50代 ファッション 秋冬|暗い色ばかりの日は明るい色の置き場で直す

**今日着ている服のうち、いちばん明るい色の1枚はどこにありますか。**それがあごから手のひら1枚より遠い場所にあるなら、顔まわりが沈んで見える理由は、手持ちの服の色ではなく置き場です。
秋冬になると、コートもボトムスも黒・紺・チャコール・こげ茶に寄っていきます。これは汚れが目立ちにくく、合わせやすく、季節の空気にもなじむので、自然な流れです。困るのは、全部を暗い色でそろえた日に、鏡の前で「なんだか疲れて見える」と感じるときです。
このときに明るい色の服を買い足しても、置く場所が変わらなければ同じことが起きます。明るいスカートを1枚足しても、上にコートを着れば見えるのは裾の少しだけで、顔から離れた位置に明るい面が増えるだけだからです。
この記事では、手持ちの暗い服をそのまま使って、明るい色を置く場所だけを入れ替える方法を書きます。測るものは3つです。顔からの距離、見えている面積、白い紙と比べた明るさ。どれも家の鏡の前で、手と紙があれば確かめられます。
40代で首元の開きから直す方法は40代 ファッション 秋冬|去年の服が合わない日は首元の開きで直すに書きました。この記事は開きではなく、色の置き場の話です。
結論:暗い日は、明るい色を顔から手のひら1枚以内に置く
最初に答えを置きます。暗い色ばかりの日に沈んで見えるのを直すには、明るい色の面を、あごの先から手のひら1枚ぶん(およそ18〜20cm)以内に置くことです。
顔まわりに置けない日は、袖口と足首に分けて置きます。置き場は全部で3か所です。
| 置き場 | 位置の目安 | 見えていればよい量 |
|---|---|---|
| 顔まわり | あごの先から手のひら1枚以内 | コートを閉めて、はがき半分 |
| 手元 | 袖口から指1本ぶん(約2cm)はみ出す | 両手首に帯が1本ずつ |
| 足元 | くるぶしの上下5cm | 片足で手のひら半分 |
いちばん効くのは顔まわりです。手元と足元は、顔まわりに置けない日の代わりに使います。3か所全部に置く必要はありません。1か所で足りるか、2か所に分けるかは、後半の「迷ったとき」で決め方を書きます。
明るい色の服を全身に増やす話ではありません。コートとボトムスは暗い色のままで構いません。むしろ、外側の大きな面が暗いからこそ、首元の小さな明るい面が目に入ります。
まず確かめる|今日の服でいちばん明るい色はどこにあるか
手持ちの服を出す前に、今日のいつもの組み合わせを一度全部着て、鏡の前に立ってください。コートも着て、前を閉めた状態です。家の中で見るときの姿ではなく、外を歩いているときの姿で確かめます。
そのうえで、見えている部分の中から、いちばん明るい色を1つ指さしてください。
ここで多いのは、次の3つです。
1つ目は、明るい色がどこにも見えていない場合です。中にはベージュのニットを着ているのに、コートの襟が首元を覆って、外からは何も見えていません。
2つ目は、明るい色がバッグや靴など、顔から遠い場所にだけある場合です。明るいキャメルのバッグを持っていても、手に提げると位置は腰より下になります。
3つ目は、明るい色が顔の近くにあるけれど、面積がとても小さい場合です。細いネックレスや、ピアスだけが明るい、という状態です。
どれに当てはまるかで、直す場所が変わります。1つ目なら、中に着ている明るい服を外に出す方法を考えます。2つ目なら、明るい色を顔の近くに移します。3つ目なら、面積を増やします。
ここで大事なのは、暗い色を減らそうとしないことです。暗い色を減らす方向で考えると、コートを買い替える話になり、手持ちの服が使えなくなります。暗い色はそのまま、明るい色の位置だけを動かすほうが、手間もかからず、毎日続けられます。
明るさは白い紙の横で測る
「明るい色」と言っても、どこからが明るい色なのかは、人によって感じ方が違います。売り場の照明の下では明るく見えたのに、家に帰ったら意外と沈んでいた、ということもよくあります。そこで、家にある白い紙を物差しにします。
コピー用紙を1枚用意して、窓の近くの、直射日光が当たらない場所に置いてください。その横に服を並べ、紙と服の差を見ます。
- 紙とほとんど差がない色:真っ白。顔の近くに置くと、差が強く出やすい
