ワークブーツコーデ 大人|上半身の重さを、つま先と筒の太さにそろえる

ワークブーツが重く見える日は、ブーツを替えるより、上に着る服の重さをブーツにそろえてください。 つま先が丸く、靴底が厚く、筒が太いブーツほど重い段です。重い段のブーツには、厚手のニットや首元の詰まった上、肩に厚みのある上着。軽い段のブーツには、薄手のシャツや首元の開いた上でも釣り合います。目安は、上半身の重さがブーツと同じ段か、一段下に収まっていることです。
ここから、自分のブーツが何段か、上に着る服が何段かを測って、そろえる手順を書いていきます。
結論:足元が重く見えるのは、上半身が2段以上軽いとき
ワークブーツを履いた日に「足元だけ浮いている」と感じるのは、ブーツが悪いからではありません。ブーツの重さと、上半身の重さの差が大きすぎるからです。
人が全身を見るとき、視線はいちばん重さのある場所に集まります。足元に重いブーツ、上半身に薄いブラウス一枚だと、視線は足元に落ちたまま上がってきません。反対に、上半身にも同じくらいの重さがあれば、視線は上と下を行き来して、全身がひとつのまとまりとして見えます。
この記事では、重さを「軽い・中くらい・重い」の3段で考えます。ブーツが重い段なら、上半身は重いか中くらい。ブーツが中くらいなら、上半身は中くらいか軽い。ブーツが軽い段なら、上半身は軽いか中くらい。上半身がブーツより2段軽くなる組み合わせ、つまり重いブーツに軽い上だけを避ければ、足元が浮くことはほとんどありません。
色の合わせ方はワークブーツの色と合わせ方で、光沢のそろえ方はワークブーツコーデ きれいめで書いています。この記事はそのどちらでもなく、上に何を着るかの重さだけを扱います。
ブーツの重さを決める3か所:つま先・靴底・筒
ワークブーツの重さは、見た目の印象で決まります。実際の重量ではなく、目に入ったときにどれだけ「どっしり」して見えるかです。その印象を決めているのは、つま先の丸み、靴底の厚み、筒の太さの3か所です。
つま先は、上から見たときの丸さで判断します。指の形に沿って丸く膨らんでいるほど重く、先に向かって少し細くなっているほど軽く見えます。
靴底は、横から見たときの厚みで判断します。かかとからつま先まで、地面から甲の革の縁までの厚みが指一本分を超えるものは重い段に入ります。指の半分くらいなら中くらい、それより薄ければ軽い段です。
筒は、履いた状態で足首のまわりにどれだけ余裕があるかで判断します。筒と足首の間に指が二本以上入るものは、筒が外に張り出して見えるので重く、指一本くらいなら中くらい、足首に沿っていれば軽く見えます。
紐の太さと履き口の高さも、少しだけ効く
3か所ほどではありませんが、紐と履き口の高さも重さの印象に影響します。
紐は、太くて丸いものほど重く見えます。平たく細い紐に替えると、同じブーツでも一段の半分くらい軽く見えることがあります。手持ちのブーツが重すぎると感じるなら、紐を細いものに替えるのは、いちばん手軽な調整です。紐の色をブーツの革と同じ色にすると目立たなくなり、白や生成りの紐にすると、紐の部分だけが浮いて見えて、かえって足元に視線が集まります。
履き口の高さは、くるぶしからどれだけ上まであるかで見ます。くるぶしの少し上で終わる低めのものは軽く、すねの半ばまである高いものは重く見えます。ただ、高い履き口はボトムの裾で隠れることが多いので、パンツを合わせる日は、履き口の高さはあまり気にしなくて構いません。スカートやワンピースで履き口が見える日だけ、重さの見積もりに半段足しておきます。
紐の締め方でも、筒の太さは変わります。上の二段を緩めると筒が開いて重く、きつめに締めると足首に沿って軽く見えます。ブーツを替えなくても、紐で半段ずつ動かせることを覚えておくと便利です。
革の表面の状態も、ほんの少しですが影響します。履き込んで皺が深く入ったブーツは、表面に影ができるぶん、新しいブーツより重く見えます。磨いて艶を出すと光を返して半段軽く見え、艶を抑えて乾いた質感のままにしておくと重く見えます。手入れの仕方でも、重さをわずかに動かせるということです。
手持ちのブーツが何段か、家で測る
3か所のうち、重い側に入るものがいくつあるかで、ブーツの段を決めます。
| 3か所のうち重い側の数 | ブーツの段 | 上半身の目安 |
