり、職場に着いたときには襟の内側が湿っています。
台風の日の上着の中は、首元に指が2本入るくらいのゆとりがある襟を選んでください。丸首か、小さな襟のあるシャツなら、フードを留めても首まわりに空気が通ります。冷えが気になるなら、首には薄手のスカーフを1枚巻き、職場に着いたら外して鞄に入れます。スカーフなら濡れても、職場の椅子の背にかけておけば昼までに乾きます。
判断が分かれるとき(1)行きは小雨で、帰りに本降りの予報
台風が夕方から夜に近づく予報の日は、朝の雨が弱く、行きは傘だけで歩けることがあります。この日は、行きではなく帰りに合わせて組みます。
考え方は、帰りに濡れて困るものを、職場に置いて帰れるかどうかです。職場で着る服はふだん通りでかまいません。そのかわり、帰り用の上着と靴だけは朝から持って行きます。帰りに濡れて困る職場の靴は、ロッカーや机の下に置いて帰ります。
迷うのは、帰りの時間が予報の山と重なるかどうか分からないときです。この場合は、帰りに着替えられる場所がないことを前提にしてください。職場から駅までの外歩きの分数を、行きと同じように1.3倍で見積もり、10分を超えるなら、帰りに履く下半身の1枚も持って行きます。帰りは電車を降りたら家まで歩くだけなので、行きよりも割り切って、濡れてよいものにして構いません。
判断が分かれるとき(2)着替える場所がトイレの個室しかない・制服がある
トイレの個室で着替える場合、狭い場所で床に何も置かずに替えられるものだけが現実的です。靴下、ストッキング、パンツかスカートを1枚。ここまでなら、立ったまま替えられます。上半身まで替えようとすると、床に服が落ちる心配が増えて、かえって時間がかかります。
この場合は、上半身は行きから乾く生地にしておくことで、替える必要そのものを減らします。霧吹きで試して冷たくならなかったブラウスかカットソーを選び、職場では薄手のカーディガンを羽織って、湿った肩と背中を冷房の風から守ります。
制服がある職場なら、話はもっと単純です。行きは制服に着替える前提の服なので、何が濡れてもかまいません。気をつけたいのは、行きの服を職場でどこに干すかです。ロッカーにそのまま吊るすと、中が湿って次の日まで乾かないことがあります。行きの服を乾く生地にしておけば、ハンガーに掛けておくだけで帰りまでにほぼ乾きます。
判断が分かれるとき(3)来客や会議があって、きちんと見せたい日
台風の日に限って、大事な打ち合わせが入っていることがあります。この日に乾く生地の上下で出社して、そのまま会議に出るのは気が引けるかもしれません。
この場合は、**きちんと見せる服を行きに着ないで、袋に入れて持って行きます。**ジャケットはたたんで、肩の形が崩れないように内側を上にして二つ折りにし、鞄のいちばん上に入れます。パンツやスカートも1枚持って行きます。
ジャケットだけ持って行けば十分な場合もあります。会議の席では、相手から見えるのは机の上の上半身だけです。上着とブラウスが乾いていれば、下は行きのパンツのままでもほとんど気づかれません。ただし、濡れた裾が冷えて一日落ち着かないなら、下も替えたほうが話に集中できます。
迷ったら、会議の時間で決めてください。朝いちばんの会議なら、着替える時間が取れないので、行きの服を職場用に近いものにして、靴と靴下だけ替えます。午後の会議なら、職場に着いてすぐに一式替えて、昼までにしわを伸ばしておけます。
判断が分かれるとき(4)風だけ強くて雨が少ない日・台風が過ぎた翌朝
台風の前後には、雨はほとんど降っていないのに、風だけが強い時間があります。この時間帯は、濡れる心配より、服が風であおられる心配のほうが大きくなります。
広がりのあるスカート、裾の大きく開いたパンツ、前を留めない羽織りは、風で体から離れて歩きにくくなります。この日は、体に沿う形の服を選んでください。上着の前は留め、スカートなら広がりの少ないもの、パンツならすね回りにゆとりがありすぎないものです。
台風が過ぎた翌朝は、空は晴れていても、道にはまだ水たまりと落ち葉が残っています。足元だけは前の日と同じ扱いにして、濡れてよい靴で出るか、替えの靴下を1足持って行ってください。晴れているので油断して、職場用の靴で水たまりに入ってしまうのが、この朝にいちばん多い失敗です。
もう1つ、台風が過ぎた後は気温が下がることがよくあります。前の日まで半袖で過ごせていても、翌朝は長袖と薄手の羽織りが必要になることがあります。予報の最高気温だけでなく、朝の気温の数字も見てから服を決めてください。
判断が分かれるとき(5)子どもの送りや、途中で寄る場所がある日
通勤の途中で子どもを保育園や学校に送る日は、外を歩く分数が延びるだけでなく、屋根のない場所で立ち止まる時間が増えます。門の前で子どもの雨具を脱がせる、自転車を止める、先生と話す。歩いているときより、立ち止まっているときのほうが、雨を真上から受け続けます。