- 紙より少し沈んで見える色:生成り、オフホワイト、薄いグレー、薄いグレージュ。この記事でいう「明るい色」の中心
- 紙と比べてはっきり暗いが、黒い服と並べると明るい色:キャメル、ミディアムグレー、くすんだ水色。顔から離れた場所でなら明るい色として働く
さらに迷う色は、スマートフォンのカメラをモノクロにして撮ってみてください。色味が消えて明るさだけが残るので、黒いコートと並べたときにどれくらい差があるかがわかります。モノクロの写真で、コートとの差がほとんど見えない色は、外から見ても明るい色として働きません。
この記事で「明るい色」と書くときは、2番目の、紙より少し沈んだ明るさを指しています。真っ白は使えないわけではありませんが、面積を小さくするか、顔から少し離して置くほうが落ち着きます。
置き場1|顔まわりは、あごの下から手のひら1枚まで
顔まわりの置き場は、あごの先から下に向かって、手のひらを縦に1枚当てた範囲です。手のひらの長さは多くの人で18〜20cmほどあり、ちょうど鎖骨のくぼみの少し下まで届きます。
この範囲に明るい面があると、顔の下から光が返ってくるように見えます。逆に、ここが全部暗い色で埋まっていると、顔のすぐ下に影ができたように見えます。
秋冬のコートを着た状態で、この範囲に明るい色を置く方法は3つあります。
**中に着るニットの首元を、コートの襟の内側に出す。**コートの前を閉めたときに、襟の合わせ目のV字の中に明るいニットが見えるようにします。丸首や浅めのVネックのコートなら、ニットは首の詰まった形を選ぶと、V字の中に明るい面が残ります。
**薄手のストールを首に1回だけかける。**巻き込まずに、首にかけて前に垂らすだけにすると、コートの襟の内側に明るい帯が2本見えます。厚手のマフラーを何重にも巻くと、明るい面は増えますが、あごの下に厚みが集まって首が埋もれやすくなります。
**シャツやブラウスの襟を、ニットの上に出す。**明るい色の襟を、暗いニットの首元から出す方法です。面積は小さいですが、顔のすぐ下にくるので効き方は大きくなります。
どれも、コートの前を閉めた状態で鏡を見て、あごの先から手のひら1枚以内に明るい面があるかを確かめてください。家の中で、コートを着ないで確かめると、外では隠れてしまう位置に明るい色を置いてしまいがちです。
置き場2|手元は、袖口から指1本ぶん
顔まわりの次に目に入りやすいのは、手元です。人と話すときやテーブルで向かい合うとき、相手の目線は顔と手の間を行き来します。袖口に明るい色が少し見えていると、手の動きにつれて明るい面が動き、全体が沈んで見えにくくなります。
置き方は、明るい色のニットやシャツの袖を、コートやジャケットの袖口から指1本ぶん、およそ2cmだけ出すことです。
- 2cmより少ないと、腕を下ろしたときに隠れてしまい、外からはほとんど見えません
- 5cmを超えると、中の袖が外の袖より長すぎるように見え、手の甲にかかって動きにくくなります
中のニットの袖丈がコートより短くて出ない場合は、手首に明るい色の細いニットのリストウォーマーを重ねる方法もあります。手首の骨の上で止まる長さなら、手袋を外したときにも見えます。
手元に置く明るい色は、顔まわりより少し濃くても構いません。顔から離れているので、紙と比べてはっきり暗いキャメルやミディアムグレーでも、黒いコートの袖口から見えれば明るい面として働きます。
袖口に出す明るい色は、素材にも気を配ってください。表面に毛足のあるニットは、コートの裏地とこすれて毛玉ができやすく、袖口だけが先に傷んで見えることがあります。目の詰まった、表面のなめらかなニットのほうが、袖口から見せ続けてもきれいな状態を保てます。シャツの袖口を出す場合は、カフスのボタンを留めたまま、コートの袖の中に折り込まずにそのまま出すと、袖口の形がきちんと見えます。
また、腕時計やブレスレットをつける日は、袖口の明るい色とぶつからないかを確かめてください。金属の光る面と明るいニットが重なると、手首に目を引くものが2つ並びます。どちらか1つに絞ると、手元がすっきり見えます。
手元の置き場は、顔まわりに明るい色を置けない日の代わりとしていちばん使いやすい場所です。職場の服装が暗い色で決まっている日や、首元に何も重ねられない日に使ってください。