|---|---|---|
| 3か所とも重い | 重い | 重い、または中くらい |
| 2か所が重い | 中くらいから重い | 中くらい |
| 1か所以下 | 軽いから中くらい | 軽い、または中くらい |
測るときは、ブーツを床に置いて、真上と真横からスマートフォンで写真を撮ると判断しやすくなります。真上の写真でつま先の丸み、真横の写真で靴底の厚みを見ます。筒の太さは、実際に履いて、立ったまま指を差し込んで確かめてください。座ると足首の位置が変わって、余裕が変わってしまいます。
色の濃さも重さに少し影響します。黒や焦げ茶は、同じ形でも赤茶や明るい茶より一段重く見えます。3か所で中くらいと出たブーツでも、黒なら重い寄りに、明るい茶なら軽い寄りに見積もっておくと、合わせたときにずれが出ません。
上半身の重さを決める3か所:厚み・首元・袖
上半身の重さも、3か所で考えます。トップスの厚み、首元の開き、袖のふくらみです。
厚みは、生地の厚さと、編み目や織り目の粗さで見ます。手でつまんだときに、指の間にしっかり厚みを感じるニットやスウェットは重い段。ほどよく張りのある綿のシャツや、薄手のニットは中くらい。透け感のあるブラウスや、薄いカットソーは軽い段です。
首元は、開きが小さいほど重く見えます。タートルネックやハイネック、首の付け根まで詰まったクルーネックは重い段。普通のクルーネックや、ボタンを一つ開けたシャツは中くらい。深いVネックや、鎖骨が大きく出る開きは軽い段に入ります。
袖は、ふくらみがあるほど重く見えます。肩が落ちてたっぷりした袖や、袖口に向かって広がる袖は重い段。体に沿ったまっすぐな袖は中くらい。袖をまくって手首から肘までが見えると、一段軽くなります。
この3か所のうち、重い側に入るものがいくつあるかで、上半身の段を決めます。数え方はブーツと同じです。
重い段のブーツに合わせる上半身
つま先が丸く、靴底が厚く、筒が太いブーツには、上半身にもしっかり重さを置きます。
いちばん合わせやすいのは、厚手のケーブル編みや畦編みのニットです。編み目の凹凸がブーツの革の硬さと釣り合い、首元が詰まっていれば、それだけで上半身が重い段に入ります。
シャツを着たいときは、厚手の綿やネルのシャツを選び、上に厚手のカーディガンかベストを重ねます。シャツ一枚では中くらいの段にとどまるので、重ねる一枚で重さを足します。
上着を着る季節なら、肩に厚みのあるジャケットや、丈の短いウールのブルゾンが合います。上着の丈と厚みについてはワークブーツに合うアウターで詳しく書いているので、ここでは中に着るトップスの側から重さを整えることに絞ります。
重い段のブーツに、薄手のブラウス一枚を合わせたいときもあると思います。その場合は、ブラウスの上に一枚重ねるか、首元にスカーフや厚手のストールを足して、上半身を中くらい以上に引き上げてください。
重い段のブーツの日に、避けたいトップス
重い段のブーツの日に、いちばん釣り合いにくいのは、薄くて体に張りつくトップスです。薄手のカットソーや、とろみのあるブラウスは、生地が体の線に沿って落ちるので、上半身が細く小さく見えます。そこに重いブーツを合わせると、上と下の大きさの差がそのまま目に入ります。
次に釣り合いにくいのは、首元が大きく開いて、袖も短いトップスです。首元と袖の2か所で軽い側に入るので、生地が多少厚くても、上半身は軽い段に寄ります。秋冬は袖の短い服を着る機会は少ないと思いますが、室内で上着を脱いだときに、中に着ていた半袖が出てくることはあります。重いブーツの日は、中に着る一枚も長袖にしておくと、上着を脱いでも段がずれません。
どうしても薄手のトップスを着たい日は、上に重ねる一枚を、室内でも脱がないものにしておいてください。カーディガンやベストなら、着たまま過ごせます。外では上着、室内ではカーディガン、と二枚で重さを支えると、どこにいても足元だけが目立つことはありません。
色の明るさも、少しだけ重さに効きます。白や淡いベージュの薄手トップスは、同じ厚みの濃い色より軽く見えます。重いブーツの日に明るい色を着るなら、生地を一段厚くするか、首元を詰めて補います。
中くらいのブーツに合わせる上半身
3か所のうち2か所が重い、あるいは1か所だけ重いブーツは、合わせられる幅がいちばん広い段です。
