ワークブーツコーデ きれいめ|服の光沢と革の艶を同じ段にそろえる

赤茶の革のワークブーツを、きれいめの服に合わせると足元だけ浮く。そう感じるなら、あなたが見るべきは色ではなく艶です。
窓辺で、合わせたい服とブーツを並べてみてください。服の表面に細い光の筋が出て、ブーツの革には光の筋が出ないなら、2つの艶の段がずれています。服を変えるか、ブーツを磨くか、どちらかで段をそろえると、同じ組み合わせでも足元が浮かなくなります。
ワークブーツの色そのものの合わせ方はワークブーツの色と合わせ方で、行き先ごとの裾の止め方はワークブーツコーデ|通勤・街歩き・旅行で、裾の止め方を替えるで書いています。この記事は、その手前にある「艶のつり合い」だけを扱います。
結論:艶は3段で見て、服と靴を同じ段に置く
服の表面も、靴の革も、光の返し方で3つの段に分けられます。
| 段 | 服の例 | 革の状態 |
|---|---|---|
| マット | 起毛のウール、コーデュロイ、ざっくりしたニット | 新品の油革、手入れを空けた革 |
| 半艶 | ウールのギャバジン、ハイゲージのニット、綿のチノ | 手のひらでなでて油が上がった革 |
| 艶 | とろみのあるブラウス、サテン、光沢のあるタフタ | クリームを入れて布で磨いた革 |
この表は、段の見分け方を示すためのものです。同じ「ニット」でも、編み地や糸で段は変わるので、最後は窓辺で並べて確かめてください。
**服と靴が同じ段か、隣り合う段なら、足元は浮きません。**マットの服に艶の靴、艶の服にマットの靴のように、2段離れたときに、足元だけが別の場所から来たように見えます。
きれいめの服は、半艶から艶の段に多く集まります。ワークブーツは、新品のうちはマットの段にいることが多いので、きれいめに合わせたときに2段離れやすいのです。
3段のどこに服が入るかは、生地の名前だけでは決まりません。同じウールでも、糸を強く撚って目を詰めた生地は半艶、表面をけば立てた生地はマットになります。売り場の札に書かれた素材名は手がかりにはなりますが、最後は光にかざして確かめるのが確実です。
段がそろっていれば、色の合わせ方は自由になります。赤茶の靴に、紺や灰色や黒のように、色の系統が離れた服を合わせても、同じ段なら落ち着いて見えます。色で迷う前に段をそろえておけば、手持ちの服の多くが候補に入ってきます。
艶の段を、自分で見分ける方法
段の見分けは、昼間の窓辺がいちばん確かです。照明の下では、光が四方から当たるので、光沢の差が見えにくくなります。
服は、窓に対して斜めに持ち、表面に光の筋が出るかを見ます。光の筋がまったく出ず、表面が少し白っぽく見えるならマット。細い筋がぼんやり出るなら半艶。くっきりした筋が出て、角度を変えると筋が動くなら艶です。
靴も同じように、窓に対してつま先を斜めに向けて見ます。つま先と、くるぶしの外側のふくらみに光が乗るかを見てください。乗らないならマット、ぼんやり乗るなら半艶、白く光る点があるなら艶です。
迷ったら、スマートフォンで服と靴を並べて撮ってみてください。写真にすると、目で見るよりも光沢の差がはっきり出ます。写真で服だけが光っていたら、靴の段が下にずれています。
雨の日や湿気の多い日は、革の艶が一時的に落ちることがあります。晴れた日に半艶に見えていた靴が、雨の翌日にはマットに見える、ということも起こります。段を確かめるのは、乾いた晴れの日にしてください。
服の側では、しわも艶を変えます。とろみのあるブラウスは、しわが寄ると、しわの山にだけ光が集まって、平らなときより艶が強く見えます。アイロンをかけたあとと、一日着たあとでは、段が半分ほど変わることもあると覚えておいてください。
なぜ色をそろえても浮くのか
赤茶のワークブーツに、ブラウンのジャケットを合わせると、色はつながります。それでも浮いて見えることがあるのは、人の目が色より先に、表面の質感を拾うからです。
光沢のある服は、光を返して、輪郭がはっきり見えます。マットな革は、光を吸って、輪郭がやわらかく見えます。色が同じでも、輪郭の見え方が違うと、上と下が別々に見えます。
逆に、色が離れていても、艶の段がそろっていれば、上下はつながって見えます。黒いウールのパンツに赤茶のブーツを合わせても、両方がマットなら、落ち着いた組み合わせになります。