置き場3|足元は、くるぶしの上下5cm
足元は、顔から最も遠い置き場です。それでも、全身が暗い色でつながっているときに、くるぶしのあたりに明るい色が少し入ると、縦に続く暗い面に区切りができます。
置く位置は、くるぶしの骨の上下5cmの範囲です。この範囲は、歩いたときにボトムスの裾と靴の間で見え隠れするところです。
- パンツの日:裾と靴の間に、明るいグレーや生成りの靴下を少しのぞかせる
- スカートの日:タイツを黒から濃いグレーやチャコールに1段だけ上げる。全体を明るくするのではなく、足首まわりだけが少し明るくなる
- ブーツの日:ブーツの履き口からのぞくニットの靴下を明るい色にする
足元の明るい色は、顔まわりとは逆に、紙に近い真っ白を使っても強く見えにくい場所です。ただし面積が大きくなると、目線が下に引っ張られます。片足で手のひら半分くらいの面が見えていれば十分です。
足元に明るい色を置くのは、顔まわりと組み合わせるときに効きます。首元と足首の両方に明るい面があると、上と下で明るさが呼び合い、間の暗い面が「重いかたまり」ではなく、「間に挟まれた面」に見えるようになります。
量の目安|コートを閉めて、はがき半分見えれば足りる
明るい色をどれくらい見せればいいかは、面積で考えます。目安は、コートの前を閉めた状態で、顔まわりに見えている明るい面が、はがきを半分に切ったくらい(およそ10cm×7cm)あるかどうかです。
これより小さいと、近くで向かい合ったときにはわかっても、少し離れると暗い面に埋もれます。これより大きいと、明るい面のほうが目立ちはじめ、コートを着ている意味が薄れます。
面積を確かめるには、実際にはがきを1枚用意して、鏡の前で首元に当ててみるのがいちばん早い方法です。はがきの半分を隠して、残りの部分と、首元に見えている明るい面の大きさを比べてください。
この目安を超えて明るい色を足したくなったら、それ以上は顔まわりに足さず、手元か足元に回してください。1か所に明るい色を集めすぎると、そこだけが浮いて見えます。2か所に分けて置くほうが、全体の明るさは上がって見えます。
また、明るい面の形も見てください。横に長い帯よりも、縦に長い面のほうが、首から胸元にかけてすっきり見えます。ストールを首にかけて前に垂らすと明るい面が縦長になり、丸首のニットを見せると横長になります。どちらがいいかは、次の項目で書く、顔とのバランスで決めます。
面積を確かめるときは、正面だけでなく、横から見た姿も確かめてください。人と並んで歩くときや、電車の中で隣に立つとき、相手から見えるのは横顔と首の横です。正面ではV字の中にはがき半分が見えていても、横から見るとコートの襟に隠れて、明るい面がほとんど見えないことがあります。横から見ても明るい面が少し残っていれば、どの方向から見られても沈んで見えにくくなります。
横から見て明るい面が消える場合は、ストールを首にかけるときに、片側だけ少し長く垂らして、肩の前に明るい面が出るようにすると、横からも見えるようになります。首の詰まったニットを着ている場合は、コートの襟を少し後ろに引いて、首の横にニットがのぞく位置に整えてください。どちらも、手持ちの服のまま、着方を少し変えるだけでできる直し方です。
迷ったとき1|明るい色を置くと、顔が強く見えるとき
首元に明るい色を置いたら、かえって顔の輪郭や肌の色むらが目立つように感じた、という声もよく聞きます。これは、明るい色と顔の明るさの差が大きすぎるか、明るい面が顔に近すぎるときに起きます。
直し方は、次の順番で1つずつ試してください。
- 明るさを1段下げる。真っ白から生成りへ、生成りから薄いグレージュへ。白い紙と並べたとき、紙よりはっきり沈んで見える側に寄せます
- 顔から離す。あごの先から、指3本ぶん(およそ5cm)下に明るい面の上端がくるようにします。首の詰まったニットではなく、浅めのVネックや、首にかけて前に垂らしたストールに切り替えると、上端が下がります
- 面積を小さくする。はがき半分から、その半分くらいまで減らします。そのぶん、袖口か足首に明るい色を足して、全体の量は変えないようにします
1から順に試すのは、いちばん手持ちの服を変えずに済むからです。明るさを1段下げるだけなら、首元に重ねる1枚を替えるだけで済みます。