中くらいのブーツには、張りのある綿のシャツ、目の詰まった中厚のニット、スウェットなどがそのまま合います。首元は普通のクルーネックか、シャツならボタンを一つ開けるくらい。袖は体に沿ったまっすぐなものが扱いやすいです。
この段のブーツは、上半身を重い側に寄せても、軽い側に寄せても、大きくずれることはありません。その日の気温や行き先に合わせて、厚手のニットにしてもいいし、薄手のシャツ一枚にしても構いません。
ただし、上半身を軽い段まで下げるときは、ボトムで重さを補ってください。ボトムが細身で薄手だと、全身が軽くなり、ブーツだけがわずかに重く残ります。ボトムを少し幅のあるものにすると、上と下のつながりが自然になります。
ボトムで重さを補うときの見方
上半身とブーツの間にあるボトムは、両方をつなぐ役目をしています。上半身とブーツの段が一つずれているときは、ボトムの重さを、その間に置くと釣り合います。
たとえば、上半身が軽く、ブーツが中くらいなら、ボトムは中くらいか、軽い寄りの中くらい。上から下に向かって、少しずつ重くなっていく流れになるので、足元だけが急に重く見えることがありません。
ボトムの重さは、生地の厚みと幅で見ます。厚手のウールや太い畝のコーデュロイ、しっかりしたデニムは重く、薄手の綿やとろみのある生地は軽い。幅は、裾に向かってまっすぐ落ちるものが中くらい、広がるものが重く、細く沿うものが軽く見えます。
裾の位置も効きます。裾がブーツの履き口にかかって少したまる長さは、ボトムとブーツがつながって見えるので、足元の重さがボトムに分散します。裾がブーツの上で止まって、ブーツがすべて見える長さは、ブーツの重さがそのまま見えます。足元が重すぎると感じる日は、裾を少し長めにしてブーツにかけてください。
軽い段のブーツに合わせる上半身
つま先が少し細く、靴底が薄く、筒が足首に沿うブーツは、ワークブーツの中では軽い段です。
この段のブーツには、薄手のシャツやブラウス、首元の開いたカットソーも合わせられます。ワークブーツを履きたいけれど、上は軽くしたい、という日に向いています。
注意したいのは、上半身を重くしすぎることです。厚手のタートルネックに、袖のたっぷりしたニットを重ねると、上半身が重い段になり、今度は足元が細く頼りなく見えます。軽い段のブーツには、上半身を中くらいまでにとどめるほうがまとまります。
秋冬に厚手の上着を着るときは、上着の前を開けて中の服を見せると、重さが分散して、軽いブーツとも釣り合いやすくなります。
軽い段のブーツを、真冬にも履きたいとき
冬が深まると、上着もボトムも厚くなり、上半身はどうしても重い段に寄っていきます。軽い段のブーツを真冬にも履きたいときは、足元に重さを少し足して、上との差を縮めます。
いちばん手軽なのは、厚手の靴下を履き口から少しのぞかせる方法です。ブーツの上に、指一本分くらいの幅で靴下が見えると、足首まわりにボリュームが出て、ブーツが一段重く見えます。靴下の色は、ボトムかブーツのどちらかに近い色にすると、浮かずに重さだけが足されます。
もう一つは、ボトムの裾をブーツにかぶせて、ブーツの見える部分を減らす方法です。ブーツが軽く見えるのは、その細さや薄さが目に入るからなので、見える面積を小さくすれば、軽さも目立たなくなります。裾が少したまるくらいの長さのパンツを合わせると、足元のボリュームはボトムの裾が受け持ってくれます。
それでも上半身が重すぎると感じる日は、上着の色をボトムやブーツと同じ系統にしてください。上から下まで色がつながると、重さの差より、色の流れのほうが目に入るようになります。
首元で一段上げ下げする
上半身の重さを一段だけ調整したいとき、いちばん手早いのが首元です。
一段上げたいときは、首元を詰めます。クルーネックのニットの下に、タートルネックの薄手のカットソーを重ねて、首元だけを詰める。シャツなら一番上までボタンを留める。スカーフやストールを首に巻く。どれも、トップスを替えずに重さを足せる方法です。
一段下げたいときは、首元を開けます。シャツのボタンを二つ開ける、首元の開いたカットソーに替える、ストールを外す。首元が開くと鎖骨まわりに肌が見えて、上半身が軽くなります。
同じトップスでも、首元を変えるだけで段が変わるので、手持ちが少なくても組み合わせの幅が広がります。