色の合わせ方を変える前に、まず段をそろえる。これだけで、手持ちのきれいめの服の多くが、ワークブーツと組めるようになります。
たとえば、同じ茶色のジャケットでも、化繊のつるりとした生地のものと、ツイードのように糸の節が見えるものでは、ワークブーツと並べたときの印象がまるで違います。化繊のジャケットは靴だけが重く沈み、ツイードのジャケットは靴と一続きに見えます。色は同じなのに、見え方を分けているのは表面の光の返し方です。
人の目は、離れたところからは色より先に明るさと質感の差を拾います。駅のホームの向こう側にいる人の装いを見て、上下がつながっているかどうかを感じ取るとき、私たちが見ているのは、色の名前より、どこが光ってどこが沈んでいるかのほうです。
段がずれたとき①|靴を磨いて、段を上げる
服が半艶か艶の段で、靴がマットの段なら、靴を磨いて段を上げてください。靴の艶は、磨く回数で自分で動かせるので、服を買い足すより手軽です。
マットから半艶へ上げるなら、柔らかい布で表面のほこりを落とし、靴用のクリームを米粒2つほど取って、つま先とかかとに薄く広げます。10分ほど置いてから、乾いた布で全体を軽くこすってください。これを週に1回、3週間ほど続けると、多くの油革は半艶の段に上がります。
半艶から艶へ上げるなら、つま先とかかとだけに、もう一度クリームを薄く入れて、布を指に巻いて小さな円を描くように磨きます。全体を艶にすると、ワークブーツらしさが薄れるので、光るのはつま先とかかとだけにとどめるのがおすすめです。
ただし、油を多く含んだ革や、表面を起毛させた革は、磨いても艶が出にくいものがあります。こうした革は、服の側で段を下げるほうが早く合います。
クリームを選ぶときは、色の付いていないものから始めてください。赤茶の靴に茶色のクリームを入れると、艶と一緒に色も濃くなり、赤みが引いていきます。色を変えたくないなら、無色のクリームで艶だけを上げるのが安全です。
雨の日に履いたあとは、乾いた布で水気を拭いてから、日の当たらない場所でゆっくり乾かします。濡れたまま放っておくと、乾いたときに表面が白っぽくなり、艶の段が一気に下がります。乾いたら、つま先とかかとに薄くクリームを入れておくと、元の段に戻りやすくなります。
磨く場所を選ぶことも、段の調整になります。つま先とかかとは光を受けやすく、ここに艶があると靴全体が半艶に見えます。甲の皺のあたりは、磨いても歩くたびに皺が入るので艶が残りにくく、無理に光らせる必要はありません。光らせたい場所と、マットのまま残す場所を分けると、ワークブーツらしい表情を残したまま、きれいめの服と段がそろいます。
段がずれたとき②|服の素材で、段を下げる
靴がマットのままでよい、磨いて変えたくない、という人は、服の側で段を下げてください。
艶の段の服を、半艶の段の服に替えるのが、いちばん効きます。とろみのあるブラウスなら、ハイゲージのウールのニットに。サテンのスカートなら、ウールのギャバジンのスカートに。どれも、きれいめの印象は残したまま、光の返し方だけが1段下がります。
全身を替えなくても、靴に近い場所の1点だけを替えるのでも効果があります。足元に近いのは、ボトムの裾です。トップスが艶の段でも、ボトムが半艶なら、靴とボトムがつながり、トップスはその上に乗る形になります。
光沢のある服を、上半身に寄せるのは、ワークブーツと合わせるときの基本の置き方です。顔まわりに光があると、きれいめの印象が保たれ、足元の革はボトムを介して全体になじみます。
靴下が見える合わせ方なら、靴下の段も意識してください。ウールのリブ編みの靴下はマット、化繊の薄手の靴下は半艶から艶に入ります。靴とボトムの間に見える靴下が、どちらとも違う段だと、そこだけ浮いて見えます。見せ方の幅と厚みについてはワークブーツと靴下も参考にしてください。
服で段を下げるときに、全身をマットにそろえてしまうと、今度はきれいめの印象が薄れて、カジュアルに寄りすぎることがあります。きれいめに見せたいなら、マットにするのは足元に近いボトムまでにして、トップスか顔まわりに半艶の1点を残してください。段の差が上から下へゆるやかに下がっていく形が、きれいめとワークブーツの両方を生かします。