どれを試しても落ち着かないときは、顔まわりは暗い色のままにして、手元と足元の2か所に分けて置く形に切り替えてください。顔から離れた場所の明るい色でも、全体が沈んで見える印象はかなり変わります。
迷ったとき2|髪の色が明るくなってきたとき
白髪が増えてきて、髪全体が明るいグレーに近づいてきた、あるいは染める色を明るめに変えた、という場合は、首元に明るい色を置いたときに、髪と首元の色がつながって見えることがあります。顔のまわりが上も下も明るくなり、顔だけが浮いて見える形です。
このときは、髪と首元の明るい面の間に、中間の濃さの帯を1本入れます。
- 首の詰まった中間のグレーのニットを着て、その下から明るい襟を少しだけ出す
- 明るいストールを首にかけるとき、首に当たる側を中間の色の面にする(両面で色が違うストールなら、裏返して使う)
- コートの襟を立てて、髪と首元の間に暗い面を挟む
髪の明るさを白い紙で測ってみるのも役に立ちます。髪が紙に近い明るさなら、首元の明るい色は紙よりはっきり沈んだ側(薄いグレージュ、ミディアムグレー)を選ぶと、髪と首元が分かれて見えます。髪がまだ紙よりかなり暗いなら、首元は紙に近い生成りまで上げても大丈夫です。
髪の色が変わる時期は、これまで似合っていた首元の色が急に合わなく感じることがあります。それは服が古くなったのではなく、髪との明るさの関係が変わっただけです。服を買い替える前に、首元の明るさを1段動かしてみてください。
迷ったとき3|職場や法事など、明るい色を控える日
暗い色で全身をそろえるほうがふさわしい日もあります。黒やグレーのスーツが基本の職場、法事や改まった集まりなどです。こうした日は、顔まわりに明るい色を置くことそのものを控えたほうがいい場合があります。
それでも全体が沈みすぎるのが気になるときは、明るい色の代わりに「明るさの差が小さい2つの暗い色」を重ねて、面を分ける方法があります。
- 黒のジャケットの中に、濃いチャコールのニットを着る
- 紺のコートの首元から、少し明るい紺のニットをのぞかせる
白い紙と比べればどちらも暗い色ですが、2つを並べると差がわかります。この差があるだけで、首元に面の区切りができ、全身が1枚の黒に見えるのを避けられます。
法事の服装そのものの選び方は、この記事の範囲を超えるので扱いません。ここで書いているのは、暗い色で装うと決まっている日に、その範囲の中で面を分ける工夫です。
職場で、明るい色を手元に置くのも1つの方法です。机に向かっているとき、相手から見えるのは顔と手元です。袖口から指1本ぶんだけ、ミディアムグレーのニットの袖がのぞいていれば、全身の暗さは変わらないまま、目線の止まる場所ができます。
迷ったとき4|黒いコートしか持っていないとき
秋冬のコートが黒の1着だけ、という方も多いと思います。黒いコートは、顔まわりに置いた明るい色をいちばんはっきり見せてくれる背景です。黒いコートだからこそ、首元のはがき半分が目に入ります。
黒いコートで気をつけたいのは、明るい色の置き場がコートの襟の形で変わることです。
- 襟のない丸首のコート:首元に見える面が横長になる。首の詰まった明るいニットを中に着ると、コートの丸い襟ぐりの中に明るい面が収まる
- テーラード襟のコート:前を閉めると、襟の合わせ目にV字ができる。V字の中に明るい面を置くと縦長になる
- スタンドカラーのコート:首元がほとんど隠れる。顔まわりに明るい色を置きにくいので、ストールを襟の外側に回すか、手元と足元に移す
コートの襟の形で迷ったら、ジャケット丈の選び方とコートとの重ね方も参考にしてください。黒いコートそのものの合わせ方は黒いコートのコーデにまとめています。
黒いコートで一番避けたいのは、中も黒、ボトムスも黒、靴も黒、と全部を同じ黒でつなぐことです。黒同士でも素材が違えば少しずつ見え方は違いますが、離れると1つのかたまりに見えます。どこか1か所に明るい面を置くだけで、そのかたまりがほどけます。
手持ちの服を並べて、明るい色の候補を3枚選ぶ
置き場が決まったら、手持ちの服の中から、それぞれの置き場に使える明るい色の候補を選んでおきます。毎朝クローゼットの前で探すより、先に候補を決めておくほうが、迷う時間が短くなります。