シャツの襟も、首元の重さに効きます。襟が大きく、生地に張りのあるシャツは、襟の立ち上がりが首まわりにボリュームをつくるので、ボタンを一つ開けていても中くらいより重く見えます。襟が小さく、柔らかく寝るシャツは、ボタンを留めても中くらいにとどまります。重いブーツの日にシャツを着るなら、襟の大きなものを選ぶと、首元だけで上半身を引き上げやすくなります。ニットの上からシャツの襟を出す重ね方も、首元に襟の厚みが加わるので、一段上げる方法として使えます。
首元に足す小物の重さを見分ける
首元に足す小物にも、重さの段があります。
いちばん重いのは、厚手のウールのマフラーや、大判のストールを首に巻いたときです。首まわりに大きなボリュームが出るので、上半身はほぼ確実に重い段に入ります。重いブーツの日に、トップスが薄手でも、これ一本で釣り合います。
中くらいは、薄手のニットのスヌードや、細長いスカーフを首に一回巻いたときです。首元は詰まりますが、ボリュームはそれほど出ないので、上半身を一段だけ上げたいときに向いています。
軽いのは、細いチェーンのネックレスや、小さく結んだ薄いスカーフです。首元に視線は集まりますが、重さはほとんど足されません。上半身が重すぎるときに、首元を開けたまま、さびしく見えないようにする役目です。
小物は、着いた先で外したり付けたりできるのが利点です。外では厚手のマフラーで重い段、室内では外してネックレスだけにして中くらい。脱ぎ着で段が変わることを知っておくと、一日の中で重さを合わせ直せます。
袖と手首で一段上げ下げする
袖の扱いでも、重さを調整できます。
袖をまくって手首から前腕を見せると、上半身は一段軽くなります。重い段のニットを着ているけれど、ブーツが中くらいで少し上が重いと感じる日は、袖を二回まくるだけで釣り合います。
反対に、袖を手の甲にかかるくらいまで下ろすと、上半身は少し重くなります。袖口が広がるニットや、袖にたっぷり生地のあるシャツは、下ろした状態でいちばん重く見えます。
手首に時計や太めのブレスレットをつけると、袖をまくったときにも手元に重さが残るので、軽くなりすぎるのを防げます。
袖をまくる長さにも段があります。手首が少し見える一回まくりは、ほとんど重さが変わりません。前腕の半分まで見える二回まくりで、半段から一段軽くなります。肘の近くまでたくし上げると、一段以上軽くなり、上半身全体が夏の装いに近い印象になります。秋冬の重いブーツの日は、二回まくりまでにとどめておくと、軽くなりすぎずに、手元に抜けだけが出ます。ニットの袖は、まくると袖口がたまって前腕にボリュームが出るので、シャツの袖より軽くなりにくい、ということも覚えておくと、調整がしやすくなります。
どちらとも取れるとき① ブーツが重いのに、上を厚くすると暑い
秋の初めや、暖房の効いた室内で過ごす日は、厚手のニットを着ると暑すぎることがあります。重い段のブーツを履きたいのに、上半身を重くできない日です。
この場合は、厚みではなく、首元と袖で重さを足してください。薄手のニットでも、首元の詰まったハイネックにすれば一段上がります。袖のふくらんだシャツを選べば、生地が薄くても見た目の重さは出ます。
もう一つの方法は、上着を肩にかける使い方です。室内では脱いで手に持つか椅子にかけ、外を歩くときだけ羽織る。外で全身が見られる時間に、重さがそろっていれば十分です。
それでも上半身が軽くなる日は、ボトムで足します。ボトムの裾をブーツにかぶせると、ブーツの見えている高さが短くなり、足元の重さが減ります。裾の入れ方とかぶせ方はブーツにパンツで書いています。
どちらとも取れるとき② 上は軽くしたいが、ブーツは重い1足しか無い
手持ちのワークブーツが重い段の1足だけで、上は軽い服を着たい日もあります。
この場合は、上半身を「重い1か所」と「軽い2か所」の組み合わせにすると、中くらいに収まります。たとえば、薄手のシャツに袖をまくって軽くしたうえで、首元にだけ厚手のストールを巻く。首元が重いので、上半身全体は中くらいの段になり、重いブーツとの差が1段に収まります。
バッグでも重さを足せます。上半身に近い位置で持つ肩掛けのバッグを、革の厚いものや、形のしっかりしたものにすると、上半身に重さが加わります。小さな薄いバッグより、少し大きさのあるものを選んでください。