アイテム別|きれいめの服ごとに、段のそろえ方を変える
ここからは、ワークブーツと組むことの多いきれいめの服を5つ取り上げて、それぞれの段の見方とそろえ方を書きます。同じ種類の服でも、生地によって段が変わるので、手持ちの服を1枚ずつ窓辺で確かめながら読んでください。どの服でも、靴に近い場所から段をそろえていくのが基本です。
アイテム別①|ジャケットと合わせる
テーラードのジャケットは、きれいめの服のなかでも、ワークブーツと組みやすい1着です。肩と襟に直線があるので、ワークブーツの丸いつま先との対比で、全体が締まって見えます。
選ぶ生地は、半艶の段のウールが合います。ギャバジンやサージのように、目が詰まっていて、斜めの畝が見える生地です。表面がつるつるした化繊のジャケットは、艶の段に入りやすく、マットなワークブーツと離れます。
ジャケットの丈は、腰骨が隠れる長さか、それより少し長めにしてください。短い丈のジャケットは、足元の重さに上半身が負けます。ワークブーツの重さとつり合いをとるなら、着丈は少なくとも腰骨の下まで欲しいところです。
ボトムは、センタープレスの入ったウールのパンツが合わせやすくなります。プレスの線が足元まで縦に通り、ジャケットの直線とつながって、ワークブーツのカジュアルさを上から押さえます。
ジャケットのボタンも、意外と光を返します。金色や銀色の金属のボタンは小さな艶の点になり、マットなワークブーツと離れます。ボタンを付け替えるほどでなければ、ジャケットの前を開けて着ると、ボタンの光が目立ちにくくなります。
ジャケットの中に着るものは、靴と同じ段にすると全体がまとまります。磨いていないワークブーツなら、中にはマットなウールのタートルネックを。磨いて半艶にした靴なら、ハイゲージのニットや綿のシャツを合わせてください。
ジャケットの色は、靴の赤茶と明るさが近いものを選ぶと、上下の重さがそろいます。紺や濃い灰色は、赤茶より少し暗いので、足元がやや軽く見えます。明るいベージュは、赤茶より明るいので、足元に重さが集まります。足元を目立たせたくない日は、ジャケットを靴と同じか少し暗い色にしてください。
アイテム別②|とろみのあるブラウスと合わせる
とろみのあるブラウスは、艶の段の代表です。そのままマットなワークブーツと合わせると、上と下の距離がいちばん開きます。
それでも合わせたいときは、ブラウスと靴の間に、半艶の段の1枚を挟んでください。ウールのパンツ、またはハイゲージのニットのカーディガンを、ブラウスの上に羽織ります。挟んだ1枚が、艶の段とマットの段をつなぐ橋になります。
もう1つの方法は、ブラウスの見える面積を減らすことです。ブラウスの上にジャケットかカーディガンを着て、前を閉じ、見えるのは襟と袖口だけにします。光沢は顔と手元にだけ残り、足元とのつり合いが取りやすくなります。
色の面では、ブラウスを靴と同じ茶系にすると、艶の差が目立ちやすくなります。色が同じだと、残った違いである艶の差に目が向くからです。とろみのあるブラウスを合わせるなら、白や生成り、淡い灰色のように、靴と色が離れたものを選ぶと、艶の差は色の差に紛れて気になりにくくなります。
アイテム別③|ハイゲージのニットと合わせる
ハイゲージのニットは、半艶の段の中心にいます。マットな靴とも、艶の靴とも隣り合うので、ワークブーツと合わせるときに迷ったら、まずこれを選んでください。
色は、ブーツの赤茶と同じ系統のブラウンやキャメルにすると、色と艶の両方がつながります。濃い紺やグレーにすると、色は離れますが、艶の段が同じなので、落ち着いたきれいめになります。
首の形は、クルーネックかタートルネックがワークブーツの重さとつり合います。Vネックの深いものは、上半身が軽く見え、足元の重さが目立ちます。
同じニットでも、モヘアやアルパカのように毛足の長い糸のものはマットの段に入ります。毛足が光を散らすので、表面が白っぽく、やわらかく見えます。新品のマットなワークブーツには、こうした毛足のあるニットのほうが段がそろい、きれいめよりはやわらかい大人のカジュアルに寄ります。
ハイゲージのニットは、首まわりの開き方でも段が変わって見えます。首の開いた形は、肌の見える面積が増え、肌のつやが顔まわりの半艶の役割を担います。首の詰まった形は、ニットの表面だけが見えるので、全体の段がそろって落ち着きます。