やり方は、秋冬に着るトップスと小物を、全部ベッドや床の上に並べることから始めます。そのうえで、白い紙を横に置き、紙より少し沈んだ明るさの服と小物だけを別の場所に寄せてください。ここで寄せたものが、明るい色の候補です。
次に、寄せた候補を1枚ずつ、手持ちのコートの首元に当ててみます。コートを着て前を閉め、襟の内側に収まるかどうかを鏡で確かめます。収まって、はがき半分くらいの面が見えるものが、顔まわりの候補です。
顔まわりに収まらなかった候補は、袖口に出せるかどうかを確かめます。コートの袖口から指1本ぶん出るものは、手元の候補になります。それでも使えなかった明るい色の靴下やタイツは、足元の候補です。
最終的に、顔まわり・手元・足元のそれぞれで、1枚ずつ、合わせて3枚の候補が決まれば十分です。候補が1か所に偏っていたら、それがいまの手持ちで足りない置き場です。足りない置き場が顔まわりなら、次の項目を読んでください。手元や足元が足りない場合は、すぐに足す必要はありません。顔まわりが整っていれば、手元と足元は余裕があるときに少しずつ埋めていけば大丈夫です。
候補を選ぶときに、もう着ていない服が出てくることもあります。袖を通さなくなった明るい色のニットは、首元に見せる1枚としてなら、また使える場合があります。体に合わなくなった服を無理に着る必要はありませんが、首元だけ見せる使い方なら、身ごろのゆとりはコートの中に隠れます。捨てる前に一度、コートの首元に当ててみてください。
手持ちで足りないときに、1つだけ足すなら
ここまで手持ちの服で直す方法を書いてきましたが、首元に見せられる明るい色の服が1枚もない、という場合もあります。そのときに1つだけ足すなら、首元に明るい面を作れるものを選んでください。候補は2つです。
**薄手で首の詰まった、明るい色のニット。**生成り、オフホワイト、薄いグレーのどれかです。厚手のものより、指でつまんで3mmに届かないくらいの薄手のほうが、コートの中に着たときに首元がもたつきません。
**長方形の薄いストール。**首に1回かけて前に垂らせる長さのものです。正方形の大判を三角に折って巻くより、長方形を垂らすほうが、明るい面が縦長になり、コートの襟の内側に収まりやすくなります。
どちらを選ぶ場合も、買う前に、手持ちのコートの襟の内側に収まるかを確かめてください。売り場では、着ているコートの前を閉めて、首元に当ててみるのが確実です。収まらない厚みのものを選ぶと、結局コートを着る日には使わなくなります。
明るい色のボトムスや靴を足すのは、首元が整ってからで十分です。顔から遠い場所の明るい色は、首元に明るい面がある日に組み合わせて初めて効いてきます。
ほかの年代で色の数を絞る考え方は、20代 ファッション 秋冬|服が少ないうちは色を3つに絞って買うに書いています。数を絞るのは20代の買い方で、置き場を動かすのは手持ちの服が多い年代の直し方です。
2m離れた鏡で最後に見る3点
明るい色を置いたら、最後に鏡から2m離れて全身を見てください。家の中で2m取れない場合は、スマートフォンで全身を撮って、画面を腕の長さだけ離して見ても同じです。近くで見たときにはちょうどよくても、離れると見え方が変わることがあります。
見るのは次の3点です。
- **最初に目が止まる場所が、顔のすぐ下にあるか。**目が止まるのが足元やバッグなら、明るい色の置き場がまだ顔から遠いということです
- 明るい面が1か所だけ浮いていないか。浮いて見えるなら、面積を減らして、もう1か所に分けて置きます
- **暗い面がひとつながりのかたまりになっていないか。**かたまりに見えるなら、首元と足首のどちらかに明るさを足します
この3点を確かめてから家を出る習慣にすると、その日の組み合わせで迷う時間が短くなります。毎朝、全部を考え直す必要はありません。「今日はどこに明るい色を置くか」だけを決めれば、コートとボトムスは同じでも、毎日違った印象で出かけられます。
秋から冬に移るときの置き場の動かし方
秋の始まりと、冬の入り口とでは、明るい色を置く場所が少しずつ変わります。季節の移り方に合わせて、置き場を動かしていくと、同じ服で長く過ごせます。