髪をまとめずに下ろすのも、上半身に重さを足す方法です。肩にかかる長さがあれば、首まわりにボリュームが出て、上半身が一段重く見えます。
どちらとも取れるとき③ ワンピースやスカートを合わせる日
ワンピースやスカートを合わせる日は、上半身と下半身の境目がはっきりしないので、測り方が少し変わります。
ワンピースの場合は、胸から上の部分を上半身として数えます。首元の開き、袖のふくらみ、胸元の生地の厚み。この3か所で、上と同じように段を決めます。ワンピースの丈とブーツの間の関係はワークブーツにワンピースで書いているので、ここでは胸から上の重さだけをそろえることに絞ります。
スカートの場合は、トップスで上半身の段を決めたうえで、スカートの生地がブーツより軽すぎないかを確かめます。薄手のプリーツスカートに重い段のブーツを合わせると、足元とスカートの間で重さが急に変わるので、上にどれだけ重さを置いても、足元が浮いて見えます。その場合は、スカートとブーツの間にタイツや厚手の靴下を挟んで、重さの段差を緩めてください。
秋冬の重ね着で、段を組み立てる
秋冬は、重ね着で上半身の段を自由に組み立てられる季節です。
基本は、中に着る一枚で中くらい、上に重ねる一枚で重さを上げる、という考え方です。中くらいのシャツやニットを土台にして、重い段のブーツの日は厚手のカーディガンやベストを重ね、軽い段のブーツの日は重ねずに一枚で着る。土台を替えなくても、重ねる一枚の有無で段を変えられます。
重ねるときは、上の一枚の丈も見てください。腰までの短い丈なら、上半身に重さが集まり、ブーツとの間に脚のラインが見えて、全身がすっきりします。お尻が隠れる長い丈なら、重さが下に伸びて、ブーツとつながって見えます。どちらがいいかは好みですが、重い段のブーツの日は、短い丈のほうが上下に重さが分かれて、足元だけが目立つことが減ります。
三枚重ねる日は、外側ほど重くする
真冬に、シャツ、ニット、上着の三枚を重ねる日は、外側にいくほど重くしていくと、まとまりが出ます。
いちばん内側は、薄手のシャツやカットソーで軽く。真ん中は中厚のニットで中くらい。いちばん外側は、厚手の上着で重く。この順番で重ねると、首元や袖口から内側の服がのぞいたときに、軽いものが見えて、重ね着が重苦しくなりません。
反対に、内側に厚手のニット、外側に薄手の上着を重ねると、上着が中のニットに押されて膨らみ、上半身が必要以上に大きく見えます。重いブーツの日でも、上半身が重い段を越えて、さらに重く見えてしまうことがあります。
三枚目の上着を脱いだときの段も、考えておいてください。上着を脱いだらシャツとニットの二枚になり、上半身は中くらいに下がります。重い段のブーツの日に室内で過ごす時間が長いなら、真ん中のニットを厚手にしておくと、脱いでも段が下がりすぎません。
手持ちで組む:重さのそろえ方を3つの型で
最後に、手持ちの服で組むための型を3つにまとめます。
一つ目は、重いブーツに重い上半身を合わせる型です。厚手のケーブル編みのタートルネックに、まっすぐな濃い色のパンツ、重い段のワークブーツ。上と下の重さがそろい、どっしりとした大人のカジュアルになります。上着を着るなら、短い丈のウールのブルゾンを合わせます。
二つ目は、中くらいのブーツに中くらいの上半身を合わせる型です。張りのある綿のシャツの上に、薄手のニットのベストを重ね、少し幅のあるパンツ、中くらいのワークブーツ。通勤にも街歩きにも使える、いちばん応用の効く組み合わせです。行き先ごとの組み方はワークブーツコーデ 行き先別も参考にしてください。
三つ目は、重いブーツに中くらいの上半身を、首元で引き上げる型です。薄手のシャツに袖をまくり、首元にだけ厚手のストール。重いブーツを履きたいけれど、上は軽く着たい日に使えます。
どの型でも、迷ったら全身を鏡に映して、最初に目が行く場所を確かめてください。足元に目が行くなら上半身が軽すぎ、首元や胸元に目が行くなら釣り合っています。
型が合っているか、写真で確かめる
鏡で見るだけでは判断しにくいときは、全身の写真を撮ってみてください。鏡は、自分が見たい場所に目が行きやすいので、重さの偏りに気づきにくいことがあります。