アイテム別④|スカートと合わせる
スカートとワークブーツの組み方は、丈と履き口の関係で決まる部分が大きく、ワークブーツにスカートで詳しく書いています。ここでは、きれいめにしたいときの素材の選び方だけを足します。
プリーツスカートは、プリーツの折り目で光が筋になるので、素材が化繊だと艶の段に入ります。ウールのプリーツなら、半艶の段にとどまります。ワークブーツと合わせるなら、ウールか、ウールの混ざったものを選んでください。
タイトスカートは、きれいめの印象が強い一方、足元とのつり合いが難しくなります。ひざ下の丈で、後ろにスリットのあるものを選び、ブーツの履き口との間に、タイツで肌の見えない区間をつくると、つながって見えます。タイツは、80デニール以上の、光沢の少ないものが、ワークブーツの革と段がそろいます。
サテンのロングスカートのように、艶の段のスカートをどうしても合わせたいときは、靴を磨いて半艶に上げたうえで、トップスをマットのニットにして、艶のある面をスカートだけにしてください。艶のある場所が1か所にまとまっていれば、全身の中で浮くのではなく、見せ場として目に入ります。
アイテム別⑤|コートと合わせる
秋冬のきれいめの装いでは、コートが全身の面積の多くを占めます。ここで段がずれると、他をどれだけそろえても浮いて見えます。
ウールのチェスターコートは、生地によって段が変わります。メルトンのように表面を縮絨したものはマット、ギャバジンやカシミヤの混ざったものは半艶です。磨いていないワークブーツなら、メルトンのほうが合います。
トレンチコートは、綿のギャバジンなら半艶、化繊の光沢のある生地なら艶です。トレンチとワークブーツは、どちらも作業着から来ているので、相性はよい組み合わせです。光沢の少ない綿のトレンチを選べば、靴はマットのままでも合います。丈と生地の厚みについてはワークブーツに合うアウターも参考にしてください。
冬のダウンコートは、表地が化繊のものが多く、艶の段に入りやすい上着です。マットなワークブーツと合わせると、上半身の光沢が強く出ます。合わせるなら、表面の光沢を抑えたマットな表地のダウンを選ぶか、ボトムを半艶のウールにして、間に1段を挟んでください。
コートのボタンやベルトの金具も、ジャケットと同じように小さな艶の点になります。トレンチのベルトの金具が光る場合は、ベルトを後ろで結んで金具を隠すか、前で結ぶならバックルを通さずに結ぶと、光る点が減ってマットな靴となじみます。
白い底は、裾との間の幅で扱う
赤茶の革のワークブーツには、白っぽい底がついているものが多くあります。この白い底は、カジュアルな印象を強めるので、きれいめに寄せたいときには気になる人も多いと思います。
白い底の目立ち方は、裾と底の間に見える幅で変わります。見える幅が2センチ以下なら、白は細い線として沈み、ほとんど気になりません。3センチを超えると、白い帯として目に入ります。
パンツなら、裾を甲に少し乗る長さにすると、底の見える幅が狭まります。スカートなら、足首まで隠れる丈を選ぶか、ブーツの履き口の上に裾が重なるようにすると、白い底は視線の外に出ます。
底の白さそのものは、使ううちに少しずつ落ち着いた色になります。新品の真っ白な底が気になる時期は、底の見える幅を狭くする合わせ方を優先してください。
パンツの色も、白い底の見え方を変えます。黒や濃紺のパンツの下に白い底があると、明るさの差が大きく、底が目立ちます。灰色やベージュのように、明るさが底に近いパンツなら、底の白は溶け込みます。きれいめにしたい日に濃い色のパンツを履くなら、裾を甲に乗せて底を隠すほうを優先してください。
バッグとベルトで、段の橋をかける
服と靴の段が1段ずれているとき、間に小物を置くと、上下がつながって見えることがあります。いちばん効くのはベルトです。ウエストに革のベルトを締めると、腰の位置に靴と同じ素材が現れ、視線が上から下へ順に降りていきます。ベルトの段は、靴と同じか、服と靴の間にしてください。
バッグも同じ役割を持てます。手に持つか肩にかけるバッグは、腰から太もものあたりに来るので、上半身と足元の間に位置します。服が艶、靴がマットなら、バッグは半艶の革を選ぶと、3つの段が上から順に並び、ずれが段差ではなく流れに見えます。