秋の始まりは、まだコートを着ない日が多い時期です。このころは、ニットやシャツそのものの首元が顔まわりの置き場になります。上に羽織るのは薄手のジャケットやカーディガンなので、前を開けて着れば、首元から胸元まで明るい面を広く見せられます。はがき半分より少し大きくなっても、羽織りの暗い面が両側にあるので、浮いて見えにくい時期です。
秋が深まってコートを着るようになると、コートの前を閉めたときに見える面が小さくなります。このころから、はがき半分の目安で確かめるようにしてください。羽織りの前を開けていた時期と同じ感覚で明るい色を置くと、コートを閉めたとたんに隠れてしまいます。
冬の入り口になると、マフラーやストールを首に巻く日が増えます。このときは、首に巻くもの自体が顔まわりの置き場になります。中に着るニットの色は外からほとんど見えなくなるので、ニットは暗い色でも構いません。首に巻くものを明るい色にして、コートの襟の上に明るい面を作ります。
手袋をする日は、手元の置き場が手袋に移ります。袖口から明るいニットの袖を出しても、手袋で隠れることが多いからです。手袋そのものを明るいグレーやキャメルにすると、手元の置き場が戻ってきます。
このように、季節が進むにつれて、明るい色の置き場は「服の首元」から「首に巻くもの」へ、「袖口」から「手袋」へと外側に移っていきます。手持ちの明るい色の服が同じでも、どの1枚を外に出すかを入れ替えるだけで、秋から冬まで同じ考え方で装えます。
50代の秋冬に、明るい色が効きやすい理由
最後に、なぜこの年代の秋冬に、明るい色の置き場がとくに効くのかを書いておきます。
1つ目は、手持ちの服が多いことです。これまでに買ってきた服の中に、明るい色の服はすでに何枚もあるはずです。足りないのは服ではなく、その服を外から見える場所に出す組み合わせ方です。置き場を動かすだけで済むので、服を買わずに印象を変えられます。
2つ目は、秋冬の装いが重ね着になることです。重ね着の日は、一番外側の大きな面と、内側の小さな面の両方を持つことになります。外側を暗い色にして、内側の小さな面に明るい色を置けるのは、重ねる季節ならではの組み方です。1枚で着る季節にはできません。
3つ目は、顔まわりの明るさの感じ方が、年齢とともに変わってくることです。これは良い悪いではなく、髪の色や肌の質感の変化で、同じ服でも首元との関係が変わるということです。これまで似合っていた暗い色のニットが、急に重く感じるようになったら、それは服の問題ではなく、明るさの関係の問題です。首元の明るさを少し調整するだけで、また同じ服が着られるようになります。
装い全体を変える必要はありません。手持ちの服のうち、いちばん明るい1枚の置き場を、顔から手のひら1枚以内に動かす。それだけで、暗い色ばかりの日の見え方は変わります。
改まった集まりの多い時期の装いは、50代の服装の選び方も参考にしてください。
よくある問い
- Q. 50代になって明るい色を着ると、無理をしているように見えないか心配です
- 服全体を明るくする必要はありません。この記事で扱うのは、暗い服の中に明るい面をはがき半分ほど置く方法です。コートやボトムスは手持ちの暗い色のままで構いません。顔から手のひら1枚以内の場所に、生成りや薄いグレーを少しのぞかせるだけで、近くで見た人の印象は変わります。
- Q. 白を首元に置くと、顔が強く見える気がします
- 白い紙の横に置いて差がほとんどない真っ白は、顔との明るさの差が大きくなりやすい色です。紙よりひとつ沈んだ生成りやオフホワイト、薄いグレージュに下げてください。それでも強いと感じたら、あごの先から指3本ぶん下に離して置くと落ち着きます。
- Q. 明るい色の服をほとんど持っていません。何を1つ足せばいいですか
- 首元に見える面を作れるものを1つ足してください。薄手で首の詰まった明るい色のニットか、長方形の薄いストールのどちらかです。コートの襟の内側に収まる厚みかどうかを、手持ちのコートに重ねて確かめてから選ぶと、買ったあとに使わなくなる失敗を避けられます。
- Q. 仕事で黒やグレーしか着られない日はどうすればいいですか
- 顔まわりに明るい色を置けない日は、手元と足元に移します。袖口から指1本ぶんだけ明るいニットの袖をのぞかせる、明るいグレーのタイツや靴下をくるぶしに見せる、の2つです。顔から離れるぶん、1か所ではなく2か所に分けて置くと、全体が沈んで見えにくくなります。
— メグラシ編集部