写真は、鏡の前で撮るより、誰かに少し離れた位置から撮ってもらうか、スマートフォンを棚に立てて、三歩ほど離れて撮ると、人から見える姿に近くなります。撮った写真を小さく縮めて見ると、細かな柄や飾りが消えて、重さの塊だけが目に入ります。
縮めた写真で、足元に黒っぽい塊が目立っていたら、ブーツが重すぎるか、上半身が軽すぎます。上半身にも同じくらいの大きさの塊があれば、釣り合っています。
同じブーツで、上だけを替えた写真を三枚並べると、どの上半身がいちばん釣り合うかが一目で分かります。一度やっておくと、次からは鏡を見るだけで判断できるようになります。
大人のワークブーツは、素材の張りで落ち着かせる
重さをそろえたうえで、もう一段大人っぽくしたいときは、素材の張りを見てください。
ワークブーツの革は、硬く張りのある素材です。上半身も、同じように張りのある素材を選ぶと、全身の質感がそろって落ち着いて見えます。目の詰まったウールのニット、しっかりした綿のシャツ、表面のなめらかなスウェット。反対に、ふわふわと毛足の長い起毛素材や、柔らかく落ち感のあるとろみ素材は、ブーツの硬さと質感がずれて、若い印象に寄りやすくなります。
色は、全身で3色までに抑えてください。ブーツの色を一色として数え、残りの2色で上半身とボトムを組みます。ブーツの色を上半身のどこかで一度だけ拾うと、たとえばベルトやバッグ、ニットの柄の一色をブーツと同じ系統にすると、上と下がつながって見えます。
季節の変わり目で、厚手のニットにはまだ早い日は、目の詰まった薄手のウールや、張りのある綿のニットが使いやすい素材です。厚みは中くらいでも、表面が平らで硬さがあるので、ブーツの革の質感と合います。ここに首元の詰まった形を選べば、薄手でも重さが出て、重い段のブーツとも釣り合います。
反対に、春先に向けて薄着になっていく時期は、ブーツのほうを一段軽いものに替えるか、同じブーツでも紐を締めて筒を細く見せると、上半身との差が縮まります。一足のワークブーツを、秋の入り口から冬の終わりまで履き続けるなら、上半身の重さを季節に合わせて動かし、ブーツはそのままにしておくほうが、手持ちも少なく済みます。
年齢を重ねるほど、足元の重さに上半身が負けやすいと感じる人は多いと思います。それは体型や年齢のせいではなく、上に着る服が軽くなりがちだからです。首元を詰め、厚みのある素材を一枚足すだけで、ワークブーツは年代を問わずに履ける靴になります。
よくある問い
- Q. ワークブーツに薄手のブラウスは合いませんか
- 合わないわけではありません。ブーツが軽い段、つまりつま先が細めで靴底が薄く、筒が足首に沿っているものなら、薄手のブラウスでも釣り合います。重い段のブーツに薄手のブラウスを合わせると、足元だけが目立ちます。その場合は、ブラウスの上に厚手のカーディガンかジャケットを一枚重ねて、上半身の重さを一段上げてください。ブラウスそのものを替えなくても、重ねる一枚で釣り合いは取れます。
- Q. ワークブーツが重く見えて、足が太く見える気がします
- 足が太く見えるのは、ブーツの重さに対して上半身が軽すぎて、視線が足元に集まっているからです。ブーツを替える前に、上に着る服の厚みを一段上げてみてください。首元が詰まったニットや、肩に厚みのある上着を合わせると、視線が上下に分かれて、足元だけが目立つことが減ります。もう一つは、ボトムの裾をブーツの筒にかぶせて、ブーツの見えている高さを短くする方法です。
- Q. 大人っぽくワークブーツを履くには、何を変えればいいですか
- 上半身の重さをブーツにそろえたうえで、素材に張りのあるものを選ぶと大人っぽく見えます。同じ厚手でも、ふわふわした起毛より、目の詰まったウールのニットや、しっかりした綿のシャツのほうが、ブーツの革の硬さと合います。色数は全身で3色までに抑え、ブーツの色を服のどこかで一度だけ拾うと、まとまって見えます。
- Q. 春や初秋の薄着の季節にも履けますか
- 履けます。ただ、薄着の季節は上半身が軽くなるので、ブーツは軽い段のものを選ぶか、重い段のブーツなら上に羽織りを一枚持つと釣り合います。秋冬は上半身が自然に重くなるので、重い段のブーツがいちばん合わせやすい季節です。この記事は秋冬の重ね着を中心に書いています。
— メグラシ編集部