小物の色は、靴の赤茶に近い茶系か、服の色に近いものを選びます。どちらにするか迷ったら、面積の大きい服の色に寄せてください。靴の色を小物で拾うと、足元が強調されて、カジュアルに寄ります。
秋と冬で、合わせやすい段が変わる
秋の服は、ウールのギャバジンや綿のチノ、ハイゲージのニットなど、半艶の段が多くなります。マットな新品のワークブーツとは1段の差なので、秋はワークブーツをきれいめに合わせやすい季節です。
冬になると、メルトンのコートや起毛のニット、コーデュロイのように、マットの段の服が増えます。靴がマットのままなら、段がそろって合わせやすくなります。反対に、秋のあいだに磨き込んで艶の段に上がった靴は、冬のマットな服と2段離れることがあります。
冬にきれいめの服を着る日が多いなら、秋の終わりに一度、磨く回数を減らしてください。艶が落ち着いて半艶の段に戻れば、マットの服とも、きれいめの半艶の服とも隣り合います。
どちらとも取れるとき①|靴の艶が、マットと半艶の間にある
履き込んだワークブーツは、つま先は光っていても、甲の皺のあたりはマット、ということがよくあります。どちらの段として扱えばいいか、迷うと思います。
判断は、**つま先を基準にしてください。**人の目は、靴のつま先とくるぶしのふくらみに先に向かいます。つま先に光が乗っていれば半艶、乗っていなければマットとして扱います。
それでも迷うなら、服は半艶の段を選んでください。半艶の服は、マットの靴とも艶の靴とも隣り合うので、靴の段がどちらに寄っていても、2段離れることはありません。
片方の靴だけが、よく光っていることもあります。利き足の側は、歩くときに曲がる回数が多く、皺が深くなって、皺のあたりがマットになりやすいからです。左右で段がずれているなら、マットなほうの靴に合わせて、もう片方も磨く回数を控えると、両足がそろいます。
どちらとも取れるとき②|服の上下で段が違う
上はとろみのあるブラウス、下はコーデュロイのパンツ、というように、上下で段が2つに分かれている組み合わせもあります。この場合、靴はどちらに合わせればいいでしょうか。
答えは、靴に近いほうに合わせるです。足元に近いのはボトムなので、ボトムの段に靴をそろえてください。コーデュロイのパンツなら、靴はマットのままで構いません。
ただし、上下で2段離れている場合は、その組み合わせ自体がばらけて見えることがあります。艶のブラウスとマットのコーデュロイなら、間に半艶のカーディガンを挟んで、3段を順につなげると、全体がまとまります。
上下の段の差を写真で確かめるときは、全身を1枚に収めてください。上半身だけ、足元だけの写真では、段の流れが見えません。全身の写真で、光っている場所が上から下へ順に減っていく、あるいは増えていくなら、段は流れとしてつながっています。
上下で段が違う組み合わせを毎回考えるのが面倒なら、手持ちの服を段ごとに分けてクローゼットにかけておく方法もあります。マット、半艶、艶の3つの場所に分けておけば、今日の靴の段を見て、同じか隣の段の場所から選ぶだけで、組み合わせが決まります。
どちらとも取れるとき③|職場の決まりがどこまでか分からない
通勤でワークブーツを履きたいけれど、職場の服装の決まりに合うかどうか分からない、という人もいると思います。
まず、職場の同僚が、スニーカーや革のブーツを履いているかを見てください。スニーカーを履いている人がいるなら、ワークブーツも許される範囲にあることが多いです。全員が革のパンプスや短靴なら、ワークブーツは控えるか、来客のない日に限るほうが安心です。
許される範囲にあるなら、服は半艶の段にそろえ、靴は磨いて半艶に上げてください。ジャケットとセンタープレスのパンツに、磨いたワークブーツを合わせれば、通勤でも浮きにくくなります。白い底が目立たないように、裾は甲に乗る長さにしてください。
来客のある日や会議の多い日だけ別の靴に替える、という使い分けもあります。職場に1足、黒の短靴やパンプスを置いておけば、ワークブーツで出社しても、着いてから履き替えられます。この場合も、服は半艶の段にそろえておくと、どちらの靴にも合います。
年代での調整|30代・40代・50代