この日は、**送り先で過ごす時間を、外歩きの分数にそのまま足してください。**家から送り先まで10分、送り先で5分、そこから駅まで5分なら、外歩きは20分です。「20分を超える」帯のすぐ手前なので、下半身の1枚に加えて、上半身の替えも持って行くかどうかを考えます。
子どもの雨具を手伝うときは、しゃがむ姿勢になります。しゃがむと上着の裾が地面に近づき、パンツの膝やお尻が、濡れた地面や子どもの雨具に触れます。送りのある日は、上着の丈が太ももの半ばまであるほうが、しゃがんだときに腰まわりを守れます。自転車での送りについては雨の日の自転車送迎で詳しく見ています。
通勤の途中で、買い物や用事のために寄る場所がある日も、同じように考えます。寄る場所の入口から次の屋根までが外歩きです。店の中は屋根の下ですが、濡れたまま冷房の効いた売り場を歩くと、職場に着く前に体が冷えます。寄り道がある日は、上着の下に薄手を1枚足しておくと、店の中での冷えをやわらげられます。
前の晩にそろえる袋の中身
台風の日の朝は、いつもより早く家を出ることが多く、支度に使える時間は短くなります。前の晩のうちに、職場用の袋を1つ作っておいてください。
外歩きの分数ごとの中身の目安です。
- 10分以内:職場で履く靴、乾いた靴下かストッキング1足、足を拭く小さなタオル
- 10〜20分:上に加えて、職場で履くパンツかスカートを1枚
- 20分を超える:上に加えて、職場で着る上半身の服と、羽織る薄手のカーディガン
**袋は、濡れたものを入れる袋と乾いたものを入れる袋の2つに分けます。**職場に着いたら、乾いた袋から出して、脱いだものを濡れた袋のほうに入れます。帰りは濡れた袋の中身をそのまま着て帰るか、家まで持ち帰ります。
前の晩に、着ていく服の裾に霧吹きを10回かけて試すのも、このときに一緒にやっておくと手間が1回で済みます。冷たくなった服は袋のほうに回し、冷たくならなかった服を行きに着ていく。それだけで、次の朝に迷う時間がなくなります。
台風の日は、濡れないようにするほど、荷物と準備が増えます。でも、濡れたら替えるものを先に決めておけば、行きの道で濡れるのを気にしなくてよくなります。職場の席に着いたとき、足元が乾いていて、裾が冷たくない。台風の日の通勤服は、その状態を目指して組んでください。
帰ってから、次の台風までにしておくこと
家に帰ったら、濡れた袋の中身はその日のうちに出してください。袋に入れたまま一晩置くと、湿った服どうしが重なって、においが残ることがあります。行きの靴は、中に新聞紙を詰め直して、風通しのよい日陰で乾かします。
そのとき、今日の袋の中身が足りたかどうかを振り返っておきます。替えのパンツを持って行ったのに使わなかったのか、靴下だけでは足りなかったのか。外歩きの分数と予報の風速を、手帳やスマートフォンのメモに一行書いておくと、次の台風の日に同じ数字が出たとき、迷わずに袋を作れます。
台風は秋のあいだに何度か来ることがあります。1回目の台風で決めた組み合わせを、2回目からはそのまま使えるようにしておけば、前の晩の準備は5分もかからなくなります。
よくある問い
- Q. 台風の日でもジャケットとパンツで出社しなければなりません
- ジャケットは行きに着ないで、たたんで袋に入れて持って行くのがいちばん確かです。行きは乾きやすい生地の上着を羽織り、職場に着いてから入れ替えます。パンツは裾が濡れるので、片道の外歩きが10分を超えるなら替えを1本持ってください。上下が共布のセットなら、上だけ持って行けば下は別のパンツでも会議の席ではほとんど分かりません。
- Q. ストッキングが濡れてしまったらどうすればいいですか
- 濡れたストッキングは職場ではまず乾きません。行きは履かずに出るか、濡れてもよい靴下にして、職場に着いてから新しいものを履くのが確実です。素足の脚はタオルで拭けば数分で乾きますが、布は数時間かかります。替えのストッキングは1足、袋に入れておいてください。
- Q. 職場までレインブーツで行ってもいいのでしょうか
- 行きの靴として使うのはまったく問題ありません。台風の日は職場の入口で靴を替える前提にして、職場で履く靴は袋に入れて持って行きます。レインブーツは筒の中が蒸れやすいので、中は薄手の靴下にして、職場に着いたら靴下ごと替えると脚が冷えません。
- Q. 朝は降っていなくて、夕方から台風が近づく予報です
- その日は行きではなく帰りに合わせて組みます。職場の服はふだん通りでかまいませんが、帰りに濡れて困るものを置いて帰れるかどうかを先に考えてください。上着と靴だけは帰り用を持って行き、職場の靴と服は置いて帰る、という分け方がいちばん荷物が少なく済みます。
— メグラシ編集部