ワークブーツをきれいめに合わせるときの、年代ごとの調整を書いておきます。年齢で何かを諦める必要はなく、変えるのは、光をどこに置くかだけです。
30代は、服の段をマットから半艶まで広く使えます。ニットにワークブーツの、カジュアルに寄った組み合わせから、ジャケットに合わせたきれいめまで、どちらにも振れます。
40代は、服の段を半艶にそろえると、全体が落ち着きます。顔まわりに少しだけ艶を足すと、きれいめの印象が保たれます。小さな光沢のあるピアスや、シルクの混ざったスカーフなどが、その役割を担います。
50代は、靴を磨いて半艶から艶に寄せると、全体の印象が引き締まります。マットな靴は、くたびれて見えることがあるので、つま先とかかとの艶を保つようにしてください。服は、半艶のウールを中心に、顔まわりに艶の段の1点を置くと、上下のつり合いがとれます。
どの年代でも、きれいめに寄せたいときに見直すのは、色より先に艶です。手持ちの服と靴を窓辺に並べる習慣をつけると、買い足す前に、手持ちの中で合う組み合わせが見つかることが増えます。
手入れの頻度で、合う服が変わる
ワークブーツの艶は、手入れの頻度で動きます。週に1回磨いていれば半艶から艶に、月に1回なら半艶からマットに、手入れをしなければマットのままです。
この性質を逆に使うと、きれいめの服を着る予定がある週だけ、前の週末に磨いて段を上げる、という使い方ができます。カジュアルな服が中心の週は、磨かずにマットのまま履きます。
靴の段を、着る服に合わせて動かせるのは、革の靴ならではの利点です。服を買い足して段をそろえるより、手入れの頻度を変えるほうが、ずっと身軽に組み合わせを広げられます。
磨いた日付を、靴箱の内側に小さく書いておくのもよい方法です。最後に磨いてから2週間以上たっていればマット寄り、1週間以内なら半艶から艶寄り、というように、日付から今の段を推し量れます。窓辺で確かめる時間がない朝でも、日付を見れば合わせる服の段を選べます。
まとめ:色より先に、艶をそろえる
赤茶の革のワークブーツを、きれいめの服に合わせて浮くとき、多くの人は色を変えようとします。けれど、先に見るべきは艶です。
服の表面の光沢と、靴の革の艶を、マット・半艶・艶の3段で見分けて、同じ段か隣り合う段にそろえる。ずれていたら、靴を磨いて上げるか、服の素材で下げる。上下で段が違うなら、靴は近いほう、つまりボトムに合わせる。
この順番で組めば、手持ちのきれいめの服の多くが、ワークブーツの相手になります。
ワークブーツはもともと作業のための靴で、きれいめの服とは出自が違います。その違いを色で埋めようとすると、いつまでも合わない感じが残ります。艶をそろえるという見方を持てば、出自の違う2つが同じ装いの中に並び、その差がむしろ大人の余裕として見えてきます。
関連記事
よくある問い
- Q. ワークブーツは通勤のきれいめな服にも合わせられますか
- 合わせられます。職場の服装の決まりが許すなら、服の光沢を半艶の段にそろえて、靴を軽く磨いて同じ段に上げると、足元だけ浮くことは少なくなります。ジャケットはウールのギャバジンやサージのような目の詰まった生地、パンツはセンタープレスの入ったものを選ぶと、ワークブーツの丸いつま先とつり合いがとれます。
- Q. 赤茶のブーツと黒い服は合いますか
- 合います。ただ、黒い服は表面の光沢が目立ちやすいので、服の段と靴の段の差が見えやすくなります。黒のとろみ素材に、磨いていない赤茶のブーツを合わせると、足元が乾いて見えます。黒を合わせるなら、ウールのように光を吸う黒にするか、靴をよく磨いて艶を上げてください。
- Q. 新品のワークブーツは艶が少なくて、きれいめの服に合いません
- 新品の革は、油が表面まで上がっていないので、マットに見えるものが多いです。履き始めの1か月は、マットの段の服に合わせ、ニットやコーデュロイ、起毛のウールと組んでください。手のひらで革をなでたり、靴用のクリームを薄く入れたりしていくと、少しずつ半艶の段に上がっていきます。
- Q. 白い底が目立って、きれいめに見えません
- 白い底は、裾との間の見える幅で印象が変わります。底が見える幅を2センチ以下にすると、白い線として目立たなくなります。パンツの裾を少し長めにして甲に乗せるか、ロングスカートで足首まで隠してください。
— メグラシ編集部





